JPH06238158A - 複合壁マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

複合壁マイクロカプセルの製造方法

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JPH06238158A
JPH06238158A JP2826893A JP2826893A JPH06238158A JP H06238158 A JPH06238158 A JP H06238158A JP 2826893 A JP2826893 A JP 2826893A JP 2826893 A JP2826893 A JP 2826893A JP H06238158 A JPH06238158 A JP H06238158A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】マイクロカプセル壁として内壁膜と外壁膜とを
有し、耐溶剤性、耐圧性及び耐熱性にすぐれた複合壁を
有するマイクロカプセルの製造方法を提供することにあ
る。 【構成】本発明によるマイクロカプセルの製造方法は、
多価イソシアネート化合物とラジカル重合性モノマーと
ラジカル重合開始剤とを含有する疎水性芯物質を、水性
保護コロイド水溶液中に液滴状に乳化又は分散させ、次
いで、この水性保護コロイド水溶液中に前記多価イソシ
アネート化合物に反応性を有する壁膜形成物質を加え、
前記多価イソシアネート化合物と上記壁膜形成物質との
界面重合によつて外壁膜を形成させて、マイクロカプセ
ルを形成させた後、又は形成させつつ、マイクロカプセ
ルの内部において、前記ラジカル重合性モノマーを重合
させ、内壁膜を形成させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内壁膜と外壁膜とを有
し、機械的安定性、耐溶剤性、耐熱性等にすぐれる複合
壁マイクロカプセルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロカプセルの製造方法の一つとし
て、モノマーの重合によつてポリマーを生成させると同
時にカプセル壁を形成させる方法が既に知られている。
その代表的なものは、界面重合法及びin-situ 重合法で
あり、これらは、以下に示すような利点を有するので、
近年、多くの研究がなされている。 (1)マイクロカプセルの粒径の調整が比較的容易であ
ること。 (2)芯物質の内包量の調整が容易であること。 (3)高濃度でカプセル化することができること。
【0003】界面重合法は、疎水性モノマーと親水性モ
ノマーを用いて、芯物質の界面で重合反応をさせて、壁
膜を形成させる方法であるが、モノマーの組合せの選択
に関して、取扱い上の制約を受けること、緻密なカプセ
ル壁を得ることが容易ではなく、また、カプセル壁が耐
溶剤性に劣ること、更に、カプセル壁を厚くすることが
困難であるので、耐圧性に劣ること等の欠点を有してい
る。in-situ 重合法としては、例えば、特開昭56−1
0489号公報に記載されているように、芯物質の内部
からモノマーを重合させて、カプセル壁を形成させる方
法や、或いは特開昭54−49984号公報や特開昭5
6−51238号公報に記載されているように、芯物質
の外部からモノマーを重合させて、カプセル壁を形成さ
せる方法が知られているが、いずれも、得られるマイク
ロカプセルは、耐圧性、耐熱性及び耐溶剤性において不
十分である。
【0004】更に、特開昭56−102935号公報に
は、界面重合法とin-situ 重合法とを組み合わせたマイ
クロカプセルの製造方法が提案されているが、この方法
も、耐溶剤性、耐圧性及び耐熱性のすべてを満足するマ
イクロカプセルを得ることを可能とするものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のマイ
クロカプセルの製造における上記した問題を解決するた
めになされたものであつて、特に、マイクロカプセル壁
として内壁膜と外壁膜とを有し、耐溶剤性、耐圧性及び
耐熱性にすぐれた複合壁を有するマイクロカプセルの製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるマイクロカ
プセルの製造方法の第1は、多価イソシアネート化合物
とラジカル重合性モノマーとラジカル重合開始剤とを含
有する疎水性芯物質を、水性保護コロイド水溶液中に液
滴状に乳化又は分散させ、次いで、この水性保護コロイ
ド水溶液中に前記多価イソシアネート化合物に反応性を
有する壁膜形成物質を加え、前記多価イソシアネート化
合物と上記壁膜形成物質との界面重合によつて外壁膜を
形成させて、マイクロカプセルを形成させた後、又は形
成させつつ、マイクロカプセルの内部において、前記ラ
ジカル重合性モノマーを重合させ、内壁膜を形成させる
ことを特徴とする。
【0007】本発明によるマイクロカプセルの製造方法
の第2は、多価イソシアネート化合物とこの多価イソシ
アネート化合物に反応性を有する壁膜形成物質とラジカ
ル重合性モノマーとラジカル重合開始剤とを含有する疎
水性芯物質を、水性保護コロイド水溶液中に液滴状に乳
化又は分散させ、この液滴中にて前記多価イソシアネー
ト化合物とこの多価イソシアネート化合物に反応性を有
する壁膜形成物質とのin-situ 重合によつて外壁膜を形
成させて、マイクロカプセルを形成させた後、又は形成
させつつ、マイクロカプセルの内部において、前記ラジ
カル重合性モノマーを重合させ、内壁膜を形成させるこ
とを特徴とする。
【0008】以下に本発明の方法を詳細に説明する。本
発明による方法において用いる多価イソシアネート化合
物とは、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する
有機化合物を意味する。このような多価イソシアネート
化合物の具体例としては、例えば、m−フェニレンジイ
ソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6
−トリレンジイソシアネート,2,4−トリレンジイソシ
アネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフ
ェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメト
キシ−4,4'−ビフェニルジイソシアネート、3,3'−ジメ
チルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、キシ
リレン−1,4−ジイソシアネート、4,4'−ジフェニルプ
ロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,
2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネ
ート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シ
クロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソチオシアネート、キシ
リレン−1,4−ジイソチオシアネート、エチリジンジイ
ソチオシアネート等のトリイソシアネート、4,4'−ジメ
チルジフェニルメタン−2,2',5,5' −テトライソシアネ
ート等のテトライソシアネートを挙げることができる。
【0009】また、多価イソシアネート化合物として、
ヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサントリオール
の付加物、2,4 −トリレンジイソシアネートとプレンツ
カテコールの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキ
サントリオールの付加物、トリレンジイソシアネートと
トリメチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシ
アネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメ
チレンジイソシアネーとトリメチロールプロパンの付加
物等のような多価イソシアネートプレポリマーを挙げる
こともできる。
【0010】上記したなかでは、多価イソシアネート化
合物として、プレポリマーが特に好ましく用いられる。
勿論、上記したものの二種以上を併用することもでき
る。一方、上記多価イソシアネート化合物に反応性を有
する壁膜形成物質としては、多価アルコール類、ヒドロ
キシポリエステル類、ヒドロキシポリアルキレンエーテ
ル類、多価アミンのアルキレンオキサイド付加物、多価
アミン類等、分子内に活性水素を2個以上有する物質を
挙げることができる。
【0011】上記多価アルコール類は、脂肪族、芳香族
又は脂環族いずれであつてもよく、例えば、カテコー
ル、レゾルシノール、1,2−ジヒドロキシ−4−メチル
ベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−5−メチルベンゼン、
3,4−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、3,5−ジヒ
ドロキシ−1−メチルベンゼン、2,4−ジヒドロキシエ
チルベンゼン、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフ
タレンジオール、2,7−ナフタレンジオール、2,3−ナ
フタレンジオール、o,o'−ビフェノール、p,p'−ビフェ
ノール、ビスフェノールA、ビス−(2−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、キシリレンジオール、エチレングリコ
ール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレング
リコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリ
オール、ペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビト
ール等を挙げることができる。
【0012】ヒドロキシポリアルキレンエーテル類とし
ては、上記多価アルコール類とマロン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、グルコン酸等のポリカルボン
酸とから得られるヒドロキシポリエステル類を挙げるこ
とができ、ヒドロキシポリアルキレンエーテル類として
は、上記多価アルコール類とエチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレン
オキサキイドとの縮合生成物であるヒドロキシポリアル
キレンエーテル類を挙げることができ、多価アミンのア
ルキレンオキサイド付加物としては、o−フェニレンジ
アミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノナフタレ
ン、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,6−
ヘキサメチレンジアミン等の多価アミンのアミノ基の水
素のうちの少なくとも1個以上を前述のアルキレンオキ
サイドで置換させたものを挙げることができる。
【0013】更に、多価アミン類としては、例えば、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラ
エチレンペンタミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、
1,8−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレン
ジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジ
アミン、m−フェニレンジアミン、o−キシリレンジア
ミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミ
ン、メンタンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチル
シクロヘキシルノメタン、イソフォロンジアミン、1,3
−ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタール系ジアミ
ン等を挙げることができる。また、水も多価イソシアネ
ートに反応性を有する壁膜形成物質として用いることが
できる。
【0014】本発明において用いることができるラジカ
ル重合性モノマーとは、重合性二重結合を有する化合物
を意味し、具体的には、不飽和ニトリル類、例えば、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトンニトリ
ルや、ビニル系単量体、例えば、酢酸ビニル、スチレ
ン、ビニルトルエン、メチルスチレン、塩化ビニル、塩
化ビニリデン等、また、不飽和アミド類、例えば、アク
リルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、クロトン
アミド、マレイン酸アミド、イタコン酸アミド、不飽和
エステル類、例えば、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、m−プロピルメタクリレート、イソプロ
ピルメタクリレートのようなメタクリル酸エステル、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、m−プロピル
アクリレート、イソプロピルアクリレート、m−ブチル
アクリレートのようなアクリル酸エステル等を挙げるこ
とができる。
【0015】また、本発明においては、上記したラジカ
ル重合性モノマーと共に、多官能性、従つて、架橋性の
モノマー類、例えば、メチレンビスアクリルアミド、ジ
ビニルベンゼン、トリプロピレングリコールジアクリレ
ート、ビスフエノールAジグリシジルエーテルジアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ア
クリル化シアヌレート等を用いることもできる。
【0016】本発明に用いることができるラジカル重合
開始剤としては、有機過酸化物、例えば、ラウロイルパ
ーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケ
トンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、
2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレート、ジーt
−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、オクタ
ノイルパーオキシド等のアゾ系化合物、例えば、2,2−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−ア
ゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス
(シクロヘキシル−1−カルボニトリル)、VA−06
1、VA−080、VR−110、V−601(いずれ
も、和光純薬工業(株))等を挙げることができる。
【0017】また、本発明において用いることができる
保護コロイド剤としては、水溶性高分子化合物や水不溶
性無機微粉末等を例示することができる。これらの具体
例としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポ
リビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、メチルセルロース、ポリアクリル酸、アラビアゴ
ム、ゼラチン等、また、無機微粉末としては、例えば、
タルク、ベントナイト、有機ベントナイト、ホワイトカ
ーボン、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、微粒
子シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等を挙げる
ことができる。
【0018】本発明によるマイクロカプセルの製造方法
の第1は、基本的には、次のような工程からなる。 第1工程 保護コロイド剤を含む水性保護コロイド水溶液を調製す
る。ここに、本発明によれば、保護コロイド剤として、
水溶性高分子を用いる場合は、水100重量部に対し
て、0.2〜10重量部、好ましくは、0.5〜5重量部の
水溶性高分子を用い、また、保護コロイド剤として、無
機微粉末を用いる場合は、水100重量部対して、0.1
〜100重量部、好ましくは、1〜50重量部の無機微
粉末を用いるのが適当である。
【0019】第2工程 疎水性芯物質に多価イソシアネート化合物、ラジカル重
合性モノマー及びラジカル重合開始剤を加えてなる混合
液を上記第1工程において調製した水性保護コロイド水
溶液に液滴状に乳化又は分散させる。ここに、多価イソ
シアネート化合物の使用量は、上記混合液100重量部
に対して、1〜50重量部、好ましくは、5〜20重量
部の範囲である。また、ラジカル重合性モノマーの使用
量は、上記混合液100重量部に対して、1〜100重
量部、好ましくは、5〜50重量部の範囲である。ラジ
カル重合開始剤の使用量は、特に限定されるものではな
いが、通常、ラジカル重合性モノマ−100重量部に対
し、0.1〜10重量部、好ましくは、0.1〜5重量部の
範囲である。
【0020】第3工程 上記多価イソシアネート化合物に反応性を有する壁膜形
成物質を上記第2工程において得られた水性保護コロイ
ド水溶液に加え、攪拌下に、昇温することによつて、前
記疎水性芯物質を含む液滴の界面にて、ポリウレタン又
はポリウレア等のポリマーからなる外殻壁を形成させ
て、マイクロカプセルを形成させる。ここに、壁膜形成
物質の使用量は、多価イソシアート化合物100重量部
に対して、5〜100重量部であり、好ましくは、5〜
50重量の範囲である。この第3工程において、マイク
ロカプセルの分散液を得ることができる。
【0021】第4工程 第3工程において得られたマイクロカプセル分散液を更
にラジカル重合開始剤の開始温度以上に昇温することに
より、ラジカル重合によつて、ラジカル重合性モノマー
の重合体の内膜壁を前記外膜壁の内側に形成させる。し
かしながら、本発明の方法によれば、ラジカル重合開始
剤を適宜に選択することによつて、前記外膜壁の形成と
同時に、ラジカル重合性モノマーの重合によつて、その
ラジカル重合性モノマーの重合によるポリマーからなる
内膜壁を形成させることもできる。
【0022】本発明によるマイクロカプセルの製造方法
の第2は、基本的には、次のような工程からなる。 第1工程 保護コロイド剤を含む水性保護コロイド水溶液を調製す
る。 第2工程 多価イソシアネート、ラジカル重合性モノマー、ラジカ
ル重合開始剤及び上記多価イソシアネートに反応性を有
する壁膜形成物質を疎水性芯物質に加えてなる混合液を
上記第1工程にて調製した水性保護コロイド水溶液中に
液滴状に乳化又は分散させる。
【0023】第3工程 第2工程において得られた水性保護コロイド水溶液を攪
拌下に昇温することによつて、芯物質を含む混合液の界
面にてポリウレタン又はポリウレア等のポリマーからな
る外膜壁を形成させて、マイクロカプセルを形成させ
る。かくして、この第3工程において、マイクロカプセ
ルの分散液を得る。 第4工程 第3工程にて得られたマイクロカプセル分散液を更にラ
ジカル重合開始剤の開始温度以上に昇温することによつ
て、ラジカル重合性モノマーをラジカル重合させ、生成
したポリマーによつて内膜壁を前記外膜壁の内側に形成
させる。この工程における種々の試料の使用量は、前述
の工程と同じである。また、前述したと同様に、ラジカ
ル重合開始剤を適宜に選択することにによつて、外殻壁
の形成と同時に、ラジカル重合性モノマーの重合によつ
て、そのポリマーからなる内膜壁を形成させることもで
きる。
【0024】本発明の方法において、得られる複合壁マ
イクロカプセルの粒径は、特に限定されず、通常のマイ
クロカプセルと同じであつて、通常、数μm乃至数百μ
mの範囲である。また、得られる複合壁マイクロカプセ
ル中の芯物質量としては、全カプセル重量の30〜95
重量%、好ましくは40〜70重量%である。本発明の
マイクロカプセル内に内包しうる芯物質は、固体又は液
体のいずれでもよいが、好ましくは、用いるラジカル重
合性モノマーに可溶性のものが好ましい。また、本発明
の方法によれば、マイクロカプセルが水性媒体中で形成
されるので、芯物質の水に対する溶解度は、0.2重量%
以下であることが好ましい。以上のようにして、本発明
の方法に従つて得られる複合壁マイクロカプセルは、耐
溶剤性、耐圧性及び耐水性において特にすぐれた特性を
示す。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、以下において、部及び%とあるのは、それぞれ
重量部および重量%を意味する。また、得られたマイク
ロカプセルの芯物質含有率は高速液体クロマトグラムに
より求めた。粒径は沈降式粒度分布測定器を用いて、粒
度分布図から算出した。また、マイクロカプセルの耐溶
剤性、耐圧性、耐熱性は、次に示す方法で求めたもので
ある。
【0026】耐溶剤性 溶剤(トルエン、1,1,1−トリクロロエタン、シクロヘ
キサン又はメタノール)100部にマイクロカプセル3
0部を添加したものをアンプル中に封入し、40℃にて
約5時間攪拌した。その後、遠心分離を行なつて、マイ
クロカプセルを沈降分離後、上澄み液中のマイクロカプ
セル芯物質の量を高速液体クロマトグラムを用いて定量
し、マイクロカプセル芯物質の残存率を求めた。
【0027】耐圧性 マイクロカプセル20部を10%ポリビニルアルコール
水溶液30部に分散し、タイプライター用紙にマイクロ
カプセル塗布量が5.0g/m2になるようにアプリケータ
ーを用いて塗布し、更に、110℃で10分間乾燥し
て、シートを調製した。このシートに100kg/cm2
荷重を10分間加えた後、シート表面の状態を指触によ
り判定した。判定基準は、×:シート表面に液状物質
(芯物質)が目視においても観察され、指触によつて、
べたつきが感じられる、△:目視によつては液状物質は
観察されないが、指触によつて、べたつきが感じられ
る、○:目視、指触のいずれによつても、べたつきがみ
られない、とした。
【0028】耐熱性 マイクロカプセルを空気中にて150℃で5時間の熱処
理を行なつた後、芯物質の残存率を次式により求めた。 残存率(%)=〔(熱処理後含有率/熱処理前含有率)
×100
【0029】実施例1 メタクリル酸メチル48部、ジビニルベンゼン2部、ラ
ウロイルパーオキシド0.2部、トリレンジイソシアネー
ト3モル/トリメチロールプロパン1モル付加物11.1
部を芯物質である塩素化パラフィン(味の素製、塩パラ
L−50)50部中に均一に溶解させて、油相を調製し
た。
【0030】次いで、蒸留水800部とポリビニルアル
コール(クラレ製、ポバール220E)8部からなる水
相を調製した。続いて、上記油相と水相をホモミキサー
(特殊機化製)を用いて8000rpm で混合して、これ
を還流管、攪拌装置、滴下ろうと及び窒素導入管を備え
た重合反応器に仕込んだ。別に、トリエチレンテトラミ
ン5.6部を含んだ水溶液50mlを調製し、これを滴下ろ
うとを用いて、反応器中のエマルジョンに加えた後、5
0℃で5時間界面重合させた。
【0031】このようにして得られた反応生成物は、光
学顕微鏡による観察の結果、ポリウレタンウレアの単一
の壁からなるマイクロカプセルであることが確認され
た。次に、上記生成物を含んだ重合装置に窒素を導入
し、80℃で5時間重合した後、遠心分離機による分離
と洗浄を繰り返した後、乾燥し、自由流動性のある粒子
状の生成物を得た。この粒子を沈降式粒度分布測定装置
により測定したところ、平均粒径は7μmであつた。こ
れらの試料について、耐溶剤性、耐圧性及び耐熱性を評
価した。結果を表1に示す。
【0032】実施例2 芯物質として、塩素化パラフィンに変えて、ジイソプロ
ピルナフタレンを用いた以外は、実施例1と全く同様の
処理を行なつた。
【0033】実施例3 メタクリル酸メチル48部、ジビニルベンゼン2部、t
−ブチルパーオキシラウレート0.5部、トリレンジイソ
シアネート3モル/トリメチロールプロパン1モル付加
物11.1g、ポリテトラメチレングリコール(三洋化成
製、PTMG−1000)5.6gを芯物質である塩素化
パラフィン50部中に均一に溶解して、油相を調製し
た。
【0034】次いで、蒸留水800部とポリビニルアル
コール8部からなる水相を調製した。続いて、上記油相
と水相をホモミキサーを用いて8000rpm で混合し
て、これを還流管、攪拌装置及び窒素導入管を備えた重
合反応器に仕込み、70℃で10時間、in-situ 重合さ
せた。このようにして得られた反応生成物は、光学顕微
鏡による観察の結果、ポリウレタンウレアの単一の壁か
らなるマイクロカプセルであることが確認された。次
に、上記生成物を含んだ重合装置に窒素を導入し、95
℃で10時間重合した後、遠心分離機による分離と洗浄
を繰り返した後、乾燥して、自由流動性のある粒子状の
生成物を得た。この粒子を沈降式流動分布測定装置によ
り測定したところ、平均粒径は10μmであつた。この
試料について、耐溶剤性、耐圧性及び耐熱性を評価し
た。結果を表1に示す。
【0035】実施例4 芯物質として、塩素化パラフィンに代えて、ジイソプロ
ピルナフタレンを用いた以外は、実施例3と全く同様の
処理を行なつた。
【0036】実施例5 実施例1において、メタクリル酸メチル48部に代え
て、アクリロニトリル35部とメタクリル酸メチル13
部とからなる混合物を用いた以外は、実施例1と全く同
様の処理を行なつた。
【0037】比較例1 トリレンジイソシアネート3モル/トリメチロールプロ
パン1モル付加物20部を芯物質である塩素化パラフィ
ン50部中に均一に溶解して、油相を調製した。次い
で、蒸留水800部とポリビニルアルコール8部からな
る水相を調製した。続いて、上記油相と水相をホモミキ
サーを用いて8000rpm で混合して、これを還流管、
攪拌装置及び滴下ろうとを備えた重合反応器に仕込ん
だ。
【0038】別に、トリエチレンテトラミン10部を含
んだ水溶液50mlを調製し、これを滴下ろうとを用いて
反応器中に加えた後、80℃で5時間界面重合させた。
次に、得られたマイクロカプセル分散液について、遠心
分離機による分離と洗浄を繰り返したた後、乾燥して、
自由流動性のある粒子状の生成物を得た。この粒子を沈
降式粒度分布測定装置により測定したところ、平均粒径
は12μmであつた。これらの試料について、耐溶剤
性、耐圧性及び耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
【0039】比較例2 トリレンジイソシアネート3モル/トリメチロールプロ
パン1モル付加物20部とポリテトラメチレングリコー
ル10部を芯物質である塩素化パラフィン50部中に溶
解させて、油相を調製した。次いで、蒸留水800部と
ポリビニルアルコール8部からなる水相を調製した。続
いて、上記油相と水相をホモミキサーを用いて8000
rpm で混合して、これを還流管及び攪拌装置を備えた重
合反応器に仕込み、70℃で10時間、in-situ重合さ
せた。次に、得られたマイクロカプセル分散液につい
て、遠心分離機による分離と洗浄を繰り返した後、乾燥
して、自由流動性のある粒子状の生成物を得た。この粒
子を沈降式粒度分布測定装置により測定したところ、平
均粒径は7μmであつた。これらの試料について、耐溶
剤性、耐圧性及び耐熱性を評価した。結果を表1に示
す。
【0040】比較例3 メタクリル酸メチル48部、ジビニルベンゼン2部及び
ラウロイルパーオキシド0.2部を芯物質である塩素化パ
ラフィン50部中に均一に溶解して、油相を調製した。
次いで、蒸留水800部とポリビニルアルコール8部か
らなる水相を調製した。続いて、上記油相と水相をホモ
ミキサーを用いて8000rpm で混合して、これを還流
管、攪拌装置及び窒素導入管を備えた重合反応器に仕込
み、攪拌下、70℃で5時間重合させた。このようにし
て得られた生成物を遠心分離機による濾過と水洗を繰り
返した後、乾燥して、固体状生成物を得た。しかし、こ
の固体状生成物は2次凝集が著しいものであつた。これ
らの試料について、耐溶剤性、耐圧性及び耐熱性を評価
した。結果を表1に示す。
【0041】比較例4 塩素化パラフィン20部を10%ゼラチン水溶液100
部中にホモミキサーを用いて8000rpm で混合して、
0/W型エマルジョンを調製した。この後、このエマル
ジョンを温度50℃に加温し、攪拌しながら、これに2
0%アラビアゴム水溶液50部を加え、5%酢酸水溶液
にて、pHを4.4に調整した。これを5℃まで冷却し、3
3%ホルマリン水溶液5部を加え、10%カ性ソーダ水
溶液にてpHを9に上昇させ、約5時間架橋処理を行な
い、室温に戻して、マイクロカプセルスラリーを得た。
このようにして得られたマイクロカプセルスラリーを遠
心分離による濾過と水洗を繰り返した後、乾燥して、平
均粒径18μmの粉末状の生成物を得た。これらの試料
について、耐溶剤性、耐圧性及び耐熱性を評価した。結
果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の方法によるマイクロカプセル
は、マイクロカプセル壁として、内膜壁と外膜壁とから
なる複合壁を有し、種々の溶剤に対する耐溶剤性、耐圧
性及び耐熱性のいずれにもすぐれている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多価イソシアネート化合物とラジカル重合
    性モノマーとラジカル重合開始剤とを含有する疎水性芯
    物質を、水性保護コロイド水溶液中に液滴状に乳化又は
    分散させ、次いで、この水性保護コロイド水溶液中に前
    記多価イソシアネート化合物に反応性を有する壁膜形成
    物質を加え、前記多価イソシアネート化合物と上記壁膜
    形成物質との界面重合によつて外壁膜を形成させて、マ
    イクロカプセルを形成させた後、又は形成させつつ、マ
    イクロカプセルの内部において、前記ラジカル重合性モ
    ノマーを重合させ、内壁膜を形成させることを特徴とす
    る複合壁マイクロカプセルの製造方法。
  2. 【請求項2】多価イソシアネート化合物とこの多価イソ
    シアネート化合物に反応性を有する壁膜形成物質とラジ
    カル重合性モノマーとラジカル重合開始剤とを含有する
    疎水性芯物質を、水性保護コロイド水溶液中に液滴状に
    乳化又は分散させ、この液滴中にて前記多価イソシアネ
    ート化合物とこの多価イソシアネート化合物に反応性を
    有する壁膜形成物質とのin-situ 重合によつて外壁膜を
    形成させて、マイクロカプセルを形成させた後、又は形
    成させつつ、マイクロカプセルの内部において、前記ラ
    ジカル重合性モノマーを重合させ、内壁膜を形成させる
    ことを特徴とする複合壁マイクロカプセルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008156570A (ja) * 2006-12-26 2008-07-10 Sony Chemical & Information Device Corp 潜在性硬化剤粒子の製造方法、接着剤の製造方法、及び接着フィルムの製造方法
JP2017101164A (ja) * 2015-12-03 2017-06-08 デクセリアルズ株式会社 アルミニウムキレート系潜在性硬化剤、その製造方法及び熱硬化型エポキシ樹脂組成物

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