JP7327078B2 - 意匠材及び意匠材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、意匠材、該意匠材の製造方法に関する。
高分子分散型液晶素子は、電界を印加することにより、液晶分子が散乱した不透明な状態と、液晶分子が配列した透明状態とを切り替えることができる表示素子であり、従来様々な用途の意匠材に用いられている。
これら高分子分散型液晶素子を用いた意匠材としては、例えば、建築物の窓や壁材、自動車、電車、飛行機等の乗り物の窓や、オフィスや展示会場等のパーテーション等に用いられている。
例えば、特許文献1には、高分子分散型液晶調光構成を、ビルのフランス窓や、車両の天窓及び一般の窓に取り付けることが開示されている。
また、特許文献2には、車両のフロントガラス上にPDLCフィルムを被着して、遮光装置として用いることが開示されている。
高分子分散型液晶素子は、特に建築物の窓や、乗り物の窓等に用いられる場合、紫外線に曝されることになる。
ところが、高分子分散型液晶素子は、波長450nm以下の光が照射されることにより、高分子分散型液晶素子を構成する配向膜、樹脂、及び、駆動液晶が変質して、黄変が生じたり、透明状態としたときのヘイズが上昇したり、駆動不良(駆動しなくなる、又は、駆動速度が遅くなる)を起こしたりすることがあり、耐光性に課題があった。
特開2017-37115号公報 特表2016-505867号公報
本発明は、上述したような従来の問題点に鑑みて提案されたものであり、耐光性に優れた意匠材、及び、該意匠材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも、第1の基材、第1の透明導電層、高分子/液晶複合層、第2の透明導電層、及び、第2の基材がこの順で積層され、上記高分子/液晶複合層の少なくとも一方の面側に紫外線遮蔽層を有することを特徴とする意匠材である。
また、上記第1の基材の上記高分子/液晶複合層を有する面と反対の面側に上記紫外線遮蔽層を有することが好ましい。
また、上記第1の基材と上記高分子/液晶複合層との間に、紫外線遮蔽層を有することが好ましい。
また、上記高分子/液晶複合層は、上記第1の基材を有する側、及び、上記第2の基材を有する側にそれぞれ配向膜を有し、上記配向膜の少なくとも一方が紫外線遮蔽層であることが好ましい。
また、上記第2の基材の上記高分子/液晶複合層を有する面と反対の面側に上記紫外線遮蔽層を有することが好ましい。
また、上記高分子/液晶複合層と上記第2の基材との間に、上記紫外線遮蔽層を有することが好ましい。
また、本発明の意匠材は、高分子/液晶複合層に対して、紫外線遮蔽層を有する面側を、紫外線照射が強い方向に配置して用いられることが好ましい。
また、本発明は、少なくとも、第1の基材、第1の透明導電層、高分子/液晶複合層、第2の透明導電層、及び、第2の基材がこの順で積層され、上記第1の基材、又は、上記第2の基材の少なくとも一方の面側に紫外線遮蔽層を設ける工程、上記第1の基材と上記第2の基材との間に、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を設ける工程、及び、上記紫外線遮蔽層を有さない面側から露光して、上記高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を硬化させる工程を有することを特徴とする意匠材の製造方法でもある。
また、本発明は、少なくとも、第1の基材、第1の透明導電層、高分子/液晶複合層、第2の透明導電層、及び、第2の基材がこの順で積層され、上記第1の基材、及び、上記第2の基材の少なくとも一方の面側に紫外線遮蔽層を設ける工程、上記第1の基材と上記第2の基材との間に、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を設ける工程、及び、上記紫外線遮蔽層が遮蔽する波長の光とは異なる波長の光を用いて露光して、上記高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を硬化させる工程を有することを特徴とする意匠材の製造方法でもある。
本発明の意匠材は、高分子/液晶複合層と紫外線遮蔽層とを備えた所定の構成を有するため耐光性に優れ、建築物の窓や壁材、自動車、電車、飛行機等の乗り物の窓や、オフィスや展示会場等のパーテーション等に好適に用いることができる。
(a)~(f)は、本発明の意匠材の好ましい一例を示す断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の意匠材の好ましい別の一例を示す断面図である。
<意匠材の構成>
本発明の意匠材は、少なくとも、第1の基材、第1の透明導電層、高分子/液晶複合層、第2の透明導電層、及び、第2の基材がこの順で積層された構成を有する。
本発明の意匠材は、上記高分子/液晶複合層の少なくとも一方の面側に紫外線遮蔽層を有する。上記紫外線遮蔽層を有するため、本発明の意匠材は紫外線に曝されたとしても該紫外線を紫外線遮蔽層が遮蔽することで高分子液晶素子を紫外線から保護でき、耐光性に優れたものとなる。
以下、本発明の意匠材について図1及び2を用いて説明する。
図1は、本発明の意匠材の好ましい一例を示す断面図である。
図1(a)~(c)は、高分子/液晶複合層40の一方の面側に紫外線遮蔽層10を有する構成を示す。
本発明の意匠材100は、図1(a)に示すように、第1の基材20の高分子/液晶複合層40を有する面と反対の面側に紫外線遮蔽層10を有していても良く、図1(b)及び(c)に示すように、第1の基材20と高分子/液晶複合層40との間に、紫外線遮蔽層10を有していても良い。
なお、図1(b)は、第1の基材20と第1の透明導電層30との間に紫外線遮蔽層10を有する構成であり、図1(c)は、第1の透明導電層20と高分子/液晶複合層40との間に、紫外線遮蔽層10を有する構成である。
図1(a)~(c)に示す構成とすることにより、意匠材100にハードコート性を好適に付与することができる。
なお、紫外線遮蔽層10は、第1の基材20と高分子/液晶複合層40との間、及び、第1の基材20の高分子/液晶複合層40を有する面と反対の面側の双方に有していても良い。
図1(d)~(f)は、高分子/液晶複合層40の双方の面側に紫外線遮蔽層10を有する構成を示す。
本発明の意匠材100は、図1(d)に示すように、第2の基材60の高分子/液晶複合層40を有する面と反対の面側に紫外線遮蔽層10を有していても良く、図1(e)及び(f)に示すように、高分子/液晶複合層40と第2の基材60との間に、紫外線遮蔽層10を有していても良い。
なお、図1(e)は、第2の基材60と第2の透明導電層50との間に紫外線遮蔽層10を有する構成であり、図1(f)は、第2の透明導電層50と高分子/液晶複合層40との間に、紫外線遮蔽層10を有する構成である。
図1(e)~(f)に示す構成とすることにより、意匠材100にハードコート性をより好適に付与することができる。
なお、紫外線遮蔽層10は、第2の基材60と高分子/液晶複合層40との間、及び、第2の基材70の高分子/液晶複合層40を有する面と反対の面側の双方に有していても良い。
図2は、本発明の意匠材の好ましい別の一例を示す断面図である。
本発明の意匠材100をリバースタイプとして用いる場合、高分子/液晶複合層40は、第1の基材20を有する側、及び、第2の基材60を有する側のそれぞれに配向膜70を有することが好ましい。
ここで、本発明の意匠材100をノーマルタイプとして用いる場合、本発明の意匠材100は、透明導電層(30及び50)により電界を印加されていない状態において、液晶材料の向きが不規則な不透明状態となっており、透明導電層(30及び50)により電界を印加された状態において、液晶材料が配列された透明な状態となる。
一方、本発明の意匠材100をリバースタイプとして用いる場合、本発明の意匠材100は、透明導電層(30及び50)により電界を印加されていない状態において、液晶材料(液晶分子)が配列した透明状態となっており、透明導電層(30及び50)により電界を印加された状態において、液晶材料の向きが不規則な不透明な状態となる。
図2は、高分子/液晶複合層40は、第1の基材20を有する側、及び、第2の基材60を有する側に配向膜70を有し、配向膜70の少なくとも一方が紫外線遮蔽層10である構成を示す。
本発明の意匠材100は、図2(a)に示すように、配向膜70の一方が紫外線遮蔽層10であっても良く、図2(b)に示すように、配向膜70の双方が紫外線遮蔽層10であっても良い。
図2(a)及び(b)に示す構成とすることにより、意匠材100の工程数を削減することができる。
本発明の意匠材100は、黄変、透明状態としたときのヘイズが上昇、及び、液晶材料の駆動不良を防止する観点から、紫外線遮蔽層10を有する面側を、紫外線照射が強い方向(例えば、建物等の外側)に配置して用いられることが好ましい。
以下、本発明の意匠材100を構成する層等について詳しく説明する。
<紫外線遮蔽層10>
本発明における紫外線遮蔽層10は、耐光性を付与する機能を有する層である。
上記紫外線遮蔽層10は、耐光剤、硬化性樹脂、及び、溶剤等を含む紫外線遮蔽層用組成物を、本発明の意匠材100を構成する紫外線遮蔽層10を形成する任意の面側に塗布し、加熱処理、或いは、電離放射線等を照射することにより硬化させて形成する層である。
なお、配向膜70が紫外線遮蔽層10である場合については後述する。
上記耐光剤としては、紫外線吸収剤及び光安定剤等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤は、有害な紫外線を吸収し、長期にわたって耐光性を向上させることができる。
また、上記光安定剤は、該光安定剤自体は紫外線をほとんど吸収しないが、紫外線により生じる有害なフリーラジカルを効率良く捕捉することにより耐光性を向上させることができる。
上記紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾオキサジン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、及びこれらの重合体等が挙げられる。
なかでも、紫外線吸収性の観点から、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物及びこれらの重合体から選ばれる1種以上が好ましく、紫外線吸収性、電離放射線硬化性樹脂組成物への溶解性の観点から、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物及びこれらの重合体から選ばれる1種以上がより好ましい。
これらは1種を単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記トリアジン系化合物としては、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物がより好ましい。上記ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル]-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-(2’-エチル)ヘキシル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等が好ましく挙げられる。これらは単独で、又は、複数種を組み合わせて用いることができる。
上記紫外線吸収剤の含有量は、後述する硬化性樹脂100質量部に対して、0.1~15質量部が好ましく、0.5~10質量部がより好ましく、1~8質量部がさらに好ましい。
上記紫外線吸収剤の含有量が上述した範囲内であれば、該吸収剤がブリードアウトすることなく、また充分な紫外線吸収能が得られるので、優れた耐光性を得ることができる。
上記光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤(HALS)等が挙げられる。
上記ヒンダードアミン系の光安定剤としては、反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤であることが好ましい。
上記反応性官能基としては、電離放射線硬化性樹脂等と反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する官能基等が好ましく挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。なかでも(メタ)アクリロイル基が好ましい。
このような反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤としては、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニルメタクリレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、2,4-ビス[N-ブチル-N-(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミン)-1,3,5-トリアジン)等が好ましく挙げられる。
上記光安定剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、1~10質量部が好ましく、2~8質量部がより好ましく、3~6質量部がさらに好ましい。
上記光安定剤の含有量が上記範囲内であれば、該光安定剤がブリードアウトすることなく、また充分な光安定性が得られるので、優れた耐光性が得られる。
紫外線遮蔽層10は、硬化性樹脂を含有することが好ましい。
上記硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂が好ましく挙げられる。なかでも、ハードコート性を付与する観点から、電離放射線硬化性樹脂が好ましい。
なお、本明細書において、「樹脂」は、モノマー、オリゴマー等の樹脂成分も包含する概念である。
上記電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線を照射することにより硬化する樹脂組成物である。上記電離放射線としては、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するもの、例えば、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるほか、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も用いられる。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができ、硬化性及び紫外線遮蔽層10の硬度を向上させる観点から、重合性モノマーであることが好ましい。
重合性モノマーとしては、分子内にラジカル重合性官能基を有する(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、なかでも多官能(メタ)アクリレート系モノマーが好ましい。
上記多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート;ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールルジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、p-メンタン-1,8-ジオールジ(メタ)アクリレート、p-メンタン-2,8-ジオールジ(メタ)アクリレート、p-メンタン-3,8-ジオールジ(メタ)アクリレート、ビシクロ[2.2.2]-オクタン-1-メチル-4-イソプロピル-5,6-ジメチロールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、硬化収縮が過度に発生し、また硬化物の柔軟性が低下してシクロオレフィンポリマーフィルムへの密着性が低下するのを防止する観点から、単官能又は2官能(メタ)アクリレートが好ましく、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、及びジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。
上記多官能(メタ)アクリレート系モノマーの分子量は、紫外線遮蔽層10の硬度を向上させる観点から、1,000未満が好ましく、200~800がより好ましい。
上記多官能(メタ)アクリレート系モノマーは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記多官能(メタ)アクリレート系モノマーの官能基数は2以上であれば特に制限はないが、紫外線遮蔽層用組成物の硬化性及び紫外線遮蔽層10の硬度を向上させる観点から、2~8が好ましく、より好ましくは2~6、更に好ましくは3~6である。
紫外線遮蔽層用組成物の硬化性、及び紫外線遮蔽層10の硬度を向上させる観点から、電離放射線硬化性樹脂中の多官能(メタ)アクリレート系モノマーの含有量は40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60~100質量%以下がさらに好ましい。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、例えば、スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ビニルエーテル樹脂、ハロゲン含有樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱可塑性樹脂の単体及び共重合体、あるいは、これらの混合樹脂を好ましく挙げられる。これらの樹脂は、非結晶性であり、かつ溶剤に可溶であることが好ましい。特に、製膜性、透明性や耐光性等の観点から、スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂などが好ましく、(メタ)アクリル樹脂がより好ましく、ポリメチルメタクリレートがさらに好ましい。
これらの熱可塑性樹脂は、分子中に反応性官能基を有さないことが好ましい。分子中に反応性官能基を有すると、硬化収縮量が大きくなり、他層への接着性が低下するおそれがあるが、これを回避できるためである。
なお、反応性基としては、アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を有する官能基、エポキシ環、オキセタン環等の環状エーテル基、ラクトン環等の開環重合基、ウレタンを形成するイソシアネート基等が挙げられる。なお、これらの反応性官能基は、他層への接着性等に影響しない程度であれば含まれていても良い。
紫外線遮蔽層用組成物が熱可塑性樹脂を含む場合には、その含有量は、紫外線遮蔽層用組成物中の樹脂成分中、好ましくは10質量%以上である。また、得られる紫外線遮蔽層10の耐擦傷性の観点から、好ましくは80質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下である。なお、ここでいう「紫外線遮蔽層用組成物中の樹脂成分」には、電離放射線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、及びその他の樹脂を含むものである。
上記電離放射線硬化性樹脂を用いる場合、光重合用開始剤を電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、0.1~5質量部程度添加することが好ましい。
上記光重合用開始剤としては、慣用されている光重合開始剤の中から適宜選択して用いることができる。
上記硬化性樹脂の粘度を調整する等の目的で、メチル(メタ)アクリレート等の単官能性(メタ)アクリレートのような希釈剤を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜混合することができる。
上記単官能性(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いても良いし、複数種を組み合わせて用いてもよく、また低分子量の多官能性(メタ)アクリレートを混合しても良い。
上記希釈剤としては、上記の単官能性(メタ)アクリレートの他、通常の溶剤を用いて、上記硬化性樹脂の塗工性を確保することもできる。
上記溶剤としては、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、s-ブタノール、t-ブタノール、ベンジルアルコール、PGME、エチレングリコール、ジアセトンアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ヘプタノン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジアセトンアルコール)、エステル(0酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、蟻酸メチル、PGMEA)脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n-メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン)、エーテルアルコール(例、1-メトキシ-2-プロパノール)、カーボネート(炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル)、等が挙げられる。
これらの溶剤、単独で用いられてもよく、2種類以上を混合しても良い。
紫外線遮蔽層10は、その性能を阻害しない範囲で各種添加剤を含有することができる。
上記各種添加剤としては、例えば、重合禁止剤、架橋剤、耐傷フィラー、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、防汚剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤等が挙げられる。
紫外線遮蔽層10の厚みとしては、優れた耐光性、透明性の付与、硬度及び薄型化の観点から、硬化後の厚みが1~30μmであることが好ましく、2~20μmであることがより好ましく、2~10μmであることがさらに好ましい。
なお、後述する配向膜70が、紫外線遮蔽層10である場合には、0.1~10μmであることが好ましく、0.5~5μmであることがより好ましい。
<第1の基材20、及び、第2の基材60>
本発明における第1の基材20及び第2の基材60は、透明フィルム材を好適に用いることができる。
上記透明フィルム材としては、特に限定されず、例えば可撓性を有する各種の透明なフィルム材を用いることができる。
上記透明フィルム材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース(三酢酸セルロース:TAC)等のセルロース系樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、及び、ポリアラミド樹脂等の透明フィルム材を好適に用いることができる。
なかでも、貼り合わせし易さや、コスト等の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることが好ましい。
第1の基材20及び第2の基材60の厚みとしては、特に限定されないが、基材として好適に機能する強度を有する観点から、20μm以上300μm以下の範囲とすることが好ましく、50μm以上200μm以下の範囲とすることがより好ましい。
なお、上記第1の基材20と第2の基材60の厚みは異なっていても良いし、同じ厚みであっても良い。
<高分子/液晶複合層40>
高分子/液晶複合層40は、後述する透明導電層(30及び50)による電界の印加状態に応じて、透視性を変化させる機能を有する層である。
高分子/液晶複合層40は、高分子分散型液晶により形成されている。
上記高分子分散型液晶としては、特に限定されないが、例えば、透明な高分子材料の中に液晶の液滴を分散させたもの(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、液晶の連続層の中に高分子樹脂のネットワークが形成されたポリマーネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)、コレステリック液晶を用いた高分子安定型コレステリック液晶(PSCT:Polymer Stabilized Cholesteric Texture)等を挙げることができる。
上記高分子/液晶複合層40が、上記PDLCにより形成された例について説明する。
高分子/液晶複合層40としては、例えば、液晶材料、重合性モノマー及び光重合開始剤を混合した高分子/液晶複合層用組成物を作製し、上記重合性モノマーが重合する際に、上記液晶材料を相分離することにより形成することができる。上記重合性モノマーが重合することにより、高分子/液晶複合層40中に高分子マトリックスが形成され、該高分子マトリックス中に上記液晶材料が分散された状態となる。
また、高分子/液晶複合層40としては、例えば、上記液晶材料の外縁部を封止材等で封止することにより、形成することもできる。
まずは、上述した高分子/液晶複合層用組成物を作製し、上記重合性モノマーが重合する際に、上記液晶材料を相分離することにより高分子/液晶複合層40を形成する方法について説明する。
上記液晶材料としては、例えば、重合性基を有さない、長手方向を有する液晶分子を含んだ液状の材料であることが好ましい。
上記長手方向を有する液晶分子は、その形状に対応した屈折率異方性を有している。すなわち、上記長手方向を有する液晶分子の長手方向に直交する方向での屈折率と、該液晶分子の長手方向に平行な方向での屈折率とは異なっている。
上記重合基を有しない液晶材料としては、例えば、ネマティック材料等を好適に用いることができる。
上記液晶材料の市販品としては、例えば、メルク社製のE7等のネマティック材料等を用いることができる。
上記液晶材料としては、例えば、特開2003-121853号公報、特開2002-174725号公報、及び特開2005-70098号公報等に開示されているような種々のものを用いることができる。
本発明の意匠材100をノーマルタイプとして用いる場合、上記液晶材料としては、ポジ型の液晶分子を含む液晶材料を用いることが好ましい。
また、本発明の意匠材100をリバースタイプとして用いる場合、上記液晶材料としては、ネガ型の液晶分子を含む液晶材料を用いることが好ましい。
上記重合性モノマーとしては、上記重合基を有しない液晶材料を相分離させることが可能であり、かつ、光透過性の高い材料であればよく、単官能、多官能いずれの重合性モノマー(重合性基)を有する樹脂をも使用することができる。
上記重合性モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
また、上記アクリレート類以外にも、カチオン重合性モノマーとして、3,4-エポキシシクロヘキセニルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキセンカルボキシレート等の脂環式エポキシド類、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類等を用いることもできる。
上記重合性モノマーは、要求される性能、塗布適性等に応じて、1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
また、高分子/液晶複合層40としては、重合性液晶化合物を用いても良い。
重合性液晶化合物としては、例えば、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、米国特許5622648号、米国特許5770107号、国際公開第95/22586号、国際公開第95/24455号、国際公開第97/00600号、国際公開第98/23580号、同98/52905号、特開平1-272551号、特開平6-16616号、特開平7-110469号、特開平11-80081号、特表平11-513019号公報、特開2001-328973号公報、特開2007-279688号公報特開2007-108732号公報、特開2010-244038号公報等に開示されているような種々の公知のものを用いることができる。
上記光重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、ベンゾイン及びそのアルキルエーテル化物、ベンジルケタール類、アセトフェノン類を用いることができる。
上記アセトフェノン類としては、例えば、ヒドロキシアセトフェノン、アミノアセトフェノン、ジアルコキシアセトフェノン、ハロゲン化アセトフェノン等を用いることができる。
これらの光重合開始剤の市販品としては、例えば、BASF社製のイルガキュア(登録商標)907、イルガキュア651、イルガキュア184等を挙げることができる。
上記光重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
高分子/液晶複合層40は、第1の基材20と第2の基材60との間隔を所定の間隔に保つためのスペーサが含まれていることが好ましい。
上記スペーサは、第1の基材20と第2の基材60との間隔を所定の間隔に保ち、これにより高分子/液晶複合層40の厚さを所定の厚さに保持する機能を有する。
上記スペーサとしては、例えば、プラスチックビーズ等の光透過性の高い樹脂製のものを用いることができる。また、上記スペーサの形状は特に限定されず、球状であっても不定形であっても良い。
高分子/液晶複合層40は、二色性色素を含んでも良い。
上記二色性色素は、長手方向を有し、上記液晶材料を電界によって配向法を変化させた際に、上記液晶材料の向きの変化に従って向きを変化させ、それに応じて意匠材に色味を生じさせることができる材料である。
このため意匠材は、上記液晶材料が配列された状態の時には、無色透明又は無色透明に近い状態が維持され、上記液晶材料が分散した状態の時には、所定の色味を有しながら不可視化された状態となる(このような機能を調光機能ともいう)。
ここで所定の色味を、本発明の意匠材の周囲の部分と同様の色にすると、本発明の意匠材の部分だけ周囲の部分と外観が異なることを防ぐことができる。
また、上記液晶材料が配列された状態にある意匠材の色味が、周囲の部分の色味と異なるようにして、意匠性を積極的に付与しても良い。
このような二色性色素としては、例えば、特開2007-009120号公報、特開2011-246411号公報に開示されているような種々の公知のものを用いることができる。
高分子/液晶複合層40は、上述した材料のほかに、必要に応じてレベリング剤、重合禁止剤等を含んでも良い。
次いで、上記液晶材料の外縁部を封止材等で封止することにより、高分子/液晶複合層40を形成する方法について説明する。
液晶材料としては、上述した液晶材料を適宜選択して用いることができる。
上記液晶材料の外縁部を封止材等で封止することにより、高分子/液晶複合層40を形成する方法では、上記液晶材料の駆動を補助する補助剤を含有することが好ましい。
上記補助剤としては、例えば、公知のカイラル剤や重合開始剤等を適宜選択して用いることができる。
上記添加剤の含有量としては特に限定されず、上記液晶材料の駆動に悪影響を及ぼさない範囲で含有されていれば良い。
上記封止材としては、特に限定されず、例えば、上記重合性モノマーを重合して得られる樹脂や、アクリル樹脂、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂等を用いることができる。
上記封止材の具体例としては、積水化学社製のフォトレックシリーズ等が挙げられる。
高分子/液晶複合層40の厚みとしては、調光機能を好適に発現させる観点から、3~30μmであることが好ましく、5~18μmであることがより好ましく、6~15μmであることがさらに好ましい。
<第1の透明導電層30及び第2の透明導電層50>
本発明の意匠材100は、第1の透明導電層30及び第2の透明導電層50を有する。
透明導電層(30及び50)は、通電されることにより高分子/液晶複合層40に電界を印加し、これにより高分子/液晶複合層40に含まれる液晶材料を駆動する電極として機能する層である。ここで、液晶材料を「駆動」するとは、液晶材料に含まれる液晶分子の向きを変化させることを意味する。したがって、透明導電層(30及び50)を用いて高分子/液晶複合層40に対して電界を印加することにより、高分子液晶層40の液晶材料に含まれる液晶分子の配向方向を変化させることができる。
透明導電層(30及び50)としては、高分子/液晶複合層40に電界を印加することが可能であって、透明と知覚される種々の構成のものを適用することができる。
例えば、透明導電材であるITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Aluminum-doped Zinc Oxide)、GZO(Gallium-doped Zinc Oxide)、ATO(Antimony Tin Oxide)、ZNO(Zinc Oxide)等の金属酸化物のほか、導電性高分子膜、銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等を含有する材料を用いることができる。
また、透明導電層(30及び50)としては、第1の基材20、第2の基材60上に金属細線が網目状等にパターン形成された金属メッシュであっても良い。上記金属メッシュとしては、例えば、特開2014-113705号公報、特開2014-219667号公報に開示されているような種々の公知のものを用いることができる。
透明導電層(30及び50)におけるシート抵抗及び透過率は特に限定されないが、例えば、シート抵抗が0.1Ω/□以上300Ω/□以下の範囲であることが好ましく、1Ω/□以上200Ω/□以下の範囲であることがより好ましく、100Ω/□以下の範囲であることがさらに好ましい。また、全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
なお、全光線透過率は、紫外可視分光光度計を用いて測定することができる。
<配向膜70>
本発明の意匠材100をリバースモードとして用いる場合、高分子/液晶複合層40は、第1の基材20を有する側、及び、第2の基材60を有する側に配向膜70を有することが好ましい。
配向膜70は、上述した高分子/液晶複合層40上に配向膜用組成物からなる塗工液を塗工して硬化させることによって得られ、配向規制力を発現する。ここで、配向規制力とは、配向膜上に重合性液晶化合物を含む位相差層を形成したとき、その液晶化合物を所定の方向に配列(配向)させる機能をいう。
配向膜70は、特に限定されないが、例えばVA液晶表示装置等に適用される各種の垂直配向膜を適用することができ、例えば、ポリイミド配向膜、LB膜による配向膜等を適用することができる。
より具体的に、垂直配向膜としては、例えば、レシチン、シラン系界面活性剤、チタネート系界面活性剤、ピリジニウム塩系高分子界面活性剤、n-オクタデシルトリエトキシシラン等のシランカップリング系垂直配向膜用組成物、長鎖アルキル基や脂環式構造を側鎖に有する可溶性ポリイミドや長鎖アルキル基や脂環式構造を側鎖に有するポリアミック酸等のポリイミド系垂直配向膜用組成物等の材料を用いて形成することができる。なお、垂直配向膜用組成物として、ジェイエスアール(株)製のポリイミド系垂直配向膜用組成物「JALS-2021」や「JALS-204」、日産化学工業(株)製の「RN-1517」、「SE-1211」、「EXPOA-018」等の市販品を適用することができる。
配向膜組成物中に用いる溶剤としては、上記紫外線遮蔽層用組成物で用いることができる溶剤を適宜選択して用いることができる。
配向膜組成物が耐光剤を含有することにより、得られた配向膜70を紫外線遮蔽層10とすることができる。
上記耐光剤としては、上述した紫外線遮蔽用組成物で用いることができる耐光剤を適宜選択して用いることができる。
上記耐光剤は、配向膜用組成物100質量部に対して、0.1~3質量部が好ましく、0.1~2質量部がより好ましく、0.3~1.5質量部がさらに好ましい。
配向膜70の厚みとしては、特に限定されないが、例えば、0.05μm以上3μm以下の範囲とすることが好ましく、0.1μm以上0.5μm以下の範囲とすることがより好ましい。
<意匠材100の製造方法>
本発明の意匠材100は、例えば、下記の製造方法により製造することができる。
まずは、図1(a)の構成である場合の製造方法の一例について説明する。
まず、第1の基材の一方の面側に、紫外線遮蔽用組成物を塗工し、熱風乾燥機等により予め加熱乾燥してから、さらに加熱処理、あるいは、電離放射線を照射して紫外線遮蔽層10を形成する。
その後、第1の基材20の紫外線遮蔽層10を有する面と反対の面側にITO等の金属酸化物膜からなる第1の透明導電層30を形成する。
その一方で、第2の基材60上にITO等の金属酸化物膜からなる第2の透明導電層50を形成する。
次いで、液晶材料、重合性モノマー、光重合開始剤及び溶剤を混合した高分子/液晶複合層用組成物を、第1の透明導電層30上に塗工し、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を設ける。
その後、上記高分子/液晶複合層用組成物の塗布層と、第2の透明導電層50とが接するようにして、第2の透明導電層50と第2の基材60とを重ねる。
最後に、紫外線遮蔽層10を有さない面側(すなわち、第2の基材60を有する面側)から露光して、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を硬化させて高分子/液晶複合層40を形成する。
なお、本発明の意匠材100が図1(b)の構成である場合には、第1の基材20の紫外線遮蔽層10を有する面側に第1の透明導電層30を形成する。その後、図1(a)の製造方法と同様にして、本発明の意匠材100を構成する他の材料と重ね合わせた後、紫外線遮蔽層10を有さない面側から露光して、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を硬化させて高分子/液晶複合層40を形成すれば良い。
また、本発明の意匠材100が図1(c)の構成である場合には、第1の基材20上に、第1の透明導電層30を形成した後、第1の透明導電層30の第1の基材20を有する面と反対の面側に、紫外線遮蔽層10を形成する。その後、図1(a)の製造方法と同様にして、本発明の意匠材100を構成する他の材料と重ね合わせた後、紫外線遮蔽層10を有さない面側から露光して、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を硬化させて高分子/液晶複合層40を形成すれば良い。
このような、少なくとも第1の基材、第1の透明導電層、高分子/液晶複合層、第2の透明導電層、及び、第2の基材がこの順で積層され、上記第1の基材、又は、上記第2の基材の少なくとも一方の面側に紫外線遮蔽層を設ける工程、上記第1の基材と上記第2の基材との間に、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を設ける工程、及び、上記紫外線遮蔽層を有さない面側から露光して、上記高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を硬化させる工程を有することを特徴とする意匠材の製造方法もまた、本発明の一態様である。
本発明の意匠材100が図1(d)の構成である場合には、あらかじめ第2の基材60の一方の面側に紫外線遮蔽層10を形成する。
その後、上述した図1(a)の構成である場合と同様にして、本発明の意匠材100を構成する他の材料と重ね合わせた後、紫外線遮蔽層10が遮蔽する波長の光とは異なる波長の光を用いて露光して、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を硬化させて高分子/液晶複合層40を形成する。
本発明の意匠材100が図1(d)の構成である場合には、以下の方法で製造することもできる。
上記図1(a)の構成の意匠材100を得た後、第2の基材60上に、紫外線遮蔽層10を形成する。
紫外線遮蔽層10を形成する方法としては、紫外線遮蔽用組成物を塗工した後、熱風乾燥機等により予め加熱乾燥してから、さらに加熱処理、あるいは、電離放射線を照射して紫外線遮蔽層10を形成する。
第2の基材60上の紫外線遮蔽層10を転写により形成しても良い。
上記転写の方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、剥離フィルム上に紫外線遮蔽層10を形成し、紫外線遮蔽層10の剥離フィルムと反対側面に接着層を形成する。その後、第2の基材60の面上に接着層を介して紫外線遮蔽層10を転写した後、剥離フィルムを剥離する方法が挙げられる。
剥離フィルムとしては、特に限定されず、ポリエステル樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルム等の樹脂フィルムを用いることができる。
また、上記接着層としては、特に限定されず、例えばアクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
なお、上記接着層の厚みとしては、0.1~100μmであることが好ましく、25μm~50μmであることがより好ましい。
上記接着剤層は、転写する面の全面に形成しても良いし、部分的に形成しても良い。
後述する本発明の意匠材100をリバースタイプとして用いる場合には、電界を印加されていない状態(液晶材料が配列した状態)における透明性を保つ観点から、高分子/液晶複合層40と、配向膜70との間に形成する上記接着剤層は、部分的に形成するのが好ましい。
また、本発明の意匠材100が図1(d)の構成である場合には、以下の方法で製造することもできる。
第1の基材20及び第2の基材60の一方の面側に紫外線遮蔽層10を形成し、第1の基材20及び第2の基材60の紫外線遮蔽層10を有する面と反対の面側に透明導電層(30及び50)を形成する。
次いで、高分子/液晶複合層用組成物を、第1の透明導電層30上に塗工し、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を設けた後、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を露光して硬化させて高分子/液晶複合層40を形成する。
その後、第2の透明導電層50の紫外線遮蔽層10と反対側の面に上述した接着層を設け、上述した接着層を介して、第2の透明導電層50と高分子/液晶複合層40とを重ねる。
本発明の意匠材100が図1(e)の構成である場合には、第1の基材20及び第2の基材60の一方の面側に紫外線遮蔽層10を形成し、形成された紫外線遮蔽層10を有する面上にそれぞれ透明導電層(30及び50)を形成する。その後、上述した図1(a)の構成である場合と同様にして、本発明の意匠材100を構成する他の材料と重ね合わせた後、紫外線遮蔽層10が遮蔽する波長の光とは異なる波長の光を用いて露光して、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を硬化させて高分子/液晶複合層40を形成する。
本発明の意匠材100が図1(e)の構成である場合には、以下の方法で製造することもできる。
第1の基材20及び第2の基材60の一方の面側に紫外線遮蔽層10を形成し、形成された紫外線遮蔽層10の面上にそれぞれ透明導電層(30及び50)を形成する。
次いで、高分子/液晶複合層用組成物を、第1の透明導電層30上に塗工し、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を設けた後、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を露光して硬化させて高分子/液晶複合層40を形成する。
その後、第2の透明導電層50上に接着層を設け、上述した接着層を介して、第2の透明導電層50と高分子/液晶複合層40とを重ねる。
また、本発明の意匠材100が図1(f)の構成である場合には、第1の基材20上に、第1の透明導電層30を形成した後、第1の透明導電層30の第1の基材20を有する面と反対の面側に、紫外線遮蔽層10を形成する。その一方で、第2の基材60上に、第2の透明導電層50を形成した後、第2の透明導電層50の第2の基材60を有する面と反対の面側に、紫外線遮蔽層10を形成する。その後、上述した図1(a)の構成である場合と同様にして、本発明の意匠材100を構成する他の材料と重ね合わせた後、紫外線遮蔽層10が遮蔽する波長の光とは異なる波長の光を用いて露光して、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を硬化させて高分子/液晶複合層40を形成する。
本発明の意匠材100が図1(f)の構成である場合には、以下の方法で製造することもできる。
第1の基材20上に、第1の透明導電層30を形成した後、第1の透明導電層30の第1の基材20を有する面と反対の面側に、紫外線遮蔽層10を形成する。
次いで、高分子/液晶複合層用組成物を、紫外線遮蔽層10の面上に塗工し、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を設けた後、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を露光して硬化させて高分子/液晶複合層40を形成する。
その一方で、第2の基材60上に、第2の透明導電層50を形成した後、第2の透明導電層50の第2の基材60を有する面と反対の面側に、紫外線遮蔽層10を形成する。
上記紫外線遮蔽層10の第2の透明導電層50を有する面と反対の面上に接着層を設け、上述した接着層を介して、上記紫外線遮蔽層10と高分子/液晶複合層40とを重ねる。
なお、上記本発明の意匠材100の製造方法において、高分子/液晶複合層40は、上述した液晶材料の外縁部を封止材等で封止することにより形成しても良い。
また、上記本発明の意匠材100の製造方法では、必要に応じて上述した接着剤層を適宜形成して各層を積層しても良い。
このような、少なくとも第1の基材、第1の透明導電層、高分子/液晶複合層、第2の透明導電層、及び、第2の基材がこの順で積層され、上記第1の基材、及び、上記第2の基材の少なくとも一方の面側に紫外線遮蔽層を設ける工程、上記第1の基材と上記第2の基材との間に、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を設ける工程、及び、上記紫外線遮蔽層が遮蔽する波長の光とは異なる波長の光を用いて露光して、上記高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を硬化させる工程を有することを特徴とする意匠材の製造方法もまた、本発明の一態様である。
本発明の意匠材100をリバースタイプとして用いる場合には、配向膜70を有することが好ましい。
配向膜70は、透明導電層(30及び50)の一方の面側に、配向膜用組成物を塗工して硬化させることにより得ることができる。
また、配向膜70と、透明導電層(30及び50)との間、及び/又は、配向膜70と、高分子/液晶複合層40との間に、上述した接着剤層を適宜形成して各層を積層しても良い。
また、配向膜用組成物に耐光剤を含有させることにより、図2(a)及び(b)のように、配向膜70が紫外線遮蔽層10として機能するようにすることもできる。
紫外線遮蔽層用組成物、高分子/液晶複合層用組成物、及び、配向膜用組成物の塗布方法としては、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート、ダイコート、ディスペンサーを用いたコーティング等の方式が挙げられる。
なお、上記組成物が溶剤を含む場合は、塗工後、熱風乾燥機等により塗布層を予め加熱乾燥してから、さらに加熱処理、あるいは、電離放射線を照射することが好ましい。
上記組成物の塗布により形成した未硬化の塗布層は、加熱処理、あるいは電子線等の電離放射線を照射して硬化することで、紫外線遮蔽層10となる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70~300kV程度で未硬化の塗布層を硬化させることが好ましい。
上記電離放射線の照射線量は、電離放射線硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5~300kGy(0.5~30Mrad)、好ましくは10~200kGy(1~20Mrad)、より好ましくは50~150kGy(5~15Mrad)の範囲で選定される。
上記電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190~380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯等が用いられる。
本発明の意匠材100は、粘着剤を介して、建築物の窓や壁材、乗り物の窓等に貼り合わせることにより、好適に用いることができる。
上記粘着剤としては、例えば透明性に優れるアクリル系粘着剤等の粘着剤を適宜選択して用いることができる。
本発明の意匠材100は、高分子/液晶複合層40に対して、紫外線遮蔽層10を有する面側を、紫外線照射が強い方向(例えば、建物等の外側)に配置して用いられることが好ましい。
一方、高分子/液晶複合層40の双方の面側に紫外線遮蔽層10を有する場合には、いずれの面を紫外線照射が強い方向に配置して用いても良い。
なお、上記粘着剤には、耐光剤が含有されていても良いが、耐光剤が含有されていなくても良い。
<意匠材100>
本発明の意匠材100は、上述した構成を有するため、紫外線に曝されたとしても該紫外線を紫外線遮蔽層10が遮蔽することで高分子液晶素子を紫外線から保護でき、耐光性に優れたものとなる。
具体的には、本発明の意匠材100は、波長450nm以下のいずれかの領域の波長の光を遮蔽する特性を有しており、好ましくは、波長380nm以下のいずれかの領域の波長の光を遮蔽する特性を有する。
本発明の意匠材100は、波長450nm以下の領域における光の透過率が40%以下であることが好ましい。特に、波長380nm以下の領域(200~380nm)において、波長380nmの透過率が最大であり、波長380nmにおける透過率が30%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましく、5%以下であることが特に好ましく、1%以下であることが最も好ましい。波長380nmにおける透過率が30%以下であれば紫外線による高分子液晶素子の劣化を好適に防止することができる。
なお、意匠材100の透過率は、紫外可視近赤外分光光度計(V-670、日本分光社製)等により測定することができる。
本発明の意匠材100は、耐光性試験を行ったときに、ヘイズ値の変化と色変化が小さいことが好ましい。
上記耐光性試験としては、例えば、キセノン耐光性試験機(アトラス Ci4000、DJK社製)を用い、下記条件により行うことができる。
(耐光性試験の条件)
光源:キセノン
照度:300~400nmの積算照度が60W/m
ブラックパネル温度:63℃
雰囲気温度:50℃
湿度:50%RH設定
500時間連続で光照射を行う。
上記ヘイズ値の変化は、電界を印加していない状態において、上記耐光性試験の前後におけるヘイズ値の変化量が5%未満であり、かつ、電界を印加した状態において、耐光性試験の前後におけるヘイズ値の変化量が5%未満であることが好ましい。
なお、上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(HM-150、村上色彩技術研究所社製)を用い、JIS K 7136に準拠する方法によりヘイズ値を測定することができる。
上記色変化は、電界を印加していない状態おいて、上記耐光性試験の前後におけるΔEの変化量が3未満であり、かつ、電界を印加した状態において、耐光性試験の前後におけるΔEの変化量が3未満であることが好ましい。
なお、上記色変化は、紫外可視近赤外分光光度計(V-670、日本分光社製)を用いて、積分球ユニットISN-723を使用し、校正用白色版を積分球にセットしたまま全透過率を下記測定時のパラメータで測定し、紫外可視近赤外分光光度計(V-670、日本分光社製)に付属の色彩計算ソフトを用いて、透過光のa、b、Lを求め、その値よりΔEを計算することができる。
(測定時のパラメータ)
測定範囲:波長380nmから波長780nm
レスポンス:Fast
バンド幅:5.0nm
走査速度:1000nm/min
データ取り込み間隔:1nm
スムージングなし
以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例及び比較例のみに限定されるものではない。
(比較例1)
第1の基材として、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、該PETフィルム基材上にシート抵抗100Ω/sqのITO膜(第1の透明導電層)を成膜した。
その一方で、第2の基材として、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、該PETフィルム基材上にシート抵抗100Ω/sqのITO膜(第2の透明導電層)を成膜した。
高分子/液晶複合層用液晶組成物1として、2-エチルヘキシルアクリレート(ナカライテスク(株)製)20質量%のモノマーと、ビスコート#3700(大阪有機化学工業(株)製)29質量%のプレポリマーと、Darocur1173(メルク社製)の光重合性材料からなる光硬化開始剤と、ZLI4792(メルク・ジャパン(株)製)50.0質量%の液晶とを混合したものを用いた。
第1の透明導電層の面上に、高分子/液晶複合層用液晶組成物1をバーコータを用いて塗布した。
その後、第1の基材と、第2の基材とを(上記高分子/液晶複合層用組成物を塗布した面と、第2の透明導電層とが接するように)重ね、ラミネーターを用いて均一な厚みとなるよう貼り合せた。
貼り合せた状態のまま、第2の基材を有する側から、高圧水銀灯を用いて紫外線照射(60mW/cm、約60秒)を行い、高分子/液晶複合層用組成物を硬化させて、厚み20μmの高分子/液晶複合層を有するノーマルタイプの意匠材を作製した。
得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
(実施例1)
第1の基材として、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、該PETフィルム基材上にシート抵抗100Ω/sqのITO膜(第1の透明導電層)を成膜し、第1の透明導電層を有する面と反対側の面上に、下記組成の紫外線遮蔽層用組成物1を乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布して塗膜を形成し、該塗膜を70℃で1分乾燥させ、紫外線遮蔽層を形成した。
(紫外線遮蔽層用組成物1)
KAYARAD PET-30(ペンタエリスリトールトリアクリレート/ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物、日本化薬社製) 30質量%
2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン 2.5質量%
イルガキュア184(BASF社製) 1.5質量%
MEK 50質量%
シクロヘキサノン 16質量%
上記以外は比較例1と同様にして、ノーマルタイプの意匠材を作製し、得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
(実施例2)
第1の基材として、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、第1の基材の一方の面上に、紫外線遮蔽層用組成物1を乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布して塗膜を形成し、該塗膜を70℃で1分乾燥させ、第1の基材上に紫外線遮蔽層を形成した。
次いで、上記紫外線遮蔽層の面上に、シート抵抗100Ω/sqのITO膜(第1の透明導電層)を成膜した。
上記以外は比較例1と同様にして、ノーマルタイプの意匠材を作製し、得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
(実施例3)
第1の基材として、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、該PETフィルム基材上にシート抵抗100Ω/sqのITO膜(第1の透明導電層)を成膜した。
次いで、上記第1の透明導電層の面上に、紫外線遮蔽層用組成物1を乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布して塗膜を形成し、該塗膜を70℃で1分乾燥させ、第1の基材上に紫外線遮蔽層を形成した。
その後、上記紫外線遮蔽層の面上に、高分子/液晶複合層用液晶組成物1をバーコータを用いて塗布した。
上記以外は比較例1と同様にして、ノーマルタイプの意匠材を作製し、得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
(実施例4)
実施例1と同様にして、第1の基材の一方の面に第1の透明導電層を形成し、もう一方の面に紫外線遮蔽層を形成した。
第1の透明導電層の面上に、高分子/液晶複合層用液晶組成物1をバーコータを用いて塗布した。
一方、第2の基材として、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、該PETフィルム基材上にシート抵抗100Ω/sqのITO膜(第2の透明導電層)を成膜した。
その後、第1の基材と、第2の基材とを(上記高分子/液晶複合層用組成物を塗布した面と、第2の透明導電層とが接するように)重ね、ラミネーターを用いて均一な厚みとなるよう貼り合せた。
貼り合せた状態のまま、第2の基材を有する側から、高圧水銀灯を用いて紫外線照射(60mW/cm、約60秒)を行い、高分子/液晶複合層用組成物を硬化させて、厚み20μmの高分子/液晶複合層を形成した。
その後、第2の基材の第2の透明導電層を有する面と反対側の面上に、紫外線遮蔽層用組成物1を乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布して塗膜を形成し、該塗膜を70℃で1分乾燥させ、紫外線遮蔽層を形成し、ノーマルタイプの意匠材を作製した。
得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
(実施例5)
実施例2と同様にして、第1の基材の一方の面上に、紫外線遮蔽層と、第1の透明導電層とをこの順に形成した。
次いで、第1の透明導電層の面上に、高分子/液晶複合層用液晶組成物1をバーコータを用いて塗布し、高圧水銀灯を用いて紫外線照射(60mW/cm、約60秒)を行い、高分子/液晶複合層用組成物を硬化させて、厚み20μmの高分子/液晶複合層を形成した。
一方、第2の基材として、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、第2の基材の一方の面上に、紫外線遮蔽層用組成物1を乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布して塗膜を形成し、該塗膜を70℃で1分乾燥させ、第2の基材上に紫外線遮蔽層を形成した。
次いで、上記紫外線遮蔽層の第2の基材を有する側と反対側の面上に、シート抵抗100Ω/sqのITO膜(第2の透明導電層)を成膜した。
その後、第2の透明導電層の面上に接着剤(フォトレックSシリーズ、積水化学工業社製)を乾燥後膜厚が1μmとなるように塗布して接着剤層を形成し、上記高分子/液晶複合層と貼り合わせ、ノーマルタイプの意匠材を作製した。
得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
(実施例6)
実施例3と同様にして、第1の基材の一方の面上に、第1の透明導電層と、紫外線遮蔽層とをこの順に形成した。
次いで、上記紫外線遮蔽層の面上に、高分子/液晶複合層用液晶組成物1をバーコータを用いて塗布し、高圧水銀灯を用いて紫外線照射(60mW/cm、約60秒)を行い、高分子/液晶複合層用組成物を硬化させて、厚み20μmの高分子/液晶複合層を形成した。
一方、第2の基材として、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、該PETフィルム基材上にシート抵抗100Ω/sqのITO膜(第2の透明導電層)を成膜した。
その後、第2の透明導電層の面上に、紫外線遮蔽層用組成物1を乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布して塗膜を形成し、該塗膜を70℃で1分乾燥させ、紫外線遮蔽層を形成した。
その後、第2の透明導電層上の紫外線遮蔽層の面上に接着剤(フォトレックSシリーズ、積水化学工業社製)を乾燥後膜厚が1μmとなるように塗布して接着剤層を形成し、上記高分子/液晶複合層と貼り合わせ、ノーマルタイプの意匠材を作製した。
得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
(比較例2)
比較例1と同様にして、第1の基材を準備し、第1の透明導電層を成膜した。
その後、第1の透明導電層の面上に下記組成の配向膜用組成物1を100nmの厚みで塗布し、90℃で10分加熱後120℃で90分間焼成し、一軸方向にラビング処理を施すことにより、垂直配向膜を形成した。
その後、上記垂直配向膜の面上に、高分子/液晶複合層用液晶組成物1を、バーコータを用いて塗布した。
(配向膜用組成物1)
ポリイミド(JSR社製、「オプトマーAL1254」) 30質量%
イルガキュア184(BASF社製) 1.5質量%
MEK 50質量%
シクロヘキサノン 18.5質量%
一方、比較例1と同様にして、第2の基材を準備し、第2の透明導電層を成膜した。
その後、第2の透明導電層の面上に配向膜用組成物1を100nmの厚みで塗布し、90℃で10分加熱後120℃で90分間焼成し、一軸方向にラビング処理を施すことにより、垂直配向膜を形成した。
その後、第1の基材と、第2の基材とを(上記高分子/液晶複合層用組成物を塗布した面と、第2の透明導電層の面上の垂直配向膜とが接するように)重ね、ラミネーターを用いて均一な厚みとなるよう貼り合せた。
貼り合せた状態のまま、第2の基材を有する側から、高圧水銀灯を用いて紫外線照射(60mW/cm、約60秒)を行い、高分子/液晶複合層用組成物を硬化させて、厚み20μmの高分子/液晶複合層を有するリバースタイプの意匠材を作製した。
得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
(実施例7)
実施例1と同様にして、第1の基材の一方の面に第1の透明導電層を形成し、もう一方の面に紫外線遮蔽層を形成した。
その後、第1の透明導電層の面上に配向膜用組成物1を100nmの厚みで塗布し、90℃で10分加熱後120℃で90分間焼成し、一軸方向にラビング処理を施すことにより、垂直配向膜を形成した。
上記以外は比較例2と同様にして、リバースタイプの意匠材を作製し、得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
(実施例8)
実施例2と同様にして、第1の基材の一方の面上に、紫外線遮蔽層と、第1の透明導電層とをこの順に形成した。
その後、第1の透明導電層の面上に配向膜用組成物1を100nmの厚みで塗布し、90℃で10分加熱後120℃で90分間焼成し、一軸方向にラビング処理を施すことにより、垂直配向膜を形成した。
上記以外は比較例2と同様にして、リバースタイプ意匠材を作製し、得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
(実施例9)
実施例3と同様にして、第1の基材の一方の面上に、第1の透明導電層と、紫外線遮蔽層とをこの順に形成した。
その後、上記紫外線遮蔽層の面上に配向膜用組成物1を100nmの厚みで塗布し、90℃で10分加熱後120℃で90分間焼成し、一軸方向にラビング処理を施すことにより、垂直配向膜を形成した。
上記以外は比較例2と同様にして、リバースタイプの意匠材を作製し、得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
(実施例10)
実施例7と同様にして、第1の基材の一方の面上に第1の透明導電層を形成し、もう一方の面に紫外線遮蔽層を形成し、上記第1の透明導電層の面上に垂直配向膜を形成した。
その後、上記垂直配向膜上の面上に、高分子/液晶複合層用液晶組成物1をバーコータを用いて塗布した。
一方で、比較例2と同様にして、第2の基材の一方の面上に、第2の透明導電層と、垂直配向膜とをこの順に形成した。
その後、第1の基材と、第2の基材とを(上記高分子/液晶複合層用組成物を塗布した面と、第2の透明導電層の面上の垂直配向膜とが接するように)重ね、ラミネーターを用いて均一な厚みとなるよう貼り合せた。
貼り合せた状態のまま、第2の基材を有する側から、高圧水銀灯を用いて紫外線照射(60mW/cm、約60秒)を行い、高分子/液晶複合層用組成物を硬化させて、厚み20μmの高分子/液晶複合層を形成した。
その後、第2の基材の第2の透明導電層を有する面と反対側の面上に、紫外線遮蔽層用組成物1を乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布して塗膜を形成し、該塗膜を70℃で1分乾燥させ、紫外線遮蔽層を形成し、リバースタイプの意匠材を作製した。
得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
(実施例11)
実施例8と同様にして、第1の基材の一方の面上に、紫外線遮蔽層と、第1の透明導電層と、垂直配向膜とをこの順に形成した。
次いで、上記垂直配向膜上の面上に、高分子/液晶複合層用液晶組成物1をバーコータを用いて塗布し、高圧水銀灯を用いて紫外線照射(60mW/cm、約60秒)を行い、高分子/液晶複合層用組成物を硬化させて、厚み20μmの高分子/液晶複合層を形成した。
一方で、第2の基材として、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、第2の基材の一方の面上に、紫外線遮蔽層用組成物1を乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布して塗膜を形成し、該塗膜を70℃で1分乾燥させ、第2の基材上に紫外線遮蔽層を形成した。
次いで、第2の基材上の上記紫外線遮蔽層の面上に、シート抵抗100Ω/sqのITO膜(第2の透明導電層)を成膜した。
第2の透明導電層の面上に配向膜用組成物1を100nmの厚みで塗布し、90℃で10分加熱後120℃で90分間焼成し、一軸方向にラビング処理を施すことにより、垂直配向膜を形成した。
その後、第2の透明導電層上に有する上記垂直配向膜の面上に、接着剤(フォトレックSシリーズ、積水化学工業社製)を乾燥後膜厚が1μmとなるように塗布し、上記高分子/液晶複合層と貼り合わせ、リバースタイプの意匠材を作製した。
得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
(実施例12)
実施例9と同様にして、第1の基材の一方の面上に、第1の透明導電層と、紫外線遮蔽層と、垂直配向膜とをこの順に形成した。
その後、上記垂直配向膜上の面上に、高分子/液晶複合層用液晶組成物1をバーコータを用いて塗布し、高圧水銀灯を用いて紫外線照射(60mW/cm、約60秒)を行い、高分子/液晶複合層用組成物を硬化させて、厚み20μmの高分子/液晶複合層を形成した。
一方、第2の基材として、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、該PETフィルム基材上にシート抵抗100Ω/sqのITO膜(第2の透明導電層)を成膜した。
その後、第2の透明導電層の面上に、紫外線遮蔽層用組成物1を乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布して塗膜を形成し、該塗膜を70℃で1分乾燥させ、紫外線遮蔽層を形成した。
第2の透明導電層上に有する紫外線遮蔽層の面上に配向膜用組成物1を100nmの厚みで塗布し、90℃で10分加熱後120℃で90分間焼成し、一軸方向にラビング処理を施すことにより、垂直配向膜を形成した。
その後、第2の透明導電層上に有する上記垂直配向膜の面上に、接着剤(フォトレックSシリーズ、積水化学工業社製社製)を乾燥後膜厚が1μmとなるように塗布し、上記高分子/液晶複合層と貼り合わせ、リバースタイプの意匠材を作製した。
得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
(実施例13)
配向膜用組成物2を用いたこと以外は比較例2と同様にして、第1の基材の一方の面上に、第1の透明導電層と、垂直配向膜とをこの順に形成した。
(配向膜用組成物2)
ポリイミド(JSR社製、「オプトマーAL1254」) 30質量%
2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン 2.5質量%
イルガキュア184(BASF社製) 1.5質量%
MEK 50質量%
シクロヘキサノン 16質量%
上記以外は比較例2と同様にして、リバースタイプの意匠材を作製し、得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
(実施例14)
実施例13と同様にして、第1の基材の一方の面上に、第1の透明導電層と、垂直配向膜とをこの順に形成した。
次いで、上記垂直配向膜の面上に、高分子/液晶複合層用液晶組成物1をバーコータを用いて塗布し、高圧水銀灯を用いて紫外線照射(60mW/cm、約60秒)を行い、高分子/液晶複合層用組成物を硬化させて、厚み20μmの高分子/液晶複合層を形成した。
一方、第2の基材として、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、該PETフィルム基材上にシート抵抗100Ω/sqのITO膜(第2の透明導電層)を成膜した。
その後、第2の透明導電層の面上に配向膜用組成物2を100nmの厚みで塗布し、90℃で10分加熱後120℃で90分間焼成し、一軸方向にラビング処理を施すことにより、垂直配向膜を形成した。
第2の透明導電層上に有する上記垂直配向膜の面上に、接着剤(フォトレックSシリーズ、積水化学工業社製)を乾燥後膜厚が1μmとなるように塗布し、上記高分子/液晶複合層と貼り合わせ、リバースタイプの意匠材を作製した。
得られた意匠材を所定の大きさに裁断するとともに、第1の透明導電層及び第2の透明導電層からの取り出し電極加工を行った。
実施例及び比較例で得られた意匠材について、リコースライダートランスRSA-5(東京理工舎)を用いて、INPUT端子に100V電源を入力し、OUTPUT端子2個からワニグチクリップを用いて、第1の透明導電層及び第2の透明導電層のそれぞれに接続した。
その後、ダイヤルで出力を調整して電源を印加し、高分子液晶素子の駆動状態を観察した。
実施例1~6及び比較例1の意匠材(ノーマルタイプ)では、電源を印加することにより、液晶材料の向きが不規則な不透明状態から、液晶材料が配列された透明な状態へと変化することが確認された。
また、実施例7~14及び比較例2の意匠材(リバースタイプ)では、電源を印加することにより、液晶材料が配列された透明な状態から、液晶材料の向きが不規則な不透明状態へと変化することが確認された。
<耐光性試験>
実施例及び比較例で得られた意匠材について、キセノン耐光性試験機(アトラス Ci4000、DJK社製)を用いて下記の条件で光照射した。
なお、光入射面は、第1の基材側とした。
(耐光性試験の条件)
光源:キセノン
照度:300~400nmの積算照度が60W/m
ブラックパネル温度:63℃
雰囲気温度:50℃
湿度: 50%RH設定
500時間連続で光照射を行い、耐光性試験の前後のヘイズと透過光の色変化を確認した。
<ヘイズの評価>
実施例及び比較例で得られた意匠材について、ヘイズメーター(HM-150、村上色彩技術研究所社製)を用い、JIS K 7136に準拠する方法によりヘイズ値を測定した。
ヘイズ値の測定は、耐光性試験前と耐光性試験後の意匠材について、電界を印加していない状態と、電界を印加した状態のヘイズ値を測定し、以下の基準で評価した。
<評価基準>
(電界を印加していない状態)
〇:耐光性試験の前後におけるヘイズ値の変化量が5%未満
×:耐光性試験の前後におけるヘイズ値の変化量が5%以上
(電界を印加した状態)
〇:耐光性試験の前後におけるヘイズ値の変化量が5%未満
×:耐光性試験の前後におけるヘイズ値の変化量が5%以上
<透過光の評価>
実施例及び比較例で得られた意匠材について、紫外可視近赤外分光光度計(V-670、日本分光社製)を用いて、積分球ユニットISN-723を使用し、校正用白色版を積分球にセットしたまま全透過率を下記測定時のパラメータで測定した。
(測定時のパラメータ)
測定範囲:波長380nmから波長780nm
レスポンス:Fast
バンド幅:5.0nm
走査速度:1000nm/min
データ取り込み間隔:1nm
スムージングなし
紫外可視近赤外分光光度計(V-670、日本分光社製)に付属の色彩計算ソフトを用いて、透過光のa、b、Lを求め、その値よりΔEを計算した。
上記測定は、耐光性試験前と耐光性試験後の意匠材について、電界を印加していない状態と、電界を印加した状態のヘイズ値を測定し、以下の基準で評価した。
<評価基準>
(電界を印加していない状態)
〇:耐光性試験の前後におけるΔEの変化量が3未満
×:耐光性試験の前後におけるΔEの変化量が3以上
(電界を印加した状態)
〇:耐光性試験の前後におけるΔEの変化量が3未満
×:耐光性試験の前後におけるΔEの変化量が3以上
<総合判定>
上述したヘイズの評価及び透過光の色変化の評価において、全ての評価が〇であったものを〇と評価し、いずれかの評価で×があったものを×と評価した。
Figure 0007327078000001
実施例1~14の結果から、図1(a)~(f)及び図2(a)~(b)のいずれの構成の意匠材であっても、電界を印加していない状態及び電界を印加した状態の双方において、ヘイズ値の変化、透過光の色変化がともに小さく、耐光性が良好であることが確認された。
一方で、本願発明の構成を満たさない比較例1では、電界を印加していない状態及び電界を印加した状態の双方において透過光の色変化が大きく、耐光性が不充分であった。
また、本願発明の構成を満たさない比較例2では、電界を印加していない状態及び電界を印加した状態の双方においてヘイズ値の変化及び透過光の色変化が大きく、耐光性が不充分であった。
本発明によれば、高分子/液晶複合層と紫外線遮蔽層とを備えた所定の構成を有するため耐光性に優れ、建築物の窓や壁材、自動車、電車、飛行機等の乗り物の窓や、オフィスや展示会場等のパーテーション等に好適な意匠材を提供することができる。
10 紫外線遮蔽層
20 第1の基材
30 第1の透明導電層
40 高分子/液晶複合層
50 第2の透明導電層
60 第2の基材
70 配向膜
100 意匠材

Claims (6)

  1. 少なくとも、第1の基材、第1の透明導電層、高分子/液晶複合層、第2の透明導電層、及び、第2の基材がこの順で積層され、
    前記高分子/液晶複合層は、前記第1の基材を有する側、及び、前記第2の基材を有する側にそれぞれ配向膜を有し、
    前記配向膜の少なくとも一方が紫外線遮蔽層である
    ことを特徴とする意匠材。
  2. 第1の基材と高分子/液晶複合層との間に、紫外線遮蔽層を有する請求項1に記載の意匠
    材。
  3. 高分子/液晶複合層と第2の基材との間に、紫外線遮蔽層を有する請求項1又は2に記載の意匠材。
  4. 高分子/液晶複合層に対して、紫外線遮蔽層を有する面側を、紫外線照射が強い方向に配
    置して用いられる請求項1、2又は3に記載の意匠材。
  5. 少なくとも、第1の基材、第1の透明導電層、第1の配向膜、高分子/液晶複合層、第2の透明導電層、第2の配向膜、及び、第2の基材がこの順で積層された意匠材の製造方法であって、
    前記第1の基材の前記高分子/液晶複合層を形成する側、又は、前記第2の基材の前記高分子/液晶複合層を形成する側に耐光剤を含む配向膜用組成物を塗布して紫外線遮蔽層となる配向膜を設ける工程、
    前記第1の配向膜と前記第2の配向膜との間に、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を設ける工程、及び、
    前記紫外線遮蔽層を有さない面側から露光して、前記高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を硬化させる工程を有する
    ことを特徴とする意匠材の製造方法。
  6. 少なくとも、第1の基材、第1の透明導電層、第1の配向膜、高分子/液晶複合層、第2の透明導電層、第2の配向膜、及び、第2の基材がこの順で積層された意匠材の製造方法であって、
    前記第1の基材の前記高分子/液晶複合層を形成する側、及び、前記第2の基材の前記高分子/液晶複合層を形成する側の少なくとも一方の面側に耐光剤を含む配向膜用組成物を塗布して紫外線遮蔽層となる配向膜を設ける工程、
    前記第1の配向膜と前記第2の配向膜との間に、高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を設ける工程、及び、
    前記紫外線遮蔽層が遮蔽する波長の光とは異なる波長の光を用いて露光して、前記高分子/液晶複合層用組成物の塗布層を硬化させる工程を有する
    ことを特徴とする意匠材の製造方法。
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