JPH06238490A - スクリーン渣の脱水方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 難脱水スクリーン渣でも確実に安定して脱水
を行う。 【構成】 筒形スクリーン内に投入されたスクリーン渣
を、このスクリーン内を往復動するプランジャと筒形ス
クリーン端に接続された搬送ダクト内に揺動可能に備え
た背圧板５間にて加圧脱水するスクリーン渣の脱水機
の、背圧板フレーム５Ｆのスクリーン渣と接する面に狭
幅な背圧板片５ａ，５ａ・・・を互いにその先端と後端
とを重なり所望の水抜孔Ｃとなる隙間を有するようによ
ろい張状にして構成する。また水抜孔Ｃをスクリーン渣
送り方向に開口させて、背圧板部で発生する離脱水をこ
の水抜孔Ｃより排水する。これによりスクリーン渣中の
未脱離水はこの水抜孔Ｃより排水されるとともに、目詰
まりを生じることなく含水率の低下を図ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は脱水加圧時間を長く必要
とする難脱水スクリーン渣の場合でも円筒スクリーンと
背圧板とにより離脱水を排水して確実に安定して脱水す
る方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】下水処理場等より掻揚回収されたスクリ
ーン渣は含水率が高いため、これを所要の含水率迄脱水
し、焼却あるいは埋立等の最後処理を行う。このスクリ
ーン渣の脱水には筒形のスクリーン内にスクリーン渣を
投入し、プランジャにて所要脱水圧に圧搾して加圧脱水
した後、搬送ダクト内に押し込み搬送する方法が提案さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】筒形スクリーン内を往
復動するプランジャと搬送ダクト内の背圧板との協同作
用にて加圧脱水し、ダクト内を搬送するスクリーン渣の
脱水装置においては筒形スクリーン内に投入されるスク
リーン渣がすべて完全もしくは完全に近い状態まで洗浄
され流動性等が均一化された後、加圧脱水される場合に
は設定された加圧脱水で、かつ１回のプランジャ加圧に
て脱水が行われる。しかし投入されるスクリーン渣中に
は人糞等の未溶解汚物や泥状物質も含まれ、その性状は
均一でなく脱水加圧時間が長く必要な難脱水スクリーン
渣もある。このような難脱水スクリーン渣では１回のプ
ランジャの前進にて加圧される加圧脱水圧が高くても所
定の脱水を行えないことがある。

【０００４】本発明は難脱水スクリーン渣でも確実に安
定して脱水を行うことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになしたもので、筒形スクリーン内に投入され
たスクリーン渣を、該スクリーン内を往復動するプラン
ジャと筒形スクリーン端に接続された搬送ダクト内に揺
動可能に備えた背圧板間にて加圧脱水するスクリーン渣
の脱水機において、背圧板フレームのスクリーン渣と接
する面に狭幅な背圧板片を互いにその先端と後端とを重
なり所望の水抜孔となる隙間を有するようによろい張状
にして構成し、かつ水抜孔をスクリーン渣送り方向に開
口させて、背圧板部で発生する離脱水をこの水抜孔より
排水するようになしたことを要旨とする。

【０００６】

【作用】スクリーン渣を投入する筒形スクリーン内を往
復動するプランジャと対向して揺動可能に背圧板を備え
た搬送ダクトを筒形スクリーン端に接続し、この背圧板
とプランジャの前後進との共働作用にてスクリーン渣を
加圧脱水する際、円筒スクリーン内に投入されたスクリ
ーン渣の加圧にて離脱水は該スクリーンより排水され
る。そして未脱水の状態でプランジャの前進で背圧板に
押圧されるとき、この背圧板にスクリーン渣の送り方向
に向けて開口する水抜孔を設けているので、加圧状態に
あるスクリーン渣中の未脱離水はこの水抜孔より排水さ
れるとともに水抜孔の方向がスクリーン渣送り方向と一
致しているので、目詰まりが生じることがなく含水率の
低下を図ることができる。これにより難脱水スクリーン
渣でも安定した脱水が確実に行われるものとなる。

【０００７】

【実施例】以下本発明スクリーン渣の脱水方法を図示の
実施例にもとづいて説明する。図においてＡは下水処理
場等より回収されたスクリーン渣の脱水装置で、これは
ホッパー１を介して投入されたスクリーン渣を脱水する
筒形スクリーン２と、この筒形スクリーン２内を往復動
して投入スクリーン渣を所定圧にて加圧脱水するための
プランジャ３と、加圧脱水後のスクリーン渣を搬送する
搬送ダクト４と、プランジャと共働して加圧脱水し、か
つ搬送ダクト内に設けた背圧板５とより構成される。

【０００８】プランジャ３を前後進させる加圧シリンダ
３Ｓと背圧板５に力を与え、スクリーン渣の搬送ダクト
内通過時に抵抗を与える背圧シリンダ５Ｓとには油圧回
路が配設される。これは図１に示すように油圧ポンプＰ
から分岐された配管Ｐ１，Ｐ２を介して加圧シリンダ３
Ｓと背圧シリンダ５Ｓに夫々作動油を供給するようにな
すとともにこの配管Ｐ１の圧力を圧力センサーＳにて検
出し、この検出圧力を制御回路Ｃへ付加する。この制御
回路Ｃよりの制御信号をバルブモジュールＭへ供給し、
バルブモジュール内の電磁弁１０，１１を夫々制御し、
減圧弁６，７，８，９にて夫々セットした圧力にて加圧
シリンダ３Ｓ、背圧シリンダ５Ｓへ付加する作動油圧等
を制御するものである。

【０００９】この背圧板５は図２乃至図４に詳示する如
く搬送ダクト４またはフレームの一部に、軸５Ｐにて揺
動可能に枢着した背圧板フレーム５Ｆに、かつ搬送ダク
ト内のスクリーン渣を押圧する面に、狭幅状の背圧板片
５ａ，５ａ・・・をよろい張状に、しかも各背圧板片間
に所要の隙間を有するように配設固定してなるものであ
る。そしてこのよろい張状に配設される各背圧板片５ａ
の面はスクリーン渣を押圧脱水する際、スクリーン渣の
送りを円滑に行えるとともに徐々に加圧されるような少
し凹面形に湾曲するようにし、互いに隣接する背圧板片
はその先端側が先行隣接する背圧板片の後端上方に所要
の隙間をおいて少し重なるようにする。

【００１０】さらに背圧板片５ａの先端でスクリーン渣
と接する面側ではスクリーン渣の流れ（送り）をより滑
らかにするため図２に示すように少し斜方向にカットす
る。そして背圧板片間の隙間Ｃはこの背圧板部で加圧さ
れるスクリーン渣中の脱離水は排水されるが、スクリー
ン渣は排出されないようにして適当に定め、さらにスク
リーン渣の送り方向に向けて開口される。

【００１１】従って下水処理場等より回収されたスクリ
ーン渣がホッパーを経て筒形スクリーン２内に投入され
るとプランジャの前進と背圧板５の揺動（閉動作）とに
よる抵抗によりスクリーン渣は圧搾されて離脱水は筒形
スクリーンより排水される。しかし難脱水性のスクリー
ン渣ではプランジャの押圧のみでは完全に脱水されず、
所定含水率よりも高い状態で、この前進するプランジャ
にてスクリーン渣は搬送ダクト側へ送り出される。この
プランジャの前進状態ではスクリーン渣は背圧板との間
で加圧状態となり、円筒スクリーンを過ぎた位置でもこ
の加圧により脱水され離脱水が生じる。

【００１２】この背圧板部で生じる離脱水は背圧板面に
そってスクリーン渣が送り出されるとき、各背圧板片間
の隙間すなわちスクリーン渣の送り方向に開口した隙間
Ｃよりダクト外へ排水され、含水率が低下するものとな
る。しかも背圧板片間の隙間による開口はスクリーン渣
送り方向となっているので、脱離水の通過排水を許容す
るもスクリーン渣は背圧板片面にそって通過し、スクリ
ーン渣の排出及び隙間の目詰まりは防止される。

【００１３】

【発明の効果】本発明スクリーン渣の脱水方法は筒形ス
クリーン内に投入されたスクリーン渣を、該スクリーン
内を往復動するプランジャと筒形スクリーン端に接続さ
れた搬送ダクト内に備えた背圧板間にて加圧脱水するス
クリーン渣の脱水機において、背圧板フレームのスクリ
ーン渣と接する面に狭幅な背圧板片を互いにその先端と
後端とを重なり所望の水抜孔となる隙間を有するように
よろい張状にして構成し、かつ水抜孔をスクリーン渣送
り方向に開口させて、背圧板部で発生する離脱水をこの
水抜孔より排水するようになしているため、難脱水スク
リーン渣でも長時間の脱水状態が保持され、確実に安定
して脱水できる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明スクリーン渣の脱水方法を実施する一実
施例の説明図である。

【図２】本発明による脱水装置の背圧板の断面図であ
る。

【図３】図２の背面図である。

【図４】本発明背圧板による脱水の原理を示す説明図で
ある。

【符号の説明】

２ 筒形スクリーン ３ プランジャ ３Ｓ 加圧シリンダ ４ 搬送ダクト ５ 背圧板 ５Ｓ 背圧シリンダ ６，７，８，９ 減圧弁 １０，１１ 電磁弁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上殿 正之 兵庫県尼崎市下坂部３丁目11番１号 日立 機電工業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒形スクリーン内に投入されたスクリー
   ン渣を、該スクリーン内を往復動するプランジャと筒形
   スクリーン端に接続された搬送ダクト内に揺動可能に備
   えた背圧板間にて加圧脱水するスクリーン渣の脱水機に
   おいて、背圧板フレームのスクリーン渣と接する面に狭
   幅な背圧板片を互いにその先端と後端とを重なり所望の
   水抜孔となる隙間を有するようによろい張状にして構成
   し、かつ水抜孔をスクリーン渣送り方向に開口させて、
   背圧板部で発生する離脱水をこの水抜孔より排水するよ
   うになしたことを特徴とするスクリーン渣の脱水方法。