JPH06240850A - 床 材 - Google Patents

床 材

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JPH06240850A
JPH06240850A JP6457393A JP6457393A JPH06240850A JP H06240850 A JPH06240850 A JP H06240850A JP 6457393 A JP6457393 A JP 6457393A JP 6457393 A JP6457393 A JP 6457393A JP H06240850 A JPH06240850 A JP H06240850A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】不質繊維板の裏面側に溝を形成し、床材が反ら
ないようにする。 【構成】厚さ方向における中心層より比重の高い硬質層
11,12を表裏層に有する木質繊維板1の、裏面側に
裏面側硬質層12の厚さより深い溝2が形成され、表面
側に化粧層3が形成されてなる床材。 【効果】熱圧の結果、表面側が裏面側より多く水分を放
出することに起因する木質繊維板の反りを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、床材に関する。
【0002】
【従来技術】従来、床材の基板としては、合板、単板積
層板(L.V.L.)などを基板として、その表面に突
板等の化粧シートを貼着した床材が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この基板は、
天然木材を薄く剥ぎ取った単板を積層接着し製造するた
め、天然資源の枯渇問題が世界的に大きく取り上げら
れ、原材料である原木を伐採することが困難になると共
に、原木の質が低下することによって、単板に使用する
良質の単板を多量に得ることが難しくなり、品質の良い
基板を多量に市場に供給することが困難となる。この問
題は今後ますます深刻化することが予測され、床材基板
として代替え品の提供が熱望されている。
【0004】また、床材の一般的な構成として、基板の
表面側には化粧単板が熱圧により貼着するが、化粧単板
を貼着する表面側のほうが裏面側より高温に加熱される
ことから、基板表面側の方が裏面側より大量に水分が放
出されることとなる。
【0005】このため、表面側では水分の放出による基
板の収縮が起こり結果的に基板長さ方向において表面側
を凹とする谷反り状に床材全体が反ってしまう現象がみ
られる。更に裏面側に緩衝性シートが冷圧により貼着さ
れる場合、この際用いる接着剤中の水分が基板裏面に吸
収されることとなる。そのため、裏面側では水分の吸収
による基板の膨張が起こり、谷反り状の反りが助長され
ることとなる。
【0006】このように谷反り状に反った床材は施工の
際の接着剤あるいは釘着による固定手段でこの反りを強
引に直しながら床下地面に固定することとなり、施工が
非常に困難となるばかりか、平面状に固定された状態で
も依然として元の谷反り状に戻ろうとする力が床材に内
在されているため、固定が不十分な突き合わせ部分が浮
き上がったりあるいは時間が経過する内に徐々に突き合
わせ部が浮き上がるため突き合わせ部単板木口を損傷し
てしまう問題点が生ずるものであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、単板からなる
基板の代替え品として使用できる新規な床材を提供する
とともに、平坦な床材を供給することを目的として鋭意
工夫の結果完成されたものである。
【0008】すなわち本発明は、厚さ方向における中心
層より比重の高い硬質層を表裏層に有する木質繊維板
の、裏面側に裏面側硬質層の厚さより深い溝が形成さ
れ、表面側に化粧層が形成されてなる床材である。
【0009】以下本発明の床材の実施例を図面に基づい
て説明する。図1は、本発明の床材の長手方向断面図を
示すものである。図1に示すように、本発明の床材は、
表裏層に硬質層11,12と、その間に中心層13が形
成され、一体成形により得られた木質繊維板1を基板と
するものである。
【0010】該木質繊維板1の表裏層に形成された硬質
層11および12は、その比重が平均して0.8〜1.
4g/cmの範囲であり、その間の中心層13の比重
は0.4〜0.75g/cmの範囲であり、硬質層1
1および12は中心層13の比重に比べ少なくとも0.
1g/cm以上好ましくは0.2〜0.8g/cm
の比重差を有することが好ましい。
【0011】この範囲以下であると、後に述べる応力が
生じにくいものとなり、本発明の目的を果たすことがで
きない。また、木質繊維板全体としての平均比重は0.
4g/cm〜1.0g/cmのものを用いることが
できる。
【0012】比重が0.4g/cmより小さいと、基
板としての強度が不十分で床材として用いることができ
ない。また、1.0g/cmより大きいと床材として
の重量が大きくなり施工の際の取り扱いが困難となり好
ましくない。
【0013】さらに、釘打ちの際、硬いため釘が打ち込
みにくいものとなる。また、図1に示すものは、表裏層
の硬質層が共に露出したものを用いた例を示す。
【0014】このような木質繊維板1を基板として、そ
の表面側に化粧層3が形成される。化粧層3は接着剤を
介して熱圧により貼着されることで、板材の表裏が加熱
圧締されることとなるが、化粧層3を貼着した表面側
は、接着剤を硬化させるために裏面側より高温に加熱さ
れることとなり、表面側の方が裏面側より水分が多量に
放出されることとなり、表面側の含水率の方が低下する
に伴い表面側が収縮し、基板は化粧層3を貼着した表面
側を凹状とするように寸法の大きい長さ方向に谷反り状
に反りが生ずる。
【0015】また、基板の表面側に形成する化粧層3と
しては、天然木材を切削して得られる天然突板、人工突
板、および不織布、紙、合成樹脂シートを裏打ちした突
板シート、または、化粧紙、含浸紙、不織布、合成樹脂
シート等の化粧シートを、接着剤を用い熱圧により接着
することにより形成するものである。
【0016】また、化粧層3の表面に、上塗り層を設け
ることもできる。この上塗り層内に研磨材を添加するこ
とにより表面の耐摩耗性能を向上させることができる。
また、化粧層3の表面には、必要に応じ化粧層3の切り
換えに対応して溝を形成してもよい。溝はU溝、V溝、
半丸溝などその断面形状は任意形状で設けられる。
【0017】また、一枚の板材の中に大きな比重差を有
する木質繊維板は、比重の高い部分において木質繊維が
非常に密の状態に圧縮されて固定されているため、膨張
しようとする応力が内在することとなる。
【0018】しかし、膨張しようとする応力が内在する
比重の高い部分、特に硬質層が、基板の厚さ方向中心部
を境に表層と裏層の2箇所に対称に存在するため、表裏
層の両方で同じように膨張しようとする応力が働くこと
となり、結果的にお互いの応力のバランスがとれ木質繊
維板は平坦な状態を保持しているものである。
【0019】これは、図2a,b,cに示すように、本
発明床材の基板として用いるのと同様の、表裏層に硬質
層51,52を有する木質繊維板白を、その厚さ方向中
心面を境に表裏2枚の板材に切断すると、各々の板材に
おいて一層の硬質層を有するものとなり、応力のバラン
スがくずれ、それぞれの硬質層内に内在する応力が膨張
力として働き、切断された表面側の板材5aは表面側の
硬質層51に内在する応力による膨張力で伸び、切断面
を凹状とし表層の硬質層51の存在する表面側が凸状と
なるように長さ方向に板材が反り、また裏面側の板材5
bは裏面側の硬質層52に内在する応力による膨張力で
伸び、切断面を凹状とした裏層の硬質層52が存在する
裏面側が凸状となるように長さ方向に板材が反るという
現象が生ずる。
【0020】この切断により生ずる反りからも前述のよ
うな応力が内在することが確認される。また、反りの方
向が長さ方向に渡って生ずることから、木質繊維板の寸
法の長さ方向への応力のほうが、寸法の短い幅方向への
応力より強いことが分かる。
【0021】図1に示すものは、このような厚さ方向に
おける中心層13より比重が高い硬質層11,12を表
裏層に有する木質繊維板1の、表面側に化粧層3が形成
され、裏面側に裏層の硬質層12の厚さより深く、硬質
層を分断するように幅方向に渡って溝2を形成した、平
坦な床材である。
【0022】これは、裏面側に溝2を形成することによ
り、裏層の硬質層12において膨張しようとしている応
力が分断されることとなり、裏面側で働いていた長さ方
向への応力による膨張力が、表面側の長さ方向への応力
による膨張力に比べ小さいものとなる。
【0023】このため木質繊維板1は、溝2を形成した
裏面側を凹状とするように、長さ方向に山反り状に反ろ
うとする力が生ずる。したがって、木質繊維板1の表面
に化粧層3を形成することにより谷反り状に反りが生じ
ていたものに、その裏面側に少なくとも幅方向に渡って
溝2を形成することにより山反り状に反る力が生じるた
め、平坦な床材とすることができるものである。
【0024】また、図3に示すように防音性能を付与す
る目的で、基板裏面に緩衝性シート4を貼着することも
できる。緩衝性シート4としては、例えばポリエチレン
系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの合成樹脂
の発泡体、不織布、発泡ゴムシート等を用いることがで
きる。
【0025】これら発泡したシートは加熱することによ
り発泡構造が破壊したり、不織布は繊維が融着したり、
三次元網目構造が破壊されることにより緩衝性が損なわ
れるため、基板への貼着は一般的に接着剤を介して冷圧
により熱をかけずに行なう。
【0026】このため、従来の単板を積層した基板の場
合、接着剤中の水分が基板裏面に吸収されることとな
り、基板裏面側が水分吸収に伴い膨張し裏面側を凸状と
するように長手方向に谷反り状に反ろうとする力が生ず
ることとなる。
【0027】しかし、木質繊維板1の裏面側には比重の
高い硬質層12が形成されているため、単板に比べ非透
水性に優れ接着剤の水分が浸透するのをほとんど防止す
ることができる。この非透水性は裏面側の硬質層12が
露出されている状態が特に優れ好ましい。
【0028】さらに、裏面側には幅方向に渡って溝2が
形成されているため、僅かに吸収された水分による膨張
も、溝に区切られたブロック内での膨張に留まることと
なる。このため木質繊維板1は谷反り状に反ることもな
く平坦な状態を保持することができる。
【0029】また、この裏面側に溝2を形成することに
より、基板としての木質繊維板1の剛性(ヤング率)が
減少することとなり、加えて溝2部空間が防音室として
働き防音性能も向上することとなる。また、必要に応じ
基板の長手方向に渡っても溝2を形成することができ
る。
【0030】また、このように中心層に比べ比重が高く
引っ張り強度および圧縮強度が優れた硬質層11,12
が表裏層に配された木質繊維板1を基板として用いるこ
とにより、表面硬度が高くキズがつきにくく、板材全体
として曲げ強度に優れ、また単位荷重によるたわみ量も
非常に小さい板材となる。
【0031】このような硬質層11,12は、乾式法に
よる木質繊維板の製造工程において加熱圧締の際の表裏
層の木質繊維の含水率を高めること、または、木質繊維
への接着剤の添加量を増加させることにより他の部分に
比べ局所的に比重の高い層を形成することができる。こ
のような木質繊維板は、含水率1%当たりの寸法変化率
が長さ方向と幅方向が均等で0.03〜0.04%と優
れた安定性を有するものである。
【0032】さらに、少なくとも表層側の最も比重の高
い部分である硬質層を露出させることにより、基板の表
面性能は合板を基板として用いた場合に比べ、耐干割れ
性能が10倍以上、表面硬度が2〜4倍もの強度を有す
るものとなり、床材として用いた場合の表面から加えら
れる局所的な衝撃によっても容易に凹むことがないなど
の優れた特性を発揮するものである。
【0033】本発明の基板として用いる木質繊維板1の
原料となる木質繊維としては、松、杉、檜等の針葉樹材
または、ラワン、カポール、栗、ポプラ等の広葉樹材の
原木で板材あるいは角材として使用できない部分または
廃材を切削した木材チップを、常法により解繊して得ら
れる木質繊維、および木質繊維板製造の際に生じるサン
ダーダスト、ソーダスト、チップダスト等の屑材を混入
し用いることができる。
【0034】本発明の基板として用いる木質繊維板は、
例えば、乾式木質繊維板の製造工程において、解繊され
接着剤を添加し乾燥した木質繊維を、フォーミング装置
によりスクリーンコンベアー上に堆積し、シェイビング
ローターにより厚みを各々調整し次いで仮圧締すること
により木質繊維マットを得、次いで一定寸法に裁断され
た定尺マットを加熱圧縮することにより中心層に比べ表
裏層に比重の高い硬質層を有する木質繊維板が得られ
る。
【0035】得られた木質繊維板は、加熱圧締時の接着
剤のプレキュアによる低比重薄表層が形成されるため、
サンディングすることにより低比重薄膜表層を除去し、
硬質層を露出させることができる。。
【0036】また、先と同様にして得られる定尺マット
の上面および下面に水の塗布または含有された不織布、
紙、布等の保水性のあるシート状物を載置し加熱圧締す
ることにより、シート状物に塗布または含有された水分
が表裏層の木質繊維中に保持されながら加熱圧締される
ため、表裏面に比重の非常に高い硬質層を形成すること
ができる。
【0037】また、スクリーンコンベアー上に木質繊維
を堆積させるフォーミング装置として、裏層形成木質繊
維、中心層形成木質繊維、表層形成木質繊維をそれぞれ
別々にフォーミングしスクリーンコンベアー上に堆積さ
せる3台のフォーミング装置を設け、例えば中心層形成
木質繊維への接着剤の添加量を3〜5重量%加え、表層
形成木質繊維および裏層形成木質繊維への接着剤の添加
量を10〜30重量%加えた後に加熱圧締することによ
り、前述の水分による硬質層の形成方法とあわせて硬質
層の比重を上げると共に強度の向上を図ることができ
る。
【0038】また、同様のフォーミング装置において、
裏層形成木質繊維および表層形成木質繊維として2〜8
重量%サイズ剤を塗布または含有させたものをフォーミ
ング装置に供給させるようにし、裏層、中層、表層の3
層の木質繊維を積層堆積させた後、加熱圧締することに
より、表層および裏層のサイズ剤の含有量を2重量%以
上とすることができる。
【0039】このようにして木質繊維板の表裏面には、
中心層に比較して比重が高く、非透水性の高い硬質層が
形成される。また、得られた木質繊維板の硬質層の中で
も比重分布が生ずるため、必要に応じサンディングを施
し、硬質層の中でも特に比重の高い層(面)を表面に露
出することにより、非透水性、曲げ強度およびたわみ等
の性能がさらに優れたものとなる。
【0040】
【考案の効果】本発明の床材は、木質繊維を加熱圧締し
て得られる木質繊維板を基板として用い、この木質繊維
板は単板として使用できない欠点のある原木を小さく破
砕あるいは解繊したものを用いて得られるものであるた
め、資源の有効利用となり自然破壊の防止に役立つこと
ができる。
【0041】また、このような木質繊維板の表面に化粧
層を形成し、化粧層を形成する際の木質繊維板からの水
分の放出により収縮する力が生じ、木質繊維板が山反り
状に反ろうとする力が生ずるのに対し、表裏層に高比重
の硬質層を有する木質繊維板の、裏面側に裏層硬質層を
分断するように少なくとも幅方向に渡って溝を形成する
ことにより、木質繊維板の裏層に内在する応力による膨
張力を分断し、表面側と裏面側との間でとれていた膨張
力のバランスをこわし、木質繊維板が山反り状に反るよ
うな力を生じさせることにより、水分の放出による木質
繊維板が谷反り状に反ろうとする力と、溝を形成するこ
とによる木質繊維板が山反り状に反ろうとする力のバラ
ンスが取られ結果的に平坦な床材となるものである。
【0042】また、裏面に緩衝性シートを貼着する場合
でも、裏面側の硬質層が非透水性に優れ、接着剤中の水
分をほとんど吸収しないことと、裏面側に溝が形成され
ていることにより、僅かに吸収した水分による膨張も溝
で区切られたブロック内の膨張に留まるため、木質繊維
板に反りが生じないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明床材の長手方向断面図、
【図2】(a)表裏層に硬質層51,52を有する木質
繊維板5の断面図、(b)図2(a)の木質繊維板5を
表裏2枚に切断した場合の断面図、(c)図2(a)の
木質繊維板5を表裏2枚に切断し、反りが生じた状態を
示す断面図、
【図3】 裏面に緩衝性シート4を貼着した本発明床材
の断面図、
【符号の説明】
11,12:硬質層、13:中心層、1:木質繊維板、
2:溝、3:化粧層、4:緩衝性シート、5:木質繊維
板、51,52:硬質層、5a:表面側の板材、5b:
裏面側の板材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04F 15/18 J 7805−2E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ方向における中心層より比重の高い
    硬質層を表裏層に有する木質繊維板の、裏面側に裏面側
    硬質層の厚さより深い溝が形成され、表面側に化粧層が
    形成されてなる床材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の木質繊維板の裏面に緩衝
    性シートが貼着されてなることを特徴とする床材。
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