JPH062303B2 - 金型による鋳物の製造方法 - Google Patents

金型による鋳物の製造方法

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JPH062303B2
JPH062303B2 JP13985586A JP13985586A JPH062303B2 JP H062303 B2 JPH062303 B2 JP H062303B2 JP 13985586 A JP13985586 A JP 13985586A JP 13985586 A JP13985586 A JP 13985586A JP H062303 B2 JPH062303 B2 JP H062303B2
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正敏 川口
宏 吉永
武 井村
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はカムシャフトやクランクシャフト等の中実や中
空の鋳物を金型鋳造により製造する方法に関するもので
ある。
(従来の技術) カムシャフトのカム部表面はバルブロッカーアームのス
リッパ等と摺接するので他の部分よりも高い摩耗性が要
求される。
かかるカムシャフトを鋳造するにさいし従来では砂型か
らなる鋳型のカム面に相当する部分に冷し金をセット
し、鋳造時にカム面を構成する溶湯部を急冷し、高硬度
のチル化層をカム面に形成している。
(発明が解決しようとする問題点) 以上の従来技術は、鋳型のカム成形部内表面に冷し金を
一々セットする必要があり、冷し金の数も多く、作業が
面倒、煩雑であること、鋳型のカム成形部は冷し金の肉
厚分を差し引いて成形する必要があり、精度その他鋳型
の成形が面倒であること、冷し金のセットの組付誤差や
組付間違い等が生じる虞れがある等の問題がある。
一方、中空のカムシャフトを鋳造する場合、以上の他鋳
型の造型部内に中空部成形用の中子を嵌挿セットする必
要があり、これ亦作業が面倒、煩雑であること、中子の
位置決め等にさいし誤差が生じ、鋳物の精度を得る上で
問題がある等改善の余地がある。
本発明は以上の問題点を解決すべくなされたもので、そ
の目的とする処は、部分的に硬化層を有するカムシャフ
ト等の軸物鋳物や中空カムシャフト等の中空軸物鋳物を
精度良好に容易に製造し得るようにしたことにある。
(問題点を解決するための手段) 以上の問題点を解決するための手段は、鋳物製品形状と
同形状の消失模型を成形し、該消失模型を金型の鋳物成
形部に嵌装セットし、該模型の急冷硬化部を金型面に接
触せしめるとともに該模型の他の部分は金型の成形部内
に充填した砂層に接触させ、前記成形部内に溶湯を充填
して前記模型を消失させるようにしたことである。
そして上記に加え、前記消失模型は軸方向への中空部を
備え、該中空部に砂を充填し、前記成形部内に溶湯を充
填して前記模型を消失させて中空の鋳物を製造するよう
にしたことである。
(上記手段による作用) 上記手段によれば、模型の消失で金型の一部と砂層によ
る成形部溶湯を充填され、金型接触部は急冷されて早期
に凝固し微細なチル硬化層が形成されるとともに、砂層
の部分は保温されて湯廻りが良好となり、鋳物の形状を
確保しつつ砂型としての組織が得られ、以上を中実、中
空のカムシャフト等として鋳造できる。
(実施例) 次に本発明の好適する一実施例を添付図面を参照しつつ
詳述する。
第1図乃至第5図は忠実の鋳物、実施例ではカムシャフ
トの製造方法を工程順に示す。
(1)は鋳物製品、即ち鋳造されるカムシャフトと同形状
の模型で、模型(1)は軸状をなし、両端に小径支持部(1
a),(1b)を突設し、これの内側の一方にはジャーナル部
(1c)、ジャーナル部(1d)と後に機械加工してスプロケッ
ト部を形成するフランジ部(1e)、この間に実施例では径
方向外方に膨出する4個のカム部(1f)…、ジャーナル部
(1g)を備える。かかる模型は発泡スチレン等で成形し、
溶湯で消失する消失模型とする。
(2)は金型で、第2図は型開きした一方の型を示し、型
(2)には左右に成形部(2a)を備え、図では一方を示すが
左右対称である、成形部(2a)は模型(1)の断面の1/2以上
の大きさを備える凹部(2d)からなり、両端に支持凹部(2
c),(2d)を備え、一方(2d)は湯道(2e)に連通し、湯道(2
e)は湯口(2f)に連なる。かかる金型の成形部(1a)の凹部
(2b)には実施例では前記カム部(1f)…と対応する4個所
の突部(2g)…を備え、更に金型(2)内には冷却水通路(2
h)が穿設されている。
以上の金型(2)の成形部(2a)に前記模型(1)を嵌挿セット
し、模型(1)の両端の支持部(1a),(1b)は凹部(2d)両端の
支持凹部(2c),(2d)に嵌合し、カム部(1f)…の表面(1h)
は成形部(2a)の凹部(2b)に設けた突部(2g)…の表面(2i)
に接触せしめる。模型(1)のカム部(1f)…の表面の一部
で冷却硬化する必要がある部分のみが突部(2g)…の表面
(2i)に接触し、カム部のベース円部(1i)と凹部(2b)の内
面、そして両端支持部(1a),(1b)を除く他の部分と凹部
(2b)の内面との間には充分な空間が残る。
以上の空間に金型(2)の一端に形成した差充填口(2k)か
ら鋳砂を注入し充填し、この結果既述のカム部(1f)…の
一部と支持部(1a),(1b)をを除く他の部分の表面は砂(4)
で覆われ、砂層と接触することとなる。これを第3図で
示し、第4図は第3図の4−4線断面図で、他方の型
(3)は前記型(2)と対称形状、構造をなす。
以上の金型(2),(3)の湯口(2f)から溶湯を注入し、湯道
(2e)を介して溶湯は金型の成形部(2a)の凹部(2b)内に流
入する。このさい模型(1)以外の部分は砂層(4)と金画開
突部(2g)の表面(2i)で覆われ、模型(1)が既述の如く燃
焼消失し、湯は下から上へ流入充填され、最終的には模
型(1)は溶湯により消失することなり、溶湯(5)は第5図
の如く砂層(4)及び金型突部(2g)で囲まれて凝固し、カ
ムシャフトが製造される。かかる鋳造にさいし、充填さ
れる溶湯は砂層の部分は保温され、良好な湯廻り性が得
られ、得られたカムシャフトのこの部分は砂型の組織と
なる。一方、金型突部表面(2h)に接触した部分は溶湯が
急速に冷却され、微細なチル化組織となり、硬化層が得
られる。このように鋳物の機能に合わせて金属組織を部
分的に変えることができ、必要な部分、即ちカム部の摺
動部には高強度な硬化層を形成することができる。
鋳造後製品を取り出し、尚模型消失時のガスは金型(2)
に設けた吸引口(2j)から吸引排出する。
第6図乃至第10図は中空カムシャフトの製造方法を示
し、基本的構成は前記と同じなので同一部分には同一符
号を付し、重視する説明は省略する。
第6図は消失模型(1)で、これの中央部に軸方向へ延び
る盲穴状の長い穴(11a)を形成し、穴(11a)はカム部(1f)
…の部分で径方向に拡大し、かかる模型(1)を金型(2)の
成形部(2a)に嵌挿セットし、カム部(1f)…の表面(1h)は
凹部(2b)の突部表面(2i)に接触させ、砂(4)を模型(1)の
カム部表面(1h)を除く周りの部分に充填し、一方、模型
(1)の穴(11a)には中空パイプ状芯金(16)を嵌挿し、芯金
(16)から砂を注入し、芯金(16)を順次引き抜いて穴(11
a)内に砂(14)を充填する。芯金(16)を用いることにより
穴(11a)内への砂(14)の注入、充填は円滑、確実になさ
れる。これを第9図に示した。
以上のセット、砂充填後溶湯(15)を注入充填し、模型
(1)は消失するが、模型(1)の穴(11a)部に砂(14)が充填
されていて中子として機能し、従ってこの部分は外周と
同様に溶湯が充填されず、中空カムシャフトを鋳造する
ことができ、しかも金型の溶湯接触面(2i)が冷し金とし
て機能し、カム部(1f)の摺動面を硬化した鋳造製カムシ
ャフトが得られる。
このようにして得られる中空カムシャフトは、既述の如
く摺動部に硬化層が形成されるのは勿論、芯金(16)によ
ってセンタリング、位置決めが正確になされ、又これを
引き抜きつつ中子用の砂を充填するので中子の精度も得
られる。
次に具体的実施例を述べる。
発泡スチレンで穴付の中空カムシャフト模型を成形し、
これを金型の成形部にセットし、カム部のトップ面に相
当する部位を金型内面に接触させ、他の部分及び中空部
にシェル砂等からなる砂を充填して砂層を形成した。次
いで成形部にNi−Cr−Mo合金鋳鉄(溶湯成分C3.
4%、Si2.1%、Po0.07%、Mn0.6%、S0.08%、Ni0.
4%、Cr0.4%、Mo0.3% 残Fe)の溶湯(1400℃)を
湯口より注湯した。溶湯の充填とともに、模型は消失
し、消失時に発生したガスは主に金型背面の排出口(2j)
より吸引排出される。鋳造完了後離型し、鋳造品を取り
出した。
以上の条件で鋳造したカムシャフトの金型表面接触部の
カムトップ面及び砂層と接触した他の部分に金属組織を
示す顕微鏡写真(100倍)を別紙に添付した。Aは金型表
面接触部のものを、Bは砂層接触部のもので、写真Aで
明らかなように金型で急冷された部分は微細なチル組織
となり、一方砂層のものは写真Bの如く通常と砂型と同
様の片状黒鉛鋳鉄となっている。
(発明の効果) 以上で明らかな如く本発明によれば、鋳物製品形状の消
失模型を形成き、該模型を金型の成形部にセットして急
冷部位を金型面に接触させ、他の部分を砂層に接触さ
せ、溶湯充填で模型を消失させて鋳物を製造するように
したので、湯廻り性を良好に保持しつつ通常の砂型と同
様の組織と金型面の冷し金作用による微細なチル組織が
得られる。そして以上は砂型に冷し金を嵌挿したりする
ような面倒、煩雑で、セット時の誤差等一切ない状態で
鋳造でき、精度、品質ともに極めて良好な部分硬化鋳物
を容易に鋳造できる。
次に部分硬化中空鋳物を得るにさいし、中子の成形は消
失模型の中空部に砂を充填して行うので、位置決め等の
精度も極めて良好になされ、前記の他、中空鋳物の鋳造
も容易に高精度、高品質で行える。
以上本発明はカムシャフトについて言及したが、実施の
対象は任意である。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図は中実鋳
物模型の断面図、第2時は金型の正面図、第3図は模型
セット状態の金型正面図、第4図は第3図4−4線断面
図、第5図は溶湯充填状態の図、第6図中空鋳物模型の
断面図、第7図は模型セット状態の金型正面図、第8図
は第7図8−8線断面図、第9図は中空部へ砂を充填し
た状態の図、第10図は溶湯充填の図である。 尚図面中(1)は模型、(2),(3)は金型、(2a)は成形部、(2
g)は冷し金の部分、(4)は砂、(5)は溶湯、(11a)は中空
部である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳物製品形状と同形状の消失模型を成形
    し、該消失模型を金型の鋳物成形部に嵌装セットし、該
    模型の一部を金型面に接触させるとともに、該模型の他
    の部分は金型の成形部内に充填した砂層に接触させ、前
    記成形部内に溶湯を充填して前記模型に消失させるよう
    にしたことを特徴とする金型による鋳物の製造方法。
  2. 【請求項2】鋳物製品形状と同形状で、且つ中空部を備
    える消失模型を形成し、該消失模型を金型の鋳物成形部
    に嵌装セットし、該模型の表面の一部を金型面に接触さ
    せるとともに、該模型の他の部分の表面を金型の成形部
    内に充填した砂層に接触させ、且つ該模型の中空部に砂
    を充填して前記成形部内に溶湯を充填して前記模型を消
    失させるようにしたことを特徴とする金型による中空鋳
    物の製造方法。
  3. 【請求項3】前記中空消失模型の中空部には中空の芯金
    を嵌挿し、芯金を介して該中空部に砂を充填し、充填時
    に芯金を除去する前記特許請求の範囲第2項の金型によ
    る中空鋳物の製造方法。
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MX2016010930A (es) * 2016-08-23 2017-04-03 Arbomex S A De C V Proceso de fabricacion de arbol de levas con componente funcional como inserto de ensamble y el arbol de levas obtenido con el mismo.

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