JPH0624382U - 可変ギャップ同期電動機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 内周面をテーパ状に形成した固定子２と、固
定子２の内周面に空隙を介して対向し、かつ永久磁石界
磁の外周面をテーパ状に形成した回転子３と、回転子３
を軸方向に移動可能に支持した回転軸５と、回転子３を
軸方向に移動させる推力発生装置と、推力発生装置によ
って軸方向にのみ移動し得るハウジング部６１と、ハウ
ジング部６１と回転子３との間にハウジング部６１を支
持する軸受６とを設けたものである。 【効果】 高速回転においても振動が発生せず、構造が
簡単となる可変ギャップ同期電動機を提供できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、界磁に永久磁石を用いてインバータによって駆動する可変ギャップ 同期電動機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、永久磁石界磁を備えた同期回転電機として、電機子巻線を備えた固定子 の内周面と永久磁石界磁を備えた回転子の外周面を共にテーパ状とすると共に、 回転子を軸方向に移動可能にして、固定子と回転子の間の空隙を変化させ、空隙 磁束を調整するものが開示されている。（例えば、特開昭６４−５０７４４号、 特開平３−４５１５１号公報）。 回転子を軸方向に移動する機構としては、錘が遠心力により移動する径方向の 変位をカムを介して回転子の軸方向変位に変換するものや、回転子を固定した回 転軸を軸方向移動機構により移動するようにしてある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記錘の遠心力によって回転子を軸方向に移動する構成では、回転 部分が多く、高速運転の時に振動が発生したり、遠心力に耐える構造にするため の機構が大きくなるという欠点があった。 また、回転子を固定した回転軸を直接移動する構成では、回転軸に結合した負 荷が同時に移動しないように、負荷と回転軸との間にスライド装置などを設ける 必要があり、構造が複雑になるという問題があった。 本考案は、高速回転においても振動が発生せず、構造が簡単な可変ギャップ同 期電動機を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、内周面をテーパ状に形成した固定子と、前記固定子の内周面に空隙 を介して対向し、かつ永久磁石界磁の外周面をテーパ状に形成した回転子と、前 記回転子を軸方向に移動可能に支持した回転軸と、前記回転子を軸方向に移動さ せる推力発生装置とを備えた可変ギャップ同期電動機において、前記回転子の回 転速度に比例した軸方向の推力を発生し、かつ前記回転軸を支持するブラケット に固定した前記推力発生装置と、前記推力発生装置によって軸方向にのみ移動し 得るハウジング部と、前記ハウジング部と前記回転子との間に前記ハウジング部 を支持する軸受とを設けたものである。

【０００５】

【作用】

電機子巻線に電圧を印加して回転子を回転させ、回転子の回転速度に比例する 電圧を圧電素子や電磁石などの推力発生装置に入力して、回転速度に応じてハウ ジング部を軸方向に移動させ、ハウジング部は軸受を介して回転子を軸方向に移 動させ、回転子と固定子との間の空隙を大きくする。その結果、空隙磁束は弱め られるので、弱め界磁制御を行うことができる

【０００６】

【実施例】

本考案を図に示す実施例について説明する。 図１は本考案の実施例を示す側断面図で、円筒状のフレーム１の内側に電機子 巻線２１を備えた固定子２の内周面をテーパ状に形成し、固定子２の内周面に空 隙を介して対向する永久磁石３１を備えた回転子３の外周面をテーパ状にしてあ る。フレーム１の両端面に固定したブラケット４、４’には軸受４１、４１’を 介して、回転軸５を支持し、回転軸５には回転子３を軸方向にのみ摺動可能に支 持してある。 回転子３の一方側端面には、円筒部３２を設け、円筒部３２の外周に軸受６の 内周を固定してある。軸受６の外周にはハウジング部６１を固定し、ハウジング 部６１とブラケット４との間に軸方向に変位する圧電素子７を固定してある。 電機子巻線２１に図示しないインバータにより電圧を印加して回転子３を回転 させるとともに、例えば、インバータの速度指令周波数ＦをＦ／Ｖ変換器を介し 、回転速度に比例する電圧を圧電素子７が収縮する方向に印加すると、回転子３ は回転しながら圧電素子７によってブラケット４の方向に引きつけられ、回転軸 ５上を摺動して空隙が大きくなる方向に変位する。その結果、空隙磁束は弱めら れ、弱め界磁となるが、圧電素子７の電圧を制御することにより、空隙の大きさ を制御して弱め界磁制御を行うことができる。 図２は第２の実施例を示す側断面図で、レバー７１の一方端を圧電素子７の先 端に回転自在にピン連結し、他方端をハウジング部６１の外周に設けた支持部６ ２にピン連結させ、圧電素子７に近い位置をブラケット４に設けた支持部４２に 回転自在にピン連結してあり、圧電素子７の軸方向変位量をレバー７１によって 拡大する拡大機構を形成してある。この拡大機構を介して圧電素子７の軸方向変 位量をハウジング部６１に伝達するようにしてあるので、圧電素子７の軸方向変 位量が小さくても、回転子３と固定子２の間の空隙を大きく変化させることがで きる。なお、この場合、圧電素子７は電圧を印加すると軸方向に伸長するものを 使用すればよい。 図３は第３の実施例を示す側断面図で、圧電素子７の代わりに、ハウジング部 ６１の端面に対向する電磁石８をブラケット４に設けるとともに、ハウジング部 ６１がブラケット４に対して軸方向にのみ摺動できるようにしてある。ハウジン グ部６１とブラケット４との間には圧縮バネ９を設けて、ハウジング部６１およ び軸受６を介して回転子３を常に空隙が小さくなる方向に押し付けるようにして ある。 電磁石８には、回転速度に比例する電圧を印加し、高速になるにしたが って電磁石８によってハウジング部６１を吸引する磁気吸引力を大きくするよう にしてある。この磁気吸引力により、ハウジング部６１および軸受６を介し、圧 縮バネ９に抗して回転子３を吸引し、回転子３と固定子２の間の空隙を大きくし て弱め界磁制御を行うものである。 このように、圧電素子や電磁石などの推力発生装置により軸方向に移動するハ ウジング部は軸受を介して回転子を軸方向に移動させるので、ハウジング部は回 転することがなく、回転子と共に回転する部分は軸受のみとなり、回転部分を小 さくすることができる。

【０００７】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、回転子と共に回転する部分を小さくする ことができるので、高速回転においても振動が発生せず、構造が簡単となる可変 ギャップ同期電動機を提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す側断面図である。

【図２】本考案の第２の実施例を示す側断面図である。

【図３】本考案の第３の実施例を示す側断面図である。

【符号の説明】

１ フレーム ２ 固定子 ２１ 電機子巻線 ３ 回転子 ３１ 永久磁石 ４、４’ ブラケット ４１、４１’、６ 軸受 ４２、６２ 支持部 ５ 回転軸 ７ 圧電素子 ７１ レバー ８ 電磁石 ９ 圧縮バネ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内周面をテーパ状に形成した固定子と、
   前記固定子の内周面に空隙を介して対向し、かつ永久磁
   石界磁の外周面をテーパ状に形成した回転子と、前記回
   転子を軸方向に移動可能に支持した回転軸と、前記回転
   子を軸方向に移動させる推力発生装置とを備えた可変ギ
   ャップ同期電動機において、前記回転子の回転速度に比
   例した軸方向の推力を発生し、かつ前記回転軸を支持す
   るブラケットに固定した前記推力発生装置と、前記推力
   発生装置によって軸方向にのみ移動し得るハウジング部
   と、前記ハウジング部と前記回転子との間に前記ハウジ
   ング部を支持する軸受とを設けたことを特徴とする可変
   ギャップ同期電動機。
2. 【請求項２】 前記推力発生装置が、一方端を前記ハウ
   ジング部に固定し、他方端を前記ブラケットに固定した
   軸方向に伸縮し得る圧電素子からなる請求項１記載の可
   変ギャップ同期電動機。
3. 【請求項３】 前記推力発生装置が、前記ブラケットに
   固定し、かつ前記ハウジング部に空隙を介して対向して
   前記ハウジング部を吸引する電磁石と、前記ハウジング
   部を前記電磁石の吸引方向と逆方向に押し付ける圧縮バ
   ネとからなる請求項１または２記載の可変ギャップ同期
   電動機。
4. 【請求項４】 前記推力発生装置と前記ハウジング部
   との間に前記推力発生装置の軸方向変位量を拡大する拡
   大機構を設けた請求項１から３までのいずれか１項に記
   載の可変ギャップ同期電動機。