JP3022161B2 - 含フッ素オルガノポリシロキサン化合物の製造方法 - Google Patents
含フッ素オルガノポリシロキサン化合物の製造方法Info
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ロキサン化合物の製造方法、特にはパ−フルオロアルキ
ル基又はパ−フルオロアルキルエ−テル基に隣接したプ
ロピル基又はオキシプロピル基を有するオルガノポリシ
ロキサンを極めて容易に、しかもフッ素含有率を任意に
設定することができる含フッ素オルガノポリシロキサン
の製造方法に関するものである。
方法については従来からつぎの方法が知られている。こ
の一つの方法は現在工業的に行われているもので、これ
はつぎの化学式
ロメチルシランとからメチル−3,3,3−トリフルオ
ロプロピルジクロロシランを製造し、ついでこれを加水
分解クラッキングして環状モノマ−とし、これを開環重
合してポリマ−とするものである。
れる方法(特公平3−75558号公報参照)で行うこ
とも知られているが、しかし、これらの方法はいずれも
工程が長いためにコストが高く、また得られるポリマ−
の含フッ素含有量が環状モノマ−の構造によって規定さ
れるので、これを任意に設定することは容易でないとい
う不利がある。
ルガノポリシロキサンの製造についてはパーフルオロア
ルキル基に隣接するビニル基を有する含フッ素オレフィ
ンと≡SiH 基を含有するポリシロキサンとを反応させる
ことも行なわれているが、これには反応選択率が低く、
≡SiH 基の一部しか付加反応によりフッ素変性すること
ができないという不利があった。
解決し、上記した課題に応える含フッ素オルガノポリシ
ロキサンの製造方法に関するものであり、これは1分子
中に少なくとも1個のRSi(H)O2/2単位(R は炭素数1〜
10の脂肪族不飽和基を除く1価炭化水素基)を有する
オルガノポリシロキサンと、一般式 R'OaCH2CH=CH2 (ここにR'は炭素数1〜10のパ−フルオロアルキル基
または炭素数2〜20のエ−テル結合を有するパ−フル
オロアルキル基、a は0または1)で示される、パーフ
ルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルエーテル基
に隣接するアリル基又はアリルオキシ基を有する含フッ
素オレフィンとを触媒の存在下加熱下で反応させること
を特徴とするものである。
ポリシロキサンを容易に製造する方法について種々検討
した結果、≡SiH 基を有するオルガノポリシロキサンに
一般式R'OaCH2CH=CH2 (R'、aは前記のとおり)で示され
る含フッ素オレフィン類、すなわちパ−フルオロアルキ
ル基又はパ−フルオロアルキルエーテル基に隣接するア
リル基又はアリルオキシ基を有する含フッ素オレフィン
を反応させると、これが極めて高い選択率、反応率で反
応して≡SiCH2CH2CH2OaR' で示される置換基を有する含
フッ素オルガノポリシロキサンが容易に得られることを
見出すと共に、この含フッ素オレフィンとしてRfCH=CH2
(Rfはパ−フルオロアルキル基)で示されるものを使用
すると反応選択率が低く、反応で消費された≡SiH 基の
一部しか≡SiCH2CH2Rfに変換されないということを確認
して本発明を完成させた。以下にこれをさらに詳述す
る。
にはパ−フルオロアルキル基又はパ−フルオロアルキル
エーテル基に隣接したプロピル基又はオキシプロピル基
を有するオルガノポリシロキサンの製造方法に関するも
のであり、これは前記したように1分子中に少なくとも
1個のRSi(H)O2/2単位(R は炭素数1〜10の脂肪族不
飽和基を除く1価炭化水素基)を有するオルガノポリシ
ロキサンと、一般式R'OaCH2CH=CH2 (R' は炭素数1〜1
0のパ−フルオロアルキル基、または炭素数2〜20の
エ−テル結合を有するパ−フルオロアルキル基、a は0
または1)で示される含フッ素オレフィンとを触媒の存
在下加熱下に反応させることを特徴とするものである
が、これによれば高い選択率、反応率で一般式R'OaCH2C
H2CH2-(R',a は前記のとおり)で示されるパ−フルオロ
アルキル基又はパ−フルオロアルキルエーテル基に隣接
したプロピル基又はオキシプロピル基を有するオルガノ
ポリシロキサンを得ることができるし、このポリマ−の
フッ素含有率も任意に設定することができるという有利
性が与えられる。
サンの製造は分子中に少なくとも1個のRSi(H)O
2/2(Rは前記のとおり)で示されるオルガノハイド
ロジエンシロキサン単位を有するオルガノポリシロキサ
ンと、一般式R’OaCH2CH=CH2(R’、aは
前記のとおり)で示される含フッ素オレフィンとを反応
させるものである。このオルガノポリシロキサンは1分
子中に少なくとも1個のRSi(H)O2/2単位を有
するものとされるが、このRは炭素数1〜10、好まし
くは炭素数1〜8の、脂肪族不飽和基を除く1価炭化水
素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル
基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、フ
ェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベン
ジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基等が挙げら
れる。又、分子中のRSi(H)O2/2単位以外のシ
ロキサン単位におけるケイ素原子に結合した置換基とし
ては、前記のRと同様の炭素数1〜10脂肪族不飽和基
を除く1価炭化水素基の他、水酸基、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、
塩素、ヨウ素等のハロゲン原子などの加水分解性基が挙
げられる。このオルガノポリシロキサンの構造は鎖状、
環状、分枝状のいずれでもよいが、好ましくは鎖状また
は環状のものとされ、これには下記のもの
0の整数、xはアルコキシ基、ハロゲン原子などの加水
分解性基)で示されるものが好ましいものとして例示さ
れる。
ンは前記したようにR'OaCH2CH=CH2で示されるものとさ
れるが、これにはC2F5CH2CH=CH2、C3F7CH2CH=CH2、C4F9CH
2CH=CH2、 C6F13CH2CH=CH2、 C8F17CH2CH=CH2、n-C3F7OCH2
CH=CH2、
る。
ポリシロキサンと含フッ素オレフィンとの配合比は、≡
SiH 基含有オルガノポリシロキサンの≡SiH 基1モルに
対して含フッ素オレフィンを0.1〜1.3モルとすれ
ばよく、目的とする含フッ素オルガノポリシロキサン中
に≡SiH 基を残す場合には含フッ素オレフィンの使用量
を1.0モル未満とし、≡SiH 基を完全に反応させる場
合には含フッ素オレフィンを1.0モル以上使用すれば
よい。
と含フッ素オレフィンとの反応は触媒の存在下で行なう
必要があるが、この触媒としては公知の貴金属触媒を使
用すればよい。この触媒は一般には白金系触媒とすれば
よく、これには塩化白金酸、塩化白金酸とエチレンなど
のオレフィンとの錯体、アルコ−ルやビニルシロキサン
との錯体が例示されるが、これにはRhCl(PPh3)3、RhCl(C
O)(PPh3)2、RhCl(C2H4)2、Ru3(CO)12、PdCl2(PPh3)2なども
使用することができる。なお、この触媒の使用量には特
に制限はないが、一般には≡SiH 基1モルに対して1×
10-3〜1×10-5モル程度とすればよい。
ロキサンと含フッ素オレフィンとの反応は、反応器に≡
SiH 基含有オルガノポリシロキサンと触媒を仕込み、撹
拌しながらこれに含フッ素オレフィンを10〜60分か
けて徐々に添加すればよいが、このときの反応温度は4
0〜150℃、好ましくは80〜130℃程度とすれば
よく、添加終了後更に前記温度で1時間〜24時間撹拌
を続けることがよい。なお、このときに必要に応じて溶
媒を使用してもよく、この溶媒としてはトルエン、ヘキ
サン、トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビストリ
フルオロメチルベンゼンなどが好適なものとされ、反応
終了後に溶媒および当量以上に添加した未反応の含フッ
素オレフィンを留去すれば目的とする含フッ素オルガノ
ポリシロキサンを得ることができる。
ml三ツ口フラスコに式
3g、塩化白金酸と1,1,3,3−テトラメチル−
1,3−ジビニルジシロキサンとの反応生成物の1%ト
ルエン溶液0.017gおよび1,3−ビストリフルオ
ロメチルベンゼン30.0gを仕込み、マグネチツクス
タ−ラ−で撹拌しながらオイルバスで加温して内温を1
00〜110℃に調節した。
F17CH2CH=CH2で示される含フッ素オレフィン15.0g
(≡SiH 基に対して1.2倍モル)を約20分かけて徐
々に滴下し、滴下終了後約19時間、上記温度で撹拌を
続け、反応終了後溶媒および未反応の含フッ素オレフィ
ンを留去したところ、反応生成物18.0gが得られ
た。これについては原料に用いた≡SiH 基含有オルガノ
ポリシロキサンと回収した反応生成物としての含フッ素
オルガノポリシロキサンの重量差から、原料オルガノポ
リシロキサン中の≡SiH 基の99%が≡SiCH2CH2CH2C8F
17に変換されていることが判ったが、この3−パ−フル
オロオクチルプロピル基を有するオルガノポリシロキサ
ンについてはそのIRおよびNMR分析したところつぎ
の結果が得られたことから、このものは次の式で示され
るものであることが確認された。
認められない。)
0g、塩化白金酸と1,1,3,3−テトラメチル−
1,3−ジビニルジシロキサンとの反応生成物の1%ト
ルエン溶液0.017gおよび1,3−ビストリフルオ
ロメチルベンゼン30gを仕込み、マグネチックスタ−
ラ−で撹拌しながらオイルバスを用いて加温し、内温を
102〜108℃に調節した。
C8F17CH2CH=CH2で示される含フッ素オレフィン15.0
g(≡SiH 基に対して1.2倍モル)を約20分かけて
徐々に添加し、滴下終了後約19時間、上記温度で撹拌
を続け、反応終了後溶媒および未反応の含フッ素オレフ
ィンを留去したところ、反応生成物13.9gが得られ
た。これについては原料に用いた≡SiH 基含有オルガノ
ポリシロキサンと回収した反応生物としての含フッ素オ
ルガノポリシロキサンの重量差から、原料中の≡SiH 基
の96%が≡SiCH2CH2CH2C8F17に変換されていることが
判ったが、この3−パ−フルオロオクチルプロピル基を
有するオルガノポリシロキサンについてはそのIRおよ
びNMR分析したところ、つぎの結果が得られたので、
このものは次の式で示されるものであることが確認され
た。
使用してこの添加量を5.9gとし、含フッ素オレフィ
ンを式n-C8F17CH=CH2 で示されるもの14.6g(≡Si
H 基に対し1.2倍モル)としたほかは実施例1と同様
に処理した含フッ素オルガノポリシロキサンを作ったと
ころ、反応生成物9.5gが得られたが、これについて
は原料に用いたSiH 基含有オルガノポリシロキサンと回
収した反応生成物としての含フッ素オルガノポリシロキ
サンの重量差から原料中の≡SiH基のうち、≡SiCH2CH2C
8F17 に変換されたものは約30%にすぎないことが判
った。
ル基を有するオルガノポリシロキサンについてはそのI
RおよびNMR分析を行ったところ、≡SiH 基が残存し
ていないことが判った。オレフィンへの付加反応の他に
≡SiH 基が消費された副反応については不明であるが、
下記式で示される含フッ素オレフィンの還元反応が関与
しているものと考えられる。 C7F15CF2CH=CH2→ C7F15CF=CHCH3
を使用してこの添加量を3.6gとし、含フッ素オレフ
ィンを式n−C8F17CH=CH2 で示されるもの29.2g
(≡SiH 基に対し1.2倍モル)としたほかは実施例2
と同様に処理して含フッ素オルガノポリシロキサンを作
ったところ、反応生成物15.0gが得られたが、これ
については原料に用いた≡SiH 基含有オルガノポリシロ
キサンと回収した反応生成物としての含フッ素オルガノ
ポリシロキサンの重量差から原料中の≡SiH 基のうち、
≡SiCH2CH2C8F17 に変換されたものは約46%にすぎな
いことが判った。
ついては、そのIRおよびNMR分析を行ったところ、
≡SiH 基が残存していないことが判った。
ン、特にはパーフルオロアルキル基又はパーフルオロア
ルキルエーテル基に隣接したプロピル基又はオキシプロ
ピル基を有するオルガノポリシロキサンの製造方法に関
するものであり、これは前記したように1分子中に少な
くとも1個のRSi(H)O2/2単位(R は炭素数1〜10の脂
肪族不飽和基を除く1価炭化水素基)を有するオルガノ
ポリシロキサンと、一般式R'OaCH2CH=CH2 (ここにR'は
炭素数1〜10のパ−フルオロアルキル基、または炭素
数2〜20のエ−テル結合を有するパ−フルオロアルキ
ル基、aは0または1)で示されるフッ素オレフィンと
を触媒の存在下で加熱下に反応させることを特徴とする
ものであるが、これによれば極めて高い選択率、反応率
で≡Si-CH2CH2CH2OaR'で示される置換基を有する含フッ
素オルガノポリシロキサンを容易に得ることができ、こ
のポリマ−のフッ素含有率を任意に設定することができ
るという有利性が与えられる。
オクチルプロピル基を有するオルガノポリシロキサンの
IR図を示したものである。
オクチルプロピル基を有するオルガノポリシロキサンの
IR図を示したものである。
ポリシロキサンのIR図を示したものである。
ポリシロキサンのIR図を示したものである。
Claims (1)
- 【請求項1】1分子中に少なくとも1個のRSi(H)O2/2単
位(R は炭素数1〜10の脂肪族不飽和基を除く1価炭
化水素基)を有するオルガノポリシロキサンと、一般式
R'OaCH2CH=CH2 (ここにR'は炭素数1〜10のパ−フル
オロアルキル基、または炭素数2〜20のエ−テル結合
を有するパ−フルオロアルキル基、aは0または1)で
示される含フッ素オレフィンとを触媒の存在下で加熱下
に反応させることを特徴とする含フッ素オルガノポリシ
ロキサン化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP11089894A JP3022161B2 (ja) | 1993-06-10 | 1994-05-25 | 含フッ素オルガノポリシロキサン化合物の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP5-138411 | 1993-06-10 | ||
JP11089894A JP3022161B2 (ja) | 1993-06-10 | 1994-05-25 | 含フッ素オルガノポリシロキサン化合物の製造方法 |
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ID=26450415
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11089894A Expired - Fee Related JP3022161B2 (ja) | 1993-06-10 | 1994-05-25 | 含フッ素オルガノポリシロキサン化合物の製造方法 |
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---|---|
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JP3331348B2 (ja) * | 1996-04-22 | 2002-10-07 | クロムプトン コーポレイション | 低重合性フルオロアルキルシロキサン類を含む組成物及び当該組成物の使用方法 |
JPH09286862A (ja) * | 1996-04-23 | 1997-11-04 | Asahi Glass Co Ltd | 含フッ素シリコーン化合物の製造方法 |
US5834612A (en) * | 1996-05-18 | 1998-11-10 | Asahi Glass Company Ltd. | Fluorine-containing organic compound |
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US6197989B1 (en) | 1996-07-18 | 2001-03-06 | Asahi Glass Company Ltd. | Fluorinated organosilicon compounds and process for the preparation thereof |
-
1994
- 1994-05-25 JP JP11089894A patent/JP3022161B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0753719A (ja) | 1995-02-28 |
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