JPH08313910A - 液晶分子配向法 - Google Patents

液晶分子配向法

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JPH08313910A
JPH08313910A JP23906795A JP23906795A JPH08313910A JP H08313910 A JPH08313910 A JP H08313910A JP 23906795 A JP23906795 A JP 23906795A JP 23906795 A JP23906795 A JP 23906795A JP H08313910 A JPH08313910 A JP H08313910A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal molecule
acrylate
meth
substrate
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JP23906795A
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English (en)
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Susumu Sato
佐藤  進
Rumiko Yamaguchi
山口  留美子
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板に直接ラビング処理を行うことなく液晶分
子配列を行うようにした、新規な液晶分子配向法の開発 【解決手段】基板に直接ラビング処理を行うことなく液
晶分子配列を行うようにした液晶分子配向法において、
(a)基板と液晶分子配向性を有する部材を、(メタ)
アクリレート系エネルギー線硬化性樹脂組成物が該部材
の液晶分子配向性を有する面と接して挟み込まれるよう
に、積層する工程と、(b)液晶分子配向性を有する部
材の上面及び/又は下面からエネルギー線を照射する工
程と、(c)液晶分子配向性を有する部材を剥離し、液
晶分子を配向する工程とを施すことを特徴とする液晶分
子配向法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶ディスプレイ等
の液晶素子を構成する基板上で液晶分子を一方向に配向
させる方法に係わり、基板に直接ラビング処理を行うこ
となく液晶分子配列を行うことを目的とした液晶分子配
向法及び積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、広く実用されている液晶ディスプ
レイ素子(カラーTFTLCDや小型LCDで使われて
いるTN方式や、パソコンやワープロ等で使われている
STN方式等の主にネマチック液晶によるディスプレ
イ)においては、液晶セルの電極基板上で液晶分子を一
方向に配向させることが不可欠である。この液晶分子配
向法として、布等を巻き付けたドラムを回転して液晶セ
ル基板表面を摩擦するという、いわゆるラビング処理が
現在行われている。しかし、このラビング処理では摩擦
帯電による静電気が発生すること、また布等から塵埃が
発生すること、ラビング処理等の圧力によりTFT等の
アクティブ素子の破壊が生じることがある等の難点が本
質的に避けられないため、液晶パネル製造において大き
な問題となっており、ラビング処理を行わない液晶分子
配向法の開発が必要とされ、種々の方法が提案されてい
る。
【0003】例えば、ラビング処理によらない液晶分子
配向法としては、金や一酸化シリコン等を真空中で基板
に対して斜め方向から蒸着を行う真空斜方蒸着法や、磁
界中または電界中で液晶を封入する方法等がある。又、
液晶セル基板に樹脂材料を塗布してラビング以外の加工
を行い、液晶分子配向機能を持たせるものとしては、
(1)液晶セル基板界面に密着した樹脂フィルムを一方
向に剥離することで剥離方向に液晶分子配向機能を持た
せる方法(第20回液晶討論会予稿集2G616(199
4))、(2)液晶セル基板に塗布した樹脂材料に一軸性
を有する部材を密着させ、加熱処理した後一軸性部材取
り除いて液晶分子配向機能を持たせる方法(特開平6−
43458)、(3)液晶セル基板に感光性ポリイミド
を塗布し、一軸性部材を密着させて光照射し更に加熱処
理した後一軸性部材を取り除いて液晶分子配向機能を持
たせる方法(特開平6−43458)、(4)液晶セル
基板に感光性ポリイミドを塗布し、フォトリソグラフィ
ーによりマイクログルーブを形成し液晶分子配向機能を
持たせる方法(Liquid Crystals 16,1027)、(5)液晶
セル基板に塗布した樹脂材料に、直線偏光を照射して樹
脂材料に異方性を持たせて重合させる光重合法(Jpn.J.
Appl.Phys.31,2155 )、(6)回折鋳型における微小な
溝構造を樹脂部材に熱転写した後液晶セル基板に塗布し
た樹脂材料に再度熱転写する方法(Jpn.J.Appl.Phys.3
2,1436 )等が報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の液晶分子配向法では、いずれも実用化するため
には配向処理の方法が煩雑である。磁界や電界を利用し
た液晶分子配向法では基板の面積が制約されることや量
産に適さないこと、上記(2)の液晶セル基板に樹脂材
料を塗布し一軸性部材を密着させて熱処理した後一軸性
部材を取り除く方法或いは上記(3)の感光性ポリイミ
ドを塗布し一軸性部材を密着させて光照射し更に熱処理
した後一軸性部材を取り除く方法では十分な熱処理がさ
れないと(例えば220〜230℃で1時間程度)良好
な配向が得られず生産性が良くないこと、上記(4)の
フォトリソグラフィーによりマイクログローブを形成す
る方法や上記(5)の直線偏光照射による異方性光重合
法或いは上記(6)の微小な溝構造の熱転写法は操作が
複雑で経済的でないこと等、種々の障害や問題点が多い
という難点があった。
【0005】本発明は、上記問題点を無くししかも基板
の直接ラビング処理を必要とせず、塵埃や静電気の発生
による素子の破壊が生じることがなく、簡単な手法によ
る液晶分子配向法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1)基板に直接ラビング処理を行うことなく液晶分子
配列を行うようにした液晶分子配向法において、(a)
基板と液晶分子配向性を有する部材を、(メタ)アクリ
レート系エネルギー線硬化性樹脂組成物が該部材の液晶
分子配向性を有する面と接して挟み込まれるように、積
層する工程と、(b)液晶分子配向性を有する部材の上
面及び/又は下面からエネルギー線を照射する工程と、
(c)液晶分子配向性を有する部材を剥離し、液晶分子
を配向する工程とを施すことを特徴とする液晶分子配向
法、 (2)液晶分子配向性を有する部材が延伸樹脂フィル
ム、ラビング樹脂フィルム、または直線偏光を照射して
表面に異方性を持たせた樹脂フィルムである(1)の液
晶分子配向法、 (3)(メタ)アクリレート系エネルギー線硬化性樹脂
組成物の分子中に水酸基が結合している(1)の液晶分
子配向法、 (4)水酸基の組成物分子中に占める割合が2〜40重
量%である(3)の液晶分子配向法、 (5)(メタ)アクリレート系エネルギー線硬化性樹脂
組成物の粘度が100cps.以下である(1)ないし
(4)の液晶分子配向法、
【0007】(6)基板上に(メタ)アクリレート系エ
ネルギー線硬化樹脂製の液晶分子配向性転写層、および
転写層に接する面に液晶分子配向性を有する平面体から
なる鋳型層を有する積層体、 (7)液晶分子配向性を有する平面体からなる鋳型層が
延伸樹脂フィルム、ラビング樹脂フィルム、直線偏光を
照射して樹脂材料に異方性を持たせた樹脂フィルムであ
る(6)の積層体、 (8)基板上に(メタ)アクリレート系エネルギー線硬
化樹脂製の液晶分子配向性転写層を有する積層体、 (9)基板がガラス製、ポリエステル製又はポリアリレ
ート製の基板である(6)ないし(8)の積層体、 (10)基板に透明電極が付けられている(6)ないし
(9)の積層体、 (11)(メタ)アクリレート系エネルギー線硬化樹脂
分子中に水酸基が結合している(6)ないし(10)の
積層体、 (12)水酸基の組成物分子中に占める割合が2〜40
重量%である(11)の積層体、に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の液晶分子配向法を実施す
るには、例えば次のようにすればよい。即ち、先ず基板
上に(メタ)アクリレート系エネルギー線硬化性樹脂組
成物を0.01〜1μm、好ましくは0.05〜0.1
μm程度の厚さで塗布し、次いで液晶分子配向性を有す
る部材を、(メタ)アクリレート系エネルギー線硬化性
樹脂組成物と該部材の液晶分子配向性を有する面が接す
るように、積層する。得られた積層体に紫外線等のエネ
ルギー線を基板面及び/又は部材面より照射して(メ
タ)アクリレート系エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬
化させて、基板上に(メタ)アクリレート系紫外線硬化
樹脂((メタ)アクリレート系エネルギー線硬化性樹脂
組成物の硬化物)製の液晶分子配向性転写層、および転
写層に接する面に液晶分子配向性を有する部材からなる
鋳型層を有する積層体を得る。エネルギー線の照射だけ
では硬化が不十分な場合は、100℃前後の低温で加熱
処理をしてもよい。次いで該積層体から液晶分子配向性
を有する部材を剥離し、基板上に(メタ)アクリレート
系エネルギー線硬化樹脂製の液晶分子配向性転写層を有
する積層体を得る。この積層体の剥離面に液晶分子を静
置することにより、液晶分子が該剥離面の配向方向に配
向する。
【0009】基板上に(メタ)アクリレート系エネルギ
ー線硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば
スピンコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法等
があげられる。エネルギー線照射は、例えば紫外線照射
の場合10mj〜10j程度のエネルギー量で行えばよ
い。紫外線源としては、例えば高圧水銀灯、メタルハラ
イドランプ等があげられる。剥離後に液晶分子を静置す
るには、例えば空の液晶セルを形成し、その中に液晶を
真空注入すればよい。
【0010】本発明に使用される基板としては、基板自
体が(メタ)アクリレート系エネルギー線硬化性樹脂組
成物の硬化物と良好に接着するものであれば特に制限は
なく、例えばガラス製、ポリエステル製又はポリアリレ
ート製の基板等の液晶素子を構成する基板があげられ
る。これらの基板には透明電極が着いていてもよい。透
明電極は、例えば酸化インジゥム・酸化錫複合物を高周
波スパッタリング法により基板上に設置される。尚、
(メタ)アクリレート系エネルギー線硬化性樹脂組成物
の硬化物との接着性が良好でない基板、例えばガラス製
基板の場合はその表面をシランカップリング剤処理、ポ
リエステル製又はポリアリレート製の基板の場合はその
表面をコロナ処理、紫外線処理、フルーム処理等をして
接着能を高めてから使用してもよい。
【0011】本発明に使用される液晶分子配向機能を有
する部材としては、例えば延伸樹脂フィルム、ラビング
樹脂フィルム、または直線偏光を照射して表面に異方性
を持たせた樹脂フィルム等があげられる。樹脂フィルム
の材質としては、例えばポリエチレンテレフタレート等
のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポ
リアリレート等(メタ)アクリレート系エネルギー線硬
化樹脂との接着性の不良なものが好ましい。又ポリカー
ボネート、硬質ポリ塩化ビニル等のその接着性の良好な
ものではその表面をシリコーン処理等の処理をしてその
接着性を低下させたものが使用される。延伸樹脂フィル
ムは一軸延伸したフィルムが通常使用されるが、二軸延
伸したフィルムであっても液晶分子配向機能を有するも
のであれば使用しうる。この部材は、基板の形状にあわ
せて使用され、平面状のものでも、曲面状のものでもよ
い。
【0012】本発明に使用される(メタ)アクリレート
系エネルギー線硬化性樹脂組成物は、例えば紫外線の照
射により硬化する(メタ)アクリレート系紫外線硬化性
樹脂組成物が好ましく、少なくとも、水酸基の結合した
(メタ)アクリレート系モノマー(A)と光重合開始剤
とからなる。その粘度は、基板上への塗布厚が0.05
〜0.1μm程度であることから高粘度のものは好まし
くなく、例えば100cps.以下、好ましくは20c
ps.(コーンプレート型回転粘度計による、温度25
℃)以下がよい。また、該樹脂組成物中に占める水酸基
の割合は2〜40%(重量%。以下同様)、好ましくは
5〜20%程度がよい。
【0013】水酸基の結合した(メタ)アクリレート系
モノマー(A)は(1)水酸基を一つ持つ(メタ)アク
リレート化合物、(2)水酸基を一つ持つエポキシ(メ
タ)アクリレート化合物、(3)一級或いは二級水酸基
を二つ以上持つ(メタ)アクリレート化合物に大別され
る。(1)の化合物としては、例えば2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ
(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールーポリプロピレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレンーポリ
ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロ
ラクトン変成2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。(2)の化合物としては、例えば2
ーヒドロキシー3ーフェノキシプロピル(メタ)アクリ
レート、2ーヒドロキシー3ーアルキルフェノキシプロ
ピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。(3)の化
合物としては、例えばトリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールA(F)型エポキシ(メタ)アクリ
レート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アク
リレート等が挙げられる。
【0014】(1)は樹脂組成物中好ましくは10〜1
00%であり、より好ましくは40〜100%である。
60%を越えると、硬化速度が遅くなる傾向にある。
(1)のなかでも、特に2ーヒドロキシエチルメタアク
リレートが望ましい。(2)は樹脂組成物中好ましくは
5〜70%であり、より好ましくは10〜50%であ
る。(1)、(2)は各々単独に使用しても良いが、併
用することが望ましい。樹脂組成物中、(1)と(2)
の合計は、好ましくは10〜100%であり、より好ま
しくは20〜80%である。(3)は樹脂組成物中、好
ましくは1〜70%であり、より好ましくは10〜70
%である。
【0015】本発明に使用されうる光重合開始剤として
は、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン(イルガキュア184 )、ベンジルジメチルケタール
(イルガキュア651 )、2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア1173)
等があげられる。その使用量は樹脂組成物に対し、0.01
〜5 %、好ましくは0.05〜3.0 %程度である。
【0016】本発明に使用される(メタ)アクリレート
系紫外線硬化性樹脂組成物には、(A)以外に、(A)
を溶解し且つ耐湿性があり電気特性が良好でTg点の高
いモノマー(B)を併用してもよい。そのような例とし
ては例えば、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレ
ート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリ
レート等の脂環モノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)
アクリレートが挙げられる。又、粘度が高い場合には希
釈性の良好なモノマー(C)も使ってよい。そのような
例としては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アク
リレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。更に、架橋用モノマ
ー(D)を使って、高分子の三次元網目構造の平均空隙
間隔、硬化物性、硬化速度をコントロールすることもで
きる。そのような例としては例えば、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート等が挙げられる。更に、ウレタン(メタ)ア
クリレート(E)を使用して高分子のフレキシビリティ
ーをコントロールしても良い。そのような例としてはU
Xー4101、6101、7101、2301、330
1、3204(いずれも日本化薬株式会社製)等が挙げ
られる。又、デッドポリマー(F)を使って、高分子の
三次元微細網目構造をコントロールすることもできる。
そのような例としては例えば、顔料分散性の良い分散塗
料用アクリル樹脂でグリシジル基を持ったものファイン
デックスAー223ーS(大日本インキ化学製)等が挙
げられる。
【0017】本発明に使用する樹脂組成物は、(A)成
分、光重合開始剤の他に必要に応じて上記の(B)成
分、(C)成分、(D)成分、(E)成分および(F)
成分から選ばれる化合物を混合することにより得られ
る。樹脂組成物中の各成分の使用割合は、(A)成分が
好ましくは30〜100%、より好ましくは50〜10
0%、(B)成分が好ましくは0〜50%、より好まし
くは0〜30%、(C)成分が好ましくは0〜50%、
より好ましくは0〜30%、(D)成分が好ましくは0
〜50%、より好ましくは0〜20%、(E)成分が好
ましくは0〜50%、より好ましくは0〜20%、
(F)成分が好ましくは0〜20%、より好ましくは0
〜10程度がよい。なお、エネルギー線の照射だけでは
硬化が不十分な場合は、100℃前後の低温で加熱処理
をしたほうがよいが、この場合は、更に有機過酸化物を
0.01〜1.0 %、好ましくは0.05〜0.5 %程度添加するこ
とが好ましい。有機過酸化物としては、例えばキュメン
ハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、過2−エ
チルヘプタン酸−t−ブチルエステル等があげられる。
【0018】
【作用】本発明によれば、液晶分子を基板に一方向に配
向させる方法として、塵埃や静電気の発生並びに素子の
破壊等の難点がある液晶素子基板の直接ラビング処理を
必要としない液晶分子配向法として、液晶分子配向機能
を持っている媒質からその機能を基板に塗布した樹脂表
面に工業的に容易に転写することが出来る。即ち、通常
の液晶ディスプレイ素子において用いられるポリイミド
樹脂配向膜は、ラビング処理による樹脂高分子鎖の配列
に基づいて液晶分子配向機能を得ているが、一軸性延伸
フィルムはそれ自身で或いはその表面をラビングするこ
とでこれらの機能を持つことを利用し、それらの機能を
基板上に塗布した(メタ)アクリレート系紫外線硬化性
樹脂組成物の重合過程で転写することで基板表面を直接
ラビングすることなく、液晶分子配向機能を作り出すよ
うにしている。その方法の代表例の概略は次のとおりで
ある。
【0019】(1)ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム等の延伸フィルムは通常屈折率異方性を持
ち、またこのフィルム上で液晶分子はフィルムのスロー
軸(屈折率の大きい軸)方向に一様に配向するという性
質を示す。この液晶分子配向機能を紫外線硬化樹脂膜上
に転写する。 (2)PET等の延伸フィルム表面を布等で一方向にラ
ビングすると、フィルム上で液晶分子はラビング方向に
一様に配向する。この液晶分子配向機能を紫外線硬化樹
脂膜上に転写する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を参照しな
がら具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0021】実施例1 図1は本発明の実施例1を示す液晶分子配向工程図であ
る。本実施例では、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム等の一軸延伸樹脂フィルムは通常屈折率異
方性を持ち、またこのフィルム上で液晶分子はフィルム
のスロー軸(屈折率の大きい軸)方向に一様に配向する
という性質を示す。この液晶分子配向機能を紫外線硬化
樹脂膜基板上に転写するようにしている。 (1)まず、(a) に示すようにガラス基板1( 厚さ1.1m
m)上に(メタ)アクリレート系紫外線硬化性樹脂組成物
(HEMA(Hydroxyethylmethacrylate)97%、イルガ
キュア184 3%)2を厚さ0.1-0.2 μm に延伸樹脂
フィルム3で挟み込む。 (2)次に、(b) に示すように紫外線4を上方から5mW/
cm2 の強度で5分間照射し、該紫外線硬化性樹脂組成物
を硬化(重合)させる。猶、紫外線は上方からだけでな
く、上方からの紫外線4及び叉は下方からの紫外線4a
を照射するようにしてもよい。 (3)次に、(c) に示すように該紫外線硬化性樹脂組成
物を硬化(重合)後、延伸樹脂フィルム3を剥離する。 (4)すると、(d) に示すように液晶分子5が延伸樹脂
フィルム3のスロー軸と同じ方向に平行配向する液晶セ
ル基板が得られる。
【0022】実施例2 図2は本発明の実施例2を示す液晶分子配向工程図であ
る。本実施例では、PET等の樹脂フィルム表面を布等
で一方向にラビングすると、フィルム上で液晶分子はラ
ビング方向に一様に配向する。この液晶分子配向機能を
紫外線硬化樹脂膜基板上に転写するようにしている。 (1)まず、(a) に示すように樹脂フィルム13の表面
をラビングし、ラビング面13aを形成する。 (2)次に、(b) に示すようにラビング面13aをガラ
ス基板11側に向けて、ガラス基板11面上に(メタ)
アクリレート系紫外線硬化性樹脂組成物(HEMA97
%、イルガキュア184 3%)12を薄膜状に挟み込
む。 (3)次に、(C) に示すように紫外線14を上方から5m
W/cm2 の強度で5分間照射し、該紫外線硬化性樹脂組成
物を硬化(重合)させる。猶、紫外線は上方からだけで
なく、上方からの紫外線14及び叉は下方からの紫外線
14aを照射するようにしてもよい。 (4)次に、(d) に示すように該紫外線硬化性樹脂組成
物を硬化(重合)後、樹脂フィルム13を剥離する。 (5)すると、(e) に示すように液晶分子15がラビン
グ処理を行った樹脂フィルム13のラビング方向と同じ
方向に平行配向する液晶セル基板が得られる。
【0023】実施例3 実施例1において、(メタ)アクリレート系紫外線硬化
性樹脂組成物としてHEMA97%、イルガキュア18
4 3%の混合物の代わりに、R−128(日本化薬
(株)製:2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルア
クリレート)97%、イルガキュア184 3%の混合
物を用いて、同様に液晶分子配向機能の転写処理を行
い、液晶分子の良好な配向性を有する液晶セル基板が得
られる。
【0024】実施例4 実施例1において、(メタ)アクリレート系紫外線硬化
性樹脂組成物としてHEMA97%、イルガキュア18
4 3%の混合物の代わりに、R−167(日本化薬
(株)製:1,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−ア
クリロイルオキシプロピルオキシ)ヘキサン)97%、
イルガキュア184 3%の混合物を用いて、同様に液
晶分子配向機能の転写処理を行い、液晶分子の良好な配
向性を有する液晶セル基板が得られる。
【0025】実施例5 実施例1において、(メタ)アクリレート系紫外線硬化
性樹脂組成物としてHEMA97%、イルガキュア18
4 3%の混合物の代わりに、トリメチロールプロパン
トリアクリレート50%、トリメチロールプロパンジア
クリレート47%、イルガキュア184 3%の混合物
を用いて、同様に液晶分子配向機能の転写処理を行い、
液晶分子の良好な配向性を有する液晶セル基板が得られ
る。
【0026】実施例6 液晶セルを構成させる上下一対の透明電極付ガラス基板
上に、実施例1と同様にして液晶を平行配向させる機能
を付与した(メタ)アクリレート系紫外線硬化性樹脂組
成物の硬化膜を形成する。次いでこの上下一対の液晶セ
ル基板を5μmのスペーサーをはさんで接着し、空セル
を組み立てる。このものに液晶を注入し、注入口を接着
剤で封止して液晶セルができる。この液晶セルに偏光板
を貼付し、電圧印加すると、従来法のポリイミドラビン
グ配向膜で構成された液晶セルと同等の高いコントラス
トが得られる。
【0027】上記の実施例において説明したように本発
明方法による配向膜の特徴としては、従来技術(1) に比
べて、液晶の配向方向はフィルムの剥離方向に依存しな
い。又、前記の従来技術(2),(3) に比べて、過酷な加熱
処理してアニーリングする必要がない。これはTFTー
LCDのように過酷な熱処理が素子の機能を破壊してし
まう場合には、特に重要である。従来技術(4) に比べ
て、露光装置のような高価な装置を必要としない。従来
技術(5) に比べて、紫外線を直線偏光にする必要がな
い。更に、従来技術(6) にように、レプリカ形状の転写
ではなく、樹脂フィルムの分子配列状態を転写する点で
顕著な相違点がある。
【0028】上記実施例は2例を示したに過ぎないが、
これら実施例の他に種々の工程の変更や変形を行うこと
ができる。例えば、基板状に紫外線硬化型でかつ100
℃前後の低温での熱重合もする樹脂材料を用いることが
できる。又、液晶分子を配向させる機能を有する媒質と
しては、延伸樹脂フィルムや一方向にラビング処理を行
った樹脂フィルム以外に、直線偏光を照射して樹脂材料
に異方性を持たせて重合硬化させた樹脂フィルムを用い
ることができる。更に、液晶分子を配向させる機能を転
写させる紫外線硬化性樹脂材料の重合は、紫外線のみで
はなく可視光線による重合或いは100℃前後の低温で
の熱重合を併用しても良い。電子線による重合も使用で
きる。
【0029】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
液晶分子配向法によれば、液晶セル基板をラビングする
必要がなくなるため、ラビング時に問題となっていた塵
埃の発生や、静電気による塵埃の吸着、さらには静電気
やラビングの圧力等によるTFT等のデバイスの破壊等
の難点を解消することができる。又、液晶分子配向機能
の転写法としては、主に光重合を利用することができ、
この配向機能の転写操作は繰り返し行うことができるの
で、液晶分子配向機能を持った媒質は繰り返し使用する
ことができる。更に、基板の面積が制約されるという難
点もなく、経済的であること等従来の液晶分子配向法に
おける種々の障害や問題点を解消することができるとい
う、卓越した効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す液晶分子配向工程図で
ある。
【図2】本発明の実施例2を示す液晶分子配向工程図で
ある。
【符号の説明】
1,11 ガラス基板 2,12 (メタ)アクリレート系紫外線硬化性樹脂
組成物又はその硬化物 3 延伸樹脂フィルム 4,4a,14,14a 紫外線 5,15 液晶分子 13 樹脂フィルム 13a ラビング面

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板に直接ラビング処理を行うことなく液
    晶分子配列を行うようにした液晶分子配向法において、
    (a)基板と液晶分子配向性を有する部材を、(メタ)
    アクリレート系エネルギー線硬化性樹脂組成物が該部材
    の液晶分子配向性を有する面と接して挟み込まれるよう
    に、積層する工程と、(b)液晶分子配向性を有する部
    材の上面及び/又は下面からエネルギー線を照射する工
    程と、(c)液晶分子配向性を有する部材を剥離し、液
    晶分子を配向する工程とを施すことを特徴とする液晶分
    子配向法。
  2. 【請求項2】液晶分子配向性を有する部材が延伸樹脂フ
    ィルム、ラビング樹脂フィルム、または直線偏光を照射
    して表面に異方性を持たせた樹脂フィルムである請求項
    1の液晶分子配向法。
  3. 【請求項3】(メタ)アクリレート系エネルギー線硬化
    性樹脂組成物の分子中に水酸基が結合している請求項1
    の液晶分子配向法。
  4. 【請求項4】水酸基の組成物分子中に占める割合が2〜
    40重量%である請求項3の液晶分子配向法。
  5. 【請求項5】(メタ)アクリレート系エネルギー線硬化
    性樹脂組成物の粘度が100cps.以下である請求項
    1ないし4のいずれか一項の液晶分子配向法。
  6. 【請求項6】基板上に(メタ)アクリレート系エネルギ
    ー線硬化樹脂製の液晶分子配向性転写層、および転写層
    に接する面に液晶分子配向性を有する平面体からなる鋳
    型層を有する積層体。
  7. 【請求項7】液晶分子配向性を有する平面体からなる鋳
    型層が延伸樹脂フィルム、ラビング樹脂フィルム、直線
    偏光を照射して樹脂材料に異方性を持たせた樹脂フィル
    ムである請求項6の積層体。
  8. 【請求項8】基板上に(メタ)アクリレート系エネルギ
    ー線硬化樹脂製の液晶分子配向性転写層を有する積層
    体。
  9. 【請求項9】基板がガラス製、ポリエステル製又はポリ
    アリレート製の基板である請求項6ないし8のいずれか
    一項の積層体。
  10. 【請求項10】基板に透明電極が付けられている請求項
    6ないし9のいずれか一項の積層体。
  11. 【請求項11】(メタ)アクリレート系エネルギー線硬
    化樹脂分子中に水酸基が結合している請求項6ないし1
    0のいずれか一項の積層体。
  12. 【請求項12】水酸基の組成物分子中に占める割合が2
    〜40重量%である請求項11の積層体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004054093A (ja) * 2002-07-23 2004-02-19 Dainippon Ink & Chem Inc 光学異方性を有する基板及びその製造方法
JP2008241756A (ja) * 2007-03-23 2008-10-09 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 液晶表示素子およびその製造方法
WO2011007784A1 (ja) 2009-07-15 2011-01-20 旭硝子株式会社 積層体の製造方法及び積層体
JP2013076958A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Dainippon Printing Co Ltd 電磁波反射フィルムの製造方法

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