JPH06247750A - ステンドグラスの製造方法 - Google Patents

ステンドグラスの製造方法

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JPH06247750A
JPH06247750A JP6300593A JP6300593A JPH06247750A JP H06247750 A JPH06247750 A JP H06247750A JP 6300593 A JP6300593 A JP 6300593A JP 6300593 A JP6300593 A JP 6300593A JP H06247750 A JPH06247750 A JP H06247750A
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泰史 瀧住
Takeshi Takizumi
武司 瀧住
Shinichi Yoshio
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複数の種々のガラス片を容易に確実に固定で
き、しかも、容易に低コストで製造できるステンドグラ
スの製造方法を提供する。 【構成】第1の方法は、複数のガラス片3…3各々を、
前枠体1の穿設孔11…11を裏面側から覆うようにし
て仮固定し、これを箱体に入れた後、ガラス片3、3間
に接着剤5を充填するとともに、接着剤5が固化しない
内に後枠体2を接着する。又、第2の方法は、後枠体2
を、穿設孔11…11に加え、複数のボルト挿通孔12
…12の穿設したものとし、そして、複数のガラス片3
…3及び複数のナット部材8…8を仮固定し、これを箱
体に入れた後、ガラス片3、3間及びガラス片3とナッ
ト部材8との間に接着剤5を充填して固化させる。そし
て、ボルト挿通孔12からボルト9をナット部材に螺合
することにより、後枠体2を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンドグラスの製造
方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ステンドグラスは、断面H字形の
鉛製取付線材にガラス片を一枚ずつ順次嵌合させて行わ
れていたため、製造に長時間を要し、生産効率の低いも
のであった。そこで、例えば特開昭54−115515
号公報には、図12に示すように穿設孔b1と共に凹部
状に形成した複数のガラス片嵌合部b2を有する板状の
後枠体bの、そのガラス片嵌合部b2にガラス片cを嵌
合させるとともに、複数の穿設孔a1を有する板状の前
枠体aを後枠体bに溶接等して固着することによりステ
ンドグラスを製造する方法が提案されている。しかし、
この方法では、凹部状の複数のガラス片嵌合部b2を後
枠体bに形成しておかなければならず、加工面でコスト
高になる。又、例えばガラス片cを種々の色模様のもの
から構成する場合、各ガラス片c毎に多少厚さtが異な
る。その結果、ガラス片cの厚さtがガラス片嵌合部b
2の深さより厚いと板状枠体aと支持枠bとの間に隙間
が開いてしまって両者を固着し難くなってしまい、一
方、ガラス片嵌合部b2の深さより薄いとガラス片cを
固定できない。従って、全てのガラス片c…cを、ガラ
ス片嵌合部b2の深さに合った厚さに形成したもので使
用しなけばならないという課題を有する。
【0003】一方、特開昭63−236734号公報に
は、図13に示すように複数の穿設孔d1…d1を有す
る板状の前枠体d上にガラス片c…cを接着剤によって
接着させ、ガラス片c、c間に充填剤を充填した後、そ
の上方から前枠体dと一対をなすように形成した板状の
後枠体fを、接着剤によってガラス片c…cに載置させ
て接着することによりステンドグラスを製造する方法が
提案されている。しかし、この方法では、組付けを容易
に行えるが、ガラス片c…cの周部が接着剤によって前
後の枠体d、fに接着されているだけのため、取扱いの
際や年月の経過等により接着が外れる恐れがあり、その
結果、ガラス片c…cが擦れる恐れがある。又、例えば
使用する複数のガラス片c…cの内の一枚の厚さが厚い
場合、他のガラス片c…cと板状後枠体fとの間に隙間
が開いてしまって両者を接着させ難くなってしまう。こ
の場合、薄いガラス片cに対し、その薄い分だけ接着剤
を厚くすることも考えられるが、各ガラス片cに対して
どの程度の量だけ厚くしておけば良いかの判別ができ
ず、実質的に不可能である。従って、このものにおいて
も上記特開昭54−115515号公報のものと同様
に、使用する全てのガラス片c…c厚さを揃えておかな
ければならないという課題を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の実情
に鑑み提案されたものでその目的とするところは、複数
の種々のガラス片を容易に確実に固定でき、しかも、容
易に低コストで製造できるステンドグラスの製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の方法は、
複数の穿設孔(11)…(11)を有する一対の板状体からなる
二つの枠体(1)(2)を準備する。そして、一方の枠体(1)
上に、その枠体(1) の各穿設孔(11)を覆うように複数の
ガラス片(3) …(3) を載置する。次に、載置したガラス
片(3)(3)間に接着剤(5) を充填することによって各ガラ
ス片(3) …(3) と枠体(1) とを、及びガラス片(3) …
(3) 同士を接着する。その後、他方の枠体(2) を、その
枠体(2) の穿設孔(11)…(11)とガラス片(3) …(3) とを
位置合わせするようにして固定手段により固定するよう
にしたステンドグラスの製造方法を提供することにより
上記課題を解決する。
【0006】又、本発明の第2の方法は、複数の穿設孔
(11)…(11)を有する板状の前枠体(1) と、複数の穿設孔
(11)…(11)及びボルト挿通孔(12)…(12)を有する板状の
後枠体(2) とを準備する。そして、前枠体(1) の裏面上
に、複数のガラス片(3) …(3) を各穿設孔(11)…(11)を
覆うように載置するとともに、複数のナット部材(8) …
(8) を後枠体(2)のボルト挿通孔(12)…(12)各々と対応
する位置に載置する。次に、載置したガラス片(3) (3)
間及びガラス片(3) とナット部材(8) との間に接着剤
(5) を充填することによって前枠体(1) とガラス片(3)
…(3) とナット部材(8) …(8) とを接着する。その後、
後枠体(2) を、そのボルト挿通孔(12)…(12)とナット部
材(8)…(8) とを位置合わせするようにして上方側から
載置し、ボルト(9) をボルト挿通孔(12)からナット部材
(8) に螺合することにより後枠体(2) を取り外し可能に
固定するようにしたステンドグラスの製造方法を提供す
ることにより上記課題を解決する。
【0007】
【作用】本発明の第1の方法においては、接着剤を、枠
体に載置したガラス片間に充填する。こうすることよ
り、各ガラス片と枠体とを、及びガラス片同士を確実に
強固に固定することができ、ガラス片が動くようなこと
を防止できる。しかも、各ガラス片の厚さに係わらず固
定することができる。又、制作にあたっては、ガラス片
を連続的に載置していくだけで良いものとなる。
【0008】又、第2の方法においては、後枠体を、複
数の穿設孔及びボルト挿通孔を有するものとし、一方、
前枠体の裏面上に、複数のガラス片とともに、複数のナ
ット部材を後枠体のボルト挿通孔と対応する位置に載置
する。そして、これらの複数のガラス片及び複数のナッ
ト部材と前枠体とを接着剤を充填することによって固定
した後、ボルトを後枠体のボルト挿通孔からナット部材
に螺合させることにより後枠体を固定するようにする。
こうすることにより、各ガラス片の厚さに係わらずガラ
ス片と二つの枠体とを接着させて固定させることができ
る。しかも、ボルトを締緩するだけで後枠体を自在に取
り外しできるものに形成でき、ガラス片の交換も容易な
ものにできる。一方、ボルト及びナット部材を正面から
見えないようにすることができる。
【0009】
【実施例】以下、図を基に本発明の一実施例を具体的に
説明する。図1〜図8は、本発明の第1のステンドグラ
スの製造方法の一実施例の各工程の説明図である。
【0010】このステンドグラスの製造方法は、先ず、
図1に示すように薄板から所定位置に所定の大きさ、形
状の穿設孔11…11を穿設することにより形成した前
後一対をなす前枠体1と後枠体2(図6から図8に図
示)を形成しておく。これらの枠体1、2は、鋼板、真
鍮板等の金属板等から構成するのが強度面から好まし
い。又、素材のままでの使用も可能であるが、必要に応
じボンデ処理やメッキ処理したものを使用すれば外観的
にも良好なものとなる。尚、穿設孔11…11は、従来
から知られている方法により加工すれば良い。
【0011】そして、図2に示すようにガラス片3…3
を、上記枠体1、2の穿設孔11…11を覆える程度の
大きさに形成する。このガラス片3…3の形成方法は、
各々を所定形状に適宜な方法で成形すれば良い。尚、ガ
ラス片3…3の色や模様等は、一種類のものに限らず、
適宜な色や模様を有する種々のものから構成すれば良
く、又、その厚さも多少異なるものであっても使用可能
である。
【0012】次に、図2に示すようにガラス片3…3各
々を、前枠体1の穿設孔11…11を裏面側から覆うよ
うにして載置する。その際、前枠体1の穿設孔11…1
1の周部に仮固定用接着剤を塗布しておき、ガラス片3
…3各々を仮固定して位置決めする。これにより、これ
以降の工程でガラス片3…3各々が擦れ動くようなこと
を防止できる。尚、仮固定用接着剤は、一般に市販され
ている瞬間接着剤等を使用して行うことができる。
【0013】尚、このガラス片3…3の位置決めは、仮
固定用接着剤で仮固定する方法に限らず、例えば図9に
示すように位置決め部材7を用いて行うようにしても良
い。詳しくは、この位置決め部材7は、前枠体1より外
周寸法のやや小さい一枚の板状体から構成されており、
又、前枠体1と同様にして穿設された複数のガラス片嵌
合孔71…71が備えられている。これらのガラス片嵌
合孔71…71は、前枠体1の穿設孔11…11に対応
した位置に、穿設孔11…11より大きく形成され、ガ
ラス片3…3各々の外周を嵌合できるようになされてい
る。そして、この位置決め部材7が前枠体1裏面上に、
ガラス片嵌合孔71…71と穿設孔11…11とを位置
合わせするようにして固着する。この固着方法は、接着
剤や溶接等、従来から知られている方法により行えば良
い。こうすることにより、ガラス片3…3をガラス片嵌
合孔71…71に嵌め入れるだけで所定位置に配設でき
る。尚、この位置決め部材7は、この実施例では一つの
ものから構成しているが、穿設孔11…11毎の複数の
ものから構成しても良い。又、その場合、穿設孔11の
周部の全周に沿うように形成されたガラス片嵌合孔71
を有するものに限らず、例えばL字形状に形成する等、
ガラス片3を位置決めできるものであれば良い。
【0014】その後、図3に示すようにガラス片3…3
を仮固定した前枠体1を箱体4中に、ガラス片3…3を
上方側になるようにして入れる。この箱体4は、後述の
接着剤5を配設する際の治具としての役目をなすもので
あり、内周形状は前枠体1の外周形状に合わせて形成さ
れている。又、この箱体4の材質は、限定されないが、
アルミニウム、ステンレス、真鍮、あるいは樹脂等、接
着剤5と離型の良いものが好ましい。そして、箱体4中
に前枠体1を入れる際には、予め、箱体4の内面及び前
枠体1の裏面に離型剤を塗布しておくと良い。そうする
ことにより、接着剤5の充填後、箱体4と接着剤5と
が、あるいは箱体4と前枠体1の裏面とが離型剤によっ
て接着されるのを防止することができる。
【0015】そして、図4に示すように箱体4に前枠体
1を入れた後、その状態で、更にもう一度、上方から上
記離型剤を塗布する。この塗布の目的は、ガラス片3…
3における後枠体2の穿設孔11に対応する部分(ガラ
ス片3の中央部)に接着剤5が付着してしまうと綺麗に
剥がすことが出来なくなり、美観を損なうため、これを
防止するためである。しかし、穿設孔11に対応する部
分以外に離型剤が塗布されると接着剤5が機能しなくな
ってしまう。そこで、本実施例では、その塗布に際して
は、後枠体2をガラス片3…3上に載置した後、塗布す
る。後枠体2は、箱体4内に入れられることにより箱体
4の内周に沿い、自然と位置合わせされるため、その状
態で後枠体2の一面と各ガラス片3…3の周部以外の部
分に離型剤を塗布することができる。
【0016】次に、図5に示すようにガラス片3…3上
に載置した後枠体2を取り除いた後、ガラス片3…3の
間に接着剤5を充填する。又、流し込む接着剤5の量
は、ガラス片3…3の上面よりやや高くなる程度にまで
しておく。尚、この充填は、手作業、あるいは機械的に
行う等適宜な方法で行えば良い。又、この接着剤5は、
ガラス片3及び枠体1、2に接着し得るものであれば種
類を問わず使用可能であるが、硬化後、弾性を有するも
のであれば、完成後に衝撃荷重等がかかった場合にもそ
の衝撃荷重等を吸収し、ガラス片3等の割れや位置ずれ
を防止できる。
【0017】そして、図6に示すように接着剤5が硬化
しない間に、後枠体2を接着剤5の上方から載置すると
ともに、その上方から押圧用蓋10を後枠体2上に載せ
てやや押圧する。この押圧によりガラス片3…3各々の
厚さに違いの有る場合や、各ガラス片3に凹凸がある場
合でも、ガラス片3…3と後枠体2との間に接着剤5が
充填され、ガラス片3…3と後枠体2との間に隙間が発
生することなく接着することができる。
【0018】そして、放置し、接着剤5を硬化させる。
この硬化により、各ガラス片3…3と前枠体1とが、
又、ガラス片3、3同士が硬化する。従って、ガラス片
3…3の厚さが異なる場合でもガラス片3…3間に充填
された接着剤5によって厚さに係わらず接着させること
ができ、種々の色模様からなるガラス片を使用できるも
のとなる。又、接着剤5によって後枠体2も同時に接着
させて固定でき、短時間に制作できるものとなる。
【0019】尚、この実施例では、接着剤5が硬化しな
い間に後枠体2を載置することにより、接着剤5の硬化
に伴い後枠体2も同時に接着するようにしているが、例
えば、先ずガラス片3…3の間に流した接着剤5を硬化
させることによって各ガラス片3…3と前枠体1とを、
及びガラス片3、3同士を接着させた後、その硬化した
接着剤5の上に新たな接着剤をガラス片3…3の高さよ
りやや上になる程度に流し、その新たな接着剤に後枠体
2を接着させて固定するようにしても良い。
【0020】その後、箱体4内から取り出す。その際、
箱体4の内周には、離型剤を塗布しているため、容易に
取り出すことができる。その後、図7に示すように押圧
用蓋10の押圧によって後枠体2の穿設孔11…11内
にはみ出した接着剤5をカッター等9でカットする。そ
の場合においても、後枠体2の穿設孔11…11に対応
する部分のガラス片3…3には、離型剤を塗布している
ため、容易に切り取ることができる。又、穿設孔11…
11内にはみ出した接着剤5が、後枠体2の上面にまで
きた場合でも、後枠体2の上面にも離型剤を塗布してい
るため、容易に剥がれる。尚、この順序は、箱体4内か
ら取り出す前後、いずれを先に行っても差し支えない。
以上で図8(A) に示すようなステンドグラスの完成品を
得ることができるが、必要であれば側面に断面コの字状
の枠体を嵌着し、接着剤5を側面から見えないようにし
て美観を整えるようにしても良い。尚、図8(B) に示す
ものは、位置決め部材7を用いて得たステンドグラスの
完成品である。
【0021】以上のようにして製造することにより、完
成後、ガラス片3…3が擦れるようなことがなく、しか
も、連続的にガラス片3…3を載置して接着剤をながせ
ば良く、容易に低コストで組付けることができる便宜的
なものとなる。
【0022】次に、本発明の第2の方法について説明す
る。この方法は、図10及び図11に示すように前枠体
1と後枠体2との間にナット部材8…8を配設してお
き、完成後、後枠体2を自在に取り外しできるようにし
た方法である。
【0023】この方法で使用する前枠体1は先の方法で
使用したものと同じものが用いられるが、後枠体2は、
図11に示すように穿設孔11…11に加え、複数のボ
ルト挿通孔12…12の穿設されたものが用いられる。
【0024】そして、図10に示すように先の方法と同
様にガラス片3…3各々を、前枠体1の穿設孔11…1
1を裏面側から覆うようにして接着剤による仮固定や上
述の位置決め部材7によって位置決めする。そして、ナ
ット部材8…8を、後枠体2のボルト挿通孔12…12
に対応する位置に配設する。これらのナット部材8…8
は、その高さがガラス片3…3の厚さよりやや高い程度
に形成されており、軸芯に雌ネジが刻設されたものから
なる。尚、その際、ナット部材8…8を、ガラス片3…
3と同様に接着剤によって仮固定しても良い。又、位置
決め部材7に予め後枠体2のボルト挿通孔12…12に
対応する位置にナット挿通孔を穿設しておき、そのナッ
ト挿通孔にナット部材8…8を嵌め入れるようにすれ
ば、容易に位置決めでき便宜的なものとなる。又、配設
するナット部材8…8の形状や数量等は、図示したもの
に限らず、適宜変更できる。
【0025】次に、図示しないが先の方法と同様にガラ
ス片3…3及びナット部材8…8を配した前枠体1を図
3で示した箱体4中に入れ、ガラス片3…3及びナット
部材8…8間に接着剤5を充填する。又、流し込む接着
剤5の量は、ナット部材8…8の上面程度にしておく。
この場合においても、先の方法のように箱体4の内周に
離型剤を塗布しておくことにより接着剤5を充填後、容
易に取り出すことができる。そして、そのまま放置し、
接着剤5を固化させる。これにより、ガラス片3…3及
びナット部材8…8と前枠体1とを固定できる。
【0026】接着剤5の硬化後、後枠体2をセットす
る。その際、各ガラス片3…3の厚さが異なる場合、ガ
ラス片3…3と板状後枠体2との間隔hが広狭するだけ
で、各ガラス片3…3は接着剤5によって固定されてお
り、動くようなことはない。従って、先の方法と同様に
厚さの異なるガラス片3…3や、多少の凹凸の有るガラ
ス片3でも同時に、確実に固定することができる。
【0027】そして、後枠体2のボルト挿通孔12…1
2からボルト9…9をナット部材8…8に螺合する。こ
れにより、後枠体2を固定でき、ステンドグラスを得る
ことができる。又、必要であれば側面に枠体を嵌着し、
接着剤5を側面から見えないようにして美観を整えるよ
うにしても良い。
【0028】完成後、例えばガラス片3…3の一つが割
れて交換を必要とする場合は、ボルト9…9を外す。こ
れにより、容易に後枠体2を取り外すことができる。そ
して、割れたガラス片3の周部の接着剤5を切り取って
ガラス片3を取り出し、新たなガラス片3をセットす
る。その後、接着剤5を切り取ることによりできたガラ
ス片3の周部の空間に新たな接着剤5を流し込んで固化
させる。そして、後枠体2を再度セットし、ボルト9…
9をナット部材8…8に螺合することにより後枠体2を
取り付ける。このようにすることにより、ガラス片3…
3を容易に交換できる。
【0029】以上のように構成することにより、ボルト
9…9及びナット部材8…8を使用しても正面から見え
ないようにすることができ、外観的にも優れたものにで
きる。
【0030】尚、本実施例で使用する離型剤は、接着剤
5の種類等により従来から知られているものの中から適
宜選択して使用できる。
【0031】
【発明の効果】以上、実施例で述べたように本発明の第
1の方法は、ガラス片間に充填した接着剤によって、各
ガラス片の厚さに係わらずガラス片と枠体とを、更にガ
ラス片同士を接着させて確実に固定させることができ、
色彩や模様の異なる種々のガラス片を使用して製造でき
る。又、制作にあたっては、ガラス片を連続的に載置し
ていくだけで良く、容易に短時間でおこなうことがで
き、低コストで得ることができる。
【0032】又、本発明の第2の方法は、ガラス片間に
充填する接着剤中に、複数のナット部材も埋設するよう
にし、ボルトを介して後枠体を固定するようにするによ
り、各ガラス片の厚さに係わらずガラス片と二つの枠体
とを接着させて固定させることができるとともに、ボル
トを締緩するだけで後枠体を自在に取り外しできるもの
に形成でき、ガラス片の交換等を容易なものにできる。
しかも、ボルト及びナット部材を正面から見えないよう
にすることができ、外観を損なうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の方法の一実施例における前枠体
の斜視図である。
【図2】前枠体にガラス片を仮固定する際の説明図であ
る。
【図3】箱体に入れた状態の斜視図である。
【図4】離型剤を塗布する際の説明図である。
【図5】接着剤を充填する際の説明図である。
【図6】押圧用蓋で後枠体を押圧する際の説明図であ
る。
【図7】穿設孔にはみ出した接着剤をカットする際の断
面説明図である。
【図8】(A) は、完成品の断面図であり、(B) は、位置
決め部材を用いた場合の完成品の断面図である。
【図9】仮固定の他の実施例の斜視図である。
【図10】本発明の第2の方法の一実施例における前枠
体にナット部材及びガラス片を配設した状態の斜視図で
ある。
【図11】第2の発明の完成品の断面説明図である。
【図12】従来例の断面説明図である。
【図13】他の従来例の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 前枠体 2 後枠体 3 ガラス片 4 箱体 5 接着剤 7 位置決め部材 8 ナット部材 11 穿設孔 71 ガラス片嵌合孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の穿設孔(11)…(11)を有する一対の板
    状体からなる二つの枠体(1)(2)を準備し、 一方の枠体(1) 上に、その枠体(1) の各穿設孔(11)を覆
    うように複数のガラス片(3) …(3) を載置し、次に、載
    置したガラス片(3)(3)間に接着剤(5) を充填することに
    よって各ガラス片(3) …(3) と枠体(1) とを、及びガラ
    ス片(3) …(3)同士を接着し、その後、他方の枠体(2)
    を、その枠体(2) の穿設孔(11)…(11)とガラス片(3) …
    (3) とを位置合わせするようにして固定手段により固定
    するようにしたことを特徴とするステンドグラスの製造
    方法。
  2. 【請求項2】複数の穿設孔(11)…(11)を有する板状の前
    枠体(1) と、複数の穿設孔(11)…(11)及びボルト挿通孔
    (12)…(12)を有する板状の後枠体(2) とを準備し、 前枠体(1) の裏面上に、複数のガラス片(3) …(3) を各
    穿設孔(11)…(11)を覆うように載置するとともに、複数
    のナット部材(8) …(8) を後枠体(2) のボルト挿通孔(1
    2)…(12)各々と対応する位置に載置し、次に、載置した
    ガラス片(3) (3) 間及びガラス片(3) とナット部材(8)
    との間に接着剤(5) を充填することによって前枠体(1)
    とガラス片(3) …(3) とナット部材(8) …(8) とを接着
    し、その後、後枠体(2) を、そのボルト挿通孔(12)…(1
    2)とナット部材(8) …(8) とを位置合わせするようにし
    て上方側から載置し、ボルト(9) をボルト挿通孔(12)か
    らナット部材(8) に螺合することにより後枠体(2) を取
    り外し可能に固定するようにしたことを特徴とするステ
    ンドグラスの製造方法。
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