JPH0310893Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は軸筒内に収納した化粧用、筆記用等の
高粘性液体や粉体を軸筒前端部に配設した流出部
に供給できるようにした流体供給具に関し、更に
詳細には軸筒に設けた操作ノブを指先で押圧する
のみの簡単な操作で、収納流体を確実に流出部に
供給できるようにした流体供給具に関するもので
ある。

（従来技術とその欠点） 高粘性液体、粉体等の流体を軸筒内に収納した
流体供給具では、該流体を確実に軸筒先端部に配
設した流出部に供給することのできる流体押出手
段を必要とする。

このような流体押出手段を有する流体供給具と
しては、実公昭50−10925号公報に開示される如
く、前軸と回転自在な後軸を回転させることによ
り、該後軸と同回転し、かつ摺動自在な螺子杆を
前軸の螺子孔に沿つて前進させ、該螺子杆先端部
のピストンで前軸内に収納された液体を押圧し前
軸先端部のペン先に供給するようなしたものが知
られている。

しかし乍ら、上述せる構造では、液体が高粘性
のものであつても該高粘性液体を押圧しペン先に
供給できるという所期の目的は達成できるもの
の、使用時液体をペン先に供給するに前記後軸を
前軸に対し回転させなければならず、その都度軸
筒の持ち変えや両手での操作が必要で供給操作が
非常に面倒であるという問題を有していた。

（考案の目的） 本考案は上述せる問題点に鑑みなされたもの
で、軸筒に設けた操作ノブを指先で押圧するのみ
の簡単な操作で、軸筒内に収納される化粧用、筆
記用等の高粘性液体や粉体を確実に流出部に供給
できるようにした流体供給具を提供せんとするも
のである。

（考案の構成） 以下本考案を添付図面に示す実施例に基づき詳
細に説明する。

第１図において、参照符号１は軸筒２前端部に
配設された流出部であつて、図示した例では多孔
質体、繊維収束体等よりなるペン先３と、該ペン
先３にパイプ部４を挿入配置せるパイプホルダー
５とを固定環６で抱持せしめ、該固定環６を軸筒
２前端部に圧入、螺合等の手段を用いて固定配置
してなるものを示したが、前述せるペン先３やパ
イプホルダー５を用いることなく、固定環６前端
開口部を小径としてこれを流出部１とする等、用
途、使用流体の種類に応じて種々変更できる。７
は軸筒２内に設けられた前記流出部１と連通せる
流体収納室であり、該流体収納室７内には化粧
用、筆記用等の高粘性液体や粉体が収納される。
８は前記流体収納室７を摺動自在なピストンであ
つて、該ピストン８には断面円形であり適宜長さ
の押杆９が連設されている。１０は、該押杆９に
摺動自在に外嵌され、軸筒２内の段部１１との間
に張設されたスプリング等よりなる第１の弾撥部
材１２で前方に付勢し配置された筒体である。１
３は軸筒２に穿設された縦長の孔１４に脚部１５
を摺動自在に嵌合せる操作ノブであり、該操作ノ
ブ１３はその脚部１５を前記筒体１０に連結して
おり、脚部１５後端を孔１４後端に当接する迄の
距離筒体１０と一体に後退できるようになつて
いる。１６は、前記筒体１０内にあつて筒体１０
に設けられた鍔部１７との間に張設されたスプリ
ング等よりなる第２の弾撥部材１８で後方に付勢
され、外面を筒体１０内の傾斜面１９並びに前記
押杆９外面に圧接して配置されるボール等の転動
体である。図示した例では該転動体１６を、第２
図に示す如く、押杆９全周に〓間なく複数個（６
個）配置し、該転動体１６にて押杆９の位置ずれ
を防止するようにしたものを示したが、第３図、
第４図に示す如く、２個の転動体１６を第２の弾
撥部材１８で後方に付勢される筒状のリテーナー
２０の孔２１に配置するようにしても同様の効果
が期待できること勿論である。

（作用） 以下、上述せる実施例の流体供給動作を第５
図、第６図を参照して説明する。

指先等による操作ノブ１３の後方押圧では、該
操作ノブ１３と一体に筒体１０も後退する。筒体
１０内に配置された転動体１６は常時第２の弾撥
部材１８で後方に付勢されており、その外面を傾
斜面１９並びに押杆９外面に圧接してなるが、筒
体１０の後退方向では該転動体１６は筒体１０に
対しやや前方に移動するように作用して前記圧接
力を緩和するものであるから、しかして転動体１
６は押杆９に係合することなくピストン８を前進
位置に留めたままで、筒体１０とともに後退する
ことになる（第５図参照）。

第５図の状態で操作ノブ１３より指先を離せ
ば、該操作ノブ１３と連結せる筒体１０は第１の
弾撥部材１２の弾撥力で前進復帰することになる
訳だが、この際筒体１０の転動体１６は、その外
面を傾斜面１９並びに押杆９外面に圧接した状態
で筒体１０に対しやや後方に移動し、楔作用をも
つて両者に強く圧接して係合することになるか
ら、しかして押杆９も筒体１０と一体に前進する
ことになり、ピストン８で流体収納室７内に収納
された流体を流出部１に供給することができる。
（第６図参照） かようにして、操作ノブ１３の押圧後退のみで
順次流体を流出部１に供給することができる。

（考案の効果） 以上の如く、本考案では軸筒前端部に配設した
流出部と連通せる軸筒内の流体収納室にピストン
を摺動自在に設け、該ピストンに押杆を連設し、
該押杆に、軸筒の孔に摺動自在に設けられた操作
ノブと連動せる筒体を摺動自在に外嵌し第１の弾
撥部材で前方に付勢するとともに、該筒体内に、
第２の弾撥部材で後方に付勢され、外面を筒体内
の傾斜面並びに押杆外面に圧接さる転動体を配置
してなるので、軸筒に設けた操作ノブを指先で押
圧するのみの極めて簡単な操作で、軸筒内に収納
される化粧用、筆記用等の高粘性液体や粉体を確
実に流出部に供給できる流体供給具を提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
縦断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第
３図は転動体の他の配置例を示す断面図、第４図
は同要部縦断面図、第５図、第６図は動作説明図
である。 １……流出部、２……軸筒、７……流体収納
室、８……ピストン、９……押杆、１０……筒
体、１２……第１の弾撥部材、１３……操作ノ
ブ、１６……転動体、１８……第２の弾撥部材、
１９……筒体内の傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸筒前端部に配設した流出部と連通せる軸筒内
   の流体収納室にピストンを摺動自在に設け、該ピ
   ストンに押杆を連設し、該押杆に、軸筒の孔に摺
   動自在に設けられた操作ノブと連動せる筒体を摺
   動自在に外嵌し、第１の弾撥部材で前方に付勢す
   るとともに、該筒体内に、第２の弾撥部材で後方
   に付勢され、外面を筒体内の傾斜面並びに押杆外
   面に圧接せる転動体を配置してなる流体供給具。