JPH0624676B2 - 流体供給具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は軸筒内の流体収納室に摺動自在に設けたピスト
ンを前進させて，該ピストンで流体収納室に収納される
流体を軸筒前端部の塗布部に供給するようにした流体供
給具に関するものである。

（従来技術とその問題点） 上記に係わる流体供給具としては，実公昭５０−１０９
２５号公報に開示される如く，前軸と回転自在な後軸を
回転させることにより，該後軸と同回転しかつ摺動自在
な螺子杆を前軸の螺子孔に沿って前進させ，該螺子杆前
端部のピストンで前軸内に収納された流体を押圧し前軸
前端部のペン先に供給するようにしたものが知られてい
る。

しかし乍ら，上述せる構造では，収納流体が高粘性液体
であっても該流体をピストンで押圧し確実にペン先に供
給できるという利点を奏する反面，使用時に流体をペン
先に供給するには前記せる後軸を前軸に対し回転させな
ければならず，その都度の軸筒の持ち変えや両手での操
作及び後軸の回転による供給流体量の調整が面倒である
という問題を有していた。

本発明は上述せる問題点に鑑みなされたものであり，軸
筒内の流体収納室に摺動自在に設けたピストンを軸筒に
設けた操作ノブを指先で押圧するのみの簡単な操作にて
前進させ，該ピストンで流体収納室に収納される流体を
軸筒前端部の塗布部に供給できるようにした操作性に優
れる流体供給具を提供せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、軸筒前端部に塗布部を有しており、該塗布部
と連通する軸筒内の流体収納室に摺動自在なピストンを
有しており、該ピストンに、外面に螺子山を有しかつ長
手方向の非螺子部を有する螺子杆が連結されており、該
螺子杆に螺合する螺子孔を有する螺子環が前記軸筒内の
所定位置に固定配置されており、該螺子環に、軸心方向
に対し互いに異なる方向に傾斜した軸方向に平行な面を
有する弾性変形可能な外羽根と内羽根とを交互に複数個
有し、前記螺子杆と摺動自在にかつ一体に回転し得る回
転体が回転自在に連結されており、また、前記軸筒後部
に操作ノブを有しており、該操作ノブは、前記回転体の
前記外羽根と内羽根の存在領域に位置する、軸心方向の
往復動が可能な操作杆を備えており、該操作杆を前記操
作ノブの押圧操作で移動させることにより前記回転体を
回転させるようにした流体供給具であって、前記回転体
の前記外羽根及び内羽根と、前記操作杆とは、操作杆が
内方移動するときには、操作杆が内羽根の面に当接して
内羽根を押圧し更に隣接する外羽根を押圧変形して乗り
越え、また、操作杆が外方移動するときには、操作杆が
外羽根の面に当接して外羽根が押圧し更に隣接する内羽
根を押圧変形して乗り越え、こうして前記回転体を回転
させるという配置関係になっている流体供給具を要旨と
する。

（実施例） 以下，本考案を実施例に基づき詳細に説明する。

第１図乃至第４図において，参照符号１は軸筒２前端部
に設けられ塗布部であって，図示例では該塗布部１を弾
性多孔質体，繊維集束体等よりなるペン先３と該ペン先
３にパイプ部４を挿入配置させるホルダー５と該ペン先
３及びホルダー５を抱持させる先部材６とにより構成
し，該先部材６を軸筒２前端部に嵌着せしめてなるもの
を示してあるが，先部材６のみをもってして或いはペン
先３を直接軸筒２前端部に取り付けるようにしてこれを
塗布部１としても良く，該塗布部１は使用する流体の種
類に応じて種々変更できるものである。７は軸筒２内に
設けられた流体収納室であって，該流体収納室７には化
粧用或いは筆記具用等の液体や粉体が収納される。８は
該流体収納室７に摺動自在に設けられたピストンであっ
て，該ピストン８後部には外面に螺子山を有し，かつ長
手方向の非螺子部９を２箇所有する螺子杆１０が連結さ
れている。１１は軸筒２内所定位置に固定配置された螺
子環であり，該螺子環１１は前記螺子杆１０の螺子山と
螺合せる螺子孔をその内面に有してなる。１２は該螺子
環１１後部に回転自在に連結された円筒状の回転体であ
って，該回転体１２は中間壁面１３より突設され複数の
外羽根１４と中間壁面１３及び後部外面１５より突設さ
れた複数の内羽根１６とを交互に有している。これら外
羽根１４も内羽根１６も、軸心方向に対し異なる方向に
傾斜した軸方向に平行な面を有し、弾性変形可能であ
る。

又該回転体１２は前記螺子杆１０断面と合致する孔１７
を有しており，該螺子杆１０と摺動自在にかつ一体に回
転できるようになっている。１８は軸筒２後部外面に形
成せられた切欠き１９に嵌挿され軸筒２内へ押圧移動可
能に配置された操作ノブであり，図示例では該操作ノブ
１８を軸筒２後端部に嵌着した後冠２０と一体に形成し
てなるものを示してあるが，操作ノブ１８と後冠２０は
必ずしも一体である必要はなく，軸筒２後部外面に孔を
設けて該孔にノブ１８を嵌挿するようにしてもよく，又
該操作ノブ１８の復帰弾性をバネ部材を用いて付与する
ようにしてもよい。２１は前記操作ノブ１８前端部に一
体もしくは別体で設けられた操作杆であり，該操作杆２
１の前端部は回転体１２の外羽根１４と内羽根１６が存
在する領域に位置している。

以下，上述せる実施例の動作を説明する。

第１図の常態より操作ノブ１８を軸筒２内方に押圧移動
させると該操作ノブ１８と連動し操作杆２１も内方に移
動する。該操作杆２１は下方に位置する内羽根１６のテ
ーパー面１６ａに当接したところで内羽根１６を押圧す
ることになり，しかして回転体１２は矢印方向に回転す
ることになる。操作杆２１は回転体１２の後部外面１５
に当接する迄の内方移動過程において，前記内羽根１６
と隣接する外羽根１４を押圧変形し該外羽根１４を乗り
越える。押圧変形された外羽根１４は操作杆２１が離反
したところで復帰する。ここで操作ノブ１８の押圧を解
除すれば操作ノブ１８は復帰することになり操作杆２１
はこれと連動し外方に移動する。該操作杆２１は上方に
位置する外羽根１４のテーパー面１４ａに当接したとこ
ろで外羽根１４を押圧することになり，しかして回転体
１２は前記と同方向に更に回転する。操作杆２１は操作
ノブ１８が完全に復帰する迄の外方移動過程において，
前記外羽根１４と隣接する内羽根１６に当接したところ
で外羽根１４を押圧変形し該内羽根１６を乗り越え，第
１図の常態にもどる。

要するに操作ノブ１８の押圧及び解除による操作杆２１
の軸心方向の往復動により，回転体１２は所定角回転す
ることになるので，該回転体１２と一体に回転する螺子
杆１０は螺子環１１の螺子孔に沿って前方に移動し，か
くして前部に連結されるピストン８で流体収納室７の収
納流体を押圧して塗布部１に供給することができる。

（考案の効果） 以上の如く，本発明の流体供給具は、軸筒２前端部に塗
布部１を有しており、該塗布部１と連通する軸筒２内の
流体収納室７に摺動自在なピストン８を有しており、該
ピストン８に、外面に螺子山を有しかつ長手方向の非螺
子部９を有する螺子杆１０が連結されており、該螺子杆
１０に螺合する螺子孔を有する螺子環１１が前記軸筒２
内の所定位置に固定配置されており、該裸子環１１に、
軸心方向に対し互いに異なる方向に傾斜した軸方向に平
行な面を有する弾性変形可能な外羽根１４と内羽根１６
とを交互に複数個有し、前記螺子杆１０と摺動自在にか
つ一体に回転し得る回転体１２が回転自在に連結されて
おり、また、前記軸筒２後部に操作ノブ１８を有してお
り、該操作ノブ１８は、前記回転体１２の前記外羽根１
４と内羽根１６の存在領域に位置する、軸心方向の往復
動が可能な操作杆２１を備えており、該操作杆２１を前
記操作ノブ１８の押圧操作で移動させることにより前記
回転体１２を回転させるようにした流体供給具であっ
て、前記回転体１２の前記外羽根１４及び内羽根１６
と、前記操作杆２１とは、操作杆２１が内方移動すると
きには、操作杆２１が内羽根１６の面に当接して内羽根
１６を押圧し更に隣接する外羽根１４を押圧変形して乗
り越え、また、操作杆２１が外方移動するときには、操
作杆２１が外羽根１４の面に当接して外羽根１４を押圧
し更に隣接する内羽根１６を押圧変形して乗り越え、こ
うして前記回転体１２を回転させるという配置関係にな
っているので、操作ノブを指先で押圧するのみの極めて
簡単な操作にて回転体を所定角度回転して螺子杆を前進
させ，前部に連結されるピストンで流体収納室に収納さ
れる流体を軸筒前端部の塗布部に供給することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので，第１図は縦断面
図，第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図，第３図は第１図
のＢ−Ｂ線断面図，第４図は第１図の要部外観図であ
る。 １……塗布部，２……軸筒，７……流体収納室，８……
ピストン，９……非螺子部，１０……螺子杆，１１……
螺子環，１２……回転体，１４……外羽根，１６……内
羽根，１８……操作ノブ，２１……操作杆。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】軸筒（２）前端部に塗布部（１）を有して
   おり、該塗布部（１）と連通する軸筒（２）内の流体収
   納室（７）に摺動自在なピストン（８）を有しており、
   該ピストン（８）に、外面に螺子山を有しかつ長手方向
   の非螺子部（９）を有する螺子杆（１０）が連結されて
   おり、該螺子杆（１０）に螺合する螺子孔を有する螺子
   環（１１）が前記軸筒（２）内の所定位置に固定配置さ
   れており、該螺子環（１１）に、軸心方向に対し互いに
   異なる方向に傾斜した軸方向に平行な面を有する弾性変
   形可能な外羽根（１４）と内羽根（１６）とを交互に複
   数個有し、前記螺子杆（１０）と摺動自在にかつ一体に
   回転し得る回転体（１２）が回転自在に連結されてお
   り、また、前記軸筒（２）後部に操作ノブ（１８）を有
   しており、該操作ノブ（１８）は、前記回転体（１２）
   の前記外羽根（１４）と内羽根（１６）の存在領域に位
   置する、軸心方向の往復動が可能な操作杆（２１）を備
   えており、該操作杆（２１）を前記操作ノブ（１８）の
   押圧操作で移動させることにより前記回転体（１２）を
   回転させるようにした流体供給具であって、前記回転体
   （１２）の前記外羽根（１４）及び内羽根（１６）と、
   前記操作杆（２１）とは、操作杆（２１）が内方移動す
   るときには、操作杆（２１）が内羽根（１６）の面に当
   接して内羽根（１６）を押圧し更に隣接する外羽根（１
   ４）を押圧変形して乗り越え、また、操作杆（２１）が
   外方移動するときには、操作杆（２１）が外羽根（１
   ４）の面に当接して外羽根（１４）を押圧し更に隣接す
   る内羽根（１６）を押圧変形して乗り越え、こうして前
   記回転体（１２）を回転させるという配置関係になって
   いる流体供給具。