JPH06227898A - InP単結晶基板材料およびその製造方法 - Google Patents
InP単結晶基板材料およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH06227898A JPH06227898A JP5019095A JP1909593A JPH06227898A JP H06227898 A JPH06227898 A JP H06227898A JP 5019095 A JP5019095 A JP 5019095A JP 1909593 A JP1909593 A JP 1909593A JP H06227898 A JPH06227898 A JP H06227898A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- single crystal
- concentration
- substrate material
- zinc
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Semiconductor Lasers (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 亜鉛の拡散による問題を解消でき、かつ転位
密度の少ないInP単結晶基板材料を得る。 【構成】 InP単結晶基板1には、4.3×1018c
m-3以下の濃度で亜鉛がドープされており、かつ転位密
度が2000cm-2以下である。
密度の少ないInP単結晶基板材料を得る。 【構成】 InP単結晶基板1には、4.3×1018c
m-3以下の濃度で亜鉛がドープされており、かつ転位密
度が2000cm-2以下である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、InP(インジウム・
リン)単結晶基板材料およびその製造方法に関し、特に
レーザなどの光デバイスや太陽電池などのデバイスを作
成するときに使用される、亜鉛が添加されたp型のIn
P単結晶基板材料およびその製造方法に関するものであ
る。
リン)単結晶基板材料およびその製造方法に関し、特に
レーザなどの光デバイスや太陽電池などのデバイスを作
成するときに使用される、亜鉛が添加されたp型のIn
P単結晶基板材料およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】亜鉛が添加されたp型のInP単結晶基
板は、主にレーザなどのデバイスとして用いられてい
る。通常、基板の転位密度がデバイスの特性に影響を与
えるため、転位密度が最大でも2000cm-2以下の基
板が用いられている。
板は、主にレーザなどのデバイスとして用いられてい
る。通常、基板の転位密度がデバイスの特性に影響を与
えるため、転位密度が最大でも2000cm-2以下の基
板が用いられている。
【0003】従来、InP基板を製造するためにはLE
C法が用いられている。このLEC法で製造された亜鉛
添加InP単結晶の場合、図4の○印で示すように不純
物硬化作用によりキャリア濃度が高くなると転位密度が
低くなる傾向がある。なお、図4においては、便宜上、
基板の転位密度分布をエッチピット密度(EPD)の分
布で示している。以下、転位密度はこれに従う。また、
転位密度は、図2に示すように、直径50mm内の基板
面において5mm間隔で測定した69点の転位密度の平
均値である。
C法が用いられている。このLEC法で製造された亜鉛
添加InP単結晶の場合、図4の○印で示すように不純
物硬化作用によりキャリア濃度が高くなると転位密度が
低くなる傾向がある。なお、図4においては、便宜上、
基板の転位密度分布をエッチピット密度(EPD)の分
布で示している。以下、転位密度はこれに従う。また、
転位密度は、図2に示すように、直径50mm内の基板
面において5mm間隔で測定した69点の転位密度の平
均値である。
【0004】従来、上記の2000cm-2以下の転位密
度を満足するため、図4よりキャリア濃度として4.5
×1018cm-3以上の基板が使用されていた。
度を満足するため、図4よりキャリア濃度として4.5
×1018cm-3以上の基板が使用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】また従来、デバイスを
作成するために使われていた成長法は液相エピタキシャ
ル法(LPE)であったが、デバイス特性の向上を考慮
して最近では有機金属気相エピタキシャル法(MOCV
D)が使われるようになってきた。このMOCVD法の
採用とともに、LPE法では問題とならなかった基板か
らエピタキシャル層への亜鉛の拡散が問題視されるよう
になった。以下、亜鉛の拡散による問題について詳細に
説明する。
作成するために使われていた成長法は液相エピタキシャ
ル法(LPE)であったが、デバイス特性の向上を考慮
して最近では有機金属気相エピタキシャル法(MOCV
D)が使われるようになってきた。このMOCVD法の
採用とともに、LPE法では問題とならなかった基板か
らエピタキシャル層への亜鉛の拡散が問題視されるよう
になった。以下、亜鉛の拡散による問題について詳細に
説明する。
【0006】図5は、ICP分析法によって測定した基
板中の亜鉛の濃度とホール測定法によって測定した基板
中のキャリア濃度との関係を示した図である。図5に示
すように亜鉛濃度が増加するとキャリア濃度が飽和し、
電気的に活性化していない亜鉛が増加する。この電気的
に活性化している亜鉛の比率(キャリア濃度/亜鉛濃
度)が80%以下となると基板からエピタキシャル層へ
の亜鉛の拡散が原因でデバイス特性が悪化することを、
水落らは、’92秋季応用物理学会学術講演会18p−
ZE−5にて報告している。
板中の亜鉛の濃度とホール測定法によって測定した基板
中のキャリア濃度との関係を示した図である。図5に示
すように亜鉛濃度が増加するとキャリア濃度が飽和し、
電気的に活性化していない亜鉛が増加する。この電気的
に活性化している亜鉛の比率(キャリア濃度/亜鉛濃
度)が80%以下となると基板からエピタキシャル層へ
の亜鉛の拡散が原因でデバイス特性が悪化することを、
水落らは、’92秋季応用物理学会学術講演会18p−
ZE−5にて報告している。
【0007】上記の現象を避けるため、亜鉛濃度の低い
基板を用いると亜鉛の拡散による問題は解消される。し
かしながら、図4に示すように亜鉛濃度が低くなること
により基板の転位密度が高くなり、これに伴って寿命な
どのデバイス特性が悪化してしまう。
基板を用いると亜鉛の拡散による問題は解消される。し
かしながら、図4に示すように亜鉛濃度が低くなること
により基板の転位密度が高くなり、これに伴って寿命な
どのデバイス特性が悪化してしまう。
【0008】このように従来では、基板からエピタキシ
ャル層への亜鉛の拡散による問題および基板中の転位密
度による問題の双方を満足できる基板は存在しなかっ
た。
ャル層への亜鉛の拡散による問題および基板中の転位密
度による問題の双方を満足できる基板は存在しなかっ
た。
【0009】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたもので、亜鉛の拡散による問題を解消でき、かつ
転位密度の少ないInP単結晶基板材料を得ることを目
的とする。
されたもので、亜鉛の拡散による問題を解消でき、かつ
転位密度の少ないInP単結晶基板材料を得ることを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は以下
の知見に基づいてなされている。
の知見に基づいてなされている。
【0011】すなわち、本発明者は、VCZ法(Vapour
pressure controlled Czochralski)を用いて基板を製
造することにより、低い亜鉛濃度で、かつ転位密度の少
ない基板が得られることを見出した。
pressure controlled Czochralski)を用いて基板を製
造することにより、低い亜鉛濃度で、かつ転位密度の少
ない基板が得られることを見出した。
【0012】図4において、●印は、VCZ法を用いて
製造された基板のキャリア濃度とEPDの関係を示して
いる。図4より明らかなように、VCZ法により製造さ
れた基板は、比較的低い亜鉛濃度においても低い転位密
度を有している。
製造された基板のキャリア濃度とEPDの関係を示して
いる。図4より明らかなように、VCZ法により製造さ
れた基板は、比較的低い亜鉛濃度においても低い転位密
度を有している。
【0013】ここでVCZ法とは、図6(a)を参照し
て、制御された燐ガスを含む雰囲気中で、ヒータ61に
より溶融状態とされかつ液体封止剤55により覆われた
原料融液53中に種結晶51をつけて引上げることによ
りInP単結晶57を成長させる方法である。このVC
Z法は、図6(b)に示すLEC法と比較して、制御さ
れた燐圧が印加されている点で異なる。このようにVC
Z法は、燐圧を印加した環境下で成長を行なうため、低
温度勾配下での成長が可能で結晶の転位密度を低減でき
る手法であり、住友電気 第135号(1989) p
p.156〜162に示されている。
て、制御された燐ガスを含む雰囲気中で、ヒータ61に
より溶融状態とされかつ液体封止剤55により覆われた
原料融液53中に種結晶51をつけて引上げることによ
りInP単結晶57を成長させる方法である。このVC
Z法は、図6(b)に示すLEC法と比較して、制御さ
れた燐圧が印加されている点で異なる。このようにVC
Z法は、燐圧を印加した環境下で成長を行なうため、低
温度勾配下での成長が可能で結晶の転位密度を低減でき
る手法であり、住友電気 第135号(1989) p
p.156〜162に示されている。
【0014】本発明のInP単結晶基板材料は、亜鉛の
濃度が4.3×1018cm-3以下であり、転位密度が2
000cm-2以下である。亜鉛濃度が4.3×1018c
m-3以下であるため、InP単結晶基板中の亜鉛の活性
化率は95%以上となり、不活性な亜鉛の濃度が3×1
017cm-3以下となる。このため、この基板上にMOC
VD法で成長されたエピタキシャル層への亜鉛の拡散は
無視できるレベルになる。また基板中の転位密度が20
00cm-2以下であるため、基板中の転位密度が高いこ
とが原因で生じるデバイス特性の悪化を抑制することも
可能となる。
濃度が4.3×1018cm-3以下であり、転位密度が2
000cm-2以下である。亜鉛濃度が4.3×1018c
m-3以下であるため、InP単結晶基板中の亜鉛の活性
化率は95%以上となり、不活性な亜鉛の濃度が3×1
017cm-3以下となる。このため、この基板上にMOC
VD法で成長されたエピタキシャル層への亜鉛の拡散は
無視できるレベルになる。また基板中の転位密度が20
00cm-2以下であるため、基板中の転位密度が高いこ
とが原因で生じるデバイス特性の悪化を抑制することも
可能となる。
【0015】本発明の好ましい局面によれば、亜鉛濃度
は3.0×1018cm-3以上である。基板中の亜鉛濃度
が3.0×1018cm-3未満であると、基板材料の製造
条件によっては転位密度の最大値が2000cm-2を超
えることも考えられるため、亜鉛濃度は3.0×1018
cm-3以上が好ましい。
は3.0×1018cm-3以上である。基板中の亜鉛濃度
が3.0×1018cm-3未満であると、基板材料の製造
条件によっては転位密度の最大値が2000cm-2を超
えることも考えられるため、亜鉛濃度は3.0×1018
cm-3以上が好ましい。
【0016】本発明の他の好ましい局面によれば、In
P単結晶中のキャリア濃度は亜鉛濃度の95%以上であ
る。
P単結晶中のキャリア濃度は亜鉛濃度の95%以上であ
る。
【0017】本発明のさらに他の好ましい局面に従え
ば、基板材料の直径が45mm以上である。直径を45
mm以上と大口径にすることより、多数のチップを一括
で製造可能となるため、コスト面において好ましい。
ば、基板材料の直径が45mm以上である。直径を45
mm以上と大口径にすることより、多数のチップを一括
で製造可能となるため、コスト面において好ましい。
【0018】本発明のInP単結晶基板材料の製造方法
によれば、燐ガスを含む雰囲気中で液体封止剤で覆われ
た原料融液中に種結晶をつけて引上げることにより単結
晶が成長させられる。従来のLEC法によって製造され
た基板では、亜鉛濃度が4.3×1018cm-3以下とな
ると、基板中の転位密度が平均値でも2000〜100
00cm-2と高くなり、それが原因でデバイス特性が悪
化してしまう。これに対して本発明の製造方法によれ
ば、VCZ法を用いている。このため、4.3×1018
cm-3の亜鉛濃度でも基板中の転位密度を2000cm
-2以下とすることができ、これにより転位密度が高いこ
とに起因するデバイス特性の悪化を抑制することができ
るようになった。
によれば、燐ガスを含む雰囲気中で液体封止剤で覆われ
た原料融液中に種結晶をつけて引上げることにより単結
晶が成長させられる。従来のLEC法によって製造され
た基板では、亜鉛濃度が4.3×1018cm-3以下とな
ると、基板中の転位密度が平均値でも2000〜100
00cm-2と高くなり、それが原因でデバイス特性が悪
化してしまう。これに対して本発明の製造方法によれ
ば、VCZ法を用いている。このため、4.3×1018
cm-3の亜鉛濃度でも基板中の転位密度を2000cm
-2以下とすることができ、これにより転位密度が高いこ
とに起因するデバイス特性の悪化を抑制することができ
るようになった。
【0019】またデバイス特性に影響を与える基板の転
位密度と基板からエピタキシャル層への拡散との両方の
作用を抑制することができるようになるため、特性の優
れたデバイスを高い歩留で製造することができるように
なる。
位密度と基板からエピタキシャル層への拡散との両方の
作用を抑制することができるようになるため、特性の優
れたデバイスを高い歩留で製造することができるように
なる。
【0020】
(1) 実施例 レーザを作製するためVCZ法で作製した直径50mm
の基板を用い、MOCVD法で図1に示す構造のエピタ
キシャル層を成長させた。
の基板を用い、MOCVD法で図1に示す構造のエピタ
キシャル層を成長させた。
【0021】すなわち図1を参照して、p型のInP単
結晶基板1の表面上に亜鉛が1×1018cm-3の濃度で
ドープされたp型のInPエピタキシャル層3を形成し
た。またこのエピタキシャル層3の表面上には、アンド
ープInGaAsP層5と、不純物が1×1018cm-3
の濃度でドープされたn型のInP層7とを順次積層し
て形成した。
結晶基板1の表面上に亜鉛が1×1018cm-3の濃度で
ドープされたp型のInPエピタキシャル層3を形成し
た。またこのエピタキシャル層3の表面上には、アンド
ープInGaAsP層5と、不純物が1×1018cm-3
の濃度でドープされたn型のInP層7とを順次積層し
て形成した。
【0022】用いた基板1のキャリア濃度は3.5×1
018cm-3であり、亜鉛濃度も3.5×1018cm-3で
あった。また基板1中の転位密度は図2(a)に示すよ
うに基板面内全面で2000cm-2以下となっている。
なお、図2(a)〜(c)は、基板の転位密度の面内分
布を示す基板の平面図である。
018cm-3であり、亜鉛濃度も3.5×1018cm-3で
あった。また基板1中の転位密度は図2(a)に示すよ
うに基板面内全面で2000cm-2以下となっている。
なお、図2(a)〜(c)は、基板の転位密度の面内分
布を示す基板の平面図である。
【0023】エピタキシャル層を成長させた後、SIM
S法を用いて図1に示す試料の深さ方向の亜鉛濃度の分
布を測定した結果は、図3(a)に示すようにInP基
板1からInPエピタキシャル層3への亜鉛の拡散はほ
とんど見られなかった。
S法を用いて図1に示す試料の深さ方向の亜鉛濃度の分
布を測定した結果は、図3(a)に示すようにInP基
板1からInPエピタキシャル層3への亜鉛の拡散はほ
とんど見られなかった。
【0024】この基板から作製したレーザについて、寿
命試験としきい値電流の絶対値の測定とを行なった。寿
命試験は、たとえば100℃でしきい値電流より高い電
流150mAを24時間通電し、通電前後のしきい値電
流の変化で判断した。判断基準としては、通電前後のし
きい値電流の変化が±10%を超えた場合を不良とし
た。この寿命試験において本実施例のレーザに問題は全
くなく、かつしきい値電流も規格値の一例である10m
Aよりも低く、良好な値を示した。また基板のほぼ全面
から製品を作製することができた。
命試験としきい値電流の絶対値の測定とを行なった。寿
命試験は、たとえば100℃でしきい値電流より高い電
流150mAを24時間通電し、通電前後のしきい値電
流の変化で判断した。判断基準としては、通電前後のし
きい値電流の変化が±10%を超えた場合を不良とし
た。この寿命試験において本実施例のレーザに問題は全
くなく、かつしきい値電流も規格値の一例である10m
Aよりも低く、良好な値を示した。また基板のほぼ全面
から製品を作製することができた。
【0025】なお、ここで言うしきい値電流とは、レー
ザ発振するために必要な最低の電流のことである。
ザ発振するために必要な最低の電流のことである。
【0026】(2) 比較例.1 LEC法で作製した直径50mmの基板を用い、上記の
実施例と同様の評価を行なった。用いた基板のキャリア
濃度は4.0×1018cm-3であり、亜鉛濃度は4.1
×1018cm-3であった。転位密度は図2(b)に示す
ように中心より直径30mmの範囲内は転位密度が最大
でも2000cm-2以下となっているが、それより外周
部では10000cm-2を超える部分もあった。また図
1に示す試料を作製してその亜鉛濃度の深さ方向分布を
測定した結果は、図3(b)に示すようにInP基板1
からInPエピタキシャル層3への亜鉛の拡散はあまり
見られなかった。しかし、この基板から作製したレーザ
は、しきい値電流の点においては規格値を満足していた
が、基板外周部の高転位部分から作製したレーザは寿命
試験で不合格となった。
実施例と同様の評価を行なった。用いた基板のキャリア
濃度は4.0×1018cm-3であり、亜鉛濃度は4.1
×1018cm-3であった。転位密度は図2(b)に示す
ように中心より直径30mmの範囲内は転位密度が最大
でも2000cm-2以下となっているが、それより外周
部では10000cm-2を超える部分もあった。また図
1に示す試料を作製してその亜鉛濃度の深さ方向分布を
測定した結果は、図3(b)に示すようにInP基板1
からInPエピタキシャル層3への亜鉛の拡散はあまり
見られなかった。しかし、この基板から作製したレーザ
は、しきい値電流の点においては規格値を満足していた
が、基板外周部の高転位部分から作製したレーザは寿命
試験で不合格となった。
【0027】(3) 比較例.2 LEC法で作製した直径50mmの基板を用い、上記の
実施例と同様の評価を行なった。用いた基板のキャリア
濃度は4.9×1018cm-3であり、亜鉛濃度は5.3
×1018cm-3であった。基板中の転位密度は図2
(c)に示すように、実施例に比較すれば高いものの基
板面内全面で2000cm-2以下であった。また図1に
示す試料を作製し亜鉛濃度の深さ方向分布を測定した結
果は、図3(c)に示すようにInP基板1からInP
エピタキシャル層3へ大幅に亜鉛が拡散していた。この
基板から作製したレーザのしきい値電流は、上記の実施
例、比較例.1の約2倍となり、18mAでNGとな
り、すべての仕様を満足することはできなかった。
実施例と同様の評価を行なった。用いた基板のキャリア
濃度は4.9×1018cm-3であり、亜鉛濃度は5.3
×1018cm-3であった。基板中の転位密度は図2
(c)に示すように、実施例に比較すれば高いものの基
板面内全面で2000cm-2以下であった。また図1に
示す試料を作製し亜鉛濃度の深さ方向分布を測定した結
果は、図3(c)に示すようにInP基板1からInP
エピタキシャル層3へ大幅に亜鉛が拡散していた。この
基板から作製したレーザのしきい値電流は、上記の実施
例、比較例.1の約2倍となり、18mAでNGとな
り、すべての仕様を満足することはできなかった。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のInP単
結晶基板材料を使用することにより、しきい値電流が低
く、かつ寿命の長いレーザを歩留よく製造することがで
きることが判明した。このことによって、高品質のレー
ザを安価で製造できるようになる。
結晶基板材料を使用することにより、しきい値電流が低
く、かつ寿命の長いレーザを歩留よく製造することがで
きることが判明した。このことによって、高品質のレー
ザを安価で製造できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】評価に用いたレーザ用エピタキシャル構造の概
略断面図である。
略断面図である。
【図2】実施例、比較例.1、2で使用した基板の転位
密度の面内分布を示す基板の平面図である。
密度の面内分布を示す基板の平面図である。
【図3】実施例、比較例.1、2で評価した図1に示す
試料における亜鉛濃度の深さ方向分布を示す図である。
試料における亜鉛濃度の深さ方向分布を示す図である。
【図4】LEC法、VCZ法で製造した基板のキャリア
濃度と転位密度との関係を示す図である。
濃度と転位密度との関係を示す図である。
【図5】基板中の亜鉛濃度とキャリア濃度との相関関係
を示す図である。
を示す図である。
【図6】VCZ法とLEC法との引上炉の概略構造図で
ある。
ある。
1 InP単結晶基板
Claims (5)
- 【請求項1】 亜鉛の濃度が4.3×1018cm-3以下
であり、転位密度が2000cm-2以下である、InP
単結晶基板材料。 - 【請求項2】 前記亜鉛濃度は3.0×1018cm-3以
上であることを特徴とする、請求項1に記載のInP単
結晶基板材料。 - 【請求項3】 当該InP単結晶基板材料中のキャリア
濃度が前記亜鉛濃度の95%以上であることを特徴とす
る、請求項1および2のいずれかに記載のInP単結晶
基板材料。 - 【請求項4】 当該InP単結晶基板材料の直径が45
mm以上であることを特徴とする、請求項1、2および
3のいずれかに記載のInP単結晶基板材料。 - 【請求項5】 燐ガスを含む雰囲気中で液体封止剤で覆
われた原料融液中に種結晶をつけて引上げることにより
単結晶を成長させることを特徴とする、InP単結晶基
板材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5019095A JP2953236B2 (ja) | 1993-02-05 | 1993-02-05 | InP単結晶基板材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5019095A JP2953236B2 (ja) | 1993-02-05 | 1993-02-05 | InP単結晶基板材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06227898A true JPH06227898A (ja) | 1994-08-16 |
JP2953236B2 JP2953236B2 (ja) | 1999-09-27 |
Family
ID=11989922
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5019095A Expired - Lifetime JP2953236B2 (ja) | 1993-02-05 | 1993-02-05 | InP単結晶基板材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2953236B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011148693A (ja) * | 2011-03-03 | 2011-08-04 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 化合物半導体単結晶基板 |
JP2011148694A (ja) * | 2011-03-03 | 2011-08-04 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 化合物半導体単結晶基板 |
JP2012236770A (ja) * | 2003-05-07 | 2012-12-06 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 燐化インジウム基板および燐化インジウム結晶 |
WO2014156596A1 (ja) * | 2013-03-26 | 2014-10-02 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 化合物半導体ウエハ、光電変換素子、およびiii-v族化合物半導体単結晶の製造方法 |
WO2015162823A1 (ja) * | 2014-04-24 | 2015-10-29 | 住友電気工業株式会社 | 半導体積層体および受光素子 |
-
1993
- 1993-02-05 JP JP5019095A patent/JP2953236B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015129091A (ja) * | 2003-05-07 | 2015-07-16 | 住友電気工業株式会社 | 燐化インジウム基板および燐化インジウム結晶 |
JP2012236770A (ja) * | 2003-05-07 | 2012-12-06 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 燐化インジウム基板および燐化インジウム結晶 |
JP5233070B2 (ja) * | 2003-05-07 | 2013-07-10 | 住友電気工業株式会社 | 燐化インジウム基板および燐化インジウム単結晶とその製造方法 |
JP2011148694A (ja) * | 2011-03-03 | 2011-08-04 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 化合物半導体単結晶基板 |
JP2011148693A (ja) * | 2011-03-03 | 2011-08-04 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 化合物半導体単結晶基板 |
CN105247117A (zh) * | 2013-03-26 | 2016-01-13 | 吉坤日矿日石金属株式会社 | 化合物半导体晶片、光电转换元件、以及iii-v族化合物半导体单晶的制造方法 |
WO2014156596A1 (ja) * | 2013-03-26 | 2014-10-02 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 化合物半導体ウエハ、光電変換素子、およびiii-v族化合物半導体単結晶の製造方法 |
EP2982783A4 (en) * | 2013-03-26 | 2017-01-04 | JX Nippon Mining & Metals Corporation | Compound semiconductor wafer, photoelectric conversion element, and method for producing group iii-v compound semiconductor single crystals |
JPWO2014156596A1 (ja) * | 2013-03-26 | 2017-02-16 | Jx金属株式会社 | リン化インジウムウエハ、光電変換素子、およびリン化インジウム単結晶の製造方法 |
JP2018083754A (ja) * | 2013-03-26 | 2018-05-31 | Jx金属株式会社 | 化合物半導体ウエハ、および光電変換素子 |
CN108977888A (zh) * | 2013-03-26 | 2018-12-11 | 吉坤日矿日石金属株式会社 | 化合物半导体晶片、光电转换元件、以及iii-v族化合物半导体单晶的制造方法 |
EP3828319A1 (en) * | 2013-03-26 | 2021-06-02 | JX Nippon Mining & Metals Corp. | Compound semiconductor wafer, photoelectric conversion element, and method for producing group iii-v compound semiconductor single crystals |
US11211505B2 (en) | 2013-03-26 | 2021-12-28 | Jx Nippon Mining & Metals Corporation | Indium phosphide wafer, photoelectric conversion element, and method for producing a monocrystalline indium phosphide |
US11349037B2 (en) | 2013-03-26 | 2022-05-31 | Jx Nippon Mining & Metals Corporation | Indium phosphide wafer, photoelectric conversion element, and method for producing a monocrystalline indium phosphide |
EP4119703A1 (en) * | 2013-03-26 | 2023-01-18 | JX Nippon Mining & Metals Corp. | Compound semiconductor wafer, photoelectric conversion element, and method for producing group iii-v compound semiconductor single crystals |
WO2015162823A1 (ja) * | 2014-04-24 | 2015-10-29 | 住友電気工業株式会社 | 半導体積層体および受光素子 |
JP2015211053A (ja) * | 2014-04-24 | 2015-11-24 | 住友電気工業株式会社 | 半導体積層体および受光素子 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2953236B2 (ja) | 1999-09-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2933359B1 (en) | Method for growing a beta-ga2o3-based single crystal | |
CN103917700A (zh) | β-Ga2O3 系基板的制造方法和结晶层叠结构体的制造方法 | |
KR100753169B1 (ko) | 에피택셜 실리콘 웨이퍼 | |
US20090072205A1 (en) | Indium phosphide substrate, indium phosphide single crystal and process for producing them | |
EP0102192B1 (en) | Method for manufacturing green light emitting diodes | |
JPH06227898A (ja) | InP単結晶基板材料およびその製造方法 | |
US7214269B2 (en) | Si-doped GaAs single crystal substrate | |
Gottlieb | Vapor Phase Transport and Epitaxial Growth of GaAs1− x P x Using Water Vapor | |
JP2021170579A (ja) | 半導体膜及びその製造方法 | |
Mendelson | Growth pips and whiskers in epitaxially grown silicon | |
Fujita et al. | Preparation of ZnSe-ZnTe heterojunctions by liquid-phase epitaxial growth | |
Bachmann et al. | The preparation of CdSnP 2/InP heterojunctions by liquid phase epitaxy from Sn-solution | |
Chiang et al. | Low temperature LPE of Hg1-xCdxTe from Te-rich solution and its effects | |
JPS62275099A (ja) | 半絶縁性リン化インジウム単結晶 | |
JPH10261813A (ja) | 長波長受光素子用基板及びエピタキシャルウエハ | |
JPH02229796A (ja) | p型低転位密度InP単結晶基板材料 | |
JP2705016B2 (ja) | InP系化合物半導体装置 | |
EP0151000B1 (en) | A liquid-phase epitaxial growth method of a iiib-vb group compound | |
CN101849297A (zh) | ZnO系半导体元件 | |
JP3097587B2 (ja) | 発光半導体素子用エピタキシャルウェーハ | |
JPH07193331A (ja) | 発光素子用GaAs基板 | |
JPH1197740A (ja) | GaP発光ダイオード用エピタキシャルウェーハおよびGaP発光ダイオード | |
JPH03265595A (ja) | InPエピタキシャルウェハ | |
TW578316B (en) | An n type GaP single crystal substrate and its manufacturing method | |
CA1271393A (en) | Method of manufacturing a semi-insulating single crystal of gallium indium arsenide |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19990615 |