JPH08142209A - 熱可塑性フィルムの平面性改良方法 - Google Patents
熱可塑性フィルムの平面性改良方法Info
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Abstract
を提供する。 【構成】 ポリエチレンナフタレートフィルムを溶融押
出、二軸延伸し、写真乳剤用下塗りをしたもの10mを
平板上に展開して平面性を調べると、全面的に大きなし
わがあり、フィルムウエブ片側にたるみがあって、全体
的に曲がっていた。該フィルムを本発明の平面性改良装
置30を用いて、加熱室31は180℃、冷却室32は
60℃とし、加熱ローラ33,及び冷却ローラ35の直
径は10cmで、11cmのピッチでそれぞれ20個配
置した。遠赤外線ヒーター40の表面温度はhl:500℃、
h2:480 ℃、h3:480 ℃、h4 :480 ℃、h5:480 ℃、
h6:480 ℃、h7:500 ℃で左右対称にし、さらに、冷
却ローラ31について、上流より4,6及び8番目のロ
ーラの片側(たるみ部の反対側)の軸受けメタルを取付
基盤60よりジャッキボルト61によって3mm高く設
定した。
Description
フィルムの平面性を改良する方法に関するものである。
平面性を要求されるものとして、厚さ100〜200μ
m、幅1〜4mの写真フィルム用支持体がある。その代
表的なものとしては、フィルム用ドープをバンドなどの
流延支持体上に流延する溶液製膜法によって製膜された
セルローストリアセテートフィルムがある。また、押出
機を用いて帯状に溶融押出し、さらに二軸延伸する溶融
製膜法によって製膜されたポリエステルフィルムもあ
る。
障の一つとしては、フィルムウエブの搬送方向に発生す
る連続的なしわがある。例えば、大きなしわは、ピッチ
10〜50mm、凹凸の高さは1〜6mmのもの、小さ
なしわは、ピッチ0.3〜4.0mm、凹凸の高さ1〜
6μmのものなどである。また、フィルムウエブの幅方
向に部分的なたるみが発生する場合がある。この部分的
たるみ箇所はウエブの中央部や端部などさまざまであ
り、ウエブのたるみは、塗布機で高速搬送するとき、し
わの発生や、ウエブの搬送故障を引き起こす。しわなど
のフィルム面の凹凸は、写真乳剤層の塗布ムラの原因と
なるものである。
性を改良する従来の技術としては、特開平4−1521
25号公報に開示してあるように、セルローストリアセ
テートフィルムの溶液流延製膜方法において、残留溶媒
が10%以下となる乾燥の最終工程で該フルムの幅方向
に2〜6%延伸させる方法がある。その場合幅方向に延
伸する装置としては、ポリエステルフィルムの幅方向延
伸に用いるテンターマシンを用いている。
た従来の方法では、幅方向延伸機、すなわち、テンター
マシンを必要とするため、製膜設備費が莫大なものにな
るという欠点を有する。
面性改良方法を提供することを目的とする。
遠赤外線ヒーターと加熱ローラで加熱しつつ搬送して平
坦にするローラ加熱工程と、該ローラ加熱工程の直後に
冷却ローラで冷却しつつ搬送して固化させるローラ冷却
工程とを連続的に通過させる熱可塑性フィルムの平面性
改良方法において、前記ローラ加熱工程の遠赤外線ヒー
タを幅方向に区分してフイルムの平面性に対応して個別
に温度設定することを特徴とする熱可塑性フィルムの平
面性改良方法。 熱可塑性プラスチックフィルムからなるウエブを、
遠赤外線ヒーターと加熱ローラで加熱しつつ搬送して平
坦にするローラ加熱工程と、該ローラ加熱工程の直後に
冷却ローラで冷却しつつ搬送して固化させるローラ冷却
工程とを連続的に通過させる熱可塑性フィルムの平面性
改良方法において、前記ローラ冷却工程のフィルムの表
面温度が熱可塑性プラスチックフィルムのガラス転移点
温度近傍となる位置において、フイルムの平面性に対応
して冷却ローラの平行度を任意に調節することを特徴と
する熱可塑性フィルムの平面性改良方法。によって達成
される。
ぞれ複数の加熱ローラ群と冷却ローラ群とを設け、加熱
ローラ群で熱伝導あるいは遠赤外線ヒータの輻射によっ
て熱可塑性プラスチックフィルムを能率的に加熱した
後、冷却ローラ群で熱伝導で能率的に冷却する。加熱ロ
ーラ群及び冷却ローラ群のローラの数は、製膜速度、ロ
ーラ温度、膜厚、残留溶媒量によって適宜増減される
が、通常、10〜30本の間であり、また、ローラの直
径は、5〜20cmが好ましく、7〜15cmがより好
ましい。ローラ群の配置は、ローラ間隔が十分小さくな
るように、略同一平面または極接近した二つの平面に隣
接して配置する。ローラ間隔が大きすぎると、ローラ間
の非接触状態のフィルム長さが大きくなって新たにしわ
が発生し易い。その場合非接触状態のフィルム長さは、
搬送する熱可塑性プラスチックフィルムの剛性により変
化するが、通常、1〜30cmが好ましく、3〜15c
mがより好ましい。
クフィルムが十分軟化する温度であればよく、セルロー
ストリアセテートの場合、好ましくは100〜190
℃、より好ましくは120〜170℃である。ポリエチ
レンテレフタレートの場合、好ましくは130〜240
℃、より好ましくは160〜210℃である。またポリ
エチレンナフタレートの場合、好ましくは150〜26
0℃、より好ましくは180〜240℃である。加熱ロ
ーラを加熱するには、加熱ローラ自体にヒータなどの内
蔵熱源を設けて加熱しても、熱風の対流または遠赤外線
ヒータの輻射によって加熱してもよい。
ウエブの幅方向に区分して個別に温度を設定し、ウエブ
の幅方向の温度分布をフィルムの平面性に対応して任意
に調節できるものにしたことにある。遠赤外線ヒーター
の幅方向の区分は15〜30cm間隔が好ましい。遠赤
外線ヒータに代えて、幅方向に温度可変の吹出設備ある
いは幅方向に分割独立した温度設定可能なヒータ内蔵加
熱ローラを使用することも可能である。
塑性プラスチックフィルムの剛性が十分に得られる温度
であればよく、セルローストリアセテートの場合、好ま
しくは10〜95℃、より好ましくは20〜80℃であ
る。ポリエチレンテレフタレートの場合、好ましくは1
0〜110℃、より好ましくは20〜80℃である。ポ
リエチレンナフタレートの場合、好ましくは10〜12
0℃、より好ましくは20〜80℃である。冷却ローラ
を所定温度に維持するには、温風、または、所定温度の
冷媒を用いた冷却ローラを用いる。
立して左右別々に平行度を調節することができる構造を
有するが、平面性とくにフィルムウエブの曲がりを改良
する場合、加熱ローラで加熱されたフィルムが冷却ロー
ラで冷却される過程において、フィルムの表面温度が熱
可塑性プラスチックフィルムのガラス転移点温度(T
g)近傍となる位置の数本の冷却ローラの平行度を調節
して平面性を改良するものである。Tgを大幅に越える
温度或いはTgよりあるかに低い温度では効果がないこ
とを、本発明者らは見いだしている。又平行度の調節は
隣接ローラとの高さ調節によって行う。
平面性改良方法を図面に基づいて説明する。図1は、熱
可塑性プラスチックフィルムの平面性改良方法を実施す
る製造装置の一実施例の模式図である。図1において、
符号10は熱可塑性プラスチックフィルムの送出ロー
ル、符号20は巻取りロールである。送出ロールに代え
て、製膜工程から直接連続的にフイルムが供給される場
合もある。平面性改良装置30は、加熱室31と冷却室
32とが隣接して設けられており、加熱室31には多数
の加熱ローラ33を前述の如く略同一平面状に隣接して
配置した加熱ローラ群34が設けられ、冷却室32には
冷却ローラ35を略同一平面状に隣接して配置した冷却
ローラ群36が加熱ローラ群34に連続して配置されて
いる。また、加熱室31には、熱風供給口37が設けら
れて、この熱風供給口37から熱風aが室内に供給され
加熱ローラを対流によって加熱するようになっており、
冷却室32には、冷却風供給口38が設けられ、この冷
却風供給口38から冷却風bが室内に供給され冷却ロー
ラを対流によって冷却するようになっている。また、加
熱室31には、遠赤外線ヒータ40が設けられ輻射によ
って加熱ローラを加熱するようになっている。
上面図であり、遠赤外線ヒーターは幅方向に7区分して
あり、各区分のヒーターh1〜h7は熱可塑性プラスチ
ックフィルム50の平面性に対応してそれぞれ独立して
温度を設定することができる。
行度を調節する機構を示す1実施例の模式図である。冷
却ローラ35の軸受けメタルは、いずれも取付基盤60
に対して高さを左右独立に微調節することによって、ロ
ーラの平行度を調節することができる。高さ調節は例え
ばジャッキボルト61などを使用することができる。
ルムの平面性改良を行うには、平面性の悪い熱可塑性プ
ラスチックフィルム50を平面性改良装置30に送り込
み、加熱室31において熱風供給口37より熱風aを吹
き込み、対流によって加熱ローラを加熱しつつ、遠赤外
線ヒータ40により加熱ローラを照射加熱し加熱された
ローラ群34で熱可塑性プラスチックフルム50を巻回
しつつ搬送することにより、熱可塑性プラスチックフィ
ルム50を軟化させるとともに、発生しているしわ及び
部分的なたるみを加熱ローラによって解消させ、平滑な
表面にする。この時、しわ、または、たるみなどの平面
不良部がフィルムウエブ幅方向のどの位置にあるかによ
って、遠赤外線ヒータ40のh1〜h7の幅方向温度を
任意に設定をして、即ち、基本的には、しわの発生部分
の位置に相当する遠赤外ヒータの温度を比較的高く、ま
た、たるみ発生部分の位置に相当する遠赤外ヒータの温
度を比較的低く、緊張部分の位置に相当する遠赤外ヒー
タの温度を比較的高く設定する。搬送張力が小さい場合
は、逆の設定も有り得る。
8より冷風bを吹き込みつつ冷却ローラを冷却し、冷却
ローラ群36により加熱ローラによって矯正した平面状
態のまま固化させる。したがって、冷却室32から排出
された熱可塑性プラスチックフィルム50は、表面の凹
凸がない平面状態の良好なまま巻取りロール20に巻き
取られる。
端部に発生している場合、図3に示すように冷却ローラ
35にて他端部をジャッキボルト61によって隣接する
ローラより持ち上げて高さを調節することによって、ロ
ーラの平行度を調節してフィルムウエブ50の平面性を
改良する。この場合、フィルムウエブ50の幅方向の温
度分布は左右対称とするのが好ましい。左右の温度差が
あると、時間経過の後、ウエブの曲がりが発生しやすい
ことを本発明者らは見い出している。これは熱処理温度
によって経時収縮率が異なるためと推定される。
体として、セルローストリアセテート85重量%と可塑
剤としてトリフェニルホスフェート15重量%から成
り、すでに写真乳剤用の下塗りがしてあるフィルム厚み
120μm,幅1000mmのフィルムウエブを用い
た。該フィルム10mを平板上に展開し、平面性を調べ
ると、全面的に小さなしわ(ピッチ0.3〜4.0m
m、凹凸高さ1〜6μm)があり、フィルムウエブ両端
部にたるみがあった。
込んで平面性改良処理をした。加熱室31は130℃、
冷却室32は50℃であった。加熱ローラ33の直径は
10cmで、11cmのピッチで20個配置し、冷却ロ
ーラ35の直径は10cmで、11cmのピッチで20
個配置した。
430℃、h2:420℃、h3:460℃、h4:4
70℃、h5:460℃、h6:420℃、h7:43
0℃であった。
セルローストリアセテートフィルム10mを平板上に展
開して平面性を検査して結果、しわ及びたるみは改良さ
れ平坦であった。さらに、巻取ロール20を25℃、6
5%RHで1週間貯蔵した後、高速塗布機で写真乳剤を
塗布して塗布ムラを評価した。評価方法は現像処理後、
透過光を用いて色ムラを肉眼で判定した。その結果、フ
ィルムの平面性は良好で、写真乳剤の塗布ムラは殆どな
く良好であった。高速塗布機における搬送故障もなかっ
た。
ィルム用支持体として、厚み100μm,幅1000m
mのポリエチレンナフタレートフィルムを用いた。該フ
ィルムは溶融押出、二軸延伸し、写真乳剤用下塗りをし
たものである。該フィルム10mを平板上に展開して平
面性を調べると、全面的に大きなしわ(ピッチ30〜5
0mm、凹凸高さ5〜6mm)があり、フィルムウエブ
片側にたるみがあって、全体的に曲がっていた。
用いて平面性改良処理をした。加熱室31は180℃、
冷却室32は60℃であった。加熱ローラ33の直径は
10cmで、11cmのピッチで20個配置し、冷却ロ
ーラ35の直径は10cmで、11cmのピッチで20
個配置し、搬送速度は60cm/秒であった。
500℃、h2:480℃、h3:480℃、h4:4
80℃、h5:480℃、h6:480℃、h7:50
0℃で左右対称であった。
り4番目、6番目及び8番目のローラの片側(たるみ部
の反対側)の軸受けメタルを取付基盤60よりジャッキ
ボルト61によって3mm高く設定した。そして、得ら
れたポリエチレンナフタレートフィルムについて、実施
例−1と同様にして、平面性評価を行い、さらに写真乳
剤を塗布して塗布ムラを評価した。 その結果、フィル
ムの平面性は良好で写真乳剤の塗布ムラは殆どなく良好
であった。また、高速塗布機における搬送故障もなかっ
た。
ィルム用支持体を、本発明の平面性改良装置に送り込
み、その場合遠赤外線ヒーター40の表面温度を450
℃均一とした以外は実施例−1同一条件とした。そし
て、得られたセルローストリアセテートフィルムについ
て、実施例−1と同様にして平面性評価を行い、さらに
写真乳剤を塗布して塗布ムラを評価した。その結果、フ
ィルムウエブ中央部の平面性は改良されたが、両端部は
改良不十分で、写真乳剤の塗布ムラ目立っていた。ま
た、高速塗布機における搬送も不安定であった。
ィルム用支持体を本発明の平面性改良装置に送り込み、
冷却ローラの平行度を初期の位置に戻し、遠赤外線ヒー
ター40の温度分布をコントロールして平面性を改良し
た。すなわち、ヒーター表面温度をh1:550℃、h
2:530℃、h3:530℃、h4:510℃、h
5:500℃、h6:480℃、h7:490℃とし
た。その他の条件は実施例−2と同様とした。そして、
得られたポリエチレンナフタレートフィルム10mを平
板上に展開し平面性を検査した結果、しわ及びフィルム
ウエブの曲がりは改良されたが、しかし、巻取ロールを
25℃、65%RHで1週間貯蔵した後、実施例−1と
同様、写真乳剤を塗布したところウエブの搬送故障が発
生した。このフィルムウエブ10mを平板上に展開した
ところ、ウエブの曲がりが発生していた。
方法を具現化した装置を用いた結果、、設備費の高価な
幅方向延伸機を用いず、熱可塑性プラスチックフィルム
の平面性を改良することができ、写真乳剤層の均一な塗
布が可能となり、写真フィルムの品質を高めるととも
に、製造コストの低減に著しく寄与する。
性改良方法を実施する装置の一実施例の模式図である。
性改良方法を実施する装置の遠赤外線ヒーターの区分を
示す一実施例の模式図である。
性改良方法を実施する装置の冷却ローラの平行度を調節
するための一実施例の模式図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱可塑性プラスチックフィルムからなる
ウエブを、遠赤外線ヒータと加熱ローラで加熱しつつ搬
送して平坦にするローラ加熱工程と、該ローラ加熱工程
の直後に冷却ローラで冷却しつつ搬送して固化させるロ
ーラ冷却工程とを連続的に通過させる熱可塑性フィルム
の平面性改良方法において、前記ローラ加熱工程の遠赤
外線ヒータを幅方向に区分してフイルムの平面性に対応
して個別に温度設定することを特徴とする熱可塑性フィ
ルムの平面性改良方法。 - 【請求項2】 熱可塑性プラスチックフィルムからなる
ウエブを、遠赤外線ヒータと加熱ローラで加熱しつつ搬
送して平坦にするローラ加熱工程と、該ローラ加熱工程
の直後に冷却ローラで冷却しつつ搬送して固化させるロ
ーラ冷却工程とを連続的に通過させる熱可塑性フィルム
の平面性改良方法において、前記ローラ冷却工程のフィ
ルムの表面温度が熱可塑性プラスチックフィルムのガラ
ス転移点温度近傍となる位置において、フイルムの平面
性に対応して冷却ローラの平行度を任意に調節すること
を特徴とする熱可塑性フィルムの平面性改良方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30844094A JP3830107B2 (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 熱可塑性フィルムの平面性改良方法 |
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1994
- 1994-11-18 JP JP30844094A patent/JP3830107B2/ja not_active Expired - Fee Related
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