JPH06230346A - 調光シートの製造方法 - Google Patents

調光シートの製造方法

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JPH06230346A
JPH06230346A JP5004801A JP480193A JPH06230346A JP H06230346 A JPH06230346 A JP H06230346A JP 5004801 A JP5004801 A JP 5004801A JP 480193 A JP480193 A JP 480193A JP H06230346 A JPH06230346 A JP H06230346A
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resin
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liquid crystal
active energy
layer
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JP5004801A
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Inventor
Hiroyoshi Fujioka
弘斉 藤岡
Shiyunichirou Mukouyoshi
俊一郎 向吉
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】2枚の透明導電性高分子フィルムの間に設ける
液晶滴が分散するポリマーマトリックス層の形成に際し
て、塗液中に微小球スペーサーを用いないでしかも大き
い面積にわたって所定の均一な厚みを有し、しかも気泡
が残存しない高品質の調光シートを提供することにな
る。 【構成】電極層を有する透明フィルムの電極層上に、活
性エネルギー線硬化性樹脂と液晶物質を主成分とする塗
液を塗布し、活性エネルギー線を照射して樹脂を硬化さ
せると共に液晶を相分離させ、 .この硬化・相分離させた樹脂層上に、更に同じ組成
の樹脂塗液を塗布し、この塗布面に、電極層を有する別
の透明フィルムを貼り合わせて密着させるか、 .同じ組成の樹脂塗液を電極層を有する別の透明フィ
ルムの電極層上に塗布し、この塗布面を、既に硬化・相
分離させた樹脂層面と貼り合わせて密着させ、しかる後
活性エネルギー線を照射することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窓等に使用した場合、
光の透過を調節し得る機能をもつ調光シートの製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶の屈折率異方性を利用した高
分子分散型液晶による調光シートが提案されている。こ
の調光シートは、2枚の透明導電性高分子フィルムの間
のポリマーマトリックス中に微小液晶滴を分散させ、そ
のポリマーをフィルム化し、両透明導電性高分子フィル
ム間への電界の有無により、液晶の配向度を変化させ、
ポリマーマトリックスとの屈折率差を調節し、光の透
過、散乱状態を形成せしめ光の透過率を制御する原理の
ものである。
【0003】この原理による調光シートには、液晶を多
孔質フィルムに含浸させ、これを2枚の透明導電性高分
子フィルムの間に挟み込んだたタイプのもの(Appl.Phy
s.Lett.40(1)22(1982)でH,C,Craighead らが開発)、ポ
リビニールアルコールを使用して液晶をマイクロカプセ
ル化し、これを含む樹脂層を2枚の透明導電性高分子フ
ィルムの間に設けたタイプのもの(特公昭58-501631
)、液晶をエポキシ樹脂の有機溶剤溶液に溶解させて
おき、溶剤を蒸発すると同時に樹脂を硬化・液晶を相分
離させたタイプのもの(特公昭61-502128 )、液晶をポ
リメチルメタアクリレートの有機溶剤溶液に溶解させて
おき、溶剤を蒸発させると同時に樹脂を硬化・液晶を相
分離させたタイプのもの(特開昭63-43993)、紫外線硬
化樹脂に液晶を溶解せしめ、紫外線を照射することによ
り樹脂を硬化・液晶を相分離させたタイプのもの(特開
平1-312527)等が知られている。
【0004】かかる調光シートにおいては、調光シート
としての充分な機能を発揮し得るためには、2枚の透明
導電性高分子フィルムの間に設ける液晶滴が分散するポ
リマーマトリックス層は、所定の厚みが必要である。而
してこの厚みを形成する手段として、 .2枚の透明導電性高分子フィルムの間に、先ずスペ
ーサーを挟み込んで該フィルム間に隙間を設け、その隙
間に樹脂と液晶からなる液を注入し、更に加熱や紫外線
照射などの手段で樹脂を硬化させ、液晶を相分離させる
方法。
【0005】.他の方法としては、液晶と樹脂からな
る塗液中に、微小ガラス球やポリスチレンマイクロビー
ズ等の微小球体をスペーサーとして混合し、この塗液を
透明導電性高分子フィルムに塗布した後に他の透明導電
性高分子フィルムを貼合わせた後 加熱や紫外線照射な
どの手段で樹脂を硬化させ、液晶を相分離を行わしめる
方法等がある。
【0006】しかしながら、.の方法では、小さい面
積の調光シートを作る場合には適合し得ても、大きい面
積にわたって均一な厚みを有する高品質の調光シートを
作るには不適である。その理由は、2枚のフィルム間に
均一な隙間を大きい面積にわたって設けることが難し
く、そのため均一な液晶滴が分散するポリマーマトリッ
クス層を形成することも極めて難しいからである。
【0007】また、.の方法では、塗液を該フィルム
に塗布する際に、塗液中に混合している微小球体のスペ
ーサーがコーティングヘッドに目詰りし、塗布面にスジ
やカスレを引き起し、またフィルムの貼り合わせ時に気
泡が残存し、相分離が著しく不均一になる難点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、大きい面積
の調光シートを作るに際しても、塗液中に微小球スペー
サーを用いずに、液晶滴が分散する均一な厚みのポリマ
ーマトリックス層が形成し得、しかも気泡が残存しない
高品質の調光シートの製造法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、電極層を有す
る透明フイルムの電極層上に、活性エネルギー線硬化性
樹脂と液晶物質を主成分とする塗液を塗布し、次いで活
性エネルギー線を照射して樹脂を硬化させると共に液晶
を相分離させ、この硬化・相分離させた樹脂層上に、更
に同じ組成の樹脂塗液を塗布し、この塗布面に、電極層
を有する別の透明フイルムの電極層面を貼り合わせて密
着させ、しかる後活性エネルギー線を照射することを特
徴とする調光シートの製造方法である。
【0010】本発明の他の発明は、電極層を有する透明
フイルムの電極層上に、活性エネルギー線硬化性樹脂と
液晶物質を主成分とする塗液を塗布し、次いで活性エネ
ルギー線を照射して樹脂を硬化させると共に液晶を相分
離させ、同じ組成の樹脂塗液を電極層を有する別の透明
フイルムの電極層上に塗布し、この塗布面を、既に硬化
・相分離させた樹脂層面と貼り合わせて密着させ、しか
る後活性エネルギー線を照射することを特徴とする調光
シートの製造方法である。
【0011】
【作用】本発明を構成する電極層を有する透明フイルム
としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリエーテルサルホン、ポリメチルメタアクリレー
ト等の表面に、In2 3 :SnO2 等の金属酸化物を
蒸着法やスパッタリング法等により固着せしめて導電性
を付与したものを対象とする。
【0012】該透明フィルムの厚みは、20〜150μ
mの厚みのものが好ましい。因みにフィルムの厚みが2
0μm以下では、貼り合わせ後のシートの厚みの均一性
がとれず、150μm以上になると、活性エネルギー線
の透過率が低下し貼り合わせ後の密着性が良くないから
である。
【0013】活性エネルギー線硬化性樹脂としては、以
下に掲げるプレポリマーやモノマーが例示される。 (a)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族2〜6価の多価アル
コール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)ア
クリレート (b)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香族2〜6価の
多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させた形
の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート (c)ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸
エステル (d)ポリエステルポリ(メタ)アクリレート (e)エポキシポリ(メタ)アクリレート (f)ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート (g)ポリアミドポリ(メタ)アクリレート (h)ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート (i)側鎖及び/または末端に(メタ)アクリロイルオ
キシ基を有するビニル系またはジエン系低重合体 (j)前記(a)〜(i)記載のオリゴエステル(メ
タ)アクリレート変性物等のプレポリマー (k)ポリブタジエン(ウレタン)ポリ(メタ)アクリ
レート (l)ホスファ−ゼン環含有ポリ(メタ)アクリレート
【0014】またモノマーとしては、 (a)エチレン性不飽和モノ又はポリカルボン酸等で代
表されるカルボキシル基含有単量体及び又はそれらのア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等のカルボン
酸塩基含有単量体 (b)エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミド又はア
ルキル置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリ
ドンの様なビニルラクタム類で代表されるアミド基含有
単量体 (c)脂肪族又は芳香族ビニルスルホン酸類で代表され
るスルホン酸基含有単量体及びそれらのアルカリ金属
塩、アンモニウム塩、アミン塩等のスルホン酸基含有単
量体 (d)エチレン性不飽和エーテル等で代表される水酸基
含有単量体 (e)ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート−2
−ビニルピリジン等のアミノ基含有単量体 (f)4級アンモニウム塩基含有単量体 (g)エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル (h)(メタ)アクリルニトリル等のニトリル基含有単
量体 (i)スチレン (j)酢酸ビニル、酢酸(メタ)アリル等のエチレン性
不飽和アルコールのエステル (k)活性水素を含有する化合物のアルキレンオキサイ
ド付加重合体野モノ(メタ)アクリレート類 (l)多塩基酸と不飽和アルコールとのジエステルで代
表されるエステル基含有2官能単量体 (m)活性水素を含有する化合物のアルキレンオキサイ
ド付加重合体と(メタ)アクリル酸とのジエステルより
なる2官能単量体 (n)N,N−メチレンビスアクリルアミド等のビスア
クリルアミド (o)ジビニルベンゼン、ジビニルエチレングリコー
ル、ジビニルスルホン、ジビニルエーテル、ジビニルケ
トン等の2官能単量体 (p)ポリカルボン酸と不飽和アルコールとのポリエス
テルで代表されるエステル基含有多官能単量体 (q)活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド
付加重合体と(メタ)アクリル酸とのポリエステルより
なる多官能単量体 (r)トリビニルベンゼンよりなる多官能不飽和単量体 等が挙げられ、これらの内1種もしくは2種以上が適宜
用いられる。
【0015】液晶物質としては、シッフ塩素系、アゾ
系、アゾオキシ系、安息香酸エステル系、シアノビェニ
ル系、シアノタビェニル系、シクロヘキシルカルボン酸
エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ビフェニルシ
クロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロ
ヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエ
タン系、シクロヘキサン系、トラン系、アルケニル系、
2,3−ジフロロフェニレン系のネマチック系またはス
メクチック系液晶が、一種又は二種以上混合して用いら
れる。
【0016】なお、上記の活性エネルギー線硬化性樹脂
および液晶物質からなる塗液には、本発明の効果を損な
わない範囲で、必要に応じて、濡れ剤、消泡剤、界面活
性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを添加して、発明
の効果を一層高めることも可能である。
【0017】活性エネルギー線硬化樹脂と液晶物質との
混合割合は、重量比で1.8 :1.0 〜1.0 :4.0 好ましく
は1.5 :1.0 〜1.0 :3.0 の間で配合される。因みに、
活性エネギー線硬化樹脂に対する液晶物質の配合割合
が、35%以下になると、液晶物質の相分離が不充分とな
る。また80%以上になると樹脂への溶解性が悪くなって
高品質の調光シートを得ることが出来ない。
【0018】而して、高品質の調光シートを得るには、
活性エネルギー線硬化樹脂と液晶物質を混合して塗液に
調整する場合には、塗液中に気泡が発生又は混入しない
ように注意する必要がある。そのためには塗液を調整す
る場合に於ける混合手段としてロールミルを用いるのが
好ましい。
【0019】而して、本発明は、2枚の透明導電性高分
子フィルムの間に設ける前記の樹脂塗液によるポリマー
マトリックス層の形成につけ、上記の塗液を電極層を有
する透明フイルムの電極層上に塗布し、該塗布面に活性
エネルギー線を照射して該塗液樹脂を硬化・相分離させ
ることによって、所定の均一な厚みのポリマーマトリッ
クス層を確保するための樹脂層(下地層)が形成される
のである。
【0020】本発明は、上記の樹脂層(下地層)上に、
更に同じ組成の樹脂塗液を塗布し、この塗布面に電極層
を有する別の透明フィルムの電極層面を貼り合わせ密着
させるか、或いは上記の下地層と同じ組成の樹脂塗液
を、電極層を有する別の透明フィルムの電極層上に塗布
し、この塗布面を、既に硬化・相分離させた下地層と貼
り合わせて密着させ、しかる後に、活性エネルギー線を
照射することにより、所定の均一な厚みのポリマーマト
リックス層が形成されるのである。
【0021】なお、前記の両フィルムを密着させるに際
しては、後から塗布する塗液を加熱して塗液の粘度を下
げるか、又はこの塗液の塗布面を加熱して粘度を低下さ
せた状態で貼り合わせ、これを直ちにロールニップ間に
通引することにより、気泡のない、密着性が良好で均一
な厚みの調光シートを得ることができる。
【0022】上記した塗液を電極層を有する透明フイル
ム上に塗布する手段としては、気泡を発生又は混入させ
ないで塗布するのに適しているロールコーター、カーテ
ンコーター、ダイコーター、オフセットグラビアコータ
ー等が好ましく用いられる。因みに、バーコーターやエ
アーナイフコーターは、塗布層中に気泡が発生又は混入
し易いために塗布手段としては好ましくない。
【0023】塗布量は、硬化後の塗布層の厚みで5〜5
0μm、好ましくは5〜30μmである。因みに、5μ
m以下では調光シートとしての機能を発揮させることが
できない。そして50μmを越えると、著しく不経済で
あるうえに、均一な塗布及び硬化が困難になり、これが
ため液晶の相分離が不均一となり高品質の調光シートを
得ることができない。
【0024】貼り合わせて密着された状態のシートに
は、次いでフィルム上から活性エネルギー線を照射す
る。
【0025】活性エネルギー線としては、例えば電子
線、紫外線、α線、β線、γ線、X線等が挙げられる。
α線、β線、γ線及びX線は人体への危険性といった問
題が付随するため、取扱が容易で、工業的にもその利用
が普及している電子線や紫外線が好ましく用いられる。
【0026】なお、電子線照射は、紫外線照射に比べて
生産性が高く、光反応開始剤が不要であるため臭気、着
色の問題がなく、更に均一な架橋構造をとりやすいとい
った利点がある。
【0027】活性エネルギー線として電子線を使用する
場合、照射する電子線のトータル量は、5〜500 kG
y、好ましくは10〜300 kGy程度の範囲が望ましい。
因みに、5kGy未満では、樹脂成分を充分に硬化させ
ることができず、500 kGyを越えると液晶が損傷を受
けるため好ましくない。
【0028】電子線の照射方式としてはスキャンニング
方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式等が可
能であり、照射時の加速電圧は100〜300kVが適
している。
【0029】電子線を照射すると、効率よく樹脂の硬化
は進むが、反応が急激であるため相分離が不十分とな
り、更に電子線エネルギーによる液晶の分解反応によ
り、不要な不純物が生じ、却って調光シートとしての品
質が低下するという問題がある。そこで、電子線を照射
する場合は、回数を分け経時的に照射し、該樹脂の硬化
と液晶の相分離を段階的に促進させるのが望ましい。
【0030】電子線を回数を分けて照射する場合は、最
初の照射は、照射後の塗布層面に若干の粘着性が残存す
る程度に照射して巻き取られる。次いで、巻き取られた
シートを巻き戻しながら再度電子線を照射することによ
り、液晶の相分離と樹脂の硬化を完全なものとする。
【0031】電子線の照射回数は、2回に限らず、それ
以上の回数を経時的(例えば、1時間経過後)に繰り返
して少量ずつエネルギーを与え、不要な分解生成物の発
生を極力抑えながら、相分離と樹脂の硬化を行うと、高
品質の調光シートを得ることができる。
【0032】活性エネルギー線に紫外線を使用する場合
は、紫外線硬化性樹脂に光反応開始剤を配合する必要が
あり、例えば、チオキサントン、ベンゾイン、ベンゾイ
ンアルキルエーテルキサントン、ジメチルキサントン、
ベンゾフェノン、アントラセン、2,2 −ジエトキシアセ
トフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジフ
ェニルジスルフィド、アントラキノン、1−クロロアン
トラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ter −ブ
チルアントラキノン、N,N , −テトラエチル−4,4 ,
ジアミノベンゾフェノン、1,1 −ジクロロアセトフェノ
ン等の一種以上が適宜配合される。
【0033】なお、光反応開始剤の使用量は、塗液組成
中の紫外線硬化性樹脂としてのモノマー及び/又はオリ
ゴマー(プレポリマー)に対して0.2 〜10重量%好まし
くは0.5 〜5重量%程度の範囲で調節するのが望まし
い。
【0034】更にこのような光反応開始剤を加えて硬化
を促進するためには、例えばトリエタノールアミン、2
−ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノ安息香酸
イソアミル、ジオクチルアミノ安息香酸、ジメチルアミ
ノ安息香酸ラウリル等の第三級アミン類を塗液組成中の
紫外線硬化性樹脂としてのモノマー及び/又はオリゴマ
ー(プレポリマー)に対して0.05〜3重量%程度配合す
ることもできる。
【0035】
【実施例】以下に本発明の実施例を記載するが、本発明
はこれらの実施例だけに限定されるものではない。 実施例1 厚さ75μmの透明ポリエステルフィルムの表面に、スパ
ッタリング法により、In2 3 :SnO2 からなる透
明導電膜を有する透明導電性フィルム(帝人製:商品名
「T−COAT A−75」)の巻取りをカーテンコー
ターを設置した電子線硬化装置(エナージーサイエンス
社製)にセットし、導電膜面に下記の組成の塗液を15μ
mになるよう塗布した。
【0036】 (塗液の構成) イソボルニルアクリレート 10重量% (ダイセル ユーシービー製) 4官能芳香族ウレタンアクリレート 30重量% (ダイセル ユーシービー製:商品名「エベクリル EB 220」) ネマチック液晶 60重量% (チッソ化学社製 GR−63)
【0037】上記塗液の塗布層に、エレクトロカーテン
タイプ電子線照射設備(エナージーサイエンス社製)を
用いて190kV−30kGyの電子線を照射して、樹
脂を硬化させると共に液晶を相分離させ樹脂層(下地
層)を作成した。この硬化・相分離させた樹脂層(下地
層)上に、更に同じ組成の樹脂塗液を15μmになるよう
塗布し、この塗布面に、前記した透明導電性フィルムの
導電膜面を貼り合わせ、2本のロールニップ間に通引し
て密着させた。次いで、後から貼り合わせたフィルム側
から190KV−30kGyの電子線を照射して調光シ
ートを得た。
【0038】得られた調光シートは、2枚の透明導電性
フィルム間に形成したポリマーマトリックス層の厚みは
20μmで均一であり、スジ、カスレ、気泡も無く、電
圧を印加していない状態では良好な散乱状態の乳白色を
呈し、この場合の600nm の光透過率は3%であった。続
いて電気光学特性(電圧−透過率特性)を測定したとこ
ろ20V(交流電圧)での光透過率は80%であり、良
好な品質の調光シートであった。
【0039】比較例1 実施例1に記載の樹脂塗液と透明導電性フィルムを使用
し、本比較例では電子線照射による硬化・相分離させた
樹脂層(下地層)は作成せずに、樹脂塗液を一度塗布し
た後に直ちに透明導電性フィルムを貼り合わせた以外は
実施例1と同様にして調光シートを得た。
【0040】この調光シートは、塗液の塗布時に発生し
易いスジ、カスレの発生もなく、また気泡の残存も見ら
れないが、2枚の透明導電性フィルム間に形成したポリ
マーマトリックス層の厚みが5μm程度のものしか作成
することができないため、所定の厚みを確保することが
出来ず、電圧を印加していない状態における600nm の光
透過率は20%となり、光散乱状態としては不十分であ
った。
【0041】比較例2 実施例1に記載の樹脂塗液に、微小球スペーサーとして
平均粒子径が20μmのポリスチレンマイクロビーズを
塗液の固形分に対して6重量%添加した塗液を用いた以
外は実施例1と同様にして調光シートを得た。
【0042】この調光シートは、2枚の透明導電性フィ
ルム間に形成したポリマーマトリックス層の厚みが22
μmを確保し得、しかも電圧を印加していない状態にお
ける600nm の光透過率は7%で良好な散乱状態の乳白色
を呈しているが、塗液の塗布時にスジ、カスレが発生す
るため品質面で欠陥のあるものとなった。
【0043】実施例2 実施例1と同じ、透明導電膜面を有する透明導電性フィ
ルムと樹脂塗液を使用し、実施例1と同じ方法を経て樹
脂を硬化させると共に液晶を相分離させ樹脂層(下地
層)を作成した。そして同じ組成の樹脂塗液を透明導電
膜面を有する別の透明導電性フィルムの導電膜面に15μ
mになるよう塗布し、この塗布面を既に硬化・相分離さ
せた前記の樹脂層(下地層)面と貼り合わせ、2本のロ
ールニップ間に通引して密着させた。次いで、後から貼
り合わせたフィルム側から190kV−30kGyの電
子線を照射して調光シートを得た。
【0044】得られた調光シートは、2枚の透明導電性
フィルム間に形成したポリマーマトリックス層は均一で
あり、スジやカスレも無く、電圧を印加していない状態
では良好な散乱状態の乳白色を呈し、この場合の600nm
の光透過率は3%であった。続いて電気光学特性(電圧
−透過率特性)を測定したところ20V(交流電圧)で
の光透過率は80%であり、良好な品質の調光シートで
あった。 比較例3 実施例1に記載の樹脂塗液に、微小球スペーサーとして
平均粒子径が20μmのポリスチレンマイクロビーズを
塗液の固形分に対して6重量%添加した塗液を用いた以
外は実施例2と同様にして調光シートを得た。
【0045】この調光シートは、2枚の透明導電性フィ
ルム間に形成したポリマーマトリックス層の厚みは27
μmであった。電圧を印加していない状態における600n
m の光透過率は7%で良好な散乱状態の乳白色を呈して
いるが、塗液の塗布時にスジ、カスレが発生するため品
質面で欠陥のあるものとなった。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、大きい面積の調光シー
トを作成する場合にも、2枚の透明導電性フィルム間に
形成したポリマーマトリックス層は、該フィルム間にス
ペーサーを挟み込んだり、或いは塗液中に微小球のスペ
ーサーを混合したのと同様の厚みを確保し得、塗液中に
微小球のスペーサーを混合した場合には到底得られない
均一な層が形成し得、更に塗液の塗布時に生じ易いス
ジ、カスレの発生もなく、更に気泡の残存もないため高
品質の調光シートを得ることが出来る効果がある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極層を有する透明フィルムの電極層上
    に、活性エネルギー線硬化性樹脂と液晶物質を主成分と
    する塗液を塗布し、次いで活性エネルギー線を照射して
    樹脂を硬化させると共に液晶を相分離させ、この硬化・
    相分離させた樹脂層上に、更に同じ組成の樹脂塗液を塗
    布し、この塗布面に、電極層を有する別の透明フィルム
    の電極層面を貼り合わせて密着させ、しかる後活性エネ
    ルギー線を照射することを特徴とする調光シートの製造
    方法。
  2. 【請求項2】電極層を有する透明フィルムの電極層上
    に、活性エネルギー線硬化性樹脂と液晶物質を主成分と
    する塗液を塗布し、次いで活性エネルギー線を照射して
    樹脂を硬化させると共に液晶を相分離させ、同じ組成の
    樹脂塗液を、電極層を有する別の透明フィルムの電極層
    上に塗布し、この塗布面を、既に硬化・相分離させた樹
    脂層面と貼り合わせて密着させ、しかる後活性エネルギ
    ー線を照射することを特徴とする調光シートの製造方
    法。
JP5004801A 1992-11-30 1993-01-14 調光シートの製造方法 Pending JPH06230346A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2023130568A (ja) * 2022-03-08 2023-09-21 凸版印刷株式会社 調光シート、感光性組成物、及び調光シートの製造方法

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