JPH06229469A - 作業車の走行変速構造 - Google Patents

作業車の走行変速構造

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JPH06229469A
JPH06229469A JP1512693A JP1512693A JPH06229469A JP H06229469 A JPH06229469 A JP H06229469A JP 1512693 A JP1512693 A JP 1512693A JP 1512693 A JP1512693 A JP 1512693A JP H06229469 A JPH06229469 A JP H06229469A
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transmission
clutch
gear
reverse
operated
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JP1512693A
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Takeshi Ura
猛 裏
Satoru Fukui
哲 福井
Shigekazu Hasegawa
繁一 長谷川
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Kubota Corp
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行用のギヤ変速装置をアクチュエータ及び
走行変速用のクラッチにより、自動的に変速操作するよ
うに構成した作業車の走行変速構造において、ギヤ変速
装置内の上手側及び下手側の伝動軸の回転数を素早く合
致させて、アクチュエータによる変速操作が素早く円滑
に行えるようにする。 【構成】 ギヤ変速装置Aの前後に、前進伝動クラッチ
5及び後進伝動クラッチ6、伝動クラッチ19を配置し
て、前進状態でのアクチュエータT1,T2によるギヤ
変速装置Aの変速操作に伴い、前進伝動クラッチ5及び
伝動クラッチ19を伝動遮断操作すると共に、前進伝動
クラッチ5の伝動遮断操作前から後進伝動クラッチ6を
軽く伝動側に操作しておく。これにより、前進伝動クラ
ッチ5の伝動遮断操作直後に後進伝動クラッチ6からの
逆転動力により、高速で回転している伝動軸35の回転
数が強制的に落とされて、下手側の伝動軸36の回転数
に素早く近づく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ギヤ変速装置を装備し
た作業車の走行変速構造において、変速用の操作指令に
基づき自動的に走行変速用のクラッチを伝動遮断状態に
操作し、アクチュエータによりギヤ変速装置を変速操作
して、再び走行変速用のクラッチを自動的に伝動状態に
操作する構成を備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】前述のような作業車の走行変速構造の一
例が、特開平3−209056号公報に開示されてい
る。この構造では、アクチュエータ(前記公報の第4図
中の11,12)により変速操作されるギヤ変速装置
(前記公報の第4図中のA)の下手側に、走行変速用の
クラッチ(前記公報の第4図中の3)を配置している。
これにより、変速用の操作指令に基づき走行変速用のク
ラッチが自動的に伝動遮断状態に操作されて、アクチュ
エータによりギヤ変速装置が変速操作される。そして、
変速操作が終了すると走行変速用のクラッチが自動的に
伝動状態に操作されていくのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなギヤ変速
装置は、ある伝動ギヤに咬合しているシフトギヤをスラ
イド操作して、この伝動ギヤから離し操作し所望の伝動
ギヤに咬合させるような操作を行う。この場合、シフト
ギヤを所望の伝動ギヤに咬合させる際に、シフトギヤと
所望の伝動ギヤの回転数を合致させながら、シフトギヤ
をこの伝動ギヤに咬合させるような状態となる(特にシ
ンクロメッシュ型式の場合)。
【0004】これにより前記公報の従来の構造におい
て、変速用の操作指令に伴い走行変速用のクラッチ(前
記公報の第4図中の3)が伝動遮断状態に操作された場
合、ギヤ変速装置(前記公報の第4図中のA)にて、走
行変速用のクラッチ側の伝動軸は自由回転状態となるの
に対し、エンジン(前記公報の第4図中の1)側の伝動
軸は、エンジンの動力によりある回転数で高速回転駆動
されており、両伝動軸の回転数の差は比較的大きな状態
となっている。従って、以上の状態でアクチュエータに
よりギヤ変速装置を変速操作しようとした場合、走行変
速用のクラッチ側の伝動軸の回転数をエンジン側の伝動
軸に合致させるようにして変速操作が行われ、その回転
数の合致に少し時間が掛かるので、アクチュエータによ
る素早く円滑な変速操作が行われるようにすると言う面
で改善の余地がある。
【0005】又、走行抵抗の大きな軟弱な地面での走行
時や、荷物を載せた台車等を牽引している場合に前述の
ようにして変速操作を行うと、エンジンの動力により高
速で回転駆動されているエンジン側の伝動軸に対し、自
由回転状態となる走行変速用のクラッチ側の伝動軸の回
転数が、前述の走行抵抗や牽引負荷により急激に落とさ
れてしまう。これにより、両伝動軸の回転数の差がさら
に大きくなってしまうので、走行変速用のクラッチ側の
伝動軸の回転数をエンジン側の伝動軸に合致させる操作
にさらに時間が掛かってしまい、アクチュエータによる
素早い変速操作が行い難くなると共に、変速操作時のシ
ョックも大きくなる。本発明は、変速操作時にギヤ変速
装置の上手側及び下手側の伝動軸の回転数が素早く合致
して、アクチュエータによるギヤ変速装置の変速操作が
素早く円滑に行えるように、又、走行抵抗や牽引負荷の
大きい場合でもショック少ない円滑な変速操作が行える
ように構成することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は以上のよ
うな作業車の走行変速構造において、次のように構成す
ることにある。つまり、エンジンの下手側に、前進用の
動力を伝達する前進伝動クラッチと、後進用の動力を伝
達する摩擦式の後進伝動クラッチとを並列的に配置し、
前進及び後進伝動クラッチの下手側に走行用のギヤ変速
装置、この下手側に走行変速用の伝動クラッチを配置し
て、操作指令に基づきギヤ変速装置のシフトギヤをスラ
イド操作して変速操作を行うアクチュエータを備えると
共に、前進伝動クラッチが伝動状態に操作され後進伝動
クラッチが伝動遮断状態に操作された前進状態におい
て、アクチュエータによる変速操作が開始されると、こ
れに連動して前進伝動クラッチ及び伝動クラッチを伝動
遮断状態に操作する第1制御手段と、操作指令に基づき
前進伝動クラッチが伝動遮断状態に操作される設定時間
前から、後進伝動クラッチを伝動状態側に操作保持し、
前進伝動クラッチが伝動遮断状態に操作されてから設定
時間後に、後進伝動クラッチを再び伝動遮断状態に操作
する第2制御手段と、アクチュエータによる変速操作終
了に連動して、前進伝動クラッチ及び伝動クラッチを伝
動状態に操作する第3制御手段とを備えてある。
【0007】
【作用】
(I)本発明のように構成すると例えば図1及び図3に
示すように、前進伝動クラッチ5が伝動状態に操作さ
れ、後進伝動クラッチ6が伝動遮断状態に操作された前
進状態において、アクチュエータT1,T2によりギヤ
変速装置Aの変速操作が開始されると、これに連動して
ギヤ変速装置Aの上手側(エンジン1側)の前進伝動ク
ラッチ5、及び下手側の伝動クラッチ19が伝動遮断状
態に操作される(図3の時点A1参照)。
【0008】以上のように、前進伝動クラッチ5及び伝
動クラッチ19を伝動遮断状態に操作すると、ギヤ変速
装置Aにおける上手側(エンジン1側)の伝動軸35及
び下手側の伝動軸36が、自由回転状態となる。このよ
うに、上手側(エンジン1側)の伝動軸35もエンジン
1から切り離して自由回転状態にしてやると、この伝動
軸35がエンジン1の動力で駆動されている従来の構造
よりも、両伝動軸35,36の回転数が合致し易くなる
のである。これにより、変速操作に伴ってギヤ変速装置
Aにおける上手側(エンジン1側)の伝動軸35の回転
数と、下手側の伝動軸36の回転数とが互いに近づき合
って、両伝動軸35,36の回転数が合致するのであ
り、アクチュエータT1,T2によるギヤ変速装置Aの
変速操作が素早く円滑に行われるのである。そして、ア
クチュエータT1,T2による変速操作が終了すると、
前進伝動クラッチ5及び伝動クラッチ19が伝動状態に
操作されるのである。
【0009】(II)前述のような通常の走行状態に対
して、走行抵抗の大きな軟弱な地面を走行する場合や、
荷物を載せた台車を牽引した場合においては次のような
操作が行われる。前述のように前進伝動クラッチ5が伝
動状態に操作され、後進伝動クラッチ6が伝動遮断状態
に操作された前進状態において、アクチュエータT1,
T2によりギヤ変速装置Aの変速操作が開始される前
に、操作指令に基づいて伝動遮断状態にある後進伝動ク
ラッチ6が、伝動状態側に操作される(図3の時点A4
参照)。これにより、図1において後進伝動クラッチ6
から逆転動力が、上手側(エンジン1側)の伝動軸35
に伝達される状態となる。
【0010】この後、アクチュエータT1,T2により
ギヤ変速装置Aの変速操作が開始されて、図1に示す前
進伝動クラッチ5及び下手側の伝動クラッチ19が伝動
遮断状態に操作されるのであるが(図3の時点A5参
照)、上手側(エンジン1側)の伝動軸35及び下手側
の伝動軸36の両方が自由回転状態となった場合、走行
抵抗や牽引負荷により下手側の伝動軸36の回転数が落
とされてしまうことがある。そこで、図3の時点A4か
ら時点A5に示すように、後進伝動クラッチ6から逆転
動力を上手側(エンジン1側)の伝動軸35に伝達して
いると、前進伝動クラッチ5が伝動遮断状態に操作され
た時点A5において、後進伝動クラッチ6からの軽い逆
転動力が、遅れることなく直ちに上手側(エンジン1
側)の伝動軸35に伝達されて、この伝動軸35に制動
が掛かることになる。そして、このような状態は、前進
伝動クラッチ5が伝動遮断状態に操作される時点A5か
ら、設定時間E2が経過する時点A6まで続けられ、こ
の時点A6において後進伝動クラッチ6が伝動遮断状態
に戻し操作される。
【0011】以上のように、前進伝動クラッチ5が伝動
遮断状態に操作される前後に亘り、逆転動力を上手側
(エンジン1側)の伝動軸35に伝達していると、この
逆転動力により伝動軸35に遅れることなく制動が掛か
り、この伝動軸35の回転数が強制的に落とされること
になる。従って、主変速装置Aにおける上手側(エンジ
ン1側)の伝動軸35の回転数が、下手側の伝動軸36
の低下する回転数に急速に近づいて、両伝動軸35,3
6の回転数が合致するのであり、アクチュエータT1,
T2による変速操作が素早く円滑に行われるのである。
そして、アクチュエータT1,T2による変速操作が完
了すると、前進伝動クラッチ5及び伝動クラッチ19が
伝動状態に操作されるのである。
【0012】この場合、前進伝動クラッチ5及び伝動ク
ラッチ19を伝動遮断状態に操作した直後に、専用のブ
レーキ等により上手側(エンジン1側)の伝動軸35に
制動を掛けることも考えられるが、構造の複雑化や生産
コストの上昇等を伴う場合がある。これに対して本発明
では、既存の構造と言って良い前進及び後進切換操作用
の前進及び後進伝動クラッチのうちの後進伝動クラッチ
を利用しているので、前述のような専用のブレーキ等を
設ける必要はない。
【0013】
【発明の効果】以上のように、変速操作時にギヤ変速装
置の上手側及び下手側の両方で伝動遮断操作を行うこと
により、ギヤ変速装置の上手側及び下手側の両伝動軸の
回転数を素早く合致させることができるようになって、
アクチュエータによるギヤ変速装置の変速操作が円滑に
行われるように構成でき、作業車の変速操作性能を向上
させることができた。そして、走行抵抗や牽引負荷の大
きい場合には、変速操作時にギヤ変速装置の上手側及び
下手側の両方で伝動遮断操作を行うと同時に、回転数の
高い上手側の伝動軸の回転数を遅れることなく素早く強
制的に落とすことにより、前述と同様に上手側及び下手
側の両伝動軸の回転数を素早く合致させることができる
ようになって、アクチュエータによるギヤ変速装置の変
速操作が円滑にショック少なく行われるように構成で
き、走行抵抗や牽引負荷の大きい場合での作業車の変速
操作性能も向上させることができた。この場合、既存の
構造である後進伝動クラッチを利用して上手側の伝動軸
の回転数を落としているので、専用のブレーキ等を備え
るよりも構造の複雑化や生産コストの上昇等を伴うよう
なことがない。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (1)図1は作業車の一例である四輪駆動型の農用トラ
クタのミッションケース8内を示しており、エンジン1
からの動力が伝動軸2及びクラッチ機構3を介して、P
TO軸4に伝達されてPTO系が構成されている。エン
ジン1からの動力が前進伝動クラッチ5又は後進伝動ク
ラッチ6、円筒軸11、主変速装置A(ギヤ変速装置に
相当)、伝動クラッチ19、第1副変速装置B、第2副
変速装置C及び後輪デフ装置7aを介して後輪7に伝達
されて、走行系が構成されている。そして、後輪デフ装
置7aの直前から分岐した動力を伝動軸9、油圧クラッ
チ型式の前輪変速装置D、前輪伝動軸12及び前輪デフ
装置10aを介して前輪10に伝達するように構成して
いる。
【0015】前進伝動クラッチ5及び後進伝動クラッチ
6は、摩擦板(図示せず)とピストン(図示せず)とを
組み合わせた多板摩擦式の油圧操作式で、作動油を供給
することにより伝動状態に操作される。そして、前進伝
動クラッチ5を伝動状態に操作すると、エンジン1の動
力が前進伝動クラッチ5から円筒軸11に直接流れて機
体は前進する。後進伝動クラッチ6を伝動状態に操作す
ると、エンジン1の動力が後進伝動クラッチ6及び伝動
軸31を介して、逆転状態で円筒軸11に伝達されて機
体は後進する。
【0016】主変速装置Aは2組のシフトギヤS1をス
ライド操作するシンクロメッシュ型式に構成されて4段
に変速可能であり、エンジン1側の円筒軸11からの動
力が伝動軸35に伝達され、この伝動軸35から円筒状
の伝動軸36に伝達され4段に変速操作されて、伝動ク
ラッチ19に伝達される。第1副変速装置Bもシフトギ
ヤS2をスライド操作するシンクロメッシュ型式に構成
されている。そして、主変速装置Aの両シフトギヤS1
をスライド操作する油圧シリンダT1,T2(アクチュ
エータに相当)、第1副変速装置BのシフトギヤS2を
スライド操作する油圧シリンダT3を備えている。
【0017】各油圧シリンダT1,T2,T3により変
速操作を行う際において、その開始に連動して前進伝動
又は後進伝動クラッチ5,6の伝動遮断状態への操作、
及び伝動クラッチ19の伝動遮断状態への操作を行い、
変速操作終了に連動して前進伝動又は後進伝動クラッチ
5,6、及び伝動クラッチ19の伝動状態への操作を行
う油圧制御系を備えており、油圧によって変速操作が行
えるように構成している。又、第2副変速装置Cは、変
速レバー(図示せず)によりシフトギヤを直接にスライ
ド操作する手動操作式である。
【0018】(2)次に油圧シリンダT1,T2,T
3、前進伝動及び後進伝動クラッチ5,6、伝動クラッ
チ19の油圧制御系について説明する。図2に示すよう
に、油圧ポンプ13からの作動油をロータリ弁15を介
して3組の油圧シリンダT1,T2,T3に供給してお
り、これら3組の油圧シリンダT1,T2,T3の作動
時においてパイロット圧が増減する一対のパイロット油
路16,29が備えられている。油圧ポンプ13からの
作動油が油路17を介してロータリ弁15に供給されて
おり、作動油が油路18、電磁比例圧力制御弁型式の前
進制御弁27及び後進制御弁28、第1切換弁32を介
して前進伝動及び後進伝動クラッチ5,6に供給されて
いる。
【0019】油路18から分岐した油路20から作動油
が、第2切換弁26を介して伝動クラッチ19に供給さ
れており、パイロット油路16,29が第1及び第2切
換弁32,26の各々に接続されている。パイロット油
路16,29のパイロット圧を制御する制御弁21,2
2が設けられており、主変速装置A用の油圧シリンダT
1,T2からのパイロット油路23,24、及び第1副
変速装置B用の油圧リンダT3からのパイロット油路2
5が、制御弁21,22に各々図2に示すように接続さ
れている。
【0020】ロータリ弁15と機械的に連動連結され
て、ロータリ弁15を中立位置及び1速〜8速位置に操
作可能な変速レバー14が備えられており、変速レバー
14の操作位置が制御装置30に電気的に入力されてい
る。前進及び後進切換用の前後進レバー33が備えられ
ており、この前後進レバー33の操作位置が制御装置3
0に電気的に入力されている。そして、前進伝動及び後
進伝動クラッチ5,6の下手側の円筒軸11の回転数を
検出する回転数センサー34、伝動クラッチ19の上手
側の伝動軸36の回転数を検出する回転数センサー3
7、パイロット油路16,29のパイロット圧を検出す
る圧力センサー38が備えられており、両回転数センサ
ー34,37及び圧力センサー38の検出値が制御装置
30に電気的に入力されている。
【0021】(3)次に、通常の走行状態での変速操作
時の各部の動作について説明する。図2は前後進レバー
33を前進位置Fに操作し、変速レバー14を1速位置
に操作している状態であり、主変速装置Aの油圧シリン
ダT1が1速位置に移動して油圧シリンダT2が中立位
置に位置し、第1副変速装置Bの油圧シリンダT3が低
速側に位置している。これにより、油圧シリンダT1か
らのパイロット作動油により制御弁21が切換操作され
ており、油圧シリンダT3からのパイロット作動油が、
パイロット油路25及び制御弁22,21を介してパイ
ロット油路16,29に供給されて、第1及び第2切換
弁32,26が図2に示す連通位置に切換操作されてい
る。従って、油路18からの作動油が前進制御弁27及
び第1切換弁32を介して前進伝動クラッチ5に供給さ
れて、これが伝動状態に操作されている(後進伝動クラ
ッチ6は後進制御弁28により伝動遮断状態に操作)。
そして、油路20からの作動油が第2切換弁26を介し
て伝動クラッチ19に供給されて、これが伝動状態に操
作されており、機体は前進1速状態で走行している。
【0022】以上の構成により図2に示すような前進1
速状態において、変速レバー14を1速位置から2速位
置に操作し始めたとする。この場合、ロータリ弁15か
らの作動油により油圧シリンダT1が1速位置から2速
位置側に移動し始めと、図2及び図3に示すようにパイ
ロット油路23のパイロット圧が低下して制御弁21が
切換操作され、パイロット油路16,29が排油状態と
なる。これにより、第1及び第2切換弁32,26が切
換操作されて、前進伝動クラッチ5及び伝動クラッチ1
9が急速に伝動遮断状態に操作されるのであり(図3の
時点A1)、前進制御弁27も同時に排油位置に切換操
作される。
【0023】以上のように、図1に示す前進伝動クラッ
チ5及び伝動クラッチ19を伝動遮断状態に操作する
と、主変速装置Aにおける上手側(エンジン1側)の伝
動軸35及び下手側(後輪7側)の伝動軸36が、自由
回転状態となる。このように、上手側(エンジン1側)
の伝動軸35及び下手側(後輪7側)の伝動軸36の両
方が自由回転状態になると、油圧シリンダT1による2
速位置への変速操作に伴い、両伝動軸35,36の回転
数が互いに近づき合って合致するのであり、油圧シリン
ダT1による2速位置への変速操作が素早く円滑に行わ
れるのである。
【0024】以上のように、図3に示す時点A1から時
点A2の間で、油圧シリンダT1による2速位置への変
速操作が終了すると、油圧シリンダT1からパイロット
油路23にパイロット作動油が供給され、制御弁21が
図2に示す位置に切換操作される。これにより、パイロ
ット油路16,29に再びパイロット作動油が供給さ
れ、第1及び第2切換弁32,16が図2に示す連通位
置に切換操作されて、伝動クラッチ19が急速に伝動状
態に操作される。そして、排油位置に切換操作されてい
た前進制御弁27が供給位置側に操作されていき、前進
伝動クラッチ5の圧力が時点A2から滑らかに上昇して
いくのであり、時点A3において前進伝動クラッチ5が
完全な伝動状態となる圧力Pに達するのである。
【0025】(4)次に、走行抵抗の大きな軟弱な地面
を走行する場合や、荷物を載せた台車を牽引した場合に
おいて、変速操作時での各部の動作について説明する。
図2に示すように前後進レバー33を前進位置Fに操作
し、変速レバー14を1速位置に操作した前進1速状態
において、変速レバー14を1速位置から2速位置に操
作する場合、変速レバー14に備えられた操作ボタン1
4aを一度押し操作する。このように操作ボタン14a
からの操作信号が制御装置30に入力されると、図3の
時点A4に示すように排油位置に在る後進制御弁28が
供給位置側に操作されて、伝動遮断状態にある後進伝動
クラッチ6の圧力が圧力P1(後進伝動クラッチ6が完
全な伝動状態となる圧力Pよりも低い値)に一度上昇保
持され、圧力P1よりも低い圧力P2に下降保持される
(第2制御手段に相当)。これにより、図1において後
進伝動クラッチ6から軽い逆転動力が、円筒軸11を介
し主変速装置Aの上手側(エンジン1側)の伝動軸35
に伝達される状態となる。
【0026】操作ボタン14aを押し操作した時点A4
から設定時間E1経過後の時点A5において、変速レバ
ー14を1速位置から2速位置に操作し始めたとする。
この場合、ロータリ弁15からの作動油により油圧シリ
ンダT1が1速位置から2速位置側に移動し始めると、
前項(3)の場合と同様に第1及び第2切換弁32,2
6が切換操作されて、前進伝動クラッチ5及び伝動クラ
ッチ19が急速に伝動遮断状態に操作されるのであり
(図3の時点A5)、前進制御弁27も排油位置に切換
操作される(以上、第1制御手段に相当)。
【0027】以上のように、図1に示す前進伝動クラッ
チ5及び伝動クラッチ19を伝動遮断状態に操作する
と、主変速装置Aにおける上手側(エンジン1側)の伝
動軸35及び下手側(後輪7側)の伝動軸36の両方
が、自由回転状態となる。この場合、走行抵抗の大きな
軟弱な地面での走行時や、荷物を載せた台車等を牽引し
ていると、下手側(後輪7側)の伝動軸36の回転数
が、前述の走行抵抗や牽引負荷により急激に落とされて
しまうことがある。そこで、図3の時点A4から時点A
5に示すように、後進伝動クラッチ6から軽い逆転動力
を上手側(エンジン1側)の伝動軸35に伝達している
と、前進伝動クラッチ5が伝動遮断状態に操作された時
点A5において、後進伝動クラッチ6からの軽い逆転動
力が、遅れることなく直ちに上手側(エンジン1側)の
伝動軸35に伝達されることになる。このような状態
は、前進伝動クラッチ5が伝動遮断状態に操作される時
点A5(図2のパイロット油路16,29のパイロット
圧の低下を圧力センサー38で検出することにより判
断)から、設定時間E2が経過する時点A6まで続けら
れ、この時点A6において後進伝動クラッチ6が伝動遮
断状態に戻し操作される(第2制御手段に相当)。
【0028】以上のようにして、後進伝動クラッチ6か
ら軽い逆転動力を上手側(エンジン1側)の伝動軸35
に伝達すると、この軽い逆転動力により伝動軸35の回
転数が強制的に落とされる。従って、主変速装置Aにお
ける上手側(エンジン1側)の伝動軸35の回転数が、
下手側(後輪7側)の伝動軸36の低下する回転数に急
速に近づいて、両伝動軸35,36の回転数が合致する
のであり、油圧シリンダT1による2速位置への変速操
作が素早く円滑に行われるのである。この場合、図2及
び図1に示すように円筒軸11の回転数及び伝動軸36
の回転数を回転数センサー34,37で検出しており、
円筒軸11及び伝動軸36の回転数差が大きいほど、図
3の時点A4から時点A6までの後進伝動クラッチ6の
圧力P1,P2を高くして、主変速装置Aの上手側(エ
ンジン1側)の伝動軸35の回転数が充分に落とされる
ように構成している。
【0029】以上のように、図3に示す時点A5から時
点A7の間で、油圧シリンダT1による2速位置への変
速操作が終了すると、油圧シリンダT1からパイロット
油路23にパイロット作動油が供給され、制御弁21が
図2に示す位置に切換操作される。これにより、パイロ
ット油路16,29に再びパイロット作動油が供給さ
れ、第1及び第2切換弁32,16が図2に示す連通位
置に切換操作されて、伝動クラッチ19が急速に伝動状
態に操作される。このように、後進伝動クラッチ6を少
し伝動状態側に操作しておくことによって、図3の時点
A5から時点A7までに要する変速時間が、通常の変速
時間(図3の時点A1から時点A2)よりも短くなるの
である。そして、排油位置に切換操作されていた前進制
御弁27が供給位置側に操作されていき、前進伝動クラ
ッチ5の圧力が時点A7から滑らかに上昇いていくので
あり、時点A8において前進伝動クラッチ5が完全な伝
動状態となる圧力Pに達するのである(以上、第3制御
手段に相当)。
【0030】以上の図3の時点A1から時点A8までの
状態は、前進1速状態と前進2速状態との間、前進5速
状態と前進6速状態との間の状態であるが、前進3速状
態と前進4速状態との間、前進7速状態と前進8速状態
との間では、図2の油圧シリンダT2が作動して制御弁
22が切換操作され前述のような自動的な操作が行われ
るのであり、前進4速状態と前進5速状態との間では、
油圧シリンダT1,T2,T3が作動して前述のような
自動的な操作が行われる。
【0031】〔別実施例〕前述の実施例において伝動ク
ラッチ19は、前進伝動及び後進伝動クラッチ5,6と
同様に摩擦板をピストンにて押圧する一般的な型式であ
るが、これをテーパーローラーを用いたクラッチや咬合
式等のように、瞬時に伝動及び伝動遮断操作可能な型式
に構成してもよい。以上の実施例では前進伝動クラッチ
5が伝動状態に操作された前進状態での変速操作時に、
伝動遮断状態に在る後進伝動クラッチ6を軽く伝動状態
側に操作するように構成しているが、この構成に加えて
前後進レバー33を後進位置Rに操作して、作動油を後
進第1油圧クラッチ6に供給した後進状態においても、
後進1速状態から後進8速状態の間で、前述と同様に前
進伝動クラッチ5の圧力が圧力P1,P2に自動的に上
昇操作されるように構成してもよい。
【0032】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミッションケース内の走行伝動系の概略を示す
【図2】変速操作用の油圧シリンダ、前進伝動及び後進
伝動クラッチ、伝動クラッチ等の油圧回路図
【図3】変速操作時における前進伝動及び後進伝動クラ
ッチ、伝動クラッチの圧力状態を示す図
【符号の説明】
1 エンジン 5 前進伝動クラッチ 6 後進伝動クラッチ 19 伝動クラッチ A ギヤ変速装置 S1 ギヤ変速装置のシフトギヤ T1,T2 アクチュエータ E1,E2 設定時間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(1)の下手側に、前進用の動
    力を伝達する前進伝動クラッチ(5)と、後進用の動力
    を伝達する摩擦式の後進伝動クラッチ(6)とを並列的
    に配置し、前記前進及び後進伝動クラッチ(5),
    (6)の下手側に走行用のギヤ変速装置(A)、この下
    手側に走行変速用の伝動クラッチ(19)を配置して、
    操作指令に基づき前記ギヤ変速装置(A)のシフトギヤ
    (S1)をスライド操作して変速操作を行うアクチュエ
    ータ(T1),(T2)を備えると共に、 前記前進伝動クラッチ(5)が伝動状態に操作され前記
    後進伝動クラッチ(6)が伝動遮断状態に操作された前
    進状態において、前記アクチュエータ(T1),(T
    2)による変速操作が開始されると、これに連動して前
    記前進伝動クラッチ(5)及び伝動クラッチ(19)を
    伝動遮断状態に操作する第1制御手段と、 操作指令に基づき前記前進伝動クラッチ(5)が伝動遮
    断状態に操作される設定時間(E1)前から、前記後進
    伝動クラッチ(6)を伝動状態側に操作保持し、前記前
    進伝動クラッチ(5)が伝動遮断状態に操作されてから
    設定時間(E2)後に、前記後進伝動クラッチ(6)を
    再び伝動遮断状態に操作する第2制御手段と、 前記アクチュエータ(T1),(T2)による変速操作
    終了に連動して、前記前進伝動クラッチ(5)及び伝動
    クラッチ(19)を伝動状態に操作する第3制御手段と
    を備えてある作業車の走行変速構造。
JP1512693A 1993-02-02 1993-02-02 作業車の走行変速構造 Pending JPH06229469A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5613401A (en) * 1994-08-09 1997-03-25 New Holland North America, Inc. Transmission for agricultural tractors

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5613401A (en) * 1994-08-09 1997-03-25 New Holland North America, Inc. Transmission for agricultural tractors

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