JP3660948B2 - ネジ棒繰出装置およびこの装置を用いたピストン式押出容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空円筒の軸体に回転自在に係合する回転筒と前記軸体内に配置されたネジ棒とを有し、この回転筒の回転が前記ネジ棒に伝えられ、前記ネジ棒が前記軸体内の軸線方向に繰り出されるネジ棒繰出装置に関する。
【0002】
また、本発明は、軸体内に化粧料等の充填物を押し出すピストンを配し、軸体の後端部に回転筒(回転操作体)の回転をネジ棒を介して直線運動に変換してピストンに伝達し、ピストンの前進により充填物貯蔵タンクから充填物を押し出すように構成された、リップペンやアイライナーペン等の化粧具またはマーキングペン等の筆記具を包含するネジ棒繰出装置を用いたピストン式押出容器に関する。
【0003】
【従来の技術】
軸体内に化粧料等の充填物を押し出すピストンを配し、軸体の後端部に回転筒(回転操作体)の回転をネジ棒を介して直線運動に変換してピストンに伝達し、ピストンの前進により充填物貯蔵タンクから充填物を押し出すように構成された、リップペンやアイライナーペン等の化粧具またはマーキングペン等の筆記具を包含するピストン式押出容器がある。
【0004】
従来、この種のピストン式押出容器として、ピストンにネジ棒を一体化し、内周面にネジ部を有するネジ筒を回転操作体と一体化し、このネジ筒をネジ棒に螺着し、ネジ棒を回転不能及び軸線方向摺動可能とし、回転操作体およびネジ筒の回転をネジ棒の軸方向の直線運動に変換してピストンを前進させる構造のものが知られている。
【0005】
例えば、実公平6−14844号公報のものは、充填物貯蔵タンクと繰出体(ネジ筒および回転筒)との間にネジ棒が軸線方向摺動可能な隔壁を設け、組み立てる際、充填物貯蔵タンク側からピストンと一体化したネジ棒を挿入し、隔壁の反対側に設けられた内筒部材(ネジ筒)をネジ棒と螺合させ、この内筒部材を外筒部材(回転筒)が回転方向を規制して外筒部材の回転を内筒部材に伝え、内筒部材と螺合したネジ棒が充填物貯蔵タンク側に繰出される構造の物である。
【0006】
また、実公平6−20418号公報のものは、隔壁の代わりに軸線方向摺動可能な回転止めを設け、組み立てる際、繰出体側からピストンと一体化したネジ棒を挿入できるようにしたものであり、多少組立は容易になったが、つまみ体(回転筒)の回転を繰出体(ネジ筒)に伝え、ネジ筒と螺合したネジ棒が充填物貯蔵タンク側に繰出される構造である。この構造の技術思想は、実公平6−14844号公報のものと同様である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実公平6−14844号公報や実公平6−20418号公報のものは、隔壁または回転止めによってピストンとネジ筒が遮られているので、ネジ棒をネジ筒に螺合して組み立てる際には、ネジ棒の後端より長い距離をネジ込まなければならず、組み付け作業が煩雑であった。
【0008】
また、上述の従来の技術は、回転筒の回転をネジ筒に伝え、ネジ筒を介してネジ棒を繰り出す構造なので、回転がネジ棒に確実に伝達されているかどうか感知することが困難であった。
【0009】
さらに、上述の従来の技術では、隔壁や回転止め等の部品を使用しなければならず、部品点数が多くなり、コストが高くなってしまうという問題もあった。
以上から本発明は、前記問題点に鑑み創案されたものであり、組み付け作業が容易で、回転がネジ棒に確実に伝達され、コストを削減できるネジ棒繰出装置およびこの装置を用いたピストン式押出容器を提供することを技術的課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために、本発明のネジ棒繰出装置は、中空の軸体と、この軸体内に挿入され、前記軸体内の所定位置に回転不能に係合するとともに内周面にネジ部を有するネジ筒と、外周面に前記ネジ筒と螺合するネジ部が形成されたネジ棒と、筒内で前記ネジ棒と回転不能及び軸線方向に摺動可能に係合し、前記筒の一端が前記軸体内に挿入され回転自在に係合する回転筒とを備え、前記回転筒の回転が前記ネジ棒に直接伝えられ、前記ネジ棒が前記軸体内の軸線方向に繰り出されることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、本発明は、ネジ棒をネジ込む際に、ネジ棒の先端側からネジ筒にネジ込んだ後、ネジ棒とピストンを一体化させて軸体の後端より挿入できるので、組立が容易にでき、従来のように、ネジ棒とピストンを一体化させたものを化粧料貯蔵部側から逆進させて組み込んだり、ネジ棒の後端からネジ筒を長い距離をねじ込むような煩雑な組立作業をしなくても良い。
【0012】
また、本発明のネジ棒繰出装置は、中空の軸体と、この軸体内に挿入され、前記軸体内の所定位置に回転不能に係合するとともに内周面にネジ部を有するネジ筒と、外周面に前記ネジ筒と螺合するネジ部が形成されると共に、外周面の軸方向に沿って複数本の溝が形成されたネジ棒と、一端が前記軸体内に挿入され回転自在に係合する回転筒と、この回転筒内部に軸心に向かって放射状に突出するとともに前記回転筒の軸方向に沿って形成された複数本のリブとを備え、前記リブの突出部と前記ネジ棒の溝が回転不能及び軸方向に摺動可能に係合し、前記回転筒が回転するとき、その回転が前記ネジ棒に直接伝えられ、前記ネジ棒が前記軸体内の軸線方向に繰り出されることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、回転筒からネジ棒にリブを介して直接回転を伝えるように構成したので、回転筒の回転が確実にネジ棒に伝達でき、安定したねじ棒の繰り出し動作を実現できる。また、この構成の回転筒のリブは射出成形条件が安定するので、比較的肉厚を均一にでき、リブの厚みを薄くすることができる。
【0014】
また、本発明のネジ棒繰出装置は、前記ネジ筒の端面に設けられたラチェット歯と、前記ネジ筒のラチェット歯と噛み合い、前記回転筒の回転に同期して一方向に回転可能なラチェット機構とを有するように構成してもよい。
【0015】
さらに、前記ラチェット機構は前記ネジ筒のラチェット歯と噛み合うと共に前記ネジ棒と係合し、前記回転筒の回転が前記ネジ棒を介して前記ラチェット機構に伝達されるように構成してもよい。
【0016】
この構成によれば、組立作業が一層容易になる。
さらにまた、前記ラチェット機構は両端を開いたコイルバネであり、このコイルバネの一端が前記ネジ筒のラチェット歯と噛み合い、他端が前記回転筒と係合するように構成してもよい。
【0017】
この構成によれば、ラチェット機構を簡略化でき、部品数を削減できる。
さらにまた、本発明のピストン式押出容器は、前記ネジ棒繰出装置において、前記軸体内に充填された充填物と、前記ネジ棒と係合し、前記ネジ棒の繰り出しに伴い前記軸体内を軸線方向に摺動して前記充填物を押し出すピストンとを有することを特徴とする。
【0018】
この構成の容器は、液体あるいは固体の化粧料容器、マーキングペン等の筆記用具、医薬品の液状塗布具に好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態に係るピストン式押出容器を図1〜図6に基づいて詳細に説明する。
【0020】
[ピストン式押出容器の構造]
本実施形態のピストン式押出容器は、図1に示すように、軸体1の後端に設けられた繰出機構部2と軸体1の前端に設けられた塗布部3と軸体1内に設けられた化粧料貯蔵部4とで構成される。
【0021】
軸体1は、前端に小径軸部1aを有しその後方には大径軸部1bを有する段付の中空円筒形状をしている。中空円筒の内部も、小径孔部1cと大径孔部1dとを有する段付孔が形成されている。
【0022】
化粧料貯蔵部4は、小径孔部1c先端に装着されたパイプ押さえ23と小径孔部1cを摺動自在に挿嵌されたピストン5との間に形成される。この化粧料貯蔵部4には、液体化粧料25が収納される。
【0023】
繰出機構部2は、ピストン5、ネジ棒6、ネジ筒7、ラチェット機構8、ばね受け9、コイルバネ10および回転筒11で構成される。
ピストン5は円板形状をしており、図2に示すように、その後端に穴部5aを有し、この穴部5aにネジ棒6が一体的に接合される。ピストン5は、小径孔部1cの内面に水密に接触しながら軸線方向に摺動自在に挿嵌されている。
【0024】
ネジ棒6は、その先端に係合部6aを有し、この係合部6aがピストン5の穴部5aと一体的に接合する。また、ネジ棒6は、係合部6aを除き、図3の断面図に示すように、その外周面にネジ(雄ネジ)部6bが形成されると共に、ネジ棒6の後端から係合部6aの近傍まで軸方向に沿って平面部6cと溝6dが形成されている。そして、平面部6cは、二面形成され、その方位は図3の軸断面図から見て90度と270度である。また、溝6dも2筋形成され、その方位は図3の軸断面図から見て0度と180度である。
【0025】
軸体1の大径孔部1dには、図2に示すように、ネジ筒7と回転筒11の小径軸部11aが挿入されている。
ネジ筒7は、図4の斜視図に示すように、円筒形状の一端に鍔部7aを有し、鍔部7aを除く外周面には軸方向に沿ってスプライン7bが設けてある。また、ネジ筒7の内部も段付穴を有し、小径側の中心孔内面にはネジ軸6と螺合するネジ部7cが螺設されている。さらに、ネジ筒7の小径孔側と大径孔側との境の面部には、一側に傾斜面を有する鋸歯状のラチェット歯7dが形成されている。
【0026】
そして、軸体1の小径孔部1c端部から大径孔部1d側へL寸法(図2参照)の間には、ネジ筒7のスプライン7bと噛み合うスプライン溝1eが設けられている。ネジ筒7は、軸体1の大径孔部1dに設けられたスプライン溝1eに沿って挿入されており、スプライン7bがスプライン溝1eと噛み合うことによって回転方向移動が規制される。
【0027】
ばね受け9は、図5の斜視図に示すように、段付孔を有する中空円筒形状をしている。段付孔の小径孔部9aはネジ棒6の外径より少し大きな径の孔である。また、大径孔部9bはコイルバネ10の外径より少し大きな径の孔である。大径孔部9bにはコイルバネ10が収納される。
【0028】
ばね受け9の外周面には軸方向に沿ってスプライン9cが形成されている。また、小径孔部9a側の端部9dには、ネジ筒7のラチェット歯7dと係合しうるように対向させて一側に傾斜面を有する鋸歯状のラチェット歯9eが形成されている。
【0029】
回転筒11は、図1に示すように、全体が小径軸部11aと大径軸部11bを有する段付軸の筒であり、小径軸部11a側には開口孔11cを有し、大径軸部11b側の端部は閉じている。
【0030】
小径軸部11aは軸体1の大径孔部1dに挿入されている。小径軸部11aは図2に示すように、大径軸部11b寄りに抜け止め用のリング突条11fを突設している。一方、軸体1の大径孔部1dの内壁面には、リング突条11fが嵌合するリング溝1fを設けている。
【0031】
回転筒11の開口孔11cには、開口端部から軸方向へM寸法分(図2参照)、ばね受け9のスプライン9cと噛み合うスプライン溝11eが設けられている。そして、ばね受け9は、回転筒11の開口孔11cに設けられたスプライン溝11eに沿って挿入され、スプライン溝11eによって回転方向移動を規制される。
【0032】
また、回転筒11の開口孔11cには、軸方向に沿ってスプライン状のリブ11dが6本、図3の断面図に示すように、放射状かつ等間隔に設けられている。6本のリブ11dの方位は、図3の軸断面図から見て0度、60度、120度、180度、240度、及び300度である。なお、回転筒11の開口孔11cには、開口端部から軸方向へM寸法分リブ11dは設けられていない。なお、このリブ11dが無い部位にはばね受け9及びコイルバネ10が収納される。また、図3に示すように、6本のリブのうち、0度と180度の方位のリブ11dの頂部はネジ棒6の溝6cに挿入され、ネジ棒6の回転方向移動を規制する。一方、ネジ棒6は開口孔11cにおいて軸方向へはリブ11dに沿って摺動可能である。
【0033】
ラチェット機構8は、図2に示すように、ネジ筒7のラチェット歯7dとばね受け9のラチェット歯9eとコイルバネ10とで構成される。
コイルバネ10は、回転筒11のリブ11dの先端側面を受座としてばね受け9をネジ筒7側に付勢している。従って、ばね受け9のラチェット歯9eとネジ筒7のラチェット歯7dは常に噛み合った状態となっている。このラチェット歯9eとラチェット歯7dは一方向(時計回り方向)にのみ回転可能であり、その回転方向はネジ筒7に対してネジ棒6を前進させる方向に対応させてある。
【0034】
塗布部3は、図1に示すように、カバー筒21とパイプ22とパイプ押さえ23と塗布体24とで構成される。
カバー筒21は、テーパー状の筒である。カバー筒21の先端側の小径孔には塗布体24が装着され、後端側の大径孔にはパイプ押さえ23が装着されている。カバー筒21は、塗布体24の先端を突出させた状態で塗布体24とパイプ押さえ23を覆って小径孔部1cに装着されている。
【0035】
パイプ押さえ23は、軸中心にパイプ22を挿嵌する穴が穿設され、後端の軸心には円錐穴23aが穿設されている。
パイプ22は、中空円筒であり、その一端がパイプ押さえ23の通孔に圧入され、他端がパイプ押さえ23の前方に所定長さ突出されると共にその突出部が塗布体24の内部に挿入されている。
【0036】
塗布体24は、先細状の毛質であり、パイプ22を後端面から内部へ差し込むと共にその後端部をパイプ押さえ23の前端部に当てて固定されている。
キャップ20は、塗布体24等を覆うためのものであり、軸体1の小径軸部1aを内部に挿入した状態で着脱自在に設けられている。
【0037】
[ピストン式押出容器の組立手順]
まず、繰出機構部2の組立手順を図1および図2に基づき説明する。
ネジ筒7の鍔部7a側の大径孔に、ネジ棒6の係合部6a側から挿入し、ネジ筒7のネジ部7cとネジ棒6のネジ部6bを螺合させる。
【0038】
ピストン5の穴部5aに、ネジ棒6の係合部6aを一体的に接合させる。
ピストン5とネジ棒6とネジ筒7が一体となったものを、軸体1の大径孔部1d側から、ピストン5を先頭に挿入し、小径孔部1cにピストン5の外周面を嵌入するとともに、大径孔部1dのスプライン溝1eに沿ってネジ筒7のスプライン7bを噛み合わせながらネジ筒7を挿入する。この時、ネジ筒7はスプライン溝1eによって回転方向の移動が不能になる。
【0039】
次に、ばね受け9の大径孔部9bにコイルバネ10を収納し、大径孔部9b側を回転筒11の開口孔11c側に向け、スプライン9cとスプライン溝11eを噛み合わせながら、ばね受け9をスプライン溝11eに沿って開口孔11cに挿入する。
【0040】
次に、ネジ棒6の後端を回転筒11の開口孔11c側から挿入し、ネジ棒6の溝6dに回転筒11のリブ11dを噛み合わせて(図3参照)、ネジ棒6の軸線方向に沿って回転筒11を摺動直進運動させると共に、回転筒11の小径軸部11aを軸体1の大径孔部1dに挿嵌し、リング突条11fをリング溝1fにはめ込む。この時、回転筒11を時計回りに回転させることによって、ばね受け9のラチェット歯9eとネジ筒7のラチェット歯7dを噛み合った状態にする。一方、ばね受け9はコイルバネ10によってネジ筒7側に付勢されている。
【0041】
なお、大径軸部11bの外周面は回転筒11を回転する際の握りとして使用される。
次に、塗布部3の組立手順を図1に基づき説明する。
【0042】
パイプ22の一端をパイプ押さえ23の通孔に圧入し、パイプ押さえ23をパイプ22を圧入した側からカバー筒21の大径孔にパイプ押さえ23を嵌入する。次に、カバー筒21の先端孔から塗布体24を挿入し、塗布体24をパイプ22を後端面から内部へ差し込むと共にその後端部をパイプ押さえ23の前端部に当てて固定する。
【0043】
軸体1の小径孔部1c(化粧料貯蔵部4)に液体の化粧料25を注入し、軸体1の小径孔部1cにカバー筒21の後端を嵌入して化粧料25を密封する。
最後に、キャップ20を軸体1の小径軸部1aを内部に挿入した状態で装着する。
【0044】
[ピストン式押出容器の使用手順]
軸体1よりキャップ20を外し、軸体1の大径軸部1bを一方の手で握り、他方の手で回転筒11の外周部を握りながら、回転筒11を時計回りに回転させる。すると、回転筒11のリブ11dがネジ棒6の溝に噛み合ったまま回転するので、回転筒11の回転に同期してネジ棒6も時計回りに回転する。また、回転筒11が回転すると、スプライン溝11eとスプライン9cの噛み合いによって、ばね受9も回転筒11の回転に同期して時計回りに回転する。なお、ネジ筒7は軸体1のスプライン溝1eによって回転方向の移動を規制されている。また、ばね受け9はコイルバネ10によって付勢され、ばね受け9のラチェット歯9eとネジ筒7のラチェット歯7dが噛み合った状態になっているので、ばね受け9が時計方向に回転すると、ばね受け9のラチェット歯9eがコイルバネ10の付勢に抗しながらネジ筒7のラチェット歯7dを避けながら移動する。そして、ラチェット歯7dを1つ避ける度に「カチ」という音を発生させる。
【0045】
ばね受け9のラチェット歯9eはラチェット歯7dの傾斜面を登り、これにつれてコイルバネ10の付勢に抗しながら軸線方向にばね受け9が没入する方向に撓み、傾斜面を登りきるとばね受け9はコイルバネ10の付勢によって、ラチェット歯同士の嵌合音(「カチ」)を発して係止される。さらに、回転すると、ばね受け9は弾撥力によって、「カチ、カチ」と嵌合音を発しつつラチェット歯7dとの係脱動作を繰り返して回転する。
【0046】
一方、回転筒11を上記と反対方向に回転しようとすると、ネジ筒7のラチェット歯7dに嵌合係止されて反対方向に回転できないために、ネジ棒6も回転を阻止され、ピストン5は後退しない。
【0047】
そして、ネジ棒6が回転すると、ネジ筒7は軸体1のスプライン溝1eによって回転方向の移動を規制されているので、ネジ棒6がネジ部のピッチ分軸体1側に直進運動することになる。
【0048】
ネジ棒6が直進運動すれば、一体的に接続しているピストン5が小径孔部1c(化粧料貯蔵部4)内を摺動前進し、化粧料25を塗布体24側に押圧する。ピストン5によって押圧された化粧料25はパイプ押さえ23の円錐穴23aからパイプ22を通って塗布体2へ供給される。
【0049】
このように回転筒11の回転により、ピストン5を前進させて化粧料25を吐出させて消費しながらピストン5を前進限の位置まで到達させる。図6はピストン5を前進限の位置まで到達させた場合を示す。
【0050】
[本実施の形態の作用]
本実施の形態によれば、ネジ棒6をネジ込む際に、ネジ棒6の先端(係合部6a)側からネジ筒7にネジ込んだ後、ネジ棒6とピストン5を一体化させて軸体1の後端より挿入できる構成としたので、組立が容易にでき、従来のように、ネジ棒6とピストン5を一体化させたものを化粧料貯蔵部側から逆進させて組み込んだり、ネジ棒の後端からネジ筒を長い距離をねじ込むような煩雑な組立作業をしなくても良い。
【0051】
また、本実施の形態によれば、回転筒11からネジ棒6にリブ11dを介して直接回転を伝えるように構成したので、回転筒11の回転が確実に伝達でき、安定したピストン5の摺動前進を実現できる。
【0052】
また、本実施の形態によれば、回転筒11のリブ11dは射出成形条件が安定するので、比較的肉厚を均一にでき、リブ11dの厚みを薄くすることができる。
【0053】
[別の実施の形態1]
前述の実施の形態では、回転筒11とばね受け9とが回転不能及び軸線方向に摺動可能に係合し回転筒11の回転を直接ばね受け9に伝える構成としたが、ネジ棒とばね受けとが回転不能及び軸線方向に摺動可能に係合しネジ棒の回転をばね受け9に伝える構成にしてもよい。
【0054】
以下、ネジ棒とばね受けとが回転不能及び軸線方向に摺動可能に係合した場合の別の実施の形態1を図7及び図8に基づいて説明する。なお、図7及び図8において、前述の実施の形態(図1から図6)の符号と同一符号のものは、同一機能を有するものであり、その説明を省略する。
【0055】
別の実施の形態1のばね受け39は、段付孔を有する中空円筒形状をしている。段付孔の小径孔部39aは図8に示すように、ネジ棒6の断面外形形状と同様な形状を有し、ネジ棒6の断面外形形状より少し大きな形状の孔である。従って、ネジ棒6がばね受け39の小径孔部39aに挿入されると、ネジ棒6とばね受け39とが回転不能及び軸線方向に摺動可能に係合する。また、大径孔部9bは図7に示すように、コイルバネ10の外径より少し大きな径の孔であり、コイルバネ10を収納する。更に、小径孔部39a側の端部9dには、ネジ筒7のラチェット歯7dと係合しうるように対向させて一側に傾斜面を有する鋸歯状のラチェット歯9eが形成されている。
【0056】
回転筒31の開口孔11cには、図7に示すように、開口端部から軸方向へM寸法分リブ11dは設けられていない。なお、このリブ11dが無い部位にはばね受け9及びコイルバネ10が収納される。
【0057】
別の実施の形態1の組立手順を説明すると、ネジ筒7とネジ棒6を螺合させてピストン5とネジ棒6を一体的に接合させて後、ネジ棒6の後端よりばね受け39及びコイルバネ10を挿通させる。この時、ばね受け39はネジ棒6によって回転方向の移動が不能になる。
【0058】
次に、ネジ棒6の後端を回転筒31の開口孔11c側から挿入し、ネジ棒6の溝6dに回転筒31のリブ11dを噛み合わせて(図3参照)、ネジ棒6の軸線方向に沿って回転筒31を摺動直進運動させると共に、回転筒31の小径軸部11aを軸体1の大径孔部1dに挿嵌し、リング突条11fをリング溝1fにはめ込む。
【0059】
前述の実施の形態では、ネジ筒7とネジ棒6とピストン5を組み立てる作業と、ばね受け9とコイルバネ10と回転筒11を組立る作業を別々に行っていたが、別の実施の形態1では、ネジ筒7、ネジ棒6、ピストン5、ばね受け9、コイルバネ10、回転筒31の順序で繰出機構部が組み立てることができ、組立作業が一層容易になる。
【0060】
[別の実施の形態2]
前述の実施の形態では、ラチェット機構8の構成要素としてネジ筒7のラチェット歯7dとばね受け9のラチェット歯9eとコイルバネ10で構成したが、ばね受け9のラチェット歯9eを用いずに、両端の開いたコイルバネにラチェット歯の役割を持たせてる構成にしてもよい。
【0061】
以下、両端の開いたコイルバネにラチェット歯の役割を持たせた場合の別の実施の形態2を図9及び図10に基づいて説明する。なお、図9及び図10において、前述の実施の形態(図1から図6)の符号と同一符号のものは、同一機能を有するものであり、その説明を省略する。
【0062】
別の実施の形態2のコイルバネ30は、右巻きの両端の開いたコイルバネである。このコイルバネ30の一端は、図9に示すように、ネジ筒7のラチェット歯7dに噛み合い、他端は回転筒11のリブ11dの側面に噛み合っている。
【0063】
別の実施の形態2を使用手順を説明すると、回転筒11が回転すると、コイルバネ30の他端が回転筒11のリブ11dの側面に噛み合っているので、コイルバネ30も回転筒11の回転に同期して時計回りに回転する。また、コイルバネ30とネジ筒7のラチェット歯7dが噛み合った状態になっているので、コイルバネ30が時計方向に回転すると、コイルバネ30の一端がネジ筒7のラチェット歯7dを避けながら移動する。そして、ラチェット歯7dを1つ避ける度に「カチ」という音を発生させる。
【0064】
コイルバネ30の一端はラチェット歯7dの傾斜面を登り、これにつれてコイルバネ30の付勢に抗しながら軸線方向に没入する方向に撓み、傾斜面を登りきるとコイルバネ30の一端はコイルバネ30の付勢によって、コイルバネ30の一端とラチェット歯7dが嵌合音(「カチ」)を発して係止される。さらに、回転すると、コイルバネ30は弾撥力によって、「カチ、カチ」と嵌合音を発しつつラチェット歯7dとの係脱動作を繰り返して回転する。
【0065】
一方、回転筒11を上記と反対方向に回転しようとすると、コイルバネ30とネジ筒7のラチェット歯7d及びリブ11dが噛み合った状態になっているので、ネジ筒7のラチェット歯7dに嵌合係止されて反対方向に回転できないために、ネジ棒6も回転を阻止され、ピストン5は後退しない。
【0066】
別の実施の形態2によれば、ばね受け9のラチェット歯9eを用いずに、両端の開いたコイルバネ30にラチェット歯の役割を持たせてる構成にしたことにより、部品数を削減できる。
【0067】
[別な実施例1]
上述の実施の形態では、化粧料用の容器として説明したが、これに限らずマーキングペン等の筆記具、医薬品の液状塗布具等に使用してもよい。
【0068】
図11は、塗布部3にマーキングペンのペン先40を装着した筆記具の場合を示している。この場合、化粧料貯蔵部4にはインクが収納される。
[別な実施例2]
上述の実施の形態では、液状化粧料用の容器として説明したが、これに限らず固形化粧料用の容器に使用してもよい。
【0069】
図12は、化粧料貯蔵部41に固形化粧料25aを充填した場合を示している。この場合、固形化粧料25aを押し出すピストン42は一端に球部を有する円柱状のものがよい。
【0070】
また、図13は、ピストン42がなかり前進し、固形化粧料25aが残り少なくなった場合を示している。
【0071】
【発明の効果】
本発明のネジ棒繰出装置によれば、ネジ棒をネジ込む際に、ネジ棒の先端側からネジ筒にネジ込んだ後、ネジ棒とピストンを一体化させて軸体の後端より挿入できるので、組立が容易にでき、従来のように、ネジ棒とピストンを一体化させたものを化粧料貯蔵部側から逆進させて組み込んだり、ネジ棒の後端からネジ筒を長い距離をねじ込むような煩雑な組立作業をしなくても良い。
【0072】
また、本発明のネジ棒繰出装置によれば、回転筒からネジ棒にリブを介して直接回転を伝えるように構成したので、回転筒の回転が確実にネジ棒に伝達でき、安定したねじ棒の繰り出し動作を実現できる。また、この構成の回転筒のリブは射出成形条件が安定するので、比較的肉厚を均一にでき、リブの厚みを薄くすることができる。
【0073】
さらに、本発明のネジ棒繰出装置によれば、ラチェット機構をネジ棒と係合させ、回転筒の回転がネジ棒を介してラチェット機構に伝達されるように構成すれば、組立作業が一層容易になる。
【0074】
さらにまた、本発明によれば、ラチェット機構に両端を開いたコイルバネを使用することにより、ラチェット機構を簡略化でき、部品数を削減できる。
さらにまた、本発明のネジ棒繰出装置を用いたピストン式押出容器は、液体あるいは固体の化粧料容器、マーキングペン等の筆記用具、医薬品の液状塗布具に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図1のA−A矢視方向より見た断面図である。
【図4】ネジ筒の斜視図である。
【図5】ばね受けの斜視図である。
【図6】本発明の一実施の形態においてピストンを前進限の位置まで到達させた場合の縦断面図である。
【図7】本発明の別の実施の形態1の縦断面図である。
【図8】図7のB−B矢視方向より見た断面図である。
【図9】本発明の別の実施の形態2の縦断面図である。
【図10】本発明の別の実施の形態2のコイルバネの外形図である。
【図11】本発明の別の実施例1の縦断面図である。
【図12】本発明の別の実施例2の縦断面図である。
【図13】本発明の別の実施例2においてピストンを前進限近くの位置まで到達させた場合の縦断面図である。
【符号の説明】
1…軸体
2…繰出機構部
3…塗布部
4…化粧料貯蔵部
5…ピストン
6…ネジ棒
7…ネジ筒
8…ラチェット機構
9…ばね受け
10…コイルバネ
11…回転筒
20…キャップ
21…カバー筒
22…パイプ
23…パイプ押さえ
24…塗布体
25…化粧料(液体)
25a…化粧料(固体)
Claims (5)
- 中空の軸体と、
この軸体内に挿入され、前記軸体内の所定位置に回転不能に係合するとともに内周面にネジ部を有するネジ筒と、
外周面に前記ネジ筒と螺合するネジ部が形成されたネジ棒と、
一端が前記軸体内に挿入され回転自在に係合する回転筒とを備え、
前記回転筒の回転が前記ネジ棒に直接伝えられ、前記ネジ棒が前記軸体内の軸線方向に繰り出されるネジ棒繰出装置であって、
前記ネジ棒の外周面には、横断面における対向する方位に軸方向に沿って形成された一対の溝と、前記一対の溝が形成された方位とは直交する方位に軸方向に沿って対向して形成された一対の平面部とが設けられており、
前記回転筒の内部には、軸心に向かって放射状に突出するとともに前記回転筒の軸線方向に沿うように、六つのリブが周方向に等間隔に設けられており、
前記ネジ棒の前記一対の溝に前記六つのリブのうちいずれか対向する一対のリブの頂部が係合されることで、前記ネジ棒が前記回転筒に対して回転不能及び軸線方向に摺動可能に組み付けられていることを特徴とするネジ棒繰出装置。 - 前記ネジ筒の端面に設けられたラチェット歯と、
前記ネジ筒のラチェット歯と噛み合い、前記回転筒の回転に同期して一方向に回転可能なラチェット機構とを有することを特徴とする請求項1記載のネジ棒繰出装置。 - 前記ラチェット機構は両端を開いたコイルバネであり、このコイルバネの一端が前記ネジ筒のラチェット歯と噛み合い、他端が前記回転筒と係合することを特徴とする請求項2記載のネジ棒繰出装置。
- 中空の軸体と、
この軸体内に挿入され、前記軸体内の所定位置に回転不能に係合するとともに内周面にネジ部を有するネジ筒と、
外周面に前記ネジ筒と螺合するネジ部が形成されたネジ棒と、
筒内で前記ネジ棒と回転不能及び軸線方向に摺動可能に係合し、前記筒の一端が前記軸体内に挿入され回転自在に係合する回転筒とを備え、
前記回転筒の回転が前記ネジ棒に直接伝えられ、前記ネジ棒が前記軸体内の軸線方向に繰り出されるネジ棒繰出装置であって、
前記ネジ筒の端面に設けられたラチェット歯と、
前記ネジ筒のラチェット歯と噛み合い、前記回転筒の回転に同期して一方向に回転可能なラチェット機構とを有し、
前記ラチェット機構は前記ネジ筒のラチェット歯と噛み合うと共に前記ネジ棒と係合し、前記回転筒の回転が前記ネジ棒を介して前記ラチェット機構に伝達されることを特徴とするネジ棒繰出装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のネジ棒繰出装置と、
前記ネジ棒の繰り出しに伴い前記軸体内を軸線方向に摺動して該軸体内に充填された充填物を押し出すピストンと、
を有することを特徴とするネジ棒繰出装置を用いたピストン式押出容器。
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