JPH062474B2 - ２輪車用メインスタンド装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、２輪車用メインスタンド装置に関する。

（従来の技術） 従来、実公昭５９−１８９５３号公報により、車体に一
端において下方の作動位置と上方の不作動位置との間に
揺動自在に枢着したアームと、該アームの他端に枢着し
たスタンド部材と、更に該アームを作動位置に係止する
係止手段とを備えるメインスタンド装置は知られ、この
場合該係止手段を該車体に一端を枢着したロック爪で構
成し、該係止手段とは別に該アームを不作動位置から作
動位置に揺動させる油圧シリンダから成る揺動手段を設
けるようにしている。

（発明が解決しようとする問題点） 上記従来のものにあっては、係止手段とは別に揺動手段
を設けることから部品点数が増加し、而も装置全体が複
雑化する問題がある。

本発明は、かかる問題点を解決した装置を提供すること
をその目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、かかる目的を達成すべく、車体に一端におい
て下方の作動位置と上方の不作動位置との間に揺動自在
に枢着したアームと、該アームの他端に枢着したスタン
ド部材と、更に該アームを作動位置に係止する係止手段
とを備えるメインスタンド装置において、該アームに枢
着したペダルと、該車体に設けたガイド部材と、該ペダ
ルに連結されその操作で該ガイド部材と協働して該アー
ムを不作動位置から作動位置に揺動して係止させるカム
部材とで該係止手段を構成したことを特徴とする。

（実施例） 本発明を図示の実施例につき説明する。

図面で(1)は前後に１対の車輪(2)(2)を備えるスクータ
型の自動２輪車の車体、(3)は該車体(1)の略中間下部に
配置したメインスタンド装置を示し、該装置(3)は、該
車体(1)に一端、例えば前端において下方の作動位置と
上方の不作動位置との間に揺動自在に枢着したアーム
(4)と、該アーム(4)の他端、例えば後端に枢着したスタ
ンド部材(5)と、更に該アーム(4)を作動位置に係止する
係止手段(6)とを備えるものとした。

更に詳述するに、該アーム(4)は第２図及び第３図示の
如く、左右１対のアーム片(4a)(4a)と該両アーム片(4a)
(4a)間を連結するクロスメンバー(4b)とから成り、該各
アーム片(4a)の前端において該車体(1)の左右１対のフ
レーム部材(1a)(1a)の下面に夫々設けたステー(1b)にボ
ルト(7)により枢着するものとし、該アーム(4)をこれと
該車体(1)との間に張設したリターンスプリング(8)で不
作動位置に付勢させるものとした。

又、該スタンド部材(5)は逆Ｕ字形に屈曲させたパイプ
部材から成り、該スタンド部材(5)から左右１対のステ
ー(5a)(5a)を延出し該スタンド部材(5)を該各ステー(5
a)において該アーム(4)の各アーム片(4a)の後端に設け
た各ブラケット(4c)にボルト(9)で枢着するものとし、
更に該ブラケット(4c)の前側と上側とに夫々ストッパー
部(4d)(4e)を形成すると共に、該ブラケットと該スタン
ド部材(5)との間にセットスプリング(10)を張設し、該
スタンド部材(5)を起立位置と跳上げ位置とに該セット
スプリング(10)の死点越え動作と該各ストッパー部(4d)
(4e)とで夫々安定に保持し得るようにした。

ここで、該係止手段(6)は、本発明の特徴とするところ
に従い以下の如く構成するものとした。即ち、該アーム
(4)に枢着したペダル(11)と、該車体(1)に設けたガイド
部材(12)と、該ペダル(11)に連結されその操作で該ガイ
ド部材(12)と協働して該アーム(4)を不作動位置から作
動位置に揺動して係止させるカム部材(13)とで該係止手
段(6)を構成するもので、これを詳述するに、図示のも
のでは該ペダル(11)を該アーム(4)の前記両アーム片(4
a)(4a)間に挿通した操作軸(14)の端部に固設するものと
し、又該ガイド部材(12)は該車体(1)の前後方向に向つ
て後下りの傾斜面(12a)と該傾斜(12a)の後端部の係止面
(12b)とを上板部に凹設した下方に開口する筐状の枠体
から成り、これを該車体(1)の前記両フレーム部材(1a)
(1a)間に固設するものとし、更に該カム部材(13)は、該
操作軸(14)にその軸方向に間隔を存して固着した左右１
対の支持アーム(13a)(13a)と該両支持アーム(13a)(13a)
の先端間に枢着したローラ(13b)とから成るものとし、
かくて該ペダル(11)を前記リターンスプリング(8)に張
力に抗して下方に揺動操作すればこれに連動して該カム
部材(13)が回動し、該ローラ(13b)が該ガイド部材(12)
の傾斜面(12a)に沿って転動して該アーム(4)が不作動位
置から作動位置に揺動され、更に操作軸(14)を通る該傾
斜面(12a)に対する法線の交点位置を越えた該ローラ(13
b)の死点越え動作で該ローラ(13b)が該係止面(12b)に当
接して該アーム(4)が作動位置に係止されるようにし
た。

尚、係止手段(6)の解除はペダル(11)を上記とは逆に上
方に揺動操作すれば解除できるが、図示のものではスタ
ンド部材(5)の起立位置から跳上げ位置への動作時にこ
れに伴なわれて該ペダル(11)が上方に揺動されるよう該
スタンド部材(5)に該ペダル(11)に当接するピン(15)を
突設した。

又、前記ガイド部材(12)の前縁を下方に屈曲してアーム
(4)の前記クロスメンバー(4b)に達する長さのカバー部
(12c)を形成し、前輪(2)が跳上げる異物からカム部材(1
3)等を保護するようにした。図面で(16)はクロスメンバ
ー(4b)の上面に設けたカム部材(13)のストッパーラバー
を示す。

（作用） 本発明の作用を上記実施例に基づいて説明するに、自動
２輪車を駐車させる際、スタンド部材(5)を第４図で鎖
線示の跳上げ位置から実線示の起立位置に揺動操作し、
次いでペダル(11)を鎖線示の位置から下方の実線示の位
置に揺動操作すれば、ガイド部材(12)とカム部材(13)と
の協働によりアーム(4)が上方の不作動位置から下方の
作動位置に揺動されてこの状態に係止され、即ち、スタ
ンド部材(5)を介して接地するアーム(4)に対し車体(1)
が押上げられて駐車状態が完成する。尚、車体にペダル
を枢着してアームにガイド部材を設けることが考えられ
るが、これによればペダルの踏込み操作に伴う車体の押
上げでペダルの支点位置が上方にずれ、踏込んでいるの
にペダルが押上げられるような状態になって異和感を生
じ、更にはペダルの踏込み力が車体に下方への力として
作用して車体の押上げが阻害され、操作性が悪くなる。
これに対し、本発明の如くアーム(4)にペダル(11)を枢
着しておけば、かかる不具合は生じず、メインスタンド
を軽快に操作性良く起立させることができる。

次いで、これを解除するときは、ペダル(11)を上方の鎖
線示の位置に揺動操作すればアーム(4)がその係止を解
かれてリターンスプリング(8)により不作動位置に戻さ
れ、次いでスタンド部材(5)を跳上げ位置に揺動操作す
る。

この場合上記操作手順をふまずに駐車状態から自動２輪
車をそのまま前方に押し出せば、スタンド部材(5)が起
立位置から跳上げ位置に動作され、これに伴なわれてピ
ン(15)によりペダル(11)が上方に揺動動作されて駐車状
態が解除される。

（発明の効果） このように本発明によれば、ペダルの操作でカム部材と
ガイド部材との協働による、アームの不作動位置から作
動位置への揺動と該アームを作動位置に係止するアーム
の係止とが行なわれることになり、従来のもののように
係止手段のほかに油圧シリンダ等の揺動手段を別個用意
する必要がなく、従来のものに比し部品点数が減少し、
而も装置全体の構造が簡素化され比較的コンパクトにな
り、更に、メインスタンドを軽快に操作性良く起立させ
ることができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の１例を具備した自動２輪車の側面
図、第２図はスタンドを跳上げた状態の要部の側面図、
第３図はその一部截除した平面図、第４図はスタンドを
起立させた状態の截断側面図、第５図は第４図のＶ−Ｖ
線截断側面図である。 (1)……車体 (3)……メインスタンド装置 (4)……アーム (5)……スタンド部材 (6)……係止手段 (11)……ペダル (12)……ガイド部材 (13)……カム部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車体に一端において下方の作動位置と上方
   の不作動位置との間に揺動自在に枢着したアームと、該
   アームの他端に枢着したスタンド部材と、更に該アーム
   を作動位置に係止する係止手段とを備えるメインスタン
   ド装置において、該アームに枢着したペダルと、該車体
   に設けたガイド部材と、該ペダルに連結されその操作で
   該ガイド部材と協働して該アームを不作動位置から作動
   位置に揺動して係止させるカム部材とで該係止手段を構
   成したことを特徴とする２輪車用メインスタンド装置。