JP3161854B2 - 作業車の走行変速構造 - Google Patents

作業車の走行変速構造

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JP3161854B2 JP877093A JP877093A JP3161854B2 JP 3161854 B2 JP3161854 B2 JP 3161854B2 JP 877093 A JP877093 A JP 877093A JP 877093 A JP877093 A JP 877093A JP 3161854 B2 JP3161854 B2 JP 3161854B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ギヤ変速装置を装備し
た作業車の走行変速構造において、変速用の操作指令に
基づき自動的に走行変速用のクラッチを伝動遮断状態に
操作し、アクチュエータによりギヤ変速装置を変速操作
して、再び走行変速用のクラッチを自動的に伝動状態に
操作する構成を備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】前述のような作業車の走行変速構造の一
例が、特開平3−209056号公報に開示されてい
る。この構造では、アクチュエータ(前記公報の第4図
中の11,12)により変速操作されるギヤ変速装置
(前記公報の第4図中のA)の下手側に、走行変速用の
クラッチ(前記公報の第4図中の3)を配置している。
これにより、変速用の操作指令に基き走行変速用のクラ
ッチが自動的に伝動遮断状態に操作されて、アクチュエ
ータによりギヤ変速装置が変速操作される。そして、変
速操作が終了すると走行変速用のクラッチが自動的に伝
動状態に操作されていくのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなギヤ変速
装置は、ある伝動ギヤに咬合しているシフトギヤをスラ
イド操作して、この伝動ギヤから離し操作し所望の伝動
ギヤに咬合させるような操作を行う。この場合、シフト
ギヤを所望の伝動ギヤに咬合させる際に、シフトギヤと
所望の伝動ギヤの回転数を合致させながら、シフトギヤ
をこの伝動ギヤに咬合させるような状態となる(特にシ
ンクロメッシュ型式の場合)。
【0004】これにより前記公報の従来の構造におい
て、変速用の操作指令に伴い走行変速用のクラッチ(前
記公報の第4図中の3)が伝動遮断状態に操作された場
合、ギヤ変速装置(前記公報の第4図中のA)におい
て、走行変速用のクラッチ側の伝動軸は自由回転状態と
なるのに対して、エンジン(前記公報の第4図中の1)
側の伝動軸は、エンジンの動力によりある回転数で高速
回転駆動されており、両伝動軸の回転数の差は比較的大
きな状態となっている。従って、以上の状態でアクチュ
エータによりギヤ変速装置を変速操作しようとした場
合、走行変速用のクラッチ側の伝動軸の回転数をエンジ
ン側の伝動軸に合致させるようにして変速操作が行わ
れ、その回転数の合致に少し時間が掛かるので、アクチ
ュエータによる素早く円滑な変速操作が行われるように
すると言う面で改善の余地がある。本発明は、変速操作
時にギヤ変速装置の上手側及び下手側の伝動軸の回転数
が素早く合致して、アクチュエータによるギヤ変速装置
の変速操作が素早く円滑に行えるように構成することを
目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は以上のよ
うな作業車の走行変速構造において、次のように構成す
ることにある。つまり、 〔1〕エンジンの下手側に、前進用の動力を伝達する前
進伝動クラッチと、後進用の動力を伝達する後進伝動ク
ラッチとを並列的に配置し、前進及び後進伝動クラッチ
の下手側に走行用のギヤ変速装置、この下手側に走行変
速用の伝動クラッチを配置して、操作指令に基づきギヤ
変速装置のシフトギヤをスライド操作して変速操作を行
うアクチュエータを備えると共に、前進伝動クラッチが
伝動状態に操作され後進伝動クラッチが伝動遮断状態に
操作された前進状態において、アクチュエータによる変
速操作が開始されると、これに連動して前進伝動クラッ
チ及び伝動クラッチを伝動遮断状態に操作する第1制御
手段と、これに連動して後進伝動クラッチを所定時間の
間だけ伝動状態側に操作し再び伝動遮断状態に操作する
第2制御手段と、アクチュエータによる変速操作終了に
連動して、前進伝動クラッチ及び伝動クラッチを伝動状
態に操作する第3制御手段とを備えてある。
【0006】〔2〕前項〔1〕の構成において、前進伝
動クラッチ及び後進伝動クラッチ、伝動クラッチを油圧
クラッチに構成すると共に、前進伝動クラッチ及び後進
伝動クラッチに対し作動油を給排操作して、これらを伝
動及び伝動遮断状態に操作可能な制御弁を備え、前進伝
動クラッチから作動油を急速に排出してこれを伝動遮断
状態に操作可能な第1切換弁を、前進伝動クラッチと制
御弁との間に備え、伝動クラッチに対し作動油を給排操
作して、これを伝動及び伝動遮断状態に操作可能な第2
切換弁を備えて、第1及び第2切換弁により第1制御手
段を構成し、制御弁により第2制御手段を構成して、制
御弁及び第2切換弁により第3制御手段を構成してあ
る。
【0007】
【作用】
〔I〕前項〔1〕のように構成すると例えば図1及び図
3に示すように、前進伝動クラッチ5が伝動状態に操作
され、後進伝動クラッチ6が伝動遮断状態に操作された
前進状態において、アクチュエータT1,T2によりギ
ヤ変速装置Aの変速操作が開始されると、これに連動し
てギヤ変速装置Aの上手側(エンジン1側)の前進伝動
クラッチ5、及び下手側の伝動クラッチ19が伝動遮断
状態に操作される(図3の時点A1参照)。以上のよう
に、前進伝動クラッチ5及び伝動クラッチ19を伝動遮
断状態に操作すると、ギヤ変速装置Aにおける上手側
(エンジン1側)の伝動軸35及び下手側の伝動軸36
が、自由回転状態となる。このように、上手側(エンジ
ン1側)の伝動軸35もエンジン1から切り離して自由
回転状態にしてやると、この伝動軸35がエンジン1の
動力で駆動されている従来の構造よりも、両伝動軸3
5,36の回転数が合致し易くなるのである。
【0008】しかし、前進伝動クラッチ5及び伝動クラ
ッチ19を伝動遮断状態に操作した直後、上手側(エン
ジン1側)の伝動軸35は、エンジン1の動力に対応し
た高速で自由回転しているのに対して、下手側の伝動軸
36は機体の走行速度に対応した低速で自由回転してお
り、両伝動軸35,36の回転数差は大きなものとなっ
ている場合がある。そこで、後進伝動クラッチ6が伝動
状態側に操作されると、後進伝動クラッチ6から逆転動
力がギヤ変速装置Aの上手側(エンジン1側)の伝動軸
35に伝達されて、この伝動軸35の回転数が強制的に
落とされる。これにより、ギヤ変速装置Aにおける上手
側(エンジン1側)の伝動軸35の回転数が、下手側の
伝動軸36の回転数に急速に近づいて、両伝動軸35,
36の回転数が合致するのであり、アクチュエータT
1,T2によるギヤ変速装置Aの変速操作が素早く円滑
に行われるのである。そして、アクチュエータT1,T
2による変速操作が完了すると、前進伝動クラッチ5及
び伝動クラッチ19が伝動状態に操作されるのである。
【0009】この場合、前進伝動クラッチ5及び伝動ク
ラッチ19を伝動遮断状態に操作した直後に、専用のブ
レーキ等により上手側(エンジン1側)の伝動軸35に
制動を掛けることも考えられるが、構造の複雑化や生産
コストの上昇等を伴う場合がある。これに対して本発明
では、既存の構造と言って良い前進及び後進切換操作用
の前進及び後進伝動クラッチのうちの後進伝動クラッチ
を利用しているので、前述のような専用のブレーキ等を
設ける必要はない。
【0010】〔II〕前項〔2〕のように構成すると例
えば図2に示すように、前進伝動クラッチ5が伝動状態
に操作され、後進伝動クラッチ6が伝動遮断状態に操作
された前進状態において、アクチュエータT1,T2に
よりギヤ変速装置Aの変速操作が開始されると、これに
連動して第1及び第2切換弁32,26を切換操作する
ことにより、前進伝動クラッチ5及び伝動クラッチ19
を急速に伝動遮断状態に操作することができる。これに
より、前項〔I〕で説明したような、ギヤ変速装置Aの
伝動軸35,36(図1参照)が自由回転状態になるの
が早められるのであり、後進伝動クラッチ6により伝動
軸35の回転数が落とされる操作が早められることにな
るので、変速操作全体に要する時間をさらに短くでき
る。
【0011】
【発明の効果】請求項1のように、変速操作時にギヤ変
速装置の上手側及び下手側の両方で伝動遮断操作を行う
と同時に、回転数の高い上手側の伝動軸の回転数を強制
的に落とすことにより、ギヤ変速装置の上手側及び下手
側の両伝動軸の回転数を素早く合致させることができる
ようになって、アクチュエータによるギヤ変速装置の変
速操作が素早く円滑に行われるように構成でき、作業車
の変速操作性能を向上させることができた。この場合、
既存の構造である後進伝動クラッチを利用して上手側の
伝動軸の回転数を落としているので、専用のブレーキ等
を備えるよりも構造の複雑化や生産コストの上昇等を伴
うようなことがない。請求項2のように構成すると、変
速操作全体に要する時間を短くできるので、作業車の変
速操作性能をさらに向上させることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (1)図1は作業車の一例である四輪駆動型の農用トラ
クタのミッションケース8内を示しており、エンジン1
からの動力が伝動軸2及びクラッチ機構3を介して、P
TO軸4に伝達されてPTO系が構成されている。エン
ジン1からの動力が前進伝動クラッチ5又は後進伝動ク
ラッチ6、円筒軸11、主変速装置A(ギヤ変速装置に
相当)、伝動クラッチ19、第1副変速装置B、第2副
変速装置C及び後輪デフ装置7aを介して後輪7に伝達
されて、走行系が構成されている。そして、後輪デフ装
置7aの直前から分岐した動力を伝動軸9、油圧クラッ
チ型式の前輪変速装置D、前輪伝動軸12及び前輪デフ
装置10aを介して前輪10に伝達するように構成して
いる。
【0013】前進伝動クラッチ5及び後進伝動クラッチ
6は、摩擦板(図示せず)とピストン(図示せず)とを
組み合わせた多板摩擦式の油圧操作式で、作動油を供給
することにより伝動状態に操作される。そして、前進伝
動クラッチ5を伝動状態に操作すると、エンジン1の動
力が前進伝動クラッチ5から円筒軸11に直接流れて機
体は前進する。後進伝動クラッチ6を伝動状態に操作す
ると、エンジン1の動力が後進伝動クラッチ6及び伝動
軸31を介して、逆転状態で円筒軸11に伝達されて機
体は後進する。
【0014】主変速装置Aは2組のシフトギヤS1をス
ライド操作するシンクロメッシュ型式に構成されて4段
に変速可能であり、エンジン1側の円筒軸11からの動
力が伝動軸35に伝達され、この伝動軸35から円筒状
の伝動軸36に伝達され4段に変速操作されて、伝動ク
ラッチ19に伝達される。第1副変速装置Bもシフトギ
ヤS2をスライド操作するシンクロメッシュ型式に構成
されている。そして、主変速装置Aの両シフトギヤS1
をスライド操作する油圧シリンダT1,T2(アクチュ
エータに相当)、第1副変速装置BのシフトギヤS2を
スライド操作する油圧シリンダT3を備えている。
【0015】各油圧シリンダT1,T2,T3により変
速操作を行う際において、その開始に連動して前進伝動
又は後進伝動クラッチ5,6の伝動遮断状態への操作、
及び伝動クラッチ19の伝動遮断状態への操作を行い、
変速操作終了に連動して前進伝動又は後進伝動クラッチ
5,6、及び伝動クラッチ19の伝動状態への操作を行
う油圧制御系を備えており、油圧によって変速操作が行
えるように構成している。又、第2副変速装置Cは、変
速レバー(図示せず)によりシフトギヤを直接にスライ
ド操作する手動操作式である。
【0016】(2)次に油圧シリンダT1,T2,T
3、前進伝動及び後進伝動クラッチ5,6、伝動クラッ
チ19の油圧制御系について説明する。図2に示すよう
に、油圧ポンプ13からの作動油をロータリ弁15を介
して3組の油圧シリンダT1,T2,T3に供給してお
り、これら3組の油圧シリンダT1,T2,T3の作動
時においてパイロット圧が増減する一対のパイロット油
路16,29が備えられている。油圧ポンプ13からの
作動油が油路17を介してロータリ弁15に供給されて
おり、作動油が油路18、電磁比例圧力制御弁型式の前
進制御弁27(本発明の制御弁に相当)及び後進制御弁
28(本発明の制御弁に相当)、第1切換弁32を介し
て前進伝動及び後進伝動クラッチ5,6に供給されてい
る。
【0017】油路18から分岐した油路20から作動油
が、第2切換弁26を介して伝動クラッチ19に供給さ
れており、パイロット油路16,29が第1及び第2切
換弁32,26の各々に接続されている。パイロット油
路16,29のパイロット圧を制御する制御弁21,2
2が設けられており、主変速装置A用の油圧シリンダT
1,T2からのパイロット油路23,24、及び第1副
変速装置B用の油圧リンダT3からのパイロット油路2
5が、制御弁21,22に各々図2に示すように接続さ
れている。
【0018】ロータリ弁15と機械的に連動連結され
て、ロータリ弁15を中立位置及び1速〜8速位置に操
作可能な変速レバー14が備えられており、変速レバー
14の操作位置が制御装置30に電気的に入力されてい
る。前進及び後進切換用の前後進レバー33が備えられ
ており、この前後進レバー33の操作位置が制御装置3
0に電気的に入力されている。そして、前進伝動及び後
進伝動クラッチ5,6の下手側の円筒軸11の回転数を
検出する回転数センサー34、伝動クラッチ19の上手
側の伝動軸36の回転数を検出する回転数センサー3
7、パイロット油路16,29のパイロット圧を検出す
る圧力センサー38が備えられており、両回転数センサ
ー34,37及び圧力センサー38の検出値が制御装置
30に電気的に入力されている。
【0019】(3)次に、変速操作時における各部の動
作について説明する。図2は前後進レバー33を前進位
置Fに操作し、変速レバー14を1速位置に操作してい
る状態であり、主変速装置Aの油圧シリンダT1が1速
位置に移動して油圧シリンダT2が中立位置に位置し、
第1副変速装置Bの油圧シリンダT3が低速側に位置し
ている。これにより、油圧シリンダT1からのパイロッ
ト作動油により制御弁21が切換操作されて、油圧シリ
ンダT3からのパイロット作動油が、パイロット油路2
5及び制御弁22,21を介してパイロット油路16,
29に供給されており、第1及び第2切換弁32,26
が図2に示す連通位置に切換操作されている。従って、
油路18からの作動油が前進制御弁27及び第1切換弁
32を介して前進伝動クラッチ5に供給されて、これが
伝動状態に操作されている(後進伝動クラッチ6は後進
制御弁28により伝動遮断状態に操作)。そして、油路
20からの作動油が第2切換弁26を介して伝動クラッ
チ19に供給されて、これが伝動状態に操作されてお
り、機体は前進1速状態で走行している。
【0020】以上の構成により図2に示すような前進1
速状態において、変速レバー14を1速位置から2速位
置に操作し始めたとする。この場合、ロータリ弁15か
らの作動油により油圧シリンダT1が1速位置から2速
位置側に移動し始めると、図3及び図2に示すようにパ
イロット油路23のパイロット圧が低下して制御弁21
が切換操作され、パイロット油路16,29が排油状態
となる。これにより、第1及び第2切換弁32,26が
切換操作されて、前進伝動クラッチ5及び伝動クラッチ
19が急速に伝動遮断状態に操作されるのであり(図3
の時点A1)、前進制御弁27も排油位置に切換操作さ
れる(以上、第1制御手段に相当)。
【0021】以上のように、図1に示す前進伝動クラッ
チ5及び伝動クラッチ19を伝動遮断状態に操作する
と、主変速装置Aにおける上手側(エンジン1側)の伝
動軸35及び下手側(後輪7側)の伝動軸36が、自由
回転状態となる。この場合、前進伝動クラッチ5及び伝
動クラッチ19の伝動遮断状態への操作直後、上手側
(エンジン1側)の伝動軸35は、エンジン1の動力に
対応した高速で自由回転しているのに対して、下手側
(後輪7側)の伝動軸36は機体の走行速度に対応した
低速で自由回転しており、両伝動軸35,36の回転数
差は大きなものとなっている。
【0022】そこで、図4及び図2に示すように変速レ
バー14が1速位置から2速位置側に移動し始めて、1
速位置と2速位置の中央位置B1を変速レバー14が通
過したことが制御装置30に入力され、且つ、パイロッ
ト油路16,29のパイロット圧の低下が圧力センサー
38により検出されると、図3に示すように時点A1か
ら時点A2に亘り、排油位置に在る後進制御弁28が供
給位置側に操作され、後進伝動クラッチ6の圧力が圧力
P1(後進伝動クラッチ6が完全な伝動状態となる圧力
Pよりも低い値)に上昇保持されて、後進伝動クラッチ
6の圧力が圧力P1よりも低い圧力P2に下降保持さ
れ、時点A2において後進伝動クラッチ6が再び伝動遮
断状態に戻される(以上、第2制御手段に相当)。
【0023】以上のようにして後進伝動クラッチ6を圧
力P1,P2に所定時間だけ保持すると、図1において
後進伝動クラッチ6から軽い逆転動力が、円筒軸11を
介し主変速装置Aの上手側(エンジン1側)の伝動軸3
5に伝達されて、この伝動軸35の回転数が強制的に落
とされる。従って、主変速装置Aにおける上手側(エン
ジン1側)の伝動軸35の回転数が、下手側(後輪7
側)の伝動軸36の回転数に急速に近づいて、両伝動軸
35,36の回転数が合致するのであり、油圧シリンダ
T1による2速位置への変速操作が素早く円滑に行われ
るのである。
【0024】この場合、図2及び図1に示すように円筒
軸11の回転数及び伝動軸36の回転数を回転数センサ
ー34,37で検出しており、円筒軸11及び伝動軸3
6の回転数差が大きいほど、後進伝動クラッチ6の圧力
P1,P2を高くして、主変速装置Aの上手側(エンジ
ン1側)の伝動軸35の回転数が充分に落とされるよう
に構成している。そして、図4において変速レバー14
が中央位置B1を越えて2速位置側に移動し後進伝動ク
ラッチ6の圧力が圧力P1に上昇操作された始めた場
合、変速レバーが2速位置側から位置B2を越えて1速
位置側に操作されない限り、後進伝動クラッチ6の圧力
上昇操作は中止されない。逆に、2速位置に在る変速レ
バーを1速位置に操作する場合、変速レバー14が中央
位置B1を越えて1速位置側に移動し後進伝動クラッチ
6の圧力が圧力P1に上昇操作された始めると、変速レ
バーが1速位置側から位置B3を越えて2速位置側に操
作されない限り、後進伝動クラッチ6の圧力上昇操作は
中止されない。
【0025】以上のように、図3に示す時点A1から時
点A3の間で、油圧シリンダT1による2速位置への変
速操作が完了すると、油圧シリンダT1からパイロット
油路23にパイロット作動油が供給され、制御弁21が
図2に示す位置に切換操作される。これにより、パイロ
ット油路16,29に再びパイロット作動油が供給さ
れ、第1及び第2切換弁32,16が図2に示す連通位
置に切換操作されて、伝動クラッチ19が急速に伝動状
態に操作される。そして、排油位置に切換操作されてい
た前進制御弁27が供給位置側に操作されていき、前進
伝動クラッチ5の圧力が時点A3から滑らかに上昇いて
いくのであり、時点A4において前進伝動クラッチ5が
完全な伝動状態となる圧力Pに達するのである(以上、
第3制御手段に相当)。
【0026】以上の状態は前進1速状態と前進2速状態
との間、前進5速状態と前進6速状態との間の状態であ
るが、前進3速状態と前進4速状態との間、前進7速状
態と前進8速状態との間では、図2の油圧シリンダT2
が作動して制御弁22が切換操作され前述のような自動
的な操作が行われるのであり、前進4速状態と前進5速
状態との間では、油圧シリンダT1,T2,T3が作動
して前述のような自動的な操作が行われる。
【0027】〔別実施例〕前述の実施例において伝動ク
ラッチ19は、前進伝動及び後進伝動クラッチ5,6と
同様に摩擦板をピストンにて押圧する一般的な型式であ
るが、これをテーパーローラーを用いたクラッチや咬合
式等のように、瞬時に伝動及び伝動遮断状態に操作可能
な型式に構成してもよい。前述の実施例においては変速
レバー14の変速操作時に後進伝動クラッチ6が常時伝
動状態側に操作されているが、この変速操作時の後進伝
動クラッチ6の伝動状態側への操作が行われない状態に
切換操作されるように構成してもよい。この場合、図5
に示すように変速レバー14の上端にプッシュオンプッ
シュオフ型式の操作ボタン14aを設けて、この操作ボ
タン14aにより後進伝動クラッチ6の伝動状態側への
操作が行われる状態と、行われない状態との切換操作を
行うように構成してもよい。以上の実施例では前進伝動
クラッチ5が伝動状態に操作された前進状態での変速操
作時に、伝動遮断状態に在る後進伝動クラッチ6を軽く
伝動状態側に操作するように構成しているが、この構成
に加えて、後進伝動クラッチ6が伝動状態に操作された
後進状態での変速操作時に、伝動遮断状態に在る前進伝
動クラッチ5を軽く伝動状態側に操作するように構成し
てもよい。
【0028】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミッションケース内の走行伝動系の概略を示す
【図2】変速操作用の油圧シリンダ、前進伝動及び後進
伝動クラッチ、伝動クラッチ等の油圧回路図
【図3】変速操作時における前進伝動及び後進伝動クラ
ッチ、伝動クラッチの圧力の状態を示す図
【図4】変速レバーを1速位置及び2速位置に操作して
いる状態での側面図
【図5】別実施例における変速レバーの上端付近の側面
【符号の説明】
1 エンジン 5 前進伝動クラッチ 6 後進伝動クラッチ 19 伝動クラッチ 26 第2切換弁 27,28 制御弁 32 第1切換弁 A ギヤ変速装置 S1 ギヤ変速装置のシフトギヤ T1,T2 アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−94051(JP,A) 実開 平2−141757(JP,U) 特公 昭63−35866(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/36 F16H 63/00 - 63/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(1)の下手側に、前進用の動
    力を伝達する前進伝動クラッチ(5)と、後進用の動力
    を伝達する後進伝動クラッチ(6)とを並列的に配置
    し、前記前進及び後進伝動クラッチ(5),(6)の下
    手側に走行用のギヤ変速装置(A)、この下手側に走行
    変速用の伝動クラッチ(19)を配置して、操作指令に
    基づき前記ギヤ変速装置(A)のシフトギヤ(S1)を
    スライド操作して変速操作を行うアクチュエータ(T
    1),(T2)を備えると共に、 前記前進伝動クラッチ(5)が伝動状態に操作され前記
    後進伝動クラッチ(6)が伝動遮断状態に操作された前
    進状態において、前記アクチュエータ(T1),(T
    2)による変速操作が開始されると、これに連動して前
    記前進伝動クラッチ(5)及び伝動クラッチ(19)を
    伝動遮断状態に操作する第1制御手段と、これに連動し
    て前記後進伝動クラッチ(6)を所定時間の間だけ伝動
    状態側に操作し再び伝動遮断状態に操作する第2制御手
    段と、 前記アクチュエータ(T1),(T2)による変速操作
    終了に連動して、前記前進伝動クラッチ(5)及び伝動
    クラッチ(19)を伝動状態に操作する第3制御手段と
    を備えてある作業車の走行変速構造。
  2. 【請求項2】 前記前進伝動クラッチ(5)及び後進伝
    動クラッチ(6)、伝動クラッチ(19)を油圧クラッ
    チに構成すると共に、前記前進伝動クラッチ(5)及び
    後進伝動クラッチ(6)に対し作動油を給排操作して、
    これらを伝動及び伝動遮断状態に操作可能な制御弁(2
    7),(28)を備え、前記前進伝動クラッチ(5)か
    ら作動油を急速に排出してこれを伝動遮断状態に操作可
    能な第1切換弁(32)を、前記前進伝動クラッチ
    (5)と制御弁(27),(28)との間に備え、前記
    伝動クラッチ(19)に対し作動油を給排操作して、こ
    れを伝動及び伝動遮断状態に操作可能な第2切換弁(2
    6)を備えて、 前記第1及び第2切換弁(32),(26)により前記
    第1制御手段を構成し、前記制御弁(27),(28)
    により前記第2制御手段を構成して、前記制御弁(2
    7),(28)及び第2切換弁(26)により前記第3
    制御手段を構成してある請求項1記載の作業車の走行変
    速構造。
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