JPH06242620A - 電子写真用感光体、それを用いた電子写真方法および画像形成装置 - Google Patents

電子写真用感光体、それを用いた電子写真方法および画像形成装置

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JPH06242620A
JPH06242620A JP16855593A JP16855593A JPH06242620A JP H06242620 A JPH06242620 A JP H06242620A JP 16855593 A JP16855593 A JP 16855593A JP 16855593 A JP16855593 A JP 16855593A JP H06242620 A JPH06242620 A JP H06242620A
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Japan
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wavelength
electrophotographic
charge
photosensitive member
image
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JP16855593A
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Minoru Umeda
実 梅田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 導電性基体上に、電荷発生層及び、ピリリウ
ム系染料、電気絶縁性重合体および正孔輸送性低分子化
合物を主成分とする光導電層が、積層してなる電子写真
感光体。電荷発生層が700nmより長波長の光を吸収
して電荷発生する電子写真感光体を用いて画像形成を行
なう電子写真方法において、480〜700nmの波長
で画像露光するときは正電荷を印加し、700nm以上
の波長の光で画像露光するときは負電荷を印加する。 【効果】 この電子写真感光体は共晶錯体光導電層が特
有の正帯電、負帯電時の両方に感度を有することに起因
して、正帯電時と負帯電時とで異なった分光感度特性を
呈すると共に優れた電子写真感度を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、詳しくは、新規な層構成を有する電子写真用感光体
に関する。
【0002】
【従来の技術】ピリリウム系染料と電気絶縁性重合体と
からなる共晶錯体及び必要あればトリフエニルメタン系
増感剤を加えた組成物を光導電層とした電子写真用感光
体は公知である(例えば特公昭46−22518号公
報、同46−22519号公報、同51−1129号公
報、特開昭47−10785号公報、同51−8822
6号公報、同51−93324号公報、同53−872
27号公報等)。これらの感光体は、実用上、差支えな
い程度の電子写真感度を持ってはいるが、未だ充分満足
するまでには到っていない。また、上記感光体は実質的
に500〜700μmの波長範囲で感度を示すが、青〜
緑色光および近赤外光に対しては感度を持たない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、従来よりも優れた電子写真感度を示す、共晶錯体光
導電層を有する電子写真感光体を提供することにある。
本発明の第二の目的は、従来よりも分光度特性(700
nmより長波長および/または500nmより短波長領
域の感度)に優れた共晶錯体光導電層を有する電子写真
感光体を提供することにある。本発明の第三の目的は、
正帯電時と負帯電時とで異なった分光感度特性を呈す
る、新規な層構成からなる電子写真感光体を提供するこ
とにある。本発明の第四の目的は、正負両帯電時におい
て良好な感度を示す新規な層構成の電子写真感光体を用
い、アナログ光露光によるアナログ複写、デジタル光露
光によるデジタル複写が選択的に行なえる両極性電子写
真方法およびその装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、導電性
基体上に、電荷発生層および、ピリリウム系染料、電気
絶縁性重合体および正孔輸送性低分子化合物を主成分と
する光導電層が、積層されてなることを特徴とする電子
写真感光体(請求項1)が提供され、また電荷発生層
が、700nmより長波長の光を吸収し電荷発生するこ
とを特徴とする上記電子写真感光体(請求項2)、更に
は電荷発生層が、500nmより短波長の光を吸収し電
荷発生することを特徴とする上記電子写真感光体(請求
項3)が提供される。更に、本発明によれば請求項2の
電子写真感光体を用いて画像形成を行なう電子写真方法
において、480〜700nmの波長で画像露光すると
きは正電荷を印加し、700nm以上の波長の光で画像
露光するときは負電荷を印加することを特徴と電子写真
方法が提供され、また、請求項3の電子写真感光体を用
いて画像形成を行なう電子写真方法において、500〜
700nmの波長で画像露光するときは正電荷を印加
し、500nm以下の波長の光で画像露光するときは負
電荷を印加することを特徴と電子写真方法が提供され、
また、請求項2の電子写真感光体、正帯電手段、負帯電
手段、700nm以下の波長でアナログ画像露光手段、
700nm以上の波長でのデジタル画像露光手段、現像
手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段を少な
くとも具備してなることを特徴とする画像形成装置が提
供され、また、請求項3の電子写真感光体、正帯電手
段、負帯電手段、500nm以上の波長でアナログ画像
露光手段、500nm以下の波長でのデジタル画像露光
手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電
手段を少なくとも具備してなることを特徴とする画像形
成装置が提供される。
【0005】導電性基体上に、ピリリウム系染料、電気
絶縁性重合体および正孔輸送性低分子化合物を主成分と
する光導電層(以下、共晶錯体という場合もある)が設
けられてなる電子写真感光体が正帯電、負帯電時の両方
に感度を有することは良く知られているが、本発明者の
知見によれば、これらの感光体の感度向上には、限界が
あることが判明した。そこで、本発明者は、共晶錯体層
に電荷発生層を積層し、電荷発生層から共晶錯体層への
キャリア注入増感を試みたところ、非常に良好な感度の
向上が見られ、キャリア注入が生じていることを見出し
た。これは、共晶錯体層を構成する正孔輸送性低分子化
合物に電荷発生層からのキャリアが注入し、その正孔輸
送性低分子化合物が効率良く正孔を輸送する結果である
と考えられる。また、上述の電荷発生層には、さまざま
な波長範囲に感度を有する種々の電荷発生材料を用いる
と好ましい結果が得られることも知見した。すなわち共
晶錯体感光体が感度を持たない700nmより長波長お
よび/または500nmより短波長領域の光を吸収し感
度を呈する電荷発生層を積層することで、共晶錯体感光
体が従来感度を示さなかった青から緑色あるいは近赤外
光に対しても感度を持たせることができる。また、正帯
電時と負帯電時とで異なった分光感度特性を呈する電子
写真感光体を得ることができる。
【0006】次に、図面を用いて本発明の電子写真感光
体を説明する。図1および図2は、本発明の電子写真感
光体を示す断面図であり、導電性支持体1上に、電荷発
生層3および共晶錯体光導電層5が積層された構造を有
する。
【0007】導電性基体1としては、体積抵抗1010Ω
cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、
ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金などの
金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、
蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円
筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、ア
ルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス
等の板およびそれらをD.I.,I.I.,押出し、引
抜き等の工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩等で表
面処理した管等を使用することができる。
【0008】電荷発生層3は、電荷発生物質を主成分と
する層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることも
ある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料
を用いることができる。無機系材料には結晶セレン、ア
ルモファスセレン、セレン−テルル、セレン−テルル−
ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリ
コン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいて
は、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でタ
ーミネートしたものが良好に用いられる。
【0009】一方、有機系材料には、フタロシアニン系
顔料、ナフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ペリ
ノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化
合物、スクアリック酸系染料、アズレニウム塩系染料、
モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料等が挙げ
られる。
【0010】また、700nmより長波長の光を吸収し
電荷発生する電荷発生物質には、トリスアゾ顔料、スク
アリック酸系染料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシ
アニン系顔料、アズレニウム塩系染料、アモルファス・
シリコン等が挙げられ用いられる。500nmより短波
長の光を吸収し電荷発生する電荷発生物質には、モノア
ゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔
料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮
合多環化合物、スクアリック酸系染料、フタロシアニン
系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染
料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素化合物、ア
モルファス・シリコン等が挙げられ用いられる。
【0011】必要に応じて用いられるバインダー樹脂と
しては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エ
ポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコー
ン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポ
リ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなど
が挙げられる。
【0012】電荷発生層3を形成する方法には、真空薄
膜作成法と溶液分散系からのキャスティング法とが挙げ
られる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解
法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応
性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、電荷発生
層3として、上述した無機系材料、有機系材料層が良好
に形成できる。また、後者のキャスティング法によって
電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機
系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂とともにテ
トラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジ
クロルエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、
アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を
適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布
は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法など
を用いて行なうことが出来る。以上のようにして設けら
れる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当
であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0013】共晶錯体光導電層は、共晶錯体と、正孔輸
送性低分子化合物を主成分として形成されている。この
共晶錯体は、ピリリウム系染料と、電気絶縁性重合体と
からつくられるものである。
【0014】ピリリウム系染料には、ピリリウム塩、チ
アピリリウム塩及びセレナピリリウム塩の3種があり、
下記一般式(I)を有している。
【化1】 上記においてRa、Rb、Rc、Rd及びReは夫々、 (a)水素原子 (b)アルキル基、代表的にはメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、アミル、イソ
アミル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシルなどの
1〜C15のアルキル基 (c)メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ア
ミロキシ、ヘキソキシ、オクトキシなどのアルコキシ基 (d)フェニル、4−ジフェニル、4−エチルフェニ
ル、4−プロピルフェニルなどのアルキルフェニル類;
4−エトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−ア
ミロキシフェニル、2−ヘキソキシフェニル、2−メト
キシフェニル、3,4−ジメトキシフェニルなどのアル
コキシフェニル類;2−ヒドロキシエトキシフェニル、
3−ヒドロキシエトキシフェニルなどのβ−ヒドロキシ
アルコキシフェニル類;4−ヒドロキシフェニル、2,
4−ジクロロフェニル、3,4−ジブロモフェニル、4
−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニルなどのハ
ロフェニル類;アジドフェニル、ニトロフェニル、4−
ジエチルアミノフェニル、4−ジメチルアミノフェニル
などのアミノフェニル類;ナフチル、スチリル、メトキ
シスチリル、ジエトキシスチリル、ジメチルアミノスチ
リル、1−ブチル−4−P−ジメチルアミノフェニル−
1,3−ブタジェニル、β−エチル−4−ジメチルアミ
ノスチリル等のビニル置換アリール基のような置換アリ
ール基を含めたアリール基、 を表わし、Xは硫黄、酸素又はセレン原子であり、また
-はパークロレート、フルオロボレート、沃化物、塩
化物、臭化物、硫酸塩、過沃化物、P−トルエンスルホ
ネート、ヘキサフルオロホスフエートなどの陰イオン官
能基である。
【0015】更にRa、Rb、Rc、Rd及びReは共同し
てピリリウム核に融合したアリール環を完成するに必要
な原子であってもよい。このようなピリリウム系染料の
代表例を下記に示す。
【0016】 化合物No. 化 合 物 名 1 4−〔4−ビス−2(クロロエチル)アミノフェニル〕−2・6− ジフェニルチアピリリウムパークロレート 2 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2・6−ジフェニルチアピ リリウムパークロレート 3 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2・6−ジフェニルチアピ リリウムフルオロボレート 4 4−(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−2・6−ジフ ェニルピリリウムパークロレート 5 4−〔4−ビス(2−クロロエチル)アミノフェニル〕−2−(4 −メトキシフェニル)−6−フェニルチアピリリウムパークロレー ト 6 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2・6−ジフェニルチアピ リリウムサルフエート 7 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2・6−ジフェニルチアピ リリウムP−トルエンスルホネート 8 4−(4−ジメチルアミノフェニル)2・6−ジフェニルピリリウ ム−P−トルエンスルホネート 9 2−(2・4−ジメトキシフェニル)−4−(4−ジメチルアミノ フェニル)−ベンゾ(b)ピリリウムパークロレート 10 2・6−ビス(4−エチルフェニル)−4−(4−ジメチルアミノ フェニル)チアピリリウムパークロレート 11 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニ ル)−6−フェニルチアピリリウムパークロレート 12 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−エトキシフェニ ル)−6−フェニルチアピリリウムパークロレート 13 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニ ル)−6−(4−メチルフェニル)−ピリリウムパークロレート 14 4−(4−ジフェニルアミノフェニル)−2・6−ジフェニルチア ピリリウムパークロレート 15 2−4−6−トリフェニルピリリウムパークロレート 16 4−(4−メトキシフェニル)−2・6−ジフェニルピリリウムパ ークロレート 17 4−(2・4−ジクロロフェニル)−2・6−ジフェニルピリリウ ムパークロレート 18 4−(3・4−ジクロロフェニル)−2・6−ジフェニルピリリウ ムパークロレート 19 2−6−ビス(4−メトキシフェニル)−4−フェニルピリリウム パークロレート 20 6−(4−メトキシフェニル)−2・4−ジフェニルピリリウムパ ークロレート 21 2−(3・4−ジクロロフェニル)−4−(4−メトキシフェニル )−6−フェニルピリリウムパークロレート 22 4−(4−アミロキシフェニル)−2・6−ビス(4−エチルフェ ニル)ピリリウムパークロレート 23 4−(4−アミロキシフェニル)−2・6−ビス(4−メトキシフ ェニル)ピリリウムパークロレート 24 2・4・6−トリフェニルピリリウムフルオロボレート 25 2・6−ビス(4−エチルフェニル)−4−(4−メトキシフェニ ルピリリウムパークロレート 26 2・6−ビス(4−エチルフェニル)−4−(4−メトキシフェニ ル)ピリリウムフルオロボレート 27 6−(3・4−ジエトキシスチリル)−2・4・ジフェニルピリリ ウムパークロレート 28 6−(3・4−ジエトキシ−β−アミルスチリル)−2・4−ジフ ェニルピリリウムフルオロボレート 29 6−(4−ジメチルアミノ−β−エチルスチリル)−2・4−ジフ ェニルピリリウムフルオロボレート 30 6−(1−n−アミル−4−p−ジメチルアミノフェニル−1・3 −ブタジエニル)−2・4−ジフェニルピリリウムフルオロボレー ト 31 6−(4−ジメチルアミノスチリル)−2・4・ジフェニルピリリ ウムフルオロボレート 32 6−〔α−エチル−β・β−ビス(ジメチルアミノフェニル)ビニ レン〕−2・4−ジフェニルピリリウムフルオロボレート 33 6−(1−ブチル−4−p−ジメチルアミノフェニル−1・3−ブ タジエニル)−2・4−ジフェニルピリリウムフルオロボレート 34 5−(4−ジメチルアミノスチリル)−2・4−ジフェニルピリリ ウムパークロレート 35 6−〔β・β−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ビニレン〕− 2・4−ジフェニルピリリウムパークロレート 36 2・6−ビス(4−ジメチルアミノスチリル)−4−フェニルピリ リウムパークロレート 37 6−(β−メチル−4−ジメチルアミノスチル)−2・4−ジフェ ニルピリリウムフルオロボレート 38 6−〔1−エチル−4−(4−ジメチルアミノフェニル)−1・3 −ブタジエニル〕−2・4−ジエニルピリリウムフルオロボレート 39 6−〔β・β−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ビニレン〕− 2・4−ジフェニルピリリウムフルオロボレート 40 6−〔1−メチル−4−(4−ジメチルアミノフェニル−1・3− ブタジエニル〕−2・4−ジフェルピリリウムフルオロボレート 41 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2・6−ジフェニルピリリ ウムパークロレート 42 2・6−ビス(4−エチルフェニル)−4−フェニルピリリウムパ ークロレート 43 2・6−ビス(4−エチルフェニル)−4−メトキシフェニルチア ピリリウムフルオロボレート 44 2・4・6−トリフェニルチアピリリウムパークロレート 45 4−(4−メトキシフェニル)−2・6−ジフェニルチアピリリウ ムパークロレート 46 6−(4−メトキシフェニル)−2・4−ジフェニルチアピリリウ ムパークロレート 47 2−6−ビス(4−メトキシフェニル)−4−フェニルチアピリリ ウムパークロレート 48 4−(2・4−ジクロロフェニル)−2・6−ジフェニルチアピリ リウムパークロレート 49 2・4・6−トリ(4−メトキシフェニル)チアピリリウムパーク ロレート 50 2・6−ビス(4−エチルフェニル)−4−フェニルチアピリリウ ムパークロレート 51 4−(4−アミルオキシフェニル)−2・6−ビス(4−エチルフ ェニル)チアピリリウムパークロレート 52 6−(4−ジメチルアミノスチリル)−2・4−ジフェニルチアピ リリウムパークロレート 53 2・4・6−トリフェニルチアピリリウムフルオロボレート 54 2・4・6−トリフェニルチアピリリウムサルフェート 55 4−(4−メトキシフェニル)−2・6−ジフェニルチアピリリウ ムフルオロポレート 56 2・4・6−トリフェニルチアピリリウムクロライド 57 2−(4−アミルオキシフェニル)−4・6−ジフェニルチアピリ リウムフルオロポレート 58 4−(4−アミルオキシフェニル)−2・6−ビス(4−メトキシ フェニル)チアピリリウムパークロレート 59 2・6−ビス(4−エチルフェニル)−4−(4−メトキシフェニ ル)チアピリリウムパークロレート 60 4−アニシル−2・6−ビス(4−n−アミルオキシフェニル)チ アピリリウムクロライド 61 2−〔β・β−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ビニレン〕− 4・6−ジフェニルチアピリリウムパークロレート 62 6−(β−エチル−4−ジメチルアミノスチリル)−2・4−ジフ ェニルチアピリリウムパークロレート 63 2−(3・4−ジエトキシスチリル)−4・6−ジフェニルチアピ リリウムパークロレート 64 2・4・6−トリアニシルチアピリリウムパークロレート 65 6−エチル−2・4−ジフェニルピリリウムフルオロボレート 66 2・6−ビス(4−エチルフェニル)−4−(4−メトキシフェニ ル)チアピリリウムクロライド 67 6−〔β・β−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ビニレン〕− 2・4−ジ(4−エチルフェニル)ピリリウムパークロレート 68 2・6−ビス(4−アミルオキシフェニル)−4−(4−メトキシ フェニル)チアピリリウムパークロレート) 69 6−(3・4−ジエトキシ−β−エチルスチリル)−2・4−ジフ ェニルピリリウムフルオロボレート 70 6−(4−メトキシ−β−エチルスチリル)−2・4−ジフェニル ピリリウムフルオロボレート 71 2−(4−エチルフェニル)−4・6−ジフェニルチアピリリウム パークロレート 72 2・6−ジフェニル−4−(4−メトキシフェニル)チアピリリウ ムパークロレート 73 2・6−ジフェニル−4−(4−メトキシフェニル)チアピリリウ ムフルオロボレート 74 2・6−ビス(4−エチルフェニル)−4−(4−n−アミルオキ シフェニル)チアピリリウムパークロレート 75 2・6−ビス(4−メトキシフェニル)4−(4−n−アミルオキ シフェニル)チアピリリウムパークロレート 76 2・4・6−トリス(4−メトキシフェニル)チアピリリウムフル オロボレート 77 2・4−ジフェニル−6−(3・4−ジエトキシスチリル)ピリリ ウムパークロレート 78 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−フェニルベンゾ(b) 79 2−(2・4−ジメトキシフェニル)−4−(4−ジメチルアミノ フェニル)−ベンゾ(b)セレナピリリウムパークロレート 80 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2・6−ジフェニルセレナ ピリリウムパークロレート 81 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−エトキシフェニ ル)−6−フェニルセレナピリリウムパークロレート 82 4−〔4−ビス(2−クロロエチル)アミノフェニル〕−2・6− ジフェニルセレナピリリウムパークロレート 83 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2・6−ビス(4−エチル フェニル)−セレナピリリウムパークロレート 84 4−(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−2・6−ジフ ェニルセレナピリリウムパークロレート 85 3−(4−ジメチルアミノフェニル)ナフト(2・1−b)セレナ ピリリウムパークロレート 86 4−(4−ジメチルアミノスチリル)−2−(4−メトキシフェニ ル)ベンゾ(b)セレナピリリウムパークロレート 87 2・6−ジ(4−ジエチルアミノフェニル)−4−フェニルセレナ ピリリウムパークロレート 88 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−エトキシフェニ ル)−6−フェニルチアピリリウムフルオロボレート 89 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2・6−ジフェニルピリリ ウムヘキサフルオロフォスフェート 90 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2・6−ジフェニルチアピ リリウムヘキサフルオロフォスフェート 91 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2・6−ジフェニルセレナ ピリリウムヘキサフルオロフォスフェート
【0017】特に有用なピリリウム染料は下記一般式
(II)を有するものである。
【化2】 式中R1及びR2はC1〜C6のアルキル基及びC1〜C6
アルコキシ基から選ばれた少なくとも1つの置換基を有
する置換フェニル基のようなアリール基であり、R3
アルキル部分がC1〜C6のアルキルアミノ置換フェニル
基で、ジアルキルアミノ置換及びハロアルキルアミノ置
換フェニル基でもよい。Xは酸素、硫黄又はセレン原
子、Z-は前述の通りである。
【0018】電気絶縁性重合体としては主鎖(繰返し単
位)中に下記式で示されるアルキリデンジアリーレン部
分を有するものが特に有用である。
【化3】
【0019】式中R4及びR5は夫々、水素原子、トリフ
ルオロメチルのような置換アルキル基を含むメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、
ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デ
シルなどのアルキル基、ハロゲン、C1〜C5のアルキル
基のような置換基を有する置換アリール基を含むフェニ
ル及びナフチルなどのアリール基であり、またR4とR5
とは共同してシクロヘキシルのようなシクロアルカン類
及びノルボルニルのようなポリシクロアルカン類を含む
環式炭化水素基を形成するに必要な炭素原子であっても
よい。R6及びR7は水素、C1〜C6のアルキル基又はク
ロル、ブロム、沃素などのハロゲンであり、またR8 よりなる群から選択された2価の基である。
【0020】また下記式の繰返し単位からなる疎水性炭
酸塩重合体類(ポリカーボネート)も有用で好ましいも
のである。 式中、Rはハロ置換フェニレン基類及びアルキル置換フ
ェニレン基類を含むフェニレン基であり、またR4及び
5は前述の通りである。これらの重合体はUSP3,
028,365号、同3,317,466号に開示され
ている。好ましくは、ビスフェノールAから製造される
ような、繰返し単位にアルキリデンジアリーレン部分を
含有しジフェニルカーボネートと2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンとの間のエステル交換によ
って生成した重合体を含むポリカーボネート類が有用で
ある。このような重合体はUSP2,999,750
号、同3,038,874号、同3,038,880
号、同3,106,544号、同3,106,545
号、同3,106,546号等に開示されている。いず
れにしてもフィルム形成性ポリカーボネート樹脂類は広
範囲に使用できる。特に約0.5〜1.8の固有粘度を
有するものを使用すると、満足し得る結果が得られる。
【0021】電気絶縁性重合体の具体例は下記の通りで
ある。 番号 重合体材料 1 ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニレン−CO−1,4−シク ロヘキシル−ジメチルカーボネート) 2 ポリ(3,3’−エチレンジオキシフェニレンチオカーボネート) 3 ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニレンカーボネート−CO− テレフタレート) 4 ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニレンカーボネート) 5 ポリ(4,4’−イソプロピリデンフェニレンチオカーボネート 6 ポリ(2,2−ブタンビス−4−フェニレンカーボネート) 7 ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニレンカーボネート−ブロッ ク−エチレンオキシド) 8 ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニレンカーボネート−ブロッ ク−テトラメチレンオキシド) 9 ポリ〔4,4’−イソプロピリデンビス(2−メチルフェニレン)カー ボネート〕 10 ポリ(4,4’−イソプロピリデンフェニレン−CO−1,4−フェニ レンカーボネート) 11 ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニレン−CO−1,3−フェ ニレンカーボネート) 12 ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニレン−CO−4,4’−ジ フェニレンカーボネート) 13 ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニレン−CO−4,4’−オ キシジフェニレンカーボネート) 14 ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニレン−CO−4,4’−カ ルポニル−ジフェニレンカーボネート) 15 ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニレン−CO−4,4’−エ チレンジフェニレンカーボネート) 16 ポリ〔4,4’−メチレンビス(2−メチルフェニレン)カーボネート 〕 17 ポリ〔1,1−(P−ブロモフェニルエタン)−ビス(4−フェニレン )カーボンネート〕 18 ポリ〔4,4′−イソプロピリテンジフェニレン−CO−スルホニル− ビス(4−フェニレン)カーボネート〕 19 ポリ〔1,1−シクロヘキサンビス(4−フェニレン)カーボネート〕 20 ポリ〔4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェニレン)カー ボネート〕 21 ポリ(ヘキサフルオロイソプロビリデンジ−4−フェニレンカーボネー ト) 22 ポリ〔4,4’−イソプロピリデンジフェニレン−4,4’−イソプロ ピリデンジベンゾエート) 23 ポリ(4,4’−イソプロピリテンジベンジル−4,4′−イソプロピ リテンジベンゾエート) 24 ポリ〔2,2−(3−メチルブタン)ビス−4−フェニレンカーボネー ト) 25 ポリ〔2,2−(3,3−ジメチルブタン)ビス−4−フェニレンカー ボネート〕 26 ポリ{1,1−〔1−(1−ナフチル)〕ビス−4−フェニレンカーボ ネート} 27 ポリ〔2,2−(4−メチルペンタン)ビス−4−フェニレンカーボネ ート〕 28 ポリ〔4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェニレンカーボネート 〕 29 ポリ〔4,4’−(へキサヒドロ−4,7−メタノインタン−5−イリ デン)−ジフェニレンカーボネート〕 30 ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニレンカーボネート−ブロッ ク−オキシテトラメチレン)
【0022】正孔輸送性低分子化合物としては、ポリ−
N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−τ−
カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピ
レン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリ
ビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾー
ル誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導
体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導
体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α
−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジア
リールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−
スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビ
ニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導
体、ブタジエン誘導体、などその他公知の材料が挙げら
れる。正孔輸送性低分子化合物は、1種あるいは2種以
上混合して用いることができる。
【0023】本発明の共晶錯体光導電層5をつくるに
は、上記のピリリウム系染料、電気絶縁性重合体、およ
び正孔輸送性化合物を適当な溶媒、例えば、テトラヒド
ロフラン、トルエン、1,2−ジクロルエタン、塩化メ
チレン、クロロホルム、モノクロルベンゼン、ジクロル
ベンゼン、ベンゼンなどに溶解し、これを導電性基体1
1上に塗布し、50〜130℃で乾燥して、膜厚5〜5
0μmの光導電層5を形成すればよい。
【0024】塗布は、浸漬塗工法、ビードコート法、ス
プレーコート法や、ワイヤーブレード、ドクターブレー
ド、エアーナイフなどを用いて行なえる。この塗布乾燥
がなされる間に、ピリリウム系染料と電気絶縁性重合体
とで共晶錯体を形成する。
【0025】共晶錯体光導電層5における各成分の割合
は、ピリリウム系染料1重量部に対して、電気絶縁性重
合体5〜80重量部、正孔輸送性化合物1〜50重量部
が適当である。とりわけ、ピリリウム系染料1重量部に
対して、電気絶縁性重合体5〜10重量部、かつ、正孔
輸送性化合物5〜20重量部の組成において、良好な感
度特性が得られる。
【0026】また、この層5を形成する際に、シリコー
ンオイルなどのレベリング剤を塗工液に添加してもよ
い。その使用量は、電気絶縁性重合体に対して0〜1重
量%程度が適当である。さらに、層5を設けるに際し
て、結着剤が必要により使用されてもよい。
【0027】ここでの結着剤材料としてはポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジ
エン共重合体、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エ
ステルの重合体及び共重合体、ポリエステル、ポリアミ
ド、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ア
ルキッド樹脂、セルロース系樹脂やポリ−N−ビニルカ
ルバゾール及びその誘導体(例えばカルバゾール骨格に
塩素、臭素などのハロゲン、メチル基、アミノ基などの
置換基を有するもの)、ポリビニルピレン、ポリビニル
アントラセン、ピレン−ホルムアルデヒド縮重合体及び
その誘導体(例えばピレン骨格に臭素などのハロゲン、
ニトロ基などの置換基を有するもの)、ポリ−γ−カル
バゾリルエチル−L−ダルタメート、スチロール樹脂、
塩素化ポリエチレン、アセタール樹脂、メラミン樹脂な
どがあげられる。
【0028】この結着材には、可塑材を併用することが
できる。可塑材としてはジブチルフタレート、ジオクチ
ルフタレートなど、一般に樹脂の可塑材として使用され
ているものがそのまま使用できる。その使用量は、樹脂
結着材に対して0〜30重量%程度が適当である。
【0029】なお、本発明の共晶錯体光導電層5を形成
するに際しては、塗工液を重ね塗り方法(特開昭56−
40837号公報)や、既に設けた電気絶縁性重合体層
をピリリウム系染料に浸漬後、乾燥する方法(特開昭5
6−80052号公報)を用いてもよく、また層15中
のピリリウム系染料の濃度を導電性基体側と、表面付近
で異にするように形成(特開昭56−121042号公
報)してもよい。
【0030】本発明において、導電性支持体と感光層の
間、即ち図1においては、導電性支持体1と電荷発生層
3の間、また図2においては、導電性支持体1と共晶錯
体光導電層5の間に、下引層を設けることが可能であ
り、これにより、帯電性、接着性を改良することができ
る。
【0031】下引層には、SiO、Al23等の無機材
料を蒸着、スパッタリング、陽極酸化などの方法で設け
たものや、ポリアミド樹脂、アルコール可溶性ナイロン
樹脂、水溶性ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂などの樹脂層を用いることができる。ま
た、上記樹脂下引層にZnO、TiO2、ZnS等の顔
料粒子を分散したものも、下引層として用いることがで
きる。更に、本発明の下引層として、シランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等
を使用することもできる。下引層の膜厚は0〜5μmが
適当である。
【0032】また、本発明において、最上層に保護層や
絶縁層を設けることも可能である。保護層は感光体の表
面保護の目的で設けられ、これに使用される材料として
はABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン〜ビニルモノマ
ー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリア
ミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、
ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカー
ボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、
ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレン
オキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブ
タジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が
挙げられる。保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目
的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シ
リコーン樹脂、及びこれら樹脂に酸化チタン、酸化錫、
チタン酸カリウム等の無機材料を分散したもの等を添加
することができる。保護層の形成法としては通常の塗布
法が採用される。なお保護層の厚さは0.5〜10μm
程度が適当である。
【0033】絶縁層には、先に挙げた共晶錯体光導電層
に使用してもよい結着剤材料がそのまま使用でき、結着
剤材料を含んだ溶液を塗布し、設けることができる。こ
の他、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレ
ン、塩化ゴム、テフロンなどの熱収縮フィルムもしく
は、チューブを用いることもできる。
【0034】先に説明した本発明の請求項2、3の電子
写真感光体に正帯電を施し、500〜700nmの可視
光で画像露光(以下、アナログ露光)を行なうと、感光
体表面上には正電荷による静電潜像が形成される。これ
を負極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画
像が得られる(正帯電でのアナログ複写)。一方、感光
体上に負帯電を施し、700nm以上ないしは500n
m以下の波長のデジタル光で画像露光(以下、デジタル
露光)を行なうと、感光体表面上には負電荷による静電
潜像が形成される。これを正極性トナーで現像すればネ
ガ画像が得られる。あるいは負極性のトナーを使用して
反転現像すれば、ポジ画像がえら得る(負帯電でのデジ
タル複写)。
【0035】以上の説明から明らかなように、正帯電で
のアナログ複写と反転現像による負帯電でのデジタル複
写という両機能を有する画像形成装置を設計する場合、
請求項第2ないし第3項記載の電子写真感光体を使用す
れば、現像系も負帯電トナーを使用する1組で済み、非
常にコンパクト、低コストかつ高機能の複写装置(兼プ
リンター、ファクシミリ)を作製できる。
【0036】次に、図3を用いて、本発明の画像生成装
置の説明を行なう。本発明の請求項2ないし3項記載の
電子写真感光体21の周囲には、少なくとも、正帯電器
22、負帯電器24、アナログ露光手段23、デジタル
露光手段25、現像手段27、転写手段31、クリーニ
ング手段32、除電手段33が配備されている。なお、
図3には、これらのほかに転写前露光手段28が配備さ
れているが、さらに公知のプロセス(例えば、クリーニ
ング前露光など)を適用することも可能であり、有効で
ある。図3の画像形成装置は、本発明における実施態様
を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能
である。例えば、電子写真感光体は、図3に円筒状の形
状が示されているが、エンドレスベルト状であってもよ
いし、また、シート状でも板状でもよい。このような装
置においては、帯電・画像露光・現像を経て得られるト
ナー像を、転写紙30に転写し、転写紙上のトナーを定
着器34にて定着せしめ、目的とする画像を得ることが
できる。
【0037】光照射工程に用いられる光源としては、蛍
光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、
ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レー
ザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)など
発光物全般を用いることができる。そして所望の波長域
の光のみを照射するために、シャープカットフィルタ
ー、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、
ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変
化フィルターなどの各種フィルターを用いることもでき
る。
【0038】アナログ露光源には、上記の光源がすべて
使用できる。一方、デジタル露光源には、半導体レーザ
ーや発光ダイオードアレーなどが好適に使用できるほ
か、液晶シャッターを用いた露光方法も好ましく使用で
きる。液晶シャッター用の光源としては、上記の光源が
すべて使用できる。本発明において使用されるデジタル
露光源の波長は、700nm以上ないしは500nm以
下であることが望まれる。
【0039】帯電器22、24には、コロトロン帯電
器、スコロトロン帯電器、固体帯電器(ソリッド・ステ
ート・チャージャー)、ローラ帯電器をはじめとする公
知の帯電器が使用できる。
【0040】図3においては、正帯電器22と負帯電器
24の2つの帯電器が用いられているが、1つの帯電器
を用いて、その帯電器に正、負電源から極性を切り替え
て電圧を印加する態様としてもよい。転写手段31に
は、一般に上記の帯電器が使用できるが、図3に示され
るように転写チャージャーと分離チャージャーを併用し
たものが効果的である。このほか、現像手段、クリーニ
ング手段、除電手段には、公知の方法が適用される。
【0041】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、電荷発生層
および、ピリリウム系染料、電気絶縁性重合体および正
孔輸送性低分子化合物を主成分とする共晶錯体光導電層
が、積層されているから、共晶錯体光導電層で発生した
光キャリアに加えて電荷発生層で発生した光キャリアに
よっても光減衰を生じることが可能となり、従来よりも
優れた電子写真感度を示す。さらに本発明においては、
該電荷発生層に、500nmより短波長の光を吸収し電
荷発生することのできる電荷発生物質を選定することに
より、青から緑色光領域においても感度の優れた、新規
な層構成によりなるパンクロマチックな電子写真感光体
を得ることが出来る。また本発明においては、該電荷発
生層に、700nmより長波長の光を吸収し電荷発生す
ることのできる電荷発生物質を選定することにより、近
赤外領域においても感度の優れた新規な層構成によりな
る、半導体レーザーにも感度を有する電子写真感光体を
得ることができる。従って、本発明によれば、共晶錯体
光導電層に特有の正帯電、負帯電時の両方に感度を有す
ることに起因して、正帯電時と負帯電時とで異なった分
光感度特性を呈する、新規な層構成からなる電子写真感
光体が得られる。また、本発明においては、正帯電での
アナログ複写と反転現像による負帯電でのデジタル複写
という両機能を有する画像形成装置を設計する場合、請
求項第2ないし第3項記載の電子写真感光体を使用すれ
ば、現像系も負帯電トナーを使用する1組で済み、非常
にコンパクト、低コストかつ高機能の複写装置(兼プリ
ンター、ファクシミリ)を作製できる。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、実施例中の部は重量部を表わす。 実施例1 厚さ2mmのアルミニウム板上に、 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2,6−ジフェニルチアピリリウム パークロレート 3部 ポリカーボネート 26部 (帝人化成(株)製パンライトL−1225) 下記構造式の正孔輸送性低分子化合物 22部
【化4】 塩化メチレン 500部 クロロホルム 150部 の組成よりなる塗工液を、塗布・乾燥して、膜厚18μ
m共晶錯体光導電層を形成した。この上に、下記組成の
電荷発生層塗工液を、塗布・乾燥し、厚さ0.2μmの
電荷発生層を設け、実施例1の電子写真感光体を形成し
た。 〔電荷発生層塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 5部
【化5】 ポリビニルブチラール樹脂 3部 (積水化学工業製:エスレックBL−1) シクロヘキサノン 200部 テトラヒドロフラン 100部
【0043】実施例2 実施例1と同じ共晶錯体光導電層上に、厚さ0.5μm
のAs2Se3よりなる電荷発生層を、真空蒸着法により
設け、実施例2の電子写真感光体を形成した。
【0044】比較例1 実施例1において、電荷発生層を設けない以外は実施例
1と同様にして比較例1の感光体を形成した。
【0045】以上の各感光体を、エレクトロスタティッ
ク・ペーパーアナライザー[SP−428:川口電機製
作所製]に取付け、コロナ放電電圧+6.0kVで感光
体の表面電位が+800V以上になるまで帯電させ、そ
の後暗減衰により表面電位が+800Vになったところ
で、タングステンランプを光源とした5luxの白色光を
照射した。このとき、表面電位を+100Vまで光減衰
させるのに必要な露光量E1/8[lux・sec]を測定した。
その結果を表1に示す。
【表1】
【0046】実施例3 アルミニウム導電層を有するポリエチレンテレフタレー
ト・フィルム上に、下記組成の電荷発生層塗工液および
共晶錯体光導電層塗工液を、順次塗布乾燥し、厚さ0.
2μmの電荷発生層および厚さ24μmの共晶錯体光導
電層塗工液を形成した。 〔電荷発生層塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 4部
【化6】 ポリビニルブチラール樹脂 1部 (電気化学工業製:デンカブチラール#4000−1) シクロヘキサノン 230部 2−ブタノン 95部 〔共晶錯体光導電層塗工液〕 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2,6−ジフェニル 1.5部 チアピリリウムヘキサフルオロフォスフェート ポリカーボネート(GE社製 L−141) 24部 下記構造式の正孔輸送性低分子化合物 24部
【化7】 塩化メチレン 650部
【0047】実施例4 アルミニウム導電層を有するポリエチレンテレフタレー
ト・フィルム上に、下記構造式の電荷発生物質を真空蒸
着し厚さ0.15μmの電荷発生層を設けた。
【化8】 この上に、実施例3と同じ共晶錯体光導電層を設け、実
施例4の電子写真感光体を形成した。
【0048】比較例2 アルミニウム導電層を有するポリエチレンテレフタレー
ト・フィルム上に、実施例3と同じ共晶錯体光導電層を
設け、比較例2の電子写真感光体を形成した。
【0049】以上の各感光体(実施例3、4、比較例
2)を、上記エレクトロスタティック・ペーパーアナラ
イザーを用い、正帯電時と負帯電時とで分光感度を測定
した。分光感度の測定に際しては、+800V(ないし
は−800V)から光減衰させたときの半減露光量の計
測によった。各感光体の分光感度を、図4、図5及び図
6に示す。
【0050】実施例5 直径60mmのアルミニウム・シリンダー上に、実施例
3と同じ感光層を設けた。図3に示される画像形成装置
にこの感光体を搭載し、また、アナログ露光源はハロゲ
ンランプ、デジタル露光源は780nmの半導体レーザ
ーとした。まず、アナログ画像を得るため、正帯電器に
より感光体を正帯電して後、アナログ露光源による画像
露光を行ない、現像(負極性トナー)、転写、定着を行
なったところ、非常に鮮明な画像が得られた。一方、デ
ジタル画像を得るため、負帯電器により感光体を負帯電
して後、デジタル露光源による画像露光を行ない、反転
現像(負極性トナー)、転写、定着を行なったところ、
正帯電時と同様に非常に鮮明な画像が得られた。このよ
うにして、繰返し画像出しを行なったところ、3万枚を
越えても両極性において、鮮明な画像が得られた。
【0051】実施例6 直径60mmのアルミニウム・シリンダー上に、実施例
4と同じ感光層を設けた。図3に示される画像形成装置
にこの感光体を搭載し、また、アナログ露光源はハロゲ
ンランプ、デジタル露光源は蛍光灯と液晶シャッターア
レーの組合せを使用した。実施例5と同様に、まず、ア
ナログ画像を得るため、正帯電器により感光体を正帯電
して後、アナログ露光源による画像露光を行ない、現像
(負極性トナー)、転写、定着を行なったところ、非常
に鮮明な画像が得られた。一方、デジタル画像を得るた
め、負帯電器により感光体を負帯電して後、デジタル露
光源による画像露光を行ない、反転現像(負極性トナ
ー)、転写、定着を行なったところ、正帯電時と同様に
非常に鮮明な画像が得られた。このようにして、繰返し
画像出しを行なったところ、3万枚を越えても両極性に
おいて、鮮明な画像が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用感光体の構成例を示す模式
断面図である。
【図2】本発明の電子写真用感光体の構成例を示す模式
断面図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の説明図である。
【図4】本発明の電子写真用感光体(実施例3)の分光感
度曲線を示すグラフである。
【図5】本発明の電子写真用感光体(実施例4)の分光
感度曲線を示すグラフである。
【図6】比較例2の電子写真用感光体の分光感度曲線を
示すグラフである。
【符号の説明】
1……導電性支持体 3……電荷発生層 5……共晶錯体光導電層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、電荷発生層および、ピ
    リリウム系染料、電気絶縁性重合体および正孔輸送性低
    分子化合物を主成分とする光導電層が、積層されてなる
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 電荷発生層が、700nmより長波長の
    光を吸収し電荷発生することを特徴とする請求項1記載
    の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 電荷発生層が、500nmより短波長の
    光を吸収し電荷発生することを特徴とする請求項1記載
    の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 請求項2の電子写真感光体を用いて画像
    形成を行なう電子写真方法において、480〜700n
    mの波長で画像露光するときは正電荷を印加し、700
    nm以上の波長の光で画像露光するときは負電荷を印加
    することを特徴と電子写真方法。
  5. 【請求項5】 請求項3の電子写真感光体を用いて画像
    形成を行なう電子写真方法において、500〜700n
    mの波長で画像露光するときは正電荷を印加し、500
    nm以下の波長の光で画像露光するときは負電荷を印加
    することを特徴と電子写真方法。
  6. 【請求項6】 請求項2の電子写真感光体、正帯電手
    段、負帯電手段、700nm以下の波長でアナログ画像
    露光手段、700nm以上の波長でのデジタル画像露光
    手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電
    手段を少なくとも具備してなることを特徴とする画像形
    成装置。
  7. 【請求項7】 請求項3の電子写真感光体、正帯電手
    段、負帯電手段、500nm以上の波長でアナログ画像
    露光手段、500nm以下の波長でのデジタル画像露光
    手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電
    手段を少なくとも具備してなることを特徴とする画像形
    成装置。
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