JPH0521079B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は軸筒内の流体収納室に摺動自在に設け
たピストンを前進させて流体収納室内の化粧用、
筆記用等の液体や粉体を軸筒先端部の塗布部に適
量供給するようにした塗布具に関するものであ
る。

（従来技術とその問題点） 従来この種塗布具としては、実公昭50−10925
号公報に開示される如く、前軸と回転自在となし
た後軸を回転させることにより、該後軸と同回転
し、かつ摺動する螺子杆を前軸に設けた螺子孔に
沿つて前進させ、該螺子杆先端部のピストンで前
軸内の液体を前軸先端部のペン先に供給するよう
にしたものが知られている。

しかし乍ら、この構造では螺子杆を前軸に設け
た螺子孔に螺合配置するに、螺子杆を前軸後方よ
り挿入し回転せねばならず、組立てが困難である
という問題を有するばかりか、部品点数が多く、
低コスト化を望むに未だ改善の余地が残されてい
た。

（発明の目的） 本発明は上述せる問題点に鑑みなされたもの
で、部品点数を極力減少するとともに組立てを容
易となして、充分な低コスト化を図ることができ
る塗布具を提供せんとするものである。

（発明の構成） 本発明は、先端部に塗布部を有し内部に該塗布
部と連通する流体収納室を有する軸筒に対し、前
記にピストンを有する押杆を、前記流体収納室に
対して前記ピストンが摺動自在であつて前記軸筒
がシリンンダー部材、前記押杆がピストン部材と
なつてのピストン・シリンダー関係の摺動性を満
足するように配し、また、螺子部を有する回転体
を、前記軸筒の後方から挿入して前記軸筒に対し
て回転自在に凹凸嵌合させるとともに、該回転体
の前記螺子部を前記押杆に形成した螺旋溝と螺合
し、更に、回り止めを、前記軸筒に対して回転不
能、かつ、前記軸筒の前記流体収納室後方に設け
た内段と前記回転体とで前後方向に挾み込むよう
に配するとともに、該回り止めに前記押杆を長手
方向のみ摺動自在に嵌挿してなる塗布具を要旨と
する。

（実施例） 以下、本発明を添付図面に示す実施例に基づき
詳細に説明する。

第１図乃至第４図において、参照符号１は軸筒
２先端部に取り付けられた塗布部であつて、図示
した例では多孔質体、繊維収束体等のペン先３に
パイプ部４を挿入配置せるホルダー５を軸筒２先
端部に圧入固定してなるものを塗布部１として示
したが、ホルダー５をもつて、或いは軸筒２先端
部を小径としてこれを塗布部１とする等種々変更
できる。６は軸筒２内に設けられた前記塗布部１
と連通せる流体収納室であつて、該流体収納室６
内には化粧用、筆記用等の液体や粉体が収納され
る。７は前記流体収納室６を摺動自在なピストン
８を前部に備えてなる押杆であつて、該押杆７は
ピストン８後方部外面に螺旋溝９を刻設され、か
つ後述する回り止め１１の突部１５に摺動自在に
係合せる長手方向の凹溝１０を有している。１１
は軸筒２の内段１２と後述する回転体１６の前端
とで前後方向の移動を規制されるとともに、外面
の凹溝１３を軸筒２内面の突条１４に係合して回
転を阻止され、軸筒２内の所定位置に配置された
回り止めであつて、該回り止め１１内には前記押
杆７がその凹溝１０を突部１５に係合して長手方
向に摺動自在に挿入配置されている。１６は、軸
筒２後端より一部を露出し、外面の環状突部１７
を軸筒２内面の環状凹溝１８に嵌合して軸筒２に
回転自在に配置された有底筒状の回転体であり、
該回転体１６はその前部内面に設けられた螺子部
１９を前記押杆７の螺子溝９に螺合している。即
ち、回転体１６を回転すれば、押杆７は回り止め
１１にて回転を阻止されつつ前進できるようにな
つている。

２０は前記回転体１６の前部に設けられた割、
２１は該前部外面に割数に応じて設けられた突部
であり、図示した例では該突部２１を前記軸筒２
内面の突条１４間に位置させることにより、回転
体１６回転時の抵抗を割１９による弾性的な縮径
にて減じ、該回転体１６を所定角度毎に乗越音を
発しつつ回転できるようになつている。

上述せる構造の組立ては、まず押杆７に回り止
め１１を嵌挿し、次いで回転体１６を螺合して或
いは割20を有する場合にはその弾性的な拡開を利
用して螺子部１９をピストン８近傍に位置させ
る。そして軸筒２後方より、押杆７並びに回り止
め１１の取り付けられた回転体１６を挿入し、該
回転体１６の環状突部１７を軸筒２内面の環状凹
溝１８に嵌合すれば簡単に行うことができる。

尚、上述せる実施例にあつては、軸筒２内に配
置された回り止め１１の回転を阻止するに、軸筒
２内面に突条１４を設け、該突条１４に係合する
凹溝１３を回り止め１１外面に設けたものを示し
たが、軸筒２内面形状を断面多角形、楕円といつ
た異形となし、回り止め１１の外形を該内面形状
と略同形となすようにしてもよい。

（作用） 以下、実施例の作用を説明する。

流体収納室６内の流体を塗布部１に供給するに
は軸筒２後端より露出する回転体１６を指等で回
転する。一方回転体１６と螺合せる押杆７は回り
止め１１により回転を阻止され、長手方向のみ移
動自在であるから、したがつて押杆７は回転体１
６の所定角の回転に応じて螺旋に沿つて前進し、
前部のピストン８で流体収納室６内の流体を塗布
部１に適量供給することができる。

（効果） 以上の如く、本発明によれば、先端部に塗布部
を有し内部に該塗布部と連通する流体収納室を有
する軸筒に対し、前記にピストンを有する押杆
を、前記流体収納室に対して前記ピストンが摺動
自在であつて前記軸筒がシリンンダー部材、前記
押杆がピストン部材となつてのピストン・シリン
ダー関係の摺動性を満足するように配し、また、
螺子部を有する回転体を、前記軸筒の後方から挿
入して前記軸筒に対して回転自在に凹凸嵌合させ
るとともに、該回転体の前記螺子部を前記押杆に
形成した螺旋溝と螺合し、更に、回り止めを、前
記軸筒に対して回転不能、かつ、前記軸筒の前記
流体収納室後方に設けた内段と前記回転体とで前
後方向に挾み込むように配するとともに、該回り
止めに前記押杆を長手方向のみ摺動自在に嵌挿し
てなるので、軸筒後方より押杆並びに回り止めの
取り付けられた回転体を挿入し、該回転体を軸筒
に嵌合するのみで極めて簡単かつ容易に組立てる
ことができるものであり、加えて部品点数を極力
減少することができるものであるから充分な低コ
スト化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
縦断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第
３図は回転体の外観斜視図、第４図は第１図のＢ
−Ｂ線断面図である。 １……塗布部、２……軸筒、６……流体収納
室、７……押杆、８……ピストン、９……螺旋
溝、１１……回り止め、１２……内段、１６……
回転体、１９……螺子部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 先端部に塗布部１を有し内部に該塗布部１と
   連通する流体収納室６を有する軸筒２に対し、前
   部にピストン８を有する押杆７を、前記流体収納
   室６に対して前記ピストン８が摺動自在であつて
   前記軸筒２がシリンンダー部材、前記押杆７がピ
   ストン部材となつてのピストン・シリンダー関係
   の摺動性を満足するように配し、また、螺子部１
   ９を有する回転体１６を、前記軸筒２の後方から
   挿入して前記軸筒２に対して回転自在に凹凸嵌合
   させるとともに、該回転体１６の前記螺子部１９
   を前記押杆７に形成した螺旋溝９と螺合し、更
   に、回り止め１１を、前記軸筒２に対して回転不
   能、かつ、前記軸筒２の前記流体収納室６後方に
   設けた内段１２と前記回転体１６とで前後方向に
   挾み込むように配するとともに、該回り止め１１
   に前記押杆７を長手方向のみ摺動自在に嵌挿して
   なる塗布具。