JP3886765B2 - 搬送機構およびこの搬送機構を用いたプリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は搬送機構およびこの搬送機構を用いたプリンタに係り、特に圧電素子を利用して媒体を搬送させる搬送機構およびこの搬送機構を用いたプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、媒体を搬送するための搬送体としてステッピングモータの駆動を利用して回転駆動するローラを利用する搬送機構が知られている。そして、前記搬送機構は、このローラと前記ローラに対向するように設置された支持部とにより媒体を挟持し、前記ローラの回転駆動により前記媒体を搬送させるようになされている。
【0003】
そして、このような搬送機構としては、例えば、プリンタにおいて用紙トレイから媒体としての用紙を搬送させるための用紙搬送機構や、記録ヘッドによって記録を行いながら用紙を搬送させるための用紙搬送機構等が知られている。
【0004】
このうち用紙トレイから用紙を搬送させるための用紙搬送機構には、ローラとして紙送りローラが設置されており、またプリンタには、支持部として前記紙送りローラの回転に従動して回転する従動ローラが設置されている。この用紙搬送機構においては、前記紙送りローラと前記従動ローラとにより用紙を挟持し、前記紙送りローラをステッピングモータを利用して回転駆動させることにより、用紙を搬送させていた。
【0005】
また、記録を行いながら用紙を搬送させるための用紙搬送機構には、ローラとしてプラテンローラが設置されており、またプリンタには、支持部として記録ヘッドが設置されている。このような用紙搬送機構においては、前記記録ヘッドと前記プラテンローラとにより用紙を挟持し、前記プラテンローラをステッピングモータを利用して回転駆動させながら、前記記録ヘッドを駆動して、用紙上に記録を行いながら用紙を搬送させていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のように各用紙搬送機構を構成する紙送りローラやプラテンローラは、ステッピングモータを駆動させることにより回転駆動される。このため、前記各用紙搬送機構には、紙送りローラやプラテンローラ、および従動ローラや記録ヘッドの他に、前記紙送りローラやプラテンローラ等を回転駆動させるためのステッピングモータをそれぞれ設置する必要があった。一方、近年デジタルスチルカメラや携帯電話等に入力された写真や文字等の画像の記録データを前記デジタルスチルカメラ等から直接入力し、出力するための携帯用プリンタが利用されており、この携帯用プリンタの一層の小型化が図られている。しかしながら、各用紙搬送機構にそれぞれステッピングモータを設置しなければならず、各用紙搬送機構の小型化を図ることができないことから、前記携帯用プリンタを小型化するための妨害となっていた。
【0007】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、一層の小型化を図ることができる搬送機構およびこの搬送機構を用いたプリンタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る搬送機構は、圧電素子を媒体に直接当接させ、前記圧電素子の振動により前記媒体を搬送させる搬送機構であって、前記圧電素子を、直方体の基体により構成し、前記基体の両側面の長手方向の四辺付近に電極を配設し、前記圧電素子の端面における対角線上に位置する前記各電極対を同極にしてそれぞれ電界を加えることにより分極を施してあり、前記各電極のうち隣接する2つの電極を配線によって接続し、他の2つの電極にそれぞれ90度位相の異なる交流電圧を印加することによって、前記圧電素子を、屈曲振動させてモード回転を生じさせることにより前記媒体を搬送させることを特徴とする。
【0009】
この本発明に係る搬送機構によれば、前記圧電素子の振動のみによって媒体を搬送させることができるので、従来のような搬送体としてローラが用いられる場合にこのローラを回転駆動させるためのステッピングモータを設置する必要がない。また、圧接素子を屈曲振動させてモード回転を生じさせることを利用して媒体を大きく移動させることができる。
【0012】
また、本発明に係る他の搬送機構は、前記当接面の表面に、前記媒体の当接面の摩擦係数より高い摩擦係数を有する高摩擦層、または弾性層を形成することを特徴とする。
【0013】
この本発明に係る搬送機構によれば、前記高摩擦層または前記弾性層と前記媒体の当接面とが当接することにより、大きな摩擦力が生じる。
【0014】
また、本発明に係る他の搬送機構は、前記当接面を、円弧状となるように膨出形成することを特徴とする。
【0015】
この本発明に係る他の搬送機構によれば、圧電素子の当接面と媒体の下面とが当接する面積を狭めることができる。
【0016】
また、本発明に係る搬送機構を用いたプリンタは、記録媒体を介して複数の発熱素子が整列配置されている記録ヘッドに対向するように搬送機構が配設されているプリンタであって、前記搬送機構を、請求項1から請求項4のいずれかに記載の搬送機構とすることを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明に係る他の搬送機構を用いたプリンタは、記録媒体を介して従動ローラに対向するように搬送機構が配設されているプリンタであって、前記搬送機構を、記録媒体を介して請求項1から請求項4のいずれかに記載の搬送機構とすることを特徴とする。
【0018】
これらの本発明に係る搬送機構を用いたプリンタによれば、圧電素子の振動のみによって記録媒体を搬送させることができるので、従来のような搬送体としてプラテンローラまたは紙送りローラが用いられる場合にこれらのローラを回転駆動させるためのステッピングモータを設置する必要がない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る搬送機構を用いたプリンタの実施形態について、図1から図11を参照して説明する。
【0020】
まず、本発明に係る搬送機構の第1の実施形態を、便宜上サーマルプリンタにおいて記録を行いながら媒体としての用紙を搬送するための用紙搬送機構として説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る記録を行いながら用紙を搬送するための用紙搬送機構を用いたサーマルプリンタ示す断面図であり、図2は、前記サーマルプリンタを示す平面図である。図1および図2に示すように、前記サーマルプリンタ1には、サーマルヘッド2が配設されており、前記サーマルヘッド2には、複数の発熱素子3が整列配置されている。また、前記サーマルプリンタ1には、用紙5を搬送するための用紙搬送機構4が配設されている。
【0022】
この用紙搬送機構4には、用紙5を介して前記サーマルヘッド2と対向するように圧電素子6が配設されている。この圧電素子6は、図3に示すように、ほぼ直方体の基体7を有しており、前記基体7のうち用紙5に当接する当接面8は、円弧状となるように膨出形成されている。また、前記基体7の当接面8には、前記用紙5の下面の摩擦係数より高い摩擦係数を有する高摩擦層9が形成されている。なお、前記高摩擦層9にかえて弾性層が形成されていてもよい。
【0023】
また、前記基体7の両側面の上端部分および下端部分には、それぞれ前記基体7の長さ寸法と同様の長さ寸法により形成された電極が形成されている。これらの電極のうち一方の側面の上端部分に形成された電極をAとし、他方の側面の上端部分に形成された電極をBとし、前記電極Bの下方に形成された電極をCとし、前記電極Aの下方に形成された電極をDとする。そして、前記基体7の端面における対角線上に対向する電極Aと電極C、および電極Bと電極Dとをそれぞれ同極として電界を加えることにより分極が施される。この分極は、図3に示すように、電極Aから電極Bおよび電極Dの方向、および電極Cから電極Bおよび電極Dの方向であり、前記基体7の端面における4辺を沿うようになっている。さらに、前記電極Cと前記電極Dとは、配線11により接続されており、また、前記電極Aおよび前記電極Bには、90度位相の異なる交流電圧が印加されるようになされている。そして、このような前記各電極A、B、C、D間の分極方向および電界の関係により、前記各電極A、B、C、D間には圧電効果により長手方向の伸縮ひずみが生じ、前記基体7は屈曲振動してモード回転を生じる。ここで、圧電素子6の屈曲振動は、印加される交流電圧の周波数が前記圧電素子6の屈曲振動の共振周波数に近い値であるほど、変位が大きくなる。
【0024】
さらに、前記用紙搬送機構4には、前記各電極Aおよび電極Bに印加する電圧を制御する制御部13が設置されている。図4に示すように、この制御部13には、前記各電極Aおよび電極Bそれぞれに印加する交流電圧の周波数を発振するための発振器14、およびこの発振器14から前記電極Bに印加するために発振された交流電圧の周波数の位相を90度変換させるための移相器15が設置されている。また、前記制御部13には、前記発振器14から前記電極Aに印加するために発振された交流電圧を増幅するための第1増幅器16、および前記電極Bに印加するために前記移相器15により位相が変換された交流電圧を増幅するための第2増幅器17が設置されている。さらに、前記制御部13には、前記電極Aに印加された交流電圧の電圧を検出するための電流検出器18および前記交流電圧の電流を検出するための電圧検出器19が設置されており、また前記電流検出器18および前記電圧検出器19によりそれぞれ検出された電圧と電流の位相の差を比較し、前記発振器14により発振される交流電圧の周波数を制御するための位相比較回路20が設置されている。
【0025】
次に、第1の実施形態に係る用紙搬送機構4を用いたサーマルプリンタ1の作用について説明する。
【0026】
まず、発振器14により、電極Aおよび電極Bに印加される所定の周波数の交流電圧が発振される。この交流電圧の周波数の駆動波形として正弦波が利用され、また周波数は圧電素子6の屈曲振動の共振周波数に近い数値となるように設定される。そして、前記正弦波の一定期間におけるパルス数を変化させることにより、前記圧電素子6の屈曲振動の速度を制御する。前記発振器14により発振された交流電圧のうち電極Aに印加される交流電圧は、第1増幅器16により増幅されて電極Aに印加される。一方、電極Bに印加される交流電圧は、移相器15によってその位相を+90度変換された後、第2増幅器17により増幅されて電極Bに印加される。
【0027】
前記交流電圧が電極Aおよび電極Bにそれぞれ印加されると、各電極A、B、C、D間の分極方向および電界の関係により、前記各電極A、B、C、D間に圧電効果が生じ、前記圧電素子6は、屈曲振動を開始する。このとき、前記電極Aおよび前記電極Bには、圧電素子の屈曲振動の共振周波数に近い値の周波数の交流電圧が印加されているので、前記圧電素子6を大きく屈曲振動させることができる。また、前記電極Aと前記電極Bとには+90度位相が異なる交流電圧が印加されているので、前記圧電素子6の屈曲変位の方向が回転される。この結果、図5に示すように、前記圧電素子6は、各電極A、B、C、D間の圧電効果により長手方向の伸縮ひずみが生じ、屈曲振動してモード回転が生じる。この圧電素子6のモード回転により、前記圧電素子6の高摩擦層9が用紙5の下面に当接され、前記高摩擦層9と前記用紙5との間に摩擦力が生じる。そして、この摩擦力によって前記用紙5を搬送させる。これとともに、各発熱素子3を選択的に発熱させて前記用紙5上に記録を行う。なお、前記電極Bに対し前記電極Aに印加される交流電圧と−90度位相が異なる交流電圧を印加する場合には、前記用紙5を逆方向に搬送させることができる。
【0028】
続いて、前記電極Aに印加された交流電圧の電流および電圧が電流検出器18および電圧検出器19によって検出され、検出された電流および電圧のデータは、位相比較回路20に出力される。さらに、位相比較回路20により、前記電極Aに印加される交流電圧の電流と電圧の位相が比較され、そして前記発振器14によって発振される前記電極Aおよび前記電極Bに印加される交流電圧の周波数が前記圧電素子6の共振周波数に近い値となるように調整される。これにより、前記圧電素子6の共振状態を維持させ、常に前記圧電素子6を大きく屈曲振動させることができる。
【0029】
本実施形態によれば、用紙5を搬送させるための搬送体として圧電素子6が用いられており、前記圧電素子6のモード回転のみによって用紙5を搬送させることができるので、従来のような搬送体としてプラテンローラが用いられる場合に前記プラテンローラを回転駆動させるためのステッピングモータを設置する必要がない。
【0030】
したがって、前記用紙搬送機構4に圧電素子6のみを設置すればよいので、用紙搬送機構4の小型化を図ることができる。
【0031】
また、圧電素子6の当接面8は、円弧状となるように膨出形成されているので、前記圧電素子6の当接面8と用紙5の下面とが当接する面積を狭めることができる。このため、前記圧電素子6のモード回転の運動量が前記当接面に集中されるので、用紙5を効率よく搬送させることができる。
【0032】
次に、本発明に係る搬送機構を用いたプリンタの第2の実施形態を、サーマルプリンタにおいて用紙トレイから用紙を搬送するための用紙搬送機構として図6から図11を参照して説明する。
【0033】
図6および図7に示すように、第2の実施形態に係るサーマルプリンタ33には、支持部としての一対の従動ローラ22が配設されており、これら各従動ローラ22は、ローラ軸23により連結されて一体に回転するようになされている。また、前記サーマルプリンタ33には、図示しない用紙トレイから用紙24を搬送するための用紙搬送機構21が配設されている。
【0034】
この用紙搬送機構21には、用紙24を介して前記従動ローラ22と対向するように搬送体としての圧電素子25が配設されている。この圧電素子25は、図8に示すように、ほぼ直方体の基体26を有している。この基体26の両側面の上端部分および下端部分には、それぞれ前記基体26の長さ寸法と同様の長さ寸法により形成された電極が形成されおり、これらの電極は長手方向においてそれぞれ2分割されている。
【0035】
これらの電極のうち一方の側面の上端部分に形成された電極の一端部分の電極をA1 、他端部分の電極をA2 とし、他方の側面の上端部分に形成された電極の一端部分の電極をB1 、他端部分の電極をB2 とし、前記電極B1 およびB2 の下方に形成された電極の一端部分の電極をC1 、他端部分の電極をC2 とし、前記電極A1 およびA2 の下方に形成された電極の一端部分をD1 、他端部分をD2 とする。このとき、このとき、前記基体26の端面における対角線上に対向する電極A1 と電極C1 、および電極B1 と電極D1 とをそれぞれ同極として電界を加えることにより、分極が施されるようになっている。この分極は、図9に示すように、電極A1 から電極B1 および電極D1 方向、および電極C1 から電極B1 および電極D1 方向であり、前記基体の端面における4辺を沿うようになっている。さらに、前記電極C1 と前記電極D1 とは、配線27により接続されており、また、前記電極A1 と前記電極B1 とは、配線28により接続され交流電圧が印加されるようになされている。
【0036】
さらに、前記基体26の端面における対角線上に対向する電極A2 と電極C2 、および電極B2 と電極D2 とをそれぞれ同極として電界を加えることにより分極が施されている。この分極は、図10に示すように、電極A2 から電極B2 および電極D2 方向、および電極C2 から電極B2 および電極D2 方向であり、前記基体26の端面における4辺を沿うようになっている。さらに、前記電極A2 と前記電極D2 とは配線29により接続されており、また、前記電極B2 と前記電極C2 とは配線30により接続され、前記電極A1 および電極B1 に印加される交流電流と90度位相の異なる交流電圧が印加されるようになされている。そして、このような前記各電極A1 、A2 、B1 、B2 、C1 、C2 、D1 、D2 間の分極方向および電界の関係により、前記各電極A1 、A2 、B1 、B2 、C1 、C2 、D1 、D2 間に圧電効果が生じ、前記圧電素子25は屈曲振動してモード回転が生じる。これにより、図11に示すように、高次の屈曲振動を発生させることができる。
【0037】
なお、本実施形態における圧電素子25および用紙搬送機構21の他の構成は、第1の実施形態における圧電素子6および用紙搬送機構1の構成と同様であるので、説明を省略する。
【0038】
次に、第2の実施形態に係る用紙搬送機構21を利用したサーマルプリンタ33の作用について説明する。
【0039】
まず、発振器により、電極A1、電極B1 および電極B2 、電極C2 に印加される所定の周波数の交流電圧が発振される。このうち電極A1 、電極B1 に印加される交流電圧は、第1増幅器により増幅されて電極A1 および電極B1 に印加される。一方、電極B2 および電極C2 に印加される交流電圧は、移相器によってその位相を+90度変換された後、第2増幅器により増幅されて電極B2 および電極C2 に印加される。
【0040】
前記交流電圧が電極A1 、電極B1 および電極B2 、電極C2 にそれぞれ印加されると、各電極A1 、A2 、B1 、B2 、C1 、C2 、D1 、D2 間の分極方向および電界の関係により、前記各電極A1 、A2 、B1 、B2 、C1 、C2 、D1 、D2 間に圧電効果が生じ、前記圧電素子25は、屈曲振動を開始する。また、前記電極A1 、電極B1 と前記電極B2 、電極C2 とには+90度位相が異なる交流電圧が印加されているので、前記圧電素子の屈曲変位の方向を回転させる。この結果、図11に示すように、前記圧電素子25は、前記各電極A1 、B1 、C1 、D1 の長手方向における中央部分が上方および下方に屈曲するとともに、前記各電極A2 、B2 、C2 、D2 の長手方向における中央部分が、前記各電極A1 、B1 、C1 、D1 の屈曲方向と反対方向に上方および下方に屈曲するように屈曲振動し、モード回転が生じる。この圧電素子25のモード回転により、前記圧電素子25の高摩擦層32が用紙24の下面に当接され、前記高摩擦層32と前記用紙25との間に摩擦力が生じ、この摩擦力によって前記用紙24を搬送させる。
【0041】
本実施形態によれば、前記圧電素子25は、前記各電極A1 、B1 、C1 、D1 の長手方向における中央部分が上方および下方に屈曲するとともに、前記各電極A2 、B2 、C2 、D2 の長手方向における中央部分が、前記各電極A1 、B1 、C1 、D1 の屈曲方向と反対方向に上方および下方に屈曲するように屈曲振動するので、前記各電極A1 、A2 、B1 、B2 、C1 、C2 、D1 、D2 の長手方向における中央部分および両端部分において大きな屈曲変位が得られる。このため、第1の実施形態に係る圧電素子6と比較して広い範囲において大きく屈曲振動する。
【0042】
したがって、前記圧電素子25の大きな屈曲振動を利用することにより、圧電素子25の広い範囲を用いて用紙24を効率よく搬送させることができる。
【0043】
なお、第1および第2の実施形態においては前記交流電圧の周波数の駆動波形として正弦波を用いているが、これに限定されるものではなく矩形波を用いるものであってもよい。この場合、矩形波のデューティ比を変化させることによって、前記圧電素子6、25の屈曲振動の速度を制御することができる。
【0044】
また、第1および第2の実施形態においては用紙5、24と当接する圧電素子6、25の当接面8は円弧状となるように膨出形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば平坦であってもよい。
【0045】
さらに、第1および第2の実施形態においては搬送機構をサーマルプリンタに用いる用紙搬送機構4、21として説明しているが、これに限定されるものではなく、他の媒体を搬送するための搬送機構にも利用することができる。
【0046】
さらにまた、第1の実施形態に用いられる圧接素子6を第2の実施形態に係る用紙トレイから用紙を搬送するための用紙搬送機構21に用いてもよく、第2の実施形態に用いられる圧接素子25を第1の実施形態に係る記録を行いながら用紙を搬送するための用紙搬送機構4に用いてもよい。
【0047】
また、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る搬送機構によれば、搬送機構に圧電素子のみを設置すればよいので、搬送機構の小型化を図ることができる。
【0049】
また、圧接素子のモード回転を利用して媒体を大きく移動させることができるので、効率よく媒体を搬送させることができる。
【0050】
また、本発明に係る他の搬送機構によれば、高摩擦層または弾性層と媒体の当接面とが当接することにより、大きい摩擦力が生じるので、この摩擦力により、一層効率よく媒体を搬送させることができる。
【0051】
また、本発明に係る他の搬送機構によれば、圧電素子の当接面と用紙の下面とが当接する面積を狭めることができるため、圧電素子の振動の運動量が当接面に集中されるので、媒体を効率よく搬送させることができる。
【0052】
また、本発明に係る搬送機構を用いたプリンタによれば、用紙搬送機構に圧電素子のみを設置すればよいので、前記プリンタに設けられた各用紙搬送機構の小型化を図ることができ、この結果、前記プリンタの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る搬送機構の第1の実施形態を示す断面図
【図2】 図1に示す搬送機構を示す平面図
【図3】 図1に示す搬送機構に用いられる圧電素子を示す斜視図
【図4】 図3に示す圧電素子を制御する制御部を示すブロック図
【図5】 図3に示す圧電素子のモード回転を示す概念図
【図6】 本発明に係る搬送機構の第2の実施形態を示す断面図
【図7】 図6に示す搬送機構を示す平面図
【図8】 図6に示す搬送機構に用いられる圧電素子を示す斜視図
【図9】 図8に示す圧電素子の一端面の分極方向を示す概念図
【図10】 図8に示す圧電素子の他端面の分極方向を示す概念図
【図11】 図8に示す圧電素子のモード回転を示す概念図
【符号の説明】
1 サーマルプリンタ
2 サーマルヘッド
3 発熱素子
4 用紙搬送機構
5 用紙
6 圧電素子
7 基体
8 当接面
9 高摩擦層
11 配線
13 制御部
14 発振器
15 移相器
16 第1増幅器
17 第2増幅器
18 電流検出器
19 電圧検出器
20 位相比較回路
A、B、C、D 電極
Claims (5)
- 圧電素子を媒体に直接当接させ、前記圧電素子の振動により前記媒体を搬送させる搬送機構であって、前記圧電素子を、直方体の基体により構成し、前記基体の両側面の長手方向の四辺付近に電極を配設し、前記圧電素子の端面における対角線上に位置する前記各電極対を同極にしてそれぞれ電界を加えることにより分極を施してあり、前記各電極のうち隣接する2つの電極を配線によって接続し、他の2つの電極にそれぞれ90度位相の異なる交流電圧を印加することによって、前記圧電素子を、屈曲振動させてモード回転を生じさせることにより前記媒体を搬送させることを特徴とする搬送機構。
- 前記当接面の表面に、前記媒体の当接面の摩擦係数より高い摩擦係数を有する高摩擦層、または弾性層を形成することを特徴とする請求項1に記載の搬送機構。
- 前記当接面を、円弧状となるように膨出形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の搬送機構。
- 記録媒体を介して記録ヘッドと対向するように前記記録媒体を搬送するための搬送機構が配設されているプリンタであって、前記搬送機構を、請求項1から請求項3のいずれかに記載の搬送機構とすることを特徴とするプリンタ。
- 記録媒体を介して従動ローラと対向するように前記記録媒体を搬送するための搬送機構が配設されているプリンタであって、前記搬送機構を、請求項1から請求項3のいずれかに記載の搬送機構とすることを特徴とするプリンタ。
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