JPH06228385A - ポリプロピレン組成物 - Google Patents

ポリプロピレン組成物

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JPH06228385A
JPH06228385A JP4054493A JP4054493A JPH06228385A JP H06228385 A JPH06228385 A JP H06228385A JP 4054493 A JP4054493 A JP 4054493A JP 4054493 A JP4054493 A JP 4054493A JP H06228385 A JPH06228385 A JP H06228385A
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JP
Japan
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propylene
ethylene
weight
random copolymer
ethylene content
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JP4054493A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Taki
敬之 滝
Kunihiko Imanishi
邦彦 今西
Masashi Nakajima
雅司 中島
Satoshi Ueki
聰 植木
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)エチレン含量3.0 〜7.0 重量%のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体50〜85重量%
と、(b)エチレン含量0.1 〜1.0 重量%のプロピレン
−エチレンランダム共重合体50〜15重量%と、前記
(a)と(b)の合計100重量部に対して(c)下記
一般式 【化1】 (式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立して水素原
子、炭素数1〜5の低級アルキル基またはハロゲン原子
を表わし、mおよびnは0〜5の整数を表わす。)で示
されるソルビトール系化合物0.05〜0.4 重量部とを含有
することを特徴とするポリプロピレン組成物。 【効果】 透明性、衝撃強度および剛性の物性バランス
に優れ、医療品、雑貨などの分野に利用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性、耐衝撃性およ
び剛性の物性バランスに優れたポリプロピレン組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】ポリプロピレン樹脂は、
軽量で成形性に優れ、剛性、耐熱性などの機械的特性に
も優れているので各種の用途に広く利用されているが、
結晶性が高いために透明性が悪く、また耐衝撃性に乏し
いためにその利用分野が制限されている。プロピレンに
少量のエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1等のα−オ
レフィン類をランダム共重合させるとプロピレン単独重
合体に比べて透明性や衝撃強度が改善されるため、この
プロピレン共重合体を主要成分とする組成物の成形品が
日用雑貨品の分野などを中心に広く使用されており、現
在国内で製造されているポリプロピレン樹脂としてはこ
のポリプロピレン共重合体がかなりの割合を占めるに至
っている。しかしながら、プロピレン−α−オレフィン
共重合体は、プロピレン単独重合体に比較すると剛性が
かなり劣るという欠点がある。
【0003】剛性を向上させる方法としては、共重合体
中のα−オレフィン含有率を低下させる方法、および共
重合体中でのポリプロピレンブロックが高結晶性となる
触媒系を用いて共重合する方法の2つが考えられている
が、いずれの方法を用いても剛性を向上させるとその
分、衝撃強度が低下するという問題がある。また、添加
剤の面から物性の解決を目指したものとして、プロピレ
ン単独重合体にジベンジリデンソルビトールあるいはビ
ス(アルキルベンジリデン)ソルビトールを配合して、
透明性と剛性とを同時に改良し得ることが知られている
が、耐衝撃性については、むしろ配合前のプロピレン単
独重合体よりも低下する傾向があった。
【0004】更に、特定割合のプロピレン単独重合体ブ
ロック(15〜85重量部)とエチレン含量2〜15重
量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体ブロック
(85〜15重量部)とからなるプロピレン系ブロック
共重合体に前記ソルビトール化合物類を添加したポリプ
ロピレン組成物が剛性、透明性および耐衝撃性に優れた
組成物である旨の開示があるが(特公平 4-32861号公
報)、それらの組成物における耐衝撃性と剛性との物性
バランスは、まだ充分とはいえなかった。従って、本発
明の目的は一般的な方法で製造したプロピレン−エチレ
ンランダム共重合体よりなる組成物であって、透明性を
維持しながら剛性および耐衝撃性の物性バランスが向上
したポリプロピレン組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体の衝撃強度はエチレン含量が増大し、非
晶質部分が増えると急激に向上するが、剛性はエチレン
含量が減少し結晶性部分が増えプロピレン単独重合体に
近づくにつれて急激に向上する。そこで、エチレン含量
の高いプロピレン−エチレンランダム共重合体と、エチ
レン含量の低いプロピレン−エチレンランダム共重合体
あるいはプロピレン単独重合体とを混合することにより
衝撃強度と剛性のバランスのとれた組成物となることが
期待出来る。
【0006】結晶性ポリオレフィンの衝撃強度と分子構
造との関係については明確な理論は確立してはいない
が、結晶部分と結晶部分とをつなぐ役割をする非晶質の
タイ分子と呼ばれる分子がどれだけ存在するかが大きな
因子となっているものと考えられている。そこで本発明
者らは、衝撃強度と剛性のバランスのとれた組成物を得
るべくエチレン含量の高いプロピレン−エチレンランダ
ム共重合体とエチレン含量の低いプロピレン−エチレン
ランダム共重合体あるいはプロピレン単独重合体との溶
融混練組成物について検討した。その結果、エチレン含
量の高いプロピレン−エチレンランダム共重合体とプロ
ピレン単独重合体とを単純に配合混練しても衝撃強度と
剛性のバランスは殆ど向上しないが、プロピレン単独重
合体に代えてエチレン含量の低いプロピレン−エチレン
ランダム共重合体を使用し、それぞれの共重合体のエチ
レン含量および配合割合を調整することにより衝撃強度
と剛性の物性バランスが飛躍的に向上し、さらに添加剤
としてソルビトール系化合物を少量添加すると、高エチ
レン含量単独のプロピレン−エチレンランダム共重合体
と同等の高い透明性が維持できることを確認して、本発
明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、(a)エチレン含量
3.0 〜7.0 重量%のプロピレン−エチレンランダム共重
合体50〜85重量%と、(b)エチレン含量0.1 〜1.
0 重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体50
〜15重量%と、前記(a)と(b)の合計100重量
部に対して(c)下記一般式
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立
して水素原子、炭素数1〜5の低級アルキル基またはハ
ロゲン原子を表わし、mおよびnは0〜5の整数を表わ
す。)で示されるソルビトール系化合物0.05〜0.4 重量
部とを含有することを特徴とするポリプロピレン組成物
にある。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。本発明にお
いて、ポリプロピレン組成物の(a)成分および(b)
成分のプロピレン−エチレンランダム共重合体とは、プ
ロピレンから誘導される繰り返し単位と、エチレンから
誘導される繰り返し単位とがランダムに共重合したもの
であり、このような共重合体は従来のランダム共重合体
の製造方法を適用して製造することができる。具体的に
は、不活性溶媒の存在下または非存在下に触媒を用いて
プロピレンとエチレンを共重合させる。触媒としては、
特に限定されるものではないが、マグネシウム担持型、
三塩化チタニウム型などのチーグラー型触媒が好ましく
用いられる。また、エチレン含有量は製造時のエチレン
供給量により調整することが出来る。
【0011】本発明においては、(a)成分としてエチ
レン含量の高いプロピレン−エチレンランダム共重合体
を、また(b)成分としてエチレン含量の低いプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体を使用する。ここで、
(a)成分のエチレン含量の高いプロピレン−エチレン
ランダム共重合体とはエチレン含量が3.0 〜7.0 重量%
のものであり、特に3.5 〜6.0 重量%のものが好まし
い。また、(b)成分のエチレン含量の低いプロピレン
−エチレンランダム共重合体とはエチレン含量が0.1 〜
1.0 重量%のものであり、特に0.1 〜0.5 重量%のもの
が好ましい。(a)成分および(b)成分のエチレン含
有量が上記範囲以外だと、耐衝撃性および剛性のいずれ
かが大幅に低下してしまい、物性バランスの良好なもの
とはならない。また、これらのプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体は市販品の中から適宜選択して用いるこ
ともできる。
【0012】本発明においては、高エチレン含量の共重
合体(a)と、低エチレン含量の共重合体(b)との配
合割合は、(a)成分が50〜85重量%、(b)成分
が50〜15重量%であり、好ましくは(a)成分が5
0〜70重量%、(b)成分が50〜30重量%であ
る。高エチレン含量の共重合体(a)の割合が85重量
%を超えると(低エチレン含量の共重合体(b)が15
重量%未満であると)、衝撃強度と剛性の物性バランス
の向上は殆ど見られない。また高エチレン含量の共重合
体(a)の割合が50重量%未満であると(低エチレン
含量の共重合体(b)が50重量%を超えると)、全体
のエチレン含量が低くなり衝撃強度が低下する。
【0013】本発明では、透明性を配合前の(a)成分
のプロピレン−エチレンランダム共重合体レベルに維持
するために透明核剤として(c)下記一般式
【0014】
【化3】 (式中、R1 、R2 、mおよびnは前記と同じ意味を表
わす。)
【0015】で示されるソルビトール系化合物を配合す
る。具体的には、例えば、1,3,2,4-ジベンジリデンソル
ビトール、1,3,2,4-ビス(パラメチルベンジリデン)ソ
ルビトール、1,3,2,4-ビス(パラエチルベンジリデン)
ソルビトール、1,3,2,4-ビス(パラクロルベンジリデ
ン)ソルビトールなどが挙げられる。これらソルビトー
ル系化合物は、前記樹脂成分(a)と(b)との合計1
00重量部に対して、0.05〜0.4 重量部、好ましくは0.
15〜0.3 重量部配合される。ソルビトール系化合物が0.
05重量部未満だと透明性の改善が充分でなく、0.4 重量
部を超えるとブリーディングの問題が起きる。また製造
コスト的にも好ましくない。
【0016】また、本発明においては、組成物の特性を
損なわない範囲内でその他の配合剤を添加することがで
きる。配合剤の具体例としては、紫外線吸収剤、中和
剤、滑剤、その他の樹脂、顔料、各種充填剤、難燃性物
質、酸化防止剤などが挙げられる。これらの配合剤は1
種または2種以上を適宜組合わせて使用することができ
る。
【0017】本発明のポリプロピレン組成物は前記成分
(a)、成分(b)、ソルビトール系化合物および所望
により前記配合剤を溶融混練することにより製造するこ
とができる。溶融混練の方法としては従来公知の各種方
法が採用可能である。すなわち、バッチ式混練機を用い
て一括混練する方法、あるいはバンバリーミキサー、ブ
ラベンダー、混練ロール、一軸押出機、二軸押出機等の
混練機を用いて混練する方法等を例示することができ
る。混練の温度は170〜300℃、好ましくは220
〜280℃の範囲である。以上のようにして得られた本
発明のポリプロピレン組成物はエチレン含量が1.8 〜5.
0 重量%であり、またメルトフローレートは5〜40g/
10分である。
【0018】
【実施例】以下の実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、下記の例により本発明は何等限
定されるものではない。
【0019】 参考例1:触媒(活性化三塩化チタン)の調製 撹拌機を取り付けた2リットルのフラスコを0℃に保っ
た恒温水槽中に設置し、このフラスコに700mlの精
製ヘプタンと250mlの四塩化チタンを加えて混合し
た。次いでこの四塩化チタンのヘプタン溶液の温度を0
℃に保持しながら315mlのジエチルアルミニウムク
ロリド、117mlのエチルアルミニウムジクロリドお
よび400mlの精製ヘプタンからなる混合物を3時間
にわたって滴下混合した。滴下終了後、内容物を撹拌し
ながら加熱し1時間後に65℃とし、さらにこの温度で
1時間撹拌することによって還元固体を得た。得られた
還元固体を分離し、精製ヘプタンで洗浄後、減圧下65
℃で30分乾燥した。次に、この還元固体25gを10
0mlの精製ヘプタンに分散した懸濁液を調製し、次い
でこの懸濁液に還元固体中のチタン1グラム原子当り1
グラムモルに相当する量のヘキサクロルエタンを100
ml中に25gのヘキサクロルエタンを含む溶液の形で
加え、さらに還元固体中のチタン1グラム原子当り0.6
グラムモルに相当する量のジノルマルブチルエーテルを
加えて撹拌混合した。次に、この混合液を撹拌下に加熱
して80℃とし、5時間撹拌を行なった後、得られた固
体を100mlの精製ヘプタンで5回洗浄し、65℃で
30分間乾燥して触媒(活性化三塩化チタン)を調製し
た。
【0020】参考例2a:プロピレン−エチレンランダ
ム共重合体の調製 窒素置換をして充分に乾燥した5リットルのオートクレ
ーブに参考例1で調製した触媒100mg、ジエチルア
ルミニウムクロライド12ミリモル、およびn-ヘプタン
7mlを混合し5分間保持したものを入れた。ついで水
素を6.4 リットル(20℃,1気圧)、液体プロピレン
3リットル、およびエチレン13.0gを圧入した後、オー
トクレーブ内部温度を70℃に昇温し、重合を行なっ
た。重合中エチレンを毎分0.8 gの割合で連続的に系中
に供給した。1時間後、未反応プロピレン、エチレン、
および水素をパージした後、空気に触れないようにして
系内にn-ヘプタン・イソプロピルアルコールの50:5
0重量比の混合溶液を2リットル導入した。オートクレ
ーブ内部温度を撹拌下70℃に昇温し、30分後に内部
の溶液の上澄をデカンテーションして取り除いた。この
n-ヘプタン・イソプロピルアルコール混合溶液による脱
触媒操作は2回繰り返した。オートクレーブからポリマ
ーを取り出し乾燥した。得られたポリマーの全重量は7
85g、MFRは14.5g/10分であった。分析の結果、エ
チレンの含有量は6.0 重量%であった。
【0021】参考例2b〜2g:プロピレン−エチレン
ランダム共重合体の調製 水素の量およびエチレンの供給量を変更した以外は参考
例2aと同様の操作を行ない、ポリマーを得た。得られ
たポリマーのMFRおよびエチレンの含有量を第1表に
示す。
【0022】参考例3a:低エチレン含量プロピレン−
エチレンランダム共重合体の調製 窒素置換をして充分に乾燥した5リットルのオートクレ
ーブに参考例1で調製した触媒110mg、ジエチルア
ルミニウムクロライド12ミリモル、およびn-ヘプタン
7mlを混合し5分間保持したものを入れた。ついで水
素を6.4 リットル(20℃,1気圧)、液体プロピレン
3リットル、およびエチレン1.0 gを圧入した後、オー
トクレーブ内部温度を70℃に昇温し、重合を行なっ
た。重合中エチレンを毎分0.05gの割合で連続的に系中
に供給した。1時間後、未反応プロピレン、エチレン、
および水素をパージした後、空気に触れないようにして
系内にn-ヘプタン・イソプロピルアルコールの50:5
0重量比の混合溶液を2リットル導入した。オートクレ
ーブ内部温度を撹拌下70℃に昇温し、30分後に内部
の溶液の上澄をデカンテーションして取り除いた。この
n-ヘプタン・イソプロピルアルコール混合溶液による脱
触媒操作は2回繰り返した。オートクレーブからポリマ
ーを取り出し乾燥した。得られたポリマーの全重量は8
01g、MFRは14.5g/10分であった。分析の結果、エ
チレンの含有量は0.4 重量%であった。
【0023】参考例3b:低エチレン含量プロピレン−
エチレンランダム共重合体の調製 水素の量およびエチレンの供給量を変更した以外は参考
例3aと同様の操作を行ない、ポリマーを得た。得られ
たポリマーのMFRおよびエチレンの含有量を第1表に
示す。
【0024】参考例4:プロピレン単独重合体の調製 窒素置換をして充分に乾燥した5リットルのオートクレ
ーブに参考例1で調製した触媒120mg、ジエチルア
ルミニウムクロライド12ミリモル、、メチルメタクリ
レート0.06ミリモルおよびn-ヘプタン7mlを混合し5
分間保持したものを入れた。ついで水素を6.0 リットル
(20℃,1気圧)および液体プロピレン3リットルを
圧入した後、オートクレーブ内部温度を70℃に昇温
し、重合を行なった。1時間後、未反応プロピレンおよ
び水素をパージした後、空気に触れないようにして系内
にn-ヘプタン・イソプロピルアルコールの50:50重
量比の混合溶液を2リットル導入した。オートクレーブ
内部温度を撹拌下70℃に昇温し、30分後に内部の溶
液の上澄をデカンテーションして取り除いた。このn-ヘ
プタン・イソプロピルアルコール混合溶液による脱触媒
操作を2回繰り返した。オートクレーブからポリマーを
取り出し乾燥した。得られたポリマーの全重量は788
g、MFRは15.1g/10分であった。
【0025】
【表1】
【0026】実施例1〜4,比較例1〜5 前記参考例2a〜2fで得たプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体と参考例2gおよび3a〜3bで得た低エ
チレン含量プロピレン−エチレンランダム共重合体ある
いは参考例4で得たプロピレン単独重合体を第2表に示
す割合で配合し、下記式
【化4】
【0027】のゲルオールMD(1,3,2,4-ビス(パラメ
チルベンジリデン)ソルビトール:新日本理化社製)0.
2 重量部と2,6-ジ-t- ブチルヒドロキシトルエン(BH
T:住友化学社製)0.1 重量%とを添加した後、ミキサ
ーで混合し250℃で溶融混練した後、ペレット化し
た。このペレットを射出成形機により80×80×2m
mと100×10×4mmの試験片に成形した。このよ
うにして得られたポリプロピレン組成物のエチレン含
量、メルトフローレート(MFR)、透明性、デュポン
衝撃強度および剛性(曲げ弾性率)を測定した結果を第
2表に示す。また、デュポン衝撃強度と剛性(曲げ弾性
率)との関係を図1に示す。
【0028】
【表2】
【0029】なお、第2表に示した各物性の測定方法は
以下の通りである。 (1)メルトフローレート(MFR):ASTM D1238に従
って230℃、2.16kgの荷重で測定。 (2)透明性(Haze):JIS K 7105-1981 に準拠して測
定。 (3)デュポン衝撃強度:JIS K 7211-1976 に準拠して
測定。 (4)曲げ弾性率:JIS K 7203-1982 に準拠して測定。
【0030】第2表から明らかなように、エチレン含量
の高いプロピレン−エチレンランダム共重合体にプロピ
レン単独重合体を20重量%ブレンドした組成物(比較
例1)は、デュポン衝撃強度は良好であるが曲げ弾性率
が低く、プロピレン単独重合体を40重量%ブレンドす
ると(比較例2)、反対に曲げ弾性率は良好であるがデ
ュポン衝撃強度が低下する。同様にエチレン含量が3.0
重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体(比較
例4)は、曲げ弾性率は良好であるがデュポン衝撃強度
が低く、前記プロピレン−エチレンランダム共重合体よ
りも少しエチレン含量を増やした共重合体(比較例5)
は、デュポン衝撃強度は良好であるが曲げ弾性率が低下
する。そこで、エチレン含量が4.1 重量%のプロピレン
−エチレンランダム共重合体にエチレン含量が2.0 重量
%のプロピレン−エチレンランダム共重合体をブレンド
すると(比較例3)、デュポン衝撃強度および曲げ弾性
率の物性バランスはある程度向上するが満足できるレベ
ルではない。これらの組成物に対し、本発明のポリプロ
ピレン組成物(実施例1〜4)はデュポン衝撃強度およ
び曲げ弾性率の物性バランスに優れており、かつ透明性
も良好であることがわかる。
【0031】
【作用】本発明において、エチレン含量0.1 〜1.0 重量
%のプロピレン−エチレンランダム共重合体(b)の代
わりにプロピレン単独重合体を用いると耐衝撃性と剛性
のバランスは殆ど向上しない。これはエチレン含量の高
いプロピレン−エチレンランダム共重合体は、エチレン
含量の低いプロピレン−エチレンランダム共重合体と相
溶性はよいが、プロピレン単独重合体とは相溶性が悪い
ことに起因すると考えられる。効率よく混練された組成
物の方が分子の絡み合いが強くなるので耐衝撃性が強く
なるといえる。逆にエチレン含量が1.0 重量%を超すも
のは相溶性は良好だが2成分を混ぜ合わせる利点が小さ
くなるので衝撃強度と剛性のバランスは殆ど向上しな
い。すなわち、本発明のポリプロピレン組成物では、原
料となる高エチレン含量(非晶質)のプロピレン−エチ
レンランダム共重合体と低エチレン含量の結晶性プロピ
レン−エチレンランダム共重合体とが相溶性がよいた
め、結晶部分と結晶部分とをつなぐ役割をする前者のタ
イ分子が組成物中に均一に分布することにより、剛性、
透明性および耐衝撃性の物性バランスが良好なものとな
ると考えられる。
【0032】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン組成物は透明
性、衝撃強度および剛性の物性バランスに優れており、
これらの物性バランスが要求される分野、例えば医療
品、雑貨などに好ましく用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜4および比較例1〜5の組成物につ
いてのデュポン衝撃強度と剛性(曲げ弾性率)との関係
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植木 聰 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)エチレン含量3.0 〜7.0 重量%の
    プロピレン−エチレンランダム共重合体50〜85重量
    %と、(b)エチレン含量0.1 〜1.0 重量%のプロピレ
    ン−エチレンランダム共重合体50〜15重量%と、前
    記(a)と(b)の合計100重量部に対して(c)下
    記一般式 【化1】 (式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立して水素原
    子、炭素数1〜5の低級アルキル基またはハロゲン原子
    を表わし、mおよびnは0〜5の整数を表わす。)で示
    されるソルビトール系化合物0.05〜0.4 重量部とを含有
    することを特徴とするポリプロピレン組成物。
JP4054493A 1993-02-04 1993-02-04 ポリプロピレン組成物 Pending JPH06228385A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101226864B1 (ko) * 2010-12-21 2013-01-25 삼성토탈 주식회사 병뚜껑용 폴리프로필렌계 수지 조성물

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101226864B1 (ko) * 2010-12-21 2013-01-25 삼성토탈 주식회사 병뚜껑용 폴리프로필렌계 수지 조성물

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