JP2003180060A - 環状ステータを備えた永久磁石電動機 - Google Patents
環状ステータを備えた永久磁石電動機Info
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- H02K29/03—Motors or generators having non-mechanical commutating devices, e.g. discharge tubes or semiconductor devices with a magnetic circuit specially adapted for avoiding torque ripples or self-starting problems
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- Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高効率を達成できかつ始動性のよい永久磁石
電動機を提供する。 【解決手段】 永久磁石電動機は、環状磁性体のステー
タリング22と、その外周に沿って等間隔で配設された
ステータ突極24とを備えたステータ20と、前記ステ
ータリング22の内周側に対向して等ピッチで設けられ
た4組の永久磁石12aを有し、それらの永久磁石12
aが前記ステータリング22の内周に沿って回動自在に
支持されているロータ10とを有する。励磁制御装置3
0によって、前記ステータ突極24の励磁コイル24b
にあらかじめ定められた順序、タイミング及び励磁極性
に基づいて励磁電流を供給することにより、ロータ10
は同期駆動される。前記励磁コイル24bが励磁されて
いない状態では、前記永久磁石12aを備えたロータ1
0は前記ステータリング22の内周側に沿ってほぼ無負
荷で回動自在とされており、始動性が良好である。
電動機を提供する。 【解決手段】 永久磁石電動機は、環状磁性体のステー
タリング22と、その外周に沿って等間隔で配設された
ステータ突極24とを備えたステータ20と、前記ステ
ータリング22の内周側に対向して等ピッチで設けられ
た4組の永久磁石12aを有し、それらの永久磁石12
aが前記ステータリング22の内周に沿って回動自在に
支持されているロータ10とを有する。励磁制御装置3
0によって、前記ステータ突極24の励磁コイル24b
にあらかじめ定められた順序、タイミング及び励磁極性
に基づいて励磁電流を供給することにより、ロータ10
は同期駆動される。前記励磁コイル24bが励磁されて
いない状態では、前記永久磁石12aを備えたロータ1
0は前記ステータリング22の内周側に沿ってほぼ無負
荷で回動自在とされており、始動性が良好である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、永久磁石を利用
した電動機に係わり、特に始動性に優れ高効率を達成す
ることができる永久磁石電動機に関する。
した電動機に係わり、特に始動性に優れ高効率を達成す
ることができる永久磁石電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気エネルギーを機械的な出力、
例えばトルクとして取り出せるようにした変換システム
として、種々の電動機が開発されてきた。それら従来の
電動機にあっては、ステータ、ロータのいずれか又は両
方に電磁石が用いられており、それらの電磁石によって
回転磁界を生成してロータを追従させるもの(例えば誘
導電動機)、あるいは、永久磁石ステータの磁界中に極
性反転制御を可能として設けられたロータを回転自在に
配設し、ロータとステータとの間の磁束の相互作用によ
って回転力を得るもの(例えば一般的な直流電動機)な
どがある。
例えばトルクとして取り出せるようにした変換システム
として、種々の電動機が開発されてきた。それら従来の
電動機にあっては、ステータ、ロータのいずれか又は両
方に電磁石が用いられており、それらの電磁石によって
回転磁界を生成してロータを追従させるもの(例えば誘
導電動機)、あるいは、永久磁石ステータの磁界中に極
性反転制御を可能として設けられたロータを回転自在に
配設し、ロータとステータとの間の磁束の相互作用によ
って回転力を得るもの(例えば一般的な直流電動機)な
どがある。
【0003】このような在来の電動機については、永久
磁石から発生する磁束を利用してエネルギー変換効率を
高めようとする試みが種々なされてきた。発明者らは、
特に永久磁石が発生する磁束の分布を適切に制御するこ
とによって、出力トルクに抗して作用する磁気力を可及
的に低減し、これによる出力トルクの増大、電磁エネル
ギーから力学的エネルギーへの変換効率向上を達成すべ
く、さまざまな構成を有するトルク発生装置を試作開発
してきた。例えば、本願発明者らによる特開平7−79
07号公報は、回転子に永久磁石を付加することによっ
て、エネルギー変換効率を高めることができる動力発生
装置を提案している。本願発明者らが開発、提案してき
たこれらの動力発生装置では、回転子に付加された永久
磁石と固定子電磁石との間に磁性部材が介在するように
構成し、励磁された一の固定子電磁石と永久磁石との間
に存在する磁束が磁性部材内で両者を結ぶ線上付近に可
及的に収束するように計画されている。これによって、
回転子の回転方向後方にある非励磁電磁石から受ける吸
引力によって回転子が引き戻される方向に作用する力、
いわば従来必然のごとく看過されてきた現象を防ぐこと
を意図したためである。
磁石から発生する磁束を利用してエネルギー変換効率を
高めようとする試みが種々なされてきた。発明者らは、
特に永久磁石が発生する磁束の分布を適切に制御するこ
とによって、出力トルクに抗して作用する磁気力を可及
的に低減し、これによる出力トルクの増大、電磁エネル
ギーから力学的エネルギーへの変換効率向上を達成すべ
く、さまざまな構成を有するトルク発生装置を試作開発
してきた。例えば、本願発明者らによる特開平7−79
07号公報は、回転子に永久磁石を付加することによっ
て、エネルギー変換効率を高めることができる動力発生
装置を提案している。本願発明者らが開発、提案してき
たこれらの動力発生装置では、回転子に付加された永久
磁石と固定子電磁石との間に磁性部材が介在するように
構成し、励磁された一の固定子電磁石と永久磁石との間
に存在する磁束が磁性部材内で両者を結ぶ線上付近に可
及的に収束するように計画されている。これによって、
回転子の回転方向後方にある非励磁電磁石から受ける吸
引力によって回転子が引き戻される方向に作用する力、
いわば従来必然のごとく看過されてきた現象を防ぐこと
を意図したためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、種々の
試作機を製作してエネルギー変換効率、発生トルク等の
性能を検証したところ、回転子の永久磁石に付加する磁
性部材の寸法や固定子電磁石の構造によっては、磁性部
材内で予期したほどの磁束域が期待できず、十分な効率
の向上が図れない場合があることが判明した。また、回
転子に永久磁石を組み込んであるために、いずれの固定
子電磁石にも通電されていない状態では各永久磁石と近
接している特定の固定子電磁石との間に吸引力が作用し
ていわば回転子が強固にロックされた状態となってお
り、始動が困難となることがあるという問題点も確認さ
れた。
試作機を製作してエネルギー変換効率、発生トルク等の
性能を検証したところ、回転子の永久磁石に付加する磁
性部材の寸法や固定子電磁石の構造によっては、磁性部
材内で予期したほどの磁束域が期待できず、十分な効率
の向上が図れない場合があることが判明した。また、回
転子に永久磁石を組み込んであるために、いずれの固定
子電磁石にも通電されていない状態では各永久磁石と近
接している特定の固定子電磁石との間に吸引力が作用し
ていわば回転子が強固にロックされた状態となってお
り、始動が困難となることがあるという問題点も確認さ
れた。
【0005】この発明は上記のような開発過程において
見出された問題点を解消するためになされたもので、そ
の目的は、永久磁石が持つ磁気エネルギーを有効に利用
して高効率高トルクを得られるとともに、始動性にも優
れた永久磁石電動機を提供することである。
見出された問題点を解消するためになされたもので、そ
の目的は、永久磁石が持つ磁気エネルギーを有効に利用
して高効率高トルクを得られるとともに、始動性にも優
れた永久磁石電動機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本願発明に係わる永久磁石電動機は、環状に連設
された磁性体と、その磁性体の外周に沿って配設された
複数の励磁手段とを備えたステータと、少なくとも一の
着磁部が前記ステータの環状磁性体の内周側に面して、
その環状磁性体の内周に沿って回動自在に設けられてい
るロータと、前記ステータの励磁手段にあらかじめ定め
られた順序、タイミング及び励磁極性に基づいて励磁電
流を供給する励磁電流制御手段とを備え、前記励磁手段
が励磁されていない状態では、前記永久磁石を備えたロ
ータは前記ステータの内周側に沿ってほぼ無負荷で回動
自在とされており、前記励磁手段を前記励磁電流制御手
段によって励磁すると、前記ロータの各永久磁石は異な
る磁性に磁化された各励磁手段から発生する磁束によっ
て吸引されて励磁手段の磁極の移動方向に追従して同期
駆動されることを特徴とする。
めに、本願発明に係わる永久磁石電動機は、環状に連設
された磁性体と、その磁性体の外周に沿って配設された
複数の励磁手段とを備えたステータと、少なくとも一の
着磁部が前記ステータの環状磁性体の内周側に面して、
その環状磁性体の内周に沿って回動自在に設けられてい
るロータと、前記ステータの励磁手段にあらかじめ定め
られた順序、タイミング及び励磁極性に基づいて励磁電
流を供給する励磁電流制御手段とを備え、前記励磁手段
が励磁されていない状態では、前記永久磁石を備えたロ
ータは前記ステータの内周側に沿ってほぼ無負荷で回動
自在とされており、前記励磁手段を前記励磁電流制御手
段によって励磁すると、前記ロータの各永久磁石は異な
る磁性に磁化された各励磁手段から発生する磁束によっ
て吸引されて励磁手段の磁極の移動方向に追従して同期
駆動されることを特徴とする。
【0007】前記環状磁性体には、相隣り合う励磁手段
同士のほぼ中間付近にその環状磁性体の断面積が縮小さ
れた縮径部を設けることが好ましい。
同士のほぼ中間付近にその環状磁性体の断面積が縮小さ
れた縮径部を設けることが好ましい。
【0008】また、前記ロータの着磁部と前記ステータ
の環状磁性体との間には磁性部材が介設されていること
が好ましい。
の環状磁性体との間には磁性部材が介設されていること
が好ましい。
【0009】上記の構成を備えた本発明に係る永久磁石
電動機は、前記ステータに設けられた励磁手段がいずれ
も励磁されていない状態では、ロータの永久磁石とステ
ータの環状磁性体との間に作用する磁気吸引力がバラン
スしており、ロータはほとんど負荷をかけることなく回
動させることができる。
電動機は、前記ステータに設けられた励磁手段がいずれ
も励磁されていない状態では、ロータの永久磁石とステ
ータの環状磁性体との間に作用する磁気吸引力がバラン
スしており、ロータはほとんど負荷をかけることなく回
動させることができる。
【0010】そして、前記ステータの励磁手段が励磁電
流制御手段によって励磁されると、ロータに設けられて
いる各永久磁石は近接する異極性に励磁されたステータ
の励磁手段に吸引されるので、励磁される励磁手段を順
次所定の順序、タイミング及び励磁極性となるように切
り換えていくことにより、ロータに回転力が付与され
る。
流制御手段によって励磁されると、ロータに設けられて
いる各永久磁石は近接する異極性に励磁されたステータ
の励磁手段に吸引されるので、励磁される励磁手段を順
次所定の順序、タイミング及び励磁極性となるように切
り換えていくことにより、ロータに回転力が付与され
る。
【0011】前記環状磁性体の相隣り合う励磁手段同士
のほぼ中間付近に断面積が縮小された縮径部を設けれ
ば、一つの励磁された励磁手段から他の異極性の励磁手
段へと回磁する磁束が低減される。
のほぼ中間付近に断面積が縮小された縮径部を設けれ
ば、一つの励磁された励磁手段から他の異極性の励磁手
段へと回磁する磁束が低減される。
【0012】前記ロータの着磁部と前記ステータの環状
磁性体との間に磁性部材を介設すれば、着磁部からの磁
束が磁性部材内でその着磁部と近接する異極性の励磁手
段とを結ぶように収束する。
磁性体との間に磁性部材を介設すれば、着磁部からの磁
束が磁性部材内でその着磁部と近接する異極性の励磁手
段とを結ぶように収束する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態につ
いて、添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜図4
は、本発明の一実施形態に係わる永久磁石電動機の概略
構成を示す正面図である。なお、これらの図において
は、本装置の基本的な構成と作用とを明瞭にするため、
装置のハウジングやフレームなど、本発明の説明に関し
て本質的でないと思われる部分については図示を省略し
た。
いて、添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜図4
は、本発明の一実施形態に係わる永久磁石電動機の概略
構成を示す正面図である。なお、これらの図において
は、本装置の基本的な構成と作用とを明瞭にするため、
装置のハウジングやフレームなど、本発明の説明に関し
て本質的でないと思われる部分については図示を省略し
た。
【0014】図1に示すように、本実施形態の永久磁石
電動機は、複数のロータ突極12,12,……を備えた
ロータ10と、複数のステータ突極24,24,……を
備えたリング状のステータ20とを有する。
電動機は、複数のロータ突極12,12,……を備えた
ロータ10と、複数のステータ突極24,24,……を
備えたリング状のステータ20とを有する。
【0015】ロータ10は、略円柱状に形成されたロー
タハブ14の外周に沿って等間隔に径方向外方に向けて
突設された複数のロータ突極12を有する。ここでは、
ロータ突極12は4極であり、ロータハブ14の周囲に
90゜ピッチで固設されている。ロータハブ14は、例
えば鉄等の磁性材料を用いて一体的に形成すればよい。
その際、そのような磁性材料によって形成された同一形
状の薄板を積層して用いれば、ロータハブ14内部での
渦電流発生を抑制することができるので、本装置が動作
中にロータハブ14内に渦電流が生じることによる損失
を低減することができる。
タハブ14の外周に沿って等間隔に径方向外方に向けて
突設された複数のロータ突極12を有する。ここでは、
ロータ突極12は4極であり、ロータハブ14の周囲に
90゜ピッチで固設されている。ロータハブ14は、例
えば鉄等の磁性材料を用いて一体的に形成すればよい。
その際、そのような磁性材料によって形成された同一形
状の薄板を積層して用いれば、ロータハブ14内部での
渦電流発生を抑制することができるので、本装置が動作
中にロータハブ14内に渦電流が生じることによる損失
を低減することができる。
【0016】ロータ突極12,12,……は、それぞれ
着磁部を構成する永久磁石12aと磁性体ヘッド12b
とからなる。永久磁石12aは略直方体状の形状とされ
ており、ロータハブ14の外周側面で相隣接しているロ
ータ突極12,12,……のロータ径方向端部が互いに
反対極性の磁極となるように配置され固設されている。
すなわち、各ロータ突極12に設けられる各永久磁石1
2aは、隣り合う突極12のロータ径方向外方端部に互
いに異なる磁極が現れるように配置され固設されてい
る。
着磁部を構成する永久磁石12aと磁性体ヘッド12b
とからなる。永久磁石12aは略直方体状の形状とされ
ており、ロータハブ14の外周側面で相隣接しているロ
ータ突極12,12,……のロータ径方向端部が互いに
反対極性の磁極となるように配置され固設されている。
すなわち、各ロータ突極12に設けられる各永久磁石1
2aは、隣り合う突極12のロータ径方向外方端部に互
いに異なる磁極が現れるように配置され固設されてい
る。
【0017】各ロータ突極12の先端部には、後述する
ステータリング22の内周形状に合わせて略弧状に形成
された磁性体ヘッド12bが、そのステータリング22
と永久磁石12aとの間に介挿されるように固設されて
いる。なお、この磁性体ヘッド12bの形状は、本実施
形態にある略弧状に限られることなく、試作試験等を通
じて適宜の形状寸法としてよい。この磁性体ヘッド12
b内では永久磁石12aからの磁束が近接した異極性の
ステータ突極24(後述)との間を結ぶように収束する
から、他のステータ突極24との間でロータ10の回転
を妨げるような磁気的相互作用が生ずるのを低減する効
果が得られる。なお、磁性体ヘッド12bを省略して、
各永久磁石12aがステータリング22と対向するよう
に構成してもさしつかえない。
ステータリング22の内周形状に合わせて略弧状に形成
された磁性体ヘッド12bが、そのステータリング22
と永久磁石12aとの間に介挿されるように固設されて
いる。なお、この磁性体ヘッド12bの形状は、本実施
形態にある略弧状に限られることなく、試作試験等を通
じて適宜の形状寸法としてよい。この磁性体ヘッド12
b内では永久磁石12aからの磁束が近接した異極性の
ステータ突極24(後述)との間を結ぶように収束する
から、他のステータ突極24との間でロータ10の回転
を妨げるような磁気的相互作用が生ずるのを低減する効
果が得られる。なお、磁性体ヘッド12bを省略して、
各永久磁石12aがステータリング22と対向するよう
に構成してもさしつかえない。
【0018】ロータハブ14の中心部には、ロータ軸1
6が挿通固定されている。このロータ軸16は、その両
端部が図示を省略する軸受によって回動自在に支持され
ている。すなわち、ロータハブ14の外周縁に沿って等
ピッチで配設されたロータ突極12の先端に設けられた
磁性体ヘッド12bとステータリング22との間には一
定のエアギャップが保持されつつステータリング22の
内周に沿って回動自在とされている。
6が挿通固定されている。このロータ軸16は、その両
端部が図示を省略する軸受によって回動自在に支持され
ている。すなわち、ロータハブ14の外周縁に沿って等
ピッチで配設されたロータ突極12の先端に設けられた
磁性体ヘッド12bとステータリング22との間には一
定のエアギャップが保持されつつステータリング22の
内周に沿って回動自在とされている。
【0019】ステータ20は、環状に形成された磁性体
からなるステータリング22と、その外周に沿って等間
隔で径方向外方へ突設された励磁手段である複数のステ
ータ突極24とを備える。この実施形態では、8組のス
テータ突極24が45゜ピッチで配設されており、前記
した4組のロータ突極12のいずれかがステータ突極2
4と対向すれば、他のロータ突極12もそれぞれ他のス
テータ突極24と対向するようにしている。このような
構成は、各ステータ突極24からの磁気力を各ロータ突
極12で有効に利用するのに役立つが、これについては
作用の項で詳述する。
からなるステータリング22と、その外周に沿って等間
隔で径方向外方へ突設された励磁手段である複数のステ
ータ突極24とを備える。この実施形態では、8組のス
テータ突極24が45゜ピッチで配設されており、前記
した4組のロータ突極12のいずれかがステータ突極2
4と対向すれば、他のロータ突極12もそれぞれ他のス
テータ突極24と対向するようにしている。このような
構成は、各ステータ突極24からの磁気力を各ロータ突
極12で有効に利用するのに役立つが、これについては
作用の項で詳述する。
【0020】各ステータ突極24は、ステータリング2
2から径方向外方に8ヶ所突設されているコア24aと
その周囲に巻回されている励磁コイル24bとを有して
いる。それぞれのコイル24bは、後述する励磁制御装
置30(励磁電流制御手段)の出力に電気的に接続され
ている。また、各ステータ突極24のステータ20外方
側端部は、ステータ突極24の一方の磁極からの磁束が
流入する磁路を構成する環状のヨーク26によって接続
されている。
2から径方向外方に8ヶ所突設されているコア24aと
その周囲に巻回されている励磁コイル24bとを有して
いる。それぞれのコイル24bは、後述する励磁制御装
置30(励磁電流制御手段)の出力に電気的に接続され
ている。また、各ステータ突極24のステータ20外方
側端部は、ステータ突極24の一方の磁極からの磁束が
流入する磁路を構成する環状のヨーク26によって接続
されている。
【0021】励磁制御装置30は、前記それぞれのステ
ータ突極24のコイル24bに供給される励磁電流の向
きとそのオンオフ切換タイミングを制御するための電流
スイッチング装置であり、一般に、トランジスタ、サイ
リスタ等の電流スイッチング素子と、それらのスイッチ
ング素子のオンオフを制御するための制御回路とから構
成されている。本発明に係る永久磁石電動機は、基本的
にはステータ突極24の励磁制御にロータ10が同期駆
動されるため、駆動制御の面からはオープンループ構成
としてさしつかえない。ただし、ロータ10の回転角度
を検出するために、例えば所定の切欠き形状を備えた遮
光板(図示省略)と組合せた光センサやロータリエンコ
ーダのような、既存の種々のセンサを適宜用いてロータ
10の速度制御を行うことができる。その場合、回転セ
ンサの出力信号は、前記励磁制御装置30の制御回路に
入力され、ロータ10の回転角度に応じて前記電流スイ
ッチング素子のオンオフを制御するためのトリガ信号と
して使用される。
ータ突極24のコイル24bに供給される励磁電流の向
きとそのオンオフ切換タイミングを制御するための電流
スイッチング装置であり、一般に、トランジスタ、サイ
リスタ等の電流スイッチング素子と、それらのスイッチ
ング素子のオンオフを制御するための制御回路とから構
成されている。本発明に係る永久磁石電動機は、基本的
にはステータ突極24の励磁制御にロータ10が同期駆
動されるため、駆動制御の面からはオープンループ構成
としてさしつかえない。ただし、ロータ10の回転角度
を検出するために、例えば所定の切欠き形状を備えた遮
光板(図示省略)と組合せた光センサやロータリエンコ
ーダのような、既存の種々のセンサを適宜用いてロータ
10の速度制御を行うことができる。その場合、回転セ
ンサの出力信号は、前記励磁制御装置30の制御回路に
入力され、ロータ10の回転角度に応じて前記電流スイ
ッチング素子のオンオフを制御するためのトリガ信号と
して使用される。
【0022】次に、図1〜図4を参照して、上記の構成
を有する本発明の一実施形態に係わる永久磁石電動機の
作用を説明する。まず、図1は、ステータ突極24のコ
イル24bのいずれにも励磁電流が供給されておらず、
いずれのステータ突極24も励磁されていない状態、い
わば電源オフの状態を示している。この状態では、ロー
タ10が備えているそれぞれのロータ突極12の永久磁
石12aは、磁性体ヘッド12bを介してステータリン
グ22との間に磁気吸引力を及ぼしている。したがっ
て、各ロータ突極12はその径方向外方へ向けて吸引力
が作用しているのみで、ロータ10の中心に挿通されて
いるロータ軸16についてみると、各ロータ突極12に
作用する外方への吸引力は実質的にバランスがとれてい
る。また、このような一種の磁気力の平衡状態は、ステ
ータリング22内に分布する磁力線がロータ10の中心
に関してほぼ対称となっていることに起因しており、こ
の状態はロータ10を軸16の回りに回動させたとして
も変化しないから、各ロータ突極12についてみると、
ステータリング22との間で吸引力が作用しているにも
かかわらず、ロータ10全体としてはほとんど負荷を作
用させることなく回動させることができるのである。上
記の状態を定性的な磁束分布として同じく図1に「細か
いドットの集合」で示している。図示のように、各ロー
タ突極12に配設されている永久磁石12aのN極から
磁性体ヘッド12bを通じて対向する磁性体ステータリ
ング22に磁束が流れ込み、さらに隣り合う異極のロー
タ突極12のS極に流入する。
を有する本発明の一実施形態に係わる永久磁石電動機の
作用を説明する。まず、図1は、ステータ突極24のコ
イル24bのいずれにも励磁電流が供給されておらず、
いずれのステータ突極24も励磁されていない状態、い
わば電源オフの状態を示している。この状態では、ロー
タ10が備えているそれぞれのロータ突極12の永久磁
石12aは、磁性体ヘッド12bを介してステータリン
グ22との間に磁気吸引力を及ぼしている。したがっ
て、各ロータ突極12はその径方向外方へ向けて吸引力
が作用しているのみで、ロータ10の中心に挿通されて
いるロータ軸16についてみると、各ロータ突極12に
作用する外方への吸引力は実質的にバランスがとれてい
る。また、このような一種の磁気力の平衡状態は、ステ
ータリング22内に分布する磁力線がロータ10の中心
に関してほぼ対称となっていることに起因しており、こ
の状態はロータ10を軸16の回りに回動させたとして
も変化しないから、各ロータ突極12についてみると、
ステータリング22との間で吸引力が作用しているにも
かかわらず、ロータ10全体としてはほとんど負荷を作
用させることなく回動させることができるのである。上
記の状態を定性的な磁束分布として同じく図1に「細か
いドットの集合」で示している。図示のように、各ロー
タ突極12に配設されている永久磁石12aのN極から
磁性体ヘッド12bを通じて対向する磁性体ステータリ
ング22に磁束が流れ込み、さらに隣り合う異極のロー
タ突極12のS極に流入する。
【0023】このような本実施形態に係る永久磁石電動
機の性質は、特定のステータ突極24を励磁したときに
即座にロータ10が追従するという始動性の良さにつな
がっている。いま、比較例として、同様のロータ構成を
備えながら各ステータ突極24が互いに離隔して設けら
れている電動機の構成及び作用を図7、図8に示す。こ
のような構成によれば、各ロータ突極12の永久磁石1
2aは対向する各ステータ突極24と吸引力を及ぼしあ
うが、周方向に隣接配置されているステータ突極24と
の間にはエアギャップが存在するために、磁束が回磁し
ない。したがって、前記した本実施形態の場合とは異な
り、いずれのステータ突極24も励磁されないオフ状態
であっても磁力線の平衡状態が生ずることはなく、ロー
タ突極12は対向するステータ突極24と吸引し合った
状態を保持しようとする。
機の性質は、特定のステータ突極24を励磁したときに
即座にロータ10が追従するという始動性の良さにつな
がっている。いま、比較例として、同様のロータ構成を
備えながら各ステータ突極24が互いに離隔して設けら
れている電動機の構成及び作用を図7、図8に示す。こ
のような構成によれば、各ロータ突極12の永久磁石1
2aは対向する各ステータ突極24と吸引力を及ぼしあ
うが、周方向に隣接配置されているステータ突極24と
の間にはエアギャップが存在するために、磁束が回磁し
ない。したがって、前記した本実施形態の場合とは異な
り、いずれのステータ突極24も励磁されないオフ状態
であっても磁力線の平衡状態が生ずることはなく、ロー
タ突極12は対向するステータ突極24と吸引し合った
状態を保持しようとする。
【0024】図8は、ロータ10を時計方向に回転駆動
すべく、回転方向前方に位置するステータ突極24を異
極性に励磁した状態を示している。この状態において
も、各ロータ突極12は回転方向前方の異極性のステー
タ突極24から磁気吸引力を受けると同時に、対向する
非励磁のステータ突極24との間にも依然として磁気吸
引力が作用している。高トルクを得ようとする場合に
は、ロータ突極12に備える永久磁石12aの磁力を大
きくするが、そうなると各ロータ突極12と対向するス
テータ突極24との間に作用する吸引力はますます大き
くなり、電源オフ状態ではロータがステータに対して磁
気吸引力によってロックされたような状態となってしま
い、隣接するステータ突極24を励磁しても始動が困難
であった。本発明では、このような始動に関する従来の
困難性をほぼ解消することができたのである。
すべく、回転方向前方に位置するステータ突極24を異
極性に励磁した状態を示している。この状態において
も、各ロータ突極12は回転方向前方の異極性のステー
タ突極24から磁気吸引力を受けると同時に、対向する
非励磁のステータ突極24との間にも依然として磁気吸
引力が作用している。高トルクを得ようとする場合に
は、ロータ突極12に備える永久磁石12aの磁力を大
きくするが、そうなると各ロータ突極12と対向するス
テータ突極24との間に作用する吸引力はますます大き
くなり、電源オフ状態ではロータがステータに対して磁
気吸引力によってロックされたような状態となってしま
い、隣接するステータ突極24を励磁しても始動が困難
であった。本発明では、このような始動に関する従来の
困難性をほぼ解消することができたのである。
【0025】次に、図2は、本実施形態に係る電動機を
起動すべく、所定のステータ突極24のコイル24bを
励磁した起動初期状態を示している。前記のとおり、こ
の実施形態の電動機では、ステータ20の突極24が8
組、ロータ10側の突極12が4組、それぞれ等ピッチ
で設けられているので、図示のとおり、ステータ突極2
4は1個おきにロータ10の突極12と向かい合うこと
になる。
起動すべく、所定のステータ突極24のコイル24bを
励磁した起動初期状態を示している。前記のとおり、こ
の実施形態の電動機では、ステータ20の突極24が8
組、ロータ10側の突極12が4組、それぞれ等ピッチ
で設けられているので、図示のとおり、ステータ突極2
4は1個おきにロータ10の突極12と向かい合うこと
になる。
【0026】いま、それぞれのステータ突極24を識別
するために、各ステータ突極24に図示のとおりS1〜
S8の符号を付けることにする。起動初期状態において
は、S1からS8までのステータ突極24のコイル24
bのうち、S1およびS5をS極に、S3およびS7を
N極に励磁するように電流を供給している。前記のよう
に、このときの各コイル24bに供給される励磁電流
は、励磁制御装置30によって制御される。このように
ステータ突極24を励磁すると、突極S1およびS5は
ロータ10のN極を吸引し、突極S3およびS7はロー
タ10のS極を吸引する。そして、ロータ10はこの磁
気吸引力によって図示のように時計方向に回転し始め
る。
するために、各ステータ突極24に図示のとおりS1〜
S8の符号を付けることにする。起動初期状態において
は、S1からS8までのステータ突極24のコイル24
bのうち、S1およびS5をS極に、S3およびS7を
N極に励磁するように電流を供給している。前記のよう
に、このときの各コイル24bに供給される励磁電流
は、励磁制御装置30によって制御される。このように
ステータ突極24を励磁すると、突極S1およびS5は
ロータ10のN極を吸引し、突極S3およびS7はロー
タ10のS極を吸引する。そして、ロータ10はこの磁
気吸引力によって図示のように時計方向に回転し始め
る。
【0027】次に、ロータ軸16に固設されているロー
タ10が時計回りにステータ突極24の配設ピッチの1
/2程度回転すると、図3に示す状態になる。ロータ1
0の突極12は、それぞれ回転方向前方に位置するステ
ータの励磁突極S1,S5およびS3,S7と、それぞ
れの回転方向後方に位置する非励磁突極S8,S4およ
びS2,S6との中間付近にきており、引き続き時計回
り前方に位置する異なる磁極に磁化された励磁突極S
1,S5およびS3,S7に吸引されて回転し続ける。
タ10が時計回りにステータ突極24の配設ピッチの1
/2程度回転すると、図3に示す状態になる。ロータ1
0の突極12は、それぞれ回転方向前方に位置するステ
ータの励磁突極S1,S5およびS3,S7と、それぞ
れの回転方向後方に位置する非励磁突極S8,S4およ
びS2,S6との中間付近にきており、引き続き時計回
り前方に位置する異なる磁極に磁化された励磁突極S
1,S5およびS3,S7に吸引されて回転し続ける。
【0028】ロータ10が、図3の状態からさらに1/
2ピッチ程度時計方向に回転すると、図4の状態とな
る。このとき、ロータ10のそれぞれの突極12は、励
磁されたステータ突極S1,S5,S3,S7にほぼ対
向する位置に達している。この状態では、図示のとお
り、各ロータ突極10と励磁されたステータ突極S1,
S5,S3,S7との間に働く磁気吸引力はロータ10
の半径方向に作用しており、もはやロータ10を回転さ
せるための駆動力として有効に機能しない。そこで、こ
こまで励磁されていたステータ突極S1,S5,S3,
S7の各コイル24bへの通電を遮断し、それらのロー
タ回転方向前方にそれぞれ位置している非励磁状態のス
テータ突極S2,S6,S4,S8のコイル24bに励
磁電流を供給してこれらを励磁する。これにより、ロー
タ10は、図5に示される状態となる。これは、前記図
2に図示されているロータ10を時計方向に45゜ずら
した状態に相当し、ロータ10の各突極12には、それ
ぞれの時計方向前方に位置する新たに異極性に励磁され
たステータ突極S2,S6,S4,S8との間に作用す
る磁気吸引力によって再び回転駆動力が付与され、ロー
タ10は時計方向の回転を持続することができる。
2ピッチ程度時計方向に回転すると、図4の状態とな
る。このとき、ロータ10のそれぞれの突極12は、励
磁されたステータ突極S1,S5,S3,S7にほぼ対
向する位置に達している。この状態では、図示のとお
り、各ロータ突極10と励磁されたステータ突極S1,
S5,S3,S7との間に働く磁気吸引力はロータ10
の半径方向に作用しており、もはやロータ10を回転さ
せるための駆動力として有効に機能しない。そこで、こ
こまで励磁されていたステータ突極S1,S5,S3,
S7の各コイル24bへの通電を遮断し、それらのロー
タ回転方向前方にそれぞれ位置している非励磁状態のス
テータ突極S2,S6,S4,S8のコイル24bに励
磁電流を供給してこれらを励磁する。これにより、ロー
タ10は、図5に示される状態となる。これは、前記図
2に図示されているロータ10を時計方向に45゜ずら
した状態に相当し、ロータ10の各突極12には、それ
ぞれの時計方向前方に位置する新たに異極性に励磁され
たステータ突極S2,S6,S4,S8との間に作用す
る磁気吸引力によって再び回転駆動力が付与され、ロー
タ10は時計方向の回転を持続することができる。
【0029】なお、ロータ10の回転速度制御を行う場
合には、各ステータ突極24のコイル24bへの励磁電
流を切換えるタイミングは、ステータ20の極数(ステ
ータ20に設けられているステータ突極24の数)nに
よって定まり、(360/n)゜毎に切り替える必要が
ある。したがって、この実施形態にあってはステータ2
0の極数n=8であるから、下記の表1に示すように、
(360/8)=45゜毎に励磁されるステータ突極2
4を時計方向に切り換えていくことになる。ただし、こ
の励磁するステータ突極24を切り換えていく方向は、
所望のロータ回転方向にしたがって定めればよい。
合には、各ステータ突極24のコイル24bへの励磁電
流を切換えるタイミングは、ステータ20の極数(ステ
ータ20に設けられているステータ突極24の数)nに
よって定まり、(360/n)゜毎に切り替える必要が
ある。したがって、この実施形態にあってはステータ2
0の極数n=8であるから、下記の表1に示すように、
(360/8)=45゜毎に励磁されるステータ突極2
4を時計方向に切り換えていくことになる。ただし、こ
の励磁するステータ突極24を切り換えていく方向は、
所望のロータ回転方向にしたがって定めればよい。
【0030】
【表1】
また、上記説明の中では、ロータ10のそれぞれの突極
12が異極に励磁されたステータ突極24とほぼ対向し
たときに励磁を切り換えるものとしたが、より厳密に
は、異極性に励磁されているステータ突極24に各ロー
タ突極12が接近していく際の磁束分布の変化を有限要
素法を用いて逐次解析するなどの手法を採用したり、ス
テータ突極24の励磁切換タイミングをパラメータとし
て出力特性を測定比較したりすることによって、出力ト
ルクの増大やエネルギー変換効率の向上だけでなく、ト
ルク変動抑制等の他の要素を加味して最適な励磁電流切
換タイミングを見出すことが可能である。そして、ロー
タ10の回転角を検出する前記回転センサの出力信号が
その最適化条件を満たすように、センサの設定条件を調
整すればよいのである。
12が異極に励磁されたステータ突極24とほぼ対向し
たときに励磁を切り換えるものとしたが、より厳密に
は、異極性に励磁されているステータ突極24に各ロー
タ突極12が接近していく際の磁束分布の変化を有限要
素法を用いて逐次解析するなどの手法を採用したり、ス
テータ突極24の励磁切換タイミングをパラメータとし
て出力特性を測定比較したりすることによって、出力ト
ルクの増大やエネルギー変換効率の向上だけでなく、ト
ルク変動抑制等の他の要素を加味して最適な励磁電流切
換タイミングを見出すことが可能である。そして、ロー
タ10の回転角を検出する前記回転センサの出力信号が
その最適化条件を満たすように、センサの設定条件を調
整すればよいのである。
【0031】次に、図5、図6を参照して本願に係る発
明の他の実施形態について説明する。これらはいずれも
前記第1の実施形態に係る電動機とステータ20の構成
が異なるものである。まず、図5に示す電動機では、隣
り合うステータ突極24の径方向内側端部をそれぞれ周
方向に延出させることによって図示の破線の部分で突き
合わせて密接させ、それによって一体構造のリングステ
ータ22を形成している。前記実施形態で説明したリン
グステータ22は一体構造として当初から形成してある
場合を示したが、設計製造上の都合により、いずれの構
造を採用しても同様な作用効果を奏するものである。
明の他の実施形態について説明する。これらはいずれも
前記第1の実施形態に係る電動機とステータ20の構成
が異なるものである。まず、図5に示す電動機では、隣
り合うステータ突極24の径方向内側端部をそれぞれ周
方向に延出させることによって図示の破線の部分で突き
合わせて密接させ、それによって一体構造のリングステ
ータ22を形成している。前記実施形態で説明したリン
グステータ22は一体構造として当初から形成してある
場合を示したが、設計製造上の都合により、いずれの構
造を採用しても同様な作用効果を奏するものである。
【0032】また、図6はリングステータ22の相隣り
合うステータ突極24同士の中間付近にリングステータ
22の断面積を減少させた縮径部22aを設けた構成を
示している。このような縮径部22aを設けると、リン
グステータ22内に形成される磁気回路にとって抵抗と
なるため、一つの励磁されたステータ突極24から他の
異極性のステータ突極24へと回磁する磁束が低減され
る。したがって、励磁された各ステータ突極24が発生
する磁束がロータ突極12を吸引する磁気力により有効
に変換されることとなる。
合うステータ突極24同士の中間付近にリングステータ
22の断面積を減少させた縮径部22aを設けた構成を
示している。このような縮径部22aを設けると、リン
グステータ22内に形成される磁気回路にとって抵抗と
なるため、一つの励磁されたステータ突極24から他の
異極性のステータ突極24へと回磁する磁束が低減され
る。したがって、励磁された各ステータ突極24が発生
する磁束がロータ突極12を吸引する磁気力により有効
に変換されることとなる。
【0033】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、上記の構成
を備えた本発明に係る永久磁石電動機によれば、ステー
タに設けられた励磁手段がいずれも励磁されていない状
態では、ロータの永久磁石とステータの環状磁性体との
間に作用する磁気吸引力がバランスしており、ロータは
ほとんど負荷をかけることなく回動させることができる
ので始動性が良好である。
を備えた本発明に係る永久磁石電動機によれば、ステー
タに設けられた励磁手段がいずれも励磁されていない状
態では、ロータの永久磁石とステータの環状磁性体との
間に作用する磁気吸引力がバランスしており、ロータは
ほとんど負荷をかけることなく回動させることができる
ので始動性が良好である。
【0034】そして、前記ステータの励磁手段が励磁電
流制御手段によって励磁されると、ロータに設けられて
いる各永久磁石は近接する異極性に励磁されたステータ
の励磁手段に吸引される。これにより、励磁される励磁
手段を順次所定の順序、タイミング及び励磁極性となる
ように切り換えていくことにより、ロータに回転力が付
与され、高トルクを高効率で取出すことができる。
流制御手段によって励磁されると、ロータに設けられて
いる各永久磁石は近接する異極性に励磁されたステータ
の励磁手段に吸引される。これにより、励磁される励磁
手段を順次所定の順序、タイミング及び励磁極性となる
ように切り換えていくことにより、ロータに回転力が付
与され、高トルクを高効率で取出すことができる。
【図1】本発明の一実施形態に係わる永久磁石電動機の
構成を示す図である。
構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わる永久磁石電動機の
作用を示す図その1である。
作用を示す図その1である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる永久磁石電動機の
作用を示す図その2である。
作用を示す図その2である。
【図4】本発明の一実施形態に係わる永久磁石電動機の
作用を示す図その3である。
作用を示す図その3である。
【図5】本発明の他の実施形態に係わる永久磁石電動機
の構成を示す図である。
の構成を示す図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態に係わる永久磁石
電動機の構成を示す図である。
電動機の構成を示す図である。
【図7】従来例に係わる永久磁石電動機の構成及び作用
を示す図その1である。
を示す図その1である。
【図8】従来例に係わる永久磁石電動機の構成及び作用
を示す図その2である。
を示す図その2である。
10 ロータ
12 ロータ突極
12a 永久磁石
12b 磁性体ヘッド
14 ロータハブ
16 ロータ軸
20 ステータ
22 ステータリング(環状磁性体)
24 ステータ突極
24a コア
24b コイル
26 ヨーク
30 励磁制御装置(励磁電流制御手段)
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 河合 輝男
東京都大田区西蒲田7−4−3−905
Fターム(参考) 5H002 AA01 AA09 AB06 AE07 AE08
5H560 BB03 BB17 DA06 DB04 RR10
5H621 AA01 BB07 GA01 GA04 GA16
HH08
Claims (3)
- 【請求項1】 環状に連設された磁性体と、その磁性体
の外周に沿って配設された複数の励磁手段とを備えたス
テータと、 少なくとも一の着磁部が前記ステータの環状磁性体の内
周側に面して、その環状磁性体の内周に沿って回動自在
に設けられているロータと、 前記ステータの励磁手段にあらかじめ定められた順序、
タイミング及び励磁極性に基づいて励磁電流を供給する
励磁電流制御手段とを備え、 前記励磁手段が励磁されていない状態では、前記永久磁
石を備えたロータは前記ステータの内周側に沿ってほぼ
無負荷で回動自在とされており、 前記励磁手段を前記励磁電流制御手段によって励磁する
と、前記ロータの各永久磁石は異なる磁性に磁化された
各励磁手段から発生する磁束によって吸引されて励磁手
段の磁極の移動方向に追従して同期駆動されることを特
徴とする環状ステータを備えた永久磁石電動機。 - 【請求項2】 前記環状磁性体には、相隣り合う励磁手
段同士のほぼ中間付近にその環状磁性体の断面積が縮小
された縮径部が設けられていることを特徴とする請求項
1に記載の永久磁石電動機。 - 【請求項3】 前記ロータの着磁部と前記ステータの環
状磁性体との間に磁性部材が介設されていることを特徴
とする請求項1に記載の永久磁石電動機。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22716899A JP2003180060A (ja) | 1999-08-11 | 1999-08-11 | 環状ステータを備えた永久磁石電動機 |
EP00306774A EP1076402A3 (en) | 1999-08-11 | 2000-08-09 | A permanent magnet electric motor |
AU64740/00A AU6474000A (en) | 1999-08-11 | 2000-08-10 | Permanent magnet electric motor with annular stator |
PCT/JP2000/005375 WO2001013498A1 (fr) | 1999-08-11 | 2000-08-10 | Moteur electrique a aimants permanents a stator annulaire |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22716899A JP2003180060A (ja) | 1999-08-11 | 1999-08-11 | 環状ステータを備えた永久磁石電動機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003180060A true JP2003180060A (ja) | 2003-06-27 |
Family
ID=16856562
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22716899A Pending JP2003180060A (ja) | 1999-08-11 | 1999-08-11 | 環状ステータを備えた永久磁石電動機 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP1076402A3 (ja) |
JP (1) | JP2003180060A (ja) |
AU (1) | AU6474000A (ja) |
WO (1) | WO2001013498A1 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102184809B (zh) * | 2011-03-30 | 2015-11-25 | 戴珊珊 | 电激励永磁开关和电激励永磁开关磁阻电动机及电激励方法 |
CN103853190A (zh) * | 2012-12-03 | 2014-06-11 | 联想(北京)有限公司 | 一种控制电子设备的方法及电子设备 |
CN106712326B (zh) * | 2016-12-15 | 2019-01-25 | 广东威灵电机制造有限公司 | 电机和具有其的水泵 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3809936A (en) * | 1972-05-18 | 1974-05-07 | E Klein | Brushless generator |
JPS5646654A (en) * | 1979-09-21 | 1981-04-27 | Sony Corp | Motor |
US4739203A (en) * | 1986-10-24 | 1988-04-19 | Shicoh Engineering Co. Ltd. | Single-phase brushless motor with cogging features |
JPH07123622A (ja) * | 1993-10-29 | 1995-05-12 | Toshiba Corp | 永久磁石式回転電機 |
JPH07143714A (ja) * | 1993-11-16 | 1995-06-02 | Toyota Motor Corp | 同期機のステータ構造および同期型モータ |
US5598071A (en) * | 1994-07-11 | 1997-01-28 | Seagate Technology | Method for starting and commutating a permanent-magnet direct current motor having a single phase winding |
JPH11215748A (ja) * | 1998-01-23 | 1999-08-06 | Toshiba Corp | 永久磁石形回転電機 |
-
1999
- 1999-08-11 JP JP22716899A patent/JP2003180060A/ja active Pending
-
2000
- 2000-08-09 EP EP00306774A patent/EP1076402A3/en not_active Withdrawn
- 2000-08-10 WO PCT/JP2000/005375 patent/WO2001013498A1/ja active Search and Examination
- 2000-08-10 AU AU64740/00A patent/AU6474000A/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1076402A3 (en) | 2002-06-12 |
AU6474000A (en) | 2001-03-13 |
WO2001013498A1 (fr) | 2001-02-22 |
EP1076402A2 (en) | 2001-02-14 |
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Legal Events
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