JPH06229474A - シフトフォーク爪 - Google Patents
シフトフォーク爪Info
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- JPH06229474A JPH06229474A JP1369193A JP1369193A JPH06229474A JP H06229474 A JPH06229474 A JP H06229474A JP 1369193 A JP1369193 A JP 1369193A JP 1369193 A JP1369193 A JP 1369193A JP H06229474 A JPH06229474 A JP H06229474A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- resin
- graphite
- parts
- shift fork
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H63/00—Control outputs from the control unit to change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion or to other devices than the final output mechanism
- F16H63/02—Final output mechanisms therefor; Actuating means for the final output mechanisms
- F16H63/30—Constructional features of the final output mechanisms
- F16H63/32—Gear shift yokes, e.g. shift forks
- F16H2063/324—Gear shift yokes, e.g. shift forks characterised by slide shoes, or similar means to transfer shift force to sleeve
Landscapes
- Mechanical Operated Clutches (AREA)
- Gear-Shifting Mechanisms (AREA)
- Mechanical Control Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、シフトフォーク爪を、耐熱性およ
び摺動特性に優れるものとして、変速切換え時のシフト
レバー操作性が改善でき、また高PV値の摺動条件下で
耐摩耗性に優れて耐久性がよく、しかも結晶化処理の前
後で収縮率を小さいものとして製品の寸法精度が良いも
のとするものとする。 【構成】 下記式で示される熱可塑性ポリイミド樹脂5
0〜90重量%と、固定炭素量97%以上の鱗片状の天
然黒鉛50〜10重量%とからなる樹脂組成物100重
量部に、四フッ化エチレン樹脂を5〜20重量部と、粉
末状のフェノール樹脂硬化物5〜30重量部とを配合し
た摺動材用ポリイミド系樹脂組成物から成形したシフト
フォーク爪とする。 【化5】
び摺動特性に優れるものとして、変速切換え時のシフト
レバー操作性が改善でき、また高PV値の摺動条件下で
耐摩耗性に優れて耐久性がよく、しかも結晶化処理の前
後で収縮率を小さいものとして製品の寸法精度が良いも
のとするものとする。 【構成】 下記式で示される熱可塑性ポリイミド樹脂5
0〜90重量%と、固定炭素量97%以上の鱗片状の天
然黒鉛50〜10重量%とからなる樹脂組成物100重
量部に、四フッ化エチレン樹脂を5〜20重量部と、粉
末状のフェノール樹脂硬化物5〜30重量部とを配合し
た摺動材用ポリイミド系樹脂組成物から成形したシフト
フォーク爪とする。 【化5】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車のマニュアル
トランスミッションのシフトフォーク先端部に装着する
シフトフォーク爪に関する。
トランスミッションのシフトフォーク先端部に装着する
シフトフォーク爪に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のマニュアルトランスミッション
の各ギアセットに取付けられているシフトフォーク1
は、たとえば図1に示すように、回転しているクラッチ
・ハブ・スリーブ2の外周溝2aに進入可能な円弧状の
フォークを有するものであり、運転者がシフトレバーを
操作することにより、セレクターロッド3を介してクラ
ッチ・ハブ・スリーブ2を矢印方向に動作させて、シン
クロ機構を動作させながらギアチェンジを行わせるもの
である。
の各ギアセットに取付けられているシフトフォーク1
は、たとえば図1に示すように、回転しているクラッチ
・ハブ・スリーブ2の外周溝2aに進入可能な円弧状の
フォークを有するものであり、運転者がシフトレバーを
操作することにより、セレクターロッド3を介してクラ
ッチ・ハブ・スリーブ2を矢印方向に動作させて、シン
クロ機構を動作させながらギアチェンジを行わせるもの
である。
【0003】そして、このようなシフトフォーク1の先
端部分は、シフトフォーク爪4と呼ばれ、前記動作する
際に回転するクラッチ・ハブ・スリーブの外周溝2aに
高速・高面圧で摺接するので、耐久性の要求される部分
である。したがって、このような部分には硬質のクロム
等を被覆(メッキ)して耐久性を高めていたが、クロム
の摺動性は充分でないので、変速動作時にシフトレバー
の操作性または操作時の感触が良くないという欠点があ
った。
端部分は、シフトフォーク爪4と呼ばれ、前記動作する
際に回転するクラッチ・ハブ・スリーブの外周溝2aに
高速・高面圧で摺接するので、耐久性の要求される部分
である。したがって、このような部分には硬質のクロム
等を被覆(メッキ)して耐久性を高めていたが、クロム
の摺動性は充分でないので、変速動作時にシフトレバー
の操作性または操作時の感触が良くないという欠点があ
った。
【0004】このようなシフトレバー操作性の改善を図
るためには、摺動性に優れた合成樹脂からなる摺動材を
キャップ状のシフトフォーク爪4として、シフトフォー
ク先端に装着する手段が考えられるが、たとえば摺動材
料がポリアミド(たとえばナイロン66)では限界PV
値が低いので、高速・高面圧に耐えることができなかっ
た。
るためには、摺動性に優れた合成樹脂からなる摺動材を
キャップ状のシフトフォーク爪4として、シフトフォー
ク先端に装着する手段が考えられるが、たとえば摺動材
料がポリアミド(たとえばナイロン66)では限界PV
値が低いので、高速・高面圧に耐えることができなかっ
た。
【0005】また、このような限界PV値を満足する汎
用の摺動材として、特開昭63−314712号公報に
は、ポリイミド樹脂に四フッ化エチレン樹脂と共にフェ
ノール樹脂硬化物を添加したものが開示されている。
用の摺動材として、特開昭63−314712号公報に
は、ポリイミド樹脂に四フッ化エチレン樹脂と共にフェ
ノール樹脂硬化物を添加したものが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリイミド樹
脂に四フッ化エチレン樹脂と共にフェノール樹脂硬化物
を添加した従来のポリイミド系の摺動材用樹脂組成物
は、ポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg=240
℃)付近の温度で、たとえば640kg/cm2 −m/
minといった高いPV値で摺動した場合に、耐摩耗性
がきわめて低くなるという問題点がある。
脂に四フッ化エチレン樹脂と共にフェノール樹脂硬化物
を添加した従来のポリイミド系の摺動材用樹脂組成物
は、ポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg=240
℃)付近の温度で、たとえば640kg/cm2 −m/
minといった高いPV値で摺動した場合に、耐摩耗性
がきわめて低くなるという問題点がある。
【0007】上記過酷な摺動条件での耐摩耗性を改善す
るために、熱可塑性ポリイミド樹脂に、熱処理を施して
結晶化度25%とする手法も知られている。しかし、こ
の場合には、結晶化処理の前後で成形品が2〜5%(収
縮率)も収縮するので、成形されたキャップ状のシフト
フォーク爪は寸法精度が悪く、変形して使用に耐えない
場合もあった。
るために、熱可塑性ポリイミド樹脂に、熱処理を施して
結晶化度25%とする手法も知られている。しかし、こ
の場合には、結晶化処理の前後で成形品が2〜5%(収
縮率)も収縮するので、成形されたキャップ状のシフト
フォーク爪は寸法精度が悪く、変形して使用に耐えない
場合もあった。
【0008】そこで、この発明は、上記した問題点を解
決し、シフトフォーク爪を、耐熱性および摺動特性に優
れるものとして、変速切換え時のシフトレバー操作性が
改善でき、また高PV値の摺動条件下で耐摩耗性に優れ
て耐久性がよく、しかも結晶化処理の前後で収縮率を小
さいものとして製品の寸法精度が良いものとすることを
課題としている。
決し、シフトフォーク爪を、耐熱性および摺動特性に優
れるものとして、変速切換え時のシフトレバー操作性が
改善でき、また高PV値の摺動条件下で耐摩耗性に優れ
て耐久性がよく、しかも結晶化処理の前後で収縮率を小
さいものとして製品の寸法精度が良いものとすることを
課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、下記式で示される熱可塑性ポ
リイミド樹脂50〜90重量%と、非フェノール樹脂系
の原料を黒鉛化して得られる固定炭素量97%以上の黒
鉛50〜10重量%とからなる樹脂組成物100重量部
に、四フッ化エチレン樹脂を5〜20重量部と、粉末状
のフェノール樹脂硬化物5〜30重量部とを配合したポ
リイミド系樹脂組成物からシフトフォーク爪を形成した
のである。
め、この発明においては、下記式で示される熱可塑性ポ
リイミド樹脂50〜90重量%と、非フェノール樹脂系
の原料を黒鉛化して得られる固定炭素量97%以上の黒
鉛50〜10重量%とからなる樹脂組成物100重量部
に、四フッ化エチレン樹脂を5〜20重量部と、粉末状
のフェノール樹脂硬化物5〜30重量部とを配合したポ
リイミド系樹脂組成物からシフトフォーク爪を形成した
のである。
【0010】
【化2】
【0011】また、上記した固定炭素量97%以上の黒
鉛は鱗片状の天然黒鉛であってよい。以下、その詳細を
述べる。
鉛は鱗片状の天然黒鉛であってよい。以下、その詳細を
述べる。
【0012】まず、この発明に用いる前記化2の式で示
される熱可塑性ポリイミド樹脂は、下記化3の式で示さ
れる芳香族エーテルジアミンと一種以上のテトラカルボ
ン酸二無水物の反応によって得られるポリアミド酸を脱
水環化して得られるものである。
される熱可塑性ポリイミド樹脂は、下記化3の式で示さ
れる芳香族エーテルジアミンと一種以上のテトラカルボ
ン酸二無水物の反応によって得られるポリアミド酸を脱
水環化して得られるものである。
【0013】
【化3】
【0014】このようなポリイミド樹脂のうち、ポリイ
ミド樹脂の市販品(前記の化2の式におけるR1 〜R4
が全て水素であるもの)としては、三井東圧化学社製:
AURUMが挙げられる。
ミド樹脂の市販品(前記の化2の式におけるR1 〜R4
が全て水素であるもの)としては、三井東圧化学社製:
AURUMが挙げられる。
【0015】次に、この発明における固定炭素量97%
以上の黒鉛としては、地中から産出された天然の鱗片状
黒鉛、または人造黒鉛であってよい。天然黒鉛のうち、
平均粒径が10μm程度の鱗片状の黒鉛が、この発明の
所期の目的達成に特に好ましいことが実験により判明し
ている。人造黒鉛は、たとえばピッチ由来のコークスを
タールやピッチで固めて約1200℃で焼成してから黒
鉛化炉に入れ、約2300℃の高温で結晶を成長させた
ものが好ましい。また、人造黒鉛の原料としては、ピッ
チ、コールタール、コークス、木質原料、フラン樹脂、
ポリアクリロニトリルなどを用い、フェノール樹脂は原
料として使用しない。別途添加するフェノール樹脂硬化
物と併用することが好ましくないからである。
以上の黒鉛としては、地中から産出された天然の鱗片状
黒鉛、または人造黒鉛であってよい。天然黒鉛のうち、
平均粒径が10μm程度の鱗片状の黒鉛が、この発明の
所期の目的達成に特に好ましいことが実験により判明し
ている。人造黒鉛は、たとえばピッチ由来のコークスを
タールやピッチで固めて約1200℃で焼成してから黒
鉛化炉に入れ、約2300℃の高温で結晶を成長させた
ものが好ましい。また、人造黒鉛の原料としては、ピッ
チ、コールタール、コークス、木質原料、フラン樹脂、
ポリアクリロニトリルなどを用い、フェノール樹脂は原
料として使用しない。別途添加するフェノール樹脂硬化
物と併用することが好ましくないからである。
【0016】ここで黒鉛成分中の固定炭素とは、石炭試
験法の工業分析において、水分、灰分、揮発分を定量し
て除いた残りの成分であって、炭素を主成分として少量
の水素、酸素、窒素を含むものである。そして、固定炭
素量が97%未満の少量では、耐摩耗性、結晶化処理前
後の成形品の収縮率ともに満足できる結果が得られな
い。
験法の工業分析において、水分、灰分、揮発分を定量し
て除いた残りの成分であって、炭素を主成分として少量
の水素、酸素、窒素を含むものである。そして、固定炭
素量が97%未満の少量では、耐摩耗性、結晶化処理前
後の成形品の収縮率ともに満足できる結果が得られな
い。
【0017】前記した熱可塑性ポリイミド樹脂と黒鉛の
配合割合は、熱可塑性ポリイミド樹脂50〜90重量
%、固定炭素量97%以上の黒鉛50〜10重量%であ
る。なぜなら、黒鉛の配合量が50重量%を越える多量
では、組成物の溶融粘度が大きくなって溶融成形が困難
となり、10重量%未満の少量では、耐摩耗性の改善硬
化が充分に得られないからである。
配合割合は、熱可塑性ポリイミド樹脂50〜90重量
%、固定炭素量97%以上の黒鉛50〜10重量%であ
る。なぜなら、黒鉛の配合量が50重量%を越える多量
では、組成物の溶融粘度が大きくなって溶融成形が困難
となり、10重量%未満の少量では、耐摩耗性の改善硬
化が充分に得られないからである。
【0018】次に、この発明に用いる四フッ化エチレン
樹脂は、組成物中に均一に混和するために粉状の形態の
ものが好ましく、たとえばモールディングパウダー、フ
ァインパウダーまたは成形焼成後にγ線等の電子線照射
をして粉砕したものなどであってよい。四フッ化エチレ
ン樹脂の配合割合は、前記した熱可塑性ポリイミド樹脂
と黒鉛の組成物に100重量部に対して、5〜20重量
部である。なぜなら、5重量部未満の少量では、添加さ
れた熱可塑性ポリイミド樹脂組成物に充分な摺動特性が
付与されず、20重量部を越える多量では、熱可塑性ポ
リイミド樹脂本来の機械的強度が損なわれるからであ
る。
樹脂は、組成物中に均一に混和するために粉状の形態の
ものが好ましく、たとえばモールディングパウダー、フ
ァインパウダーまたは成形焼成後にγ線等の電子線照射
をして粉砕したものなどであってよい。四フッ化エチレ
ン樹脂の配合割合は、前記した熱可塑性ポリイミド樹脂
と黒鉛の組成物に100重量部に対して、5〜20重量
部である。なぜなら、5重量部未満の少量では、添加さ
れた熱可塑性ポリイミド樹脂組成物に充分な摺動特性が
付与されず、20重量部を越える多量では、熱可塑性ポ
リイミド樹脂本来の機械的強度が損なわれるからであ
る。
【0019】この発明に用いる粉末状のフェノール樹脂
硬化物は、フェノール類にホルマリン発生化合物を用い
て製造されるノボラック型またはレゾール型フェノール
樹脂に、必要に応じて公知の充填剤を含有させ、そのま
まもしくはヘキサミンなどの架橋剤を加えて加熱し、硬
化物とした後、粉砕したものであってよい。その製造方
法は、特開昭57−17701号公報、特開昭58−1
7114号公報などに開示されており、市販品として
は、鐘紡社製:ベルパールなどを挙げることができる。
硬化物は、フェノール類にホルマリン発生化合物を用い
て製造されるノボラック型またはレゾール型フェノール
樹脂に、必要に応じて公知の充填剤を含有させ、そのま
まもしくはヘキサミンなどの架橋剤を加えて加熱し、硬
化物とした後、粉砕したものであってよい。その製造方
法は、特開昭57−17701号公報、特開昭58−1
7114号公報などに開示されており、市販品として
は、鐘紡社製:ベルパールなどを挙げることができる。
【0020】ここで、これらフェノール樹脂は、熱不融
性の粉末状の樹脂であり、具体的には平均粒径が50μ
m以下で、しかも80重量%以上が150μm以下の粒
径のものが好ましい。なぜならば、粒径が150μmを
越える大径では、成形した際に粉末の各粒子間の相互の
密着が不充分であり、成形体の耐摩耗性や曲げ強度など
の機械的強度が低下して好ましくないからである。そし
て、この発明に使用されるフェノール樹脂硬化物は、充
分に硬化されていることが必要であり、たとえば硬化度
を尺度としてメタノールに対する溶解度で表示すると、
その溶解度は20重量%以下、好ましくは15重量%以
下を示し、さらに好ましくは5重量%以下のものが好ま
しい。なぜならば、メタノール溶解度が20重量%を越
えるものでは成形時に発泡が起こり、成形体に空隙およ
び微小クラックが生じるからである。
性の粉末状の樹脂であり、具体的には平均粒径が50μ
m以下で、しかも80重量%以上が150μm以下の粒
径のものが好ましい。なぜならば、粒径が150μmを
越える大径では、成形した際に粉末の各粒子間の相互の
密着が不充分であり、成形体の耐摩耗性や曲げ強度など
の機械的強度が低下して好ましくないからである。そし
て、この発明に使用されるフェノール樹脂硬化物は、充
分に硬化されていることが必要であり、たとえば硬化度
を尺度としてメタノールに対する溶解度で表示すると、
その溶解度は20重量%以下、好ましくは15重量%以
下を示し、さらに好ましくは5重量%以下のものが好ま
しい。なぜならば、メタノール溶解度が20重量%を越
えるものでは成形時に発泡が起こり、成形体に空隙およ
び微小クラックが生じるからである。
【0021】このようなフェノール樹脂硬化物の配合割
合は、熱可塑性ポリイミド樹脂と前記の黒鉛からなる組
成物100重量部に対して、5〜30重量部である。な
ぜなら、5重量部未満の少量では耐摩耗性の効果が得ら
れず、30重量部を越える多量では、組成物の溶融粘度
が高くなって溶融成形ができないばかりか、摩擦係数を
低減できないからである。
合は、熱可塑性ポリイミド樹脂と前記の黒鉛からなる組
成物100重量部に対して、5〜30重量部である。な
ぜなら、5重量部未満の少量では耐摩耗性の効果が得ら
れず、30重量部を越える多量では、組成物の溶融粘度
が高くなって溶融成形ができないばかりか、摩擦係数を
低減できないからである。
【0022】なお、この発明の摺動材用ポリイミド系樹
脂組成物には、この発明の目的を損なわない範囲で、以
下〜に列記するような種々公知の添加剤を配合する
ことができるのは勿論である。
脂組成物には、この発明の目的を損なわない範囲で、以
下〜に列記するような種々公知の添加剤を配合する
ことができるのは勿論である。
【0023】すなわち、補強剤として、ガラス繊維、
カーボン繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、カーボン
ウィスカ、アスベスト、金属繊維、ロックウールなど、 難燃性向上剤として、三酸化アンチモン、炭酸マグネ
シウム、炭酸カルシウムなど、 電気特性向上剤として、クレー、マイカなど、 耐クラッキング向上剤として、石綿、シリカ、グラフ
ァイトなど、 熱伝導度向上剤として、鉄、亜鉛、アルミニウム、銅
その他の金属粉末など、 その他充填剤として、ガラスビーズ、ガラスバルー
ン、炭酸カルシウム、アルミナ、タルク、ケイソウ土、
水和アルミナ、シラスバルーン、各種金属酸化物、無機
質顔料類などであって、300℃以上で安定な天然また
は合成の化合物類である。
カーボン繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、カーボン
ウィスカ、アスベスト、金属繊維、ロックウールなど、 難燃性向上剤として、三酸化アンチモン、炭酸マグネ
シウム、炭酸カルシウムなど、 電気特性向上剤として、クレー、マイカなど、 耐クラッキング向上剤として、石綿、シリカ、グラフ
ァイトなど、 熱伝導度向上剤として、鉄、亜鉛、アルミニウム、銅
その他の金属粉末など、 その他充填剤として、ガラスビーズ、ガラスバルー
ン、炭酸カルシウム、アルミナ、タルク、ケイソウ土、
水和アルミナ、シラスバルーン、各種金属酸化物、無機
質顔料類などであって、300℃以上で安定な天然また
は合成の化合物類である。
【0024】なお、上記以外の添加剤として特に、下記
化4の(II)〜(IV)の基本構造からなるサーモトロピ
ック液晶ポリマーを添加すると、溶融成形時の流れ性の
改良および結晶化時の収縮率を緩和することができる。
しかし、この化合物は、耐摩耗性を損なう弊害があるた
め、その配合割合を2〜5重量%とすることが好まし
い。
化4の(II)〜(IV)の基本構造からなるサーモトロピ
ック液晶ポリマーを添加すると、溶融成形時の流れ性の
改良および結晶化時の収縮率を緩和することができる。
しかし、この化合物は、耐摩耗性を損なう弊害があるた
め、その配合割合を2〜5重量%とすることが好まし
い。
【0025】
【化4】
【0026】以上述べたこの発明に用いる諸原材料を混
合する手段は、特に限定されるものではなく、原料を個
別に溶融混合機に供給してもよく、または予めヘンシェ
ルミキサー、ボールミキサー、リボンブレンダーなどの
汎用の混合機を用いて2種以上のものを同時に混合して
もよい。その場合の混合温度は、通常250〜420
℃、好ましくは300〜400℃である。また、成形方
法は、圧縮成形、焼結成形などを採用でき、均一溶融ブ
レンド体を形成して、射出成形または押出し成形を行な
うこともできる。
合する手段は、特に限定されるものではなく、原料を個
別に溶融混合機に供給してもよく、または予めヘンシェ
ルミキサー、ボールミキサー、リボンブレンダーなどの
汎用の混合機を用いて2種以上のものを同時に混合して
もよい。その場合の混合温度は、通常250〜420
℃、好ましくは300〜400℃である。また、成形方
法は、圧縮成形、焼結成形などを採用でき、均一溶融ブ
レンド体を形成して、射出成形または押出し成形を行な
うこともできる。
【0027】
【作用】この発明のシフトフォーク爪は、耐熱性あるポ
リイミド樹脂をマトリックスとし、これに摩擦係数の低
減効果に特に優れた四フッ化エチレン樹脂を添加したの
で、所要の耐熱性および摩擦特性に優れたものであり、
さらに粉末状のフェノール樹脂硬化物と固定炭素量が所
定%以上の黒鉛を所定量添加したことにより、耐摩耗性
が改善されると共に結晶化処理の前後で収縮率が小さく
寸法精度が良いものとなる。
リイミド樹脂をマトリックスとし、これに摩擦係数の低
減効果に特に優れた四フッ化エチレン樹脂を添加したの
で、所要の耐熱性および摩擦特性に優れたものであり、
さらに粉末状のフェノール樹脂硬化物と固定炭素量が所
定%以上の黒鉛を所定量添加したことにより、耐摩耗性
が改善されると共に結晶化処理の前後で収縮率が小さく
寸法精度が良いものとなる。
【0028】
【実施例】実施例および比較例に使用した原材料を一括
して挙げると以下の通りである。なお、配合割合は全て
重量%であり、〔 〕内に略号を示した。
して挙げると以下の通りである。なお、配合割合は全て
重量%であり、〔 〕内に略号を示した。
【0029】(1)熱可塑性ポリイミド樹脂〔TPI〕 三井東圧化学社製:AURUM #450 (2)鱗片状天然黒鉛〔鱗片状黒鉛〕 日本黒鉛社製:ACP(固定炭素量99.5%) (3)粉末状フェノール樹脂硬化物〔PF〕 鐘紡社製:ベルパールC2000(平均粒径48μm) (4)四フッ化エチレン樹脂〔PTFE〕 喜多村社製:KTL610 (5)ポリアミド〔ナイロン66〕 東レ社製:アミランCM3001 〔実施例1〜4、比較例1〕原材料を表1に示す割合で
配合し乾式混合した後、二軸溶融押出し機を用いて37
0〜400℃の条件で押出して造粒し、得られたペレッ
トを射出成形機に供給して、シリンダー温度370〜4
00℃、射出圧力1000kg/cm2 、金型温度15
0〜200℃の条件で射出成形し、図1に示す形状のシ
フトフォーク爪形試験片(高さ8mm、幅11mm、長
さ16mm)を成形した。得られた試験片について、
(1) 結晶化処理前後の限界PV値、(2) 結晶化処理によ
る収縮率および結晶化後の変形の有無、を以下に示す方
法で測定し、得られた結果を表1中に併記した。
配合し乾式混合した後、二軸溶融押出し機を用いて37
0〜400℃の条件で押出して造粒し、得られたペレッ
トを射出成形機に供給して、シリンダー温度370〜4
00℃、射出圧力1000kg/cm2 、金型温度15
0〜200℃の条件で射出成形し、図1に示す形状のシ
フトフォーク爪形試験片(高さ8mm、幅11mm、長
さ16mm)を成形した。得られた試験片について、
(1) 結晶化処理前後の限界PV値、(2) 結晶化処理によ
る収縮率および結晶化後の変形の有無、を以下に示す方
法で測定し、得られた結果を表1中に併記した。
【0030】(1) 限界PV値 スラスト型摩擦・摩耗試験機(自社製)を用い、滑り速
度毎分288m、相手材;SCM420H、トランスミ
ッシヨンオイル中において荷重を0.5秒間隔で間欠的
に負荷し、かつ段階的に荷重量を上げていき、試験片に
溶融またはカジリの発生する面圧から限界PV値(kg
f/cm2 ・m/min)を求めた。
度毎分288m、相手材;SCM420H、トランスミ
ッシヨンオイル中において荷重を0.5秒間隔で間欠的
に負荷し、かつ段階的に荷重量を上げていき、試験片に
溶融またはカジリの発生する面圧から限界PV値(kg
f/cm2 ・m/min)を求めた。
【0031】(2) 結晶化処理による収縮率および結晶化
後の変形の有無 試験片を5個用いて、これらにステップ加温にて320
℃、2時間の結晶化処理を行なった。そして、処理前後
の収縮率(%)、および肉眼観察により変形の有無を調
べた。
後の変形の有無 試験片を5個用いて、これらにステップ加温にて320
℃、2時間の結晶化処理を行なった。そして、処理前後
の収縮率(%)、および肉眼観察により変形の有無を調
べた。
【0032】〔比較例2〕実施例1〜4と全く同じ寸法
のシフトフォーク爪形試験片をナイロン66で成形し、
この試験片について上気した試験(1) を全く同様の条件
で行ない、この結果を表1中に併記した。
のシフトフォーク爪形試験片をナイロン66で成形し、
この試験片について上気した試験(1) を全く同様の条件
で行ない、この結果を表1中に併記した。
【0033】〔比較例3〕シフトフォークの先端部分全
面にクロムメッキ層(厚さ約15〜20μm)を電解メ
ッキによって被覆形成し、上気した試験(1) を全く同様
の条件で行ない、この結果を表1中に併記した。
面にクロムメッキ層(厚さ約15〜20μm)を電解メ
ッキによって被覆形成し、上気した試験(1) を全く同様
の条件で行ない、この結果を表1中に併記した。
【0034】
【表1】
【0035】表1の結果から明らかなように、固定炭素
量97%以上の鱗片状の黒鉛を配合しなかった比較例1
は、結晶化処理後の寸法変化が3.8%と大きく、結晶
化処理後に変形が発生した。また、ポリアミド製のシフ
トフォーク爪またはクロムメッキしたシフトフォーク先
端部分は、限界PV値が14000〜18000と低い
値を示した。
量97%以上の鱗片状の黒鉛を配合しなかった比較例1
は、結晶化処理後の寸法変化が3.8%と大きく、結晶
化処理後に変形が発生した。また、ポリアミド製のシフ
トフォーク爪またはクロムメッキしたシフトフォーク先
端部分は、限界PV値が14000〜18000と低い
値を示した。
【0036】これに対して、全ての条件を満足するポリ
イミド樹脂系材料から形成したシフトフォーク爪は、結
晶化処理後の限界PV値がいずれも26000以上と充
分に大きく、特に結晶化処理後の収縮率は1.0%以下
と小さく、結晶化後の変形も認められなかった。
イミド樹脂系材料から形成したシフトフォーク爪は、結
晶化処理後の限界PV値がいずれも26000以上と充
分に大きく、特に結晶化処理後の収縮率は1.0%以下
と小さく、結晶化後の変形も認められなかった。
【0037】なお、図2に示すように、実施例1〜4の
シフトフォーク爪4は、内面に連続した環状の突起5を
形成したものであり、シフトフォーク1の先端外周には
これに対応する環状の溝6を形成した。そして、これら
の抜け止め構造によって、シフトフォーク爪4をシフト
フォーク1先端にスナップ結合させる際、プラスチック
ハンマーにてシフトフォーク爪4を打撃したが、この衝
撃によってもクラックや割れは生ぜず、使用に耐えるも
のであることが確認された。
シフトフォーク爪4は、内面に連続した環状の突起5を
形成したものであり、シフトフォーク1の先端外周には
これに対応する環状の溝6を形成した。そして、これら
の抜け止め構造によって、シフトフォーク爪4をシフト
フォーク1先端にスナップ結合させる際、プラスチック
ハンマーにてシフトフォーク爪4を打撃したが、この衝
撃によってもクラックや割れは生ぜず、使用に耐えるも
のであることが確認された。
【0038】
【効果】この発明は、以上説明したように、耐熱性ある
ポリイミド樹脂をマトリックスとし、これに摩擦係数の
低減効果に特に優れた四フッ化エチレン樹脂を添加し、
さらに粉末状のフェノール樹脂硬化物と固定炭素量が所
定%以上の黒鉛を所定量添加したポリイミド系樹脂組成
物からシフトフォーク爪を形成したので、耐熱性および
摺動特性に優れるものとなって、変速切換え時のシフト
レバー操作性が改善でき、また高PV値の摺動条件下で
耐摩耗性に優れて耐久性がよく、しかも結晶化処理の前
後で収縮率を小さいものとして製品の寸法精度が良いも
のとなる利点がある。
ポリイミド樹脂をマトリックスとし、これに摩擦係数の
低減効果に特に優れた四フッ化エチレン樹脂を添加し、
さらに粉末状のフェノール樹脂硬化物と固定炭素量が所
定%以上の黒鉛を所定量添加したポリイミド系樹脂組成
物からシフトフォーク爪を形成したので、耐熱性および
摺動特性に優れるものとなって、変速切換え時のシフト
レバー操作性が改善でき、また高PV値の摺動条件下で
耐摩耗性に優れて耐久性がよく、しかも結晶化処理の前
後で収縮率を小さいものとして製品の寸法精度が良いも
のとなる利点がある。
【図1】シフトフォーク爪の使用状態を示す分解斜視図
【図2】図1のA−A線断面図
1 シフトフォーク 2 クラッチ・ハブ・スリーブ 2a 外周溝 3 セレクターロッド 4 シフトフォーク爪 5 突起 6 溝
Claims (2)
- 【請求項1】 下記式で示される熱可塑性ポリイミド樹
脂50〜90重量%と、非フェノール樹脂系の原料を黒
鉛化して得られる固定炭素量97%以上の黒鉛50〜1
0重量%とからなる樹脂組成物100重量部に、四フッ
化エチレン樹脂を5〜20重量部と、粉末状のフェノー
ル樹脂硬化物5〜30重量部とを配合したポリイミド系
樹脂組成物からなるシフトフォーク爪。 【化1】 - 【請求項2】 固定炭素量97%以上の黒鉛が鱗片状の
天然黒鉛である請求項1記載のシフトフォーク爪。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1369193A JPH06229474A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | シフトフォーク爪 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1369193A JPH06229474A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | シフトフォーク爪 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06229474A true JPH06229474A (ja) | 1994-08-16 |
Family
ID=11840218
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1369193A Pending JPH06229474A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | シフトフォーク爪 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06229474A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1304512A1 (de) * | 2001-10-18 | 2003-04-23 | Euroflamm GmbH | Verschleissfestes Gleitelement |
US7488401B2 (en) | 2005-07-11 | 2009-02-10 | Sulzer Friction Systems (Us) Inc. | Wet-laid friction material, system and method |
CN102979902A (zh) * | 2012-10-31 | 2013-03-20 | 苏州萃智新技术开发有限公司 | 一种变速箱快速更换拨块的拨叉 |
-
1993
- 1993-01-29 JP JP1369193A patent/JPH06229474A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1304512A1 (de) * | 2001-10-18 | 2003-04-23 | Euroflamm GmbH | Verschleissfestes Gleitelement |
US7488401B2 (en) | 2005-07-11 | 2009-02-10 | Sulzer Friction Systems (Us) Inc. | Wet-laid friction material, system and method |
CN102979902A (zh) * | 2012-10-31 | 2013-03-20 | 苏州萃智新技术开发有限公司 | 一种变速箱快速更换拨块的拨叉 |
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