JPH0623837A - フイルムの製造方法 - Google Patents

フイルムの製造方法

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JPH0623837A
JPH0623837A JP14674393A JP14674393A JPH0623837A JP H0623837 A JPH0623837 A JP H0623837A JP 14674393 A JP14674393 A JP 14674393A JP 14674393 A JP14674393 A JP 14674393A JP H0623837 A JPH0623837 A JP H0623837A
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film
stenter
chain
oven
joint portion
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Akihiro Hikaku
昭広 日覚
Junichi Ujiie
淳一 氏家
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステンタのオーブン内で、フイルムをクリッ
プに把持させたまま長手方向にもリラックス処理できる
ようにし、熱収縮率と平面性を向上する。 【構成】 クリップチェン4の隣接クリップ6間にチェ
ンリンク7、7同士を互いに屈曲可能に連結するジョイ
ント部8を設け、該ジョイント部8に係合部材を設け、
該係合部材への係合によりチェンリンク7、7を互いに
屈曲させるガイドレール14を設けたステンタに、フイ
ルム2を供給し、ガイドレール14の設置位置によりジ
ョイント部8両側のチェンリンク7、7の屈曲率を調整
し、該屈曲率の調整によりフイルム2の長手方向のリラ
ックス率を調整して、ステンタ内でフイルムの長手方向
リラックス処理を行うフイルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フイルムを、該フイル
ムの巾方向両側をクリップで把持しつつオーブン内に走
行させ、オーブン内でフイルムを延伸後、リラックス処
理を行なうようにしたフイルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フイルム、とくに二軸に延伸され二軸配
向したフイルムにおいては、その寸法安定性を保ち熱収
縮率を低く保つために、通常ある温度条件下でリラック
ス処理が施される。このリラックス処理は、通常、フイ
ルム巾方向のリラックスについては、フイルムを巾方向
に延伸するオーブン(ステンタ装置)が利用され、フイ
ルムを巾方向両端で把持するクリップ間の距離をオーブ
ン内で縮めることにより行われる。フイルム長手方向の
リラックスについては、一般に、オーブン出口とその下
流側にあるロール(たとえばフイルム搬送用ロール、冷
却ロール、張力カット用ロール等)との間で、ロール周
速とオーブンに設けられているフイルム両端部を把持す
るクリップの走行速度とに差をもたせることにより行わ
れる。
【0003】ところが、オーブン出口とその下流側にあ
るロールとの間でリラックス処理を行うと、処理中のフ
イルムが外気(大気)に晒され、外気温は季節変動等に
よってばらつくため、処理温度を目標とする温度にでき
ないことがある。そのためリラックス処理の効果がばら
つき、得られたフイルムの長手方向の熱収縮率がばらつ
き、寸法安定性が損われるという問題がある。
【0004】長手方向の熱収縮率を所定の値に納めばら
つきを抑えるためには、所定のリラックス率の下で処理
温度を所定の一定値に保つ必要がある。この必要性を満
たす方法として、オーブン内ではなくオーブン外でロー
ルによって熱処理する方法と、オーブン内でフイルム長
手方向のリラックスについても行うようにした方法が知
られている(特公昭57−54290号公報)。この後
者の方法は、オーブン内でオーブン出口に至る前にフイ
ルムの両端部を切断分離し、切断された中央の製品フイ
ルム部をオーブン内からオーブン下流側の引取り工程ま
での間でリラックスさせるようにしたものである。この
方法によれば、フイルム長手方向のリラックスは主に外
気温の影響を受けないオーブン内で行われるので、熱収
縮率が低く抑えられかつそのばらつきが抑えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のロー
ル熱処理においては、リラックス処理中のフイルムにロ
ール上でフイルム巾方向の収縮が起こったり、フイルム
がロールに粘着気味になったりするので、フイルムにし
わが発生するという問題がある。また、ロール熱処理で
は長手方向のリラックス処理しかできないので、ステン
タ以外に専用のリラックス処理装置を持たなくてはなら
ないという問題が基本的にある。
【0006】一方、特公昭57−54290号公報に示
される方法は、上記のような問題がない点でロール熱処
理よりも優れている。しかし、フイルムを加熱状態で切
断するため、フイルムの抗張力が低くなり、厚手のフイ
ルムではその自重タルミが収縮応力よりも大きくなっ
て、たるんだフイルムがステンタのノズル等の各部に接
触してフイルムに傷が発生するという問題がある。この
タルミを避けるため、オーブン内でロールで受けるよう
にすれば、やはりロール表面との接触による傷つきの問
題が発生し、エアフローティング支持を採用すれば、フ
イルム上下両側のエア圧バランスがくずれかつオーブン
内における加熱エアの温度の均一性が損われて、却って
フイルムの平面性が悪化するおそれがある。また、薄手
のフイルムでは、高温状態のときに切断するとフイルム
巾方向に破断しやすいので安定製膜が不可能になる。
【0007】本発明は、上記のような問題点に鑑み、ス
テンタのオーブン内で、フイルムをクリップに把持させ
たまま巾方向とともに長手方向にもリラックス処理でき
るようにし、フイルムに傷や破断を生じさせることなく
フイルムの熱収縮率と平面性を向上することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
フイルムの製造方法は、オーブン内に、多数のチェンリ
ンクが無端環状に連結されたクリップチェンを走行さ
せ、該クリップチェンに、連続的に搬送されるフイルム
の両側を把持するクリップを取付けたステンタであっ
て、かつ、前記クリップチェンの隣接クリップ間にチェ
ンリンク同士を互いに屈曲可能に連結するジョイント部
を設けると共に、該ジョイント部に、前記屈曲に伴う該
ジョイント部の変位と共に変位する係合部材を設け、ス
テンタ内の走行しない固定部位に、前記係合部材に係合
することにより前記ジョイント部両側のチェンリンクを
互いに屈曲させるガイドレールを設けたステンタに、前
記フイルムを供給し、前記ガイドレールの設置位置によ
り前記ジョイント部両側のチェンリンクの屈曲率を調整
し、該屈曲率の調整により前記フイルムの長手方向のリ
ラックス率を調整して、前記ステンタ内で前記フイルム
の長手方向リラックス処理を行うことを特徴とする方法
からなる。
【0009】すなわち、従来のステンタではクリップチ
ェンのクリップ間部にはジョイントは設けられていなか
ったが、本発明方法に用いられるステンタではこの部位
にさらにジョイント部が設けられており、このジョイン
ト部両側のチェンリンクの屈曲率を調整することによ
り、隣接クリップ間の距離を調整することができるよう
になっている。
【0010】
【作用】本発明方法に用いられるステンタでは、クリッ
プ間のクリップチェン部が屈曲可能なリンク構造とさ
れ、ジョイント部両側のチェンリンクを互いに屈曲させ
ることにより、隣接クリップ間の距離を縮めることが可
能となる。ジョイント部両側のチェンリンクは、ジョイ
ント部に設けられた係合部材をガイドレールに係合させ
ることにより屈曲されるので、ガイドレールをステンタ
のオーブン内の適当なゾーン、つまり、延伸ゾーン以降
の適当なゾーンに設置すれば、オーブン内でクリップ間
距離がクリップ走行方向に縮められ、縮められた倍率分
フイルムはクリップに把持されたままオーブン内で長手
方向にリラックス処理される。このリラックス率は、チ
ェンリンクの屈曲率、つまりガイドレールによりジョイ
ント部(係合部材)をどの程度変位(オフセット)させ
るかによって決まり、ガイドレールの位置設定によりあ
る範囲内で任意に調整、設定可能である。したがって、
オーブン内でフイルムを切断することなくクリップに把
持したままで長手方向にリラックス処理することがで
き、巾方向については従来同様フイルム巾方向両側を走
行するクリップ間の距離を縮めることによりリラックス
処理されるので、温度の安定したオーブン内で巾方向、
長手方向の両方のリラックス処理が可能となり、所期の
目的が達成される。
【0011】
【実施例】以下に、本発明のフイルムの製造方法の望ま
しい実施例を図面を参照して説明する。図1ないし図5
は、本発明の一実施例に係る方法に用いるステンタを示
している。
【0012】図において、1はステンタ全体を示してお
り、ステンタ1には、矢印の方向にフイルム2が連続的
に搬送される。ステンタ1には、オーブン3(たとえば
熱風オーブン)と、フイルム2巾方向両側に設けられ、
多数のチェンリンクが無端環状に連結されたクリップチ
ェン4が設けられている。クリップチェン4は、フイル
ム2巾方向両側に設置されたレール5に沿って走行さ
れ、クリップチェン4には、フイルム2の巾方向両側を
それぞれ把持するクリップ6が多数取付けられている。
【0013】クリップ6は適当なピッチで配列される
が、従来の装置では隣接するクリップ間にはクリップチ
ェンのジョイントはない。しかし本発明方法に用いられ
るステンタには、隣接クリップ6間に、チェンリンク
7、7同士を互いに屈曲可能に連結するジョイント部8
が設けられている。チェンリンク7、7の一方のチェン
リンク7は、走行方向上流側の縦断面コ字状のクリップ
6が取付けられるチェンリンク9に連結され、他方のチ
ェンリンク7は、走行方向下流側のチェンリンク9に連
結されている。縦断面コ字状のチェンリンク9は、ベア
リング10を介してレール5に沿って走行され、したが
ってチェンリンク9に取付けられているクリップ6もレ
ール5に沿って走行される。
【0014】チェンリンク7、7は、本実施例では、縦
断面コ字状のチェンリンク9の上下両側に連結されてい
る。チェンリンク7、7は、ジョイントピン11を介し
て連結されることによりジョイント部8を構成してい
る。チェンリンク9は、上述の如くベアリング10を介
してレール5に沿って走行されるため、フイルム巾方向
にはレール5によって位置が拘束されるが、ジョイント
部8は、レール5に対しては位置拘束されない。
【0015】このジョイント部8には、チェンリンク
7、7の屈曲に伴う該ジョイント部8の変位とともに変
位する係合部材12が設けられている。係合部材12
は、本実施例ではベアリングから成り、ジョイントピン
11の軸心まわりに回転自在に取付けられている。
【0016】ステンタ1の走行されない固定部位、たと
えばレール5を支持している支持レール13に、上記係
合部材12に係合し、該係合によりチェンリンク7、7
を互いに屈曲させることが可能なガイドレール14が設
けられている。ガイドレール14は、レール5に沿う方
向に延びており、ステンタ1の後方のゾーンに設置され
ている。このゾーン15が、フイルム2を長手方向にリ
ラックス処理する長手方向リラックスゾーンとなってい
る。なお、16は、巾方向リラックスゾーン、17は熱
固定ゾーン、18は延伸ゾーン、19は予熱ゾーンであ
る。
【0017】なお、図5は、ステンタ出口(入口)部の
チェンホイール部を示しており、チェンホイール20の
ジョイント部8に相当する部位21には歯が設けられ
ず、チェンリンク9に相当する部位にのみ歯22が設け
られている。
【0018】上記のように構成された装置を用いて本発
明方法は次のように実施される。ジョイント部8が変位
されると、図6に示すようにチェンリンク7、7は互い
に屈曲される。ジョイント部8の変位は、係合部材12
がガイドレール14に係合しジョイント部8がクリップ
6方向に押されることにより行われ、ガイドレール14
が設けられていないゾーンではチェンリンク7、7は、
クリップチェン走行用駆動力による張力によって互いに
伸びきった状態にある。係合部材12としてのベアリン
グがガイドレール14に沿って転動し始めると、ジョイ
ント部8がチェン走行ラインに対してフイルム2巾方向
内側に位置がオフセットされチェンリンク7、7が互い
に屈曲される。
【0019】ジョイント部8が変位しチェンリンク7、
7が互いに屈曲すると、チェンリンク7、7にそれぞれ
連結されているチェンリンク9、9間の距離が縮めら
れ、チェンリンク9、9に取付けられているクリップ6
間の距離が縮められる。このクリップ6間の距離の短縮
の度合は、チェンリンク7、7の屈曲の度合、つまり、
チェンリンク7、7の屈曲率の調整によって調整でき
る。チェンリンク7、7の屈曲率は、ガイドレール14
の位置調整により、ジョイント部8をどの程度変位させ
るかによって調整できる。そして、このクリップ6間の
距離の短縮は、クリップ6にフイルム2を把持したま
ま、長手方向リラックスゾーン15の全領域にわたって
維持されるので、このゾーン15でフイルム2は長手方
向にリラックス処理される。
【0020】巾方向リラックス処理が巾方向リラックス
ゾーン16で、長手方向リラックス処理が長手方向リラ
ックスゾーン15で、ともにフイルム2を把持したまま
オーブン3内の温度分布の安定した領域で行われるの
で、フイルム2に傷や破れを発生させることなく均一な
所定のリラックス処理が可能となる。均一な所定のリラ
ックス処理により、目標とする熱収縮率が確実に得られ
る。また、クリップに張設されたまま、つまり、良好な
平面状態を保ったままリラックス処理されるので、平面
性に優れたフイルムが得られる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフイルム
の製造方法によるときは、オーブン内でフイルムの両端
をクリップに把持せしめたままで巾方向と長手方向の二
方向のリラックス処理が行えるので、従来法のような弛
み、ノズル等との接触によるフイルム傷発生の問題が解
消され、熱収縮率と平面性に優れたフイルムが製造でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る方法の実施に用いるス
テンタの平面図である。
【図2】第1図の装置のクリップチェン部の拡大部分平
面図である。
【図3】第2図の装置の正面図である。
【図4】第2図の装置の縦断面図である。
【図5】第1図の装置のチェンホイール部の拡大部分平
面図である。
【図6】第2図の装置のチェンリンクが屈曲したときの
状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 ステンタ 2 フイルム 3 オーブン 4 クリップチェン 5 レール 6 クリップ 7 チェンリンク 8 ジョイント部 9 クリップが取付けられるチェンリンク 10 ベアリング 11 ジョイントピン 12 係合部材としてのベアリング 14 ガイドレール 15 長手方向リラックス処理ゾーン 16 巾方向リラクッス処理ゾーン 18 延伸ゾーン 20 チェンホイール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーブン内に、多数のチェンリンクが無
    端環状に連結されたクリップチェンを走行させ、該クリ
    ップチェンに、連続的に搬送されるフイルムの両側を把
    持するクリップを取付けたステンタであって、かつ、前
    記クリップチェンの隣接クリップ間にチェンリンク同士
    を互いに屈曲可能に連結するジョイント部を設けると共
    に、該ジョイント部に、前記屈曲に伴う該ジョイント部
    の変位と共に変位する係合部材を設け、ステンタ内の走
    行しない固定部位に、前記係合部材に係合することによ
    り前記ジョイント部両側のチェンリンクを互いに屈曲さ
    せるガイドレールを設けたステンタに、前記フイルムを
    供給し、前記ガイドレールの設置位置により前記ジョイ
    ント部両側のチェンリンクの屈曲率を調整し、該屈曲率
    の調整により前記フイルムの長手方向のリラックス率を
    調整して、前記ステンタ内で前記フイルムの長手方向リ
    ラックス処理を行うことを特徴とするフイルムの製造方
    法。
JP14674393A 1993-05-27 1993-05-27 フイルムの製造方法 Expired - Lifetime JPH0764021B2 (ja)

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JPH0764021B2 JPH0764021B2 (ja) 1995-07-12

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009107317A (ja) * 2007-11-01 2009-05-21 Ichikin Kogyosha:Kk クリップおよび膜形成機
JP2011201040A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Hitachi Plant Technologies Ltd シート状物の延伸機
JP2012016855A (ja) * 2010-07-07 2012-01-26 Japan Steel Works Ltd:The フィルムの弛緩処理機構及びフィルムの横延伸機
JP2012081702A (ja) * 2010-10-14 2012-04-26 Hirano Giken Kogyo Kk テンター装置
CN102990917A (zh) * 2012-12-26 2013-03-27 桂林电器科学研究院 厚膜拉伸生产线的重载荷链铗

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