JPH07190115A - 摩擦材用バインダー組成物 - Google Patents

摩擦材用バインダー組成物

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JPH07190115A
JPH07190115A JP33421893A JP33421893A JPH07190115A JP H07190115 A JPH07190115 A JP H07190115A JP 33421893 A JP33421893 A JP 33421893A JP 33421893 A JP33421893 A JP 33421893A JP H07190115 A JPH07190115 A JP H07190115A
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mass
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friction
binder
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Hiroya Kakegawa
宏弥 掛川
Tokugen Shiyuu
徳元 周
Yoshio O
祥生 王
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来の設備においても容易に製造でき、しかも
高温作動時における耐フェード性、耐摩耗性などに優れ
た摩擦材用のバインダーを提供することにある。 【構成】1.ピッチと有機金属化合物とからなることを
特徴とする摩擦材用バインダー組成物。 2.ピッチが、芳香族炭化水素を原料とする合成ピッチ
である上記項1に記載の摩擦材用バインダー組成物。 3.有機金属化合物が有機ケイ素オリゴマーあるいはポ
リマーである上記項1に記載の摩擦材用バインダー組成
物。 4.ピッチ50〜99質量%と有機金属化合物50〜1
質量%とからなる上記項1に記載の摩擦材用バインダー
組成物。 5.ピッチ60〜95質量%と有機金属化合物40〜5
質量%とからなる上記項4に記載の摩擦材用バインダー
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摩擦材用バインダー組
成物に関する。本発明によるバインダー組成物を自動車
などの各種車両用のブレーキ、クラッチなどにおける摩
擦材の製造に使用する場合には、摩擦材の耐フェード
性、耐摩耗性などを大幅に改善することができる。
【0002】
【従来技術とその問題点】近年、エンジンの出力が高く
なり、また同時に車体重量の軽量化に対する要求も強く
なりつつあることなどの理由で、自動車などの車両類に
おけるブレーキ、クラッチなどの高性能化および小型化
が強く求められている。
【0003】一方、高温作動時に摩擦係数が低下するフ
ェード現象および摩擦係数が急激に変動するジャダー現
象などは、これらの車両用部品において解消ないし軽減
が求められている長年の技術課題である。J.M.Herring
Jr. (SAE Paper,670146(1967 ))、井上らの研究報告
(トライボロジスト,第37巻 第6号(1992)4
93頁)には、フェード現象の直接の原因物質として、
これらの部品においてバインダー或いは摩擦調整材とし
て用いられている熱硬化性樹脂硬化体の熱分解生成物で
あるガス、タール状物質などが挙げられている。
【0004】従来から、この様なガス、タール状物質な
どの発生を抑制する目的で、1)摩擦材組成物中にター
ルピッチを添加する(特開昭60−228587号公
報)、2)摩擦材組成物中の繊維成分をピッチで被覆す
る(特開平5−156236号公報)などの手法が提案
されている。これの手法は、ピッチの高い炭素化収率
(分解生成物の低い発生率)を利用するものである。ま
た、本来熱可塑性であるピッチに熱硬化性を与え、摩擦
材のバインダーとして用いる例として、3)メソフェー
ズピッチに硫黄および/または芳香族ニトロ化合物を添
加したバインダーを用いる方法(特開平5−11763
4号公報)、シアン酸エステル樹脂と多環芳香族ピッチ
とからなるバインダーを用いる方法(特開平5−215
164号公報)なども提案されている。
【0005】しかしながら、上記1)、2)の様に熱可
塑性のピッチを摩擦材へ添加する場合には、熱分解生成
物の発生が促進されるという問題点がある。また、3)
の方法では、硫黄および/または芳香族ニトロ化合物の
反応性が低いので、硬化速度が遅いばかりでなく、硬化
時に硫化水素などの有害ガスが発生するという難点があ
る。さらに、4)の方法では、分解生成物の発生は抑制
できるものの、製造に300〜500℃という高温を要
するばかりでなく、フィブリル化することによって他の
構成成分との混合を容易にする有機補強繊維、例えばア
ラミド繊維などが使用できないという欠点を有してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
従来の設備においても容易に製造でき、しかも高温作動
時における耐フェード性、耐摩耗性などに優れた摩擦材
用のバインダーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
従来技術の問題点に留意しつつ、種々研究を重ねた結
果、石油系、石炭系ピッチ或いはナフタレンなどの芳香
族炭化水素を原料とする合成ピッチに有機金属化合物、
特に少なくともSi−Si結合を有する有機珪素化合物
を混合しておく場合には、本来熱可塑性であり、高い炭
素化収率(低いガス,タールの発生率)を有するピッチ
を熱硬化性に変えることができること、また、この様な
ピッチをバインダーとして使用する場合には、耐フェー
ド性、耐摩耗性などに優れた摩擦材摩擦材を得ることが
できることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0008】即ち、本発明は、下記の摩擦材用のバイン
ダーを提供するものである; 1.ピッチと有機金属化合物とからなることを特徴とす
る摩擦材用バインダー組成物。
【0009】2.ピッチが、芳香族炭化水素を原料とす
る合成ピッチである上記項1に記載の摩擦材用バインダ
ー組成物。
【0010】3.有機金属化合物が有機ケイ素オリゴマ
ーあるいはポリマーである上記項1に記載の摩擦材用バ
インダー組成物。
【0011】4.ピッチ50〜99質量%と有機金属化
合物50〜1質量%とからなる上記項1に記載の摩擦材
用バインダー組成物。
【0012】5.ピッチ60〜95質量%と有機金属化
合物40〜5質量%とからなる上記項4に記載の摩擦材
用バインダー組成物。
【0013】以下に本発明の構成成分について、詳細に
説明する。
【0014】(1)ピッチ 石油系ピッチ、石炭系ピッチおよびナフタレン、アセナ
フチレンなどの芳香族炭化水素を原料とする合成ピッ
チ、これらピッチの改質品などのいずれも使用でき、ま
た、等方性および異方性のいずれをも使用できる。
【0015】ピッチの性状としては、軟化点(R&B
法)40〜350℃程度、より好ましくは60〜150
℃程度で、炭素化収率40質量%以上のものが好適であ
る。この様なピッチは、有機ケイ素化合物との共存状態
下に250〜350℃程度の温度で有機ケイ素化合物と
反応して、硬化する。
【0016】なお、ピッチには、熱硬化性樹脂を配合し
ておいても良い。この様な熱硬化性樹脂としては、ノボ
ラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、
フラン樹脂、イミド樹脂、ウレタン樹脂、ビスマレイミ
ド樹脂、コプナ樹脂などが挙げられる。これらの熱硬化
性樹脂の配合量は、ピッチ質量の20%程度を上限とす
る。
【0017】(2)有機金属化合物 本発明では、有機金属化合物としては、有機ケイ素化合
物、有機硼素化合物などを使用することができる。これ
らの有機金属化合物の中では、昇華乃至蒸発温度よりも
ラジカル発生(分解)温度の低い有機ケイ素化合物がよ
り好ましい。有機ケイ素化合物としては、下記の様な構
造を有するものが例示される。
【0018】式(−Si−O−Si−)n で示されるポ
リシロキサン 式(−SiR2 −C・R2 −)n で示されるポリカルボ
シラン 式(−Si R2 −SiR2 −)n で示されるポリシラン (但し、上記の式において、Rは、同一または相異なっ
て、フェニル基、メチル基、ネットワークフェニル基、
エチル基、水素原子などである。また、nは、通常3〜
20程度、より好ましくは5〜15程度である。) 有機ケイ素化合物としては、より具体的に、ジメチルポ
リシラン、ジエチルポリシラン、フェニルエチルポリシ
ラン、フェニルメチルポリシラン、ジフェニルポリシラ
ン、ネットワークフェニルポリシラン、ポリボロシロキ
サンなどが例示され、フェニルエチルポリシラン、フェ
ニルメチルポリシラン、ジフェニルポリシラン、ネット
ワークフェニルポリシランなどのフェニル基を有するも
のがより好ましい。
【0019】(3)ピッチと有機金属化合物との配合割
合 ピッチ(熱硬化性樹脂を配合する場合には、これをもピ
ッチの一部として扱う)と有機金属化合物との配合割合
は、前者99〜50質量%に対し後者1〜50質量%程
度、より好ましくは前者95〜75質量%に対し後者5
〜25質量%程度とする。
【0020】(4)ピッチと有機金属素化合物との混合
方法 両者の混合は、ピッチを加熱溶融した後、有機金属化合
物を混合する方法、両者の粉末を混合する方法、溶媒中
で両者を混合する方法などにより行なうことができる。
【0021】(5)摩擦材製造用材料 ブレーキ、クラッチなどにおける摩擦材を製造するため
には、上記のバインダー組成物、公知の摩擦調整材、補
強繊維などの原料を配合し、常法に従って成形し、熱処
理する。
【0022】バインダー組成物の使用量は、原料配合物
中の5〜25質量%程度とする。
【0023】摩擦調整材としては、銅、黄銅、青銅、
鉄、ステンレス鋼などの金属の粉および粒、黒鉛、Ba
SO4 、CaCO3 、MgCO3 、シリカ、アルミナ、
マグネシア、酸化クロム、ウォラストナイト、珪藻土、
ドロマイト、硫化モリブデン、フッ素カルシウムなどの
無機物質の粉および粒、カシューダスト、ラバーダスト
などの有機物質の粉および粒などを用いることができ
る。また、熱可塑性樹脂硬化物、有機ケイ素化合物を含
む熱硬化性樹脂を200〜400℃程度で硬化させたも
の、有機ケイ素化合物を含むピッチの硬化物、カシュー
樹脂に有機ケイ素化合物を添加し、硬化させたものもの
なども使用できる。これらは、摩擦材に要求される性能
に応じて、単独でもしくは2種以上を混合して使用す
る。摩擦調整材の粒径は、特に限定されるものではな
く、摩擦材に要求される特性などに応じて適宜定めるこ
とができる。例えば、金属を使用する場合には、10μ
m〜5mm程度、無機物質を使用する場合には、1μm
〜1mm程度、有機物質を使用する場合には、1μm〜
1mm程度の粒径範囲から選択すれば良い。
【0024】摩擦調整材として金属粉および/または粒
を使用する場合には、金属の種類などにもよるが、添加
量は、摩擦材原料中の5〜80質量%程度とすることが
好ましく、10〜50質量%程度とすることが特に好ま
しい。
【0025】摩擦調整材として黒鉛を使用する場合に
は、添加量は、摩擦材原料中の0.5〜30質量%程度
とすることが好ましく、3〜20質量%程度とすること
が特に好ましい。
【0026】摩擦調整材としてカシューダスト、ラバー
ダストなどの有機物質を使用する場合には、添加量は、
摩擦材原料中の1〜30質量%程度とすることが好まし
く、3〜10質量%程度とすることが特に好ましい。添
加量が1質量%未満である場合には、摩擦係数が安定し
にくいのに対し、30質量%を上回る場合には、摩耗量
が大きくなり過ぎる。
【0027】摩擦調整材としては、本発明によるバイン
ダー組成物を予め硬化させたものを使用することもでき
る。このような硬化体からなる摩擦調整材は、ピッチ9
9〜50質量%(より好ましくは90〜60質量%)と
有機金属化合物1〜50質量%(より好ましくは10〜
40質量%)とからなる組成物を200〜450℃程度
(より好ましくは250〜400℃程度)で硬化させた
後、250〜450℃程度で6〜30時間程度後硬化
(ポストキュアー)させることにより得られる。硬化体
は、粉砕し、1μm〜1mm程度に整粒して使用するこ
とが好ましい。摩擦調整材としてこのような硬化体は、
通常使用されているフェノール樹脂硬化物、カシュー樹
脂硬化物などよりも、ガス、タールなどの発生率が低下
させ、耐フェード性を向上させる。
【0028】或いは、通常のフェノール樹脂或いはカシ
ュー樹脂に有機金属化合物を添加した後、硬化させ、こ
れを摩擦調整材として使用することもできる。このよう
な硬化体からなる摩擦調整材は、フェノール樹脂或いは
カシュー樹脂99〜80質量%(より好ましくは98〜
85質量%)と有機金属化合物1〜20質量%(より好
ましくは2〜15質量%)とからなる組成物を130〜
300℃程度(より好ましくは150〜250℃程度)
で硬化させた後、200〜350℃程度(より好ましく
は220〜300℃程度)で6〜30時間程度後硬化
(ポストキュアー)させることにより得られる。この硬
化体も、粉砕し、1μm〜1mm程度に整粒して使用す
ることが好ましい。
【0029】摩擦調整材としては、さらに、摩擦材の摩
擦係数を高め且つ強度を高めるために、銅、黄銅、鉄、
ステンレス鋼などの金属の繊維体、炭素繊維、ロックウ
ール、アスベスト、セラミックス繊維、ガラス繊維など
の無機繊維、アラミド繊維などを併用することができ
る。これらの繊維類は、摩擦材の補強材料としての機能
をも発揮する。
【0030】摩擦材原料の混合方法は、特に限定され
ず、乾式混合方法、原料を造粒した後、湿式混合する方
法、抄紙方法などが採用できる。
【0031】(6)摩擦材原料の成形および硬化 原料混合物は、特に限定されるものではないが、例え
ば、ホットプレスを使用して、温度150〜400℃程
度、好ましくは180〜300℃程度で、成形圧10〜
50Mpa程度で、1〜10分程度の条件下に行なう。
成形の過程では、適宜ガス抜きを行なうために、型締め
−開放を2〜6回程度繰り返すことが好ましい。また、
成形前に高周波、マイクロ波などによる予熱を行なうこ
とも好ましい。
【0032】成形後、後硬化(ポストキュアー)として
空気中200〜450℃程度で6〜30時間程度の熱処
理を行なう。また、従来から行なわれている500〜6
00℃以上でのスコーチ処理などの高温での熱処理も、
勿論有効である。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、本来熱可塑性であり、
高い炭素化収率(低いガス、タールの発生率)を有する
ピッチに有機金属化合物を配合することにより、これを
熱硬化性に変え、かつ架橋によりさらに高い炭素化収率
を実現したバインダーが得られる。このバインダーを用
いて得られた摩擦材においては、ピッチ中の有機金属化
合物は、制動時の摩擦熱でポリラジカルを発生し、本来
ならば揮発する成分を架橋によって高分子化するととも
に、Si−C結合が導入されることにより、摩擦材のフ
ェード性が向上するのみならず、耐熱性および耐摩耗性
も、大幅に改善される。
【0034】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。
【0035】なお、実施例および比較例(但し、比較例
3および実施例8を除く)における測定は、以下の様に
して行なった。
【0036】TG−DTA測定条件:(株)島津製作所
製「TGA50」を用いて、試料10mgを白金製試料
皿に精秤し、50ml/分の窒素気流中10℃/分の昇
温速度で常温から800℃まで昇温させ、その間の質量
減少(%)を測定した。
【0037】TMAによる針入度測定条件:セイコー電
子工業(株)製「TMA30」を用いて、約5mm角に
切りだした試料塊を熱処理温度より50℃高い温度に1
0分間保持した後、直径0.5mm×長さ1mmの石英
製の針を5gの荷重で押しつけ、針入の有無を確認し
た。
【0038】比較例1 市販のコールタール系ピッチ(大阪ガス(株)製、軟化
点=84.2℃、QI=5.4%、BI=22.7%)
を空気中300℃で3時間熱処理した後、揮発分測定
(TG−DTA)および熱硬化性の有無の判定(TMA
による針入度)を行なった。
【0039】その結果を比較例2〜3および実施例1〜
8の結果とともに表1に示す。
【0040】比較例2 比較例1と同様の市販のピッチを空気中350℃で3時
間熱処理した後、揮発分測定(TG−DTA)熱硬化性
の有無の判定(TMAによる針入度)を行なった。
【0041】比較例3 比較例1と同様の市販のピッチを空気中240℃で12
時間熱処理した後、50ml/分の窒素気流中揮発分測
定(TG−DTA)を行なった。
【0042】実施例1 比較例1と同様のピッチ100質量部にジメチルポリシ
ラン(日本ソーダ(株)製、THF不溶、熱分解温度2
96℃)10質量部を加え、十分に混合し、空気中30
0℃で3時間熱処理した後、揮発分測定(TG−DT
A)および熱硬化性の有無の判定(TMAによる針入
度)を行なった。
【0043】実施例2 比較例1と同様のピッチ100質量部にメチルフェニル
ポリシラン(日本ソーダ(株)製、数平均分子量76
0、熱分解温度392℃)10質量部を加え、十分に混
合し、空気中300℃で3時間熱処理した後、揮発分測
定(TG−DTA)および熱硬化性の有無の判定(TM
Aによる針入度)を行なった。
【0044】実施例3 比較例1と同様のピッチ100質量部にジフェニルポリ
シラン(大阪ガス(株)製、数平均分子量370、熱分
解温度373℃)10質量部を加え、十分に混合し、空
気中300℃で3時間熱処理した後、揮発分測定(TG
−DTA)および熱硬化性の有無の判定(TMAによる
針入度)を行なった。
【0045】実施例4 比較例1と同様のピッチ100質量部にジメチルポリシ
ラン(日本ソーダ(株)製、THF不溶、熱分解温度2
96℃)10質量部を加え、十分に混合し、空気中35
0℃で3時間熱処理した後、揮発分測定(TG−DT
A)および熱硬化性の有無の判定(TMAによる針入
度)を行なった。
【0046】実施例5 比較例1と同様のピッチ100質量部にメチルフェニル
ポリシラン(日本ソーダ(株)製、数平均分子量76
0、熱分解温度392℃)10質量部を加え、十分に混
合し、空気中350℃で3時間熱処理した後、揮発分測
定(TG−DTA)および熱硬化性の有無の判定(TM
Aによる針入度)を行なった。
【0047】実施例6 比較例1と同様のピッチ100質量部にジフェニルポリ
シラン(大阪ガス(株)製、数平均分子量370、熱分
解温度373℃)10質量部を加え、十分に混合し、空
気中350℃で3時間熱処理した後、揮発分測定(TG
−DTA)および熱硬化性の有無の判定(TMAによる
針入度)を行なった。
【0048】実施例7 比較例1と同様のピッチ100質量部にネットワークフ
ェニルポリシラン(大阪ガス(株)製、数平均分子量2
700、熱分解温度356℃)10質量部を加え、十分
に混合し、空気中350℃で3時間熱処理した後、揮発
分測定(TG−DTA)および熱硬化性の有無の判定
(TMAによる針入度)を行なった。
【0049】実施例8 比較例1と同様のピッチ100質量部にジフェニルポリ
シラン(大阪ガス(株)製、数平均分子量370、熱分
解温度373℃)10質量部を加え、十分に混合し、空
気中240℃で3時間熱処理した後、50ml/分の窒
素気流中揮発分測定(TG−DTA)を行なった。
【0050】
【表1】
【0051】注;熱硬化性の判定において、“○”とあ
るのは、針入度±0および+(“+”は、試料の膨張と
ともに針が上昇したことを表わす)を示し、“−”とあ
るのは、針入度−(“−”は、針が針入したことを表わ
す)を示す。比較例3および実施例8については、測定
しなかった。
【0052】表1に示す結果から、本発明によれば、S
i−C結合の導入により、ピッチの揮発性が抑制され
て、摩擦材の耐熱性および耐摩耗性が大幅に向上するこ
とが明らかである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピッチと有機金属化合物とからなることを
    特徴とする摩擦材用バインダー組成物。
  2. 【請求項2】ピッチが、芳香族炭化水素を原料とする合
    成ピッチである請求項1に記載の摩擦材用バインダー組
    成物。
  3. 【請求項3】有機金属化合物が有機ケイ素オリゴマーあ
    るいはポリマーである請求項1に記載の摩擦材用バイン
    ダー組成物。
  4. 【請求項4】ピッチ50〜99質量%と有機金属化合物
    50〜1質量%とからなる請求項1に記載の摩擦材用バ
    インダー組成物。
  5. 【請求項5】ピッチ60〜95質量%と有機金属化合物
    40〜5質量%とからなる請求項4に記載の摩擦材用バ
    インダー組成物。
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