JP3612373B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性、耐熱性が優れ、さらに柔軟性、耐衝撃性に優れた樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン系樹脂の柔軟性、耐衝撃性の改良方法として、結晶性ポリプロピレンにエチレンプロピレン共重合体ゴム、エチレンブテン共重合体ゴム、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどを添加する方法が一般に知られている。しかしながら、この様な配合の組成物では、成形品の透明性、耐熱性、柔軟性および耐衝撃性を同時に満足させることは困難であった。
【0003】
一方、特開平5−331328号公報には、ポリブテン成分、ポリプロピレン成分およびプロピレン−エチレン共重合体成分を含んでなる特定のプロピレン系ブロック共重合体をポリプロピレンに配合することによりポリプロピレン系樹脂の柔軟性および耐衝撃性を改良することに成功している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の方法においても透明性、耐熱性の点ではまだまだ不十分であり、透明性、耐熱性の求められる用途には使用が制限されているという問題があった。そこで、本発明は、上記した特定のプロピレン系ブロック共重合体とポリプロピレンとの組成物の柔軟性および耐衝撃性を損なうことなく、透明性、耐熱性を向上させたプロピレン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題を解決するために研究を重ねた結果、上記の特定のプロピレン系ブロック共重合体とポリプロピレンとの組成物にさらに特定のポリエチレンを配合することにより、柔軟性および耐衝撃性を保持しつつ透明性、耐熱性の優れた樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、(A)ポリブテン成分、ポリプロピレン成分、およびプロピレン−エチレンランダム共重合体成分を含むブロック共重合体であって、ポリブテン成分が0.01〜5重量%、ポリプロピレン成分が1〜70重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分が25〜98.99重量%であり、該プロピレン−エチレンランダム共重合体成分はエチレンに基づく単量体単位を10〜40モル%、プロピレンに基づく単量体単位を90〜60モル%含み、メルトインデックスが0.5〜50g/10minであるプロピレン系ブロック共重合体(B)ポリプロピレンおよび(C)密度が0.94g/cm3より大きく0.97g/cm3以下であるポリエチレンよりなり、(A)と(B)との合計量中にしめる割合で(A)が100〜40重量%、(B)が0〜60重量%であり、(A)と(B)の合計100重量部に対して(C)が1〜100重量部であることを特徴とする樹脂組成物である。
【0007】
本発明において、(1)の原料となるプロピレン系ブロック共重合体(以下、単に「ブロック共重合体」と略称する。)は、ポリブテン成分、ポリプロピレン成分およびプロピレン−エチレン共重合体成分よりなる。ポリブテン成分が他の成分、例えば、ポリエチレン成分で代わると重合により得られた重合体粒子の固結性、高温時の流動性が乏しく、本発明の目的物とはなり得ない。
【0008】
本発明で使用するブロック共重合体におけるポリブテン成分、ポリプロピレン成分およびプロピレン−エチレンランダム共重合体成分それぞれの成分割合は、ポリブテン成分が0.01〜5重量%、ポリプロピレン成分が1〜70重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分が25〜98.99重量%である。
【0009】
本発明においてポリブテン成分は共重合体粒子の粒子性状を良好とするために必須である。特に、ポリプロピレン成分の含量が少ないとき、例えば、30重量%以下のときには得られる共重合体粒子が粘着しやすくなるが、そのようなときにもポリブテン成分の存在により、良好な流動性の共重合体粒子とすることができる。ポリブテン成分が0.01重量%未満である場合、重合により得られた共重合体粒子が堆積放置されたときに、その荷重により固結し、更に共重合体粒子が50〜70℃となった場合に著しく流動性に劣るために好ましくない。一方、ポリブテン成分が5重量%を越える場合、却ってブロック共重合体の流動性が低下し好ましくない。ポリブテン成分の割合は、ブロック共重合体粒子のより良好な流動性を勘案すると0.04〜3重量%の範囲が好ましい。
【0010】
また、ポリプロピレン成分が1重量%よりも少ないとブロック共重合体粒子が粘着し易くなる。一方ポリプロピレン成分の割合が70重量%を越えると、成形品の柔軟性、および耐衝撃性が低下し、初期の目的の組成物を得ることができない。ポリプロピレン成分は、柔軟性、機械的強度、耐熱性および耐衝撃性等を勘案すると、3〜60重量%の範囲であることが最も好ましい。
【0011】
さらに、エチレン−プロピレンランダム共重合体成分は25〜98.99重量%である。上記成分が25重量%未満のときは低温衝撃性に劣り、98.99重量%を越えると、成形品の強度及び耐熱性などの機械的物性に劣り好ましくない。エチレン−プロピレンランダム共重合体成分は低温衝撃性や機械的強度、耐熱性を勘案すると、40〜97重量%の範囲であることが好ましい。
【0012】
前記のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分中におけるエチレンに基づく単量体単位およびプロピレンに基づく単量体単位のそれぞれの含有割合は、エチレンに基づく単量体単位10〜40モル%、好ましくは15〜35モル%である。プロピレンに基づく単量体単位は90〜60モル%、好ましくは85〜65モル%である。エチレンに基づく単量体単位の含有割合が10モル%未満であり、プロピレンに基づく単量体単位の含有割合が90モル%を越える場合、得られるフィルムの柔軟性、および低温耐衝撃性が十分でなくなり好ましくない。一方、エチレンに基づく単量体単位の含有割合が40モル%を越え、プロピレンに基づく単量体単位の含有割合が60モル%未満である場合、得られる樹脂組成物の透明性が十分でなくなり好ましくない。
【0013】
さらに、本発明で使用されるブロック共重合体は、メルトインデックスが0.5〜50g/10minである。メルトインデックスが0.5g/10min未満のときは成形性が不良となり、50g/10minを越えるときは、耐衝撃性改良効果が低下するために好ましくない。得られる樹脂組成物の成形性と耐衝撃性の改良効果とを勘案すると、メルトインデックスは1.0〜30g/10minの範囲であることが好ましい。
【0014】
本発明で使用されるブロック共重合体は、ゲルパーミェーション・クロマトグラフによる重量平均分子量と数平均分子量との比で表される分子量分布が1.5〜3.5であることが、成形加工性および低分子量成分のブリードを防止できるために好ましい。
【0015】
本発明で使用するブロック共重合体中のポリブテン成分は、ブロック共重合体の粒子の固結防止、高温時の流動性を良好にするためには、アイソタクティシティが0.90以上であることが好ましい。ポリ1−ブテンのアイソタクティシティはC−NMRにより測定を行い、ポリマー・ジャーナル(Polymer J. )第16巻(1984年)716〜726頁に基づいて帰属を行ったときのmmの値である。
【0016】
本発明で使用するブロック共重合体には、ポリブテン成分、ポリプロピレン成分、プロピレンーエチレンランダム共重合体成分のいずれかひとつ以上に、樹脂組成物の物性を阻害しない限り、他のα−オレフィンが少量、例えば5モル%以下の範囲で共重合されて含まれていてもよい。
【0017】
本発明で使用するブロック共重合体は、ポリブテン成分、ポリプロピレン成分及びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分の少なくとも2種以上が一分子鎖中に配列したいわゆるブロック共重合体の分子鎖と、ポリブテン成分、ポリプロピレン成分及びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分のそれぞれ単独よりなる分子鎖とが機械的な混合では達成できない程度にミクロに混合しているものと考えられる。
【0018】
本発明で使用するブロック共重合体は、重合により流動性に優れた粉状体で得られる。これは、本発明で使用するブロック共重合体と同様のエチレン含量である従来のプロピレン−エチレンランダム共重合体が粒子同士の粘着により、塊状で得られることを考えると驚異的なことである。
【0019】
本発明で使用するブロック共重合体は、いかなる方法によって得てもよい。特に好適に採用される方法を例示すれば次の方法である。
【0020】
即ち、下記成分A及びB、または、さらにCおよび/またはD
A.チタン化合物
B.有機アルミニウム化合物
C.電子供与体
D.一般式(i )
R−I(i )
(但し、Rはヨウ素原子又は炭素原子数1〜7のアルキル基又はフェニル基である。)
で示されるヨウ素化合物
の存在下にプロピレンを0.1〜500gポリマー/g・チタン化合物の範囲となるように予備重合を行って触媒含有予備重合体を得て、次いで該触媒含有予備重合体の存在下に1−ブテンの重合及びプロピレンの重合を経てプロピレンとエチレンとの混合物のランダム共重合を順次行って高分子量の粉状物を得、さらに有機過酸化物で分解する方法が好適である。
【0021】
かかる製造方法は、特開平5−287035号公報等に詳述されており、本発明において上記ブロック共重合体は、該方法に準じて製造するのが好ましい。なお、その場合、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分の重合にあたっては、共重合がプロピレンに基づく単量体単位が60〜90モル%、好ましくは65〜85モル%及びエチレンに基づく単量体単位が10〜40モル%、好ましくは15〜35モル%の範囲となるようにプロピレンとエチレンとを混合して行うことが必要である。そのためには、通常、プロピレンとエチレンとの混合割合がガス状態でのエチレン濃度で3〜14モル%、好ましくは3.5〜12モル%となるように選べば好適である。
【0022】
次に、本発明の樹脂組成物の(B)成分は、ポリプロピレンである。本発明におけるポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体、プロピレンの90モル%以上とプロピレン以外のα−オレフィン、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等の1種以上の10モル%以下とのランダム共重合体が好適に使用される。
【0023】
さらに、本発明の樹脂組成物の(C)成分は、密度が0.94g/cm3より大きく0.97g/cm3以下のポリエチレンである。この様なポリエチレンは、一般には高密度ポリエチレンと呼ばれ、通常、エチレンの単独重合体の他、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体が用いられる。エチレン成分が99.99〜99.5重量%、炭素数3〜10のα−オレフィンが0.01〜0.5重量%の共重合体であることが好ましい。α−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等であることが好ましい。本発明の樹脂組成物の透明性、耐熱性、柔軟性および耐衝撃性を勘案すると、(C)成分であるポリエチレンの密度は0.94g/cm3より大きく0.96g/cm3以下であることが好ましい。ここで、密度が0.94g/cm3以下の場合耐熱性が若干低下する。
【0024】
本発明の樹脂組成物の前記した(A)、(B)及び(C)の成分の配合量は、(A)と(B)の合計中にしめる割合で(A)成分が40〜100重量%、好ましくは50〜100重量%であり、同じく(A)と(B)の合計中にしめる割合で(B)の成分配合量60〜0重量%、好ましくは50〜0重量%である。(A)成分が40重量%未満であり、(B)成分が60重量%を越えると、機械的強度の向上はあるものの、柔軟性および耐衝撃性を低下させるので好ましくない。
【0025】
また、(C)成分は、(A)と(B)の合計100重量部に対して1〜100重量部であり、好ましくは2〜80重量部である。(C)成分が1重量部未満のときは透明性、耐熱性の改良効果が十分でなく、また、100重量部を越えるとかえって透明化の効果が好ましくない。
【0026】
上記した樹脂組成物には、その効果を阻害しない範囲で他の樹脂、公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、結晶核剤等の配合を適宜行うことができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、優れた柔軟性、耐衝撃性および透明性を備えている。また、耐熱性にも優れビカット軟化点が高い。従って、これらの物性が要求される各種分野で使用することが可能である。例えば、フィルム用途としてはラップフィルム、シュリンクフィルム、ストッチレフィルム、シーラント用フィルム、サイジングフィルム、粘着テープ、マスキングフィルム、農業用フィルム、医療用フィルム、化粧材フィルム等、シートとしては文具シート、咬合シート、デスクマット、農業用シート、表皮材等、成形体としては化粧箱、化粧袋、包装箱、包装袋、食品容器、雑貨部品、玩具等に好適に用いることができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
以下の実施例において用いた測定方法について説明する。
【0030】
1)数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量1万以下の割合は、GPC(ゲルパーミェーションクマトグラフィー)法により測定した。ウォーターズ社製GPC−150CによりO−ジクロルベンゼンを溶媒とし、35℃で行った。用いたカラムは、東ソー製TSK gel GMH6−HT、ゲルサイズ10〜15μである。較曲線は標準試料として重量平均分子量が950、2900、1万、5万、49.8万、270万、675万のポリスレンを用いて作成した。
【0031】
2)プロピレン−エチレンランダム共重合体成分におけるエチレンに基づく単量体単位およびプロピレンに基づく単量単位のそれぞれ割合の測定方法およびポリブテン成分の割合の測定方法
13C−NMRスペクトルのチャートを用いて算出した。即ち、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分におけるエレンに基づく単量体単位およびプロピレンに基づく単量体単位のそれぞれの割合は、まず、ポリマー(Polymer)29巻(1988年)1848頁に記載された方法により、ピークの帰属を決定し、次にマクロモレキュールズ(Mcromolecules)第10巻(1977年)773頁に記載された方法により、エチレンに基づく単量体単およびプロピレンに基づく単量体単位のそれぞれの割合を算出した。 次いで,プロピレンに基づいて単量体単位中のメチル炭素に起因するピークと、ポリブテン成分中のメチル炭素に起するピークとの積分強度比からポリブテン成分の重量と割合を算出した。
【0032】
3)ポリ1−ブテンのアイソタクティシィティーの測定
13C−NMRにより測定を行い、ポリマー・ジャーナル(Polymer J.)第16巻(1984年)716〜726頁に基づいて行った。
【0033】
4)メルトインデックス(MI)
JIS K7210に準じて測定した。
【0034】
5)曲げ弾性率
JIS K7203に準じて測定した。
【0035】
6)アイゾット衝撃値(ノッチ付、23℃)
JIS K7110に準じて測定した。
【0036】
7)ヘイズ値
JIS K6714に準じて測定した。
【0037】
8)ビガット軟化点
JIS K7206に準じて測定した(荷重250g)。
【0038】
製造例1−1〜1−3
(予備重合)
攪拌機を備えた内容積1リットルのガラス製オートクレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した後、ヘプタン400mlを装入した。反応器内温度を20℃に保ち、ジエチレングリコールジメチルエーテル0.18mmol、ヨウ化エル22.7mmol、ジエチルアルミニウムクロライド18.5mmol、及び三塩化チタン(丸紅ソルベイ化学社「TOS−17」)22.7mmolを加えた後、プロピレンを三塩化チタン1g当たり3gとなるように30分間続的に反応器に導入した。なお、この間の温度は20℃に保持した。プロピレンの供給を停止した後、反応器内を窒ガスで十分に置換し、得られたチタン含有ポリプロピレンを精製ヘプタンで4回洗浄した。分析の結果、三塩化チタン1g当たり2.9gのプロピレンが重合されていた。
【0039】
(本重合)
工程1:1−ブテンの重合
攪拌機を備えた内容量1リットルのステンレス製オートクレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した後、ヘプタン40ミリリットルを装入した。反応器内温度を20℃に保ち、ジエチルアルミニウムクロライド18.15ミリモル、ジエチレグリコールジメチルエーテル0.18ミリモル、ヨウ化エチル22.7ミリモル、予備重合で得られたチタン含有ポプロピレンを三塩化チタンとして22.7ミリモルを加えた後、1−ブテンを三塩化チタン1g当たり15gとなるうに2時間連続的に反応器に導入した。なお、この間の温度は20℃に保持した。1−ブテンの供給を停止した後、反応器内を窒素ガスで置換し、チタン含有ポリ1−ブテン重合体を得た。分析の結果、三塩化チタン1g当たり14gの1−ブテンが重合されていた。
【0040】
工程2:プロピレンの重合およびプロピレン−エチレンの共重合
N置換を施した2リットルのオートクレーブに、液体プロピレンを1リットル、ジエチルアルミニウムクロライド0.70ミリモルを加え、オートクレーブの内温を70℃に昇温した。チタン含有ポリ1−ブテン重合体を三塩化チタンとして0.087ミリモル加え、70℃で60分間のプロピレンの重合を行った。この間水素は用いなかった。次いでオートクレーブの内温を急激に55℃に降温すると同時にエチルアルミニウムセスキエトキシド(Et3Al2(OEt)3)0.50ミリモルおよびメタクリル酸メチル0.014ミリモルの混合溶液を加え、エチレンを供給し、気相中のエチレンガス濃度が7モル%となるようにし、55℃で120分間のプロピレンとエチレンの共重合を行った。この間のエチレンガス濃度はガスクロマトグラフで確認しながら7モル%を保持した。この間水素は用いなかった。重合終了後、未反応モノマーをパージし、粒子性の重合体を得た。重合槽内及び攪拌羽根への付着は全く認められなかった。収量は140gであり、全重合体の重合倍率は7370g−ポリマー/g−三塩化チタンであった。
【0041】
また、別に上記のプロピレンだけの重合を行った結果、上記70℃、60分間で、三塩化チタン1g当たり、1030gのプロピレンが重合されていた。この結果、ブロック共重合体中のポリブテン成分は0.19重量%、及びポリプロピレン成分は14重量%であることがわかる。結果を表1に示した。
【0042】
次に、得られた重合体30kgに、有機過酸化物として1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを表2に示す割合で添加し、また、酸化防止剤を0.1phr添加し、ヘンシェルミキサーで1分間混合した後、φ65mm単軸押出機で230℃の条件で溶融混練し、ペレットを得た。
【0043】
製造例2,3
製造例1の1−ブテンの重合に於いて、1−ブテンの重合量を三塩化チタン1g当たり、3g、50gとし、プロピレンとエチレンの共重合をエチレンガス濃度がそれぞれ3.5モル%および8モル%となるようした以外は製造例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。さらに、製造例1と同様にして表2に示した量の有機過酸化物と溶融混練した。
【0044】
製造例4
製造例1のプロピレンの重合に於いて、プロピレンの重合を60℃で10分間とし、プロピレンとエチレンの共重合をエチレンガス濃度が12モル%となるようにした以外は製造例1と同様の操作を行った。別途の重合実験でこの時のプロピレンの重合倍率は240g−PP/g−三塩化チタンであった。結果を表1に示した。さらに、製造例1と同様にして表2に示した量の有機過酸化物と溶融混練した。
【0045】
製造例5
製造例1のプロピレンの重合に於いて、プロピレンの重合を70℃で5時間とし、プロピレンとエチレンの共重合をエチレンガス濃度が13モル%となるようにし、55℃で120分間行ったた以外は製造例1と同様の操作を行った。別途の重合実験でこの時のプロピレンの重合倍率はそれぞれ5100g−PP/g−三塩化チタンであった。結果を表1に示した。さらに、製造例1と同様にして表2に示した量の有機過酸化物と溶融混練した。
【0046】
比較製造例1
製造例1の本重合において1−ブテンの重合を行わなかった以外は製造例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。さらに製造例1と同様にして表2に示した量の有機過酸化物と溶融混練した。
【0047】
比較製造例2
製造例1の本重合において1−ブテンの重合を三塩化チタン1g当たり、600gとした以外は製造例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。さらに製造例1と同様にして表2に示した量の有機過酸化物と溶融混練した。
【0048】
比較製造例3、4
製造例1のプロピレンの重合に於いて、プロピレンとエチレンの共重合をエチレンガス濃度をそれぞれ20モル%および2モル%となるようにした以外は製造例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。さらに製造例1と同様にして表2に示した量の有機過酸化物と溶融混練した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
実施例1、2
製造例1−1および1−2で得られたブロック共重合体のペレット及びエチレンと1−オクテンが共重合されたポリエチレン(密度0.945g/cm3、1−オクテン含有量0.38重量%、表中*1)を表3に示す割合で混合し、50トン射出成形機にてシリンダ温度230℃、金型温度40℃の条件で、曲げおよびビガット軟化点用試験片、アイゾット衝撃試験片および1mmt のヘーズ測定用板を作成した。これらの試験片を室温にて48時間放置した後に測定を行った。
結果を表3に示した。
【0052】
実施例3
製造例1−2で得られたブロック共重合体のペレットとプロピレン単独重合体(表中*A)および実施例1で用いたポリエチレンを表3に示す割合で混合し、実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表3に示した。
【0053】
実施例4〜9
製造例1−2、1−3、2、3で得られたブロック共重合体のペレットと実施例1で用いたポリエチレンを表3に示す割合で混合し、実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表3に示した。
【0054】
実施例10
製造例3で得られたブロック共重合体のペレット及びエチレンと1−ブテンが共重合されたポリエチレン(密度0.955g/cm3、1−オクテン含有量0.12重量%、表中*2)を表3に示す割合で混合し、実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表3に示した。
【0055】
実施例11〜13
製造例3で得られたブロック共重合体のペレットとエチレン含量が3モル%のランダムポリプロピレン(表中*B)および実施例10で用いたポリエチレンを表3に示す割合で混合し、実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表3に示した。
【0056】
実施例14,15
製造例4および5で得られたブロック共重合体のペレットと実施例1で用いたポリエチレンを表3に示す割合で混合し、実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表3に示した。
【0057】
比較例1
製造例1−2で得られたブロック共重合体のペレットを実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表3に示した。
【0058】
比較例2
製造例3で得られたブロック共重合体のペレットとエチレン含量が3モル%のランダムポリプロピレン(表中*B)および実施例1で使用したポリエチレンを表3に示す割合で混合し、実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表3に示した。
【0059】
比較例3
製造例3で得られたブロック共重合体のペレットを実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表3に示した。
【0060】
比較例4
製造例3で得られたブロック共重合体のペレットと実施例1で用いたポリエチレンを表3に示す割合で混合し、実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表3に示した。
【0061】
比較例5〜8
比較製造例1〜4で得られたブロック共重合体のペレットと実施例1で用いたポリエチレンをを表3に示す割合で混合し、実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表3に示した。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
Claims (1)
- (A)ポリブテン成分、ポリプロピレン成分、およびプロピレン−エチレンランダム共重合体成分を含むブロック共重合体であって、ポリブテン成分が0.01〜5重量%、ポリプロピレン成分が1〜70重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分が25〜98.99重量%であり、該プロピレン−エチレンランダム共重合体成分はエチレンに基づく単量体単位を10〜40モル%、プロピレンに基づく単量体単位を90〜60モル%含み、メルトインデックスが0.5〜50g/10minであるポリプロピレン系ブロック共重合体
(B)ポリプロピレン
および
(C)密度が0.94g/cm3より大きく0.97g/cm3以下であるポリエチレン
よりなり、(A)と(B)との合計量中に占める割合で(A)が100〜40重量%、(B)が0〜60重量%であり、(A)と(B)の合計100重量部に対して(C)が1〜100重量部であることを特徴とする樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01516996A JP3612373B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-01-31 | 樹脂組成物 |
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JP01516996A JP3612373B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-01-31 | 樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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