JP2624392B2 - 移送方法及び移送用超音波アクチュエータ - Google Patents

移送方法及び移送用超音波アクチュエータ

Info

Publication number
JP2624392B2
JP2624392B2 JP3127390A JP12739091A JP2624392B2 JP 2624392 B2 JP2624392 B2 JP 2624392B2 JP 3127390 A JP3127390 A JP 3127390A JP 12739091 A JP12739091 A JP 12739091A JP 2624392 B2 JP2624392 B2 JP 2624392B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arm
vibration
transfer
plane
vibrator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3127390A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04354741A (ja
Inventor
高広 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP3127390A priority Critical patent/JP2624392B2/ja
Publication of JPH04354741A publication Critical patent/JPH04354741A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2624392B2 publication Critical patent/JP2624392B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Handling Of Cut Paper (AREA)
  • Paper Feeding For Electrophotography (AREA)
  • Jigging Conveyors (AREA)
  • Feeding Of Articles By Means Other Than Belts Or Rollers (AREA)
  • Facsimiles In General (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリンタ、複写機、印
刷機、ファクシミリ、自動現金取扱機等の収納部に多層
に積層された枚葉紙やカードリーダに使用されるカード
などの被移送物を移送するための移送用超音波アクチュ
エータ及び移送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、超音波によって発生させた振動を
利用して枚葉紙、カード等の被移送物を搬送する場合、
棒状体を所定の形態で回転させ、該棒状体に接触する被
移送物を移送するようにしている(特開昭63−189
342号公報参照)。図2は従来の移送用超音波アクチ
ュエータの原理図である。図の(a)は棒状体の正面
を、(b)は棒状体の側面を、(c)は棒状体の作動状
態を示している。
【0003】図において、31は移送用超音波アクチュ
エータ、32は該移送用超音波アクチュエータ31の駆
動部を構成する棒状体である。該棒状体32は、断面形
状が正方形である曲げ弾性を有する均質な材質から成
り、その下面とこれと直交する側面の二つの面に、例え
ば電気−機械エネルギ変換素子となる圧電セラミックス
などの電歪素子33,34がそれぞれ接合され、該電歪
素子33,34は交番電界印加電源35,36にそれぞ
れ接続されている。
【0004】上記交番電界印加電源35によって棒状体
32の下面に取り付けられた電歪素子33に交番電圧を
印加すると、棒状体32は(c)に示すようにY方向に
曲げられる。すなわち、棒状体32の共振周波数に一致
する周波数の交番電圧が印加されると、Y方向にS字形
の曲げ共振が発生する。同様に棒状体32の側面に取り
付けられた電歪素子34に交番電界印加電源36によっ
て交番電圧を印加すると、X方向にS字形の曲げ共振が
発生する。したがって、時間的にπ/2の位相差を持た
せて上記二つの振動を合成すれば、棒状体32は正逆の
方向に回転運動を起こす。
【0005】次に、上記構成の移送用超音波アクチュエ
ータを利用したカード搬送装置について説明する。図3
は従来のカード搬送装置の搬送状態図、図4は従来のカ
ード搬送装置の斜視図である。図3において、37は上
記棒状体32に対向して配設されるローラである。そし
て、被移送物のカード38を、上記棒状体32とローラ
37とで挟み、棒状体32を回転させることによって搬
送するようになっている。上記ローラ37は駆動源を備
えず、棒状体32が回転するのに伴い回転させられる。
【0006】また、図4において、39はカード搬送装
置のカード搬送部である。該カード搬送部39において
は、その両側板40(一方のみ図示)に上記棒状体32
が2個平行に間隔を置いてカンチレバー状に取り付けら
れる。該棒状体32の上部には、ローラ37がその両端
に回転軸受41を介して両側板40に支持されるととも
に、加圧用ばね42によって上記棒状体32に接触する
方向に付勢される。
【0007】次に、上記構成の移送用超音波アクチュエ
ータを利用した他のカード搬送装置について説明する。
図5は従来の他のカード搬送装置の斜視図である。この
場合、棒状体32の両端が、カード搬送部39の両側板
40に設置された支持用ピン43で変位のみを拘束する
ように支持されており、その下面と一方の側面の互いに
直角な2面に、複数枚の電歪素子33,34が長さ方向
に接合されている。また、棒状体32の振動の節となる
点は、カード搬送部39に固定された支持部材44によ
って両側面から支持される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の移送用超音波アクチュエータにおいては、棒状体3
2を支持する固定端に加わる固定力や先端に発生する振
動の振幅が変化してしまい、しかもエネルギ効率も悪く
なってしまう。また、カード搬送装置においては、カー
ド押付用のローラ37は1本で構成され、両側板40に
支持された棒状体32に対向して配置される。そして、
その支持部に設けられた加圧用ばね42が別々に設けら
れているため、搬送中において、カード38への押付力
が変化してカード38が蛇行してしまう。そして、該カ
ード38の蛇行を補正するための技術的手段もない。
【0009】さらに、上記カード搬送装置が搬送する対
象物は、カード、例えば銀行カード、クレジットカード
等であって、紙や再生紙の移送に応用することが困難で
ある。本発明は、上記従来の移送用超音波アクチュエー
タ及びカード搬送装置の問題点を解決して、カード以外
にも紙、再生紙等の枚葉紙を移送、分離することがで
き、かつそれら被移送物を蛇行させることなく移送する
ことができるとともに、振動の振幅が変化することがな
く、しかもエネルギ損失の少ない移送方法及び移送用超
音波アクチュエータを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の移
送用超音波アクチュエータにおいては、第1アームと第
2アームを有するL字型振動子を有している。上記第1
アームは、互いに直交する二つの面を有する弾性体から
成り、励振時に一つの振動の節を形成して、2次の長さ
方向撓み振動から成る面内振動及び2次の長さ方向撓み
振動から成る面垂直振動を発生する。また、第2アーム
は、上記第1アームと直交して一体的に結合される弾性
体から成り、励振時に一つの振動の節を形成して、2次
の長さ方向撓み振動から成る面内振動及び1次の長さ方
向捩じり振動を発生する。
【0011】上記第2アームは固定され、上記第1アー
ムの二つの面及び上記第2アームの一つの面に設けられ
た圧電素子に電圧を印加することによって上記L字型振
動子を励振するようになっている。上記第2アームの先
端には、弾性体から成る副振動子が一体的に突出して成
形されるとともに、上記第2アームの振動の節は、第1
アームと第2アームの結合部に一致させられる。
【0012】そして、第1アームの先端又は副振動子の
先端に円筒状の振動ロータが固定され、該振動ロータに
伝えられる楕円運動によって被移送物が移送される。ま
た、本発明の移送方法においては、上記第1アーム及び
第2アームを励振し、面内振動と面垂直振動で位相差を
設けることによって、第1アームの先端に楕円運動を発
生するようになっている。
【0013】そして、上記第1アームと第2アームから
成る移送用超音波アクチュエータを上下に対で配設し、
二つの第2アーム間に被移送物を挟んで移送する。この
場合、上記第2アームに発生する2次の長さ方向撓み振
動から成る面内振動の駆動周波数を変更し、上記第2ア
ームの振動の節を第1アームと第2アームの結合部から
ずらして被移送物の蛇行を補正することができる。ま
た、上下に対で配設された移送用超音波アクチュエータ
のそれぞれの位相差を異ならせ、各移送用超音波アクチ
ュエータを互いに逆方向に回転させて被移送物を分離す
ることができる。
【0014】また、上記面内振動と面垂直振動の振幅比
をそれぞれ変更して、被移送物との摩擦係数の変化や被
移送物の厚みの変化に対応させることができる。
【0015】
【作用】本発明によれば、上記のように第1アームは、
励振時に一つの振動の節を形成して、2次の長さ方向撓
み振動から成る面内振動及び2次の長さ方向撓み振動か
ら成る面垂直振動を発生し、第2アームは、励振時に一
つの振動の節を形成して、2次の長さ方向撓み振動から
成る面内振動及び1次の長さ方向捩じり振動を発生す
る。
【0016】上記第2アームは固定され、上記第1アー
ムの二つの面及び上記第2アームの一つの面に設けられ
た圧電素子に電圧を印加することによって上記第1アー
ムの先端に楕円運動を発生させることができる。上記第
2アームの先端には、弾性体から成る副振動子が一体的
に突出して成形されているため、上記楕円運動の振動変
位が拡大する。
【0017】そして、上記第2アームの振動の節は、第
1アームと第2アームの結合部に一致させてあるため、
励振に伴って上記第1アームと第2アームの結合部は移
動しない。第1アームの先端又は副振動子の先端に円筒
状の振動ロータが固定され、上記第1アームの先端又は
副振動子の先端に発生した楕円運動は振動ロータに伝え
られ、その楕円運動によって被移送物が移送される。
【0018】また、本発明の移送方法においては、上記
第1アーム及び第2アームを励振し、面内振動と面垂直
振動で位相差を設けることによって、第1アームの先端
に楕円運動を発生するようになっている。そして、上記
第1アームと第2アームから成る移送用超音波アクチュ
エータを上下に対で配設し、二つの第2アーム間に被移
送物を挟んで移送する。この場合、上記第2アームに発
生する2次の長さ方向撓み振動から成る面内振動の駆動
周波数を変更し、上記第2アームの振動の節を第1アー
ムと第2アームの結合部からずらすと、結合部の位置が
移送方向に垂直の方向に移動し、被移送物の蛇行を補正
することができる。また、上下に対で配設された移送用
超音波アクチュエータのそれぞれの位相差を異ならせ、
一方の移送用超音波アクチュエータを正回転させ、他方
の移送用超音波アクチュエータを逆回転させることによ
って被移送物を分離することができる。
【0019】また、上記面内振動と面垂直振動の振幅比
をそれぞれ変更すると、上記第1アームの先端又は副振
動子の先端の軌跡が変わる。したがって、移送用超音波
アクチュエータと被移送物との摩擦係数の変化又は被移
送物の厚みの変化に対応して押付力を変えることができ
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。本発明の移送方法及び移送用ア
クチュエータは、再生紙をも含む枚葉紙、カード等の被
移送物を搬送するだけでなく、それらを積層状態から分
離する場合も含んでいる。
【0021】図1は本発明の移送用超音波アクチュエー
タの駆動部を構成する基本型L型振動子を示す図、図6
は基本型L型振動子の面内振動モード形態図、図7は基
本型L型振動子の面垂直振動モード形態図である。図1
の(a)は基本型L型振動子の斜視図、(b)は基本型
L型振動子のX−Z平面上の寸法を、(c)は基本型L
型振動子のY−Z平面上の寸法を示している。
【0022】図1において、25は基本型L型振動子、
1は第1アーム、2は第1アーム1と垂直方向に形成さ
れる第2アーム、3は第2アーム2に接続される固定用
フランジ、4は固定用穴である。上記第1アーム1、第
2アーム2及び固定用フランジ3は弾性体によって一体
的に成形されている。また、a1 は第1アーム1の幅、
2 は第2アーム2の幅、b1 は第1アーム1の高さ、
2 は第2アーム2の高さ、L1 は第1アーム1の長
さ、L2 は第2アーム2の長さである。
【0023】上記基本型L型振動子25の各寸法a1
2 ,b1 ,b2 ,L1 ,L2 は、図6の面内振動モー
ドの共振周波数fM と図7の面垂直振動モードの共振周
波数fT とが一致又は十分近接するように設定する。そ
して、第1アーム1の長さL 1 と第2アーム2の長さL
2 は、L1 ≧L2 とする。これは、基本型L型振動子2
5において、圧電素子は第1アーム1に接着させられ、
接着させるための面積が圧電素子の出力と関係すること
から設定される条件である。なお、第1アーム1の長さ
1 と第2アーム2の長さL2 の寸法比を1:2とし、
X−Z平面内の第1アーム1の幅a1 と第2アーム2の
幅a 2 の寸法比を1:3とし、Y軸方向の第1アーム1
の高さb1 と第2アーム2の高さb2 の寸法比を1:1
とすると、図8及び図9に示すような振動モードを20
〜40kHZ の範囲の共振周波数で励振することがで
き、駆動効率が向上する。
【0024】図8は本発明の移送用超音波アクチュエー
タの駆動部を構成する応用型L型振動子を示す図、図9
は応用型L型振動子の副振動子の面内振動モード形態
図、図10は応用型L型振動子の副振動子の面垂直振動
モード形態図である。図8の(a)は応用型L型振動子
の斜視図、(b)は応用型L型振動子のX−Z平面上の
寸法を、(c)は応用型L型振動子のY−Z平面上の寸
法を示している。
【0025】図8において、26は応用型L型振動子、
1は第1アーム、2は第2アーム、3は固定用フラン
ジ、4は固定用穴、5は第1アーム1から突出するよう
に弾性体によって一体的に成形される副振動子であり、
上記第1アーム1の先端における振幅を拡大するために
設けられる。上記第1アーム1及び第2アーム2は角柱
体形状を有しているのに対して、上記副振動子5は円柱
体形状を有している。
【0026】また、a1 は第1アーム1の幅、a2 は第
2アーム2の幅、b1 は第1アーム1の高さ、b2 は第
2アーム2の高さ、L1 は第1アーム1の長さ、L2
第2アーム2の長さ、L3 は副振動子5の長さ、Rは副
振動子5の径である。上記応用型L型振動子26の各寸
法a1 ,a2 ,b1 ,b2 ,L1 ,L2 ,L 3 ,Rは、
図6の面内振動モードに図9の面内振動モードを加えた
面内振動モードの共振周波数fM と、図7の面垂直振動
モードに図10の面垂直振動モードを加えた面垂直振動
モードの共振周波数fT とが、それぞれ一致又は十分近
接するように設定する。そして、第1アーム1の長さL
1 と第2アーム2の長さL2 は、 L1 ≧L2 とし、また、第1アーム1の断面積をS1 とし、副振動
子5のY−Z平面内の断面積をSとしたとき、 S1 >S とする。これは、応用型L型振動子26において圧電素
子は第1アーム1に接着させられ、接着させるための面
積が圧電素子の出力と関係することから設定される条件
であるとともに、第1アーム1が有する振動エネルギに
対して副振動子5が負荷にならず、しかも第1アーム1
の振動変位を拡大させるために設定される条件である。
【0027】なお、第1アーム1の長さL1 と第2アー
ム2の長さL2 との寸法比を1:2とし、X−Z平面内
の第1アーム1の幅a1 と第2アーム2の幅a2 の寸法
比を1:3とし、Y軸方向の第1アーム1の高さb1
第2アーム2の高さb2 の寸法比を1:1とし、副振動
子5の径Rと第2アーム2の幅a2 の寸法比を1:1.
5とし、副振動子5の長さL3 と第2アーム2の長さL
2 の寸法比を1:4とすると、図6と図9を加えた面内
振動モードと、図7と図10を加えた面垂直振動モード
とを、20〜40kHZ の範囲の共振周波数で励振する
ことができ、駆動効率が向上する。
【0028】次に、上記基本型L型振動子25及び応用
型L型振動子26の振動モード形態について説明する。
図6においては、基本型L型振動子25が発生する面内
振動つまりX−Z平面内の撓み振動において、第1アー
ム1は2次の長さ方向撓み振動モードを、第2アーム2
は1次の長さ方向撓み振動モードを発生する。51,5
2は第2アーム2を支持する支持板、53はフレームで
ある。二点鎖線MO は無振動時のモード形態を、実線M
1 は(T/4)×n時(T:周期、n=1,2,…)の
モード形態を、破線M2 は(3T/4)×n時(T:周
期、n=1,2,…)のモード形態を示す。54は第1
アーム1と第2アーム2の接続点に形成される第1の振
動の節、55は第1アーム1に形成される第2の振動の
節、56は第2アーム2の固定端である。また、aN
第1アーム1の自由端に発生する振幅を示す。該振幅a
N は、圧電素子への印加電圧の大きさを変えることによ
って線型的に制御することができる。
【0029】また、図7においては、基本型L型振動子
25が発生する面垂直振動つまりX−Y平面内の振動に
おいて、第1アーム1は2次の長さ方向撓み振動モード
を、第2アーム2は1次の長さ方向捩じり振動モードを
発生する。図6と同様に二点鎖線MO は無振動時のモー
ド形態を、実線M1 は(T/4)×n時(T:周期、n
=1,2,…)のモード形態を、破線M2 は(3T/
4)×n時(T:周期、n=1,2,…)のモード形態
を示す。54は第1の振動の節、55は第2の振動の節
である。
【0030】この場合、上記面内振動モードの第1、第
2の振動の節54,55を面垂直振動のモード振動の節
と一致させてある。aS は第1アーム1の自由端に発生
する振幅を示す。該振幅aS は、圧電素子への印加電圧
の大きさを変えることによって線型的に制御することが
できる。これは、圧電素子の電圧−変位の関係を利用し
ている。
【0031】このように、面内振動モードと面垂直振動
モードにおいて、第1アーム1と第2アーム2の接合部
と第1の振動の節54とを一致させているため、基本型
L型振動子25が有するエネルギが固定端56で消費さ
れるのを回避することができ、しかも固定端56の固定
力が第1アーム1の先端の変位に与える影響も回避する
ことができる。
【0032】図9においては、応用型L型振動子26の
副振動子5が発生する面内振動つまりX−Z面内の振動
において、二点鎖線MO は無振動時の副振動子5のモー
ド形態を、実線M1 は(T/4)×n時(T:周期、n
=1,2…)の副振動子5のモード形態を、破線M2
(3T/4)×n時(T:周期、n=1,2…)の副振
動子5のモード形態を示している。また、aN は第1ア
ーム1側の振幅、x1 は自由端側の振幅を示している。
第1アーム1側の振幅aN が振動的に同位相で拡大され
て自由端側で振幅x1 となっている。
【0033】また、図10においては、応用型L型振動
子26の副振動子5が発生する面垂直振動つまりX−Y
面内の振動において、図9と同様にMO は無振動時の副
振動子5のモード形態を、M1 は(T/4)×n時
(T:周期、n=1,2,…)の副振動子5のモード形
態を、M2 は(3T/4)×n時(T:周期、n=1,
2,…)の副振動子5のモード形態を示している。ま
た、aS は第1アーム1側の振幅、x2 は自由端側の振
幅を示している。第1アーム1側の振幅aS が、振動的
に同位相で拡大されて自由端側で振幅x2 となってい
る。
【0034】上述したように、基本型L型振動子25と
応用型L型振動子26は、同じ形態の振動モードを発生
する。したがって、上記応用型L型振動子26において
も、基本型L型振動子25と同様にエネルギが固定端5
6(図6参照)で消費されるのを回避することができ、
しかも固定端56の固定力が第1アーム1の先端の変位
に与える影響も回避することができる。
【0035】次に、上記基本型L型振動子25及び応用
型L型振動子26の駆動源となる圧電素子の付着状態と
分極パターンについて説明する。図11は基本型L型振
動子ユニットを示す図、図12は応用型L型振動子ユニ
ットを示す図である。図11及び図12の(a)は振動
子ユニットの左側面を、(b)は正面を、(c)は右側
面を示している。
【0036】図11において、61は基本型L型振動子
ユニット、25は基本型L型振動子、62〜64は面内
振動発生用の圧電素子、65,66は面内振動検出用か
つ発生補助用の圧電素子、67,68は面垂直振動発生
用の圧電素子、69,70は面垂直振動検出用かつ発生
補助用の圧電素子である。また、図面内に示す記号
(+) , (−) は圧電素子62〜70の表面の分極極性
を示している。
【0037】また、t1 は圧電素子62〜64の端子、
2 は圧電素子67,68の端子、t3 は圧電素子6
5,66の端子、t4 は圧電素子69,70の端子であ
る。図12において、71は応用型L型振動子ユニッ
ト、26は応用型L型振動子、5は副振動子、62〜6
4は面内振動発生用の圧電素子、65,66は面内振動
検出用かつ発生補助用の圧電素子、67,68は面垂直
振動発生用の圧電素子、69,70は面垂直振動検出用
かつ発生補助用の圧電素子である。また、図面内に示す
記号 (+), (−) は圧電素子62〜70の表面の分極
極性を示している。
【0038】また、図11と同様にt1 は圧電素子62
〜64の端子、t2 は圧電素子67,68の端子、t3
は圧電素子65,66の端子、t4 は圧電素子69,7
0の端子である。上記実施例においては、基本型L型振
動子25及び応用型L型振動子26に圧電素子62〜7
0を接着して、基本型L型振動子ユニット61及び応用
型L型振動子ユニット71を形成しているが、圧電素子
単体を図1又は図8の形状となるように形成し、分割電
極を施してもよい。
【0039】このようにすることによって、基本型L型
振動子ユニット61及び応用型L型振動子ユニット71
を更に小型化することができる。次に、本発明の移送用
超音波アクチュエータの出力振動について説明する。本
発明の移送用超音波アクチュエータにおいては、基本型
L型振動子25及び応用型L型振動子26の形状及び寸
法を、面内振動モードの共振周波数fM と、面垂直振動
モードの共振周波数fT が一致又は十分近接するように
設定する。そして、この二つの振動をある位相差で合成
すると、基本型L型振動子25では第1アーム1の先端
に、応用型L型振動子26では副振動子5の先端に楕円
運動が発生する。この楕円運動が移送用超音波アクチュ
エータの出力振動となる。
【0040】図13は本発明の移送用超音波アクチュエ
ータにおける面内振動モードと面垂直振動モードの合成
原理図、図14は第1アームと副振動子の先端の軌跡図
である。図14の(a)はY軸方向の振動及びZ軸方向
の振動の振幅比が1:1の時の、(b)は振幅比が1:
3の時の、(c)は振幅比が3:1の時の軌跡を示して
いる。
【0041】図13において、二点鎖線MO は無振動時
のモード形態を、実線M1 は(T/4)×n時(T:周
期、n=1,2,…)のモード形態を、破線M2 は(3
T/4)×n時(T:周期、n=1,2,…)のモード
形態を示している。54は第1の振動の節、55は第2
の振動の節、56は第2アーム2の固定端、51,52
は第1、第2の支持板である。本実施例においては、二
つの振動を合成する際の位相差をπ/2としている。
【0042】図14は二つの振動を合成するに当たり、
面内振動モードと面垂直振動モードの振幅比を変化させ
た場合の第1アーム1又は副振動子5の先端の軌跡を示
しており、図の点E1 〜E4 は図13の点E1〜E4
対応する。矢印aは合成位相差を+π/2とした場合、
矢印bは−π/2とした場合の楕円振動の回転方向を示
す。
【0043】上述したように、(a)は振幅比が1:1
の時の、(b)は振幅比が1:3の時の、(c)は振幅
比が3:1の時の軌跡を示しているが、上記振幅比は基
本型L型振動子25の場合、図6の振幅aN 及び図7の
振幅aS からaS :aN で与えられ、応用型L型振動子
26の場合、図9の振幅x1 及び図10の振幅x2 から
2 :x1 で与えられる。また、この振幅比は圧電素子
62〜70の電圧−変位の関係から線型的に制御するこ
とができる。
【0044】図15は基本型L型振動子ユニット及び応
用型L型振動子ユニットを制御するための駆動制御回路
のブロック図である。図において、81は発振器、82
は位相変換器、83aは第1の電力増幅器、83bは第
2の電力増幅器、84aは第1の電圧調整器、84bは
第2の電圧調整器、85は制御器である。また、端子t
1 〜t4 は図11及び図12の端子t 1 〜t4 に対応し
ている。なお、上記基本型L型振動子ユニット61と応
用型L型振動子ユニット71に対して同じ駆動制御回路
を使用することができる。
【0045】次に、上記構成の移送用超音波アクチュエ
ータを使用して枚葉紙やカードを移送する方法について
説明する。図16は基本型L型振動子ユニットを搭載し
た移送用超音波アクチュエータを示す図である。図の
(a)は移送用超音波アクチュエータの正面を、(b)
は側面を示している。
【0046】図において、61は基本型L型振動子ユニ
ット、25は基本型L型振動子、11は円筒形の振動ロ
ータ、12は固定フランジ、13は支持ボルト、14は
フレーム、51,52は第1、第2の支持板である。本
実施例では、上記基本型L型振動子25と振動ロータ1
1は接着によって固定されているが、ボルトによって固
定してもよい。上記基本型L型振動子25の先端に、圧
電素子62〜70によって楕円運動が発生し、これが振
動ロータ11に伝わり、該振動ロータ11にも同様な楕
円運動が発生する。
【0047】上記振動ロータ11の表面に、高摩擦係数
の材料(例えばゴムなど)を接着あるいはコーティング
したり、表面をローレット加工して摩擦係数を高め、分
離、搬送能力を高めることもできる。また、上記実施例
においては、振動ロータ11と被移送物の接触部が固定
されているため、一部分だけが摩耗する。そこで、振動
ロータ11を周期的に回転させることもできる。
【0048】図17は応用型L型振動子ユニットを搭載
した移送用超音波アクチュエータを示す図である。図の
(a)は移送用超音波アクチュエータの正面を、(b)
は移送用超音波アクチュエータの側面を示している。図
において、71は応用型L型振動子ユニット、26は応
用型L型振動子、11は円筒形の振動ロータ、12は固
定フランジ、13は支持ボルト、14はフレーム、5
1,52は第1、第2の支持板である。上記応用型L型
振動子26の先端の副振動子5が振動ロータ11と接着
又はボルトによって固定されている。そして、応用型L
型振動子26の先端には、圧電素子62〜70によって
楕円運動が発生し、これが振動ロータ11に伝わり、該
振動ロータ11にも同様な楕円運動が生ずる。なお、振
動ロータ11は上述したような表面処理と回転方式が採
用される。
【0049】上記構成の移送用超音波アクチュエータに
おいては、圧電素子62〜70に印加する電圧を制御す
ることによって振動ロータ11に楕円運動を発生させる
ようになっているので、印加する電圧を変更して移送速
度を変えることができる。また、被移送物の表面粗さが
変化して摩擦係数が変わった場合には、印加する電圧を
変更して振動ロータ11による被移送物への押付力を変
化させて移送速度を一定にすることができる。被移送物
の厚さが変わった場合にも、同様に印加する電圧を変更
して振動ロータ11による被移送物への押付力を変化さ
せて移送速度を一定にすることができる。
【0050】次に、本発明の移送方法において、枚葉紙
やカードを分離し、搬送する場合について説明する。図
18は本発明の移送方法による搬送状態斜視図、図19
は本発明の移送方法による搬送状態断面図である。図に
おいて、16は枚葉紙やカードなどの被移送物、22a
〜22dはL型振動子(基本型L型振動子25又は応用
型L型振動子26)、11a〜11dは振動ロータであ
る。該振動ロータ11a〜11dの横に示す矢印は振動
ロータ11a〜11dの楕円運動の回転方向を、矢印A
は被移送物16の搬送方向を示している。
【0051】この場合、移送用超音波アクチュエータは
枚葉紙やカードの両側に設置され、上下対となる移送用
超音波アクチュエータの振動ロータ11a〜11dの楕
円運動の回転方向を搬送方向Aに対応する方向に設定さ
れる。図20は本発明の移送方法による分離状態斜視
図、図21は本発明の移送方法による分離状態断面図で
ある。
【0052】図において、16a,16bは互いに分離
すべき枚葉紙やカードなどの被移送物、22a〜22d
はL型振動子、11a〜11dは振動ロータである。該
振動ロータ11a〜11dの横に示す矢印は、振動ロー
タ11a〜11dの楕円運動の回転方向を示し、矢印A
及びBは被移送物16a,16bの分離方向を示してい
る。上記移送用超音波アクチュエータは被移送物16
a,16bの両側に設置され、上下対となる移送用超音
波アクチュエータの振動ロータ11a〜11dの楕円運
動の回転方向を互いに逆にし、上の移送用超音波アクチ
ュエータは分離方向Aに対応する方向に、下の移送用超
音波アクチュエータは分離方向Bに対応する方向になる
ようにしてある。上記被移送物16a,16bは振動ロ
ータ11a〜11dの回転に伴い分離される。また、上
記L型振動子22a〜22dは、必要に応じて各種方向
に配設することができる。
【0053】図22はL型振動子を被移送物の上下部に
固定した場合の搬送状態図、図23はL型振動子を被移
送物の上部に固定した場合の搬送状態図、図24はL型
振動子を被移送物の移送方向の後部に固定した場合の搬
送状態図、図25はL型振動子を被移送物の移送方向の
前後部に固定した場合の搬送状態図、図26はL型振動
子を被移送物の上下部に固定した場合の分離状態図、図
27はL型振動子を被移送物の上部に固定した場合の分
離状態図、図28はL型振動子を被移送物の移送方向の
後部に固定した場合の分離状態図、図29はL型振動子
を被移送物の移送方向の前後部に固定した場合の分離状
態図である。
【0054】次に、図18及び図19の移送装置におい
て、枚葉紙やカードなどの被移送物16の蛇行の補正方
法について説明する。まず、一つの方法は、それぞれに
独立して駆動することができる移送用超音波アクチュエ
ータを設置し、振動ロータ11a〜11dの回転速度を
被移送物16の左右において独立して調整して蛇行を補
正する方法である。次の方法は、L型振動子22a〜2
2dの面内振動モードの駆動周波数を共振周波数fM
異ならせ、移送方向(図18のY方向)と直交する力を
発生させて蛇行を補正する方法である。
【0055】図30は蛇行を補正する場合の基本型L型
振動子の面内振動モード形態図である。図において、5
1,52は第1、第2の支持板、53はフレーム、二点
鎖線M O は無振動時のモード形態を、実線M1 は(T/
4)×n時(T:周期、n=1,2,…)のモード形態
を、破線M2 は(3T/4)×n時(T:周期、n=
1,2,…)のモード形態を示す。75は第2アーム2
に発生する第1の振動の節、76は第1アーム1と第2
アーム2の接合部、77は第2アーム2の固定端、78
は第1アーム1に発生する第2の振動の節である。図6
の振動モードにおいては、第1アーム1と第2アーム2
の接合部と第1の振動の節54が一致しているが、図3
0においては、第1の振動の節75と接合部76は一致
していない。このことから、第1アーム1の振動モード
が第2アーム2の振動モードの影響を受け、X方向の力
を発生し、これが蛇行を補正する力となる。
【0056】なお、応用型L型振動子26の場合も基本
型L型振動子25と同じ振動モードを発生するため、同
様な方法によってX方向の力を発生し、蛇行を補正する
ことができる。図31は本発明の移送用超音波アクチュ
エータを適用した移送装置の斜視図である。この場合、
移送用超音波アクチュエータは図18及び図19に示す
ものを採用している。
【0057】図において、81は上部フレーム、82は
下部フレーム、83は基板フレーム、11a〜11dは
振動ロータ、84,85はL型振動子ユニット、86は
移送路、16は被移送物である。矢印Aは被移送物16
の移送方向を示す。本実施例においては、上記L型振動
子ユニット84,85はそれぞれ上部フレーム81及び
下部フレーム82に取り付けられていて、上下に分解す
ることができる。
【0058】したがって、振動ロータ11a,11b間
及び振動ロータ11c,11d間の距離の設定を変更す
ることができるとともに、紙詰まりが発生した場合に被
移送物16を除去することが容易になる。また、振動ロ
ータ11a〜11dの先端を、移送路86の中心線BC
に位置させることによって被移送物16の幅に汎用性を
持たせることができる。なお、移送路86は所定の傾き
を持って設置してある。
【0059】次に、本発明の移送方法及び移送用超音波
アクチュエータを他の分野に適用した場合の実施例につ
いて説明する。図32は回転型アクチュエータの概略図
である。図の(a)は回転型アクチュエータの正面図、
(b)は回転型アクチュエータの側面図である。図にお
いて、26は応用型L型振動子、87は振動ロータ、8
8はフレーム、89は軸受、90は固定台、91は取付
フランジである。
【0060】上記構成の回転型アクチュエータにおい
て、応用型L型振動子26の副振動子5に生ずる楕円運
動によって振動ロータ87が回転する。したがって、応
用型L型振動子26の圧電素子62〜70への印加電圧
を変化させることによって、先端の振幅を大きくした
り、楕円運動を図14に示すように変化させることによ
って、回転型アクチュエータの回転数を変化させること
ができる。図の矢印方向は、回転型アクチュエータの回
転方向を示している。
【0061】また、上記移送用超音波アクチュエータを
一般的な回転モータにも適用することができる。図33
は複数の応用型L型振動子を有する回転型アクチュエー
タの概略図である。図の(a)は回転型アクチュエータ
の側面を、(b)は回転型アクチュエータの断面を示し
ている。
【0062】図において、92a〜92cは応用型L型
振動子、93は振動ロータ、94はシャフト、95は軸
受、96は回転台、90は固定台、91は取付フランジ
である。この回転型アクチュエータは図32の回転型ア
クチュエータよりも高トルクを得ることができ、振動ロ
ータ93の径が大きくなる。上記振動ロータ93の回転
方向は、面内振動モードと面垂直振動モードとを合成す
る位相差を+π/2、−π/2とすることによって制御
することができる。
【0063】上記構成の回転型アクチュエータは、測定
機器の回転テーブル用のアクチュエータ、レンズの焦点
微調整用のアクチュエータ、組立ロボットの多自由度ロ
ボットフィンガの関節駆動用のアクチュエータ等に適用
することができる。図34は直線型アクチュエータの概
略図である。図の(a)は直線型アクチュエータの平面
を、(b)は直線型アクチュエータの断面を示してい
る。
【0064】図において、92a〜92dは応用型L型
振動子、97は送りテーブル、98a,98bはレー
ル、99はフレーム、100a,100bは固定台、1
01a,101bは押付台、102はレール台、103
a,103bは押付力発生装置である。この場合、駆動
力は応用型L型振動子92a〜92dの副振動子5に発
生する楕円振動によって得られる。また、移動速度と移
動方向の切換えは、上述した回転型アクチュエータと同
じ実施方法で行う。
【0065】上記構成の直線型アクチュエータは、送り
テーブル97の上において枚葉紙やカードを移送する移
送装置のほか、磁気ディスクのヘッドの位置決め用アク
チュエータ、プリンタの印字ヘッドのキャリッジ駆動用
アクチュエータ、XYプロッタのアームとペンの駆動用
アクチュエータ等に適用することができる。また、回転
型アクチュエータ及び直線型アクチュエータのいずれに
おいても、停止時のブレーキ機能や摩擦力による保持機
能を有しているので、位置決め精度が高くなり、計測機
器内の送りテーブルに適用することができる。
【0066】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づき種々変形することが
可能であり、それらを本発明の範囲から排除するもので
はない。
【0067】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、第1アームは、励振時に一つの振動の節を形成し
て、2次の長さ方向撓み振動から成る面内振動及び2次
の長さ方向撓み振動から成る面垂直振動を発生し、第2
アームは、励振時に一つの振動の節を形成して、2次の
長さ方向撓み振動から成る面内振動及び1次の長さ方向
捩じり振動を発生する。そして、上記第2アームは固定
され、上記第1アームの二つの面及び上記第2アームの
一つの面に設けられた圧電素子に電圧を印加することに
よって上記第1アームの先端に楕円運動を発生させるこ
とができる。
【0068】上記第2アームの先端には、弾性体から成
る副振動子が一体的に突出されているため、上記楕円運
動の振動変位が拡大する。移送用超音波アクチュエータ
がL字型形状を有するため、駆動部をロータ内に内蔵さ
せることができ、移送装置を小型化することができる。
そして、上記第2アームの振動の節は、第1アームと第
2アームの結合部に一致させてあるため、励振に伴って
上記第1アームと第2アームの結合部は移動しない。し
たがって、移送用超音波アクチュエータの固定部分にお
いてエネルギ損失が発生することはなく、しかも楕円運
動が発生する第1アームの先端又は副振動子の先端の振
幅に何ら影響を与えることがなくなり、移送効率が向上
する。
【0069】また、本発明の移送方法においては、上記
第1アームと第2アームから成る移送用超音波アクチュ
エータを上下に対で配設し、二つの第2アーム間に被移
送物を挟んで移送する。この場合、上記第2アームに発
生する2次の長さ方向撓み振動から成る面内振動の駆動
周波数を変更し、上記第2アームの振動の節を第1アー
ムと第2アームの結合部からずらすことによって被移送
物の蛇行を補正することができる。また、上下に対で配
設された移送用超音波アクチュエータのそれぞれの位相
差を異ならせて被移送物を分離することができる。
【0070】また、上記面内振動と面垂直振動の振幅比
をそれぞれ変更して移送用超音波アクチュエータと被移
送物との摩擦係数の変化、又は被移送物の厚みの変化に
対応して押付力を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移送用超音波アクチュエータの駆動部
を構成する基本型L型振動子を示す図である。
【図2】従来の移送用超音波アクチュエータの原理図で
ある。
【図3】従来のカード搬送装置の搬送状態図である。
【図4】従来のカード搬送装置の斜視図である。
【図5】従来の他のカード搬送装置の斜視図である。
【図6】基本型L型振動子の面内振動モード形態図であ
る。
【図7】基本型L型振動子の面垂直振動モード形態図で
ある。
【図8】本発明の移送用超音波アクチュエータの駆動部
を構成する応用型L型振動子を示す図である。
【図9】応用型L型振動子の副振動子の面内振動モード
形態図である。
【図10】応用型L型振動子の副振動子の面垂直振動モ
ード形態図である。
【図11】基本型L型振動子ユニットを示す図である。
【図12】応用型L型振動子ユニットを示す図である。
【図13】本発明の移送用超音波アクチュエータにおけ
る面内振動モードと面垂直振動モードの合成原理図であ
る。
【図14】第1アームと副振動子の先端の軌跡図であ
る。
【図15】基本型L型振動子ユニット及び応用型L型振
動子ユニットを制御するための駆動制御回路のブロック
図である。
【図16】基本型L型振動子ユニットを搭載した移送用
超音波アクチュエータを示す図である。
【図17】応用型L型振動子ユニットを搭載した移送用
超音波アクチュエータを示す図である。
【図18】本発明の移送方法による搬送状態斜視図であ
る。
【図19】本発明の移送方法による搬送状態断面図であ
る。
【図20】本発明の移送方法による分離状態斜視図であ
る。
【図21】本発明の移送方法による分離状態断面図であ
る。
【図22】L型振動子を被移送物の上下部に固定した場
合の搬送状態図である。
【図23】L型振動子を被移送物の上部に固定した場合
の搬送状態図である。
【図24】L型振動子を被移送物の移送方向の後部に固
定した場合の搬送状態図である。
【図25】L型振動子を被移送物の移送方向の前後部に
固定した場合の搬送状態図である。
【図26】L型振動子を被移送物の上下部に固定した場
合の分離状態図である。
【図27】L型振動子を被移送物の上部に固定した場合
の分離状態図である。
【図28】L型振動子を被移送物の移送方向の後部に固
定した場合の分離状態図である。
【図29】L型振動子を被移送物の移送方向の前後部に
固定した場合の分離状態図である。
【図30】蛇行を補正する場合の基本型L型振動子の面
内振動モード形態図である。
【図31】本発明の移送用超音波アクチュエータを適用
した移送装置の斜視図である。
【図32】回転型アクチュエータの概略図である。
【図33】複数の応用型L型振動子を有する回転型アク
チュエータの概略図である。
【図34】直線型アクチュエータの概略図である。
【符号の説明】
1 第1アーム 2 第2アーム 3 固定用フランジ 4 固定用穴 5 副振動子 25 基本型L型振動子 26 応用型L型振動子

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)互いに直交する二つの面を有する
    弾性体から成り、励振時に一つの振動の節を形成して、
    2次の長さ方向撓み振動から成る面内振動及び2次の長
    さ方向撓み振動から成る面垂直振動を発生する第1アー
    ムと、(b)該第1アームと直交して一体的に結合され
    る弾性体から成り、励振時に一つの振動の節を形成し
    て、2次の長さ方向撓み振動から成る面内振動及び1次
    の長さ方向捩じり振動を発生する第2アームと、(c)
    該第2アームを固定する固定手段と、(d)上記第1ア
    ームの二つの面及び上記第2アームの一つの面に設けら
    れた圧電素子とを有することを特徴とする移送用超音波
    アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 弾性体から成る副振動子を上記第2アー
    ムの先端に一体的に突出して成形した請求項1記載の移
    送用超音波アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 上記第2アームの振動の節を第1アーム
    と第2アームの結合部に一致させた請求項1記載の移送
    用超音波アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 上記第1アームの先端に円筒状の振動ロ
    ータを固定した請求項1記載の移送用超音波アクチュエ
    ータ。
  5. 【請求項5】 上記副振動子の先端に円筒状の振動ロー
    タを固定した請求項2記載の移送用超音波アクチュエー
    タ。
  6. 【請求項6】 (a)互いに直交する二つの面を有する
    弾性体から成る第1アームを励振し、該第1アームに一
    つの振動の節を形成して、2次の長さ方向撓み振動から
    成る面内振動及び2次の長さ方向撓み振動から成る面垂
    直振動を発生させ、(b)該第1アームと直交して一体
    的に結合される弾性体から成る第2アームを励振し、該
    第2アームに一つの振動の節を形成して、2次の長さ方
    向撓み振動から成る面内振動及び1次の長さ方向捩じり
    振動を発生させ、(c)面内振動と面垂直振動で位相差
    を設けて上記第1アームと第2アームを励振し、(d)
    上記第1アームと第2アームから成る移送用超音波アク
    チュエータを上下に対で配設し、二つの第2アーム間に
    被移送物を挟んで移送する移送方法。
  7. 【請求項7】 上記第2アームに発生する2次の長さ方
    向撓み振動から成る面内振動の駆動周波数を変更し、上
    記第2アームの振動の節を第1アームと第2アームの結
    合部からずらして被移送物の蛇行を補正する請求項6記
    載の移送方法。
  8. 【請求項8】 上下に対で配設された移送用超音波アク
    チュエータのそれぞれの位相差を異ならせ、各移送用超
    音波アクチュエータの回転方向を互いに逆方向とする請
    求項6記載の移送方法。
  9. 【請求項9】 上記面内振動と面垂直振動の振幅比をそ
    れぞれ変更する請求項6記載の移送方法。
JP3127390A 1991-05-30 1991-05-30 移送方法及び移送用超音波アクチュエータ Expired - Fee Related JP2624392B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3127390A JP2624392B2 (ja) 1991-05-30 1991-05-30 移送方法及び移送用超音波アクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3127390A JP2624392B2 (ja) 1991-05-30 1991-05-30 移送方法及び移送用超音波アクチュエータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04354741A JPH04354741A (ja) 1992-12-09
JP2624392B2 true JP2624392B2 (ja) 1997-06-25

Family

ID=14958811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3127390A Expired - Fee Related JP2624392B2 (ja) 1991-05-30 1991-05-30 移送方法及び移送用超音波アクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2624392B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100775167B1 (ko) * 2006-06-30 2007-11-12 현대자동차주식회사 복잡한 형상의 부품 이송 장치

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100775167B1 (ko) * 2006-06-30 2007-11-12 현대자동차주식회사 복잡한 형상의 부품 이송 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04354741A (ja) 1992-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5765993B2 (ja) 振動型駆動装置
JP6008077B2 (ja) アクチュエータ―、ロボット、電子部品搬送装置及び電子部品検査装置
JPH0688680B2 (ja) 記録媒体搬送装置及びこの装置に用いられる圧電素子付枠体
JP3245245B2 (ja) 超音波モータ及び超音波搬送装置
JP4197196B2 (ja) 圧電アクチュエータもしくは超音波モータを利用したステージ及びこのステージを用いた電子機器、印刷装置
JP2624392B2 (ja) 移送方法及び移送用超音波アクチュエータ
US5094444A (en) Sheet feeding device
JPH0331140A (ja) シート送り装置
JPH02209341A (ja) シート送り装置
JP2644931B2 (ja) 移送用超音波アクチュエータ及び移送装置
JP2595143B2 (ja) 移送用超音波アクチュエータ及び移送装置
JP2715157B2 (ja) カード搬送装置
JPH02193836A (ja) シート送り装置
EP0404113B1 (en) Sheet feeding apparatus
JPH05105291A (ja) 搬送装置
JP2762211B2 (ja) 圧電駆動型搬送装置
JP2004187334A (ja) 超音波モータ及び超音波モータ付き電子機器
JP2715156B2 (ja) カード搬送装置
JPH01107670A (ja) アクチユエータ
JP2847817B2 (ja) 搬送装置
JPH06225553A (ja) 超音波モータ及び超音波搬送装置
JPH02225247A (ja) シート送り装置
JPS63230473A (ja) 紙葉類整列装置
JP2000350481A (ja) 振動波駆動装置および事務機
JPH03259841A (ja) シート送り装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19970218

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees