JP2005061495A - 円筒ころ軸受 - Google Patents

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浩道 武村
Masanao Sato
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Abstract

【課題】 軸受のサイズを大きくせずに、耐焼付き性を改善でき、許容回転数の向上を図ることができる円筒ころ軸受を提供する。
【解決手段】内輪(2)がころ(4)の端面を接触案内するころ案内面(7)を備えた鍔部(6)を有する円筒ころ軸受(1)であって、前記ころ(4)の端面(4a)は、所定値以上の荷重が作用した際に前記ころ案内面(7)と接触する凸状のクラウニング部(4d)を備え、前記荷重が負荷していない状態での前記ころ(4)の端面(4a)と前記ころ案内面(7)に沿った仮想線(A)とが接する交点と、前記ころ(4)の転動面間の径方向距離hは、前記円筒ころ(4)の直径をDa、前記ころ案内面(7)の鍔開き角度をθとし、クラウニング部(4d)の曲率半径をRとすると、h = Da/2−R×sin(θ)の関係を満たし、かつ、0.05(mm)≦ h ≦ 0.5(mm)となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車のトランスミッション等に用いられ、過大なアキシアル荷重を許容できる円筒ころ軸受に関し、特に、高速回転や低粘度の油を用いた場合、或いは、潤滑装置が故障して潤滑油が十分に供給できない場合でも、直ちに焼付きを生じさせない様に耐焼付き性を向上させた円筒ころ軸受の改良に関する。
一般に、円筒ころ軸受では、複数の円筒ころを軌道輪の円周方向に案内するため、軌道輪の端部に鍔部を設け、この鍔部の内側面に形成されたころ案内面にころの端面を摺接させるように構成されている。また、自動車のトランスミッション等に用いられる円筒ころ軸受では、ラジアル荷重に加えてアキシアル荷重が負荷されて使用される場合がある。円筒ころ軸受がアキシアル荷重を受けて回転すると、円筒ころの端面が鍔部のころ案内面と接触する箇所にエッジロードのような局部的な応力が作用し、接触面に大きな摩擦が発生する。また、高速回転によりこの摩擦が顕著になると、摩耗や焼付きが発生して軸受の早期破損が起こる場合がある。
そこで、ころの端面と鍔部のころ案内面間の接触面圧ができるだけ一様になるように、ころの端面や鍔部のころ案内面にわずかなテーパやクラウニングを設けて、大きなエッジロードが生じないように構成している。
円筒ころ軸受の焼付き防止または低減技術としては、ころと鍔部の接触面同士の表面粗さを向上させたり、ころ端面にクラウニングを設け、鍔高さの中央位置にてころ端面と接触するようにし、楕円形状となる接触点が例えば逃げ溝に落ちたり、鍔高さより外側に大きくならないように設定されている。
従来の技術としては、接触するころの端面と鍔部の表面粗さを改善して潤滑不良を防止するようにしたころ軸受が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、潤滑性能を向上させるため、相対移動方向とほぼ直交する方向に加工目を設けるようにしたころ軸受が知られている(例えば、特許文献2参照。)。また、ころの端面と接触する鍔部の接触領域に複数の微小凹部を設けて油膜形成維持を図ったころ軸受が知られている(例えば、特許文献3参照。)。さらに、滑りによる発熱を低減するため、ころが鍔部と接触する位置をころの外径面と同じになるように、ころの形状を変えたころ軸受が知られている(例えば、特許文献4参照。)。
また、ころの端面の面取り部と平面部との交点位置を、鍔面と研削用逃げ部との交点位置よりも、外輪鍔部では半径方向小径側で、内輪鍔部では半径方向大径側とすることにより、転がり接触部におけるころと鍔面内に油膜を確実に形成させて焼付き防止または低減を図る技術も提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
特開平7−42746号公報(第2頁、第2図) 特開平7−91452号公報(第3頁、第7図) 特開平6−241235号公報(第2頁、第1図) 特開平9−236131号公報(第2頁、第1図) 特開2002−181053号公報(第3頁、第2図)
しかしながら、特許文献1,2に示されるように表面粗さの改善や任意な加工目を設けることは、特殊な加工設備や加工時間の延長に伴うコストアップの問題や品質の安定性等に課題があった。一方、特許文献3,4に示されるように、ころや鍔部を特殊形状に変える場合においても、ころの加工に伴うコストアップや内輪、外輪の加工追加によるコストアップが考えられるため有効ではない。
また、特許文献5に示された円筒ころ軸受にあっては、鍔面にクラウニングを施したり、あるいは、内輪鍔面ところの端面との接触部が、点を頂点とした円すいの外径面(内輪鍔面)と球面(ころの端面)との接触となるように構成されている。しかしながら、ころと鍔部の接触部に生じる接触楕円の長径の方向は軸受内輪の半径方向となるため、アキシアル荷重の大きさによってはこの接触楕円が内輪鍔面の逃げ溝、もしくは、鍔面の外径からはみ出してしまい、接触楕円と逃げ溝部との境界面、もしくは接触楕円と鍔面の外径部との境界面でエッジロードが発生するといった問題がある。
さらに、上記接触楕円が鍔面の逃げ溝からはみ出すのを抑えるため、ころと鍔部との接触面である接触楕円の中心位置を鍔面の外径側に上げることが考えられる。しかしながら、この場合には、ころと鍔部間の滑りが大きくなるため、発熱量が増えてしまい軸受の温度上昇、鍔部のカジリや焼付き等が発生するという問題があった。
本発明は、上記の問題を解決するため、軸受のサイズを大きくせずに、焼付き性能を改善し、許容回転数の向上を実現する円筒ころ軸受を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以下の構成によって達成される。
(1)内輪軌道面を有する内輪と、外輪軌道面を有する外輪と、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面間に配された複数の円筒ころと、を備え、前記内輪と外輪の少なくとも一方は前記円筒ころの端面を接触案内するころ案内面を備えた鍔部を有する円筒ころ軸受であって、
前記円筒ころの端面は、所定値以上の荷重が作用した際に前記ころ案内面と接触する凸状のクラウニング部を備え、
前記荷重が負荷していない状態での前記円筒ころの端面と前記ころ案内面に沿った仮想線とが接する交点と、前記ころの転動面間の径方向距離hは、前記円筒ころの直径をDa、前記ころ案内面の鍔開き角度をθとし、クラウニング部の曲率半径をRとすると、
h = Da/2−R×sin(θ)
の関係を満たし、かつ、
0.05(mm)≦ h ≦ 0.5(mm)
となることを特徴とする円筒ころ軸受。
(2)前記鍔部の鍔高さをLとすると、前記径方向距離hと前記鍔高さLの比は、
0.01≦h/L≦0.13
を満足し、前記交点は、前記内輪軌道面と前記外輪軌道面の少なくとも一方に形成された逃げ溝に面することを特徴とする(1)に記載の円筒ころ軸受。
本発明によれば、ころの端面形状と鍔部のころ案内面の形状に基づく、上記交点における径方向距離を上記の範囲に設定している。このため、所定値以上の高いアキシアル荷重が円筒ころ軸受に負荷され、チルトの影響により接触点位置が鍔部の周面に向けて移動したとしても接触点位置がころ案内面から外れることが無く、鍔部のころ案内面ところの端面との接触部の接触面圧を小さくすることができる。この結果、この接触部のPV値(接触面圧Pと滑り速度Vの積)が低減され、耐焼付き性を向上することができる。従って、上記構成によれば、軸受のサイズを大きくせずに、耐焼付き性を改善でき、許容回転数の向上を図ることができる。
以下、本発明の円筒ころ軸受の一実施形態を図に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る円筒ころ軸受の部分断面図であり、図2は、荷重が作用していない状態での鍔部のころ案内面と円筒ころの端面とを示す要部拡大図であり、図3は、荷重が作用した状態での鍔部のころ案内面と円筒ころの端面とを示す要部拡大図である。
図1に示された円筒ころ軸受は、ラジアル荷重と共に高いアキシアル荷重が負荷されるようなトラック用マニュアルトランスミッション用の円筒ころ軸受であり、円筒ころ軸受1は、内輪2と、外輪3と、複数の円筒ころ4とを備えている。内輪2は、外周面に軸方向一端部から延びる内輪軌道面2aを有しており、外輪3は、内周面の中間部に外輪軌道面3aを有している。内輪軌道面2aと外輪軌道面3aとの間には、円筒ころ4が転動自在に配置されている。
内輪2の他端部及び外輪3の両端部には、円筒ころ4を内輪2及び外輪3の円周方向に案内するための鍔部5が設けられている。また、内輪2の一端面には、内輪軌道面2aよりも大きな外径を有する環状の鍔輪6が当接されている。鍔部5及び鍔輪6は、外輪軌道面或いは内輪軌道面からその周面までの鍔高さをLとし、その内側面に円筒ころ4の端面4aを接触案内するころ案内面7を備えている。図2(図示の例は内輪の鍔部)に示されるように、ころ案内面7は、円筒ころ4の軸方向に垂直な面に対して所定の鍔開き角度θだけ外側に開いて形成されている。円筒ころ4は、鍔部5のころ案内面7に端面4aを摺接させながら内輪軌道面2a上を転動する。
円筒ころ4の端面4aには、中心部に円形の凹部4bが設けられると共に、転動面と隣接する部分に面取り部4cが設けられている。また、円筒ころ4の端面4aは、面取り部4cの径方向外側(図2の上側)に、曲率半径Rの連続した曲線によって構成された凸状のクラウニング部4dを備えている。
ラジアル荷重及びアキシアル荷重が作用していない状態において、クラウニング部4dがころ案内面7に沿った仮想線Aと接触する交点をPとすると、交点Pと円筒ころ4の転動面(或いは内輪軌道面2a)間の径方向距離hは、幾何学的に次の関係式を満たしている。
h=Da/2−R×sin(θ) ・・・(1)
ここで、Daは円筒ころの直径を表す。
また、円筒ころ軸受1が使用される場合には10〜50μm程度のラジアル隙間が一般に存在している。このため、所定値以上の高いアキシアル荷重が作用した際には、円筒ころ4が幅方向に傾くチルトの影響により、交点Pは径方向上側に位置ずれして、図3に示すようにころ案内面7と実際に接触する接触点Pとなる。このため、高いアキシアル荷重が作用した際に円筒ころ4の端面4aがころ案内面7のほぼ中央位置、或いは、中央位置より下側で実際に接触するように、荷重が作用していない状態における交点Pの位置を予め鍔部5の下側に設定しており、具体的に、交点Pの径方向距離hを以下のように設定する。
0.05(mm)≦h≦0.5(mm) ・・・(2)
即ち、従来では、荷重が負荷されていない状態での円筒ころ4の端面4aところ案内面7との接触点を鍔高さLのほぼ中央に設定して、アキシアル荷重が大きくなった場合に大きくなる接触楕円を鍔高さLの中央位置で受けるように設計されていたが、実際には、鍔高さLの外側に接触楕円がはみ出してしまい、PV値が高くなり焼付きが発生しやすかった。
そこで、本実施形態の耐ハイアキシアル荷重に対する円筒ころ軸受1は、従来の端面クラウニング部4dの曲率半径Rと鍔部5との関係に対して、クラウニング部4dの曲率半径Rを大きくし、チルトやスキューの影響を考慮した計算を行うことにより、アキシアル荷重が小さいときには接触点Pを鍔部5の下側(内輪軌道面2aの逃げ溝8)に設定し、実アキシアル荷重(例えば、1トン以上)が負荷した場合に接触点Pが鍔高さLの中央付近となるように構成している。
なお、本実施形態では、荷重が作用していない状態において、交点Pが(2)式を満たすように設定すると、交点Pはころ案内面7より径方向内側(図2の下側)に設けられた逃げ溝8内に面する。ただし、逃げ溝8が小さく設計され、ころ案内面7が径方向内側まで延出している形状においては、荷重が負荷していない状態において、交点Pはころ案内面7と実際に接触していてもよい。
また、本実施形態では、所定値以上の高いアキシアル荷重が作用した際におけるチルトの影響を考慮して、交点Pが鍔高さLを越えないように、荷重が作用していない状態における交点Pの径方向距離hと鍔高さLとの比を以下のように設定している。
0.01≦h/L≦0.13 ・・・(3)
従って、本実施形態では、荷重が負荷していない状態において、円筒ころ4の端面4aと鍔部5のころ案内面7に沿った仮想線Aとの交点Pを鍔部5の下側、即ち、交点Pの径方向距離hが(2)式を満足するように設定している。これにより、所定値以上の過大なアキシアル荷重が作用した場合にチルトが生じても、交点Pは、鍔高さLのほぼ中央、或いは、中央より下側位置で、接触楕円を生じてころ案内面7と実際に接触する。このため、高荷重が作用した際でも、接触点におけるPV値を低減することができ、耐焼付き性を向上することができる。
なお、本実施形態では、内輪側の鍔部について説明したが、外輪側の鍔部も同様に構成することができる。また、本実施形態は、軌道輪とは別体の鍔輪に形成されたころ案内面と円筒ころの端面との形状によって構成したものでもよい。又、鍔部は両鍔でも片鍔であってもよい。即ち、使用時にアキシアル荷重が一方向にのみ加わるのであれば、アキシアル荷重が作用する側の端部にのみ、鍔部を設ければよい。
なお、本実施形態のような自動車用の円筒ころ軸受においては、円筒ころの外径が25mm以下であれば、円筒ころの軌道面及び端面を研磨加工により0.15μmRa以下の表面粗さとし、また、ころ端面や鍔面の接触面を超仕上げにより0.02μmRa程度とすることで、焼付き性能を更に向上させることが可能となる。
次に、円筒ころ4の端面形状及び鍔部のころ案内面形状が異なる円筒ころ軸受1を用いて回転評価試験を行った。なお、実施例1〜3、比較例1,2に用いられた円筒ころ軸受1は、JIS名番NUPK313(内径φ65mm、外径φ140mm、幅33mm、ころ直径:Da=20mm、ころ長さ:l=23mm、ころ数16個、保持器なしのキーストンタイプ)のものが使用された。
また、内輪軌道面2a、外輪軌道面3a及び鍔部7のころ案内面8の表面粗さは、研磨加工または超仕上げ加工により、0.05〜0.20μmRaとした。さらに、各実施例、比較例における円筒ころ4の転動面の表面粗さは、同じ0.15μmRaとした。表1は、ころ案内面7の鍔開き角θ及び円筒ころ4の端面4aのクラウニング部4dにおける曲率半径Rを示す。
Figure 2005061495
また、各円筒ころ軸受の回転評価試験は、以下の条件で行われた。
<試験条件>
軸受荷重 Fr:19000N(C=189000N,P/C=0.1)
Fa:25000N
回転数 N:500〜6000rpm(10分間試験を行い、500rpm毎に増加)
供給油量 5cc/min(トランスミッションオイル:80W−90)
なお、試験数はN=2とし、軸受温度が160℃以上に上昇するか、若しくは、磨耗・焼付きによる軸受振動が初期振動と比較して5倍となった回転数を許容回転数とした。
図4は、各実施例及び比較例におけるに回転評価試験の結果を示す。試験結果に見られるように、実施例1〜3では、比較例1,2に比べて十分な許容回転数アップが認められた。
実施例1では、クラウニング部4dの曲率半径Rを1810mmとし、ころ案内面7の鍔開き角度θを0.3°としており、荷重が作用していない状態での交点Pの径方向距離hは0.5mm(h/L=0.13)となる。このように構成された円筒ころ軸受1にラジアル荷重とアキシアル荷重が作用した状態では、チルトの影響により、交点Pは内輪軌道面から2mmの高さ位置でころ案内面7と接触楕円を生じて実際に接触しており、円筒ころ4の端面4aが鍔高さLのほぼ中央位置で接触することが確認された。また、図4に示された回転評価試験の結果から、回転数が5000rpmまでは、焼付き・磨耗が発生しないことがわかる。(5000rpmで10分間経過した時点で焼付き発生。)
実施例2では、クラウニング部4dの曲率半径Rを1140mmとし、ころ案内面7の鍔開き角度θを0.5°としており、荷重が作用していない状態での交点Pの径方向距離hは0.05mm(h/L=0.01)となる。このように構成された円筒ころ軸受1にラジアル荷重とアキシアル荷重が作用した状態では、チルトの影響により、交点Pは内輪軌道面から1.2mmの高さ位置でころ案内面7と接触楕円を生じて実際に接触しており、円筒ころ4の端面4aが鍔高さLの中央より下側で接触していることが確認された。また、図4に示された回転評価試験の結果から、回転数が6000rpmまでは、焼付き・磨耗が発生しないことがわかる。(6000rpmで10分間経過した時点で焼付き発生。)
更に、実施例3では、クラウニング部4dの曲率半径Rを800mmとし、ころ案内面7の鍔開き角度θを0.7°ところ案内面7をさらに傾斜させた構成としており、荷重が作用していない状態での接触点Pの径方向距離hは0.2mm(h/L=0.05)となる。このように構成された円筒ころ軸受にラジアル荷重とアキシアル荷重が作用した状態では、チルトの影響により、交点Pは内輪軌道面から1.6mmの高さ位置でころ案内面7と接触楕円を生じて実際に接触し、円筒ころ4の端面4aが鍔高さLのほぼ中央で接触していることが確認された。また、図4に示された回転評価試験の結果から、回転数が5500rpmまでは、焼付き・磨耗が発生しないことがわかる。(5500rpmで10分間経過した時点で焼付き発生。)
一方、比較例1では、クラウニング部4dの曲率半径Rを1500mmとし、ころ案内面7の鍔開き角度θを0.3°とした構成としており、荷重が作用していない状態での交点Pの径方向距離hは2.1mm(h/L=0.53)となる。即ち、比較例1では、荷重が作用していない状態での交点Pはころ案内面7と実際に接触する接触点であり、鍔高さLのほぼ中央位置となっている。しかしながら、ラジアル荷重とアキシアル荷重が作用した状態では、チルトの影響により、交点Pは4mmの高さ位置に移動してしまい、円筒ころの端面の交点Pは、計算上ころ案内面の外径側より大きくなる。このため、周速度Vも高くなり、回転数が1000rpmで5分間経過した際に焼付き・磨耗が発生した。
さらに、比較例2では、クラウニング部4dの曲率半径Rを1905mmとし、ころ案内面7の鍔開き角度θを0.3°とした構成であり、荷重が作用していない状態での交点Pの径方向距離hは0.01mm(h/L=0.003)となる。即ち、比較例2では、端面4aのクラウニングがほぼない状態に近い仕様であり、円筒ころ4の端面4aは逃げ溝8でのエッジ当たりを発生している。この構成において、ラジアル荷重とアキシアル荷重が作用した状態では、チルトの影響があっても、交点Pの位置は逃げ溝内に位置しており、端面4aは逃げ溝でのエッジ当たりを発生する。このため、回転数が500rpmにおいて、4分といった短時間で焼付き・磨耗が発生した。
従って、本回転耐久試験からわかるように、円筒ころ4の端面4aところ案内面7に沿った仮想線Aとの交点Pにおける径方向距離hを式(2)、式(3)を満たすように設計することで、許容回転数を増加させることができ、焼付き性能を向上できることが確認される。
なお、本発明は、前述した実施例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施例における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本実施例においては、SUJ2の標準的な熱処理が行われたが、円筒ころ及び内外輪に浸炭及び浸炭窒化処理を施すことにより耐焼付き性を向上することができる。更に、材料として肌焼鋼を用いることで、残留オーステナイト量を20〜45%とし、表面硬さをHv700〜850とすることで更なる耐焼付き性を向上することができる。
また、本実施例では、保持器のないキーストンタイプの円筒ころ軸受を用いて試験を行ったが、保持器に関しては、鉄製のプレス保持器、又は、更に高速回転となる使用の場合、プラスチック保持器を用いることにより、円筒ころと保持器の摩擦係数が低下するため、更に焼付き性能を向上することができる。
本発明の実施形態に係る円筒ころ軸受の部分断面図である。 荷重が作用していない状態での鍔部のころ案内面と円筒ころの端面を示す要部拡大図である。 荷重が作用した状態での鍔部のころ案内面と円筒ころの端面を示す要部拡大図である。 本実施例における、回転評価試験の結果を示す図である。
符号の説明
1 円筒ころ軸受
2 内輪
3 外輪
4 円筒ころ
5 鍔部
6 鍔輪
7 ころ案内面
8 逃げ溝

Claims (2)

  1. 内輪軌道面を有する内輪と、外輪軌道面を有する外輪と、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面間に配された複数の円筒ころと、を備え、前記内輪と外輪の少なくとも一方は前記円筒ころの端面を接触案内するころ案内面を備えた鍔部を有する円筒ころ軸受であって、
    前記円筒ころの端面は、所定値以上の荷重が作用した際に前記ころ案内面と接触する凸状のクラウニング部を備え、
    前記荷重が負荷していない状態での前記円筒ころの端面と前記ころ案内面に沿った仮想線とが接する交点と、前記ころの転動面間の径方向距離hは、前記円筒ころの直径をDa、前記ころ案内面の鍔開き角度をθとし、クラウニング部の曲率半径をRとすると、
    h = Da/2−R×sin(θ)
    の関係を満たし、かつ、
    0.05(mm)≦ h ≦ 0.5(mm)
    となることを特徴とする円筒ころ軸受。
  2. 前記鍔部の鍔高さをLとすると、前記径方向距離hと前記鍔高さLの比は、
    0.01≦h/L≦0.13
    を満足し、前記交点は、前記内輪軌道面と前記外輪軌道面の少なくとも一方に形成された逃げ溝に面することを特徴とする請求項1に記載の円筒ころ軸受。
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