JPH0623308U - 自動車電話基地局用アンテナ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電波伝播領域の極小ゾーン化のために、アン
テナ角度調整を容易に行うことができると共に、設置空
間を有効に利用して必要に応じ複数器のアンテナを取り
付け可能な自動車電話基地局用のアンテナ装置を提供す
ること。自動車電話基地局用アンテナ装置 【構成】 アンテナ支持柱１０に固定した上端側の第１
の支持部材としてのブラケット１６、第１の取付部材と
してのブラケット１８及び下端側の第２の支持部材とし
てのブラケット２０、第２の取付部材としてのブラケッ
ト２２に対して下端側のブラケットの回転軸２６を中心
としてアンテナ２４を下向きに所定角度傾斜設定するた
め回動可能に取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車電話の基地局などにおいて使用されるアンテナ装置の改良に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車電話システムは、地上設備（基地局）と車載設備（移動局）とから構成 され、両者の通話接続には電波が利用される。また、地上設備は、自動車電話交 換局を介して一般電話交換網に接続されているため、通常の電話と同じサービス を受けることが可能となっている。

【０００３】 自動車電話システムは、一般の電話を固定モードから移動モードへ拡張したも のであり、場所にとらわれずに固定電話と同等のサービスを提供する必要があり 、極めて大規模なシステムを構築することが前提条件となる。このシステムを経 済的に実現するためには、膨大な設備を有する一般加入電話網（固定網）の改造 を最小限に抑えることが重要であり、固定網との間の整合が十分に確保された網 の構成、番号方式、信号方式及び接続制御等が必要となる。

【０００４】 更に、多重波伝播効果によって生じるフェージング及び多様な地形、地物の影 響により生じる通話レベル変動の低減を図り、周波数の有効利用を極限にまで追 求したシステムを実現する必要がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このための課題のひとつとして、電波伝伝播領域を極小ゾーン化（マイクロソ ーン化）することが不可欠となっている。また、ゾーン外に電波が飛び出さない ように、アンテナを下向きにチルト（傾斜）させなければならない。

【０００６】 更に、基地局の経済性確保のためアンテナの支持柱の敷地確保を最小限とする 必要から、１本の支持柱に１〜３基のアンテナを取り付ける必要が生じてきてい る。

【０００７】 しかしながら、これまではこれらの要求を満足できるアンテナ装置は開発され ていない状況にあった。

【０００８】

【考案の目的】

本考案は上記に鑑みてなされたものであり、電波伝播領域の極小ゾーン化のた めに、アンテナ角度調整を容易に行うことができると共に、設置空間を有効に利 用して必要に応じ複数基のアンテナを取り付け可能な自動車電話基地局用のアン テナ装置を提供することを目的としている。

【０００９】

【目的を達成するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、アンテナ支持柱と、少なくとも一基アン テナと、前記アンテナをアンテナ支持柱の軸線に対し下向きに傾斜可能で、且つ 適宜位置で固定するアンテナ取り付け手段とを備えたことを特徴としている。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【００１１】 図１（Ａ）（Ｂ）、図２（Ａ）（Ｂ）及び（Ｃ）には、本考案に係るアンテナ 装置に用いられるアンテナ取付手段としてのアンテナ取付ブラケットの構成が、 夫々平面図、正面図、左側面図、右側面図及び底面図にて示されている。各図に おいてアンテナ取付ブラケットの支柱１０の上下２か所には夫々同一形状のバン ド１２、１２’が巻回装着されている。

【００１２】 上端側のバンド１２の直下部には補強用の補助バンド１４が取りつけられてい る。各バンド１２、１２’及び１４はいずれもネジ止め固定されている。

【００１３】 そして、上端側のバンド１２及び下端側のバンド１２’には、夫々第１の支持 部材としてのブラケット１６、第２の取付部材としてのブラケット２２が取付け られている。更に、両ブラケット１８、２２の先端に自動車電話基地局用アンテ ナ２４が取り付けられている。

【００１４】 本考案において特徴的なことは、単一又は複数基の自動車電話基地局用アンテ ナの各々を鉛直方向に所定角度容易にチルト（傾斜）設定できるように構成した ことである。

【００１５】 即ち、図１（Ａ）（Ｂ）、図２（Ａ）（Ｂ）及び（Ｃ）において、アンテナ２ ４は、下端側のブラケット２０の端部とブラケット２２を枢着する回転軸２６を 中心として所定角度回動自在に取り付けられている。一方、上端側のブラケット １８には、前記回転軸２６を中心として緩やかな円弧を描いた摺動スリット２８ が形成されている。アンテナ２４と一体的に固定された上端側のブラケット１８ は、その摺動スリット２８が上端側のブラケット１６の端部に植立された摺動ボ ス３０に沿って摺動可能に取り付けられている。このブラケット１８の摺動スリ ットの近傍にはスリット２８に沿ってその長さに対応した目盛り３２が刻設され ており、この目盛り３２上の摺動ボス３０の位置を読み取ることによって、所定 角度にアンテナ２４を容易にチルト設定できることが理解される。所定角度にア ンテナ２４を傾斜設定した後は、上端側のブラケット１６の摺動ボス３０及び下 端側の回転軸２６のナットを締め付け、アンテナ２４を固定する。

【００１６】 図１（Ａ）（Ｂ）、図２（Ａ）（Ｂ）及び（Ｃ）は支持柱１０にアンテナ２４ を１基取り付ける場合を示したが、次に図３及び図４を参照しつつ、同一の支持 柱１０に夫々アンテナを２基及び３基取り付ける場合の実施例について説明する 。

【００１７】 図３は、同一支持柱１０にアンテナを２基取り付けた場合の例を示す平面図で あり、同図において支持柱１０の上端側には相互にネジ止めされた第１の支持部 材としてのブラケット１６ａ，１６ｂ及びバンド４０が巻回装着されている。即 ち、支持柱１０に対しては、前記図１及び図２の場合と同様に第１の支持部材と してのブラケット１６ａ、第１の取付部材としてのブラケット１８ａ，アンテナ ２４ａ及びこれらを相互に固定するネジから成るアンテナ組立体が取付けられて いる。

【００１８】 本第２実施例において特徴的なことは、同一の支持柱１０において第１のアン テナ組立体に対して１２０度の間隔を介して、更には第１の支持部材としてのブ ラケット１６ｂ，第１の組立て部材としてのブラケット１８ｂ，アンテナ２４ｂ 及びこれらを固定するネジから成る第２のアンテナ組立体が支持柱１０に取り付 けられていることである。これにより、単一の支持柱を有効に利用して空間効率 の優れたアンテナ装置を得ることができる。

【００１９】 次に、図４は本考案に係る第３実施例の平面図を示し、本実施例では第２実施 例の構成に加え、同一の支持柱１０に対して、第１のアンテナ組立体及び第２の アンテナ組立体から夫々１２０度隔てて、第１の支持部材としてのブラケット１ ６ｃ，第１の取付部材としてのブラケット１８ｃ、アンテナ２４ｃ及びこれらを 固定するネジから成る第３のアンテナ組立体が取り付けられていることを特徴と する。この結果、より一層アンテナ装置の空間利用効率を向上させることができ る。

【００２０】 そして、上記第２及び第３実施例においても、各アンテナ組立体は、図１及び 図２に示したものと同様の構成を備え、夫々のアンテナ２４ａ，２４ｂ，２４ｃ が独立して所定角度下方に向けて傾斜設定可能に構成されている。

【００２１】 このように構成することにより、同一形状のブラケットを用いて複数基のアン テナ装置を設置できるので経済的に有利となり、更に各々のアンテナを簡単に傾 斜させることができるので、電波伝播領域の極小ゾーン化が実現され、電波周波 数の有効利用が可能となる。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、単一のアンテナ支持柱に同一形状のアン テナ取り付けブラケットを用いて複数基のアンテナを設置することが可能ならし め、また、各アンテナを下端側ブラケットを中心に所定角度回動可能に支持する ことで、傾斜設定できるように構成したので、省スペースで電波伝播領域の極小 ゾーン化に適した送受信性能の優れたアンテナを得ることができる。

【００２３】 なお、本考案はアンテナ支持柱と簡単な構造のアンテナ取り付けブラケットを 利用することにより、多数の移相器を用いたチルトアンテナと同等の効果を奏す るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）及び（Ｂ）は本考案に係る第１実施例の
平面図及び正面図である。

【図２】（Ａ）（Ｂ）及び（Ｃ）は本考案に係る第１実
施例の左側面図、右側面図及び底面図である。

【図３】本考案に係る第２実施例の構成図である。

【図４】本考案に係る第３実施例の構成図である。

【符号の説明】

１０ アンテナ支持柱、１６、１６ａ，１６ｂ，１６ｃ
上端側の第１の支持部材としてのブラケット、１８、
１８ａ，１８ｂ，１８ｃ 上端側の第１の取付部材とし
てのブラケット、２０、２０ａ，２０ｂ，２０ｃ 下端
側の第２の支持部材としてのブラケット、２２、２２
ａ，２２ｂ，２２ｃ 下端側の第２の取付部材としての
ブラケット、２４、２４ａ，２４ｂ，２４ｃ アンテ
ナ、２８ 円弧状摺動スリット、３０ 摺動ボス、３２
目盛り

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アンテナ支持柱と、少なくとも１基のア
   ンテナと、前記アンテナをアンテナ支持柱の軸線に対し
   傾斜可能で、かつ適宜位置で固定するアンテナ取付手段
   と、を備えたことを特徴とする自動車基地局用アンテナ
   装置。
2. 【請求項２】 前記アンテナ取付手段は、前記アンテナ
   支持柱に取り付けられた上端側及び下端側の支持柱側支
   持部材と、前記アンテナに取り付けた上端側及び下端側
   のアンテナ側取付部材と、を有し、 前記両部材は下端側において枢着されており、上端側に
   おいてアンテナの回動を許容しつつかつ適宜位置で固定
   し得ることを特徴とする請求項１記載の自動車電話基地
   局用アンテナ装置。
3. 【請求項３】 前記支持柱側支持部材は、前記アンテナ
   支持柱にその軸方向に所定間隔をおいて取り付けられた
   上端側の第１の支持部材と、下端側の第２の支持部材
   と、を有し、 前記アンテナ側取付部材は、前記アンテナの裏面側に前
   記と同一の所定間隔で取り付けられた上方の第１の取付
   部材と、下方の第２の取付部材と、を有し、 前記下方の第２の取付部材は、下端側の第２の支持部材
   に前記アンテナが回動可能に枢着され、かつ上方の第１
   の取付部材は上端側の第１の支持部材に前記アンテナの
   回動を許容しつつ、且つ所定位置で固定し得る状態で連
   結されていることを特徴とする請求項２記載の自動車電
   話基地局用アンテナ装置。
4. 【請求項４】 前記第１の支持部材と第２の支持部材
   は、Ｕ字状ブラケットから成り、且つ前記第１の取付部
   材と第２の取付部材は、Ｕ字状ブラケットで夫々前記第
   １の支持部材と第２の支持部材に連結可能であることを
   特徴とする請求項３記載の自動車電話基地局用アンテナ
   装置。
5. 【請求項５】 前記第２の取付部材が前記第２の支持部
   材にネジ山を介して枢着されていることを特徴とする請
   求項３記載の自動車電話基地局用アンテナ装置。
6. 【請求項６】 前記第１の支持部材と第１の取付部材に
   おいて、第１の取付部材には回動可能な角度に亙って延
   伸する円弧状摺動スリットが設けられ、且つ第１の支持
   部材には前記摺動スリット内に位置する摺動ボスが設け
   られており、所定角度位置で両部材が固定可能となって
   いることを特徴とする請求項３記載の自動車電話基地局
   用アンテナ装置。
7. 【請求項７】 前記第１の取付部材に設けられた円弧状
   摺動スリットは、前記第２の取付部材と第２の支持部材
   とを枢着する回転軸を回転中心として緩やかな円弧を描
   くことを特徴とする請求項６記載の自動車電話基地局用
   アンテナ装置。
8. 【請求項８】 前記第１の取付部材には、前記円弧状摺
   動スリットに沿って前記アンテナの傾斜角度を示す目盛
   りが設けられていることを特徴とする請求項６記載の自
   動車電話基地局用アンテナ装置。
9. 【請求項９】 前記アンテナは、前記アンテナ取付手段
   により、前記アンテナ支持柱の外周方向に１２０度間隔
   で２基又は３基取りつけられていることを特徴とする請
   求項１記載の動車電話基地局用アンテナ装置。