JPH06225553A - 超音波モータ及び超音波搬送装置 - Google Patents

超音波モータ及び超音波搬送装置

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Publication number
JPH06225553A
JPH06225553A JP5010725A JP1072593A JPH06225553A JP H06225553 A JPH06225553 A JP H06225553A JP 5010725 A JP5010725 A JP 5010725A JP 1072593 A JP1072593 A JP 1072593A JP H06225553 A JPH06225553 A JP H06225553A
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JP
Japan
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elastic body
energy conversion
mechanical energy
roller
electro
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Withdrawn
Application number
JP5010725A
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English (en)
Inventor
Takahiro Oda
高広 小田
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】発生するトルクを大きくすることができ、回転
を安定させることができる超音波モータ及び超音波搬送
装置を提供する。 【構成】一端が支持され、長手方向に沿って凹部が形成
された柱形状の弾性体を有しており、前記凹部に電気−
機械エネルギ変換素子が固定される。該電気−機械エネ
ルギ変換素子には、同じ周波数で設定された角度だけ位
相が異なる二つの交流電圧が印加されるため、電気−機
械エネルギ変換素子が振動し、前記弾性体の他端に圧接
させられた回転ローラが回転する。この場合、該回転ロ
ーラから弾性体に加えられる力は、電気−機械エネルギ
変換素子によって受けられるため、回転振動や楕円(だ
えん)振動の共振周波数及び振幅が変動することがな
く、回転ローラが発生するトルクを大きくすることがで
きる。そして、該回転ローラが回転することによってシ
ート状搬送物が搬送される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動現金取扱機、電
話、自動切符発行機等で使用されるカード、又はプリン
タ、ファクシミリ、複写機等で使用される紙、フィルム
等を搬送するための超音波モータ及び超音波搬送装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動現金取扱機、電話、自動切符
発行機等で使用されるカード、又はプリンタ、ファクシ
ミリ、複写機等で使用される紙、フィルム等(以下、
「シート状搬送物」という。)を搬送するために、超音
波モータが使用されていて、金属角柱から成る角柱振動
子を共振周波数で屈曲振動させ、該角柱振動子の両端に
配設されたカップ状回転ローラを回転させてシート状搬
送物を搬送するようになっている(特開平1−2746
74号公報参照)。
【0003】図2は従来の超音波モータに使用される圧
電振動子の斜視図である。図において、100は圧電振
動子であり、該圧電振動子100はほぼ正方形の断面を
有する金属角柱101を有しており、該金属角柱101
の隣接する二つの面に圧電セラミックス薄板102a,
102bが接着される。該圧電セラミックス薄板102
a,102bは、厚さ方向に分極されるとともに裏表両
面に図示しない電極が形成される。そして、該電極を介
して圧電セラミックス薄板102a,102bに対しあ
らかじめ設定した方法によって交流電圧を加えると、電
界が発生して前記圧電セラミックス薄板102a,10
2bが伸縮振動する。この場合、前記金属角柱101は
ほぼ正方形の断面を有するため、互いに直角な方向にほ
ぼ同じ共振周波数で屈曲振動する。
【0004】そして、前記圧電セラミックス薄板102
a,102bに対し、それぞれの周波数が金属角柱10
1の共振周波数に等しく、位相が90〔°〕異なる交流
電圧を印加すると、金属角柱101の両端は回転振動又
は楕円(だえん)振動する。前記金属角柱101の両端
には円板103a,103bが装着され、更に金属角柱
101に発生する屈曲振動の節に支持ピン104a,1
04bが設けられ、該支持ピン104a,104bによ
って金属角柱101は安定して支持される。
【0005】図3は従来の超音波モータの斜視図であ
る。図において、100は圧電振動子、101は金属角
柱、103bは円板、104a,104bは支持ピンで
ある。前記金属角柱101の両端に装着された円板10
3a(図2),103bの外周に、円板103a,10
3bの外径よりわずかに大きい内径を有するカップ状回
転ローラ201a,201bが配設される。したがっ
て、前記金属角柱101の両端が回転振動又は楕円振動
すると、円板103a,103bはカップ状回転ローラ
201a,201bと接触し、該カップ状回転ローラ2
01a,201bを摩擦力で回転させる。なお、該カッ
プ状回転ローラ201a,201bは、軸受202a,
202bによって回転自在に支持される。
【0006】図4は従来の超音波搬送装置の斜視図であ
る。図において、100は圧電振動子、101は金属角
柱、104a,104bは支持ピン、201a,201
bはカップ状回転ローラ、202a,202bは軸受で
ある。前記カップ状回転ローラ201a,201bに対
して圧接するように補助ローラ301a,301bが配
設され、該補助ローラ301a,301bを軸受302
a,302bが回転自在に支持する。また、前記補助ロ
ーラ301a,301bは互いに軸303によって連結
される。
【0007】そして、前記金属角柱101の両端が回転
振動又は楕円振動すると、前記カップ状回転ローラ20
1a,201bが回転し、補助ローラ301a,301
bが従動して回転する。したがって、該カップ状回転ロ
ーラ201a,201bと補助ローラ303a,303
b間に図示しないシート状搬送物を挿入すると、該シー
ト状搬送物を容易に搬送することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の超音波モータ及び超音波搬送装置においては、シー
ト状搬送物を搬送する間に、前記カップ状回転ローラ2
01a,201bが円板103a,103bを押圧する
ことによって金属角柱101に加えられる力の方向と、
圧電セラミックス薄板102a,102bが伸縮するこ
とによって金属角柱101に加えられる力の方向が一致
しないため、金属角柱101に加えられる力を圧電セラ
ミックス薄板102a,102bの伸縮振動によって受
けることができない。したがって、カップ状回転ローラ
201a,201bが円板103a,103bを押圧す
る力が大きくなると、金属角柱101の曲げ剛性に影響
が与えられ、回転振動又は楕円振動の共振周波数及び振
幅が変動し、発生するトルクを大きくすることができな
くなってしまう。
【0009】さらに、前記金属角柱101とカップ状回
転ローラ201a,201bが別々に支持されるため、
超音波モータ及び超音波搬送装置を各種装置へ実装する
時の位置合せが困難となり、カップ状回転ローラ201
a,201bの回転にむらが生じてしまう。本発明は、
前記従来の超音波モータ及び超音波搬送装置の問題点を
解決して、発生するトルクを大きくすることができ、回
転を安定させることができる超音波モータ及び超音波搬
送装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の超
音波モータにおいては、一端が支持され、長手方向に沿
って凹部が形成された柱形状の弾性体を有しており、前
記凹部に電気−機械エネルギ変換素子が固定される。該
電気−機械エネルギ変換素子には、同じ周波数で設定さ
れた角度だけ位相が異なる二つの交流電圧が印加され
る。そして、前記弾性体の他端に回転ローラが圧接させ
られ、該回転ローラは他端に発生する振動によって回転
する。
【0011】また、前記弾性体に他の電気−機械エネル
ギ変換素子を固定することもできる。この場合、該他の
電気−機械エネルギ変換素子が出力する電圧が検出さ
れ、検出された電圧に対応して前記交流電圧が制御され
る。さらに、前記弾性体の支持部にローラを配設し、該
ローラと前記回転ローラ間にベルトを架設することもで
きる。
【0012】そして、前記構成の超音波モータを二つ使
用して超音波搬送装置が構成される。そのため、第1の
超音波モータと、第2の超音波モータが設けられ、それ
ぞれの回転ローラは、シート状搬送物を摩擦力によって
搬送することができる位置に設定される。この場合、前
記回転ローラの回転方向を変えることもできる。
【0013】
【作用】本発明によれば、前記のように超音波モータ
は、一端が支持され、長手方向に沿って凹部が形成され
た柱形状の弾性体を有しており、前記凹部に電気−機械
エネルギ変換素子が固定される。該電気−機械エネルギ
変換素子には、同じ周波数で設定された角度だけ位相が
異なる二つの交流電圧が印加される。
【0014】したがって、電気−機械エネルギ変換素子
が振動し、前記弾性体の他端は回転振動又は楕円振動す
る。そして、前記弾性体の他端に回転ローラが圧接させ
られているので、前記回転振動又は楕円振動によって回
転ローラが回転する。この場合、該回転ローラから弾性
体に加えられる力は、電気−機械エネルギ変換素子によ
って受けられる。
【0015】また、前記弾性体に他の電気−機械エネル
ギ変換素子を固定することもできる。この場合、該他の
電気−機械エネルギ変換素子が出力する電圧を検出し、
検出した電圧によって弾性体の振動状態が分かる。この
振動状態に対応して前記交流電圧を制御し、回転ローラ
の回転を安定させることができる。また、前記弾性体の
支持部にローラを配設し、該ローラと前記回転ローラ間
にベルトを架設することもできる。したがって、シート
状搬送物を搬送することができる領域が拡大される。
【0016】そして、前記構成の超音波モータを二つ使
用して超音波搬送装置が構成される。そのため、第1の
超音波モータと、第2の超音波モータが設けられ、それ
ぞれの回転ローラは、シート状搬送物を摩擦力によって
搬送することができる位置に設定される。この場合、前
記回転ローラの回転方向を変えることもでき、シート状
搬送物を分離させることが可能になる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図5は本発明の第1の実施例を
示す超音波モータに使用される平板振動子の斜視図であ
る。図において、10は平板振動子であり、該平板振動
子10は四角形の断面を有する角柱形状の金属製弾性体
11を有しており、該金属製弾性体11の長手方向の2
箇所に凹部が形成され、該凹部にブロック型の積層型電
気−機械エネルギ変換素子14,15が接着される。該
積層型電気−機械エネルギ変換素子14,15は、厚さ
方向において分極された複数の板状の電気−機械エネル
ギ変換素子を重ねて形成される。前記積層型電気−機械
エネルギ変換素子14にはリード端子16a,16b
が、積層型電気−機械エネルギ変換素子15にはリード
端子17a,17bが接続され、前記金属製弾性体11
との接触面は絶縁されている。
【0018】そして、各リード端子16a,16b,1
7a,17bを介して前記積層型電気−機械エネルギ変
換素子14,15に交流電圧が印加されると、前記積層
型電気−機械エネルギ変換素子14,15は交流電圧の
周波数に応じてx方向に伸縮振動する。この場合、積層
型電気−機械エネルギ変換素子14が接着された凹部に
はL字型の圧力板9aが突出して形成され、該圧力板9
aは前記積層型電気−機械エネルギ変換素子14の伸縮
振動によってx方向に押され、金属製弾性体11は、切
欠部19aを力点とし切欠部18aを回転支点として屈
曲振動する。同様に、前記積層型電気−機械エネルギ変
換素子15が接着された凹部にはL字型の圧力板9bが
突出して形成され、該圧力板9bは前記積層型電気−機
械エネルギ変換素子15の伸縮振動によってx方向に押
され、金属製弾性体11は、切欠部19bを力点とし切
欠部18bを回転支点として屈曲振動する。
【0019】前記二つの屈曲振動の周波数は、金属製弾
性体11が有する屈曲振動の共振周波数と一致しておら
ず、積層型電気−機械エネルギ変換素子14,15の伸
縮振動の周波数と一致する。そして、金属製弾性体11
に発生する屈曲振動の振幅の大きさは積層型電気−機械
エネルギ変換素子14,15の伸縮振動の振幅の大きさ
に比例する。なお、積層型電気−機械エネルギ変換素子
14,15の伸縮振動の振幅は、各リード端子16a,
16b,17a,17bを介して印加される交流電圧の
大きさを変えることによって制御することができる。ま
た、金属製弾性体11の屈曲振動の振幅と積層型電気−
機械エネルギ変換素子14,15の伸縮振動の振幅に対
する拡大率は、金属製弾性体11及び積層型電気−機械
エネルギ変換素子14,15がそれぞれ接着された凹部
の形状及び寸法によって設定することができる。
【0020】そして、前記金属製弾性体11の支持部1
2を図示しない超音波搬送装置の本体に固定し、リード
端子16a,16b,17a,17bを介して積層型電
気−機械エネルギ変換素子14,15のそれぞれに、同
じ周波数で位相が90〔°〕異なる交流電圧を印加する
と、二つの屈曲振動が合成されて金属製弾性体11の振
動片13は回転振動又は楕円振動する。該回転振動又は
楕円振動の振幅は積層型電気−機械エネルギ変換素子1
4,15に印加される交流電圧の大きさによって、前記
回転振動又は楕円振動の周期は積層型電気−機械エネル
ギ変換素子14,15に印加される交流電圧の周波数に
よって、回転方向は積層型電気−機械エネルギ変換素子
14,15に印加される交流電圧の位相差によって制御
することができる。
【0021】このように、前記金属製弾性体11によっ
て平板振動子10が形成される。前記金属製弾性体11
の振動片13には後述する溝付回転ローラを配設するた
め、高摩擦係数を有し、かつ、耐摩耗性の高い材料の膜
が振動面13aに付着又は接着される。なお、高摩擦係
数を有し、かつ、耐摩耗性の高い材料で金属製弾性体1
1自体を形成することもできる。
【0022】図6は溝付回転ローラの斜視図である。図
において、20は溝付回転ローラであり、外周面に溝2
4を有する円筒形のローラ21を軸受22の外周に接着
して形成される。該溝付回転ローラ20は、軸受22の
内周に配設された回転軸23によって回転自在に支持さ
れる。そして、前記ローラ21の外周面(溝24の外周
も含む。)には、高摩擦係数を有し、かつ、耐摩耗性の
高い材料の膜が付着又は接着される。なお、高摩擦係数
を有し、かつ、耐摩耗性の高い材料でローラ21自体を
形成することもできる。そして、前記溝24には金属製
弾性体11(図5)の振動片13が接触する。
【0023】図1は本発明の第1の実施例を示す超音波
モータの概略図である。図の(a)は超音波モータの斜
視図、(b)は超音波モータの要部側面図である。図に
おいて、10は平板振動子、11は金属製弾性体、12
は支持部、13は振動片、14,15は積層型電気−機
械エネルギ変換素子、19aは切欠部、20は溝付回転
ローラ、9aは圧力板、21はローラ、22は軸受、2
3は回転軸、24は溝、31a,31bは板ばねであ
る。
【0024】図に示すように、溝付回転ローラ20を、
溝24が金属製弾性体11の振動片13に接触するよう
に位置決めし、板ばね31a,31bによって回転軸2
3を介して前記溝付回転ローラ20を振動片13に圧接
する。圧接手段として、前記板ばね31a,31bのほ
かコイル状のばね、リング状のばね等を使用することも
できる。
【0025】前記溝付回転ローラ20は、前記振動面1
3aの回転振動又は楕円振動を受けると、接触により発
生する摩擦力によって、回転振動又は楕円振動の振動方
向に回転する。なお、前記溝付回転ローラ20の溝24
と前記振動片13の振動面13a間に歯を成形し、両者
を噛合(しごう)させることもできる。前記構成の超音
波モータにおいては、溝付回転ローラ20が振動片13
を押圧することによって平板振動子10に加えられる力
を積層型電気−機械エネルギ変換素子14,15の伸縮
振動によって受けることができるため、溝付回転ローラ
20が発生するトルクを大きくすることができ、回転を
安定させることができる。なお、溝付回転ローラ20の
溝24が無い場合でも平板振動子10によって同様に回
転させることができる。
【0026】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図7は本発明の第2の実施例を示す超音波搬送装
置の斜視図である。図において、10は平板振動子、1
1は金属製弾性体、12は支持部、13は振動片、20
は溝付回転ローラ、21はローラ、31a,31bは板
ばね、33は補助ローラであり、該補助ローラ33が平
板振動子10の長手方向に対して垂直の方向から溝付回
転ローラ20に圧接させられる。前記補助ローラ33
は、円筒形のローラ34を軸受35の外周に接着して形
成され、該軸受35の内周に配設された回転軸36によ
って回転自在に支持される。
【0027】そして、前記溝付回転ローラ20と補助ロ
ーラ33間にカード、紙、フィルム等のシート状搬送物
37を挟むことによって容易にx軸の方向に該シート状
搬送物37を搬送することができる。なお、前記補助ロ
ーラ33をz軸の方向に自由度を持つように支持するこ
とによって、シート状搬送物37の厚さの変化に対応さ
せることができる。
【0028】また、前記溝付回転ローラ20が矢印方向
に回転する場合には、シート状搬送物37は矢印方向に
搬送される。また、ローラ34の外周面には、高摩擦係
数を有し、かつ、耐摩耗性の高い材料の膜が付着又は接
着される。なお、高摩擦係数を有し、かつ、耐摩耗性の
高い材料でローラ34自体を形成することもできる。前
記構成の超音波モータにおいては、前記ローラ21と振
動片13の接触によって発生する摩擦力が補助ローラ3
3又はシート状搬送物37の影響を受けないため、平板
振動子10は溝付回転ローラ20を安定して回転させる
ことができる。
【0029】なお、溝付回転ローラ20と補助ローラ3
3間にある程度のギャップを設けることによって、超音
波モータを長時間駆動しない場合に溝付回転ローラ20
又は補助ローラ33が塑性的に変形するのを防止するこ
とができる。さらに、超音波モータと駆動源が異なるア
クチュエータにより前記ギャップを制御することによっ
て、薄いシート状搬送物37が搬送できなくなるのを防
止することができる。また、補助ローラ33を溝付回転
ローラ20に圧接する機構に、駆動源が異なるアクチュ
エータを使用した場合にも、同様の効果を得ることがで
きるとともに、シート状搬送物37の厚さの変化による
摩擦力の変動を補正することができ、安定した搬送が可
能になる。
【0030】そして、本実施例においては、金属製弾性
体11の2箇所の凹部に積層型電気−機械エネルギ変換
素子14,15を接着しているが、平板型電気−機械エ
ネルギ変換素子を単体で構成し、長手方向において2分
割して分極し、同様に金属製弾性体11を屈曲振動させ
ることもできる。また、シート状搬送物37の幅(y軸
の方向の長さ)が広い場合には、図7と同様の構成の超
音波モータをy軸の方向の2箇所に配設し、各超音波モ
ータを同期させて駆動するとよい。この場合、各溝付回
転ローラ20の回転数又は回転方向を変化させることに
よって、シート状搬送物37のy軸の方向への並進蛇行
及びz軸回りの回転蛇行を補正することができる。
【0031】また、前記補助ローラ33に代えて、超音
波モータのz軸の方向にもう一つの超音波モータを圧接
するとともに、二つの溝付回転ローラ20とシート状搬
送物37間に発生する摩擦力の方向が一致するように、
それぞれの超音波モータを駆動することによって、図7
に示す超音波モータと同様の効果を得ることができる。
この場合、各溝付回転ローラ20の回転数又は回転方向
を変化させることによってシート状搬送物37の搬送方
向を制御することができる。
【0032】ここで、上側の溝付回転ローラ20の回転
数をN1 とし、下側の溝付回転ローラ20の回転数をN
2 とする。そして、上側の溝付回転ローラ20の回転方
向をy軸に関して左回り(又は右回り)とし、下側の溝
付回転ローラ20を右回り(又は左回り)とした場合、
シート状搬送物37は N1 >N2 のとき、x軸の正(又は負)方向でかつz軸の負方向に
搬送され、逆に N1 <N2 のときは、x軸の正(又は負)方向でかつz軸の正方向
に搬送される。また、回転数N1 と回転数N2 の値が一
致するか十分近接した場合には、シート状搬送物37は
x軸の正(又は負)方向でかつほとんど水平に搬送され
る。
【0033】次に、上側及び下側の両溝付回転ローラ2
0の回転方向を同じにすると、シート状搬送物37との
間で発生する摩擦力が逆方向となるため、重なり合った
状態で挿入された2枚のシート状搬送物37のそれぞれ
をx軸の正方向及び負方向に搬送し、互いを分離するこ
とができる。また、一方の超音波モータの支持部12を
固定し、他方の超音波モータの支持部12をy軸を中心
として回転自在に支持することによって、シート状搬送
物37の厚さの変化に対応させることができる。この場
合、他方の超音波モータの支持部12を回転自在に支持
する部分に超音波モータと駆動源が異なるアクチュエー
タを使用することによって、シート状搬送物37の厚さ
の変化による摩擦力の変動を補正することができる。ま
た、支持部12を回転自在に支持する部分に回転角を検
出する手段を設けることによって、シート状搬送物37
の厚さを検出することができ、シート状搬送物37の厚
さの変化による摩擦力の変動又は重送に対応することが
できる。すなわち、前記アクチュエータを制御して超音
波モータの回転角を変化させることによって摩擦力の変
動を補正することができ、二つの溝付回転ローラ20の
回転方向を制御することによって重送を防止することが
できる。
【0034】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図8は本発明の第3の実施例を示す超音波搬送装
置の斜視図である。図において、10は平板振動子、1
2は支持部、14,15は積層型電気−機械エネルギ変
換素子、20は溝付回転ローラ、21,42はローラ、
41は台座、43はベルト、44は軸受、45は回転軸
である。
【0035】前記支持部12に台座41が取り付けら
れ、該台座41にローラ42を回転自在に支持する。そ
して、前記溝付回転ローラ20とローラ42間にベルト
43を架設することによってシート状搬送物37(図
7)を搬送することができる。前記ローラ42は、台座
41の軸受44の内周に配設された回転軸45によって
回転自在に支持される。
【0036】前記ベルト43と平板振動子10の接触に
よって発生する摩擦力は、平板振動子10が積層型電気
−機械エネルギ変換素子14,15の伸縮振動によって
振動するため小さくなる。また、ローラ42の代わりに
もう一つの超音波モータを支持部12に取り付け、各溝
付回転ローラ20間にベルト43を架設することもでき
る。
【0037】さらに、超音波モータをシート状搬送物3
7と同じ形状及び寸法を有するテーブル上に配設し、溝
付回転ローラ20が発生するトルクによってテーブル上
に載置したシート状搬送物37をテーブルごと搬送させ
ることができる。次に、本発明の第4の実施例について
説明する。図9は本発明の第4の実施例を示す超音波モ
ータの斜視図である。
【0038】図において、10は平板振動子、12は支
持部、14,15は積層型電気−機械エネルギ変換素
子、20は溝付回転ローラ、21はローラ、47,48
は平板型電気−機械エネルギ変換素子である。この場
合、平板振動子10に、z軸の方向に分極された平板型
電気−機械エネルギ変換素子47,48が接着されてい
るので、該平板型電気−機械エネルギ変換素子47,4
8によって前記積層型電気−機械エネルギ変換素子1
4,15が発生した伸縮振動を検出することができる。
また、この時出力される交流電圧に基づいて積層型電気
−機械エネルギ変換素子14,15の図示しない駆動回
路を制御することによって、平板振動子10の振動片1
3の回転振動又は楕円振動を制御することができ、溝付
回転ローラ20の回転数、回転方向及びトルクを安定さ
せることができる。なお、平板型電気−機械エネルギ変
換素子47,48を単体で構成し、長手方向において2
分割して分極することもできる。
【0039】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形すること
が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するもの
ではない。
【0040】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、超音波モータは、一端が支持され、長手方向に沿
って凹部が形成された柱形状の弾性体を有しており、前
記凹部に電気−機械エネルギ変換素子が固定される。該
電気−機械エネルギ変換素子には、同じ周波数で設定さ
れた角度だけ位相が異なる二つの交流電圧が印加される
ため、電気−機械エネルギ変換素子が振動し、前記弾性
体の他端に圧接させられた回転ローラが回転する。
【0041】この場合、該回転ローラから弾性体に加え
られる力は、電気−機械エネルギ変換素子によって受け
られるため、回転振動や楕円振動の共振周波数及び振幅
が変動することがなく、回転ローラが発生するトルクを
大きくすることができる。また、前記弾性体に他の電気
−機械エネルギ変換素子を固定することもできる。この
場合、該他の電気−機械エネルギ変換素子が出力する電
圧を検出し、検出した電圧によって弾性体の振動状態が
分かる。この振動状態に対応して前記交流電圧を制御
し、回転ローラの回転を安定させることができる。
【0042】また、前記弾性体の支持部にローラを配設
し、該ローラと前記回転ローラ間にベルトを架設するこ
ともできる。したがって、シート状搬送物を搬送するこ
とができる領域が拡大され、幅の広いシート状搬送物を
搬送することができる。そして、前記構成の超音波モー
タを二つ使用して超音波搬送装置が構成される。
【0043】そのため、第1の超音波モータと、第2の
超音波モータが設けられ、それぞれの回転ローラは、シ
ート状搬送物を摩擦力によって搬送することができる位
置に設定する。この場合、前記回転ローラの回転方向を
変えることもでき、シート状搬送物を分離させることが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す超音波モータの概
略図である。
【図2】従来の超音波モータに使用される圧電振動子の
斜視図である。
【図3】従来の超音波モータの斜視図である。
【図4】従来の超音波搬送装置の斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施例を示す超音波モータに使
用される平板振動子の斜視図である。
【図6】溝付回転ローラの斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施例を示す超音波搬送装置の
斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施例を示す超音波搬送装置の
斜視図である。
【図9】本発明の第4の実施例を示す超音波モータの斜
視図である。
【符号の説明】
12 支持部 13 振動片 11 金属製弾性体 14,15 積層型電気−機械エネルギ変換素子 20 溝付回転ローラ 21,34,42 ローラ 33 補助ローラ 37 シート状搬送物 43 ベルト 47,48 平板型電気−機械エネルギ変換素子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一端が支持され、長手方向に沿っ
    て凹部が形成された柱形状の弾性体と、 (b)前記凹部に固定された電気−機械エネルギ変換素
    子と、 (c)同じ周波数で設定された角度だけ位相が異なる二
    つの交流電圧を前記電気−機械エネルギ変換素子に印加
    する手段と、 (d)前記弾性体の他端に圧接させられ、他端に発生す
    る振動によって回転する回転ローラを有することを特徴
    とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】 (a)前記弾性体に固定された他の電気
    −機械エネルギ変換素子と、 (b)該他の電気−機械エネルギ変換素子が出力する電
    圧を検出する手段と、 (c)検出した電圧に対応して前記交流電圧を制御する
    手段を有する請求項1に記載の超音波モータ。
  3. 【請求項3】 前記弾性体の支持部にローラを配設し、
    該ローラと前記回転ローラ間にベルトを架設した請求項
    1に記載の超音波モータ。
  4. 【請求項4】 (a)第1の超音波モータと、 (b)第2の超音波モータを有し、 (c)前記第1、第2の超音波モータはいずれも、一端
    が支持され、長手方向に沿って凹部が形成された柱形状
    の弾性体と、前記凹部に固定されるとともに、弾性体の
    長手方向における2箇所で伸縮振動する電気−機械エネ
    ルギ変換素子と、 同じ周波数で設定された角度だけ位相が異なる二つの交
    流電圧を前記電気−機械エネルギ変換素子に印加する手
    段と、前記弾性体の他端に圧接させられ、他端に発生す
    る振動によって回転する回転ローラを備え、 (d)前記第1、第2の超音波モータのそれぞれの回転
    ローラは、シート状搬送物を摩擦力によって搬送するこ
    とができる位置に設定したことを特徴とする超音波搬送
    装置。
  5. 【請求項5】 前記回転ローラの回転方向を変える手段
    を有する請求項4に記載の超音波搬送装置。
JP5010725A 1993-01-26 1993-01-26 超音波モータ及び超音波搬送装置 Withdrawn JPH06225553A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009078839A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Nec Personal Products Co Ltd 剥離ローラ及びこれを備えたラベル印刷装置

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JP2009078839A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Nec Personal Products Co Ltd 剥離ローラ及びこれを備えたラベル印刷装置

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