JPH06235941A - 液晶表示装置とその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置とその製造方法

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JPH06235941A
JPH06235941A JP30427993A JP30427993A JPH06235941A JP H06235941 A JPH06235941 A JP H06235941A JP 30427993 A JP30427993 A JP 30427993A JP 30427993 A JP30427993 A JP 30427993A JP H06235941 A JPH06235941 A JP H06235941A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 MIM素子を用いた液晶表示装置であって、
基板上に島状に形成した下部電極の表面を陽極酸化処理
して絶縁膜を作り、この絶縁膜を介して下部電極と重な
る複数の上部電極を設け、一部の上部電極を信号電極に
接続し、別の上部電極を画素電極に接続することによっ
て、信号電極と画素電極の間に複数のMIM素子を配置
する。これによりMIM素子の層構造が対称になって、
電流−電圧特性が対称になる。上部電極と画素電極は同
一の材料で作り、電極上に透明絶縁膜を形成する。 【効果】 波形の対称な電圧で液晶表示装置を駆動すれ
ばよいことになり、液晶層にかかる直流電圧成分が減っ
て、液晶の劣化や、コントラストの低下や、フリッカ現
象や、残像を生じる画像焼き付き現象等を防ぐことがで
きる。これによって表示品質が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非線形素子であるMI
M素子を備えた液晶表示装置の構造およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネルの実用化が進み、現在で
は高品位の画質が得られるアクティブマトリクス方式の
液晶表示装置が主流になりつつある。アクティブマトリ
クス方式とは、液晶表示装置の画素電極毎に、スイッチ
ング素子として3端子素子である薄膜トランジスタ(T
FT)や、2端子素子であるダイオードや非線形素子を
設けたものである。
【0003】2端子系の非線形素子には、金属膜−絶縁
膜−金属膜あるいは金属膜−絶縁膜−透明導電膜の3層
構造からなるMetal−Insulator−Met
al素子(MIM素子と呼ばれる)があり、これには、
タンタル膜(Ta)−酸化タンタル膜(Ta2 O5 )−
クロム膜(Cr)構造のものや、あるいはタンタル膜
(Ta)−酸化タンタル膜(Ta2 O5 )−酸化インジ
ュウムスズ膜(ITO)構造のものがある。また絶縁膜
として、酸化タンタル膜以外に酸化シリコン膜や酸化ア
ルミニュウム膜などが使用可能である。MIM素子は電
流−電圧(I−V)特性が非線形であり、これによって
液晶層への印加電圧のスイッチングが行われる。
【0004】タンタル膜(Ta)−酸化タンタル膜(T
a2 O5 )−酸化インジュウムスズ膜(ITO)構造の
MIM素子による従来例を、図17から図20の図面を
用いて説明する。図17は従来の液晶表示装置の平面
図、図18は図17の破線36で囲った部分の拡大平面
図、図19は信号電極とMIM素子と画素電極を示す平
面図、図20は図19のA−B線におけるMIM素子部
の断面図である。
【0005】図20にてMIM素子は、アクティブ基板
33の上に形成された下部電極であるタンタル(Ta)
膜43、絶縁膜である酸化タンタル(Ta2 O5 )膜4
4、そして上部電極である酸化インジュウムスズ膜の透
明導電膜45よりなる。タンタル膜と酸化タンタル膜か
らなる信号電極37が下部電極43に連続し、上部電極
45が酸化インジュウムスズ膜の画素電極38に連続し
ていて、外部信号は信号電極37よりMIM素子を介し
て画素電極38に印加される。
【0006】液晶表示装置は、図17と図18に示すご
とく、画素電極38およびMIM素子の形成されたアク
ティブ基板33と、画素電極38に向き合う対向電極4
0の形成された対向基板34を、それぞれ配向処理を施
した後、シール部35により一定の隙間を保つよう張り
合わせ、その隙間に液晶を封入したものである。図18
の実線21の内側が表示領域である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】MIM素子を用いた液
晶表示装置では、液晶の駆動に際して「焼き付き現象」
と呼ばれる不具合を生じる。図21のグラフによりこれ
を説明する。この例の液晶表示装置はノーマリー白の表
示であり、グラフは任意の画素に加える電圧を5分間隔
で切り換えた場合の透過率の変化を示すものである。最
初に透過率50%の表示の電圧を5分間(非選択期間T
1)印加し、次に透過率10%の表示の電圧を5分間
(選択期間T2)印加し、次に再び最初のT1の非選択
期間に印加した電圧と同じ電圧を5分間(非選択期間T
3)印加する。非選択期間T1と非選択期間T3を比べ
ると、印加電圧が等しいにもかかわらず透過率に差(Δ
T)が生じている。この例ではΔTは5%であった。こ
れから分かるように、実際の表示においても静止画を数
分以上表示した場合、この画像が次に表示される別の画
像の上に残って残像として認識される。これが「焼き付
き現象」で表示品質を著しく低下させるものであり、液
晶表示装置にとって実用上大きな問題である。焼き付き
現象は、駆動時に液晶層に直流電圧成分が加わるため
に、配向膜の分極や液晶自体の劣化が生じて起こると考
えられる。
【0008】図22は、従来見られるタンタル膜−酸化
タンタル膜−酸化インジュウムスズ構造からなるMIM
素子の、電流−電圧特性(I−V特性)を示すグラフで
ある。印加電圧の極性によって電流値が大きく異なって
おり、縦軸(印加電圧=0V)に関し非対称である。M
IM素子の上部電極である酸化インジュウムスズを、ク
ロム(Cr)あるいはチタン(Ti)などの金属膜に置
き換えると、非対称性はやや緩和されるが完全に対称に
はならない。MIM素子の電流−電圧特性が非対称であ
ると、液晶表示装置の交流駆動時に(+)フィールドと
(−)フィールドで液晶層に加わる電圧に差ができ、直
流成分を生じる。
【0009】このような直流電圧成分を除去する方法と
して、オフセット駆動法が提案されている。これは図2
3に示すように、セレクト期間(Ts)とホールド期間
(Th)の印加電圧を、(+)フィールドと(−)フィ
ールドでそれぞれ違え、素子特性の非対称を駆動電圧の
差で補償することにより、液晶層に直流電圧成分が加わ
らないようにする方法である。セレクト期間(Ts)の
電圧はVa1とVa2であり、ホールド期間(Th)の
電圧は、Vb1とVb2である。
【0010】オフセット駆動法により、液晶層を挟む画
素電極と対向電極間の直流電圧成分は低減する。しかし
ながら信号電極には、例えばVb1とVb2のような非
対称な電圧が印加されるから、アクティブ基板上の信号
電極と画素電極間には直流電圧成分が生じる。また、対
向電極と信号電極間にも直流電圧成分が生じる。このた
め、液晶層に加わる直流電圧成分を十分に低下させるこ
とができず、残像現象は完全には解消しない。
【0011】本発明の目的は、MIM素子の電流−電圧
特性の非対称性を解消し、液晶層への直流電圧成分の印
加を防いで、焼き付き現象のない、画像品質の良好な液
晶表示装置とその製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の液晶表示装置は次のような構造を用いる。
すなわち、下部電極を島状に形成し、その表面を陽極酸
化処理して絶縁膜を作り、この絶縁膜を介して下部電極
に接合する複数の上部電極を設けてMIM素子を形成
し、一部の上部電極を信号電極に接続し、別の上部電極
を画素電極に接続する。画素電極に接続する上部電極は
画素電極と同じ材料でこれと一体に形成する。これによ
り信号電極と画素電極の間に複数のMIM素子が配置さ
れ、この間を構成する各層の配列が対称になって、個々
のMIM素子における電流−電圧特性の非対称性が補償
され、対称な電流−電圧特性が得られるのである。
【0013】本発明では、さらに、上記のように形成し
たMIM素子および画素電極の上にパシベーション膜と
して透明絶縁膜を設けることを提案する。このパシベー
ション膜によって基板上の配向膜と電極が分離され、配
向膜分極が起こりにくくなって表示性能が改善される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明の第1の実施例である液晶表示装
置の画素電極周辺を示す平面図であり、図のC−D線に
おける断面を図2に示す。第1の基板1上に下部電極2
を設ける。下部電極2は膜厚100nmのタンタル(T
a)膜からなり、島状に形成される。下部電極2を陽極
酸化処理して、表面に酸化タンタル(Ta2 O5 )膜か
らなる膜厚35nmの絶縁膜3を設ける。
【0015】また、信号電極7とこれに連続した第1の
上部電極5と、画素電極8とこれに連続した第2の上部
電極6を設ける。第1の上部電極5と第2の上部電極6
は、MIM素子部10を構成する下部電極2の上に絶縁
膜3を介して設ける。信号電極7と第1の上部電極5と
第2の上部電極6と画素電極8は、いずれも透明導電
膜、たとえば酸化インジュウムスズ(ITO)で構成す
る。また、外部回路との接続を行うための接続部9を信
号電極7の一端に設ける。
【0016】以上の構成により、信号電極7と画素電極
8との間に設けられたMIM素子の構成は、酸化インジ
ュウムスズ−酸化タンタル−タンタル−酸化タンタル−
酸化インジュウムスズの順である。すなわち、信号電極
7と画素電極8の間の構造が対称になる。
【0017】このMIM素子の電流−電圧(I−V)特
性を、図3のグラフに示す。MIM素子は画素電極と信
号電極の間で対称な構造なので、極性の異なる印加電圧
(V)に対して電流(I)が対称になる。
【0018】このMIM素子を用いた液晶表示装置の焼
き付き現象を、図4のグラフで説明する。このグラフ
は、従来例の焼き付き現象を示す先の図21のグラフと
同様に、画素に印加する電圧を5分間隔で切り換えた場
合の透過率の変化を示している。液晶表示装置はノ−マ
リー白の表示である。最初に透過率50%の表示の電圧
を5分間(非選択期間T1)印加し、次に透過率10%
の表示の電圧を5分間(選択期間T2)印加し、次に再
び最初のT1の非選択期間に印加した電圧と同じ電圧を
5分間(非選択期間T3)印加する。本発明のMIM素
子の場合、非選択期間T1と非選択期間T3における透
過率の差(ΔT)は1%以下に低下し、さらに時間とと
もに急激に減少している。
【0019】図5は、本発明の液晶表示装置の信号電極
に印加する電圧の例を示す図である。セレクト期間T
s、およびホールド期間Thに印加する電圧は、(+)
フィールドのときそれぞれVs1とVh1であり、
(−)フィールドのときVs2とVh2である。MIM
素子の電流−電圧特性が対称であるため、Vs1とVs
2の絶対値とVh1とVh2の絶対値は、ともに等しく
することができる。
【0020】このように、本発明のMIM素子は電流−
電圧特性が対称であり、駆動電圧を対称にすることがで
きる。従って駆動中に液晶層にかかる直流電圧成分が著
しく減少するとともに、信号電極と画素電極、および信
号電極と対向電極間に直流電圧成分が印加されなくな
る。これにより表示上問題となる焼き付き現象が防止さ
れ、優れた表示品質の液晶表示装置が得られる。
【0021】次に、この実施例における液晶表示装置の
製造方法を、図6、図7および図8により説明する。図
6は下部電極2とこれに連続した疑似電極11および共
通電極部13を示す平面図である。図7は、下部電極2
を島状に形成した状態を示す平面図である。図8は、画
素電極8とこれに連続していて下部電極と交差する上部
電極6、信号電極7とこれに連続していて下部電極と交
差する上部電極5、そして信号電極7の一端に設けた接
続部9を形成した状態を示す平面図である。
【0022】まず図6において、ガラスの第1基板1上
にタンタル(Ta)膜を250nmの膜厚で全面に形成
する。次いでホトリソグラフィ法とエッチング法によ
り、下部電極2とこれに連続した疑似電極11および共
通電極部13をパターン形成する。次に、共通電極部1
3を陽極とし、クエン酸水溶液、あるいはホウ酸アンモ
ニウム水溶液を用いて、タンタル膜に陽極酸化処理を行
う。これにより、下部電極2と疑似電極11の表面に、
酸化タンタル(Ta2 O5 )の絶縁膜を35nmの膜厚
で形成する。
【0023】次にホトリソグラフィ法およびエッチング
法で、補助電極11と共通電極部13を除去し、図7に
示すように表面に絶縁膜が作られた島状の下部電極2を
形成する。これがMIM素子部10になる。
【0024】次に、基板表面に透明導電膜として酸化イ
ンジュウムスズ(ITO)膜を200nmの膜厚で形成
し、図8に示すように、ホトリソグラフィ法とエッチン
グ法により、画素電極8とこれに連続した第1の上部電
極6、信号電極7とこれに連続した第2の上部電極5、
そして信号電極7の一端の接続部9を同時にパターン形
成する。第1の上部電極5と第2の上部電極6は、下部
電極2と交差するように配置する。これによりMIM素
子を備えた液晶表示装置の基板が得られる。
【0025】以上の説明では、下部電極2と疑似電極1
1を形成して絶縁膜を設け、下部電極2を島状に分離し
た後、透明導電膜により信号電極7と画素電極8と第1
の上部電極5と第2の上部電極6を形成する例を示し
た。別の製造方法として、下部電極2と疑似電極11を
形成して絶縁膜を設け、続いて透明導電膜により信号電
極7と画素電極8と第1の上部電極5と第2の上部電極
6とを形成し、その後、下部電極2を疑似電極11から
分離する方法を取ることもできる。
【0026】次に、本発明の液晶表示装置の第2の実施
例を図面に基づいて説明する。図9は第2の実施例の画
素電極周辺を示す平面図であり、図のE−F線における
断面を図10に示す。第1の基板1上に、100nmの
膜厚のタンタル(Ta)からなる島状の下部電極2を設
ける。これを陽極酸化処理して、表面に酸化タンタル
(Ta2 O5 )の絶縁膜3を40nmの膜厚で設ける。
また、タンタル膜からなる補助電極14を形成する。補
助電極14は、後で形成する信号電極7の下層に位置す
るものであり、信号電極7を外部回路に接続するための
接続部9に至る。次に、信号電極7とこれに連続した第
1の上部電極5、画素電極8とこれに連続した第2の上
部電極6を、上部電極5、6が下部電極2と交差するよ
うに絶縁膜3の上に設ける。信号電極7と第1の上部電
極5と第2の上部電極6と画素電極8は、いずれも透明
導電膜、たとえば酸化インジュウムスズ(ITO)で構
成する。
【0027】この構造によれば、信号電極7と画素電極
8との間に設けられたMIM素子は、実施例1と同じく
対称な構造になる。従って、液晶層への直流成分の印加
がなくなって、表示上問題となる焼き付き現象の発生を
防ぐことができ、表示の良好な液晶表示装置が得られ
る。
【0028】さらに、この実施例においては、液晶表示
装置の大型化に伴う信号電極の抵抗値の増加による表示
品質の低下を防ぐため、ITOの信号電極7の下層に、
金属であるタンタル膜の補助電極14を形成してある。
これにより、信号電極7の抵抗値を減少させることがで
きる。また図9に示すように、接続部9において補助電
極14をリング状に形成してある。外部回路との接続の
際、透明導電膜のITOが見えにくくとも、リング状の
金属膜があるので容易に識別でき、接続部9に半導体集
積回路装置や外部接続端子を接続する作業の能率が向上
する。
【0029】次に、本発明の液晶表示装置の第3の実施
例を図面に基づいて説明する。図11は、第3の実施例
の画素電極周辺を示す平面図であり、図のG−H線にお
ける断面を図12に示す。この実施例は、MIM素子の
上部電極を下部電極の側面の絶縁膜に接するよう設ける
ことにより、素子面積の小さいMIM素子を形成するも
のである。
【0030】第1の基板1上には、250nmの膜厚の
タンタル(Ta)の下部電極2を島状に形成する。下部
電極2はMIM素子部10を構成する。下部電極2を陽
極酸化処理して、表面に酸化タンタル(Ta2 O5 )の
絶縁膜3を50nmの膜厚で設ける。図11にて、下部
電極2が矢印15の方向に伸びて疑似電極をなしていた
が、この図ではすでに除去されている。
【0031】次に、信号電極7とこれに連続した第1の
上部電極5、画素電極8とこれに連続した第2の上部電
極6を、上部電極5、6が下部電極2の側面に接して上
面に僅かにかかるように設ける。これらの電極はいずれ
も酸化インジュウムスズ(ITO)からなる。外部の回
路との接続を行うための接続部9を信号電極7の一端に
設けてある。
【0032】MIM素子の面積は、第1の上部電極5と
第2の上部電極6が、下部電極2の側面と上縁で絶縁膜
3を介して下部電極2に重なる面積になる。下部電極2
の膜厚が250nmと薄いので、接合面積の小さなMI
M素子が作れる。MIM素子部10も小さくできる。
【0033】これによれば、信号電極7と画素電極8と
の間に設けられたMIM素子は、先の各実施例と同じく
対称の構造になり、微細面積のMIM素子においても対
称な電流−電圧(I−V)特性を実現できる。従って良
好な表示品質の液晶表示装置が得られる。
【0034】次に、本発明の第4の実施例を図面に基づ
いて説明する。図13は第4の実施例の液晶表示装置の
画素電極周辺を示す平面図であり、図のI−J線におけ
る断面を図14に示す。第1の基板1の全面にスパッタ
リング法によりタンタル(Ta)を250nmの膜厚で
形成し、フォトエッチングにより、図13の斜線部がま
だ開口部16で切断されずにつながっている状態のパタ
ーンを得る。このパターンは下部電極2となる部分を含
んでる。
【0035】陽極酸化処理により、斜線領域の表面に酸
化タンタル(Ta2 O5 )の絶縁膜3を35nmの膜厚
で形成する。次にスパッタリング法により、酸化インジ
ュウムスズ(ITO)の透明導電膜を200nmの膜厚
で全面に形成する。次にフォトエッチング処理によって
ITOをパターニングし、MIM素子の第1の上部電極
5およびこれに連続した信号電極7と、第2の上部電極
6およびこれに連続した画素電極8を形成する。これら
のパタ−ンは図13に破線で示される。
【0036】スパッタリング法により、酸化タンタルあ
るいは酸化シリコンの透明絶縁膜17を200nmの膜
厚で全面に形成する。透明絶縁膜17はパシベーション
膜として機能する。次に、フォトエッチングにより開口
部16を作り、斜線領域をMIM素子部10と信号電極
7に分離する。
【0037】MIM素子部10にて、第1の上部電極5
と第2の上部電極6が絶縁層3を介して下部電極2と交
差する部分がMIM素子となる。本実施例では、MIM
素子面積が32μm2 のものを作製した。信号電極7と
画素電極8の間におけるMIM素子の構造は、先の各実
施例と同様に対称なものとなる。なお、信号電極7はタ
ンタル膜(斜線部)とITO膜(破線部)の2層構造で
あり、層間に絶縁膜3が介在して容量結合をなすから、
実施例2の図9、図10の場合のように二つの層が直接
に接合する構造ほどではないが、やはり信号電極の抵抗
を低くする効果がある。
【0038】図15は、本実施例のMIM素子を備えた
液晶表示装置の「焼き付き現象」の評価結果を示すグラ
フである。5分間の選択期間の前後で透過率の変動は
0.5%に止どまり、表示画像に残像は生じなかった。
【0039】本実施例の効果が顕著なのは、電圧−電流
特性が対称のMIM素子により、直流電圧成分の印加を
避けて液晶の劣化を抑えることができたのに加え、信号
電極7とMIM素子部10と画素電極8の上にパシベー
ション膜である透明絶縁膜17を形成したことにより、
配向膜と電極が分離されて配向膜分極が起きにくくなっ
たためと考えられる。
【0040】第4の実施例はこのように有効なものであ
るが、下部電極2が信号電極7や画素電極8に高抵抗を
介して接続されているため、外部の電圧に対して不安定
であり、図14に見るように開口部16の箇所で下部電
極2の側面にタンタルが露出していると、液晶内のイオ
ンの付着や配向膜の極性の偏り(分極)のために電気的
な変化が起こり、MIM素子の特性が変化する恐れがあ
る。
【0041】そこで第5の実施例として、第4の実施例
の工程で図13および図14の開口部16を作った後
に、信号電極7に電圧を印加することによりMIM素子
部10を介して下部電極2を陽極酸化処理し、図16に
示すように下部電極2の開口部16側の側面に酸化タン
タル(Ta2 O5 )の絶縁膜18を35nmの膜厚で形
成する。これによりタンタル表面が液晶や配向膜と直接
に接触することが避けられて素子の特性が安定化する。
【0042】開口部16にタンタルが露出するのを防ぐ
には、次の方法によることもできる。先の実施例4の工
程では、全面に透明絶縁膜17を施し、次いでフォトエ
ッチングで開口部16を作ったが、この工程を入れ替え
る。すると図14にて開口部16も透明絶縁膜17で覆
われることになり、タンタルの下部電極2の側面のうち
開口部16に面した部分が保護される。
【0043】以上に説明した各実施例では、上部電極と
これに連続した信号電極を同じ材料で作る例について説
明したが、両電極を別材料にして、上部電極にITO
膜、信号電極にチタン(Ti)膜を用い、両者の接続領
域を設けてもよい。また、ITO−酸化タンタル−タン
タル−酸化タンタル−ITOの構造のMIM素子の場合
を説明したが、電極材料としてタンタルの代わりに窒化
タンタル、タンタルシリサイド、タンタルアルミニウ
ム、またはタンタルチタンを用い、これらを陽極酸化処
理して非線形抵抗体である絶縁膜を作ることもできる。
また、透明導電膜としてITO膜のほか、薄膜金属膜、
あるいは導電性金属酸化膜の単層膜、あるいは導電性金
属酸化膜の積層膜を用いることもできる。
【0044】さらに、上記の各実施例において、ITO
−酸化タンタル−タンタルからなるMIM素子を2個直
列に接続して得られるITO−酸化タンタル−タンタル
−酸化タンタル−ITOの構造のMIM素子を示した
が、このような対称構造のMIM素子を複数個並列に接
続する構造としてもよい。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、液晶表
示装置に本発明のMIM素子を用いるならば、印加電圧
に対するMIM素子の電流特性の非対称性を解消し、液
晶層に加わる直流電圧成分を減らして、液晶の劣化を防
ぐことができる。これにより液晶表示装置のコントラス
トの低下や、フリッカ現象や、残像を生じる画像焼き付
き現象が避けられ、表示品質が向上する。特に焼き付き
現象に関しては、三端子系の素子に勝るとも劣らない特
性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の液晶表示装置の信号電
極とMIM素子と画素電極の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施例の液晶表示装置のMIM
素子部分の断面図である。
【図3】本発明の液晶表示装置のMIM素子の電流−電
圧特性を示すグラフである。
【図4】本発明の第1ないし第3の実施例の液晶表示装
置の焼き付き現象を示すグラフである。
【図5】本発明の液晶表示装置の信号電極に印加する駆
動波形を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例の製造工程におけるMI
M素子の下部電極と疑似電極の平面図である。
【図7】本発明の第1の実施例の製造工程におけるMI
M素子の下部電極の平面図である。
【図8】本発明の第1の実施例の製造工程における信号
電極とMIM素子と画素電極の平面図である。
【図9】本発明の第2の実施例の液晶表示装置の信号電
極とMIM素子と画素電極の平面図である。
【図10】本発明の第2の実施例の液晶表示装置のMI
M素子部分の断面図である。
【図11】本発明の第3の実施例の液晶表示装置の信号
電極とMIM素子と画素電極の平面図である。
【図12】本発明の第3の実施例の液晶表示装置のMI
M素子部分の断面図である。
【図13】本発明の第4の実施例の液晶表示装置の信号
電極とMIM素子と画素電極の平面図である。
【図14】本発明の第4の実施例の液晶表示装置のMI
M素子部分の断面図である。
【図15】本発明の第4の実施例の液晶表示装置の焼き
付き現象を示すグラフである。
【図16】本発明の第5の実施例の液晶表示装置のMI
M素子部分の断面図である。
【図17】従来例の液晶表示装置の平面図である。
【図18】従来の液晶表示装置の部分拡大平面図であ
る。
【図19】従来の液晶表示装置のの信号電極とMIM素
子と画素電極の平面図である。
【図20】従来の液晶表示装置のMIM素子部分の断面
図である。
【図21】従来の液晶表示装置の焼き付き現象を示すグ
ラフである。
【図22】従来の液晶表示装置のMIM素子の電流−電
圧特性を示すグラフである。
【図23】従来の液晶表示装置の信号電極に印加する駆
動波形を示す図である。
【符号の説明】
1 第1の基板 2 下部電極 3 絶縁膜 5 第1の上部電極 6 第2の上部電極 7 信号電極 10 MIM素子部 11 疑似電極 14 補助電極 16 開口部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MIM素子を用いる液晶表示装置におい
    て、MIM素子は島状に形成した下部電極と、該下部電
    極の表面を陽極酸化処理して形成した非線形抵抗体であ
    る絶縁膜と、該絶縁膜を介して下部電極に接合する複数
    の上部電極で形成し、該上部電極の一部を信号電極に接
    続し、別の上部電極を画素電極に接続することにより信
    号電極と画素電極との間に複数のMIM素子を配置し、
    上部電極と画素電極を同じ材料で構成することを特徴と
    する液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の液晶表示装置におい
    て、信号電極と上部電極と画素電極を同じ材料で構成す
    ることを特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の液晶表
    示装置において、信号電極と上部電極と画素電極は透明
    導電膜からなることを特徴とする液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3に記載の液晶表示装置
    において、MIM素子の上部電極は、絶縁膜を介して下
    部電極の上面に交差する配置であることを特徴とする液
    晶表示装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3に記載の液晶表示装置
    において、MIM素子の上部電極は、絶縁膜を介して下
    部電極の側面に接合する配置であることを特徴とする液
    晶表示装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3に記載の液晶表示装置
    において、信号電極は、MIM素子の下部電極と同じ材
    料からなる補助電極と、画素電極と同じ材料からなる配
    線電極との2層構成であることを特徴とする液晶表示装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし3に記載の液晶表示装置
    において、MIM素子の上部電極は酸化インジュウムス
    ズ膜、絶縁膜は酸化タンタル膜、下部電極はタンタル膜
    からなることを特徴とする液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし3に記載の液晶表示装置
    において、各電極上に透明絶縁膜を設けたことを特徴と
    する液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の液晶表示装置におい
    て、透明絶縁膜は酸化タンタルまたは酸化シリコンから
    なることを特徴とする液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 液晶表示装置の製造方法において、基
    板上に下部電極材料を形成してフォトエッチングにより
    パターニングし、下部電極およびこれに連続した疑似電
    極を形成する工程と、下部電極および疑似電極の表面に
    陽極酸化処理により絶縁膜を形成する工程と、フォトエ
    ッチングにより下部電極を残して疑似電極を除去する工
    程と、透明導電膜を形成してフォトエッチングによりパ
    ターニングし、上部電極と信号電極と画素電極を同時に
    形成する工程を含むことを特徴とする液晶表示装置の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 液晶表示装置の製造方法において、基
    板上に下部電極材料を形成してフォトエッチングにより
    パターニングし、下部電極およびこれに連続した疑似電
    極を形成する工程と、下部電極および疑似電極の表面に
    陽極酸化処理により絶縁膜を形成する工程と、透明導電
    膜を形成してフォトエッチングによりパターニングし、
    上部電極と信号電極と画素電極を同時に形成する工程
    と、下部電極を疑似電極から分離し島状にする工程を含
    むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 液晶表示装置の製造方法において、基
    板上に金属膜を形成してフォトエッチングによりパター
    ニングし、下部電極およびこれに連続した補助の信号電
    極部分を形成する工程と、金属膜表面に陽極酸化処理に
    より絶縁層を形成する工程と、透明導電膜を形成してフ
    ォトエッチングによりパターニングし、複数の上部電極
    と配線用の信号電極と画素電極を形成する工程と、透明
    絶縁膜を形成する工程と、下部電極と信号電極の境界に
    開口部を形成して両電極を分離する工程を含むことを特
    徴とする液晶表示装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12の液晶表示装置の製造方法
    の工程のうち、透明絶縁膜を形成する工程と、下部電極
    と信号電極の境界に開口部を形成して両電極を分離する
    工程の順序を交換したことを特徴とする液晶表示装置の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項12の液晶表示装置の製造方法
    の工程に加えて、さらに、信号電極に電圧を印加するこ
    とにより下部電極に陽極酸化処理を行い、開口部に面し
    た下部電極の側面に絶縁膜を形成する工程を設けたこと
    を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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