JPH06233564A - 超音波モータ及び超音波搬送装置 - Google Patents

超音波モータ及び超音波搬送装置

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JPH06233564A
JPH06233564A JP5018604A JP1860493A JPH06233564A JP H06233564 A JPH06233564 A JP H06233564A JP 5018604 A JP5018604 A JP 5018604A JP 1860493 A JP1860493 A JP 1860493A JP H06233564 A JPH06233564 A JP H06233564A
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electro
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Takahiro Oda
高広 小田
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Oki Electric Industry Co Ltd
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  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
  • Feeding Of Articles By Means Other Than Belts Or Rollers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】発生するトルクを大きくすることができ、回転
を安定させることができる超音波モータ及び超音波搬送
装置を提供する。 【構成】両端の固定部13a,13b間に締付部13
c,13dを備えた段付円柱形状弾性体13の設定され
た箇所に電気−機械エネルギ変換素子14が固定され
る。該電気−機械エネルギ変換素子14に、位相差を形
成した交流電圧が印加され、複数の振動モードが形成さ
れる。前記電気−機械エネルギ変換素子14を挟持して
一対の円筒形状弾性体11,12が段付円柱形状弾性体
13に固定される。したがって、前記円筒形弾性体1
1,12の自由端11b,12bに回転振動又は楕円
(だえん)振動が発生する。そして、自由端11b,1
2bに圧接させられた駆動ローラは回転振動又は楕円振
動によって回転する。円筒形状弾性体11,12に加え
られる力は、電気−機械エネルギ変換素子14によって
受けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気−機械エネルギ変
換素子を使用した超音波モータ及び超音波搬送装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動現金取扱機、電話、自動切符
発行機等で使用されるカード、又はプリンタ、ファクシ
ミリ、複写機等で使用される紙、フィルム等(以下、
「シート状搬送物」という。)を搬送するために、超音
波モータが使用されていて、金属角柱から成る角柱振動
子を共振周波数で屈曲振動させ、該角柱振動子の両端に
配設されたカップ状回転ローラを回転させてシート状搬
送物を搬送するようになっている(特開平1−2746
74号公報、特開平1−274675号公報参照)。
【0003】図2は従来の超音波モータに使用される圧
電振動子の斜視図である。図において、100は圧電振
動子であり、該圧電振動子100はほぼ正方形の断面を
有する金属角柱101を有しており、該金属角柱101
の隣接する二つの面に圧電セラミックス薄板102a,
102bが接着される。該圧電セラミックス薄板102
a,102bは、厚さ方向に分極されるとともに裏表両
面に図示しない電極が形成される。そして、該電極を介
して圧電セラミックス薄板102a,102bに対しあ
らかじめ設定した方法によって交流電圧を加えると、電
界が発生して前記圧電セラミックス薄板102a,10
2bが伸縮振動する。この場合、前記金属角柱101は
ほぼ正方形の断面を有するため、互いに直角な方向にほ
ぼ同じ共振周波数で屈曲振動する。
【0004】そして、前記圧電セラミックス薄板102
a,102bに対し、それぞれの周波数が金属角柱10
1の共振周波数に等しく、位相が90〔°〕異なる交流
電圧を印加すると、金属角柱101の両端は回転振動又
は楕円(だえん)振動する。前記金属角柱101の両端
には円板103a,103bが装着され、更に金属角柱
101に発生する屈曲振動の節に支持ピン104a,1
04bが設けられ、該支持ピン104a,104bによ
って金属角柱101は安定して支持される。
【0005】図3は従来の超音波モータの斜視図であ
る。図において、100は圧電振動子、101は金属角
柱、103bは円板、104a,104bは支持ピンで
ある。前記金属角柱101の両端に装着された円板10
3a(図2),103bの外周に、円板103a,10
3bの外径よりわずかに大きい内径を有するカップ状回
転ローラ201a,201bが配設される。したがっ
て、前記金属角柱101の両端が回転振動又は楕円振動
すると、円板103a,103bはカップ状回転ローラ
201a,201bと接触し、該カップ状回転ローラ2
01a,201bを摩擦力で回転させる。なお、該カッ
プ状回転ローラ201a,201bは、軸受202a,
202bによって回転自在に支持される。
【0006】図4は従来の超音波搬送装置の斜視図であ
る。図において、100は圧電振動子、101は金属角
柱、104a,104bは支持ピン、201a,201
bはカップ状回転ローラ、202a,202bは軸受で
ある。前記カップ状回転ローラ201a,201bに対
して圧接するように補助ローラ301a,301bが配
設され、該補助ローラ301a,301bを軸受302
a,302bが回転自在に支持する。また、前記補助ロ
ーラ301a,301bは互いに軸303によって連結
される。
【0007】そして、前記金属角柱101の両端が回転
振動又は楕円振動すると、前記カップ状回転ローラ20
1a,201bが回転し、補助ローラ301a,301
bが従動して回転する。したがって、該カップ状回転ロ
ーラ201a,201bと補助ローラ303a,303
b間に図示しないシート状搬送物を挿入すると、該シー
ト状搬送物を容易に搬送することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の超音波モータ及び超音波搬送装置においては、シー
ト状搬送物を搬送する間に、前記カップ状回転ローラ2
01a,201bが円板103a,103bを押圧する
ことによって金属角柱101に加えられる力の方向と、
圧電セラミックス薄板102a,102bが伸縮するこ
とによって金属角柱101に加えられる力の方向が一致
しないため、金属角柱101に加えられる力を圧電セラ
ミックス薄板102a,102bの伸縮振動によって受
けることができない。したがって、カップ状回転ローラ
201a,201bが円板103a,103bを押圧す
る力が大きくなると、金属角柱101の曲げ剛性、及び
金属角柱101と圧電セラミックス薄板102a,10
2bの間の接着強度に影響が与えられ、回転振動又は楕
円振動の共振周波数及び振幅が変動し、発生するトルク
を大きくすることができなくなってしまう。
【0009】さらに、前記金属角柱101とカップ状回
転ローラ201a,201bが別々に支持されるため、
超音波モータ及び超音波搬送装置を各種装置へ実装する
時の位置合せが困難となり、カップ状回転ローラ201
a,201bの回転にむらが生じてしまう。本発明は、
前記従来の超音波モータ及び超音波搬送装置の問題点を
解決して、発生するトルクを大きくすることができ、回
転を安定させることができる超音波モータ及び超音波搬
送装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の超
音波モータにおいては、両端に固定部を、該固定部間に
締付部を備えた段付円柱形状弾性体が設けられ、前記固
定部が超音波搬送装置などの本体に支持される。前記段
付円柱形状弾性体の設定された箇所に電気−機械エネル
ギ変換素子が固定され、複数の平面内に振動モードを形
成する。また、該電気−機械エネルギ変換素子を挟持し
て一対の円筒形状弾性体が設けられ、前記段付円柱形状
弾性体に固定される。
【0011】そして、設定された位相差を形成して複数
の交流電圧を前記電気−機械エネルギ変換素子に印加す
る手段が設けられる。各円筒形状弾性体の自由端に駆動
ローラが圧接させられ、該自由端に発生する振動によっ
て前記駆動ローラが回転する。前記電気−機械エネルギ
変換素子を一つの素子本体で形成した場合、素子本体は
少なくとも三つに分割され、厚さ方向に分極された分極
部分から成る。
【0012】この場合、少なくとも一つの分極部分が、
電気的な入出力を切り換える切換手段に接続され、該切
換手段は、電気−機械エネルギ変換素子の駆動と振動状
態の検出を選択的に行う。また、前記電気−機械エネル
ギ変換素子を、複数の素子本体を積層して形成した場
合、素子本体は少なくとも二つに分割され、厚さ方向に
分極された分極部分から成る。
【0013】この場合、少なくとも一つの素子本体が、
電気的な入出力を切り換える切換手段に接続され、該切
換手段は、電気−機械エネルギ変換素子の駆動と振動状
態の検出を選択的に行う。そして、各駆動ローラの回転
を同期させるために同期手段を備えることができる。ま
た、前記駆動ローラの回転を受けて回転するローラを設
け、駆動ローラとローラの間で伝達することが可能な力
の大きさを、前記自由端と駆動ローラの間で伝達するこ
とが可能な力の大きさより小さく設定することができ
る。
【0014】さらに、本発明の超音波搬送装置において
は、前記駆動ローラに対向して補助ローラを配設し、前
記駆動ローラ及び補助ローラは、シート状搬送物を挟持
して搬送することができる位置に配設される。
【0015】
【作用】本発明によれば、前記のように超音波モータ
は、両端に固定部を、該固定部間に締付部を備えた段付
円柱形状弾性体を有し、前記固定部が超音波搬送装置な
どの本体に支持される。前記段付円柱形状弾性体の設定
された箇所に電気−機械エネルギ変換素子が固定され
る。そして、該電気−機械エネルギ変換素子に、設定さ
れた位相差を形成して複数の交流電圧が印加されると、
複数の平面内に振動モードが形成される。
【0016】また、前記電気−機械エネルギ変換素子を
挟持して一対の円筒形状弾性体が設けられ、前記段付円
柱形状弾性体に固定される。したがって、前記円筒形状
弾性体の自由端に回転振動又は楕円振動が発生する。各
円筒形状弾性体の自由端に駆動ローラが圧接させられて
いるので、前記自由端に発生する回転振動又は楕円振動
によって駆動ローラが回転する。
【0017】前記電気−機械エネルギ変換素子を一つの
素子本体で形成した場合、素子本体は少なくとも三つに
分割され、厚さ方向に分極された分極部分から成る。そ
して、各分極部分にそれぞれ設定された位相差を形成し
て複数の交流電圧が印加される。この場合、少なくとも
一つの分極部分が、電気的な入出力を切り換える切換手
段に接続され、該切換手段は、電気−機械エネルギ変換
素子の駆動と振動状態の検出を選択的に行う。この振動
状態に対応して前記交流電圧を制御し、駆動ローラの回
転を安定させることができる。
【0018】また、前記電気−機械エネルギ変換素子
を、複数の素子本体を積層して形成した場合、素子本体
は少なくとも二つに分割され、厚さ方向に分極された分
極部分から成る。そして、各素子本体の分極部分にそれ
ぞれ設定された位相差を形成して複数の交流電圧が印加
される。この場合、少なくとも一つの素子本体が、電気
的な入出力を切り換える切換手段に接続され、該切換手
段は、電気−機械エネルギ変換素子の駆動と振動状態の
検出を選択的に行う。この振動状態に対応して前記交流
電圧を制御し、駆動ローラの回転を安定させることがで
きる。
【0019】各駆動ローラの回転を同期させるために同
期手段を備えることができ、各駆動ローラの回転数に差
が発生するのを防止することができる。また、前記駆動
ローラの回転を受けて回転するローラを設け、駆動ロー
ラとローラの間で伝達することが可能な力の大きさを、
前記自由端と駆動ローラの間で伝達することが可能な力
の大きさより小さく設定することができる。
【0020】さらに、本発明の超音波搬送装置において
は、前記駆動ローラに対向して補助ローラを配設し、前
記駆動ローラ及び補助ローラは、シート状搬送物を挟持
して搬送することができる位置に配設される。前記回転
振動又は楕円振動によって駆動ローラが回転すると、シ
ート状搬送物は1枚ずつ分離させられ搬送される。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施例を
示す超音波モータに使用される円筒型振動子の斜視図、
図5は本発明の第1の実施例を示す超音波モータに使用
される円筒型振動子の側面図、図6は本発明の第1の実
施例における円筒型振動子の振動モードを示す図であ
る。図6の(a)は円筒型振動子の第1の振動モードを
示す図、(b)は円筒型振動子の第2の振動モードを示
す図、(c)は円筒型振動子の第3の振動モードを示す
図、(d)は円筒型振動子の第4の振動モードを示す図
である。
【0022】図1及び5において、10は円筒型振動子
であり、該円筒型振動子10は一対の円筒形状弾性体1
1,12によって電気−機械エネルギ変換素子14を挟
持するとともに、円筒形状弾性体11,12のそれぞれ
を内部に配設された段付円柱形状弾性体13に締め付け
接着することによって形成される。前記電気−機械エネ
ルギ変換素子14は、中央に穴が形成され、複数に分割
されるとともに厚さ方向に分極されている。
【0023】また、前記段付円柱形状弾性体13は固定
部13a,13b及び締付部13c,13dを有し、該
締付部13c,13dと各円筒形状弾性体11,12の
内周面にねじが形成されており、締付け及び接着の作業
を容易にしている。そして、電気−機械エネルギ変換素
子14に図示しないリード端子を介して交流電圧を印加
することによって円筒型振動子10は振動する。
【0024】なお、前記段付円柱形状弾性体13と各円
筒形状弾性体11,12の間を締め付け接着する際に、
各円筒形状弾性体11,12と電気−機械エネルギ変換
素子14の間及び段付円柱形状弾性体13と電気−機械
エネルギ変換素子14の間はいずれも電気的に絶縁され
る。そして、前記段付円柱形状弾性体13の締付部13
c,13dを図示しない超音波搬送装置の本体に固定
し、電気−機械エネルギ変換素子14に交流電圧を印加
すると、円筒型振動子10は図6の(a)〜(d)に示
す四つの振動モードで振動する。すなわち、前記電気−
機械エネルギ変換素子14自体をx−z平面内で撓(た
わ)み振動させると、円筒型振動子10は図6の(a)
及び(b)に示すように撓み振動し、前記電気−機械エ
ネルギ変換素子14自体をy軸方向において縦振動させ
ると、円筒型振動子10は図6の(c)及び(d)に示
すように撓み振動する。
【0025】そして、図の(a)の第1の振動モードに
おいては、円筒形状弾性体11,12がx−y平面内で
二次撓み振動し、円筒形状弾性体11と円筒形状弾性体
12の連結部を構成する電気−機械エネルギ変換素子1
4に節15が、各円筒形状弾性体11,12の切欠部1
1a,12aの位置に節16a,16bが形成される。
なお、実線17a及び破線17bは前記円筒形状弾性体
11,12の撓み振動を示す線である。
【0026】一方、前記段付円柱形状弾性体13は、節
15において円筒形状弾性体11,12と接触している
ため、二点鎖線17cで示すようにほとんど振動しな
い。したがって、段付円柱形状弾性体13の両端の固定
部13a,13bを円筒型振動子10の支持点とするこ
とができ、支持損失を低減することができる。また、図
の(b)の第2の振動モードにおいては、円筒形状弾性
体11,12がy−z平面内で二次撓み振動し、円筒形
状弾性体11と円筒形状弾性体12の連結部を構成する
電気−機械エネルギ変換素子14に節15が、各円筒形
状弾性体11,12の切欠部11a,12aの位置に節
16a,16bが形成される。なお、実線17a及び破
線17bは前記円筒形状弾性体11,12の撓み振動を
示す線である。
【0027】一方、この場合も第1の振動モードと同様
に前記段付円柱形状弾性体13は、節15において円筒
形状弾性体11,12と接触しているため、二点鎖線1
7cで示すようにほとんど振動しない。したがって、段
付円柱形状弾性体13の両端の固定部13a,13bを
円筒型振動子10の支持点とすることができ、支持損失
を低減することができる。
【0028】そして、第1、第2の振動モードにおける
二次撓み振動の共振周波数を一致させるか十分近接さ
せ、各節15,16a,16bの位置を一致させるか十
分近接させ、位相を90〔°〕異ならせることによっ
て、円筒形状弾性体11,12の自由端11b,12b
を回転振動又は楕円振動させることができる。また、自
由端11b,12bを回転振動又は楕円振動させやすく
するために、円筒形状弾性体11,12の節16a,1
6bの位置と一致させるか十分近接した位置に切欠部1
1a,12aが形成される。
【0029】そして、図の(c)の第3の振動モードに
おいては、円筒形状弾性体11,12がx−y平面内で
一次撓み振動し、円筒形状弾性体11,12の切欠部1
1a,12aの位置に節16c,16dが形成される。
なお、実線17d及び破線17eは前記円筒形状弾性体
11,12の撓み振動を示す線である。一方、前記段付
円柱形状弾性体13は、腹18において円筒形状弾性体
11,12と接触しているため、二点鎖線17f及び実
線17gで示すように振動する。この場合、段付円柱形
状弾性体13の段付寸法や材質を選択して二点鎖線17
f及び実線17gで示す振動の両端の振幅を小さくした
り、また、前記実線17d及び破線17eで示す振動の
影響で段付円柱形状弾性体13が励振されないように段
付円柱形状弾性体13と各円筒形状弾性体11,12の
間の接触部に加工を施したりして、段付円柱形状弾性体
13の両端の固定部13a,13bを円筒型振動子10
の支持点とすることができ、支持損失を低減することが
できる。
【0030】また、図の(d)の第4の振動モードにお
いては、円筒形状弾性体11,12がy−z平面内で一
次撓み振動し、円筒形状弾性体11,12の切欠部11
a,12aの位置に節16c,16dが形成される。な
お、実線17d及び破線17eは前記円筒形状弾性体1
1,12の撓み振動を示す線である。一方、この場合も
第3の振動モードと同様に前記段付円柱形状弾性体13
は、腹18において円筒形状弾性体11,12と接触し
ているため、二点鎖線17f及び実線17gで示すよう
に振動する。この場合、段付円柱形状弾性体13の段付
寸法や材質を選択して二点鎖線17f及び実線17gで
示す振動の両端の振幅を小さくしたり、また、前記実線
17d及び破線17eで示す振動の影響で段付円柱形状
弾性体13が励振されないように段付円柱形状弾性体1
3と各円筒形状弾性体11,12の間の接触部に加工を
施したりして、段付円柱形状弾性体13の両端の固定部
13a,13bを円筒型振動子10の支持点とすること
ができ、支持損失を低減することができる。
【0031】そして、第3、第4の振動モードにおける
一次撓み振動の共振周波数を一致させるか十分近接さ
せ、各節16c,16dの位置を一致させるか十分近接
させ、位相を90〔°〕異ならせることによって、円筒
形状弾性体11,12の自由端11b,12bを回転振
動又は楕円振動させることができる。また、自由端11
b,12bを回転振動又は楕円振動させやすくするため
に、円筒形状弾性体11,12の節16c,16dの位
置と一致させるか十分近接した位置に切欠部11a,1
2aが形成される。
【0032】なお、第1、第2の振動モードにおいて
は、前記電気−機械エネルギ変換素子14の分極方向と
振動方向を直交させたときの横効果を利用しているのに
対し、第3、第4の振動モードにおいては、前記電気−
機械エネルギ変換素子14の分極方向と振動方向を同じ
にしたときの縦効果を利用している。したがって、第
3、第4の振動モードの方が電気−機械結合係数を高く
することができ、エネルギの利用効率を向上させること
ができる。
【0033】ところで、前記円筒型振動子10はy軸を
回転軸とする回転体とみなすことができるため、前記第
1〜第4の振動モードにおいて、円筒型振動子10を、
x−y平面内及びy−z平面内に限定されずy軸を含む
任意の平面内で振動させることができる。すなわち、電
気−機械エネルギ変換素子14をm個の分極部分に分割
して厚さ方向に分極し、節15又は腹18を含むx−z
平面内におけるm個の方向にm個の均等な振動モードを
形成し、隣接する振動モードの位相差を2π/mとする
と、同様に円筒形状弾性体11,12の自由端11b,
12bを回転振動又は楕円振動させることができる。
【0034】この場合、mの値が m=2n+1 (n:整数) であり奇数である場合には、電気−機械エネルギ変換素
子14の各分極部分がy軸に対して非対称の位置になる
ため、それぞれの極性を一致させる必要がある。したが
って、各分極部分への入力端子がm個、グランド端子が
1個必要となる。
【0035】一方、mの値が m=2(n+1) であり偶数である場合には、電気−機械エネルギ変換素
子14の各分極部分がy軸を中心に対称の位置になる。
そこで、対称位置にある二つの分極部分の分極方向を反
転させ、同極性の電圧を印加した時に一方が伸び他方が
縮むようにし、かつ、両者を電気的に接続することで、
各分極部分への入力端子をm/2個とし、グランド端子
を1個とすることができる。
【0036】また、前記円筒型振動子10においては、
節15又は腹18の位置と一致させるか十分近接した位
置に電気−機械エネルギ変換素子14を配設し、段付円
柱形状弾性体13の締付部13c,13dのねじを使用
して、円筒形状弾性体11,12を電気−機械エネルギ
変換素子14に圧接するとともに、前記段付円柱形状弾
性体13、電気−機械エネルギ変換素子14及び円筒形
状弾性体11,12を接着し一体構造としている。
【0037】そして、円筒形状弾性体11,12の自由
端11b,12bに発生する回転振動又は楕円振動の振
幅を大きくするために、段付円柱形状弾性体13の締付
部13c,13dと固定部13a,13bの断面積が変
化させられる。前記円筒型振動子10を組み立てる際
に、段付円柱形状弾性体13が導電性金属材料で形成さ
れていると、電気−機械エネルギ変換素子14が段付円
柱形状弾性体13と接触し、電気−機械エネルギ変換素
子14への入力端子とグランド端子が電気的に短絡状態
となり、電気エネルギを機械エネルギに変換することが
できなくなる。そこで、段付円柱形状弾性体13と電気
−機械エネルギ変換素子14の接触部分に絶縁膜を付着
させることによって、電気的な接触が行われないように
することができる。なお、段付円柱形状弾性体13を非
導電性金属材料で形成しても同様の効果を得ることがで
きる。
【0038】ところで、前記段付円柱形状弾性体13の
特に後述する駆動ローラが取り付けられた部分と前記円
筒形状弾性体11,12の自由端11b,12bは位相
差を形成して回転振動又は楕円振動する。この時の位相
差は、駆動ローラが前記自由端11b,12bから回転
振動又は楕円振動を受けたときに発生する摩擦力に影響
を与え、駆動ローラの回転効率を変動させる。理論上、
位相が180〔°〕異なる時に、駆動ローラの回転効率
が最も高くなる。そこで、位相が180〔°〕異なるよ
うに、段付円柱形状弾性体13の段形状、寸法及び材
質、円筒形状弾性体11,12の寸法、そして、切欠部
11a,12aの寸法が設定される。
【0039】図7は本発明の第1の実施例における電気
−機械エネルギ変換素子の概略図である。図において、
14は電気−機械エネルギ変換素子であり、素子本体1
4a及び電極膜21a〜21dから成り、素子本体14
aは三つの分極部分に分割され、それぞれが厚さ方向に
分極されている。そして、素子本体14aの一方の面の
各分極部分に対応した位置に、電極膜21a〜21cが
それぞれの間にギャップ21eを形成して付着させら
れ、他方の面には前記電極膜21a〜21cと同質の電
極膜21dが一様に付着させられる。なお、素子本体1
4aの両面の各分極部分に対応して電極膜を付着させる
こともできる。さらに、素子本体14aの表面に、各分
極部分に対応して導電性の塗料を塗布することによって
電極膜21a〜21dを形成することもできる。
【0040】この場合、各分極部分の極性は一致させら
れ、電極膜21a〜21cの表面極性を正とすると、電
極膜21dの表面極性は負となる。この時、電極膜21
dをグランド端子として、電極膜21a〜21cに直流
電圧を印加すると、素子本体14aはy軸の方向に伸び
るかy軸の正方向に撓む。なお、この場合の伸び又は撓
みは直流電圧の大きさに比例する。
【0041】図8は本発明の第1の実施例における電気
−機械エネルギ変換素子の作動原理図である。図におい
て、14は電気−機械エネルギ変換素子、14aは素子
本体、21a〜21dは電極膜、21eはギャップ、2
3a〜23dは電極板、24a〜24cは電源である。
【0042】前記電気−機械エネルギ変換素子14の電
極膜21a〜21dに対応する電極板23a〜23dを
図に示すように位置決めして、電極膜21a〜21dと
電極板23a〜23dを接触させる。この場合、電気−
機械エネルギ変換素子14から円筒形状弾性体11,1
2(図1)に振動を伝達させるときの効率を考えて、電
極板23a〜23dと電極膜21a〜21dの材質を同
じにする。なお、電極板23a〜23dと円筒形状弾性
体11,12の材質を異ならせても同様の効果を得るこ
とができる。また、電極板23a〜23dは、素子本体
14aよりもできるだけ薄くし、電極膜21a〜21d
の大きさ以上とする。
【0043】そして、前記電極板23a〜23cが互い
に接触しないように、各電極板23a〜23c間に少な
くとも各電極膜21a〜21c間のギャップ21eより
大きな間隔が形成される。なお、各電極板23a〜23
c間に絶縁材料を配設して一体的な構造としてもよい。
この場合、三つの電極板23a〜23cを使用するとき
よりも、電極膜21a〜21dと電極板23a〜23d
の間の位置合せが容易になる。また、各電極板23a〜
23dには外方に突出する電極片が形成され、図に示す
ように配線される。
【0044】前記電気−機械エネルギ変換素子14の三
つの分極部分の極性は同じである。したがって、電源2
4a〜24cから互いに隣接する電極板23a〜23c
に印加される交流電圧の位相差は120〔°〕とする。
そして、各交流電圧の周波数の値を前記第1〜第4の振
動モードの共振周波数に一致させるか十分近接させるこ
とによって、電気−機械エネルギ変換素子14の振幅を
増幅させ、円筒形状弾性体11,12の自由端11b,
12bに回転振動又は楕円振動を発生させることができ
る。また、前記自由端11b,12bに発生する回転振
動又は楕円振動の振幅は、電源24a〜24cから印加
される交流電圧の大きさ、位相差、周波数等によって制
御することができる。
【0045】ここで、前記電気−機械エネルギ変換素子
14を、電気エネルギを機械エネルギに変換することが
できるとともに、機械エネルギを電気エネルギに変換す
ることもできるもので形成した場合、該電気−機械エネ
ルギ変換素子14の分極部分の一つに交流電圧を印加し
て回転振動又は楕円振動を発生させ、その間他の分極部
分は回転振動又は楕円振動による応力を受けて交流電圧
を出力する。
【0046】そこで、前記電気−機械エネルギ変換素子
14の各分極部分を電気的に切り換え、駆動用として使
用したり、振動状態の検出用として使用することができ
るようにしている。前記円筒形状弾性体11,12の自
由端11b,12bに発生する回転振動又は楕円振動を
時間的な変動や外的な負荷による変動に対して補正し、
安定させることができる。なお、前記分極部分の図示し
ない端子を図示しない切換スイッチを介して図示しない
制御回路及び他の電源に接続し、切換スイッチを切り換
えることによって電気−機械エネルギ変換素子14を駆
動用として使用したり、円筒型振動子10の振動状態の
検出用として使用することができる。
【0047】また、円筒型振動子10を組み立てる際
に、段付円柱形状弾性体13が導電性金属材料で形成さ
れていると、電極板23a〜23dが段付円柱形状弾性
体13と接触し、電気−機械エネルギ変換素子14への
入力端子とグランド端子が電気的に短絡状態となり、電
気エネルギを機械エネルギに変換することができなくな
る。そこで、段付円柱形状弾性体13と電極板23a〜
23dの接触部分に絶縁膜を付着させること又は両者の
形状及び寸法を変えることによって、電気的な接触が行
われないようにすることができる。なお、段付円柱形状
弾性体13を非導電性金属材料で形成しても同様の効果
を得ることができる。
【0048】図9は本発明の第1の実施例を示す超音波
モータの断面図である。図において、10は円筒型振動
子、11,12は円筒形状弾性体、11a,12aは切
欠部、11b,12bは自由端、13は段付円柱形状弾
性体、13a,13bは固定部、14は電気−機械エネ
ルギ変換素子、31a,31bは駆動ローラ、32a,
32bは軸受、33a,33bはスプリング、34a,
34bは締付ナットである。
【0049】前記段付円柱形状弾性体13の一方の固定
部13aに、軸受32aを介して駆動ローラ31aが回
転自在に支持される。そして、該駆動ローラ31aは、
軸受32aとの間に配設されたスプリング33aによっ
て円筒形状弾性体11の自由端11bに圧接される。一
方、段付円柱形状弾性体13の他方の固定部13bに、
軸受32bを介して駆動ローラ31bが回転自在に支持
される。そして、該駆動ローラ31bは、軸受32bと
の間に配設されたスプリング33bによって円筒形状弾
性体12の自由端12bに圧接される。
【0050】すなわち、前記円筒型振動子10において
は、回転自在に支持された駆動ローラ31a,31bを
円筒形状弾性体11,12の自由端11b,12bに圧
接させ、該駆動ローラ31a,31bからトルクを得る
ようになっている。したがって、締付ナット34a,3
4bによって圧接力を調整することにより円筒型の超音
波モータのトルクを調節することができる。
【0051】前記駆動ローラ31a,31bは自由端1
1b,12bの回転振動又は楕円振動を受け、発生する
摩擦力によってトルクを得て、摩擦力が発生する方向に
回転する。なお、前記第1、第2の振動モードにおいて
は、円筒形状弾性体11,12の自由端11b,12b
は節15を中心として対称に回転振動又は楕円振動する
ため、両振動モードを合成したときの回転振動又は楕円
振動の振動方向は同じになり、駆動ローラ31a,31
bは同方向に回転する。さらに、駆動ローラ31a,3
1bと自由端11b,12bのそれぞれの接触条件が同
じであれば、各回転特性も同じになる。
【0052】なお、本実施例においては、段付円柱形状
弾性体13の固定部13a,13bを駆動ローラ31
a,31bの回転軸としているが、駆動ローラ31a,
31bの回転軸を円筒型振動子10の外部に設けること
もできる。また、前記駆動ローラ31a,31bによっ
て前記自由端11b,12bから安定した回転を得るこ
とができるように、高摩擦係数を有し、かつ、耐摩耗性
の高い材料の膜が自由端11b,12b又は駆動ローラ
31a,31bの表面に付着又は接着される。なお、高
摩擦係数を有し、かつ、耐摩耗性の高い材料で円筒形状
弾性体11,12又は駆動ローラ31a,31b自体を
形成することもできる。
【0053】そして、自由端11b,12bの回転振動
又は楕円振動を駆動ローラ31a,31bに伝達させる
ために、摩擦力を利用するもののほかに、自由端11
b,12b及び駆動ローラ31a,31bの表面に幾何
学的な面加工を施し、それぞれを噛合(しごう)させる
こともできる。次に、本発明の第2の実施例について説
明する。
【0054】図10は本発明の第2の実施例を示す超音
波搬送装置の斜視図である。図において、10は円筒型
振動子、11,12は円筒形状弾性体、13は段付円柱
形状弾性体、13a,13bは固定部、14は電気−機
械エネルギ変換素子、31a,31bは駆動ローラ、3
2a,32b,43a,43bは軸受、34a,34b
は締付ナット、40は回転軸、41a,41bは円筒形
のローラ、42a,42bは補助ローラ、44はシート
状搬送物である。
【0055】前記補助ローラ42a,42bは、ローラ
41a,41bを軸受43a,43bの外周に接着して
形成され、該軸受43a,43bの内周に配設された回
転軸40によって回転自在に支持される。そして、駆動
ローラ31a,31bと補助ローラ42a,42bの間
にカード、紙、フィルム等のシート状搬送物44を挟む
ことによって容易にx軸の方向に該シート状搬送物44
を搬送することができる。この時、円筒型振動子10に
は、補助ローラ42a,42bからの圧接力又はシート
状搬送物44の厚さの変化によって発生するz軸の方向
の反力が駆動ローラ31a,31bを介して加えられる
が、これらの力を電気−機械エネルギ変換素子14の撓
み振動又は縦振動によって受けることができるため、駆
動ローラ31a,31bが発生するトルクを大きくする
ことができる。なお、前記補助ローラ42a,42bを
z軸の方向に自由度を持つように支持することによっ
て、シート状搬送物44の厚さの変化に対応させること
ができる。
【0056】また、前記駆動ローラ31a,31bが矢
印方向に回転する場合には、シート状搬送物44は矢印
方向に搬送される。また、駆動ローラ31a,31bの
外周面には、高摩擦係数を有し、かつ、耐摩耗性の高い
材料の図示しないローラを配設することができる。そし
て、補助ローラ42a,42bの外周面に、高摩擦係数
を有し、かつ、耐摩耗性の高い材料が付着又は接着され
る。なお、高摩擦係数を有し、かつ、耐摩耗性の高い材
料で補助ローラ42a,42b自体を形成することもで
きる。
【0057】なお、駆動ローラ31a,31bと補助ロ
ーラ42a,42bの間、又は駆動ローラ31a,31
bの外周面に設けられたローラと補助ローラ42a,4
2bの間にある程度のギャップを設けることによって、
円筒型の超音波モータを長時間駆動しない場合に補助ロ
ーラ42a,42b、ローラ及び駆動ローラ31a,3
1bが塑性的に変形するのを防止することができる。
【0058】さらに、超音波モータと駆動源が異なるア
クチュエータにより前記ギャップを制御することによっ
て、薄いシート状搬送物44が搬送できなくなるのを防
止することができる。また、補助ローラ42a,42b
を駆動ローラ31a,31bに圧接する機構に、駆動源
が異なるアクチュエータを使用した場合にも、同様の効
果を得ることができるとともに、シート状搬送物44の
厚さの変化による搬送力の変動を補正することができ、
安定した搬送が可能になる。
【0059】なお、前記補助ローラ42a,42bに代
えて、もう一つの円筒型の超音波モータを配設すること
ができる。前記実施例においては、円筒型の超音波モー
タを固定し、駆動ローラ31a,31bを使用してシー
ト状搬送物44を搬送するようにしているが、駆動ロー
ラ31a,31bの回転力によって超音波モータ自体を
自走させることもできる。この場合、例えば、プリンタ
の印字ヘッドの移動、x−yプロッタの印字ペンの移
動、磁気記録装置の内部での記録媒体の搬送、磁気記録
ヘッドの移動、工作機械内でのテーブルの移動等に使用
することができる。
【0060】前記駆動ローラ31aの回転と駆動ローラ
31bの回転は、機械的な手段又は電気的な手段によっ
て同期させることができる。すなわち、駆動ローラ31
a,31bと円筒形状弾性体11,12の自由端11
b,12bの間で接触条件が変動することにより、駆動
ローラ31aと駆動ローラ31bの回転数に差が生じる
のを防止することができる。
【0061】機械的な手段によって駆動ローラ31aの
回転と駆動ローラ31bの回転を同期させる場合、円筒
型の超音波モータより径が大きい円筒形のローラを設
け、該ローラの内周面に駆動ローラ31a,31bの各
外周面を接触させ、駆動ローラ31aと駆動ローラ31
bの回転を前記ローラによって同期させる。この場合、
前記ローラの回転軸は駆動ローラ31a,31bの回転
軸と同じであり、該ローラが円筒型の超音波モータの出
力ローラとなる。
【0062】また、この場合、段付円柱形状弾性体13
の内部又は外周面に電気回路を形成するか印刷し、前記
ローラの回転の影響を受けることなく、電気−機械エネ
ルギ変換素子14に電気エネルギを安定して供給するこ
とができるようになっている。前記ローラと駆動ローラ
31a,31bを接触させるために両者を接着すること
ができ、また、両者の表面に幾何学的な面加工を施し、
それぞれを噛合させることもできる。
【0063】また、円筒型の超音波モータの外部に回転
自在に支持されたローラを前記駆動ローラ31a,31
bと接触させることもできる。ところで、前記機械的な
手段によって駆動ローラ31aの回転と駆動ローラ31
bの回転を同期させると、回転数の差によって発生する
負荷が、駆動ローラ31a,31bと自由端11b,1
2bの接触部分に作用し、超音波モータの駆動性能に影
響を与えてしまう。そこで、駆動ローラ31a,31b
が自由端11b,12bから摩擦力を受けている場合
に、同期のための機械エネルギの伝達経路に、駆動ロー
ラ31a,31bと自由端11b,12bの間の摩擦力
よりも小さい摩擦力で滑る図示しない摩擦伝達機構を配
設することによって、超音波モータの駆動性能に与えら
れる影響を抑制し、駆動ローラ31a,31bを安定し
て回転させることができる。
【0064】なお、駆動ローラ31a,31bと自由端
11b,12bが幾何学的な面加工によって噛合してい
る場合でも、噛合が解除されて滑り出す時の摩擦力の値
を任意に設定することができるように機械エネルギの伝
達経路に摩擦伝達機構を配設することができる。一方、
電気的な手段によって駆動ローラ31aの回転と駆動ロ
ーラ31bの回転を同期させる場合、電磁力が使用され
る。この場合、電磁力は電気的に任意に調整することが
できるので、前記摩擦伝達機構と同様の効果を得ること
ができる。
【0065】さらに、以上のような同期方法は、それぞ
れを単独に採用するのではなく組み合わせて採用するこ
とができる。次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図11は本発明の第3の実施例における電気−機
械エネルギ変換素子の概略図である。
【0066】図において、45は電気−機械エネルギ変
換素子であり、素子本体45a及び電極膜51a〜51
dから成り、素子本体45aは四つの分極部分に分割さ
れ、それぞれが厚さ方向に分極されている。そして、素
子本体45aの一方の面の各分極部分に対応した位置
に、電極膜51a〜51dがそれぞれの間にギャップ5
1fを形成して付着させられ、他方の面には前記電極膜
51a〜51dと同質の電極膜51eが一様に付着させ
られる。なお、素子本体45aの両面の各分極部分に対
応して電極膜を付着させることもできる。さらに、素子
本体45aの表面に、各分極部分に対応して導電性の塗
料を塗布することによって電極膜51a〜51eを形成
することもできる。
【0067】前記構成の電気−機械エネルギ変換素子4
5において、各分極部分の極性を一致させた場合、電極
膜51a〜51dの表面極性を正とすると電極膜51e
の表面極性は負となる。この時、電極膜51eをグラン
ド端子として、電極膜51a〜51dに直流電圧を印加
すると、素子本体45aはy軸の方向に伸びるかy軸の
正方向に撓む。なお、この場合の伸び又は撓みは直流電
圧の大きさに比例する。この場合、各分極部分への入力
端子は4個、グランド端子は1個必要となる。
【0068】また、前記分極部分のうちy軸を中心とし
て対称位置にある分極部分の分極方向を反転させた場
合、電極膜51a,51bの表面極性を正とすると電極
膜51c,51dの表面極性は負となる。したがって、
対称位置の分極部分のそれぞれを電気的に接続すると、
入力端子を2個、グランド端子を1個とすることができ
る。この場合、対を形成する分極部分は、一方がy軸の
方向に伸びるかy軸の正方向に撓み、他方はy軸の方向
に縮むかy軸の負方向に撓む。いずれの場合も、隣接す
る分極部分に印加される交流電圧の位相差は90〔°〕
である。
【0069】図12は本発明の第3の実施例における電
気−機械エネルギ変換素子の作動原理図である。この場
合、電気−機械エネルギ変換素子の四つの分極部分のう
ちy軸を中心として対称位置にある分極部分の分極方向
を反転させた場合の駆動方法について説明する。図にお
いて、45は電気−機械エネルギ変換素子、45aは素
子本体、51a〜51eは電極膜、51fはギャップ、
52a〜52eは電極板、53a,53bは電源であ
る。
【0070】前記電気−機械エネルギ変換素子45の電
極膜51a〜51eに対応する電極板52a〜52eを
図に示すように位置決めして、電極膜51a〜51eと
電極板52a〜52eを接触させる。この場合、電気−
機械エネルギ変換素子14から円筒形状弾性体11,1
2(図1)に振動を伝達させるときの効率を考えて、電
極板52a〜52eと電極膜51a〜51eの材質を同
じにする。なお、電極板52a〜52eと円筒形状弾性
体11,12の材質を異ならせても同様の効果を得るこ
とができる。また、電極板52a〜52eは、素子本体
45aよりもできるだけ薄くする。
【0071】そして、前記電極板52a〜52dが互い
に接触しないように、各電極板52a〜52d間に少な
くとも各電極膜51a〜51e間のギャップ51fより
大きな間隔が形成される。なお、各電極板52a〜52
d間に絶縁材料を配設して、一体的な構造としてもよ
い。この場合、四つの電極板52a〜52dを使用する
ときよりも、電極膜51a〜51eと電極板52a〜5
2eの間の位置合せが容易になる。また、各電極板52
a〜52eには外方に突出する電極片が形成され、図に
示すように配線される。
【0072】前記電気−機械エネルギ変換素子45の分
割された四つの分極部分は、電極膜51a,51bの表
面極性を正とすると、電極膜51c,51dの表面極性
は負となる。そこで、電極膜51a,51cと接触する
電極板52a,52cを、電極膜51b,51dと接触
する電極板52b,52dをそれぞれ電気的に接続し、
電源53a,53bから位相差が90〔°〕の交流電圧
を印加する。そして、各交流電圧の周波数の値を前記第
1〜第4の振動モードの共振周波数に一致させるか十分
近接させることによって、電気−機械エネルギ変換素子
45の振幅を増幅させ、円筒形状弾性体11,12の自
由端11b,12bに回転振動又は楕円振動を発生させ
ることができる。また、前記自由端11b,12bに発
生する回転振動又は楕円振動の振幅は、電源53a,5
3bから印加される交流電圧の大きさ、位相差、周波数
等によって制御することができる。
【0073】ここで、前記電気−機械エネルギ変換素子
45を、電気エネルギを機械エネルギに変換することが
できるとともに、機械エネルギを電気エネルギに変換す
ることもできるもので形成した場合、該電気−機械エネ
ルギ変換素子45の分極部分の一つに交流電圧を印加し
て回転振動又は楕円振動を発生させ、その間他の分極部
分は回転振動又は楕円振動による応力を受けて交流電圧
を出力する。
【0074】そこで、前記電気−機械エネルギ変換素子
45の各分極部分を電気的に切り換え、駆動用として使
用したり、振動状態の検出用として使用することができ
るようにしている。前記円筒形状弾性体11,12の自
由端11b,12bに発生する回転振動又は楕円振動を
時間的な変動や外的な負荷による変動に対して補正し、
安定させることができる。なお、前記分極部分の図示し
ない端子を図示しない切換スイッチを介して図示しない
制御回路及び他の電源に接続し、切換スイッチを切り換
えることによって電気−機械エネルギ変換素子45を駆
動用として使用したり、円筒型振動子10の振動状態の
検出用として使用することができる。
【0075】ところで、第1〜第3の実施例において
は、1個の電気−機械エネルギ変換素子14,45を円
筒形状弾性体11,12間に配設し、円筒形状弾性体1
1,12の自由端11b,12bを回転振動又は楕円振
動させるようにしている。したがって、電気−機械エネ
ルギ変換素子14,45の分極部分は三つ以上必要であ
る。
【0076】また、電気−機械エネルギ変換素子14,
45が発生する振動の大きさは分極部分の面積の大きさ
に関係するが、電気−機械エネルギ変換素子14,45
の分割数を多くすると、一つの分極部分の面積が小さく
なるため電気−機械エネルギ変換素子14,45が発生
する振動が小さくなる。そこで、同じ仕様で分割され分
極された電気−機械エネルギ変換素子を各分極部分が位
置合せさせられた状態で2枚以上積層すると、振動を大
きくすることができる。なお、この積層型電気−機械エ
ネルギ変換素子は、積層した電気−機械エネルギ変換素
子の各分極部分の位置合せを行うことによって、1個の
電気−機械エネルギ変換素子14,45と同様に駆動さ
れる。
【0077】次に、電気−機械エネルギ変換素子を二つ
の分極部分に分割した本発明の第4の実施例について説
明する。図13は本発明の第4の実施例における積層型
電気−機械エネルギ変換素子の概略図、図14は本発明
の第4の実施例における積層型電気−機械エネルギ変換
素子の作動原理図である。図13の(a)は積層型電気
−機械エネルギ変換素子の斜視図、(b)は電気−機械
エネルギ変換素子の斜視図である。
【0078】この場合、電気−機械エネルギ変換素子5
9は二つの分極部分に分割されている。したがって、1
個の電気−機械エネルギ変換素子59によって回転振動
又は楕円振動のような二次元の振動を安定して発生させ
ることが困難である。そこで、積層型電気−機械エネル
ギ変換素子54は、5枚の電気−機械エネルギ変換素子
59と6枚の電極板60a〜60fを交互に積層して構
成される。
【0079】前記電気−機械エネルギ変換素子59と電
極板60a〜60fは互いに接着され、一体的な構造を
有している。なお、前記電気−機械エネルギ変換素子5
9と電極板60a〜60fを一対の円筒形状弾性体1
1,12(図1)及び段付円柱形状弾性体13による締
付力によって固定することもできる。接着による場合
は、回転振動又は楕円振動を接着層が吸収するだけでな
く組立時間が長くなるが、締付けによる場合は、回転振
動又は楕円振動が吸収されることはなく、しかも、組立
時間を短くすることができる。
【0080】各電極板60a〜60fは円筒形状弾性体
11,12と同様の弾性材料から成り、外周の対称位置
に2本の電極片を有する。そして、各電極板60a〜6
0fの2本の電極片を使用し、各電気−機械エネルギ変
換素子59を図13の(a)のように容易に位置決めし
て積層することができる。また、電極板60a〜60f
の電極片は図14に示すようにリード線の役割を果た
す。
【0081】前記電気−機械エネルギ変換素子59は、
素子本体59a、半円形電極膜61a,61b及び円形
電極膜62から成る。そして、前記半円形電極膜61
a,61b及び円形電極膜62は、素子本体59aの表
面に導電性の金属膜を付着させることによって形成され
る。なお、前記半円形電極膜61a,61b及び円形電
極膜62として、素子本体59aの表面に導電性の塗料
を塗布することによって形成することもできる。
【0082】前記素子本体59aは、半円形電極膜61
aと半円形電極膜61bによって分割され厚さ方向にお
いて分極されており、半円形電極膜61aの表面極性を
正とすると、半円形電極膜61bの表面極性は負とな
る。なお、円形電極膜62は、前記半円形電極膜61
a,61bの共通電極となり、図14に示すように積層
型電気−機械エネルギ変換素子54のグランド端子とし
て使用される。
【0083】そして、円形電極膜62をグランド端子と
して、半円形電極膜61a,61bに直流電圧を印加す
ると、半円形電極膜61a側の素子本体59aはy軸の
方向に伸びるかy軸の正方向に撓み、一方の半円形電極
膜61b側の素子本体59aはy軸の方向に縮むかy軸
の負方向に撓む。これに対して、電気−機械エネルギ変
換素子59に交流電圧を印加すると、半円形電極膜61
a側の素子本体59aと半円形電極膜61b側の素子本
体59aは、それぞれ位相を180〔°〕異ならせて振
動する。
【0084】なお、半円形電極膜61a,61bのギャ
ップ63は図10の(a)のように電気−機械エネルギ
変換素子59を積層するときの分割方向の目印となり、
積層型電気−機械エネルギ変換素子54を効率良く組み
立てることが可能となる。前記積層型電気−機械エネル
ギ変換素子54は、電気−機械エネルギ変換素子59を
積層するときの分割方向及び役割から三つの積層部S1
〜S3 に分けられる。積層部S1 においては、ギャップ
63がz軸の方向に位置するように二つの電気−機械エ
ネルギ変換素子59の各半円形電極膜61a,61bを
電極板60bに接触させている。一方、積層部S2 にお
いては、ギャップ63が積層部S1のギャップ63に対
してy軸回りに位相を90〔°〕異ならせた方向に位置
するように、二つの電気−機械エネルギ変換素子59の
各半円形電極膜61a,61bを電極板60dに接触さ
せている。そして、積層部S3 においては、ギャップ6
3が積層部S1 のギャップ63と同じ方向に位置するよ
うに一つの電気−機械エネルギ変換素子59の半円形電
極膜61a,61bを電極板60fに接触させている。
そして、各電極板60a,60c,60eは接地され
る。
【0085】該積層型電気−機械エネルギ変換素子54
を振動させる場合、各電極板60a〜60fを図14に
示すように配線する。すなわち、電極板60a,60
c,60eを接地し、電極板60bを介して電源64か
ら積層部S1 に交流電圧を印加し、電極板60dを介し
て電源65から積層部S2 に交流電圧を印加する。その
結果、積層部S1 においては電源64からの交流電圧に
よってx−y平面内でy軸を振動の中心軸として撓み振
動し、積層部S2 においては電源65からの交流電圧に
よってx−z平面内でy軸を振動の中心軸として撓み振
動する。この時、積層部S1 ,S2 で発生する二つの撓
み振動の位相を90〔°〕異ならせて合成すると、積層
型電気−機械エネルギ変換素子54の中心軸は回転振動
又は楕円振動する。そのため、電源64,65から同一
の周波数の交流電圧を互いに位相を90〔°〕異ならせ
て印加する。そして、積層型電気−機械エネルギ変換素
子54の中心軸の回転振動又は楕円振動の振幅は、電源
64,65から印加される交流電圧の大きさ、位相差、
周波数等によって制御することができる。
【0086】前記電気−機械エネルギ変換素子59を、
電気エネルギを機械エネルギに変換することができると
ともに、機械エネルギを電気エネルギに変換することが
できるもので形成した場合、前記電極板60fに接続さ
れた端子66からは、回転振動又は楕円振動が積層部S
3 へ与える応力の大きさに比例した交流電圧が出力され
るため、端子66を図示しない制御回路に接続して前記
電圧を検出し、積層部S3 を積層型電気−機械エネルギ
変換素子54の振動状態を検出する素子として使用する
ことができる。
【0087】この場合、検出された電圧に基づいて積層
型電気−機械エネルギ変換素子54を制御することがで
き、円筒型振動子10を安定して振動させることが可能
となる。なお、積層部S3 のギャップ63の方向が積層
部S1 のギャップ63の方向と同じであるため、積層部
1 と同様にx−y平面内で振動させることができる。
また、前記端子66を図示しない切換スイッチを介して
図示しない制御回路及び他の電源に接続し、切換スイッ
チを切り換えることによって積層部S3 を駆動用として
使用したり、円筒型振動子10の振動状態の検出用とし
て使用することができる。
【0088】このように、前記積層型電気−機械エネル
ギ変換素子54を図1に示すような円筒型振動子10に
配設すると、積層部S1 の駆動によって図6の(a)の
第1の振動モード又は(c)の第3モードの振動が形成
され、積層部S2 の駆動によって(b)の第2の振動モ
ード又は(d)の第4の振動モードが形成される。この
時、積層部S1 ,S2 に印加される交流電圧の周波数を
第1、第2の各振動モードの共振周波数又は第3、第4
の各振動モードの共振周波数と一致させるか十分近接さ
せ、位相を90〔°〕異ならせることによって、積層型
電気−機械エネルギ変換素子54の振幅を増幅させ、円
筒形状弾性体11,12の自由端11b,12bに回転
振動又は楕円振動を発生させることができる。
【0089】なお、前記積層型電気−機械エネルギ変換
素子54を円筒型振動子10に配設する際に、電極板6
0aと円筒形状弾性体11の間及び電極板60fと円筒
形状弾性体12の間は絶縁される。また、自由端11
b,12bに発生する回転振動又は楕円振動の振幅は、
電源64,65から印加される交流電圧の大きさ、位相
差、周波数等によって制御することができる。
【0090】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形すること
が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するもの
ではない。
【0091】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、超音波モータは、両端に固定部を、該固定部間に
締付部を備えた段付円柱形状弾性体を有し、前記固定部
が超音波搬送装置などの本体に支持される。前記段付円
柱形状弾性体の設定された箇所に電気−機械エネルギ変
換素子が固定される。そして、該電気−機械エネルギ変
換素子に、設定された位相差を形成して複数の交流電圧
が印加され、複数の平面内に振動モードが形成される。
【0092】前記電気−機械エネルギ変換素子を挟持し
て一対の円筒形状弾性体が設けられ、前記段付円柱形状
弾性体に固定される。したがって、前記円筒形弾性体の
自由端に回転振動又は楕円振動が発生する。各円筒形状
弾性体の自由端に駆動ローラが圧接させられていて、前
記自由端に発生する回転振動又は楕円振動によって駆動
ローラが回転する。
【0093】この場合、該駆動ローラから円筒形状弾性
体に加えられる力は、電気−機械エネルギ変換素子によ
って受けられるため、回転振動や楕円振動の共振周波数
及び振幅が変動することがなく、駆動ローラが発生する
トルクを大きくすることができる。前記電気−機械エネ
ルギ変換素子を一つの素子本体で形成した場合、素子本
体は少なくとも三つに分割され、厚さ方向に分極された
分極部分から成る。
【0094】この場合、少なくとも一つの分極部分が、
電気的な入出力を切り換える切換手段に接続され、該切
換手段は、電気−機械エネルギ変換素子の駆動と振動状
態の検出を選択的に行う。この振動状態に対応して前記
交流電圧を制御し、駆動ローラの回転を安定させること
ができる。また、前記電気−機械エネルギ変換素子を、
複数の素子本体を積層して形成した場合、素子本体は少
なくとも二つに分割され、厚さ方向に分極された分極部
分から成る。
【0095】この場合、少なくとも一つの素子本体が、
電気的な入出力を切り換える切換手段に接続され、該切
換手段は、電気−機械エネルギ変換素子の駆動と振動状
態の検出を選択的に行う。この振動状態に対応して前記
交流電圧を制御し、駆動ローラの回転を安定させること
ができる。各駆動ローラの回転を同期させるために同期
手段を備えることができ、各駆動ローラの回転数に差が
発生するのを防止することができる。また、前記駆動ロ
ーラの回転を受けて回転するローラを設け、駆動ローラ
とローラの間で伝達することが可能な力の大きさを、前
記自由端と駆動ローラの間で伝達することが可能な力の
大きさより小さく設定することができる。
【0096】さらに、本発明の超音波搬送装置において
は、前記駆動ローラに対向して補助ローラを配設し、前
記駆動ローラ及び補助ローラは、シート状搬送物を挟持
して搬送することができる位置に配設される。前記回転
振動又は楕円振動によって駆動ローラが回転すると、シ
ート状搬送物は1枚ずつ分離させられ搬送される。この
場合、該駆動ローラから円筒形状弾性体に加えられる力
は、電気−機械エネルギ変換素子によって受けられるた
め、回転振動や楕円振動の共振周波数及び振幅が変動す
ることがなく、駆動ローラが発生するトルクを大きくす
ることができる。したがって、シート状搬送物を安定し
て搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す超音波モータに使
用される円筒型振動子の斜視図である。
【図2】従来の超音波モータに使用される圧電振動子の
斜視図である。
【図3】従来の超音波モータの斜視図である。
【図4】従来の超音波搬送装置の斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施例を示す超音波モータに使
用される円筒型振動子の側面図である。
【図6】本発明の第1の実施例における円筒型振動子の
振動モードを示す図である。
【図7】本発明の第1の実施例における電気−機械エネ
ルギ変換素子の概略図である。
【図8】本発明の第1の実施例における電気−機械エネ
ルギ変換素子の作動原理図である。
【図9】本発明の第1の実施例を示す超音波モータの断
面図である。
【図10】本発明の第2の実施例を示す超音波搬送装置
の斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施例における電気−機械エ
ネルギ変換素子の概略図である。
【図12】本発明の第3の実施例における電気−機械エ
ネルギ変換素子の作動原理図である。
【図13】本発明の第4の実施例における積層型電気−
機械エネルギ変換素子の概略図である。
【図14】本発明の第4の実施例における積層型電気−
機械エネルギ変換素子の作動原理図である。
【符号の説明】
11,12 円筒形状弾性体 11b,12b 自由端 13 段付円柱形状弾性体 13a,13b 固定部 13c,13d 締付部 14,45,59 電気−機械エネルギ変換素子 14a,45a,59a 素子本体 31a,31b 駆動ローラ 41a,41b ローラ 42a,42b 補助ローラ 44 シート状搬送物 54 積層型電気−機械エネルギ変換素子

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)両端に固定部を、該固定部間に締
    付部を備え、前記固定部が支持された段付円柱形状弾性
    体と、 (b)該段付円柱形状弾性体の設定された箇所に固定さ
    れ、複数の平面内に振動モードを形成する電気−機械エ
    ネルギ変換素子と、 (c)該電気−機械エネルギ変換素子を挟持して前記段
    付円柱形状弾性体に固定された一対の円筒形状弾性体
    と、 (d)設定された位相差を形成して複数の交流電圧を前
    記電気−機械エネルギ変換素子に印加する手段と、 (e)各円筒形状弾性体の自由端に圧接させられ、該自
    由端に発生する振動によって回転する駆動ローラを有す
    ることを特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】 (a)前記電気−機械エネルギ変換素子
    は一つの素子本体で形成され、 (b)該素子本体は少なくとも三つに分割され、厚さ方
    向に分極された分極部分から成る請求項1に記載の超音
    波モータ。
  3. 【請求項3】 (a)少なくとも一つの分極部分が、電
    気的な入出力を切り換える切換手段に接続されており、 (b)該切換手段は、電気−機械エネルギ変換素子の駆
    動と振動状態の検出を選択的に行う請求項2に記載の超
    音波モータ。
  4. 【請求項4】 (a)前記電気−機械エネルギ変換素子
    は複数の素子本体を積層して形成され、 (b)各素子本体は少なくとも二つに分割され、厚さ方
    向に分極された分極部分から成る請求項1に記載の超音
    波モータ。
  5. 【請求項5】 (a)少なくとも一つの素子本体が、電
    気的な入出力を切り換える切換手段に接続されており、 (b)該切換手段は、電気−機械エネルギ変換素子の駆
    動と振動状態の検出を選択的に行う請求項4に記載の超
    音波モータ。
  6. 【請求項6】 各駆動ローラの回転を同期させる同期手
    段を備えた請求項1に記載の超音波モータ。
  7. 【請求項7】 (a)前記駆動ローラの回転を受けて回
    転するローラと、 (b)前記駆動ローラとローラの間で伝達することが可
    能な力の大きさを、前記自由端と駆動ローラの間で伝達
    することが可能な力の大きさより小さく設定した請求項
    1に記載の超音波モータ。
  8. 【請求項8】 (a)両端に固定部を、該固定部間に締
    付部を備え、前記固定部が支持された段付円柱形状弾性
    体と、 (b)該段付円柱形状弾性体の設定された箇所に固定さ
    れ、複数の平面内に振動モードを形成する電気−機械エ
    ネルギ変換素子と、 (c)該電気−機械エネルギ変換素子を挟持して前記段
    付円柱形状弾性体に固定された一対の円筒形状弾性体
    と、 (d)設定された位相差を形成して複数の交流電圧を前
    記電気−機械エネルギ変換素子に印加する手段と、 (e)各円筒形状弾性体の自由端に圧接させられ、該自
    由端に発生する振動によって回転する駆動ローラと、 (f)該駆動ローラに対向して配設された補助ローラを
    有し、 (g)前記駆動ローラ及び補助ローラは、シート状搬送
    物を挟持して搬送することができる位置に配設されたこ
    とを特徴とする超音波搬送装置。
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