JP2888751B2 - ポリオルガノシランの製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシランの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオルガノシランの
製造方法に関する。さらに詳細には、ポリオルガノシラ
ンを効率よく製造でき、その分子量の制御が容易で、ま
た任意に多様な有機基をポリオルガノシランに容易に導
入できる、ポリオルガノシランの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオルガノシランは、有機導電材料、
非線形光学材料、光分解型反応開始剤、炭化ケイ素前駆
体、フォトレジスト材料などとして有用なことが知られ
ている(たとえば、Miller, R.D; Michl, J., Chem. Re
v., 89, 1359 (1989))。ポリオルガノシランの製造方法
としては、オルガノハロシランまたはオルガノハロジシ
ランを出発原料とするウルツ法が広く利用されている。
しかしながら、ウルツ法は空気中で自己発火性のある金
属ナトリウムや金属カリウムを使用するために危険性を
伴ううえに、反応条件が厳しく、アルキル基やアリール
基以外の置換基の導入が困難であるという欠点がある。
【0003】このような欠点を解決するための検討がい
くつか試みられており、たとえば永井らは、金属ナトリ
ウム、カリウムを使用しないで、ナトリウムアルコキシ
ドの存在下に、1,2−ジアルコキシテトラメチルジシ
ラン類の不均化反応により、環状ドデカメチルシクロヘ
キサシランや低分子量のα,ω−ジアルコキシジシラン
を得ている(特開昭54−24874号公報、特開昭5
7−136790号公報)。また、同様のナトリウムア
ルコキシドの存在下におけるアルコキシ基含有ジシラン
の不均化反応を利用した高分子量ポリシランの合成も報
告されている(特開平5−59183号公報、特開平5
−59184号公報、日本化学会第61回春季年会:IG
328、 IG329(1991)、 H. Watanabe ら,J. Mater Chem.,
1,483(1991) および特開平4−311727号公報)。
【0004】これらの反応では、反応触媒として、通
常、アルコール類またはフェノール類とナトリウムなど
のアルカリ金属とから、あるいはアルコール類またはフ
ェノール類とブチルリチウムなどの有機アルカリ金属試
薬とから合成されるアルカリ金属ヒドロカルビルオキシ
ドが使用される。反応は、あらかじめ単離された固体状
のアルカリ金属ヒドロカルビルオキシドが触媒として添
加されるか、もしくは不均化反応を行うフラスコ中で事
前に調製された触媒により達成される。しかしながら、
この触媒の合成は煩雑であり、しかも注意を要する点が
ある。
【0005】すなわち、アルカリ金属ヒドロカルビルオ
キシドを合成する際には、多くの場合、過剰の上記アル
コール類またはフェノール類、および場合によってはさ
らに有機溶媒が用いられるが、ジシラン類を不均化反応
させてポリシラン類を得るためには、過剰に用いたアル
コール類またはフェノール類、および必要に応じて用い
た有機溶媒を完全に除去する必要がある。しかもこの
際、アルコール類またはフェノール類、および有機溶媒
などの低沸点化合物を除去することにより、固体状のア
ルカリ金属ヒドロカルビルオキシドが得られるので、不
均化反応のためには、これをジシラン類に溶解させなけ
ればならない。ところが、いったん固体状になったアル
カリ金属ヒドロカルビルオキシドの溶解性は必ずしも良
くないので、これを溶解させるのに時間が必要な場合が
ある。さらに、溶媒を除いた後のアルカリ金属ヒドロカ
ルビルオキシドは長期保存中に変質しやすく、変質する
と溶解性がさらに低下し、不均化反応に対する触媒活性
が大きく低下する。このことが、不均化反応の触媒とし
てアルカリ金属ヒドロカルビルオキシドを使用する際の
取扱いを煩雑にしている。
【0006】ところで、ポリシランにおいて、その平均
分子量はポリシランの物性や特性を左右するものであ
り、その制御は非常に重要であることが知られている。
特にポリシランに良好な製膜性を付与するには、その平
均分子量を、1,000以上であって、しかも0.1〜
50重量%、好ましくは5〜40重量%の溶液を調製で
きる溶解性を保つ範囲に制御する必要がある。したがっ
て、容易にポリシランの平均分子量を制御する方法が望
まれている。
【0007】さらに、ポリシランのケイ素原子に結合し
た有機基も、該ポリシランの物性や特性を左右するもの
であり、その選択は重要である。したがって、選択され
た多様な置換基を、容易にポリシランに導入しうる方法
が望まれている。
【0008】渡辺らは、n−ブチルリチウムを触媒とし
て用い、1,2−ジメチル−1,1,2,2−テトラメ
トキシジシランの不均化反応によって、トルエンに不溶
で白色粉末状の、メトキシ基含有ポリシランを得ている
(日本化学会第61回春季年会:IG328、 IG329(1991)参
照)。しかし、このような有機アルカリ金属化合物をベ
ースにして、さらに不均化反応に好適な触媒の調製には
言及しておらず、このような触媒を用いる、上述のよう
に望まれているポリシランの平均分子量の制御や、多様
な有機基の導入については開示していない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、アル
カリ金属ヒドロカルビルオキシドのような、単独では取
扱いにくい触媒を用いることなく、効率的にポリオルガ
ノシランを製造する方法を提供することである。本発明
の他の課題は、生成するポリオルガノシランの分子量を
制御できる製造方法を提供することである。本発明のさ
らにもうひとつの課題は、多様な有機基をポリオルガノ
シランに容易に導入しうる製造方法を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題について鋭意検討を重ねた結果、有機アルカリ金属化
合物と置換もしくは非置換のヒドロカルビルオキシ基を
含有するジシラン化合物および/またはシラン化合物と
を反応させることにより、高活性の不均化反応用触媒が
得られることを見出し、さらに、用いる該有機アルカリ
金属化合物の、不均化反応に用いるジシラン化合物の置
換もしくは非置換のヒドロカルビルオキシ基に対する量
比を選択することにより、得られるポリシランの分子量
を制御できること、および該有機アルカリ金属化合物の
有機基を任意に選択することにより、任意の多様な有機
基をポリシランに導入できることを見出して、本発明を
完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明のポリオルガノシランの
製造方法は、1分子中に少なくとも2個の置換もしくは
非置換のヒドロカルビルオキシ基を有するジシラン化合
物を、触媒の存在下に不均化反応させてポリオルガノシ
ランを製造する方法において、触媒として、一般式:R
M(Rは置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、
Mはアルカリ金属を表す)で示される有機アルカリ金属
化合物と置換もしくは非置換のヒドロカルビルオキシ基
を含有するジシラン化合物および/またはシラン化合物
との反応生成物を用いることを特徴とする。
【0012】本発明において、不均化反応の出発原料と
して用いられるジシラン化合物は、一般式: R1 nSi2(OR2)6-n (I) (式中、R1 およびR2 はそれぞれ同一または相異なる
置換もしくは非置換の1価の炭化水素基を表し;nは0
〜4の整数を表す)で示される。
【0013】R1 で示される、ケイ素原子に結合した置
換または非置換の1価の炭化水素基としては、たとえば
メチル、エチル、プロピル、ブチルなどの直鎖状または
分岐状のアルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアル
キル基;2−フェニルエチルなどのアラルキル基;フェ
ニルなどのアリール基;ビニルなどのアルケニル基;4
−ビニルフェニル、4−(2−プロペニル)フェニルな
どのアルケニルアリール基;スチリルなどのアリールア
ルケニル基;ならびに3−クロロプロピル、p−クロロ
フェニル、3,3,3−トリフルオロプロピルなどのハ
ロゲン化炭化水素基、およびp−メトキシフェニル基な
ど各種の置換炭化水素基が例示される。これらは互いに
同一であっても、相異なっていてもよい。合成が容易
で、とくに該当するジシラン化合物が、金属ケイ素と塩
化メチルから、銅触媒の存在下にクロロシラン類を合成
する際に副生するメチルクロロジシラン類のアルコキシ
化(以下、置換アルコキシ化を含む)またはフェノキシ
化によって容易に得られることと、該ジシラン化合物の
沸点が比較的低くて取扱いやすいことから、メチル基が
とくに好ましい。
【0014】R2 はケイ素官能性基である置換もしくは
非置換のヒドロカルビルオキシ基を構成する1価の置換
または非置換の炭化水素基であり、メチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル
などのアルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキ
ル基;フェニル、トリルなどのアリール基;アリルなど
のアルケニル基;および2−メトキシエチル、2−エト
キシエチル、2−ブトキシエチルなどの置換炭化水素基
が例示され、合成のしやすさと反応性から、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピルなどの低級アルキル
基およびフェニル基が好ましく、メチル基またはエチル
基がさらに好ましい。
【0015】このようなジシラン化合物の具体例として
は、1,1,2,2−テトラメチル−1,2−ジメトキ
シジシラン、1,1,2,2−テトラエチル−1,2−
ジメトキシジシラン、1,1,2,2−テトラフェニル
−1,2−ジメトキシジシラン、1,1−ジメチル−
2,2−ジフェニル−1,2−ジメトキシジシランのよ
うな1,2−ジメトキシジシラン化合物;1,1,1,
2−テトラメチル−2,2−ジメトキシジシラン、1,
1,1−トリメチル−2−フェニル−2,2−ジメトキ
シジシラン、1,1,2−トリメチル−1−フェニル−
2,2−ジメトキシジシラン、1,1−ジメチル−1,
2−ジフェニル−2,2−ジメトキシジシラン、1,2
−ジメチル−1,1−ジフェニル−2,2−ジメトキシ
ジシラン、1−メチル−1,1,2−トリフェニル−
2,2−ジメトキシジシラン、2−メチル−1,1,1
−トリフェニル−2,2−ジメトキシジシラン、1,
1,1,2−テトラフェニル−2,2−ジメトキシジシ
ランのような1,1−ジメトキシジシラン化合物;1,
1,2−トリメチル−1,2,2−トリメトキシジシラ
ン、1,1−ジメチル−2−フェニル−1,2,2−ト
リメトキシジシラン、1,2−ジメチル−1−フェニル
−1,2,2−トリメトキシジシラン、1−メチル−
1,2−ジフェニル−1,2,2−トリメトキシジシラ
ン、2−メチル−1,1−ジフェニル−1,2,2−ト
リメトキシジシラン、1,1,2−トリフェニル−1,
2,2−トリメトキシジシランのような1,1,2−ト
リメトキシジシラン化合物;1,1,1−トリメチル−
2,2,2−トリメトキシジシラン、1,1−ジメチル
−1−フェニル−2,2,2−トリメトキシジシラン、
1−メチル−1,1−ジフェニル−2,2,2−トリメ
トキシジシラン、1,1,1−トリフェニル−2,2,
2−トリメトキシジシランのような1,1,1−トリメ
トキシジシラン化合物;1,2−ジメチル−1,1,
2,2−テトラメトキシジシラン、1−メチル−2−フ
ェニル−1,1,2,2−テトラメトキシジシラン、
1,2−ジフェニル−1,1,2,2−テトラメトキシ
ジシランのような1,1,2,2−テトラメトキシジシ
ラン化合物;1,1−ジメチル−1,2,2,2−テト
ラメトキシジシラン、1−メチル−1−フェニル−1,
2,2,2−テトラメトキシジシラン、1,1−ジフェ
ニル−1,2,2,2−テトラメトキシジシランのよう
な1,1,1,2−テトラメトキシジシラン化合物;メ
チルペンタメトキシジシラン、フェニルペンタメトキシ
ジシランのようなペンタメトキシジシラン化合物;およ
びヘキサメトキシジシラン;ならびにこれらの化合物の
メトキシ基の一部もしくは全部がエトキシ、n−プロポ
キシ、イソプロポキシ、2−メトキシエトキシ、フェノ
キシのような他の置換もしくは非置換のヒドロカルビル
オキシ基に置き換えられたものなどが挙げられる。この
ようなジシラン化合物は、単独で用いても、2種以上を
併用しても差支えない。
【0016】このようなジシラン化合物は、ハロゲン化
ジシラン化合物のヒドロカルビルオキシ化、たとえばア
ルコキシ化もしくはアリールオキシ化;有機金属試薬に
よるハロゲン化ジシラン化合物または置換もしくは非置
換のヒドロカルビルオキシ化ジシラン化合物へのアルキ
ル基その他の有機基の導入;アルキルもしくはアリール
ジシラン化合物の塩素化およびそれに引き続くヒドロカ
ルビルオキシ化、たとえばアルコキシ化やアリールオキ
シ化などの公知の方法によって合成できる。たとえば、
実験化学講座第12巻、有機金属化合物(丸善)、第3
版、第16章、331〜377ページに詳しく述べられ
ている反応を利用すればよい。これらの原料ジシラン化
合物のうち、塩素化ジシラン類は、たとえば前述のよう
なオルガノクロロシラン類の直接合成法の副生成物、ま
たは該副生成の再分配反応生成物として得ることができ
る。
【0017】本発明において特徴的なことは、上述のジ
シラン化合物よりポリオルガノシランを得る不均化反応
を促進させる触媒として、また場合によっては該ポリオ
ルガノシランに各種の有機基を導入する有機基源とし
て、有機アルカリ金属化合物とヒドロカルビルオキシ基
を含有するジシラン化合物および/またはシラン化合物
との反応生成物を用いることである。
【0018】該有機アルカリ金属化合物RMにおいて、
Rで表される置換または非置換の1価の炭化水素基とし
ては、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘ
キシル、オクチルなどの直鎖状もしくは分岐状のアルキ
ル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;ベンジ
ル、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、3−
フェニルプロピルなどのアラルキル基;フェニル、トリ
ル、メシチルなどのアリール基;ビニル、アリル、3−
ブテニル、6−ヘキセニルなどのアルケニル基;シクロ
ペンテニル基などのシクロアルケニル基;4−ビニルフ
ェニル、4−(2−プロペニル)フェニルなどのアルケ
ニルアリール基;スチリルなどのアリールアルケニル
基;エチニル、プロピニルなどのアルキニル基;ならび
に3−クロロプロピル、p−クロロフェニル、3,3,
3−トリフルオロプロピル、p−メトキシフェニルなど
の置換炭化水素基が挙げられ、入手の容易さからメチ
ル、エチル、ブチル、フェニルおよびエチニルが好まし
い。Mで表されるアルカリ金属としては、リチウム、ナ
トリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムが例示
され、入手の容易さからリチウム、ナトリウムおよびカ
リウムが好ましい。このような有機アルカリ金属化合物
の具体例としては、メチルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウム、フェニ
ルナトリウム、リチウムアセチリドおよびナトリウムア
セチリドなどが挙げられる。
【0019】不均化触媒の合成に用いられるジシラン化
合物および/またはシラン化合物は、一般式: R3 bSia(OR4)2a+2-b (式中、R3 およびR4 はそれぞれ同一または相異なる
置換もしくは非置換の1価の炭化水素基を表し;aは1
または2を表し;bは0≦b≦2a+1である整数を表
す)で示され、a=2の場合はジシラン化合物、a=1
の場合はシラン化合物である。このようなヒドロカルビ
ルオキシ基を含有するジシラン化合物および/またはシ
ラン化合物は、単独で用いても、2種以上を併用しても
よく、反応速度の点で、bは0≦b≦2aの範囲が好ま
しく、同様に反応速度の点で、ジシラン化合物を用いる
ことが好ましい。
【0020】R3 としてはR1 と同様のものが例示さ
れ、R1 の場合と同様の理由から、メチル基がとくに好
ましい。R4 としてはR2 と同様なものが例示され、R
2 の場合と同様、低級アルキル基およびフェニル基が好
ましく、メチル基およびエチル基がさらに好ましい。
【0021】このようなジシラン化合物の具体例として
は、不均化反応の出発原料として例示されたジシラン化
合物と同様なものが例示されるほか、不均化触媒の調製
においては、ペンタメチルメトキシジシラン、ペンタメ
チルエトキシジシランなどのモノヒドロカルビルオキシ
ジシラン化合物も使用できる。触媒の調製に用いられる
ジシラン化合物は、出発原料として用いるジシラン化合
物と同一でも、異なっていてもよい。
【0022】シラン化合物の具体例としては、トリメチ
ルメトキシシラン、ジメチルヘキシルメトキシシラン、
ジメチルフェニルメトキシシランなどのモノメトキシシ
ラン化合物;ジメチルジメトキシシラン、メチルヘキシ
ルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシランなどのジメトキシシラ
ン化合物;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメト
キシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリ
メトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシ
ルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、
シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメト
キシシランなどのトリメトキシシラン化合物;テトラメ
トキシシラン;ならびにこれらの化合物のメトキシ基の
一部もしくは全部がエトキシ、n−プロポキシ、イソプ
ロポキシ、2−メトキシエトキシ、フェノキシのような
他の置換または非置換のヒドロカルビルオキシ基に置き
換えられたものなどが挙げられる。
【0023】触媒混合物の調製は、湿気を遮断した反応
容器中で、上述のジシラン化合物および/またはシラン
化合物に、有機アルカリ金属化合物RM(式中、Rおよ
びMは前述のとおり)を添加することにより、該アルカ
リ金属化合物と、該ジシラン化合物および/またはシラ
ン化合物のSi−OR4 結合(式中、R4 は前述のとお
り)との交換反応によって、一部にSi−R結合を有す
るジシラン化合物および/またはシラン化合物と、M
+(OR4)- とを形成することによって進行する。
【0024】有機アルカリ金属化合物の量は、用いるジ
シラン化合物および/またはシラン化合物の置換または
非置換のヒドロカルビルオキシ基1個に対して0.2〜
1.4当量が好ましく、0.6〜1.0当量がさらに好
ましい。この範囲外では、有機アルカリ金属化合物また
はジシラン、シラン化合物のいずれかが過剰でそのまま
触媒の系中に残るだけで、不利である。
【0025】有機アルカリ金属化合物のジシラン化合物
および/またはシラン化合物への溶解を助け、または反
応温度を制御し、あるいは反応速度を上げるために、必
要に応じて反応溶媒を用いることもできる。このような
溶媒としてトルエン、キシレン、ヘキサンなどのような
炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテルのようなエーテル系溶剤;ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリッ
クトリアミドのような非プロトン極性溶剤などが例示さ
れる。
【0026】触媒の調製反応は、−100℃〜100
℃、好ましくは0〜30℃で、原料を混合、撹拌するこ
とによって行うことができる。反応温度が100℃を越
えると、反応が激しすぎてその制御が困難になる。また
発熱のために高温となり、有機アルカリ金属試薬が分解
することがある。
【0027】得られた触媒混合物は、RとOR4 の交換
反応によって得られたジシラン化合物および/またはシ
ラン化合物Rc3 bSia(OR4)2a+2-b-cとM+(OR4)
- 、ならびに未反応のR3 bSia(OR4)2a+2-bを含む混
合物である(式中、R、R3、R4 、M、aおよびbは
前述のとおり、cは1≦c≦5bとなる数を表す)。こ
のようにして調製された触媒混合物は、密栓して保存し
てもよく、そのまま次の不均化反応に用いてもよい。
【0028】不均化反応は、上述のようにして調製され
た触媒混合物を、湿気を遮断した反応器中で、前述の一
般式(I)で示されるジシラン化合物に添加することに
よって行われる。触媒混合物の調製(1)から不均化反
応によるポリオルガノシランの合成(2)に至る一連の
反応を模式的に示すと、たとえば次の反応式のようにな
る。
【0029】
【化1】
【0030】(式中、R、R1 、R2 、R3 、R4
M、n、a、bおよびcは前述のとおりである。)
【0031】前述のように、反応(1)で、有機アルカ
リ金属化合物が、当量のヒドロカルビルオキシシリル基
と反応する。ついで、反応(2)で、触媒混合物中に存
在するM+(OR4)- の作用により、原料ジシラン化合物
1 nSi2(OR2)6-n 、および触媒混合物中のジシラン
分、すなわちRc3 bSi2(OR4)6-b-c およびR3 b
2(OR4)6-b が不均化反応にあずかる。不均化反応に
より、ジシラン結合が切断されて、一方のシランセグメ
ントにMが、他方のシランセグメントにOR4が結合
し、この反応で形成されたSi−M結合が別のジシラン
化合物または生成したポリシラン化合物を攻撃して、ポ
リシラン鎖が成長する。このようにして、有機アルカリ
金属化合物の有機基Rが、ポリシラン中に取り込まれ
る。
【0032】このような機構により、不均化反応に出発
原料として用いられるジシラン化合物のR1 とは異なる
Rを選択することにより、得られるポリシラン中に異種
の置換または非置換の1価の炭化水素基を導入すること
ができる。このことにより、本発明の製造方法は、ケイ
素原子に結合する有機基のうち、ジシラン化合物に結合
してその沸点や融点を上昇させて、その合成や精製操作
を煩雑にする有機基や、精製のために高温にさらすと不
安定な有機基、たとえばヘキシル、ベンジル、フェニ
ル、トリル、アリル、6−ヘキセニル、エチニルまたは
p−メトキシフェニルなどをポリシランに導入したいと
きに、それらの有機基を有機アルカリ金属化合物の有機
基から導入することが可能な点で、特に有利な方法であ
る。
【0033】不均化反応における触媒混合物の量は、そ
の調製反応に用いられた有機アルカリ金属化合物の量に
換算して、原料ジシラン化合物ならびに触媒混合物の調
製反応に用いられたジシラン化合物および/またはシラ
ン化合物の置換もしくは非置換のヒドロカルビルオキシ
基1個に対して0.0001〜0.5当量が好ましく、
不均化反応を効率的に進めるためには0.001〜0.
1当量がさらに好ましい。0.0001当量未満では、
不均化反応の速度が遅い。また0.5当量を越えると、
不均化反応後の触媒の除去が困難になるばかりでなく、
経済的にも不利である。目的物のポリオルガノシランに
必要な物性を与えるためにその分子量を制御し、または
該ポリオルガノシラン中に導入するRの割合を制御する
ために、必要な量と種類の有機アルカリ金属化合物を選
択して用いることが好ましい。
【0034】前述のように、不均化反応の原料としては
ジシラン化合物が用いられるが、さらに、一般式: R1 mSi(OR2)4-m (式中、R1 およびR2 は前述のとおり;mは0〜2の
整数を表す)で表されるシラン化合物、すなわち、分子
中の置換または非置換のヒドロカルビルオキシ基の数が
1個のものを除いて、触媒の調製に用いられたシラン化
合物と同様のものが存在してもよい。このようなシラン
化合物は、反応溶媒として寄与するほか、反応速度こそ
ジシラン化合物に比べて非常に遅いが、不均化反応によ
って得られるポリシラン化合物の分子中に僅かに取り込
まれることが見出された。ただし、不均化反応が開始さ
れる時点に存在する該シラン化合物の量は、ジシラン化
合物に対して等モル以下であるべきである。この量が等
モルを越えると、系全体としての不均化反応速度を遅ら
せる。また、このようなシラン化合物は、前述の式
(2)によって、不均化反応の進行とともに副生する。
【0035】不均化反応の反応速度を制御し、または触
媒活性を向上させるために、反応溶媒を用いることがで
きる。反応溶媒は、さきに触媒調製反応について例示し
たのと同様のものが例示され、あるいは、触媒調製反応
で用いた反応触媒を、除去しないでそのまま不均化反応
に用いてもよい。
【0036】不均化反応の反応温度は10〜170℃、
好ましくは15〜130℃である。10℃未満では、S
i−Si結合の切断と生成を伴う不均化反応が非常に遅
く、170℃を越えると副反応が起こりやすい。また、
反応により副生するシラン類の中には比較的沸点が低い
ものもあるので、反応温度を高めに保持するために、必
要に応じて、副生する低沸点シラン類を留去しながら反
応を行う。
【0037】反応は、好ましくは環境大気の圧力下で実
施される。しかし、所望の場合には、より高いか、もし
くはより低い圧力を適用することもできる。
【0038】反応により得られるポリオルガノシラン
は、副生するシラン化合物や触媒などを除去することに
よって単離され、必要に応じて再沈殿、蒸留、カラムク
ロマトグラフィーなどにより精製することが可能であ
る。
【0039】
【発明の効果】本発明の方法により、簡単な操作で高活
性の不均化反応用触媒を調製し、それを用いて効率的に
ポリオルガノシランを合成することが可能である。さら
に、有機アルカリ金属化合物の量および種類を選択する
ことにより、ポリオルガノシランに各種の置換基を任意
の比率で導入することが可能であり、特にジシラン化合
物から導入しにくい置換基を有利にポリオルガノシラン
に導入できる。また、ポリオルガノシランの分子量を制
御することができる。
【0040】本発明の方法で得られるポリオルガノシラ
ンは、有機導電材料、非線形光学材料、光分解型反応開
始剤、フォトレジスト材料など、およびそれらの中間体
として有用である。
【0041】
【実施例】以下、実施例によって、本発明をさらに詳細
に説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定す
るものではない。なお、以下の実施例において、部は重
量部を表し、下記の略称を用いる。 Me:メチル基;Et:エチル基;Bu:ブチル基;P
h:フェニル基
【0042】実施例1 乾燥アルゴンガス気流下で、撹拌器および単蒸留装置を
備えたフラスコに1,2−ジメチル−1,1,2,2−
テトラエトキシジシラン0.22部を仕込み、メチルリ
チウムの1.14規定無水ジエチルエーテル溶液0.5
部をシリンジで添加した。これを20℃で1時間撹拌し
て反応させ、淡黄色液状の触媒を調製した。この際、固
形物の形成は認められなかった。これに、乾燥アルゴン
ガス気流下で1,2−ジメチル−1,1,2,2−テト
ラエトキシジシラン10.38部を加え、混合物を徐々
に加熱しながら撹拌し、低沸点物を留去しながら100
℃まで昇温して撹拌を10時間続けたところ、褐色液状
の生成物が得られ、また加熱を続ける間に、単蒸留装置
の受器に0.5部の留出物が得られた。用いたメチルリ
チウムの量は、触媒調製および出発原料として用いたジ
シラン化合物の合計量に対して2モル%、該ジシラン化
合物のエトキシ基に対して0.5モル%に相当する。
【0043】フラスコ中の生成物を、固定相としてSE
30(General Electric社、商品名)を用いたガスクロ
マトグラフィーにかけたところ、原料ジシラン化合物の
ピークが消失したことが確認された。続いて、吸引ろ過
により固形物を除き、ろ液を無水エタノールにゆっくり
と滴下し、再沈殿させた。得られた固体生成物を真空乾
燥した。収量は0.67部であった。この生成物につい
て、 1HNMRおよびIR吸収スペクトルを測定した。
その結果は下記のとおりである。また、GPCにより、
ポリスチレン換算の重量平均分子量と分子量分布係数
(Mw/Mn)を求めた。その結果は表1のとおりであ
った。1 HNMR(60MHz, CDCl3, δ) : 3.4〜4.1(m; -OCH2C, 2
H), 1.0〜1.5(m, -OCCH3,3H), -0.1〜0.9(s, Si-Me3,
12H); IR(disk) : 2965, 1631, 1270, 1103, 1035cm-1
【0044】また、生成物をテトラヒドロフランに溶解
して、1.0×10-3重量%の溶液とし、UV吸収スペ
ルトルを測定した。得られたUV吸収チャートを図1に
示す。これらの結果から、得られた固体生成物がメチル
基とエトキシ基を有するポリシランであることを確認し
た。
【0045】比較例1 アルゴンガス雰囲気下、25℃で、無水エタノール0.
46部とメチルリチウムのエーテル溶液(1.14規
定)0.5部を混合して1時間撹拌し、過剰のエタノー
ルなどの低沸点化合物を減圧下(2Torr)で2時間かけ
て完全に留去した。そのフラスコに1,2−ジメチル−
1,1,2,2−テトラエトキシジシラン10.6部と
無水ジエチルエーテル0.5部を加え、室温で撹拌した
ところ、固体状の触媒が完全に溶解するのに2時間を要
した。混合物を撹拌しながら100℃に加熱し、撹拌を
10時間続けた後、生成物のガスクロマトグラフ(固定
相SE30)をとると、まだ原料のジシランのピークが
残っており、これを完全に消失させるのはさらに8時間
の加熱撹拌を必要とした。続いて、反応の後処理を実施
例1と同様に行って白色固体状のポリメチルシランを得
た。収量は0.51部であった。GPCによる重量平均
分子量は12,000であった。
【0046】このように、エタノールと有機リチウム試
薬から触媒を調製し、続いて不均化反応を行うことは煩
雑であり、しかも触媒活性が低いことがわかる。
【0047】比較例2 比較例1と同様に触媒を調製し、過剰のエタノールなど
の低沸点物を留去した。そのまま室温で3日間放置する
と、その間に得られた白色固体は褐色に変化した。これ
に比較例1と同様に1,2−ジメチル−1,1,2,2
−テトラエトキシジシランと無水ジエチルエーテルを加
え、室温で撹拌したが、12時間たっても固体は完全に
溶解しなかった。この反応混合物を撹拌しながら100
℃に加熱し、撹拌を続けた。ガスクロマトグラフ(充填
剤SE30)で反応を追跡すると、原料ジシラン化合物
のピークの消失に40時間を要したことが確認された。
続いて、反応の後処理を実施例1と同様に行って、白色
固体状のポリメチルシランを得た。収量は0.40部で
あった。GPCによる重量平均分子量は6,700であ
った。
【0048】このように、リチウムアルコキシド触媒は
保存安定性が悪く、保存により触媒活性が低下すること
がわかる。
【0049】比較例3 アルコールの存在によって不均化反応の受ける影響を調
査するため、比較例1と同様の条件で、無水エタノール
4.6部とメチルリチウムの無水ジエチルエーテル溶液
(1.14規定)0.5部を混合して、1時間撹拌し
た。続いて、過剰のエタノールなどの低沸点化合物を留
去しないで、そのフラスコに1,2−ジメチル−1,
1,2,2−テトラエトキシジシラン10.6部を入
れ、70℃で加熱撹拌を10時間行った。反応混合物の
ガスクロマトグラフ(充填剤SE30)をとると、原料
ジシラン化合物のピークが消失したことが確認された。
しかし、ポリメチルシランは全く生成せず、単にジシラ
ン化合物が切断されて、メチルトリエトキシシランに転
換されたことが判明した。
【0050】このように、この触媒系においては、不均
化反応の際に、アルコールの存在がポリオルガノシラン
の生成を妨げることがわかる。
【0051】実施例2〜4 実施例1と同様にして、反応原料として用いるメチルリ
チウムの量を変化させて、得られるポリシランの平均分
子量の変化を調べた。これらの結果を、生成物の収量、
性状とともに、また実施例1の結果を含めて表1にまと
めた。なお、実施例4では、ジシラン化合物とメチルリ
チウムを反応させた後、加熱する前に反応混合物のガス
クロマトグラフをとった。それにより、1,1,2−ト
リメチル−1,2,2−トリエトキシジシランや1,
1,2,2−テトラメチル−1,2−ジエトキシジシラ
ンの生成が確認された。なお、実施例4の反応生成物
は、再沈殿により固体が生成しなかったので、低沸点化
合物を180℃/l Torr の条件で留去して、最終生成物
とした。
【0052】
【表1】
【0053】このように、反応原料および触媒中のジシ
ラン化合物のエトキシ基に対して、用いるメチルリチウ
ムの量を変えることにより、生成するポリメチルシラン
の分子量が制御できることがわかる。
【0054】実施例5〜8 メチルリチウムのジエチルエーテル溶液の代わりに、表
2に示す量のn−ブチルリチウムの1.55規定ヘキサ
ン溶液(実施例5、6)、tert−ブチルリチウムの1.
54規定ペンタン溶液(実施例7)、またはフェニルリ
チウムの1.8規定シクロヘキサン溶液(実施例8)を
用いたほかは実施例1と同様にして、触媒調製および不
均化反応を行い、いずれも白色固体を得た。これらの生
成物の 1HNMRを測定したところ、下記のとおりであ
った。 実施例5、61 HNMR (60MHz, CDCl3, δ) : 3.5〜4.0(m, -OCH2C),
1.0〜1.5(m, -OCCH3),-0.1〜1.5(m, Si-MeおよびBu) ; 実施例71 HNMR (60MHz, CDCl3, δ) : 3.5〜4.0(m, -OCH2C),
1.0〜1.5(m, -OCCH3),-0.1〜0.8(m, Si-Me) ; 実施例81 HNMR (60MHz, CDCl3, δ) : 6.6〜7.4(m, Ph), 3.5
〜4.0(m, -OCH2C), 1.0〜1.5(m, -OCCH3), -0.1〜0.8
(m, Si-Me) 。
【0055】これらの 1HNMRから、生成物がメチル
基、エトキシ基、ならびに用いた有機金属化合物のRを
含有するポリシランであることを確認した。 1HNMR
のシグナル強度比から求めたR/Me/OEt比を、生
成物の収量、性状、ならびに実施例1と同様の方法で求
めた重量平均分子量および分子量分布係数とともに、表
2に示す。ただし、実施例5および6においては、Si
−Meとブチル基のシグナルの分離が悪いので、ブチル
基の存在は確認できたが、その比を求めることはできな
かった。
【0056】
【表2】
【0057】実施例9 ジシラン化合物の代わりにテトラエトキシシラン0.2
部を、またメチルリチウムのジエチルエーテルの代わり
にn−ブチルリチウムの1.55規定ヘキサン溶液0.
4部を用いて、実施例1に準じて触媒を調製した。その
触媒に、1,2−ジメチル−1,1,2,2−テトラエ
トキシジシラン10.6部を加えて、混合物を徐々に加
熱しながら撹拌し、低沸点物を留去しながら100℃ま
で昇温して、加熱撹拌を10時間続けた。反応の結果、
ポリスチレン換算の重量平均分子量が11,600、分
子量分布係数が3.0の白色固体が0.70部得られ
た。1HNMRおよびIRの結果は、この白色固体が、
実施例1で得られたのとほぼ同様のポリシランであるこ
とを示したが、少量のブチル基の存在も認められた。
【0058】実施例10 ジシラン化合物として1,1,2−トリメチル−1,
2,2−トリエトキシジシラン3.8部を用い、有機金
属化合物としてフェニルリチウムの1.8規定シクロヘ
キサン溶液10.6部を用いて、実施例1に準じて触媒
を調製した。この触媒に、1,2−ジメチル−1,1,
2,2−テトラエトキシジシラン6.3部を加えて、実
施例9と同様に加熱撹拌した。反応の結果、ポリスチレ
ン換算の重量平均分子量が2,100、分子量分布係数
が1.3の白色固体が0.25部得られた。1 HNMR (60MHz, CDCl3, δ) : 6.6〜7.4(m, Ph, 1H),
3.5〜4.0(m, -OCH2C, 2H), 1.0〜1.5(m, -OCCH3, 3H),
-0.1〜0.8(m, Si-Me, 10H)。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたポリオルガノシランの溶液
のUV吸収スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−69529(JP,A) 「シリコーンハンドブック」伊藤邦雄 編 日刊工業新聞社発行 1990年8月31 日(初版第1刷)第16頁 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 77/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に少なくとも2個の置換もしく
    は非置換のヒドロカルビルオキシ基を有するジシラン化
    合物を、触媒の存在下に不均化反応させてポリオルガノ
    シランを製造する方法において、 触媒として、 一般式:RM(Rは置換または非置換の1価の炭化水
    素基を表し、Mはアルカリ金属を表す)で示される有機
    アルカリ金属化合物と、 置換もしくは非置換のヒドロカルビルオキシ基を含有
    するジシラン化合物および/またはシラン化合物との反
    応によって得られた生成物を用い、10〜170℃で不
    均化反応させることを特徴とする、ポリオルガノシラン
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 不均化反応させるジシラン化合物が、一
    般式: R1 nSi2(OR2)6-n (式中、R1 およびR2 はそれぞれ同一または相異なる
    置換もしくは非置換の1価の炭化水素基を表し;nは0
    〜4の整数を表す)で示される請求項1記載のポリオル
    ガノシランの製造方法。
  3. 【請求項3】 有機アルカリ金属化合物と反応させるジ
    シラン化合物および/またはシラン化合物が、一般式: R3 bSia (OR4)2a+2-b (式中、R3 およびR4 はそれぞれ同一または相異なる
    置換もしくは非置換の1価の炭化水素基を表し;aは1
    または2を表し;bは0≦b<2a+1である整数を表
    す)で示される請求項1または2記載のポリオルガノシ
    ランの製造方法。
  4. 【請求項4】 RがR1 と異なる置換または非置換の1
    価の炭化水素基である請求項1〜3のいずれか1項に記
    載のポリオルガノシランの製造方法。
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