JPH053399B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 軸筒内に、高粘性液体や粉体等の流体を収納す
る流体収納室を設けるとともに押圧部材を摺動自
在に配し、この押圧部材による押圧により軸筒先
端部の流出部に液体を供給するようにした流体供
給具に関する。

（従来の技術） 例えば実公昭50−10925号公報に開示されてい
るように、前軸に対して後軸を回転させることに
より、後軸とともに回転する螺子杆を前軸の螺子
孔に沿つて前進させ、この螺子杆先端部のピスト
ンで前軸内に収納した液体を押圧し、前軸先端部
のペン先に供給するようにしたものが知られてい
る。液体が高粘性であつてもペン先に供給できる
という利点を有する。

（発明が解決しようとする課題） 後軸を前軸に対して回転して液体をペン先に供
給するのは、軸筒持ち変えや両手操作が必要にな
り操作性に劣る。

（課題を解決するための手段） 本発明は、軸筒内に流体を収納する流体収納室
を設けるとともに押圧部材を摺動自在に配し、こ
の押圧部材による押圧により軸筒先端部の流出部
に液体を供給するようにした流体供給具におい
て、押圧部材の後部に押圧杆を連結し、この押圧
杆を、互いに距離を隔てて軸筒内に固定配置した
前環状部材と後環状部材とに遊嵌し、また、軸筒
側壁に形成したスリツトから突出する操作ノブを
連結するとともに押圧杆と係合可能な係合部材を
備えたスライダーを、これら前環状部材と後環状
部材との間に弾撥部材により後方付勢して配して
なり、ここで、係合部材は、スライダーに対して
揺動可能であり、また、揺動支点からの長さが後
方に向い徐々に小さくなる円弧状の係合面を有し
ていて、スライダーを前進させると押圧杆に対す
る係合を強くしスライダーを後退させると押圧杆
に対する係合を解くものである流体供給具を要旨
とする。

（実施例） 添付図面に基づき一例の説明をする。

第１図において、参照符号１は軸筒を示す。軸
筒１は前部内孔を流体収納室２としている。流体
収納室２には化粧用、筆記用等に使用可能な高粘
性液体や粉体が収納される。また、軸筒１の先端
部には、流体収納室２と連通する流出部３が設け
られている。図示の流体部３は、パイプを押入配
置する筆穂等の毛細管作用を有するペン先として
あるが、液体の特性や用途に応じて適宜であり、
例えば、ノズル状のものであつてもよい。

参照符号４は押圧部材を示す。押圧部材４は、
軸筒１内壁を密封状態で摺動し、流体収納室２内
の流体を押圧するピストン状のものであり、流体
収納室２の後壁を形成するものともなつている。
勿論、軸筒１内に押圧変形可能な蛇腹状の液体収
納室を別体として配設するような場合には、軸筒
１内壁との密封性は必要ない。

押圧部材４には横断面円形の押圧杆５が連結し
ている。押圧杆５は、スライダー６、及び、互い
に距離を隔てて軸筒１内に固定配置した前環状部
材７と後環状部材８とに遊嵌している。

スライダー６は、前環状部材７との間に張設し
たスプリング等の弾撥部材９により後方付勢され
ているが、前環状部材７と後環状部材８との間に
あつて長手方向に移動可能である。即ち、スライ
ダー６は軸筒１側壁に形成したスリツト１５から
突出する操作ノブ１４を連結しており、この操作
ノブ１４を指先で前方に押圧すれば、弾撥部材９
の弾撥力に抗してスライダー６は前進することに
なる。

また、第２図に示すように、スライダー６は、
その貫通孔１０内にピン１１を支点として揺動可
能な係合部材１３を備えている。係合部材１３
は、支点であるピン１１からの長さが後方に向い
徐々に小さくなる円弧状の係合面１２を有してお
り、第３図に示すように、Ｂ向きに揺動すると押
圧杆５に対して強く係合し、逆に、Ａ向きに揺動
すると押圧杆５に対する係合を解くものとなつて
いる。

従つて、第１図の状態より、操作ノブ１４を指
先で前方に押圧すれば、スライダー６も同量前進
し、このとき、押圧杆５と接触状態にある係合部
材１３は押圧杆５に係合面１２を強く係合するこ
とになるので、押圧杆５も同量前進し、押圧杆５
と連結する押圧部材４が流体収納室２内の流体を
押圧して、流体が流出部３に供給され（第４図参
照）、また、操作ノブ１４の押圧を解除すれば、
この操作ノブ１４及びスライダー６は弾撥部材９
の弾撥力により後退復帰するが、係合部材１３は
押圧杆５との係合を解くので押圧杆５は連れ戻さ
れず、係合部材１３は押圧杆５に接触しながらス
ライダー６の後退に伴つて初期位置に復帰するこ
とになる（第５図、第６図参照）。

第７図は係合部材の他の配置例を示す。上述係
合部材１３と同形の係合部材１６を、スライダー
６に対する上部接触面を支点として所定角揺動可
能となるようにスライダー６の凹所１７に配置し
たものである。

また、図示は省略するが、上述したものにおい
て、操作ノブ１４押圧時の係合部材１３，１６の
押圧杆５への係合をより確実にするため、常態で
係合部材１３，１６の係合面を押圧杆５に接触さ
せる別途スプリングを係合部材１３，１６の前位
置に配置するようにしてもよい。その他、係合部
材の個数を適宜選択したり、押圧杆の横断面形状
を半円や矩形にしたりすることもできる。

（発明の効果） 本発明の流体供給具は、軸筒内に流体を収納す
る流体収納室を設けるとともに押圧部材を摺動自
在に配し、この押圧部材による押圧により軸筒先
端部の流出部に流体を供給するようにした流体供
給具において、押圧部材の後部に押圧杆を連結
し、この押圧杆を、互いに距離を隔てて軸筒内に
固定配置した前環状部材と後環状部材とに遊嵌
し、また、軸筒側壁に形成したスリツトから突出
する操作ノブを連結するとともに押圧杆と係合可
能な係合部材を備えたスライダーを、これら前環
状部材と後環状部材との間に弾撥部材により後方
付勢して配してなり、ここで、係合部材は、スラ
イダーに対して揺動可能であり、また、揺動支点
からの長さが後方に向い徐々に小さくなる円弧状
の係合面を有していて、スライダーを前進させる
と押圧杆に対する係合を強くしスライダーを後退
させると押圧杆に対する係合を解くものであるの
で、操作ノブを指先で押圧するのみの極めて簡単
な操作で流出部に流体を確実に供給できる。それ
も、互いに距離を隔てて軸筒内に固定配置した前
環状部材と後環状部材とに押圧杆を遊嵌している
ので、押圧杆の前進方向を安定にでき、押圧部材
の前進を滑らかなものとできるとともに、操作ノ
ブの押圧を解除した際には押圧部材を前進位置に
留めたまま係合部材やスライダーの後退復帰が可
能であるので、操作ノブの押圧前進量に対応する
流体の供給ができ、従つて、流体の適量供給を安
定してなすことができるとともに使用に適した流
体量の調整や連続供給も容易に行なうことができ
て甚だ便利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
縦断面図、第２図は要部分解斜視図、第３図は要
部縦断面図、第４図乃至第６図は動作説明図、第
７図は他の実施例を示す要部縦断面図。 １……軸筒、２……流体収納室、３……流出
部、４……押圧部材、５……押圧杆、６……スラ
イダー、７……前環状部材、８……後環状部材、
９……弾撥部材、１０……貫通孔、１１……ピ
ン、１２……係合面、１３……係合部材、１４…
…操作ノブ、１５……スリツト、１６……係合部
材、１７……凹所。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 軸筒内に流体を収納する流体収納室を設ける
   とともに押圧部材を摺動自在に配し、この押圧部
   材による押圧により軸筒先端部の流出部に液体を
   供給するようにした流体供給具において、押圧部
   材の後部に押圧杆を連結し、この押圧杆を、互い
   に距離を隔てて軸筒内に固定配置した前環状部材
   と後環状部材とに遊嵌し、また、軸筒側壁に形成
   したスリツトから突出する操作ノブを連結すると
   ともに押圧杆と係合可能な係合部材を備えたスラ
   イダーを、これら前環状部材と後環状部材との間
   に弾撥部材により後方付勢して配してなり、ここ
   で、係合部材は、スライダーに対して揺動可能で
   あり、また、揺動支点からの長さが後方に向い
   徐々に小さくなる円弧状の係合面を有していて、
   スライダーを前進させると押圧杆に対する係合を
   強くしスライダーを後退させると押圧杆に対する
   係合を解くものである流体供給具。