JP4222583B2 - 車輌の走行用トランスミッション - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動源から駆動輪へ至る伝動経路に介在される走行用トランスミッションに関し、詳しくは、無段変速装置(以下、HSTという)を備えた走行用トランスミッションに関する。
【0002】
【従来の技術】
斜板の操作によって出力を無段に変速し得るHSTを備えた走行用トランスミッションは、例えば、特開昭54-13131号公報に記載されているように公知である。
前記公報に記載の走行用トランスミッションは、前記HSTの後段側に多段変速装置を備え、これによって、農作業時等の低速走行及び一般道路走行時等の高速走行の双方を行い得るようになっている。
【0003】
即ち、該従来の走行用トランスミッションは、HSTだけでは低速走行及び高速走行の双方に対応することが困難であることに鑑み、HSTの後段に多段変速装置を備えるものである。そして、低速走行を行う場合には、多段変速装置を低速段に係合させた状態でHSTを操作することによって低速領域での速度調整を可能とし、一方、高速走行を行う場合には、多段変速装置を高速段に係合させた状態でHSTを操作することによって高速領域での速度調整を可能としている。
【0004】
しかしながら、前記従来の走行用トランスミッションは、車輌走行中における低速走行及び高速走行の切換を想定されていないものであった。即ち、前記従来の走行用トランスミッションは、(1)農作業時等の低速走行を要する場合には、予め多段変速装置を低速段に入れておいてから、HSTを操作して車輌を走行させ、(2)公道走行時等の高速走行を要する場合には、一旦、車輌を停止させてから、多段変速装置を高速段に入れ、そして、HSTを操作して車輌を走行させることを意図されたものであった。
【0005】
従って、前記従来の走行用トランスミッションにおいて、車輌走行時に多段変速装置を変速させると、以下の不都合が生じるものであった。
例えば、多段変速装置を第1速段に係合させた状態で、HSTを操作して車速を上げていき、そのまま、多段変速装置を第2速段にシフト操作する場合を考えてみる。多段変速装置が第1速段にある場合において最高速を得るのは、HSTの斜板が最大まで揺動させられた場合である。従って、この状態で、多段変速装置を第2速段にシフトアップすると、いきなり、HSTの最大出力状態で多段変速装置が第2速段にシフトされることになり、多段変速装置に過度の負荷が掛かって故障の原因となると共に、乗り心地が非常に悪くなるものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、HSTを備えた走行用トランスミッションであって、車輌走行中において、低速走行モードから高速走行モードへの切換を無理なく行うことでき且つ各走行モードにおいて無段変速し得る走行用トランスミッションを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成する為に、駆動源から駆動輪へ至る伝動経路に介在される車輌の走行用トランスミッションであって、前記駆動源に作動的に連結された主駆動軸と、少なくとも一方が可変容積型とされた油圧ポンプ及び油圧モータを有する無段変速装置であって、前記駆動源からの動力を前記主駆動軸から入力し、斜板の操作に応じて無段変速された正方向及び逆方向の動力を伝動経路後段側へ延びた出力軸から出力する無段変速装置と、前記無段変速装置の後段側において前記出力軸と略平行に配設され、前記主駆動軸を介して駆動源からの動力が入力される駆動軸と、前記出力軸に相対回転不能に支持された太陽歯車、該太陽歯車と噛合し該太陽歯車回りを公転する遊星歯車、該遊星歯車の公転に従って回転するキャリア、及び前記遊星歯車と噛合する内歯歯車が設けられた外輪体を有し、前記外輪体から出力を行う遊星歯車装置と、前記キャリアと前記出力軸との係合/切断を行う第1クラッチ装置と、前記キャリアと前記駆動軸との係合/切断を行う第2クラッチ装置とを備え、前記第1クラッチ装置を係合させ且つ前記第2クラッチ装置を切断させた低速走行モードにおいては前記無段変速装置の正方向及び逆方向への出力に比例して前記外輪体の正方向及び逆方向への回転速度がそれぞれ増速し、前記第1クラッチ装置を切断させ且つ前記第2クラッチ装置を係合させた高速走行モードにおいては前記無段変速装置の正方向から逆方向への出力変化に比例して前記外輪体の正方向への回転速度が増速し、低速走行モードにおいて前記無段変速装置が正方向へ最高出力とされた際の前記外輪体の正方向への回転速度と高速走行モードにおいて前記無段変速装置が逆方向へ最高出力とされた際の前記外輪体の正方向への回転速度とが等しくなるように、前記駆動軸から前記キャリアへの減速比が設定された走行用トランスミッションを提供する。
【0008】
好ましくは、前記斜板に連結された走行変速操作手段と、前記走行変速操作手段の揺動角を検出する揺動角検出装置とを備え、前記揺動角検出装置からの信号に基づいて、前記第1クラッチ装置を係合させ、且つ、前記第2クラッチ装置を切断させる低速走行モードと、前記第1クラッチ装置を切断させ、且つ、前記第2クラッチ装置を係合させる高速走行モードとを切り換えるように構成することができる。
【0009】
また、前記走行変速操作手段を一方向へ揺動させることによって、前記低速走行モードから高速走行モードへ切り換わるように構成することができる。
【0010】
好ましくは、前記第1クラッチ装置は、通常状態において係合し、且つ、前記揺動角検出装置からの信号に基づいて切断されるものとすることができる。
【0011】
また、好ましくは、前記第2クラッチ装置を強制的に係合させる係合装置を備えることができる。
【0012】
また、好ましくは、前記遊星歯車装置の伝動経路後段側に配され、該遊星歯車装置の外輪体から出力される動力を多段に変速可能な多段変速装置を、さらに備えることができる。
【0013】
前記多段変速装置は、車輌を高速走行させる高速変速段と、車輌を低速走行させる低速変速段とを有し、前記車輌が高負荷状態で走行する場合には低速変速段が係合し、且つ、車輌が低負荷状態で走行する場合には高速変速段が係合するように構成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る走行用トランスミッションの好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。図1は本実施の形態に係る走行用トランスミッション1を備えた車輌の伝動経路を示した模式図である。また、図2は、前記走行用トランスミッション1に関連する部分の油圧回路図である。
【0015】
前記走行用トランスミッション1は、駆動源100から駆動輪110へ至る伝動経路に介在される車輌の走行用トランスミッションであって、前記駆動源100に作動的に連結された主駆動軸10と、前記駆動源100からの動力を前記主駆動軸10を介して入力し、後段側に延びた出力軸23から出力する無段変速装置20と、前記無段変速装置20の後段側において前記出力軸23と略平行に配設され、前記主駆動軸10を介して駆動源100からの動力が入力される駆動軸11と、前記出力軸23に支持された遊星歯車装置30と、前記遊星歯車装置のキャリア34及び前記出力軸23の係合/切断を行う第1クラッチ装置210と、前記キャリア34及び前記駆動軸11の係合/切断を行う第2クラッチ装置220と、前記遊星歯車装置30の後段側に配された多段変速装置50とを備えている。なお、図1において、120はロータリ耕耘装置等のけん引作業機の動力取出軸となるPTO軸、160は後輪への動力取出軸である。
【0016】
前記HST20は、駆動源100からの動力を前記主駆動軸10から直接に入力する油圧ポンプ22と、出力軸23を有する油圧モータ24とを備え、前記油圧ポンプ22及び油圧モータ24の少なくとも一方が斜板25によって容積を可変とし得る可変容積型とされている。本実施の形態においては、油圧ポンプ22を可変容積型としている。前記主駆動軸10は、後端部が前記油圧ポンプを貫通して伝動経路の後段側へ延びている。一方、HST20の前記出力軸23は、前述のように、伝動経路の後段側へ延びている。該出力軸23は、図1に示すように、互いに軸線回り相対回転不能に連結される複数の軸としても良いし、若しくは、一体の軸としても良い。
【0017】
図1に示すように、前記駆動軸11は、前記主駆動軸10と同軸上に配設され且つ該主駆動軸10と軸線回り相対回転不能に連結されており、これにより、主駆動軸10を介して駆動源100からの動力が入力されるようになっている。該駆動軸11の後端部は、PTO系動力伝達経路に連結されており、該駆動軸11を介してPTO軸120に動力が伝達される。
【0018】
図3に、前記遊星歯車装置30の横断面図を示す。図1及び図3に示すように、前記遊星歯車装置30は、前記出力軸23に相対回転不能に支持された太陽歯車31と、該太陽歯車31と噛合して該太陽歯車回りを公転する遊星歯車32と、該遊星歯車32の公転に従って回転するキャリア34と、前記遊星歯車32と噛合する内歯歯車が設けられてた外輪体33とを備えている。そして、該外輪体33には、第1従動軸13が軸線回り相対回転不能に連結されている。該第1従動軸13の後段側には、多段変速機構50を備えることができる。
【0019】
なお、図3中の矢印は、図1に示す構成において、主駆動軸10を時計回りに回転させた場合における外輪体33、キャリア34及び太陽歯車31の回転方向を示している。これら遊星歯車装置の各構成部材の回転方向は、駆動源から遊星歯車装置への動力伝達機構の構成によって適宜設定することができる。
【0020】
前記第1クラッチ装置210は、図1及び図2に示すように、出力軸23に相対回転不能に支持された第1駆動側部材210aと、出力軸23に相対回転自在に支持され且つ前記遊星歯車装置のキャリア34に対し相対回転不能に連結された第1従動側部材210bとを備えている。該第1駆動側部材210a及び第1従動側部材210bには、それぞれ互いに係合可能とされたクラッチ板が備えられている。
【0021】
さらに、前記第1クラッチ装置210は、出力軸23に軸線方向移動自在に支持された第1押動部材210cと、前記第1駆動側部材210a及び第1従動側部材210bの各クラッチ板を互いに係合させるように、前記第1押動部材210cを付勢する第1付勢部材210dとを備えている。そして、前記第1押動部材210cによって画される係合側油室211及び切断側油室212にはそれぞれ後述する第1係合側吸入ライン79a及び第1切断側吸入ライン79a’が接続されている(図2参照)。
【0022】
該第1クラッチ装置210は、斯かる構成により、圧油が供給されない場合においては押動部材210c及び付勢部材210dによって第1駆動側部材210aと第1従動側部材210bとが係合し、且つ、第1排出側吸入ライン79a’から排出側油室212に圧油が供給される場合には該圧油の作用によって第1駆動側部材210aと第1従動側部材210bとが切断されるようになっている。なお、第1係合側吸入ライン79aを介して係合側油室211に圧油を供給可能としているのは、押動部材210c及び付勢部材210dの作用に加えて、圧油の作用を利用し、これによって、第1駆動側部材210aと第1従動側部材210bとの係合をより確実に行う為である。
【0023】
前記第2クラッチ装置220は、図1及び図2に示すように、出力軸23に相対回転自在に支持され且つ駆動軸11に作動的に連結された第2駆動側部材220aと、出力軸23に相対回転自在に支持され且つ前記遊星歯車装置のキャリア34に相対回転不能に連結された第2従動側部材220bとを備えている。該第2駆動側部材220a及び第2従動側部材220bには、それぞれ互いに係合可能とされたクラッチ板が備えられている。
【0024】
さらに、前記第2クラッチ装置220は、出力軸23に軸線方向移動自在に支持された第2押動部材220cを備えている。該第2押動部材220cは、後述する第2吸入ライン79bから供給される圧油の作用を受け、第2駆動側部材220a及び第2従動側部材220bの各クラッチ板を互いに係合させるものである。前記第2クラッチ装置220には、第2押動部材220cを第2駆動側部材220a及び第2従動側部材220bの各クラッチ板から離間させる付勢部材220dを備えることができる。該付勢部材220dを備えることにより、第2クラッチ装置220に圧油が供給されない場合において、第2駆動側部材220a及び第2従動側部材220bの各クラッチ板の切断を確実に行うことができる。
【0025】
ここで、主に、図2を参照しつつ、前記第1及び第2クラッチ装置の油圧回路70について説明する。
該油圧回路70は、図2に示すように、油タンク90から油を吸入し、圧油を吐出する第1及び第2クラッチ装置用油圧ポンプ71と、該油圧ポンプ71から吐出される圧油が流れるクラッチ装置用圧油ライン72とを備えている。該圧油ライン72は、該圧油ラインの作動油圧を設定するディレイリリーフ弁75aの後段側で潤滑油ライン73に分岐されている。潤滑油ライン73は、各クラッチ装置210,220へ潤滑油を供給するためのものである。なお、図中、75bは、潤滑油ライン73の潤滑油圧を設定するリリーフ弁である。
【0026】
一方、圧油ライン72の後端部は緊急用切換弁74に接続されている。該緊急用切換弁74の後流側には、第1作動油ライン76a及び第2作動油ライン76bが接続されており、前流側にはさらに排出ライン91aが接続されている。
【0027】
そして、前記緊急用切換弁74は、緊急用レバー74bの操作に基づいて、圧油ライン72を第1作動油ライン76aに接続し且つ第2作動油ライン76bを排出ライン91aに接続する通常位置(図2に示す位置)と、圧油ライン72を第1作動油ライン76a及び第2作動油ライン76bに接続する第2クラッチ強制係合位置とをとるようになっている。なお、該切換弁の位置制御は、前記緊急用レバー74bに代えて、通常時は通常位置に位置し、信号を受けると第2クラッチ係合位置をとるようにすることも可能である。該信号は、後述するコントローラを介して入力させても良いし、直接に入力させても良い。
【0028】
前記第1作動油ライン76aの後端は、レンジ切換弁78に接続されている。前記レンジ切換弁78の後流側には、第1係合側吸入ライン79a及び第1切断側吸入ライン79a’、並びに、第2吸入ライン79bが接続され、該レンジ切換弁78の前流側には、さらに、排出ライン91bが接続されている。
【0029】
前記第1係合側吸入ライン79a及び第1切断側吸入ライン79a’の後端は、それぞれ、前述のように、第1クラッチ装置の係合側油室211及び切断側油室212に連通され、第2吸入ライン79bの後端は第2クラッチ装置に連通されている。
【0030】
なお、前記第2作動油ライン76bは、チェック弁77を介して、前記第2吸入ライン79bに接続されている。該チェック弁77により、前記第2作動油ライン76bから第2吸入ライン79bには圧油が流れるが、その逆方向には圧油が流れないようになっている。
【0031】
そして、該レンジ切換弁78は、後述するコントローラ15からの信号に基づいて、第1作動油ライン76aを第1係合側吸入ライン79aに接続し且つ第1切断側吸入ライン79a’を排出ライン91bに接続させる第1クラッチ係合位置(図2に示す位置)と、作動油ライン76aを第1切断側吸入ライン79a’及び第2吸入ライン79bに接続し且つ第1係合側吸入ライン79aを排出ライン91bに接続させる第1クラッチ切断及び第2クラッチ係合位置とをとるようになっている。
【0032】
前記多段変速装置50は、略平行に配された第1軸51及び第2軸52と、該2軸間において動力を多段に変速して伝達する変速機構53とを備えている。本実施の形態においては、図1に示すように、前記第1軸及び第2軸として、それぞれ、前記駆動軸11に相対回転自在に外挿された筒軸51及び該筒軸に略平行に配された第2従動軸52を用いている。
【0033】
本実施の形態においては、前記変速機構53を低速段及び高速段の切換が可能な2段変速機構としている。即ち、前記変速機構53は、前記第1軸51及び第2軸52間において、それぞれ、高変速比及び低変速比で動力を伝達可能とされた高速段伝動機構54及び低速段伝動機構55と、該両伝動機構を切り換えるクラッチ機構56とを備えている。
【0034】
前記高速段伝動機構54は、前記筒軸51に相対回転不能に支持された高速側第1伝動部材54aと、前記第2従動軸52に相対回転自在に支持され且つ前記高速側第1伝動部材に作動的に連結された高速側第2伝動部材54bとを備えている。また、前記低速段伝動機構55は、前記筒軸51に相対回転不能に支持された低速側第1伝動部材55aと、前記第2従動軸52に相対回転自在に支持され且つ前記低速側第1伝動部材に作動的に連結された低速側第2伝動部材55bとを備えている。
【0035】
そして、前記クラッチ機構56は、前記高速側第2伝動部材54b及び第2従動軸52の係合/切断を行う高速段クラッチ装置57と、該高速段クラッチ装置と選択的に作動し、前記低速側第2伝動部材55b及び第2従動軸52の係合/切断を行う低速段クラッチ装置58とを備えている。
【0036】
本実施の形態においては、前記高速段クラッチ装置57を油圧式クラッチとし、前記低速段クラッチ装置58を機械式の爪クラッチとしている。
即ち、本実施の形態においては、図1及び図2に示すように、前記高速段クラッチ装置57を、前記第2従動軸52に相対回転自在且つ軸方向摺動不能に支持され、前記高速側第2伝動部材54bに連結された駆動側摩擦板57aと、前記第2従動軸52に相対回転不能且つ軸方向摺動自在に支持された従動側摩擦板57bと、圧油の作用によって前記従動側摩擦板57bを前記駆動側摩擦板57aに向かって押動させる押動部材57cと、該押動部材57cを従動側摩擦板57bから離間させる方向に付勢する付勢部材57dとを備えてなるものとしている。そして、低速段クラッチ装置58を、前記低速側第2伝動部材55bに連結された駆動側メンバ58aと、前記第2従動軸52に相対回転不能且つ軸方向摺動自在に支持され、前記駆動側メンバ58aと係合/切断するシフター58bとを備えるものとし、前記シフター58bと前記押動部材57cとを連結させている。
【0037】
ここで、図2を参照しつつ、前記低速段クラッチ装置用の油圧回路80について説明する。
該油圧回路80は、図2に示すように、油タンク90から油を吸入し、圧油を吐出する低速段クラッチ装置用油圧ポンプ81と、該油圧ポンプ81から吐出される圧油が流れる高速段クラッチ装置用圧油ライン82と、該圧油ライン82の後端に接続された高速/低速切換弁83と、該切換弁及び高速段クラッチ装置間を接続する作動油ライン84とを備えている。さらに、前記切換弁83の前端側には、排出ライン86が備えられている。また、前記圧油ライン82は、該圧油ライン82の油圧を設定するリリーフ弁85aの後流側において、潤滑油ライン88に分岐されている。該潤滑油ライン88は、前記クラッチ機構へ潤滑油を供給するためのものである。なお、図中、85bは、前記潤滑油ライン88の潤滑油圧を設定するリリーフ弁である。
【0038】
前記切換弁83は、外部からの操作(信号を含む)に基づいて、前記作動油ライン84を、圧油ライン82及び排出ライン86にそれぞれ連通させる高速段クラッチ係合位置及び低速段クラッチ係合位置をとるようになっている。
【0039】
前記切換弁83が高速段クラッチ係合位置をとる場合、圧油の作用によって高速段クラッチ装置の前記押動部材57cが、図2において左方向へ押動する。これによって、押動部材57cは付勢部材57dの付勢力に抗して従動側摩擦板57bを駆動側摩擦板57aに向けて押圧し、高速段クラッチ装置57が係合状態とされる。一方、前記押動部材57cに連結された,低速段クラッチ装置のシフター58bは、前記押動部材57cに連動して図2において左方向へ移動する。即ち、該シフター58bは駆動側メンバ58aから離間し、低速段クラッチ装置58は切断状態になる。
【0040】
これとは逆に、前記切換弁83が低速段クラッチ位置をとる場合、前記高速段クラッチ装置57へは圧油が供給されない。従って、付勢部材57dの付勢力によって押動部材57cは従動側摩擦板57bから離間する方向(図2において右方向)へ移動する。従って、高速段クラッチ装置57は切断状態となる。一方、前記シフター58bは、押動部材57cの斯かる移動に応じて、図2において右方向へ移動し、前記駆動側メンバ58aと係合する。従って、低速段クラッチ装置58は係合状態となる。
【0041】
このように、前記クラッチ機構56は、高速段クラッチ装置57又は低速段クラッチ装置58の何れか一方を選択的に係合させるようになっている。
【0042】
次に、前記切換弁83の位置制御について説明する。図1に示すように、HST20の油圧ポンプ22及び油圧モータ24を接続する油圧ラインのうち,前進時高圧となる油圧ライン20aに、圧力センサ87を設け、前記前進時高圧ライン20aの油圧信号をコントローラ15に入力させている。
【0043】
車道走行時等のように、走行に際し車輪に抵抗があまり掛からない場合には、該車輪に作動的に連結されHST出力軸23に大きな負荷は掛からない。従って、前進時高圧ライン20aの油圧は低いものとなる。一方、作業中等のように、走行に際し車輪に抵抗が掛かる場合には、前記HST出力軸23に大きな負荷が掛かる。従って、前進時高圧ライン20aの油圧は高くなる。
【0044】
このように、車輌走行状態に応じて前進時高圧ライン20aの油圧が変動する。従って、前記コントローラ15によって前進時高圧ライン20aの油圧を検知し、該油圧が設定値以下の場合には前記高速/低速切換弁83を高速側クラッチ係合位置に位置させ、設定値を越える場合には前記高速/低速切換弁83を低速側クラッチ係合位置に位置させるようにすれば、車道走行時等におけるように高速走行が適する場合には自動的に高速段クラッチ装置57を係合させ、作業中等におけるように低速走行が適している場合には自動的に低速段クラッチ装置58を係合させることが可能となる。
【0045】
なお、本実施の形態においては、前記高速段クラッチ装置57及び低速段クラッチ装置58の係合/切断を、前述のように、前進時高圧ライン20aの油圧に基づいて、自動的に制御するようにしたが、本発明は斯かる形態に限られるものではなく、種々の形態が適用できる。例えば、車輌に作業機が装着されている場合には、該作業機が作業位置にあるか否かを検知し、該検知信号に基づいて、高速段クラッチ装置及び低速段クラッチ装置の切換を行うこともできる。又、作業機の連結部分に歪みセンサーを設け、該歪みセンサーからの信号に基づいて、作業中と判断できる場合には低速段クラッチ装置を係合させるように構成することも可能である。さらには、マニュアル操作によって、高速段クラッチ装置57と低速段クラッチ装置58との係合/切断の切換を行っても良い。
【0046】
次に、以上の構成に係る走行用トランスミッションの各構成部材間の連動機構について、主に図2を参照しつつ説明する。なお、図2中、Pfmax及びPrmaxは、それぞれ、HSTの車輌前進方向最大出力時及び車輌後進方向最大出力時における斜板の揺動端を示している。即ち、斜板は、PfmaxとPrmaxとの間で揺動可能となっている。また、Nは、斜板のニュートラル位置を示している。
【0047】
油圧ポンプ22の斜板(図2においては図示せず)は、ポンプ容量制御軸26に支持されており、該軸の回転に伴って揺動するようになっている。該軸26には、コントローラ15に接続された斜板側ポテンシオメータ29が備えられている。そして、該ポテンシオメータ29からの信号に基づいて、コントローラ15が該軸26の回転角度を検出し得るようになっている。さらに、該軸26は、シフター28の基端部を相対回転不能に支持している。
【0048】
前記シフターの外方端部は、シリンダー309に軸線方向移動自在に内挿されたピストンロッドに連結されている。即ち、ピストンロッド310の軸線方向への移動に応じてシフターの外方端が揺動し、これによって、ポンプ容量制御軸26が回転し、斜板が揺動するようになっている。
【0049】
前記シリンダー309は、ピストンロッドの大径部310aによって、前進側油室309a及び後進側油室309bに分離されている。そして、該前進側油室309a及び後進側油室309bには、それぞれ、前進側ライン306及び後進側ライン307の後端部が接続されている。
【0050】
前記前進側ライン306及び後進側ライン307の前端部は、3位置切換弁305の後流側に接続されている。一方、該3位置切換弁305の前流側には、圧油ライン303及び排出ライン308が接続されている。即ち、前記3位置切換弁305は、前進側ライン306を圧油ライン303に接続し且つ後進側ライン307を排出ライン308に接続するF位置と、前進側ライン306及び後進側ライン307を閉塞するN位置と、前進側ライン306を排出ライン308に接続し且つ後進側ライン307を圧油ライン303に接続するR位置とをとるようになっている。なお、図2中、301は油タンク、302は油圧ポンプであり、304は圧油ラインの作動油圧を設定するリリーフ弁である。
【0051】
一方、前記斜板は、適宜の動力伝達機構を介して、走行変速操作手段に連結されている。本実施の形態においては、該走行変速操作手段として、変速レバー140を用いている。該変速レバー140は、変速レバー支持軸141に相対回転不能に支持されている。そして、該変速レバー支持軸141には、コントローラ15に接続された変速レバー用ポテンシオメータ131が備えられている。即ち、コントローラ15は、前記ポテンシオメータ131からの信号に基づいて、変速レバーの揺動角を検出する。
【0052】
以下、(i)前記緊急用切換弁74を通常位置に位置させた状態で、変速レバー140をレンジ1内で揺動させる場合(以下、ケース(i)という)、(ii)緊急用切換弁74を通常位置に位置させた状態で、レンジ1からレンジ2へ移行させ、レンジ2内で揺動させる場合(以下、ケース(ii)という)、及び(iii)緊急用切換弁74を第2クラッチ強制係合位置に位置させた場合(以下、ケース(iii)という)を例に、走行用トランスミッション1の伝動機構について説明する。
【0053】
ケース(i)
変速レバー用ポテンシオメータ131からの信号に基づいて、コントローラ15は、レンジ切換弁78に第1クラッチ係合位置をとらせる信号を出力する。
緊急用切換弁74が通常位置にある場合は、前述のように、圧油ライン72は、第1作動油ライン76aに連通されている。従って、レンジ切換弁が第1クラッチ係合位置に位置すると、第1係合側吸入ライン79aを介して係合側油室211に圧油が供給され、且つ、切断側油室212の圧油は第1切断側吸入ライン79a’及び排出ライン91bを介して排出される。これにより、第1クラッチ210は、前記押動部材210c及び付勢部材の作用に加えて、圧油の作用により、係合状態が維持される。
【0054】
前記第1クラッチ装置210が係合すると、遊星歯車装置30のキャリア34と出力軸23とが一体回転する。即ち、第1クラッチ装置210は、キャリア34と出力軸23との係合/切断を行う。
【0055】
太陽歯車31は出力軸23に相対回転不能に支持されているから、ケース(i)の場合、遊星歯車装置30の入力、制御及び出力の関係は、太陽歯車31及びキャリア34が入力且つ制御で、外輪体33が出力となる。この状態は、車輌を低速走行させる低速走行モードである。
【0056】
図5に、ケース(i)における遊星歯車装置30の回転速度ベクトル(角速度ベクトル)図を示す。図5(a)及び(b)は、それぞれ、ケース(i)において、HST20の出力を一方向に変化させた場合の回転速度ベクトル図である。即ち、図5(a)は、HSTを反時計回り方向(以下、正方向という)に少し出力させた場合、図5(b)はHSTを正方向に最大出力させた場合の回転ベクトル図である。
【0057】
前述のように、ケース(i)においては、太陽歯車31及びキャリア34に入力且つ制御としてのHST出力が入力し、外輪体33から出力を得ている。従って、太陽歯車31の回転速度、即ち、HST出力に比例して、外輪体33の回転速度が変化する(図5参照)。この状態は、車輌を低速走行させる低速走行モードである。
【0058】
一方、コントローラ15は、3位置切換弁305に対しては、以下の信号を出力する。
【0059】
・変速レバー140がニュートラル位置にある場合
コントローラ15は変速レバー用ポテンシオメータ131からの信号に基づいて、変速レバー140が斯かる位置にあることを検出する。これに応じて、該コントローラ15は、前記3位置切換弁305に対しN位置をとらせるような信号を出力する。3位置切換弁305がN位置をとる場合、シリンダー309には圧油が作用しないから、斜板はニュートラル位置に保持されたままである。従って、HSTの出力軸23は回転しない。
【0060】
前述のように、変速レバー140がレンジ1内にある場合、外輪体はHST出力に比例して回転する。従って、HSTの出力軸23が回転しない場合、即ち、変速レバーがニュートラル位置にある場合には、車輌は停止したままとなる。図4に、斜板角度と車速との関係を示す。図4(a)及び(b)はそれぞれ前記多段変速装置50の低速段クラッチ装置58が係合している場合及び高速段クラッチ装置57が係合している場合の,斜板角度と車速との関係を示している。
【0061】
・変速レバー140をニュートラル位置から車輌を前進させる一の方向(図2において反時計回り方向)へ揺動させた場合
コントローラ15は、変速レバー用ポテンシオメータ131からの信号に基づいて、変速レバー140の斯かる揺動を検出する。そして、これに応じて、該コントローラ15は、前記3位置切換弁305に対しF位置をとらせるような信号を出力する。3位置切換弁305がF位置をとる場合、圧油ライン303と前進側ライン306とが連通し且つ排出ライン307と後進側ライン307とが連通する。これにより、シリンダー309の前進側油室309aに圧油が流入し、ピストンロッド310は図2において右方向へ移動する。従って、シフター28がPfmax方向へ揺動して、斜板がHSTを正回転させる方向(伝動経路後流側を向いて反時計回り方向、以下、正方向という)へ揺動する。
【0062】
一方、斜板側ポテンシオメータ29から斜板の揺動角に関する信号がコントローラ15にフィードバックされる。コントローラ15は、変速レバー用ポテンシオメータ及び斜板側ポテンシオメータの双方からの信号に基づいて、斜板の揺動角が変速レバーの揺動角にリンクするように、3位置切換弁の位置制御を行う。即ち、コントローラ15は、前記両ポテンシオメータ131,29の信号に基づいて、3位置切換弁305をF位置とN位置との間で適宜移動させる。このようにして、変速レバー140の揺動角に応じたHST出力を得ている。
【0063】
前述のように、ケース(i)においては、太陽歯車31及び第1キャリア34に入力且つ制御としてのHST出力が入力し、外輪体から出力を得ているから、第1太陽歯車31の正方向(反時計回り方向)への回転速度が速くなるに従って、外輪体33の正方向への回転速度は速くなる(図5参照)。従って、HSTの正方向への出力増加、即ち、変速レバーの前記一方向への傾斜に従って、外輪体33の正方向への回転速度、即ち、第1従動軸13の正方向への回転速度が速くなり、前進方向への車速が増加する(図4におけるレンジ1の右方向部分参照)。
【0064】
・変速レバー140をニュートラル位置から車輌を後進させる他の方向(図2において時計回り方向)へ揺動させた場合
この場合には、遊星歯車装置30の各構成部材の回転方向が負方向(時計回り方向)である点を除き、変速レバー140を前記一方向へ傾斜させた場合と同様である。即ち、変速レバーを前記他方向へ傾斜させるに従って、後進方向への車速が増加する(図4におけるレンジ1の左方向部分参照)。
【0065】
ケース(ii)
次に、変速レバー140がレンジ1からレンジ2へ移行する場合、即ち、図2において変速レバーがa1点に達した場合を説明する。コントローラ15が、ポテンシオメータ131の信号に基づいて、変速レバー140がa1点に達したことを検出すると、これに応じて、コントローラ15は、レンジ切換弁78に対して、作動油ライン76aを第1切断側吸入ライン79a’及び第2吸入ライン79bに接続し且つ第1係合側吸入ライン79aを排出ライン91bに接続させる第1クラッチ切断及び第2クラッチ係合位置をとらせる。
【0066】
従って、第2吸入ライン79b及び第1切断側吸入ライン79a’に圧油が供給され、且つ、第1係合側吸入ライン79bは排出ライン91bに接続される。これにより、第2クラッチ装置220は、第2吸入ライン79b及び第1切断側吸入ライン79a’を介して供給される圧油の作用によって、係合状態とされる。他方、第1クラッチ装置においては、係合側油室211の圧油が第1係合側吸入ライン79a及び排出ライン91bを介して排出され、且つ、切断側油室212へは第1切断側吸入ラインを介して圧油が供給される。従って、第1クラッチ装置が切断状態とされる。
【0067】
なお、第2クラッチ装置係合状態からレンジ切換弁78を第1クラッチ装置係合位置に位置させた場合、第2クラッチ装置220内の圧油は、第2吸入ライン79b、チェック弁77、第2作動油ライン76b、緊急切換弁74及び排出ライン91aを介して、排出される。従って、第2クラッチ装置220は、確実に切断状態とされる。
【0068】
このように、ケース(ii)においては、第1クラッチ装置210が切断し、且つ、第2クラッチ装置220が係合状態となる。第2クラッチ装置220が係合すると、駆動軸11の動力が適宜の動力伝達機構を介してキャリア34に入力される。即ち、第2クラッチ装置220は、キャリア34と駆動軸11との係合/切断を行う。
【0069】
第1クラッチ装置210が切断し且つ第2クラッチ装置220が係合すると、遊星歯車装置のキャリア34に駆動軸11の動力が入力し、且つ、太陽歯車31に制御入力としてのHST出力が入力することになる。この第2クラッチ装置220のみが係合する場合、走行用トランスミッション1は高速走行モードとなる。
【0070】
図6に、ケース(ii)における遊星歯車装置30の回転速度ベクトル(角速度ベクトル)図を示す。図6(a)〜(c)は、それぞれ、ケース(ii)において、HSTの出力を正方向から負方向へ変化させた場合の回転ベクトル図である。
【0071】
前述のように、ケース(ii)においては、太陽歯車31に制御入力としてのHST出力が入力し、キャリア34に駆動軸11からの一定動力が入力され、外輪体から出力を得ている。従って、図6に示すように、太陽歯車の負方向への高速回転に応じて、外輪体の正方向への回転速度が増速する(図5参照)。即ち、ケース(ii)においては、図7に示すように、HST出力を負方向へ増加させるように斜板を揺動させれば、それに応じて、車輌の前進速度が増加する。つまり、ケース(ii)においては、HST出力(斜板の揺動角)に反比例して、車速が変化する。
【0072】
ここで、ケース(ii)が高速走行モードとなる理由について説明する。
ケース(i)におけるHST最高出力状態で、レンジ切換弁78を操作して第2クラッチ220を係合させるとする。ケース(i)及びケース(ii)の何れにおいても、太陽歯車31へはHST出力が入力されるから、レンジ切換弁78の切換時点においても太陽歯車31の回転方向及び回転速度は等しい。
【0073】
一方、ケース(ii)においては、キャリア34に駆動軸11から一定の動力が入力されるから、該キャリア34の回転速度(遊星歯車32の公転速度)を、ケース(i)のHST最高出力状態(図5(b)の状態)におけるキャリア34の回転速度(遊星歯車32の公転速度)と等しくなるように、駆動軸11からキャリア34へ至る伝動歯車列の減速比を設定しておくと、レンジ切換弁78の切換時点における外輪体33の回転速度及び回転方向は、ケース(i)における図5(b)の状態と等しくなる。なお、キャリア34の回転速度及び回転方向の設定は、駆動軸11からキャリア34への動力伝達部材の歯数比により行うことができる。
【0074】
このように、ケース(i)とケース(ii)との間の切換時点においては、太陽歯車31,キャリア34及び外輪体33の回転速度及び回転方向が変化しないように設定しておく。ケース(ii)においては、この状態からHST出力を負方向へ変化させると、外輪体33が正方向へさらに増速回転する(図6(a)〜(c)参照)。従って、ケース(ii)においては、ケース(i)の低速走行モード場合に比して、外輪体33がより高速回転する高速走行モードとなる。
【0075】
以上のように、ケース(ii)の場合、HST出力を負方向へ変化させるように斜板を揺動させると、これに応じて、外輪体33はケース(i)におけるよりも高速範囲において、正方向に増速回転し、これによって、第1従動軸13が正方向に増速回転する。
【0076】
一方、コントローラ15は、前記3位置切換弁305に対しては、R位置をとらせる信号を出力する。3位置切換弁305がR位置をとると、圧油ライン303と後進側ライン307とが連通し且つ排出ライン307と前進側ライン306とが連通する。これにより、シリンダー309の後進側油室309bに圧油が流入し、ピストンロッド310は図3において左方向へ移動する。従って、シフター28がPrmax方向へ揺動して、斜板がHSTを負回転させる方向へ揺動する。
【0077】
そして、斜板側ポテンシオメータ29からのフィードバック信号及び変速レバー側ポテンシオメータ131の信号に基づいて、コントローラ15は、3位置切換弁305をR位置とN位置との間で適宜移動させる。即ち、レンジ2においては、変速レバーを前記一方向へ傾斜させるに従って、斜板はHST出力を負方向へ変化させるように、揺動させられる。
【0078】
このように、変速レバー140がレンジ2に位置する場合、変速レバーの前記一方向への傾斜に従ってHST出力は負方向へ変化するから、太陽歯車は変速レバーの前記一方向への傾斜に従って正方向から負方向へ回転する。
【0079】
従って、変速レバーがレンジ2に位置する場合、変速レバーの前記一方向への傾斜に応じて、外輪体33はレンジ1におけるよりも高速範囲において、正方向に増速回転し、これによって、第1従動軸13が正方向に増速回転して車輌の前進速度が増速する(図4におけるレンジ2部分参照)。
【0080】
ケース(iii)
ケース(iii)においては、第2クラッチ装置220の双方ともに係合状態とされる。前記第1クラッチ装置210は、前述のように、外部操作を受けない限り、係合状態とされている。従って、第2クラッチ装置を強制的に係合させると、第1クラッチ装置210によって、太陽歯車31,出力軸23及びキャリア34が一体にさせられた状態で、第2クラッチ装置220を介してキャリア34に駆動軸11から動力が入力される。
【0081】
従って、ケース(iii)においては、HST20が故障した場合であっても、駆動軸11からの動力を外輪体33に伝達することができ、これにより、車輌を前進させることが可能となる。
【0082】
このように構成された走行用トランスミッション1においては、前記種々の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
即ち、駆動源100に作動的に連結された主駆動軸10と、該主駆動軸10を介して入力される動力を無段変速して出力軸23から出力するHST20と、前記出力軸23に略平行に配設され、駆動源100から動力が入力される駆動軸11と、前記出力軸23に相対回転不能に支持された太陽歯車31を有する遊星歯車装置30と、前記遊星歯車装置のキャリア34及び前記出力軸23の係合/切断を行う第1クラッチ装置210と、前記キャリア34及び前記駆動軸11の係合/切断を行う第2クラッチ装置220とを備えるようにしたので、前記各クラッチ装置の係合/切換を制御することによって、車輌走行中に、無理なく低速走行モードから高速走行モードへの切換を行うことができ、且つ、各モードにおける無段変速を行うことができる。
【0083】
さらに、本実施の形態においては、HSTの斜板を操作する変速レバーと、該変速レバーの揺動角を検知するポテンシオメータ131とを備え、該変速レバー140の揺動角に応じて、第1クラッチ装置を係合させ且つ第2クラッチ装置を切断させる低速走行モードと、第1クラッチ装置を切断させ且つ第2クラッチ装置を係合させる高速走行モードとを切り換えるようにしたので、1つの操作レバーでHST及び各クラッチ装置の操作ができ、操作性を向上させることができる。
【0084】
さらに、前記変速レバーを一方向へ揺動させることによって、低速走行モード及び高速走行モードが切り換わるように構成しているので、より操作性を向上させることが可能となっている。
【0085】
また、本実施の形態においては、第1クラッチ装置210を、圧油の作用がない限り係合状態をとるように構成しているので、各クラッチ装置用の油圧回路が正常に作動しなくなった場合であっても、ケース(i)の低速走行モードでの車輌走行が可能となる。即ち、クラッチ装置用油圧回路が故障した場合であっても、第1クラッチ装置210は係合状態のままである。従って、ケース(i)(低速走行モード)における走行が可能となる。
【0086】
さらに、第2クラッチ装置を強制的に係合状態とさせ得るように構成しているので、HSTが故障した場合であっても、車輌を走行させることが可能となる。即ち、第2クラッチ装置を係合させると、駆動軸11からキャリアに動力が伝達される。従って、第1クラッチ装置によって太陽歯車とキャリアとを一体としておくと、キャリアの回転に応じて外輪体が回転し、これにより、車輌が走行可能となる。
【0087】
また、多段変速装置(本実施の形態においては2段変速装置)を設けたので、該多段変速装置の変速段数に応じた複数の車速変速比を得ることができる(図4参照)。さらに、該多段変速装置の変速段の切換を、自動的に行えるように構成しているので、車輌の操作性を向上させることができる。
【0088】
なお、本実施の形態においては、前記主駆動軸10からHST20へ直接に動力を入力させたが、本発明は斯かる形態に限られるものではない。例えば、これに代えて、図7に示すように、HST20に入力軸21を備え、該入力軸21と主駆動軸10とを適宜の動力伝達機構で連結することも可能である。
【0089】
さらに、本実施の形態においては、主駆動軸10と駆動軸11とを別体とし、両者を軸線回り相対回転不能に連結したが、両者を一体とすることもできる。斯かる場合、主駆動軸のうち,第2クラッチ装置への動力伝達機構を支持する部分が駆動軸となる。
【0090】
また、本実施の形態においては、主駆動軸10と駆動軸11とを同軸上に配設したが、本発明は斯かる形態に限られるものではない。例えば、図7に示すように、HST20に入力軸21を備える場合には、該入力軸21を後段側へ延在させ、該入力軸21と駆動軸11とを軸線回り相対回転不能に連結させ、これにより、駆動軸11に主駆動軸10を介して駆動源からの動力が伝達されるように構成することもできる。
【0091】
また、本実施の形態においては、前記第1クラッチ装置及び第2クラッチ装置を多板式クラッチとしたが、当然ながら、本発明は斯かる形態に限られるものではない。例えば、図8に示すように、ドッグクラッチ又はコンスタントメッシュクラッチ等の機械式クラッチを用い、これにより、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0092】
即ち、図8に示すように、第1クラッチ装置210’及び第2クラッチ装置220’を選択的に切り換えるクラッチスライダ231を設け、該クラッチスライダ231を油圧ピストン232によって操作するように構成することができる。該油圧ピストン232は、付勢部材によって、圧油の作用を受けない限り、前記クラッチスライダ232を第1クラッチ装置210’係合側へ移動させるものとすることができる。そして、前記油圧ピストン232への圧油の供給はレンジ切換弁78’で行い、該レンジ切換弁78’の位置制御は本実施の形態におけると同様にコントローラ15からの信号に基づいて行うことができる。なお、図8に示す形態においては、製造コストの低廉化の為に、緊急用切換弁74を用いていない。
【0093】
【発明の効果】
本発明に係る車輌の走行用トランスミッションによれば、駆動源に作動的に連結された主駆動軸と、前記駆動源から前記主駆動軸から入力し、斜板の操作に応じて無段変速された正方向及び逆方向の動力を出力軸から出力する無段変速装置と、前記無段変速装置の出力軸と略平行に配設され、前記主駆動軸を介して駆動源からの動力が入力される駆動軸と、前記出力軸に相対回転不能に支持された太陽歯車、該太陽歯車と噛合し該太陽歯車回りを公転する遊星歯車、該遊星歯車の公転に従って回転するキャリア、及び前記遊星歯車と噛合する内歯歯車が設けられた外輪体を有し、前記外輪体から出力を行う遊星歯車装置と、前記キャリアと前記出力軸との係合/切断を行う第1クラッチ装置と、前記キャリアと前記駆動軸との係合/切断を行う第2クラッチ装置とを備え、前記第1クラッチ装置を係合させ且つ前記第2クラッチ装置を切断させた低速走行モードにおいては前記無段変速装置の正方向及び逆方向への出力に比例して前記外輪体の正方向及び逆方向への回転速度がそれぞれ増速し、前記第1クラッチ装置を切断させ且つ前記第2クラッチ装置を係合させた高速走行モードにおいては前記無段変速装置の正方向から逆方向への出力変化に比例して前記外輪体の正方向への回転速度が増速し、低速走行モードにおいて前記無段変速装置が正方向へ最高出力とされた際の前記外輪体の正方向への回転速度と高速走行モードにおいて前記無段変速装置が逆方向へ最高出力とされた際の前記外輪体の正方向への回転速度とが等しくなるように、前記駆動軸から前記キャリアへの減速比が設定されているので、車輌走行中において、低速走行モードから高速走行モードに亘る変速操作を無理なく行うことができ且つ各走行モードにおいて無段変速することができる。
【0094】
また、前記斜板に連結された走行変速操作手段と、前記走行変速操作手段の揺動角を検出する揺動角検出装置とを備え、前記揺動角検出装置からの信号に基づいて、第1クラッチ装置を係合させ且つ第2クラッチ装置を切断させる低速走行モードと、第1クラッチ装置を切断させ且つ第2クラッチ装置を係合させる高速走行モードとを切り換えるように構成すれば、1つの走行変速操作手段によって、無段変速装置及びクラッチ装置の操作を行うことが可能となり、操作性を向上させることができる。
【0095】
また、前記走行変速操作手段を一方向へ揺動させることによって、前記低速走行モードから高速走行モードが順に切り換わるようにすれば、さらに操作性を向上させることができる。
【0096】
また、前記第1クラッチ装置は、通常状態において係合し、且つ、前記揺動角検出装置からの信号に基づいて切断されるようにしておけば、前記クラッチ装置の係合/切換を行う装置が故障した場合であっても、低速走行モードでの車輌走行が可能となる。即ち、例えば、前記クラッチ装置が油圧式クラッチである場合において、油圧回路が故障した場合であっても、低速走行モードでの車輌走行が可能となる。
【0097】
さらに、前記第2クラッチ装置を強制的に係合させる係合装置を備えておけば、無段変速装置が故障した場合であっても、第2クラッチ装置を介して駆動軸からキャリアに動力を伝達することができる。従って、無段変速装置の故障時においても車輌を走行させることが可能となる。
【0098】
また、多段変速装置を備えておけば、該多段変速装置の変速段数に応じた変速比を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る走行用トランスミッションの好ましい一実施の形態が適用された車輌の伝動経路図である。
【図2】 図2は、図1に示す走行用トランスミッションに関連する部分の油圧回路図である。
【図3】 図3は、図1に示す走行用トランスミッションにおける遊星歯車装置の横断面図である。
【図4】 図4は、図1に示す車輌における車速と油圧ポンプ斜板の傾斜角との関係を示す波形図である。
図4(a)及び(b)は、それぞれ、多段変速装置が低変速段及び高変速段に係合している場合の波形図である。
【図5】 図5は、ケース(i)の低速走行モードにおける遊星歯車装置の速度ベクトル図である。
図5(a)及び(b)は、それぞれ、ケース(i)において無段変速装置を正方向へ低出力及び高出力とした場合の速度ベクトル図を示している。
【図6】 図6は、ケース(ii)の高速走行モードにおける遊星歯車装置の速度ベクトル図である。
図6(a)〜(c)は、それぞれ、ケース(ii)において無段変速装置の出力を正方向か負方向へ変化させていった場合の速度ベクトル図を示している。
【図7】 図7は、図1に示す走行用トランスミッションの変形例が適用された車輌の伝動経路図である。
【図8】 図8は、図1に示す走行用トランスミッションにおける第1クラッチ装置及び第2クラッチ装置の変形例を示す油圧回路図である。
【符号の説明】
1 走行用トランスミッション
10 主駆動軸
11 駆動軸
13 第1従動軸
20 HST
22 油圧ポンプ
23 出力軸
24 油圧モータ
25 斜板
30 遊星歯車装置
31 太陽歯車
32 遊星歯車
33 外輪体
34 キャリア
50 多段変速装置
100 駆動源
110 駆動輪
210 第1クラッチ装置
220 第2クラッチ装置

Claims (7)

  1. 駆動源から駆動輪へ至る伝動経路に介在される車輌の走行用トランスミッションであって、
    前記駆動源に作動的に連結された主駆動軸と、
    少なくとも一方が可変容積型とされた油圧ポンプ及び油圧モータを有する無段変速装置であって、前記駆動源からの動力を前記主駆動軸から入力し、斜板の操作に応じて無段変速された正方向及び逆方向の動力を伝動経路後段側へ延びた出力軸から出力する無段変速装置と、
    前記無段変速装置の後段側において前記出力軸と略平行に配設され、前記主駆動軸を介して駆動源からの動力が入力される駆動軸と、
    前記出力軸に相対回転不能に支持された太陽歯車、該太陽歯車と噛合し該太陽歯車回りを公転する遊星歯車、該遊星歯車の公転に従って回転するキャリア、及び前記遊星歯車と噛合する内歯歯車が設けられた外輪体を有し、前記外輪体から出力を行う遊星歯車装置と、
    前記キャリアと前記出力軸との係合/切断を行う第1クラッチ装置と、
    前記キャリアと前記駆動軸との係合/切断を行う第2クラッチ装置とを備え
    前記第1クラッチ装置を係合させ且つ前記第2クラッチ装置を切断させた低速走行モードにおいては前記無段変速装置の正方向及び逆方向への出力に比例して前記外輪体の正方向及び逆方向への回転速度がそれぞれ増速し、
    前記第1クラッチ装置を切断させ且つ前記第2クラッチ装置を係合させた高速走行モードにおいては前記無段変速装置の正方向から逆方向への出力変化に比例して前記外輪体の正方向への回転速度が増速し、
    低速走行モードにおいて前記無段変速装置が正方向へ最高出力とされた際の前記外輪体の正方向への回転速度と高速走行モードにおいて前記無段変速装置が逆方向へ最高出力とされた際の前記外輪体の正方向への回転速度とが等しくなるように、前記駆動軸から前記キャリアへの減速比が設定されていることを特徴とする走行用トランスミッション。
  2. 前記斜板に連結された走行変速操作手段と、
    前記走行変速操作手段の揺動角を検出する揺動角検出装置とを備え、
    前記揺動角検出装置からの信号に基づいて、
    前記第1クラッチ装置を係合させ、且つ、前記第2クラッチ装置を切断させる低速走行モードと、
    前記第1クラッチ装置を切断させ、且つ、前記第2クラッチ装置を係合させる高速走行モードとを切り換えるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の走行用トランスミッション。
  3. 前記走行変速操作手段を一方向へ揺動させることによって、前記低速走行モードから高速走行モードへ切り換わることを特徴とする請求項2に記載の走行用トランスミッション。
  4. 前記第1クラッチ装置は、通常状態において係合し、且つ、前記揺動角検出装置からの信号に基づいて切断されることを特徴とする請求項2又は3に記載の走行用トランスミッション。
  5. 前記第2クラッチ装置を強制的に係合させる係合装置が備えられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の走行用トランスミッション。
  6. 前記遊星歯車装置の伝動経路後段側に配され、該遊星歯車装置の外輪体から出力される動力を多段に変速可能な多段変速装置を、さらに備えていることを特徴とする請求項1からの何れかに記載の走行用トランスミッション。
  7. 前記多段変速装置は、車輌を高速走行させる高速変速段と、車輌を低速走行させる低速変速段とを有し、
    前記車輌が高負荷状態で走行する場合には低速変速段が係合し、且つ、車輌が低負荷状態で走行する場合には高速変速段が係合するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の走行用トランスミッション。
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