JPH06228318A - メチル基含有ポリシランの製造方法 - Google Patents

メチル基含有ポリシランの製造方法

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JPH06228318A
JPH06228318A JP1363193A JP1363193A JPH06228318A JP H06228318 A JPH06228318 A JP H06228318A JP 1363193 A JP1363193 A JP 1363193A JP 1363193 A JP1363193 A JP 1363193A JP H06228318 A JPH06228318 A JP H06228318A
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桂次 壁田
Shigeru Wakamatsu
茂 若松
Takashi Imai
高史 今井
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 1,1,2−トリメチル−1,2,2−トリ
カルビルオキシジシラン(I)と1,2−ジメチル−
1,1,2,2−テトラカルビルオキシジシラン(II)
とを、(I):(II)=2.5:1〜1:20のモル比
で混合し、アルカリ金属カルビルオキシラートの存在下
に80〜180℃で反応させることを特徴とする可溶性
固体状のメチル基含有ポリシランの製造方法。 【効果】 高分子量の固体で、しかも有機溶媒に可溶
で、加水分解性置換基の含有量が少ないメチル基含有ポ
リシランを、良好な収率で安全に製造することが可能で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可溶性のメチル基含有
ポリシランの製造方法に関する。さらに詳細には、高分
子量で常温で固体であり、一般的な有機溶媒に可溶な、
ケイ素原子に直接結合する炭化水素基として実質的にメ
チル基のみを含有する化学的に安定なポリシランの、効
率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオルガノシランは、有機導電材料、
非線形光学材料、光分解型反応開始剤、炭化ケイ素前駆
体、フォトレジスト材料などとして有用であることが知
られている(たとえば Miller, R. D., Michl, J., Che
m. Rev., 89, 1359(1989) )。ポリオルガノシランの製
造方法としてはウルツ法が広く利用されているが、ウル
ツ法は空気中で自己発火性のある金属ナトリウムまたは
金属カリウムを使用するため危険性があり、また反応条
件が厳しいという欠点がある。
【0003】このような欠点を解決するための検討がい
くつか試みられており、たとえば永井らは、金属ナトリ
ウムや金属カリウムを使用しないで、1,2−ジアルコ
キシテトラメチルジシラン類の不均化反応により、環状
ドデカメチルシクロヘキサシランおよび低分子量のα,
ω−ジアルコキシオリゴジメチルシランを得ている(特
開昭54−24874号公報、特開昭57−13679
0号公報)。
【0004】バーンズは、メトキシ基を含有するメチル
ジシラン混合物を、リチウムメトキシラートの存在下に
200〜320℃で不均化反応させることにより、重量
平均分子量が数千、メチル基とメトキシ基のSiMe/
SiOMe=3.1〜7.4/1.0(Meはメチル基
を表す、以下同様)のメチル基含有ポリシランを得てい
る(U. S. Patent 5,025,075)。
【0005】さらに渡辺らは、メチルクロロシラン合成
のためのいわゆる直接法から副生するジシラン類を用い
て、不均化反応により、分子量85,000までの、メ
チル基とメトキシ基の比SiMe/SiOMe=3〜4
/1のメチル基含有ポリシランを得ている(日本化学会
第61回春季年会 1G328、1G329(1991)および光ケイ素学
会シンポジウム(1991))。
【0006】 今井らは、一般式 (R4O)nR5 3-nSi-SiR5(OR4)2 (式中、R4 はC1 〜C10の互いに同一または相異なる
アルキル基を表し、R5はC1 〜C10の互いに同一また
は相異なる1価の炭化水素基を表し、nは1または2で
ある)で示されるトリオルガノトリアルコキシジシラン
および/またはジオルガノテトラアルコキシジシラン
を、一般式MOR6 (Mはアルカリ金属を表し、R6
1 〜C10の1価の炭化水素基を表す)で示されるアル
カリ金属カルビルオキシラートの存在下に不均化反応さ
せることを特徴とするメチル基含有ポリオルガノシラン
の製造方法を開示している(特開平4−311727号
明細書)。反応により、分子量が千前後の、メチル基と
アルコキシ基の比SiMe/SiOR4 =2.2〜5.
8/1のメチル基含有ポリシランを得ている。なお、ト
リオルガノトリアルコキシジシランとジオルガノテトラ
アルコキシジシランの特定の混合比については記載して
おらず、かつ、反応温度としては、実施例では常温ない
し70℃の温度を用いており、高温領域における反応に
ついては言及していない。
【0007】今まで、ポリシランの原料となるメチル基
を有するケイ素化合物が、他の置換基を有する同種のケ
イ素化合物に比べて、一般に入手が容易であるにもかか
わらず、鎖状のポリジメチルシランは高分子量化するに
つれて有機溶媒に不溶となり、しかも不融になるため、
炭化ケイ素前駆体以外には、該ポリシランの応用には限
界があった。バーンズは、反応を非常に高温で行ってい
るため、メチル基の不均化によるシロキサン結合の生成
が不可避であると予想され(ライアン、J. Am.Chem. So
c., 84, 4730(1962) 参照)、そのような、主鎖にSi
−Si結合以外にSi−O−Si結合をも含む材料を導
電材料、または光学材料とした場合、Si−Si結合に
由来する所望の特性が得られない可能性がある。また、
渡辺ら、今井らの場合は、得られたポリシランのメチル
基に対するアルコキシ基の比が大きく、この場合もアル
コキシ基の加水分解によるSi−O−Si結合の生成が
容易に起きやすく、保存安定性に難があった。
【0008】このように、ケイ素原子に直接結合する炭
化水素基として実質的にメチル基のみを含有し、かつ有
機溶媒に可溶で、化学的に安定であり、薄膜化や成形が
可能な固体ポリシランを得る方法については、まだ知ら
れていない。
【0009】有機溶媒に可溶で、成形が容易な固体ポリ
シランとしては、鎖状のポリ(メチルフェニルシラン)
が知られているが、これは前述のウルツ法によって得ら
れるものであり、工業化のためには前述のような問題が
ある。さらに、このような鎖状ポリシランは、光分解の
量子収率がネットワーク状のポリシランに比べてきわめ
て高く、保存安定性に難があることも知られている(Tsu
tsumi, Y; Watanabe,A; Matsuda, M; Polymer Preprint
s, Japan, 40, 583 (1991))。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、有機
導電材料、非線形光学材料、光分解型反応開始剤、フォ
トレジスト材料、光学材料および炭化ケイ素前駆体とし
て利用可能な、常温で固体である高分子量体であり、か
つ一般的な有機溶媒に可溶で薄膜その他の形状への成形
が容易であり、主鎖にはSi−O−Si結合をできるだ
け含まず、かつSiMe/SiOR比(式中、Rは一価
の炭化水素基を表す)が大きい、すなわちカルビルオキ
シ基のような加水分解性の置換基が少ない、ケイ素原子
に直接結合する炭化水素基として実質的にメチル基のみ
を含有するポリシラン(以下、単にメチル基含有ポリシ
ランという)を、簡便な一工程で、しかも比較的良好な
収率で安全に製造する方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
について鋭意検討を重ねた結果、1,1,2−トリメチ
ル−1,2,2−トリカルビルオキシジシランと1,2
−ジメチル−1,1,2,2−テトラカルビルオキシジ
シランとを特定の混合比で混合し、特定の高温度範囲で
不均化反応させることで、課題を解決できることを見出
して、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、 一般式 (R1O)Me2Si-SiMe(OR1)2 (I) (式中、R1 は互いに同一または相異なる1価の炭化水
素基を表す)で示される1,1,2−トリメチル−1,
2,2−トリカルビルオキシジシランと; 一般式 (R2O)2MeSi-SiMe(OR2)2 (II) (式中、R2 は互いに同一または相異なる1価の炭化水
素基を表す)で示される1,2−ジメチル−1,1,
2,2−テトラカルビルオキシジシランとを、(I):
(II)=2.5:1〜1:20のモル比で混合し、 一般式 MOR3 (III) (式中、Mはアルカリ金属を表し、R3 は1価の炭化水
素基を表す)で示されるアルカリ金属カルビルオキシラ
ートの存在下に、80〜180℃の温度で反応させるこ
とを特徴とする可溶性固体状のメチル基含有ポリシラン
の製造方法に関する。
【0013】R1 およびR2 で表される1価の炭化水素
基は、それぞれ独立して、またそれぞれ互いに同一でも
相異なっていてもよく、メチル、エチル、プロピル、ブ
チル、ヘキシル、オクチル、デシルなどの直鎖状または
分岐状のアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル
などのシクロアルキル基;およびフェニル基などのアリ
ール基が例示されるが、入手の容易なことからアルキル
基が好ましく、反応中および/または反応後に副生物を
留去しやすいことから、メチルおよびエチルがとくに好
ましい。
【0014】本発明に使用されるトリカルビルオキシジ
シラン(I)の具体例としては、1,1,2−トリメチ
ル−1,2,2−トリメトキシジシラン、1,1,2−
トリメチル−1,2,2−トリエトキシジシラン、1,
1,2−トリメチル−1,2,2−トリ−n−プロポキ
シジシランなどが;テトラカルビルオキシジシラン(I
I)の具体例としては、1,2−ジメチル−1,1,
2,2−テトラメトキシジシラン、1,2−ジメチル−
1,1,2,2−テトラエトキシジシラン、1,2−ジ
メチル−1,1,2,2−テトラ−n−プロポキシジシ
ランなどが例示される。この種のメチルアルコキシジシ
ラン類の製造は、ケイ素原子に結合したメチル基とメチ
ル基以外のアルキル基またはアリール基とを含有するジ
シランを出発原料として、塩素化法により所望の塩素原
子数を有するジシランを合成し、それらをアルコキシ化
するといった公知の方法により行なうことができる。た
とえば、丸善出版、実験化学講座第3版、第12巻、有
機金属化合物、331〜377ページに詳しく述べられ
ている反応を利用すればよい。また、メチルクロロシラ
ン合成のためのいわゆる直接法から副生するメチルクロ
ロジシラン類を原料として、塩化アルミニウム触媒で不
均化反応させることによっても、所望の塩素原子数を有
するジシランが得られる。
【0015】反応における1,1,2−トリメチル−
1,2,2−トリカルビルオキシジシラン(I)と1,
2−ジメチル−1,1,2,2−テトラカルビルオキシ
ジシラン(II)の混合モル比は、(I):(II)=2.
5:1から1:20の範囲であることが必須である。混
合モル比がこの範囲内であれば、いずれの場合も高収率
で、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−
ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、クロロホ
ルムなどの一般的な有機溶媒に可溶なメチル基含有ポリ
シランが得られる。またこの範囲内で、(I):(II)
の混合モル比は、所望の分子量を有するメチル基含有ポ
リシランを得るために調節することができ、好ましくは
1:1〜1:6である。この(I)が前記の比2.5:
1を越えて多いと、得られるメチル基含有ポリシランは
高分子量化せず、オイル状であったり、あるいは固体の
部分が非常に少なく、収率が極めて低い。一方、前記の
比1:20を越えて(II)が多いと、高分子量化は進む
ものの、不溶性のポリシランが生成しやすく、より有用
な可溶性ポリシランの収率が低くなってしまう。
【0016】R3 で表される1価の炭化水素基として
は、前述のR1 およびR2 に例示されたものと同様なも
のが例示され、アルカリ金属カルビルオキシラートの合
成のしやすさ、取扱いやすさ、および触媒活性から、メ
チル、エチル、n−ブチル、tert−ブチルなどの低
級アルキル基が好ましい。
【0017】Mで表されるアルカリ金属としては、リチ
ウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウ
ムが例示されるが、入手の容易さからリチウム、ナトリ
ウムおよびカリウムが好ましい。
【0018】本発明において触媒として使用される一般
式:MOR3 で示されるアルカリ金属カルビルオキシラ
ートの具体例としては、ナトリウムメチラート、ナトリ
ウムエチラート、カリウム−tert−ブチラートおよ
びナトリウムフェノラートが挙げられる。またn−ブチ
ルリチウムとアルコールからin situ で調製したリチウ
ムアルコラートを利用することもできる。
【0019】アルカリ金属カルビルオキシラートは、使
用されるジシランに対して通常、0.01〜30モル%
用いることができる。触媒量が少なすぎると反応が非常
に遅くなり、また多すぎると反応後の除去が困難になる
ばかりでなく、経済的に不利になる。触媒量はジシラン
に対して0.1〜10モル%の範囲が好ましい。
【0020】本発明の反応において、原料ジシランや触
媒を溶解させ、または反応温度を制御するなどのため
に、あるいは触媒活性を向上させるために、必要により
反応溶媒を用いることもできる。このような溶媒として
は、トルエン、キシレン、ヘキサンのような炭化水素系
溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4
−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル
のようなエーテル系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミ
ドのような非プロトン極性溶剤などが例示される。
【0021】本発明の方法は、原料のカルビルオキシ基
含有ジシランや副生するカルビルオキシ基含有シランお
よび触媒が水との反応により分解しやすいため、実質的
に無水の状態で行われる。すなわち、乾燥した不活性気
体中でカルビルオキシ基含有ジシランおよび触媒、なら
びに必要に応じて、あらかじめ常法により乾燥した溶媒
を混合して行われる。
【0022】反応は、温度80〜180℃の範囲で行な
われるが、原料ジシラン、使用溶媒および反応によって
副生するカルビルオキシ基含有シラン類の沸点の関係に
よって反応温度を決めることができる。好ましくは90
〜170℃の温度範囲で反応させる。反応温度が80℃
未満では反応が遅く、しかも架橋が進みにくいため、M
e/OR(式中、RはR1 および/またはR2 を表す)
比が小さく、保存安定性の低いポリマーとなってしま
い、本発明の目的には適さない。一方、反応温度が18
0℃を越えると、メチル基の反応によるシロキサン結合
の生成があるため、これもまた本発明の目的には適さな
い。Si−Si結合の反応性や電子特性を積極的に利用
する導電材料または光学材料への利用には、材料の保存
安定性が高いことは当然必要であり、また主鎖中のSi
−O−Si結合ができるだけ含まれないことが重要だか
らである。
【0023】また、R1 および/またはR2 としてメチ
ル基またはエチル基を用いる場合、反応により副生する
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ランなどは比較的沸点が低いので、反応温度を高めに保
持するために、副生するこれらの低沸点アルコキシシラ
ン類を留去しながら反応させることも行われる。
【0024】反応は、好ましくは環境大気の圧力下で実
施される。しかし、所望の場合には、より高いか、また
はより低い圧力を適用することもできる。
【0025】反応によって得られる可溶性メチル基含有
ポリシランは、生成するカルビルオキシ基含有シランと
触媒の金属カルビルオキシドを除去することによって単
離される。必要に応じて、再沈殿や蒸留、カラムクロマ
トグラフィーなどにより、精製することが可能である。
【0026】このようにして得られたメチル基含有ポリ
シランは、その保存安定性から、SiMe/SiOR比
が好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上であ
る。
【0027】
【発明の効果】本発明の製造方法により、高分子量で一
般的な有機溶媒に可溶であり、しかもカルビルオキシ基
のような加水分解性置換基の含有量が少なく、主鎖には
Si−O−Si結合をできるだけ含まない固体の、化学
的に安定なメチル基含有ポリシランを、良好な収率で製
造することが可能となった。
【0028】したがって、今まで不溶・不融であった
り、保存安定性が悪く、炭化ケイ素前駆体としてしか利
用が困難であったメチル基含有ポリシランを、各種有機
溶媒に溶解し、膜や成形品に加工することで、有機導電
材料、非線形光学材料、光分解型反応開始剤、フォトレ
ジスト材料および各種形状の炭化ケイ素成形品の前駆体
などとして利用することが可能となった。
【0029】メチル基含有ポリシランは、他の炭素鎖の
長いアルキルポリシランに比べて結晶性が低く、膜の透
明性を高くできる。またアリール基含有ポリシランに比
べて、光や熱によりケイ素とアリール基の間の結合が切
断されたり転移するといった副反応がなく、かつ側鎖の
有機基がUV光を吸収することがないといった利点があ
る。したがって、本発明によって得られるメチル基含有
ポリシランは、今まで他のアルキル基含有ポリシランお
よびアリール基含有ポリシランで検討されてきた上述の
ような電気的、光学的、熱的利用に有利に適用できる。
【0030】さらに、本発明の製造方法は、出発原料を
メチルクロロシラン合成のためのいわゆる直接法で副生
するメチルクロロジシラン類から誘導することが可能で
あり、原料の入手が容易であるばかりでなく、廃棄物の
有効利用といった立場から、地球環境の改善に貢献する
ことができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明を
さらに詳しく説明する。なお、実施例および比較例にお
いて、部は重量部を表す。本発明はこれらの実施例によ
って限定されるべきではない。
【0032】実施例1〜8、比較例1〜3 冷却管および撹拌器を備えたフラスコに、乾燥アルゴン
ガス気流下で、1,1,2−トリメチル−1,2,2−
トリエトキシジシラン(1)と1,2−ジメチル−1,
1,2,2−テトラエトキシジシラン(2)を、表1に
示す仕込量で仕込み、これにナトリウムエチラート5 m
ol%をそれぞれ加え、表1に示す反応条件で加熱撹拌し
た。反応後、混合物のガスクロマトグラフ(充填剤SE
30)を測定すると、原料のジシランのピークが消失
し、ジメチルジエトキシシランおよびメチルトリエトキ
シシランのピークが観測された。続いて、吸引ろ過によ
りナトリウムエチラートを除き、ろ液を1,580部の
無水エタノールにゆっくりと滴下し、再沈澱させた。固
体が得られた場合はこれを吸引ろ過し、得られた白色固
体を真空ポンプで乾燥した。固体が得られなかった場合
は、減圧留去(150℃/1mmHg) により低沸点化合物
を除去した。
【0033】
【表1】
【0034】いずれの実施例で得られたポリシランも、
1H NMR、IR、UVの各スペクトルはほとんど同
様であった。実施例2で得られたポリシランの測定値を
示す。1 H NMR(60MHz, CDCl3,δ) 3.4 〜4.1(m, -OCH2C, 2H),
1.0 〜1.5(m, -OCCH3,3H), -0.1〜0.9(br. s, Si-Me, 3
0H); IR(disk) 2965, 1631, 1270, 1103, 1035, 781cm
-1 。 実施例1で得られたポリシランのUVスペクトル(1.
0×10-3重量%、テトラヒドロフラン中)を図1に示
す。
【0035】次に、得られたポリシラン100mgをそれ
ぞれ100mlのテトラヒドロフラン(THF)、トルエ
ンおよびクロロホルムにそれぞれ溶解させて、有機溶媒
への溶解性を調査した。
【0036】生成物の収率、GPCで得られたポリスチ
レン換算の重量平均分子量、SiMe/SiOEt比
(Etはエチル基を表す)、性状および溶解試験の結果
を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】実施例9 撹拌器および単蒸留装置を備えたフラスコに、乾燥アル
ゴンガス気流下で、1,1,2−トリメチル−1,2,
2−トリメトキシジシラン19.4部、1,2−ジメチ
ル−1,1,2,2−テトラメトキシジシラン84部お
よびナトリウムメチラート1.35部を仕込み、120
℃で20時間反応させた。原料ジシランのモル比は1:
4であった。反応中、約12部の留出物が得られた。フ
ラスコ中に残った反応混合物をろ過し、メタノール中に
滴下して再沈殿させると、白色固体状のポリシランが2
6.4部得られた。収率は73%であった、GPCによ
る重量平均分子量(ポリスチレン換算)は24,000
であった。1 H NMR(60MHz, CDCl3,δ) 3.5 (br. s, -OMe, 3H) ,-
0.1〜0.9 (br. s, SiMe, 31H)。 得られたポリシランは、THF、トルエンおよびクロロ
ホルムのいずれにも可溶であった。
【0039】比較例4〜6 比較例4は1,1,2−トリメチル−1,2,2−トリ
メトキシジシランのみ、比較例5は前記ジシランと1,
1,2,2−テトラメチル−1,1−ジメトキシジシラ
ンとの組合せ、比較例6は実施例4のジシラン組成を出
発原料として用い、いずれも常温で反応を行った。出発
原料とその仕込比、触媒とその仕込量および反応条件を
表3に示す。また、生成ポリシランの収率、重量平均分
子量、SiMe/SiOR比および性状を表4に示す。
いずれも分子量の比較的低い、常温で液体のポリシラン
しか得られなかった。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたポリシランのUVスペクト
ルである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 (R1O)(CH3)2Si-Si(CH3)(OR1)2
    (I) (式中、R1 は互いに同一または相異なる1価の炭化水
    素基を表す)で示される1,1,2−トリメチル−1,
    2,2−トリカルビルオキシジシランと; 一般式 (R2O)2(CH3)Si-Si(CH3)(OR2)2 (II) (式中、R2 は互いに同一または相異なる1価の炭化水
    素基を表す)で示される1,2−ジメチル−1,1,
    2,2−テトラカルビルオキシジシランとを、(I):
    (II)=2.5:1〜1:20のモル比で混合し、 一般式 MOR3 (III) (式中、Mはアルカリ金属を表し、R3 は1価の炭化水
    素基を表す)で示されるアルカリ金属カルビルオキシラ
    ートの存在下に、80〜180℃の温度で反応させるこ
    とを特徴とする可溶性固体状のメチル基含有ポリシラン
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4904161A (en) * 1986-08-15 1990-02-27 Kabushiki Kaisha Komatsu Seisakusho Apparatus for controlling hydrualic pump

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JPH04311727A (ja) * 1991-04-09 1992-11-04 Toshiba Silicone Co Ltd アルコキシ基含有オルガノポリシランおよびその製造方法

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