JPH0310894Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は軸筒内に収納した化粧用、筆記用等の
高粘性液体や粉体を軸筒前端部に配設した流出部
に供給できるようにした流体供給具に関し、更に
詳細には軸筒に設けた操作ノブを指先で押圧する
のみの簡単な操作で、収納流体を確実に流出部に
供給できるようにした流体供給具に関するもので
ある。

（従来技術とその欠点） 高粘性液体、粉体等の流体を軸筒内に収納した
流体供給具では、該流体を確実に軸筒先端部に配
設した流出部に供給することのできる流体押出手
段を必要とする。

このような流体押出手段を有する流体供給具と
しては、実公昭50−10925号公報に開示される如
く、前軸と回転自在な後軸を回転させることによ
り、該後軸と同回転し、かつ摺動自在な螺子杆を
前軸の螺子孔に沿つて前進させ、該螺子杆先端部
のピストンで前軸内に収納された流体を押圧し前
軸先端部のペン先に供給するようなしたものが知
られている。

しかし乍ら、上述せる構造では、液体が高粘性
のものであつても該高粘性液体を押圧しペン先に
供給できるという所期の目的は達成できるもの
の、使用時液体をペン先に供給するに前記後軸を
前軸に対し回転させなければならず、その都度軸
筒の持ち変えや両手での操作が必要で供給操作が
非常に面倒であるという問題を有していた。

（考案の目的） 本考案は上述せる問題点に鑑みなされたもの
で、軸筒に設けた操作ノブを指先で押出するのみ
の簡単な操作で、軸筒内に収納される化粧用、筆
記用等の高粘性液体や粉体を確実に流出部に供給
できるようにした流体供給具を提供せんとするも
のである。

（考案の構成） 以下、本考案を添付図面に示す実施例に基づき
詳細に説明する。

第１図において、参照符号１は軸筒２前端部に
配設された流出部であつて、図示した例では多孔
質体、繊維収束体等よりなるペン先３と該ペン先
３にパイプ部４を挿入配置せるパイプホルダー５
とを固定環６で抱持せしめ、該固定環６を軸筒２
前端部に圧入、螺合等の手段を用いて固定配置し
てなるものを示したが、前述せるペン先３やパイ
プホルダー５を用いることなく、固定環６前端開
口部を小径としてこれを流出部１とする等、用
途、使用流体の種類に応じて種々変更できる。７
は軸筒２内に設けられた前記流出部１と連通せる
流体収納室であり、該流体収納室７には化粧用、
筆記用等の高粘性液体や粉体が収納される。８は
前記流体収納室７を摺動自在なピストンであつ
て、該ピストン８には断面円形であり適宜長さの
押杆９が連設されている。１０は軸筒２に穿設さ
れた縦長の孔１１に脚部１２を摺動自在に嵌合せ
る操作ノブであり、該操作ノブ１０は脚部１２後
端を孔１１後端に当接した位置よりその前端を孔
１１前端に当接する迄の距離移動できるように
なつている。該操作ノブ１０にはその脚部１２に
軸筒２からの抜け落ちを防止する突起（図示せ
ず）を設けるようにするとよい。１３は、第２図
に示す如く、中央部に前記せる押杆９の外形より
若干大きな内形の係合部１４を有する円板状の係
合部材であつて、該係合部材１３は押杆９に外嵌
されるとともに、ピストン８の後方にあつて軸筒
２内の所定位置に固定配置された筒体１５との間
に張設されたスプリング等の弾撥部材１６で後方
に付勢され、上部を前記操作ノブ１０の脚部１２
に当接して、やや前方に傾斜した状態即ちその係
合部１４の上下位置を押杆９に圧接した状態で配
置されている。

尚、上述せる係合部材１３は第２図に例示した
ものに限らず、第３図に示す如くの中央部にコ字
状切欠きでなる係合部１４を有する矩形板状のも
のであつてもよく、又係合部材１３の係合部１４
に圧接せる押杆９の断面形も必ずしも円形である
必要はなく、その外面に係合部１４との係合をよ
り良好ならしめる適宜形状の溝を設けるようにし
てもよい。

（作用） 以下、上述せる実施例の流体供給動作を第４
図、第５図を参照して説明する。

指先等による操作ノブ１０の前方押圧では、該
操作ノブ１０の脚部１２と当接する係合部材１３
の上部が前方に押圧される。この押圧により該係
合部材１３は常態より更に前方に傾斜し、その係
合部１４を押杆９に強圧接して係合するから、操
作ノブ１０を距離前進させれば、該操作ノブ１
０と略同距離押杆９が前進し、前部のピストン８
で流体収納室７に収納される流体を流出部１に供
給することができる（第４図参照）。

第４図の状態より操作ノブ１０から指先を離せ
ば、係合部材１３は弾撥部材１６からの後方付勢
を受け若干後方に傾斜してその係合部１４を押杆
９に圧接したもとの傾斜状態に戻るから、よつて
係合部材１３は復帰移行時においては押杆９との
係合を解かれ該押杆９を連れ戻すことなくピスト
ン８を前進位置に留めたままで操作ノブ１０とと
もに初期位置まで後退する。

かようにして、操作ノブ１０の押圧前進のみで
順次流体を流出部１に供給することが可能とな
る。

（考案の効果） 以上の如く、本考案では軸筒前端部に配設した
流出部と連通する軸筒内の流体収納室にピストン
を摺動自在に設け、該ピストンに押杆を連設し、
該押杆に、押杆と係合可能な係合部を有する係合
部材を嵌挿するとともに、該係合部材を弾撥部材
で後方に付勢してその上部を軸筒の孔に摺動自在
に設けられた操作ノブに当接せしめて配置してな
るので、軸筒に設けた操作ノブを指先で押圧する
のみの極めて簡単な操作で、軸筒内に収納される
化粧用、筆記用等の高粘性液体や粉体を確実に流
出部に供給できる流体供給具を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
縦断面図、第２図は第１図における係合部材を示
す外観斜視図、第３図は係合部材の変形例を示す
外観斜視図、第４図、第５図は動作説明図であ
る。 １……流出部、２……軸筒、８……ピストン、
９……押杆、１０……操作ノブ、１１……孔、１
２……脚部、１３……係合部材、１４……係合
部、１６……弾撥部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸筒前端部に配設した流出部と連通せる軸筒内
   の流体収納室にピストンを摺動自在に設け、該ピ
   ストンに押杆を連設し、該押杆に、押杆と係合可
   能な係合部を有する係合部材を嵌挿するととも
   に、該係合部材を弾撥部材で後方に付勢してその
   上部を軸筒の孔に摺動自在に設けられた操作ノブ
   に当接せしめて配置してなる流体供給具。