JPH0623192B2 - 抗生物質tan―868aおよびその製造法 - Google Patents
抗生物質tan―868aおよびその製造法Info
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- JPH0623192B2 JPH0623192B2 JP3366286A JP3366286A JPH0623192B2 JP H0623192 B2 JPH0623192 B2 JP H0623192B2 JP 3366286 A JP3366286 A JP 3366286A JP 3366286 A JP3366286 A JP 3366286A JP H0623192 B2 JPH0623192 B2 JP H0623192B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は細菌感染症の治療剤として有用な新規抗生物質
TAN-868A(以下、「TAN-868A」と略称することもあ
る。)およびその製造法に関する。
TAN-868A(以下、「TAN-868A」と略称することもあ
る。)およびその製造法に関する。
従来の技術 TAN-868Aは、後述の式[I]で表されるが、TAN-868Aに
最も近似の抗生物質としては、ストレプトミセス(Stre
ptomyces)属菌の産生するキクマイシン(Kikumycin)A
が挙げられる[ザ・ジャーナル・オブ・アンティビオテ
ィクス(The Jounal of Antibiotics),SER.A,18,243
(1965)およびテトラヘドロン・レターズ(Tetrahedor
on Letters),1873(1972)]。
最も近似の抗生物質としては、ストレプトミセス(Stre
ptomyces)属菌の産生するキクマイシン(Kikumycin)A
が挙げられる[ザ・ジャーナル・オブ・アンティビオテ
ィクス(The Jounal of Antibiotics),SER.A,18,243
(1965)およびテトラヘドロン・レターズ(Tetrahedor
on Letters),1873(1972)]。
発明が解決しようとする問題点 細菌によって惹起される疾病は抗生物質投与による治療
法の発達によってかなり克服されている。しかし、従来
の抗生物質を長期または大量に投与することによる起因
菌の変化(菌交代現象)あるいは耐性菌の出現(耐性化
現象)などによる疾患の増大などは現在の感染症医療分
野で大きな問題となっている。この問題を克服するため
に、当分野では、常に新規骨格を有し、新しい生物活性
を示す抗生物質、あるいはそれらを合成するための中間
原料が求められている。
法の発達によってかなり克服されている。しかし、従来
の抗生物質を長期または大量に投与することによる起因
菌の変化(菌交代現象)あるいは耐性菌の出現(耐性化
現象)などによる疾患の増大などは現在の感染症医療分
野で大きな問題となっている。この問題を克服するため
に、当分野では、常に新規骨格を有し、新しい生物活性
を示す抗生物質、あるいはそれらを合成するための中間
原料が求められている。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、新規な抗生物質の探索を目的として多数
の細菌を土壌より分離し、その産生する抗生物質を分離
探索したところ、ある種の微生物が新規な抗生物質を産
生すること、該微生物がストレプトミセス属に属するこ
と、該微生物を適宜の培地に培養することによって耐性
菌を含むグラム陽性および陰性菌ならびにかびに対して
抗菌力を示す抗生物質を培地中に蓄積しうることなどを
知り、この抗生物質を単離し、その物理化学的および生
物学的諸性質から、当該抗生物質が新規抗生物質を含む
ことを確め、これを抗生物質TAN-868Aと称することとし
た。
の細菌を土壌より分離し、その産生する抗生物質を分離
探索したところ、ある種の微生物が新規な抗生物質を産
生すること、該微生物がストレプトミセス属に属するこ
と、該微生物を適宜の培地に培養することによって耐性
菌を含むグラム陽性および陰性菌ならびにかびに対して
抗菌力を示す抗生物質を培地中に蓄積しうることなどを
知り、この抗生物質を単離し、その物理化学的および生
物学的諸性質から、当該抗生物質が新規抗生物質を含む
ことを確め、これを抗生物質TAN-868Aと称することとし
た。
本発明者らは、これらの知見に基づいてさらに研究した
結果、本発明を完成した。
結果、本発明を完成した。
本発明は、 で示される抗生物質TAN-868Aまたはその塩、 (2)ストレプトミセス属に属し、抗生物質TAN-868Aを生
産する能力を有する微生物を培地に培養し、培養物中に
抗生物質TAN-868Aを生成蓄積せしめ、これを採取するこ
とを特徴とする抗生物質TAN-868Aまたはその塩の製造法
に関する。
産する能力を有する微生物を培地に培養し、培養物中に
抗生物質TAN-868Aを生成蓄積せしめ、これを採取するこ
とを特徴とする抗生物質TAN-868Aまたはその塩の製造法
に関する。
本発明方法で使用される抗生物質TAN-868Aを生産する菌
としては、ストレプトミセス(Strepto myces)属に属
し、抗生物質TAN-868Aを産生する能力を有する微生物で
あればいずれのものでもよい。
としては、ストレプトミセス(Strepto myces)属に属
し、抗生物質TAN-868Aを産生する能力を有する微生物で
あればいずれのものでもよい。
その例としては、中華民国台北市の土壌より分離された
C-70895株が挙げられ、本菌株の菌学的性質は下記のと
おりである。なお、各種培地上の性質は特に指示しない
限り、28℃で14日間培養し、常法に従って観察したもの
であり、色調はカラー・ハーモニー・マニュアル,第4
版(コンティナー・コーポレーション・オブ・アメリ
カ,1958年発行)によった。
C-70895株が挙げられ、本菌株の菌学的性質は下記のと
おりである。なお、各種培地上の性質は特に指示しない
限り、28℃で14日間培養し、常法に従って観察したもの
であり、色調はカラー・ハーモニー・マニュアル,第4
版(コンティナー・コーポレーション・オブ・アメリ
カ,1958年発行)によった。
I形態 C-70895株は、数種の天然および合成培地上で気菌糸を
中程度に着生する。菌糸は単純分枝し、車軸分枝は認め
られない。気菌糸の先端は、不規則な波状,鈎状,輪状
あるいは不規則な螺旋状を呈す。胞子は、球形,卵形な
いしは短円筒形で、その大きさは0.6〜1.0μm×0.6〜
0.9μmであり、一般に20個程度、時にはそれ以上の胞
子の連鎖も認められる。イースト麦芽寒天,ベンネット
寒天などの培地上で形成された胞子は、その側面から出
芽様の特異な突起構造が多数形成され、中には非常に長
く伸長し枝状を呈するものもある。なお、胞子の表面は
平滑である。鞭毛胞子,胞子のう,菌核形成および基生
菌糸の分断は認められない。
中程度に着生する。菌糸は単純分枝し、車軸分枝は認め
られない。気菌糸の先端は、不規則な波状,鈎状,輪状
あるいは不規則な螺旋状を呈す。胞子は、球形,卵形な
いしは短円筒形で、その大きさは0.6〜1.0μm×0.6〜
0.9μmであり、一般に20個程度、時にはそれ以上の胞
子の連鎖も認められる。イースト麦芽寒天,ベンネット
寒天などの培地上で形成された胞子は、その側面から出
芽様の特異な突起構造が多数形成され、中には非常に長
く伸長し枝状を呈するものもある。なお、胞子の表面は
平滑である。鞭毛胞子,胞子のう,菌核形成および基生
菌糸の分断は認められない。
II各種培地上の性状 1.シュークロース・硝酸塩寒天培地 生育:中程度 基生菌糸の色:無色〜ライト・アンバー(3ic)〜キャ
メル(3ic) 気菌糸の着生:貧弱〜中程度,粉状 気菌糸の色:白色〜ライト・アイボリー(2ca) 可溶性色素:生成せず 2.グルコース・アスパラギン寒天培地 生育:貧弱 基生菌糸の色:無色 気菌糸の着生:形成せず 可溶性色素:生成せず 3.グリセロール・アスパラギン寒天培地 生育:中程度 基生菌糸の色:ライト・ホイート(2ea)〜ブライト・
イエロー(3na )〜アンバー(3lc) 気菌糸の着生:中程度,粉状 気菌糸の色:ライト・アイボリー(2ca)〜ライト/ホ
イート(2ea) 可溶性色素:生成せず 4.無機塩・スターチ寒天培地 生育:中程度 基生菌糸の色:無色〜ブライト・メイズ(3la)〜ダス
テイ・オレンジ(4 lc) 気菌糸の着生:貧弱〜中程度 気菌糸の色:白色〜アイボリー・テイント(2cb)〜ナ
チュラル(2dc) 可溶性色素:生成せず 5.オートミール寒天培地 生育:貧弱〜中程度,平坦 基生菌糸の色:クリーム(11/2ca)〜ライト・イエ
ロー(11/2 ea) 気菌糸の着生:貧弱〜中程度 気菌糸の色:アイボリー・テイント(2cb)〜ナチュラ
ル(2dc) 可溶性色素:生成せず 6.イースト・麦芽寒天培地 生育:中程度 基生菌糸の色:スカッシュ.イエロー(3ia)〜ゴール
ド(2lc) 気菌糸の着生:中程度〜豊富,粉状 気菌糸の色:ナチュラル(2dc)〜ライト・アイボリー
(2ca) 可溶性色素:淡黄色 7.チロシン寒天培地 生育:中程度 基生菌糸の色:ブライト・メイズ(3la) 気菌糸の着生:貧弱 気菌糸の色:白色〜ナチュラル(2dc) 可溶性色素:生成せず 8.栄養寒天培地 生育:中程度 基生菌糸の色:ブライト・メイズ(3la)〜アンバー(3
lc) 気菌糸の着生:貧弱,粉状 気菌糸の色:白色 可溶性色素:無色〜淡黄色 9.ベンネット寒天培地 生育:中程度 基生菌糸の色:アンバー(3lc)〜ダステイ・オレンジ
(4lc) 気菌糸の着生:中程度,粉状 気菌糸の色:パール・ピンク(3ca)〜ライト・アイボ
リー(2ca)〜アイボリー・テイント(2cb) 可溶性色素:無色〜淡黄色 10.ペプトン・イースト鉄寒天 生育:中程度 基生菌糸の色:ライト・ホイート(2ea)〜メイプル(4
le) 気菌糸の着生:形成せず 可溶性色素:生成せず III.生理的性質 1.生成温度範囲:16〜35℃ 至適生育温度:27〜34℃ 2.ゼラチンの液化:陽性(弱い) 3.スターチの加水分解:陰性 4.脱脂乳の凝固:陰性 脱脂乳のペプトン化:陽性 5.メラニン様色素の生成:陰性 IV.炭素源の利用性 プリドハム・ゴットリープ寒天培地上で炭素源の利用性
を検討した結果は、第1表に示すとおりである。
メル(3ic) 気菌糸の着生:貧弱〜中程度,粉状 気菌糸の色:白色〜ライト・アイボリー(2ca) 可溶性色素:生成せず 2.グルコース・アスパラギン寒天培地 生育:貧弱 基生菌糸の色:無色 気菌糸の着生:形成せず 可溶性色素:生成せず 3.グリセロール・アスパラギン寒天培地 生育:中程度 基生菌糸の色:ライト・ホイート(2ea)〜ブライト・
イエロー(3na )〜アンバー(3lc) 気菌糸の着生:中程度,粉状 気菌糸の色:ライト・アイボリー(2ca)〜ライト/ホ
イート(2ea) 可溶性色素:生成せず 4.無機塩・スターチ寒天培地 生育:中程度 基生菌糸の色:無色〜ブライト・メイズ(3la)〜ダス
テイ・オレンジ(4 lc) 気菌糸の着生:貧弱〜中程度 気菌糸の色:白色〜アイボリー・テイント(2cb)〜ナ
チュラル(2dc) 可溶性色素:生成せず 5.オートミール寒天培地 生育:貧弱〜中程度,平坦 基生菌糸の色:クリーム(11/2ca)〜ライト・イエ
ロー(11/2 ea) 気菌糸の着生:貧弱〜中程度 気菌糸の色:アイボリー・テイント(2cb)〜ナチュラ
ル(2dc) 可溶性色素:生成せず 6.イースト・麦芽寒天培地 生育:中程度 基生菌糸の色:スカッシュ.イエロー(3ia)〜ゴール
ド(2lc) 気菌糸の着生:中程度〜豊富,粉状 気菌糸の色:ナチュラル(2dc)〜ライト・アイボリー
(2ca) 可溶性色素:淡黄色 7.チロシン寒天培地 生育:中程度 基生菌糸の色:ブライト・メイズ(3la) 気菌糸の着生:貧弱 気菌糸の色:白色〜ナチュラル(2dc) 可溶性色素:生成せず 8.栄養寒天培地 生育:中程度 基生菌糸の色:ブライト・メイズ(3la)〜アンバー(3
lc) 気菌糸の着生:貧弱,粉状 気菌糸の色:白色 可溶性色素:無色〜淡黄色 9.ベンネット寒天培地 生育:中程度 基生菌糸の色:アンバー(3lc)〜ダステイ・オレンジ
(4lc) 気菌糸の着生:中程度,粉状 気菌糸の色:パール・ピンク(3ca)〜ライト・アイボ
リー(2ca)〜アイボリー・テイント(2cb) 可溶性色素:無色〜淡黄色 10.ペプトン・イースト鉄寒天 生育:中程度 基生菌糸の色:ライト・ホイート(2ea)〜メイプル(4
le) 気菌糸の着生:形成せず 可溶性色素:生成せず III.生理的性質 1.生成温度範囲:16〜35℃ 至適生育温度:27〜34℃ 2.ゼラチンの液化:陽性(弱い) 3.スターチの加水分解:陰性 4.脱脂乳の凝固:陰性 脱脂乳のペプトン化:陽性 5.メラニン様色素の生成:陰性 IV.炭素源の利用性 プリドハム・ゴットリープ寒天培地上で炭素源の利用性
を検討した結果は、第1表に示すとおりである。
V.全菌体の加水分解物中のジアミノピメリン酸の分析
[長谷川徹ら、ジャーナル・オブ・ゼネラル・アプライ
ド・マイクロバイオロジー,29,319(1983)の方法]LL
−2・6−ジアミノピメリン酸が認められた。
[長谷川徹ら、ジャーナル・オブ・ゼネラル・アプライ
ド・マイクロバイオロジー,29,319(1983)の方法]LL
−2・6−ジアミノピメリン酸が認められた。
以上の菌学的性質を要約するとC-70895株は、気菌糸先
端が、不規則な波状,鈎状,輪状あるいは不規則な螺旋
状を呈し、胞子表面は平滑であるが、一般に、その側面
から発芽管様の構造体(lateralbad)ないしは菌糸状に
伸長した特異な突起構造が観察される。発育色調は、淡
黄緑色,淡黄色ないしは橙褐色で、気菌糸は、黄色ない
し灰色である。なお、メラニン様可溶性色素は生成され
ない。
端が、不規則な波状,鈎状,輪状あるいは不規則な螺旋
状を呈し、胞子表面は平滑であるが、一般に、その側面
から発芽管様の構造体(lateralbad)ないしは菌糸状に
伸長した特異な突起構造が観察される。発育色調は、淡
黄緑色,淡黄色ないしは橙褐色で、気菌糸は、黄色ない
し灰色である。なお、メラニン様可溶性色素は生成され
ない。
さらに、LL−ジアミノピメリン酸が菌体より検出され、
細胞壁タイプIに属する菌株である。以上の性質をもと
に、エス・エー・ワックスマン著,ジ・アクチノミセテ
ス(The Actinomycetes)第2巻,ザ・ウイリアムス・
アンド・ウイルキンス・カンパニー発行,1961年,およ
びアール・イー・ブッファナン・アンド・エヌ・イー・
ギボンス編,バージーズ・マニュアル・オブ・デタミネ
ーティブ・バクテリオロジー(Bergey′s Mannual of D
eter minative Bacteriology)第8版,1974年に従って
菌種の検索を行ったが、類似菌種は全く認められなかっ
た。従って、C-70895株をストレプトミセス属の新菌種
と断定し、その特徴的な形態に因んで、ストレプトミセ
ス・イディオモルフス(Streptomyces idiomorphus)C-
70895と命名した。
細胞壁タイプIに属する菌株である。以上の性質をもと
に、エス・エー・ワックスマン著,ジ・アクチノミセテ
ス(The Actinomycetes)第2巻,ザ・ウイリアムス・
アンド・ウイルキンス・カンパニー発行,1961年,およ
びアール・イー・ブッファナン・アンド・エヌ・イー・
ギボンス編,バージーズ・マニュアル・オブ・デタミネ
ーティブ・バクテリオロジー(Bergey′s Mannual of D
eter minative Bacteriology)第8版,1974年に従って
菌種の検索を行ったが、類似菌種は全く認められなかっ
た。従って、C-70895株をストレプトミセス属の新菌種
と断定し、その特徴的な形態に因んで、ストレプトミセ
ス・イディオモルフス(Streptomyces idiomorphus)C-
70895と命名した。
C-70895株は昭和61年2月4日に財団法人発酵研究所(I
FO)に受託番号IFO14492として、また、本微生物は昭和
612月15日に通商産業省工業技術院微生物工業技術研究
所(FRI)に受託番号FERMP−8653としてそれぞれ寄託さ
れている。
FO)に受託番号IFO14492として、また、本微生物は昭和
612月15日に通商産業省工業技術院微生物工業技術研究
所(FRI)に受託番号FERMP−8653としてそれぞれ寄託さ
れている。
ストレプトミセス属に属する抗生物質TAN-868A生産菌は
他のストレプトミセス属菌の場合と同様に、その性状が
変化しやすく、たとえば紫外線,エックス線,放射線,
人工変異剤などを用いる人的変異手段で容易に変異しう
るものであり、この様な変異株であっても抗生物質TAN-
868Aの生産能を有するものは、すべて本発明の方法に使
用することができる。
他のストレプトミセス属菌の場合と同様に、その性状が
変化しやすく、たとえば紫外線,エックス線,放射線,
人工変異剤などを用いる人的変異手段で容易に変異しう
るものであり、この様な変異株であっても抗生物質TAN-
868Aの生産能を有するものは、すべて本発明の方法に使
用することができる。
本発明の方法において、抗生物質TAN-868A生産菌が培養
される培地は、液状でも固体状でもよいが、液状の培地
がより便宜的に用いられ、また表面培養法,振盪培養法
によってもよいが、深部培養方法がより有利に用いられ
る。培地中には抗生物質TAN-868A生産菌が同化し得る炭
素源として、たとえば、でんぷん,グルコース,デキス
トリン,グリセロール,シュークロース,およびn−パ
ラフィン,アルコール類(例メタノール)など、窒素源
としては、たとえば有機窒素源としてコーン・スチープ
・リカー,大豆粉,綿実粉,ペプトン,肉エキスなど、
無機窒素源としては塩化アンモニウム,硝酸アンモニウ
ム,尿素などを使用し得る。その他、必要に応じて無機
塩類たとえばナトリウム,カリウム,マグネシウムまた
は燐を含む塩類,重金属塩類たとえば鉄,マンガン,亜
鉛,コバルト,銅,ニッケルなどの塩類,消泡剤たとえ
ば大豆油,ラード油,チキン油,シリコン油,アクトコ
ール(武田薬品工業株式会社製)などを適宜添加しても
よい。液体培養に際しては、培地のpHは中性付近,特に
pH6〜8が好ましい。培養温度は24℃〜34℃,培養時間
は40〜96時間が望ましい。
される培地は、液状でも固体状でもよいが、液状の培地
がより便宜的に用いられ、また表面培養法,振盪培養法
によってもよいが、深部培養方法がより有利に用いられ
る。培地中には抗生物質TAN-868A生産菌が同化し得る炭
素源として、たとえば、でんぷん,グルコース,デキス
トリン,グリセロール,シュークロース,およびn−パ
ラフィン,アルコール類(例メタノール)など、窒素源
としては、たとえば有機窒素源としてコーン・スチープ
・リカー,大豆粉,綿実粉,ペプトン,肉エキスなど、
無機窒素源としては塩化アンモニウム,硝酸アンモニウ
ム,尿素などを使用し得る。その他、必要に応じて無機
塩類たとえばナトリウム,カリウム,マグネシウムまた
は燐を含む塩類,重金属塩類たとえば鉄,マンガン,亜
鉛,コバルト,銅,ニッケルなどの塩類,消泡剤たとえ
ば大豆油,ラード油,チキン油,シリコン油,アクトコ
ール(武田薬品工業株式会社製)などを適宜添加しても
よい。液体培養に際しては、培地のpHは中性付近,特に
pH6〜8が好ましい。培養温度は24℃〜34℃,培養時間
は40〜96時間が望ましい。
培養物から目的とするTAN-868Aを採取するには微生物の
生産する代謝物をその微生物の培養物から採取するのに
通常使用される分離手段が適宜利用される。たとえばTA
N-868Aは水溶性塩基性物質の性質を示し、主として培養
ろ液中に含まれるので、まず培養液にろ過補助剤を加え
てろ過あるいは遠心分離によって、菌体を除去する。得
られた培養ろ液を適宜の担体に接触させてろ液中の有効
成分を吸着させ、次いで適宜の溶媒で有効物質を脱着さ
せ、分別採取する手段が有利に利用される。クロマトグ
ラフィーの担体としては活性炭,粉末セルロース,吸着
性樹脂など化合物の吸着性の差を利用、または陽イオン
交換樹脂,陽イオン交換セルロース,陽イオン交換セフ
ァデックスなど化合物の官能基の差を利用,あるいはセ
ファデックス類など化合物の分子量の差を利用するもの
が有利に用いられる。これら担体から目的とする化合物
を溶出するためには担体の種類,性質によって組み合せ
が異なるが、たとえば水溶性有機溶媒の含水溶液すなわ
ち、含水アセトン,含水アルコール類など、あるいは
酸,アルカリ,緩衝液もしくは無機あるいは有機塩を含
む水溶液などが適宜組み合わせて用いられる。
生産する代謝物をその微生物の培養物から採取するのに
通常使用される分離手段が適宜利用される。たとえばTA
N-868Aは水溶性塩基性物質の性質を示し、主として培養
ろ液中に含まれるので、まず培養液にろ過補助剤を加え
てろ過あるいは遠心分離によって、菌体を除去する。得
られた培養ろ液を適宜の担体に接触させてろ液中の有効
成分を吸着させ、次いで適宜の溶媒で有効物質を脱着さ
せ、分別採取する手段が有利に利用される。クロマトグ
ラフィーの担体としては活性炭,粉末セルロース,吸着
性樹脂など化合物の吸着性の差を利用、または陽イオン
交換樹脂,陽イオン交換セルロース,陽イオン交換セフ
ァデックスなど化合物の官能基の差を利用,あるいはセ
ファデックス類など化合物の分子量の差を利用するもの
が有利に用いられる。これら担体から目的とする化合物
を溶出するためには担体の種類,性質によって組み合せ
が異なるが、たとえば水溶性有機溶媒の含水溶液すなわ
ち、含水アセトン,含水アルコール類など、あるいは
酸,アルカリ,緩衝液もしくは無機あるいは有機塩を含
む水溶液などが適宜組み合わせて用いられる。
またこれらのクロマトグラフィーによって得られた抗生
物質を含む粗物質を分取用高速液体クロマトグラフィー
に付し、精製品を得る事も行われる。
物質を含む粗物質を分取用高速液体クロマトグラフィー
に付し、精製品を得る事も行われる。
さらに詳しくは述べるならば、担体として陽イオン交換
樹脂たとえばアンバーライトIRC−50あるいはCG−
50(ローム・アンド・ハース社製,米国)などを用いる
とろ液中の抗菌性物質は吸着され、塩類あるいは酸含有
の水溶液あるいは緩衝液などで溶出される。あるいは陽
イオン交換分子ふるい性樹脂たとえばCM−セファデッ
クス(ファルマシア・ファィン・ケミカルズ社製,スウ
ェーデン)などの担体に抗生物質を吸着せしめ、塩類あ
るいは酸含有の水溶液あるいは緩衝液などによって溶出
させることが出来る。これら溶出液中の塩類,着色物質
などを取り除くためにはクロマトグラフィー用活性炭
(武田薬品工業株式会社製)あるいは吸着性樹脂たとえ
ばダイヤイオンHP−20あるいはSP−207(三菱化成
工業株式会社製),アンバーライトXAD−II(ローム
・アンド・ハース社製,米国)などが有利に用いられ
る。分画された溶出区分は濃縮,凍結乾燥などの工程を
経て、粉末化される。かくして得られた粉末の純度が悪
い場合、さらに精製するためには高速液体クロマトグラ
フィー法(HPLC)が有利に利用される。用いられる
担体としてはたとえばTSKゲル(東洋曹達株式会社
製),YMCゲル(山村化学研究所製)などが挙げら
れ、移動層としてはメタノールあるいはアセトニトリな
どと無機塩含有水溶液あるいは緩衝液などとの混合液が
用いられる。なおTAN-868Aは鉱酸たとえば塩酸,硫酸,
リン酸などあるいは有機酸たとえば蟻酸,酢酸,修酸な
どの塩として単離される。
樹脂たとえばアンバーライトIRC−50あるいはCG−
50(ローム・アンド・ハース社製,米国)などを用いる
とろ液中の抗菌性物質は吸着され、塩類あるいは酸含有
の水溶液あるいは緩衝液などで溶出される。あるいは陽
イオン交換分子ふるい性樹脂たとえばCM−セファデッ
クス(ファルマシア・ファィン・ケミカルズ社製,スウ
ェーデン)などの担体に抗生物質を吸着せしめ、塩類あ
るいは酸含有の水溶液あるいは緩衝液などによって溶出
させることが出来る。これら溶出液中の塩類,着色物質
などを取り除くためにはクロマトグラフィー用活性炭
(武田薬品工業株式会社製)あるいは吸着性樹脂たとえ
ばダイヤイオンHP−20あるいはSP−207(三菱化成
工業株式会社製),アンバーライトXAD−II(ローム
・アンド・ハース社製,米国)などが有利に用いられ
る。分画された溶出区分は濃縮,凍結乾燥などの工程を
経て、粉末化される。かくして得られた粉末の純度が悪
い場合、さらに精製するためには高速液体クロマトグラ
フィー法(HPLC)が有利に利用される。用いられる
担体としてはたとえばTSKゲル(東洋曹達株式会社
製),YMCゲル(山村化学研究所製)などが挙げら
れ、移動層としてはメタノールあるいはアセトニトリな
どと無機塩含有水溶液あるいは緩衝液などとの混合液が
用いられる。なおTAN-868Aは鉱酸たとえば塩酸,硫酸,
リン酸などあるいは有機酸たとえば蟻酸,酢酸,修酸な
どの塩として単離される。
このようにして、塩の形で単離されたTAN-868A塩を、常
套手段により遊離形のTAN-868Aとすることもでき、また
該遊離形の化合物を常套手段により上記と同様の塩の形
にすることもできる。
套手段により遊離形のTAN-868Aとすることもでき、また
該遊離形の化合物を常套手段により上記と同様の塩の形
にすることもできる。
後述の実施例1で得られたTAN-868A・二塩酸塩の物理化
学的性状はつぎの通りである。
学的性状はつぎの通りである。
(1)外観:無色固体 (2)比旋光度:[α]25 D+62゜±20゜(c=1.05,H
2O) (3)pKa′値:8.45 (4)分子量測定値:320(M+H)+ (SI-MS法による)(Mは遊離体の分子量を表わす。) (5)分子式:C13H17N7O3・2HCl (6)元素分析値:試料は五酸化リン上,40℃で6時間減
圧乾燥(2モルの水分を含むとして計算)(%) (7)紫外部(UV)吸収スペクトル:水中,0.1N HCl中
および0.1NNaOH中,第1図参照 230±3nm(ε=17600±1500)および321±3nm(ε=3
4100±3000) 230±3nm(ε=18300±1500)および321±3nm(ε=3
5800±3000) 356±3nm(ε=39900±3000) (8)赤外部(IR)吸収スペクトル:KBr法,第2図
参照 主な吸収を示す(波数) 3400,1670,1580,1470,1370,1290,1230,1120,10
90,970,950,820,590(cm-1) (9)13C核磁気共鳴(NMR)スペクトル:100MHz,δpp
m,重水中、下記のシグナルが認められる。
2O) (3)pKa′値:8.45 (4)分子量測定値:320(M+H)+ (SI-MS法による)(Mは遊離体の分子量を表わす。) (5)分子式:C13H17N7O3・2HCl (6)元素分析値:試料は五酸化リン上,40℃で6時間減
圧乾燥(2モルの水分を含むとして計算)(%) (7)紫外部(UV)吸収スペクトル:水中,0.1N HCl中
および0.1NNaOH中,第1図参照 230±3nm(ε=17600±1500)および321±3nm(ε=3
4100±3000) 230±3nm(ε=18300±1500)および321±3nm(ε=3
5800±3000) 356±3nm(ε=39900±3000) (8)赤外部(IR)吸収スペクトル:KBr法,第2図
参照 主な吸収を示す(波数) 3400,1670,1580,1470,1370,1290,1230,1120,10
90,970,950,820,590(cm-1) (9)13C核磁気共鳴(NMR)スペクトル:100MHz,δpp
m,重水中、下記のシグナルが認められる。
第3図参照 174.8(s),171.9(s),166.6(s),162.2(s),140.5(d),
125.5(s),124.4(s),120.2(d),109.2(d),100.1(d),
73.0(d),62.0(d),38.1(t) (ただし、s:singlet,d:doublet,t:trip letを表わ
す) (10)1H核磁気共鳴(NMR)スペクトル:90MHz,δppmJ
(Hz),重水中、下記のシグナルが認められる。
125.5(s),124.4(s),120.2(d),109.2(d),100.1(d),
73.0(d),62.0(d),38.1(t) (ただし、s:singlet,d:doublet,t:trip letを表わ
す) (10)1H核磁気共鳴(NMR)スペクトル:90MHz,δppmJ
(Hz),重水中、下記のシグナルが認められる。
2.75(2H,m),4.97(1H,m),5.40(1H,t,J=8),5.93(1H,d,
J=15),7.20(1H,d,J=2),7.53(1H,d,J=2),8.17(1H,d,J
=15) (ただしH:プロトン,m:multiplet,d:doub let,
J:カップリング定数を表わす) (11)高速液体クロマトグラフィー(HPLC): カラム:YMCパックA312(山村化学研究所製),移動
相:27%アセトニトリル/0.01Mオクタンスルフォン酸
ナトリウム−0.02Mリン酸溶液(pH3),流速:2ml/分 Rt=4.8(分) (12)呈色反応: 陽性,エールリッヒ(酸性),グレイグ・リーバック反
応,過マンガン酸カリウム,p−ジメチルアミノベンツ
アルデヒド 陰性,ニンヒドリン,エールリッヒ(アルカリ性),坂
口,ドラーゲンドルフ反応 (13)溶解性: 可溶,水,ジメチルスルフォキサイド,メタノール 難溶,酢酸エチル,ジエチルエーテル (14)酸性,中性,塩基性の区別:中性(遊離体は塩基
性) 次に、TAN−868Aの生物学的性状について述べる。
J=15),7.20(1H,d,J=2),7.53(1H,d,J=2),8.17(1H,d,J
=15) (ただしH:プロトン,m:multiplet,d:doub let,
J:カップリング定数を表わす) (11)高速液体クロマトグラフィー(HPLC): カラム:YMCパックA312(山村化学研究所製),移動
相:27%アセトニトリル/0.01Mオクタンスルフォン酸
ナトリウム−0.02Mリン酸溶液(pH3),流速:2ml/分 Rt=4.8(分) (12)呈色反応: 陽性,エールリッヒ(酸性),グレイグ・リーバック反
応,過マンガン酸カリウム,p−ジメチルアミノベンツ
アルデヒド 陰性,ニンヒドリン,エールリッヒ(アルカリ性),坂
口,ドラーゲンドルフ反応 (13)溶解性: 可溶,水,ジメチルスルフォキサイド,メタノール 難溶,酢酸エチル,ジエチルエーテル (14)酸性,中性,塩基性の区別:中性(遊離体は塩基
性) 次に、TAN−868Aの生物学的性状について述べる。
抗生物質TAN−868A(二塩酸塩)の各種微生物に対
する抗菌活性を第2および3表に示す。
する抗菌活性を第2および3表に示す。
また、TAN−868A(二塩酸塩)のマウス感染症にお
ける治療効果は、第4表に示すとおりである。
ける治療効果は、第4表に示すとおりである。
さらに、TAN−868A(二塩酸塩)のマウスを用いた
急性毒性は第5表に示すとおりである。
急性毒性は第5表に示すとおりである。
これらのデータから明らかなように、TAN−868Aお
よびその塩はグラム陽性菌,グラム陰性菌,抗酸性菌お
よびかびなどに対して抗菌性を示し、哺乳動物などに対
する毒性が弱い。また、TAN−868Aおよびその塩は
種々の耐性菌に対して有効であり、交叉耐性を示さな
い。したがってTAN−868Aおよびその塩は哺乳動物
(例、マウス,ラット,ウサギ,犬,ヒト)の細菌感染
症の治療に用いることが出来る。
よびその塩はグラム陽性菌,グラム陰性菌,抗酸性菌お
よびかびなどに対して抗菌性を示し、哺乳動物などに対
する毒性が弱い。また、TAN−868Aおよびその塩は
種々の耐性菌に対して有効であり、交叉耐性を示さな
い。したがってTAN−868Aおよびその塩は哺乳動物
(例、マウス,ラット,ウサギ,犬,ヒト)の細菌感染
症の治療に用いることが出来る。
TAN−868Aまたはその塩をたとえば細菌感染症の治
療剤として用いるには、TAN−868Aまたはその塩を
薬理学的に許容され得る担体,賦形剤,希釈剤などと混
合し、たとえばTAN−868Aまたはその塩を注射剤と
して非経口的に上記哺乳動物の皮下または筋肉内に約1
ないし25mg/kg/日,好ましくは約2ないし20mg/
kg/日投与する。
療剤として用いるには、TAN−868Aまたはその塩を
薬理学的に許容され得る担体,賦形剤,希釈剤などと混
合し、たとえばTAN−868Aまたはその塩を注射剤と
して非経口的に上記哺乳動物の皮下または筋肉内に約1
ないし25mg/kg/日,好ましくは約2ないし20mg/
kg/日投与する。
また、TAN−868Aまたはその塩は、殺菌剤として用
いることができる。たとえばTAN−868Aまたはその
塩をTAN−868Aとして約0.01ないし0.1w/v%の濃度
で蒸留水に溶解した液剤、または1gあたりTAN−86
8Aとして約0.2ないし20mg,好ましくは約1ないし1
0mg含有する軟膏剤として、上記哺乳動物の手,足,
眼,耳などに塗布することにより、これらの部位の殺
菌,消毒に用いることができる。
いることができる。たとえばTAN−868Aまたはその
塩をTAN−868Aとして約0.01ないし0.1w/v%の濃度
で蒸留水に溶解した液剤、または1gあたりTAN−86
8Aとして約0.2ないし20mg,好ましくは約1ないし1
0mg含有する軟膏剤として、上記哺乳動物の手,足,
眼,耳などに塗布することにより、これらの部位の殺
菌,消毒に用いることができる。
実施例 次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
なお、培地におけるパーセントは、特にことわりのない
かぎり重量/容量%を示す。
なお、培地におけるパーセントは、特にことわりのない
かぎり重量/容量%を示す。
実施例1 グルコース2%,可溶性澱粉3%,コーン・スチープ・
リカー1%,生大豆粉1%,ペプトン0.5%,NaCl0.3
%,CaCO30.5%(pH7.0)からなる培地500mlを2容坂
口フラスコに入れ、120℃,20分間滅菌したのち、ス
トレプトミセス・イディオモルフスC−70895(FER
M P−8653,IFO14492)を接種し、28
℃で2日間往復振盪機上で培養した。得られた種培養液
0.5を上記種培地と同一組成の培地30を含む50
容ステンレス・スチール・タンクに移植し、28℃で
2日間通気攪拌培養(通気量30;攪拌280回転/毎
分)を行った。得られた培養液6をデキストリン5
%,コーン・スティープ・リカー3%,ペプトン0.1
%,CaCO21%,CaCO3(沈降性)0.5%(pH7.0)からな
る培地120を含む200容タンクに接種し、28℃,3
日間通気攪拌培養(通気量120;攪拌100回転/毎分)
を行った。
リカー1%,生大豆粉1%,ペプトン0.5%,NaCl0.3
%,CaCO30.5%(pH7.0)からなる培地500mlを2容坂
口フラスコに入れ、120℃,20分間滅菌したのち、ス
トレプトミセス・イディオモルフスC−70895(FER
M P−8653,IFO14492)を接種し、28
℃で2日間往復振盪機上で培養した。得られた種培養液
0.5を上記種培地と同一組成の培地30を含む50
容ステンレス・スチール・タンクに移植し、28℃で
2日間通気攪拌培養(通気量30;攪拌280回転/毎
分)を行った。得られた培養液6をデキストリン5
%,コーン・スティープ・リカー3%,ペプトン0.1
%,CaCO21%,CaCO3(沈降性)0.5%(pH7.0)からな
る培地120を含む200容タンクに接種し、28℃,3
日間通気攪拌培養(通気量120;攪拌100回転/毎分)
を行った。
上記で得られた培養液(100)を2N塩酸でpH6ない
し7に調整後、ハイフロスーパーセル(ジョンズ・マン
ビル・プロダクト社製,米国)を加え、ろ過し,水洗
し、ろ液(98)を得た。ろ液をpH6まいし7に調整
後、IRC−50(H+型,5)を充填したカラムを通
過させた。水でカラムを洗浄後、0.2N塩酸(25)
で溶出した。溶出液をHP−10(5)のカラムを通過
させ、水で洗浄後、メタノール:0.01N塩酸(1:1,
25)で溶出した。溶出液をpH6.0に調整後4.8まで
濃縮し、濃縮液をCG−50(H+型,400ml)を充填し
たカラムを通過させ、活性区分を0.1N塩酸(400ml)で
溶出した。溶出液を中和後SP−207(200ml)のカラム
を通過させ、活性区分をメタノール:0.01N塩酸(1:
1,900ml)で溶出した。溶出液を濃縮、濃縮液を凍結
乾燥した。凍結乾燥品をCMセファデックスC−25(H
+型,200ml)を充填したカラムを通過させた。0.2N食
塩水(2.5)で活性区分を溶出した。
し7に調整後、ハイフロスーパーセル(ジョンズ・マン
ビル・プロダクト社製,米国)を加え、ろ過し,水洗
し、ろ液(98)を得た。ろ液をpH6まいし7に調整
後、IRC−50(H+型,5)を充填したカラムを通
過させた。水でカラムを洗浄後、0.2N塩酸(25)
で溶出した。溶出液をHP−10(5)のカラムを通過
させ、水で洗浄後、メタノール:0.01N塩酸(1:1,
25)で溶出した。溶出液をpH6.0に調整後4.8まで
濃縮し、濃縮液をCG−50(H+型,400ml)を充填し
たカラムを通過させ、活性区分を0.1N塩酸(400ml)で
溶出した。溶出液を中和後SP−207(200ml)のカラム
を通過させ、活性区分をメタノール:0.01N塩酸(1:
1,900ml)で溶出した。溶出液を濃縮、濃縮液を凍結
乾燥した。凍結乾燥品をCMセファデックスC−25(H
+型,200ml)を充填したカラムを通過させた。0.2N食
塩水(2.5)で活性区分を溶出した。
溶出区分を活性炭のクロマトグラフィー(100ml)に付
し、8%2−ブタノール水で溶出後、溶出液を濃縮,同
様に培養液を処理して得られた濃縮液(計3ロット分)
をHP−20(100−200メッシュ,200ml)のカラムクロ
マトグラフィーに付し、水(400ml)で溶出分画した。
溶出分画画分の前半にTAN−868Aが、後半にKikumyc
inAが溶出された。HPLCで単一ピークを示す画分を
それぞれ集め、濃縮,凍結乾燥すると、TAN−868A
・二塩酸塩が665mg,KikumycinA・二塩酸塩が150mg得
られた。
し、8%2−ブタノール水で溶出後、溶出液を濃縮,同
様に培養液を処理して得られた濃縮液(計3ロット分)
をHP−20(100−200メッシュ,200ml)のカラムクロ
マトグラフィーに付し、水(400ml)で溶出分画した。
溶出分画画分の前半にTAN−868Aが、後半にKikumyc
inAが溶出された。HPLCで単一ピークを示す画分を
それぞれ集め、濃縮,凍結乾燥すると、TAN−868A
・二塩酸塩が665mg,KikumycinA・二塩酸塩が150mg得
られた。
実施例2 実施例1で得られた抗生物質TAN−868A・二塩酸塩
(100mg)を水に溶かし、0.5N硫酸でpH3ないし3.5に
調整する。析出物をろ過,水洗後、乾燥,TAN−868
A硫酸塩の無色結晶(97mg)が得られた。
(100mg)を水に溶かし、0.5N硫酸でpH3ないし3.5に
調整する。析出物をろ過,水洗後、乾燥,TAN−868
A硫酸塩の無色結晶(97mg)が得られた。
融点:mp>300℃(分解) 比施光度:[α]23 D+53.3゜(C=1.0,N−塩酸中) UVスペクトル: IRスペクトル:KBr法 主な吸収を示す。
3400,1665,1585,1480,1415,1375,1345,1295,12
40,1075,980,955,920,830,750,685,610(c
m-1) 元素分析値:C13H17N7O3,H2SO4・H2Oとして,計算値C
35.86,H4.86,N22.52,O29.40,S7.36 実測値C35.57,H4.81,N22.38,S7.55 発明の効果 本発明のTAN−868Aは放線菌によって生産される新
規抗生物質であり、耐性菌を含むグラム陽性,ゴラム陰
性菌,抗酸性菌およびかびなどに有効であるので臨床用
医薬品たとえば細菌感染症の治療剤として有用である。
40,1075,980,955,920,830,750,685,610(c
m-1) 元素分析値:C13H17N7O3,H2SO4・H2Oとして,計算値C
35.86,H4.86,N22.52,O29.40,S7.36 実測値C35.57,H4.81,N22.38,S7.55 発明の効果 本発明のTAN−868Aは放線菌によって生産される新
規抗生物質であり、耐性菌を含むグラム陽性,ゴラム陰
性菌,抗酸性菌およびかびなどに有効であるので臨床用
医薬品たとえば細菌感染症の治療剤として有用である。
第1図,第2図および第3図は抗生物質TAN−868A
・二塩酸塩のUV,IRおよび13CNMRスペクトルを
それぞれ示す。第1図中、(1)は水中、(2)は0.1NHC
1中および(3)は0.1NNaOH中のそれぞれUVスペク
トルを示す。
・二塩酸塩のUV,IRおよび13CNMRスペクトルを
それぞれ示す。第1図中、(1)は水中、(2)は0.1NHC
1中および(3)は0.1NNaOH中のそれぞれUVスペク
トルを示す。
Claims (2)
- 【請求項1】式 で示される抗生物質TAN−868Aまたはその塩。
- 【請求項2】ストレプトミセス属に属し、抗生物質TA
N−868Aを生産する能力を有する微生物を培地に培
養し、培養物中に抗生物質TAN−868Aを生成蓄積
せしめ、これを採取することを特徴とする抗生物質TA
N−868Aまたはその塩の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3366286A JPH0623192B2 (ja) | 1986-02-17 | 1986-02-17 | 抗生物質tan―868aおよびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3366286A JPH0623192B2 (ja) | 1986-02-17 | 1986-02-17 | 抗生物質tan―868aおよびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62190161A JPS62190161A (ja) | 1987-08-20 |
JPH0623192B2 true JPH0623192B2 (ja) | 1994-03-30 |
Family
ID=12392658
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3366286A Expired - Lifetime JPH0623192B2 (ja) | 1986-02-17 | 1986-02-17 | 抗生物質tan―868aおよびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0623192B2 (ja) |
-
1986
- 1986-02-17 JP JP3366286A patent/JPH0623192B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62190161A (ja) | 1987-08-20 |
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