JPH06227721A - 幅出しロール、記録媒体の製造装置及び記録媒体の製造方法 - Google Patents

幅出しロール、記録媒体の製造装置及び記録媒体の製造方法

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JPH06227721A
JPH06227721A JP3450393A JP3450393A JPH06227721A JP H06227721 A JPH06227721 A JP H06227721A JP 3450393 A JP3450393 A JP 3450393A JP 3450393 A JP3450393 A JP 3450393A JP H06227721 A JPH06227721 A JP H06227721A
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roll
base film
tenter
recording medium
groove
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JP3450393A
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Noboru Numaoka
昇 沼岡
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 記録媒体の製造に際してベースフィルム1を
案内するのに使用され、ベースフィルム1をその幅方向
に張らせる溝45が幅出しロール面34上に設けられている
幅出しロール20において、その溝45のうち、ベースフィ
ルム1の幅方向の両端と接する溝部分45aを幅出しロー
ルと同種または異種の弾性材料により、埋め込んだ幅出
しロール20、及びこれを用いた磁気テープの製造装置と
方法。 【効果】 ベースフィルムの安定走行、塗布性の向上を
実現できるので、超薄物フィルムを使用した高密度、長
時間用の記録媒体の製造が可能になる。磁気テープ分野
やプリントメディア等広く適用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は幅出しロール、記録媒体
の製造装置及び記録媒体の製造方法に関し、更に詳しく
は、特に超薄物フィルムを基体として使用した記録媒体
の製造に好適な幅出しロール、その幅出しロールを用い
た記録媒体の製造装置、及びその記録媒体の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】記録媒体の高密度化、長時間化の動向に
伴い、例えば、磁気記録媒体の分野においては磁性層の
薄層化は勿論のこと、基材であるベースフィルムにも薄
物が要求されている。
【0003】磁気記録媒体、例えは磁気テープの製造に
際し、塗布型の磁気記録媒体の場合、バインダ樹脂中に
磁性粒子を分散させた磁性塗料をベースフィルム上に塗
布し、乾燥して磁性層を形成している。
【0004】ところが、この塗布において、ベースフィ
ルムが上記したように薄くなるに従って、走行するベー
スフィルムを案内するためのロール(又はローラ)上で
ベースフィルムに皺が入りやすくなるという問題が生じ
る。
【0005】この場合、フィルムへの塗布状態はフィル
ムの走行状態によって大きく影響され、特に薄いフィル
ムでは、走行時に生じる走行皺は勿論のこと、張力を強
くしたときに発生する細かい縦状のスジがそのまま塗布
ムラとして表れる。この塗布ムラにより、例えば、磁気
記録媒体の電磁変換特性をはじめ諸性能が劣化してしま
う。
【0006】そこで、これを防ぐために、一般に、幅出
しロールと称される溝付きロール(材質は例えばゴム)
をフィルムに皺の発生し易い箇所に配置している。
【0007】即ち、こうした幅出しロールは、ベースフ
ィルムを案内する際に、ベースフィルムをその幅方向に
張らせるための溝が、ベースフィルムと接触するロール
面に設けられたものであり、例えばゴム等の弾性材料か
ら成るロール面に、ベースフィルムを接触させることに
より、ベースフィルムをその幅方向に強制的に張らせ
て、その皺の発生を防止することのできるロールであ
る。
【0008】従来使用されている幅出しロールの具体例
を、図8及び図9に示す。
【0009】図8に示す幅出しロール24は、ロール軸30
に幅出しロール部31が固定されたものであり、そのロー
ル面34には、ロール軸方向中央位置を境としてに左右対
称に、任意のねじれ角を以て螺旋状に溝44が形成されて
いる(この幅出しロールを従来例のタイプAと呼ぶ)。
【0010】このタイプAの幅出しロール24を使用する
場合、ベースフィルム走行時には、仮想線で示すベース
フィルム1との間に介在するエアーフィルムやベースフ
ィルム1へのグリップ力がベースフィルム1の幅方向
(ロールの軸方向)に作用してベースフィルム1の皺を
防ぐ働きをする。
【0011】また、図9に示す幅出しロール25は、ロー
ル軸30に固定された幅出しロール部31のロール面34に、
ロール軸方向中央位置を境として左右対称に、任意の角
度を以て輪切り状(リング状)に溝45が形成されている
(この幅出しロールを従来例のタイプBと呼ぶ)。
【0012】このタイプBの幅出しロール34を使用する
場合、ベースフィルム走行時には、ベースフィルム1が
仮想線のように幅出しロール面34に押し付けられると、
ロールを構成するゴムがベースフィルム1を幅方向に張
らせるようにたわみ、これによってベースフィルム1の
皺の発生を防ぐ働きをする。
【0013】しかしながら、上記したタイプA及びタイ
プBの幅出しロールはいずれも、ベースフィルム1の厚
さが薄くなり、特に10μm以下になると、次のような欠
点を回避できないことがある。
【0014】即ち、例えば、タイプBの幅出しロールで
説明すると、図10に示すように、幅出しロール24にベー
スフィルム1が接触すると、ベースフィルム1の中央部
は幅出し状態は良好であるが、両端部Zにおいては、図
11に拡大して示すように、ベースフィルム1の端部が溝
44の影響でばたついたり、溝44内に入り込んで折れ皺44
aが発生する等の欠点が生じ易い。こうした現象は、タ
イプAの幅出しロールにおいても同様に生じる。
【0015】このように両端部に折れ皺が発生したフィ
ルムは、やはり塗布ムラが生じるために不適当なもので
ある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
したベースフィルムの如き薄い基体を用いても、その案
内時に基体がばたついたり、折れ皺を生じることのない
幅出しロール、及びその幅出しロールを用いた記録媒体
の製造装置、及びその幅出しロール又は製造装置を用い
た記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】即ち、請求項1に記載の
発明は、記録媒体の製造に際して前記記録媒体の基体を
案内するのに使用され、前記基体をその幅方向に張らせ
るための溝が前記基体に接触させるロール面に設けられ
た幅出しロールにおいて、前記溝のうち、前記基体の幅
方向の両端部と接する溝部分が、所定の材料の埋め込み
によって平坦化されていることを特徴とする幅出しロー
ルに係るものである。
【0018】請求項2に記載の発明は、少なくともロー
ル面が弾性材料より成り、基体の幅方向の両端部と接す
る溝部分に、前記弾性材料と同種または異種の弾性材料
が埋め込まれている、請求項1に記載された幅出しロー
ルに係るものである。
【0019】請求項3に記載の発明は、記録媒体の製造
に際して前記記録媒体の基体を案内するのに使用され、
前記基体をその幅方向に張らせるための溝が前記基体に
接触させるロール面に設けられた幅出しロールにおい
て、前記基体の幅方向の両端部と接する位置以外の前記
ロール面にのみ、前記溝が設けられていることを特徴と
する幅出しロールに係るものである。
【0020】請求項4に記載の発明は、記録媒体の基体
の幅方向における両端の各位置からの溝の埋め込み幅又
は溝の非存在領域幅が、前記基体の幅の1〜15%の割合
を占めており、かつ、前記両端の各位置より外側のロー
ル面にも溝の埋め込み領域又は非存在領域が設けられて
いる、請求項1〜3のいずれかに記載された幅出しロー
ルに係るものである。
【0021】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載された幅出しロールが配されている、記
録媒体の製造装置に係るものである。
【0022】請求項6に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載された幅出しロール又は請求項5に記載
された記録媒体の製造装置を用いて、厚さ10μm以下の
基体を有する記録媒体を製造する、記録媒体の製造方法
に係るものである。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
は以下の実施例に限定されるものでない。
【0024】まず図5及び図6について、本発明を磁気
テープ等の磁気記録媒体に適用した実施例による製造方
法及びその装置を説明する。
【0025】ベースフィルム1は繰出し軸11に巻回さ
れ、これから繰り出されながら塗布により磁性層を形成
した後、巻取り軸12に巻回される。繰出し軸11と巻取り
軸12との間には、ガイドローラ2、幅出しローラ20、ガ
イドローラ2a、バッキングロール(バックアップロー
ル)3に押圧されるグラビアロール5、ガイドローラ2
b、2c、2、乾燥部8及び多段ロールからなるカレン
ダ処理部9がこの順に配されている。
【0026】そして、図示しない駆動装置によって巻取
り軸12が回転すると、繰出し軸11が従動して、これに巻
回された未塗布のベースフィルム1は、ガイドローラ
2、更には本発明に基づく幅出しロール20に案内され、
グラビアロール5の前位にて幅出しロール20により強制
的に幅方向に張られながら、ガイドロール2aを介し
て、バッキングロール3とグラビアロール5を有する塗
布部13へ搬送される。幅出しロール20については、図1
〜図4において後述する。
【0027】一方、磁性塗料4は、容器7に磁性塗料の
液面高さが一定になるようにコントロールされて、塗料
タンク(図示しない)から供給される。容器7に収容さ
れた磁性塗料4は、バッキングロール3に押圧されなが
ら回転するグラビアロール5によって両ロール3、5間
に導かれる未塗布のベースフィルム1の片面に供給さ
れ、これに塗布される。
【0028】グラビアロール5にはドクターブレード6
が対向、配設されていて、グラビアロール5によって供
給される磁性塗料の層厚を一定に維持し、塗膜の厚さが
一様になるようにしてある。なお、バッキングロール3
は、静電気を逃すために導電性の弾性体(例えば導電性
ゴム)からなることが好ましい。
【0029】図1は、幅出しロール20の部分断面正面図
を示す。この幅出しロール20は、ロール軸30に幅出しロ
ール部31が固定され、既述したタイプBのものと同様に
ロール面34には、ベースフィルム1をその幅方向に張ら
せるための溝45がロール軸方向の中央位置を境にして左
右対称に任意の角度を以てリング状に形成されている。
【0030】ここで注目すべきことは、溝45のうち、ベ
ースフィルム1の幅方向の両端部1aと接する溝部分45
aは、幅出しロール20を構成している弾性材料と同種ま
たは異種の弾性材料からなる埋め込み材14により埋め込
まれ、平坦化されていることである。こうした平坦面
は、埋め込み材14を溶融させて充填後、研摩処理を施す
ことによって形成可能である。
【0031】上記のように、溝45の一部45aがベースフ
ィルム両端部若しくはその近傍領域において埋め込まれ
ている幅出しロール20を使用すると、ベースフィルム1
が走行時に接触して案内される場合、ベースフィルム1
に対して図2に示す如き力が作用する。
【0032】即ち、ベースフィルム1の中央部は溝45に
よる作用で幅方向への力TW を受けると共に、その両端
部には、張力分布の原理によって走行方向に張る力Tf
が働き、その合力としてTt が走行方向及び幅方向の双
方に同時に働くようになる。その結果、ベースフィルム
の幅出し効果を生じる。
【0033】そして、溝部分45aが埋め込まれているこ
とにより、ベースフィルム1の両端部1aはもはや溝45
内に入り込めなくなり、図1の如くに平坦性が保持され
ることになる。この結果、ベースフィルム1の厚みを10
μm以下と非常に薄くしても、既述した如きベースフィ
ルム両端部のばたつきや折れ皺の発生も防止でき、安定
走行、塗布性の向上を実現することができる。
【0034】この例においては、幅出しロール20のロー
ル部31(従って、ロール面34)は、エチレン−プロピレ
ン(EP)系のゴム材EPT等のゴム材により構成され
ている。また、溝部分45aは、例えば室温硬化型(RT
V)のシリコンゴム等の埋め込み材14により埋め込まれ
ていてよい。この埋め込み材14は、ロール20のロール部
31の材質と同一又は同種であると、溝内への充填性や被
着性の点では有利であるが、別の材質であっても差支え
はなく、コスト、物性等の面で却って有利なこともあ
る。
【0035】埋め込み材14による埋め込みは、所定の弾
性材料を溶融して溝部分45aに流し込むことにより実現
できる。埋め込まれた溝部分45aの表面はほぼ完全に平
坦であるのがよいが、必ずしも幅出しロール面34と同一
面でなくてもよい。
【0036】要は、ベースフィルム1の端部1aが溝45
a内に入り込んで折れ皺が生じない状態であれば、ロー
ル面との間に幾分凹凸があってもよいが、本発明ではそ
うした状態も「平坦化」という定義に包含されるものと
する。
【0037】溝部分45aの埋め込み範囲としては、ベー
スフィルム1の幅方向の両端が幅出しロール面34に接触
する位置(ベースフィルム両端位置)Pからベースフィ
ルム中央方向への埋め込み幅lm 及びln は、ベースフ
ィルム1の幅(lB )の1〜15%の割合を占めることが
好ましい。こうした埋め込み範囲によって、上記した効
果が確実に得られ、ベースフィルムの走行経路が位置ず
れしてもこの影響を受けないで幅出しロール20による効
果を奏することができる。
【0038】また、これと同様の理由から、前記両端位
置Pからベースフィルム外側方向のロール面にも、溝45
の埋め込み領域が埋め込み材14によって設けられている
のがよい。
【0039】図3に示す幅出しロール22は、ロール軸30
に幅出しロール部31が固定され、既述したタイプAと同
様に、ロール面34には、ベースフィルム1をその幅方向
に張らせるための溝44がロール軸方向の中央位置を境に
して左右対称に任意のねじれ角を以て螺旋状に設けられ
ている。
【0040】そして、溝44のうち、ベースフィルム1の
幅方向の両端部1aと接する溝部分44aは、上述した幅
出しロール20(タイプB)と同様にして埋め込み材14が
埋め込まれ、平坦化されている。
【0041】幅出しロール22の材質、埋め込みに使用さ
れる弾性材料の材質、その埋め込み方法、埋め込み幅等
は、図1の実施例によるロールと同様であってよい。
【0042】なお、図1や図3の例のように、溝に埋め
込む弾性材料としては、上述のRTVシリコンゴムに限
定されるものでなく、幅出しロール部に使用した弾性材
料との接着性、特理特性、耐溶剤性そして耐薬品性等を
考慮して選定することができる。
【0043】図4に示す幅出しロール23は、ロール軸30
に幅出しロール部31が固定されたものであり、幅出しロ
ール面34には、ベースフィルム1をその幅方向に張らせ
るための溝45が図1に示したロール20と同様にリング状
に設けられているが、溝45は、ベースフィルム1の幅方
向の両端部1aと接触する位置P又はその周辺を除いた
幅出しロール面34にのみ設けられていることが異なって
いる。即ち、ベースフィルム1の両端部1aが幅出しロ
ール23に接触する部位Pには、溝45が設けられておら
ず、ロール面34の平坦面がそのまま存在している。
【0044】このような溝45の非形成領域45bの幅とし
て、ベースフィルム1の幅方向の両端位置が幅出しロー
ル面34に接触する位置Pからロール面中央方向へ入った
幅lm 及びln が、ベースフィルム1の幅(lB )の1
〜15%の割合を占めることが、上述したと同様の理由か
ら好ましい。また、前記両端位置Pより外側のロール面
にも、溝45の非形成領域45bが設けられているのがよ
い。
【0045】溝45の上記した非形成領域45bを設けるに
は、ロール23の製造時にその対応した領域に溝45を設け
ないロール部31を作製すればよい。
【0046】図3の幅出しロール22及び図4の幅出しロ
ール23においても、図2で述べたと同様に、ベースフィ
ルム1が走行時に接触した場合、ベースフィルム1に対
して力TW 及びTf が働き、合力としてTt が走行方向
及び幅方向に働き、幅出し効果をもたらすと共に、上記
の非存在領域45bによってベースフィルム1の両端部の
ばたつき、折れ皺の発生もなくなる。
【0047】次に、図5及び図6に示した磁気記録媒体
の磁性層形成工程において、幅出しロールとして、図1
の幅出しロール20を塗布部13の上流側に配置して、以下
の実験を行った。
【0048】実施例1 厚み15μmのポリエチレンテレフタレートベースフィル
ムを塗布スピード;200m/分、張力;2〜6Kgの範囲で
適当と思われる値に設定し、公知の組成の磁性塗料をグ
ラビアロールで塗布した。
【0049】実施例2 ベ−スフィルムの厚みを10μmに代えた以外は、実施例
1と同様にした。
【0050】実施例3 ベ−スフィルムの厚みを6μmに代えた以外は、実施例
1と同様にした。
【0051】実施例4 ベ−スフィルムの厚みを3 .5μmに代えた以外は、実施
例1と同様にした。
【0052】比較例1 実施例1において、幅出しロール20に代えて図9の幅出
しロール25(タイプB)を使用した以外は、実施例1と
同様にした。
【0053】比較例2 実施例2において、幅出しロール20に代えて図9の幅出
しロール25(タイプB)を使用した以外は、実施例2と
同様にした。
【0054】比較例3 実施例3において、幅出しロール20に代えて図9の幅出
しロール25(タイプB)を使用した以外は、実施例3と
同様にした。
【0055】比較例4 実施例4において、幅出しロール20に代えて図9の幅出
しロール25(タイプB)を使用した以外は、実施例4と
同様にした。
【0056】上記のようにして磁性層を形成した各例に
ついて、以下の性能を測定した。
【0057】ベ−スフィルムの走行状態:図6におい
て、ガイドロール2aとバッキングロール3との間Aでの
ベースフィルムの走行状態を、ベースフィルムの中央部
及びベースフィルムの両端部で目視により観察した。
【0058】ベ−スフィルムの塗布状態:図6におい
て、ガイドロール2bとガイドロール2cとの間Bでのベー
スフィルム上の磁性塗料の塗布状態を、ベースフィルム
の中央部及びベースフィルムの両端部で目視により観察
した。
【0059】結果を表1に示す。
【0060】
【0061】表1から明らかなように、実施例1〜4に
示された本発明に基づく幅出しロールを使用すると、磁
気記録媒体のベースフィルムは、 3.5〜15μmのいずれ
の厚みのベースフィルムであっても、ベースフィルムの
中央部及び両端部において走行状態及び磁性塗料の塗布
状態が良好であり、ベースフィルム両端部のばたつき
や、折れ皺の発生、塗料ムラ等は見られない。比較例と
比べると、ベースフィルム厚が10μm以下のときに、本
発明の効果が顕著となる。
【0062】本発明の幅出しロール、及び幅出しロール
を配した磁気記録媒体の製造方法、及び製造装置を用い
ることにより、超薄物(高密度、長時間用)のベースフ
ィルムを用いても、全幅に亘って安定走行、塗布性の向
上が可能になった。
【0063】以上、本発明を例示したが、上述の実施例
は本発明の技術的思想に基いて更に変形が可能である。
【0064】例えば、幅出しロール、例えばロール20は
上記実施例の如く、磁性層形成工程の塗布部13の上流側
に配されることが好ましいが、図7に示すように、塗布
部13の上・下流側にそれぞれ配することもできる。
【0065】この場合、塗布処理前に上流側の幅出しロ
ール20によりベースフィルムをその幅方向に張らせて安
定走行させるとともに、塗布処理後、更に下流側の幅出
しロール20により幅方向に張らせることにより、次に導
かれるスムーザーバー26により、ベースフィルム上の塗
料はより良好に均一化することができる。
【0066】その他、幅出しロールを設ける位置は種々
変更してよい(例えばスムーザーバー26の下流側でも効
果がある)。また、幅出しロールの形状、構造、材質、
作製方法等も上述したものに限らず、様々に変更してよ
い。
【0067】更に、本発明は、上述した塗布型以下に、
強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体にも適用可能である。
例えば、ベースフィルムの一方の面上に、磁性層として
強磁性金属薄膜を蒸着等で形成する際においても、ベー
スフィルムをその幅方向に張らせることにより、走行皺
を防止し、ムラなく蒸着することができる。その結果、
超薄物ベースフィルム(厚み 3.5〜8.0 μm)を使用し
ている強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体(例えば、ソニ
ー社製;商品名、NTテープHigh8等)に好適に用いる
ことができる。
【0068】また、磁性層以外に、例えば、バックコー
ト層等を塗布で形成する際に、塗布処理の前後に本発明
の幅出しロールを使用することにより、ベースフィルム
をその幅方向に張らせて塗布ムラを防止し、安定走行さ
せることができる。
【0069】一方、磁気テープ以外の分野においても、
本発明は、例えばプリントメディアにおいても、超薄物
のインクリボンの製造に好適に用いることができる。イ
ンクリボン製造時に、インク層を塗布により形成する
際、塗布の少なくとも前段階で、本発明の幅出しロール
を用いると、製造時のベースフィルムの安定走行、塗布
性に有利である。
【0070】
【発明の作用効果】本発明の幅出しロールは、基体をそ
の幅方向に張らせるための溝を幅出しロール面に有する
ことにより、走行方向及び幅方向に力が働き、幅出し効
果を有する。また、基体の幅方向の両端部が接触する部
位では幅出しロール面の溝が埋め込まれているか、或い
は、溝を設けないことにより、基体の両端部がばたつい
て、その安定走行を妨害することを防止できるととも
に、基体の両端部に折れ皺等が発生することを防止でき
る。
【0071】本発明の幅出しロ−ルを用いた記録媒体の
製造装置及び製造方法は、基体を幅方向に張り、その走
行皺や折れ皺を防止し、安定走行することができるの
で、例えば、磁性層や、インク層の塗布ムラを防止する
ことができる。
【0072】本発明の幅出しロ−ルを用いた記録媒体の
製造装置及び製造方法により、薄物を使用した高密度、
長時間用記録媒体の製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による幅出しロールをベースフ
ィルムと共に示す部分断面正面図である。
【図2】同、幅出しロール上におけるベースフィルム面
上の力の作用を示す概略平面図である。
【図3】本発明の他の実施例による幅出しロールをベー
スフィルムと共に示す部分断面正面図である。
【図4】本発明の更に他の実施例による幅出しロールを
ベースフィルムと共に示す部分断面正面図である。
【図5】本発明の実施例による磁性層形成工程を示す概
略正面図である。
【図6】同磁性層形成工程の工程部分拡大図である。
【図7】本発明の他の実施例による磁性層形成工程の工
程部分拡大図である。
【図8】従来例による幅出しロールの部分断面正面図で
ある。
【図9】他の従来例による幅出しロールの部分断面正面
図である。
【図10】従来例の幅出しロールとベースフィルムとの関
係を示す斜視図である。
【図11】同、幅出しロールの一部分の拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・ベースフィルム 1a・・・両端部 2、2a、2b、2c・・・ガイドロール 3・・・バッキングロール 4・・・磁性塗料 5・・・グラビアロール 6・・・ドクターブレード 14・・・埋め込み材 20、22、23、24、25・・・幅出しロール 30・・・ロール軸 31・・・ロール部 34・・・幅出しロール面 44、45・・・溝 44a、45a・・・埋め込まれた溝部分 45b・・・溝の非形成領域 P・・・ベースフィルムの幅方向の両端位置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体の製造に際して前記記録媒体の
    基体を案内するのに使用され、前記基体をその幅方向に
    張らせるための溝が前記基体に接触させるロール面に設
    けられた幅出しロールにおいて、前記溝のうち、前記基
    体の幅方向の両端部と接する溝部分が、所定の材料の埋
    め込みによって平坦化されていることを特徴とする幅出
    しロール。
  2. 【請求項2】 少なくともロール面が弾性材料より成
    り、基体の幅方向の両端部と接する溝部分に、前記弾性
    材料と同種または異種の弾性材料が埋め込まれている、
    請求項1に記載された幅出しロール。
  3. 【請求項3】 記録媒体の製造に際して前記記録媒体の
    基体を案内するのに使用され、前記基体をその幅方向に
    張らせるための溝が前記基体に接触させるロール面に設
    けられた幅出しロールにおいて、前記基体の幅方向の両
    端部と接する位置以外の前記ロール面にのみ、前記溝が
    設けられていることを特徴とする幅出しロール。
  4. 【請求項4】 記録媒体の基体の幅方向における両端の
    各位置からの溝の埋め込み幅又は溝の非存在領域幅が、
    前記基体の幅の1〜15%の割合を占めており、かつ、前
    記両端の各位置より外側のロール面にも溝の埋め込み領
    域又は非存在領域が設けられている、請求項1〜3のい
    ずれかに記載された幅出しロール。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載された幅
    出しロールが配されている、記録媒体の製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載された幅
    出しロール又は請求項5に記載された記録媒体の製造装
    置を用いて、厚さ10μm以下の基体を有する記録媒体を
    製造する、記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013094254A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Suzuran Kk X線造影材付吸収材の製造方法及び製造装置
CN103332519A (zh) * 2013-06-19 2013-10-02 中山久力环保包装材料科技有限公司 输送压力轮

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