JPH06241235A - ころ軸受 - Google Patents

ころ軸受

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JPH06241235A
JPH06241235A JP5028062A JP2806293A JPH06241235A JP H06241235 A JPH06241235 A JP H06241235A JP 5028062 A JP5028062 A JP 5028062A JP 2806293 A JP2806293 A JP 2806293A JP H06241235 A JPH06241235 A JP H06241235A
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JP
Japan
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tapered roller
roller
oil film
sliding contact
guide surface
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Kenji Asano
憲治 浅野
Yasuo Asai
康夫 浅井
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】鍔部のころ案内面ところの端面との滑り接触部
位における油膜を厚い状態に維持させ、摩耗や焼き付き
を可及的に抑制できるようにすること。 【構成】内輪2の鍔部5の円錐ころ案内面6の曲率半径
が、円錐ころ3の大端面7の曲率半径よりも大きく設定
されて、内輪2の鍔部5に対する円錐ころ3の滑り接触
部位が点接触とされている円錐ころ軸受において、内輪
2の円錐ころ案内面6に、円錐ころ3の大端面7との接
触領域よりも小さな複数の微小凹部8が各々独立する状
態例えばドット状に設けられている。これにより、鍔部
5に対する円錐ころ3の滑り接触部位では、微小凹部8
に溜まる潤滑剤でもって厚い油膜が形成されやすくなる
とともに、この接触領域に形成される油膜に作用する圧
力が洩れなくなるため、油膜厚さが薄くならずに済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも軸方向一端
にころの端面と滑り接触する鍔部が設けられた軌道輪を
備える構成のころ軸受に係り、特に鍔部の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に、円錐ころ軸受や円筒ころ軸受
では、内・外輪の少なくとも一方にころ案内用の鍔部が
設けられており、この鍔部のころ案内面に対してころの
端面が滑り接触するようになっている。そのため、高速
回転域において鍔部で焼き付きが発生しやすくなる。し
たがって、このようなころ軸受においては玉軸受に比べ
ると、高剛性、高負荷容量であるけれども、使用回転数
が制限されるという不都合がある。
【0003】そこで、従来は、主として軌道輪の鍔部に
おけるころ案内面を可及的に平滑な面に仕上げ、ころと
の摩擦抵抗を軽減するように対策している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
対策では、鍔部のころ案内面に摺接するころの端面につ
いても同様に平滑処理を施しているが、このために、こ
ろの端面と鍔部のころ案内面との接触形態が平滑面どう
しの接触となり、そもそも潤滑剤の供給が途切れがちに
なる状況であることも加えて、接触部位での油膜厚さが
薄くなって摩耗や焼き付きの抑制効果が薄くなると言え
る。
【0005】本発明はこのような事情に鑑み、鍔部のこ
ろ案内面ところの端面との滑り接触部位における油膜を
厚い状態に維持させ、摩耗や焼き付きを可及的に抑制で
きるようにすることを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも軸
方向一端にころの端面と滑り接触する鍔部が設けられた
軌道輪を備える構成のころ軸受において、前記鍔部のこ
ろ案内面に、ころ端面との接触領域よりも小さな複数の
微小凹部を各々独立する状態に設けていることに特徴を
有する。
【0007】なお、この微小凹部は、ショットブラスト
あるいはショットピーニングにより形成するのが好まし
い。
【0008】
【作用】ころ案内面の微小凹部に溜まる潤滑剤が接触部
位に転移供給されて油膜形成に有利となり、接触部位に
厚い油膜が形成されやすくなる。しかも、ころ案内面に
対するころの滑り接触部位では、微小凹部を設けていて
も、接触領域に形成される油膜に作用する圧力が洩れず
に済むため、油膜厚さが薄くなりにくい。したがって、
接触部位の潤滑状態が良好になる。ちなみに、微小凹部
が、例えばバレル研磨などにより形成されるようなも
の、すなわち、接触領域よりも長い引っ掻き傷のような
ものであると、油膜に作用する圧力が引っ掻き傷から洩
れることになるために、たとえ油膜が形成されやすくな
ろうとも、油膜厚さが薄くなりやすいと言える。
【0009】ところで、微小凹部をショットブラストあ
るいはショットピーニングにより形成すれば、鍔部のこ
ろ案内面の表層部が硬化されるために耐摩耗性が高ま
る。
【0010】
【実施例】図1ないし図3に本発明の一実施例を示して
いる。図1に円錐ころ軸受の上半分を示しており、1は
外輪、2は内輪、3は円錐ころ、4は保持器である。
【0011】外輪1は、内径寸法が軸方向一方から他方
へ向けて徐々に小さくなっており、内輪2は、外径寸法
が軸方向一方から他方へ向けて徐々に大きくなってい
る。内輪2の軸方向一方の大径側外径部には径方向外向
きに延出する鍔部5が形成されており、この鍔部5の内
側面6は、円錐ころ3の転動時において円錐ころ3の大
端面7を滑り案内する円錐ころ案内面となる。
【0012】なお、本実施例構造では、円錐ころ3の大
端面7および鍔部5の円錐ころ案内面6が球面もしくは
それに類似する曲面に形成されており、円錐ころ案内面
6の曲率半径が、大端面7の曲率半径よりも大きくなる
ように設定されている。これにより、内輪2の鍔部5に
対する円錐ころ3の滑り接触部位が、いわゆる点接触と
なる。
【0013】本実施例において特徴とするところは、内
輪2の円錐ころ案内面6に、円錐ころ3の大端面7との
接触領域よりも小さな複数の微小凹部8が各々独立する
状態例えばドット状に設けられていることである。この
微小凹部8は、例えばショットブラストあるいはショッ
トピーニングにより形成される。
【0014】具体的に、まず、高炭素クロム軸受鋼(J
IS規格SUJ2など)からなる内輪2を用意し、この
内輪2を図2に示すように横に倒した状態でショットピ
ーニングを行う。このショットピーニングは、ビッカー
ス硬さ(HV)650以上で粒径が1mm以下の鋼球を
用い、アークハイト1mA、カバレッジ200%以上の
条件で行うのが好ましい。
【0015】このようなショットピーニングを行えば、
円錐ころ案内面6は鋼球噴射方向に対して直交するが、
軌道面は斜めになっているから、内輪2の軌道面を保護
処理しなくとも、鍔部5の円錐ころ案内面6のみに局部
的に微小凹部8が形成されるようになるとともに、同案
内面6の表層部に残留圧縮応力が付与されて表層部の残
留オーステナイトがマルテンサイトに変態させられるこ
とになって同案内面6の表層部がHV850〜950に
と硬化されるようになる。この後、仕上げ処理として、
円錐ころ案内面6においてショットピーニングにより盛
り上がった部分(微小凹部8の縁)を塑性変形させてな
らすのが好ましい。
【0016】次に、このような内輪2を用いた場合での
焼き付き試験について説明する。図3のグラフにおいて
横軸には合成粗さ(内輪2の鍔部5の円錐ころ案内面6
の粗さと円錐ころ3の大端面7の粗さとを合成した粗
さ)を、縦軸には焼き付き寿命をとっている。
【0017】合成粗さ={(円錐ころの大端面粗さ)2
+(円錐ころ案内面の粗さ)21/2 使用軸受は、JIS規格型番30306JR相当品を用
い、スラスト荷重400kgf、回転数5800rpm
に設定している。また、使用潤滑剤はギヤオイル90番
を用い、軸受に1回塗布してから油切りしている。
【0018】そして、下記表1に示すように、円錐ころ
3の大端面7は可及的に平滑となるように超仕上げ加工
面で一定とし、円錐ころ案内面6の粗さのみを変えるこ
とにより合成粗さを種々変えている。表1において、単
位はμmである。
【0019】
【表1】
【0020】実験結果としては、図3のグラフに示すよ
うに、試料番号B,Cにおける焼き付き寿命が飛躍的に
向上するようになった。つまり、一般的な円錐ころ3を
用いる場合には、円錐ころ案内面6の粗さを0.18〜
0.2μmに設定するのが好ましいと言える。ちなみ
に、試料番号Aが、従来例で説明したものに相当するも
のでほぼ平滑面どおしの接触形態になっている。
【0021】なお、本発明は上記実施例にのみ限定され
ない。例えば、円筒ころ軸受の軌道輪に設けられる鍔部
の円筒ころ案内面に上述したような微小凹部を形成して
実施することもできる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ころ案内面の微小凹部に溜まる潤滑剤が接触部位に転移
供給されてころところ案内面との滑り接触部位に油膜を
形成しやすくするとともに、油膜を厚い状態に維持でき
るようになるから、接触部位で良好な潤滑状態を安定的
に保つことができて、ころ案内面の耐摩耗性および焼き
付き寿命の向上に貢献できる。
【0023】また、ころ案内面の微小凹部をショットブ
ラストあるいはショットピーニングにより形成すれば、
鍔部のころ案内面の表層部が硬化されることになるの
で、そこの耐摩耗性が高められることになり長寿命化を
図る上で一層有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円錐ころ軸受の一実施例の上半部を示
す縦断面図。
【図2】内輪鍔部に対するショットピーニングの状況を
示す図。
【図3】焼き付き試験に関するグラフ。
【符号の説明】
1 外輪 2 内輪 3 円錐ころ 5 内輪の鍔部 6 鍔部の円錐ころ案内面 7 円錐ころの大端面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも軸方向一端にころの端面と滑
    り接触する鍔部が設けられた軌道輪を備える構成のころ
    軸受であって、 前記鍔部のころ案内面に、ころ端面との接触領域よりも
    小さな複数の微小凹部が各々独立する状態に設けられて
    いる、ことを特徴とするころ軸受。
  2. 【請求項2】 請求項1のころ軸受において、前記微小
    凹部がショットブラストあるいはショットピーニングに
    より形成されている、ことを特徴とするころ軸受。
JP5028062A 1993-02-17 1993-02-17 ころ軸受 Pending JPH06241235A (ja)

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