JPH10128210A - 塗布方法及び塗布装置 - Google Patents

塗布方法及び塗布装置

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JPH10128210A
JPH10128210A JP28420796A JP28420796A JPH10128210A JP H10128210 A JPH10128210 A JP H10128210A JP 28420796 A JP28420796 A JP 28420796A JP 28420796 A JP28420796 A JP 28420796A JP H10128210 A JPH10128210 A JP H10128210A
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coating
support
paint
gap
die
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JP28420796A
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Yasuo Ito
保夫 伊東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持体を安定的に走行させることにより、磁
性塗料を支持体上面に均一に塗布し、特に支持体の厚み
が小さい場合や、塗膜を薄膜化した場合であっても膜厚
ムラの生成を抑えることのできる塗布方法及び塗布装置
を提供する 【解決手段】 先端面に複数のリップ部6,7が間隙部
12により所定の間隔を隔てて設けられたダイ2を用
い、連続的に走行する可撓性支持体5上に、上記ダイ2
の複数のリップ部6,7より塗料を押し出しながら塗布
するに際し、可撓性支持体5を挟んで上記間隙部12と
対向する位置にバックアップロール4を設け、このバッ
クアップロール4によって可撓性支持体5を間隙部12
に押し込むようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるエクスト
ルージョン(ダイ)方式による塗布方法及び塗布装置に
関し、特に塗料の多層塗りに好適な塗布方法及び塗布装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、オーディオテープやビデオテー
プとしては、ポリエステルフィルム等の非磁性の支持体
上に磁性粉末や結合剤,分散剤,潤滑剤等を有機溶剤に
分散混練してなる磁性塗料を塗布することにより磁性層
が形成されてなる、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が使
用されている。
【0003】この塗布型の磁気記録媒体を製造する際の
磁性塗料の塗布方法としては、従来より、グラビアロー
ル方式やリバースロール方式等に代表されるように、ロ
ールを用いるロール塗布方式が主流となっている。
【0004】しかしながら、このロール塗布方式におい
ては、磁性塗料の構造粘性によっては、ロールから支持
体上への塗料転写性が損なわれて、塗布厚ムラに起因す
る出力変動や、塗料飛散によるドロップアウト等が起こ
りやすい状態となる。また、余剰供給塗料が混合工程に
戻されることによる塗料品質の劣化等の問題がある。そ
して、高速塗布になるにしたがってこれらの問題が顕著
になる傾向にある。
【0005】また、例えばロール塗布方式によって2層
の塗布膜を有する磁気記録媒体を製造しようとすると、
同一工程を2回繰り返すことが必要となり、工程が複雑
となって製造コストが上昇する等の不都合が生ずる。し
かも、上記ロール塗布方式では、上層1μm以下の薄塗
布が難しく、ビデオテープ等の製造においてはほとんど
応用されていないのが実情である。
【0006】近年、このような問題を解決し得る新しい
塗布方式として、エクストルージョン(ダイ)方式が注
目され、塗布型磁気記録媒体の製造工程において、既に
一部実用化されている。
【0007】このエクストルージョン方式は、先端部に
所定幅のスリットを有するとともに、この先端部付近を
ドクターエッジ化してなるダイを用い、連続走行する支
持体表面に向けて上記スリットから塗料を連続的に押し
出し、スリットから押し出された塗料を上記ドクターエ
ッジ化した面により均一な厚さに均しながら支持体上に
塗布するというものであり、これまで写真フィルムや印
画紙等の分野において用いられてきたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記エクストルージョ
ン方式の塗布装置において多層塗りを行う技術として
は、特開平5―31429号にて開示される塗布装置が
知られている。
【0009】この塗布装置は、図3に示すように、ダイ
14の先端面に臨んで、スリット15c,16cを有す
る複数のリップ部15,16が一体的に設けられたダイ
14を備えている。また、この各リップ部15,16間
には間隙部18が形成されている。
【0010】そして、この塗布装置は、ダイ14の両側
に設けられた一対のガイドロール19a,19bにより
支持体17を各リップ部15,16に押し付けながら走
行させ、スリット15c,16cから押し出される磁性
塗料を支持体17上に多層に塗布するようにしている。
そしてこの塗布装置では、特に間隙部18を有すること
によって、第1のリップ部15で塗布され面出しされた
下層塗膜が、この間隙部18において離間される。そし
て、その直後に第2のリップ部16により上層塗膜17
bが塗布される。このため、下層塗膜と上層塗膜とが境
界で混じり合うのが抑えられ、各層間の境界面が平滑な
ものとなる。
【0011】しかしながら、この塗布装置は、複数のリ
ップ部15,16間に形成した間隙部18においては、
支持体17の走行が不安定になり、このため、支持体1
7上に塗料が均一に塗布されず、支持体の塗料塗布面に
塗布厚ムラを生じさせてしまうという問題点を有してい
た。即ち、この塗布装置においては上述したように、支
持体17をリップ部15,16に押し付けるガイドロー
ル19a,19bはダイ14の両側に設けられている。
従って、ガイドロール19a,19bの押し付け力を調
整しても、支持体17は、第1のリップ部15を構成す
るリップのうち支持体走行方向下流側のリップ(第1の
スムージングブレード15b)及び、第2のリップ部1
2を構成するリップのうち支持体走行方向上流側のリッ
プ(第2のフロントブレード16a)に対しては十分な
接触状態が保たれない。このため、支持体17はこの第
1のスムージングブレード15bと第2のフロントブレ
ード16a間に形成される間隙部18においては走行が
不安定になってしまい、各スリット11c,12cから
押し出される磁性塗料が支持体17上面に均一に塗布さ
れずに、塗布厚ムラが生じてしまうとの問題点を有して
いた。
【0012】特に、磁気記録密度を上げるために支持体
の厚みを小さくした場合や、塗膜を薄膜化した場合に
は、この塗布厚ムラの生成が顕著になってしまう。
【0013】また、支持体の走行の安定性を高めるため
に、ガイドロール19a,19bの押し付け力を強くし
過ぎると、支持体17と、第1のリップ部を構成するリ
ップのうち支持体走行方向上流側のリップ(第1のフロ
ントブレード15a)及び、第2のリップ部を構成する
リップのうち支持体走行方向下流側のリップ(第2のス
ムージングブレード16b)との接触圧が過大になり、
支持体17に折り目やきず等が発生してしまうとの問題
点も有していた。
【0014】本発明は、このような実情に鑑みて提案さ
れたものであり、支持体を安定的に走行させることによ
り、磁性塗料を支持体上面に均一に塗布し、特に支持体
の厚みが小さい場合や、塗膜を薄膜化した場合であって
も塗布厚ムラの生成を抑えることのできる塗布方法及び
塗布装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る塗布方法は、先端面に複数のリップ
部が間隙部により所定の間隔を隔てて設けられたダイを
用い、連続的に走行する可撓性支持体上に、上記ダイの
複数のリップ部より塗料を押し出しながら塗布するに際
し、可撓性支持体を挟んで上記間隙部と対向する位置に
バックアップロールを設け、このバックアップロールに
よって可撓性支持体を間隙部に押し込むようにした。
【0016】本発明に係る塗布方法においては、可撓性
支持体をバックアップロールによって、間隙部側へ押し
込むので、支持体が安定的に走行し、この安定走行する
支持体上に塗料を塗布するようにしていることから、塗
料の均一な塗布が図られる。
【0017】また、上述の目的を達成するために、本発
明に係る塗布装置は、先端面に複数のリップ部が間隙部
により所定の間隔を隔てて設けられ、連続的に走行する
可撓性支持体上に、上記複数のリップ部より塗料を押し
出しながら塗布するダイを備えるとともに、可撓性支持
体を挟んで上記間隙部と対向する位置にバックアップロ
ールが設けられて構成される。
【0018】本発明に係る塗布装置は、複数のリップ部
間の間隙部に対向して配設されたバックアップロールが
支持体を間隙部側へ押し込んだ状態で支持することか
ら、支持体のリップ部への接触状態が良好に保たれると
ともに、間隙部における支持体の走行の安定化が図られ
る。したがって、支持体上への塗料の均一な塗布が図ら
れる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0020】本発明の塗布方法は、塗料溜りを有するダ
イの先端に設けられた複数のスリットからそれぞれ塗料
を押し出し、連続的に走行する可撓性支持体上に上記塗
料を多層に塗布するに際し、上記複数のスリットを構成
する複数のリップ部間の間隙部に対向する位置にバック
アップロールを配設し、支持体を上記バックアップロー
ルにて支持しながら走行させ、上記複数のスリットから
押し出される塗料を支持体上に多層に塗布するようにし
たものであり、例えば、図1に示すような塗布装置1を
用いて実施される。
【0021】この塗布装置1は、例えば、塗布型の磁気
記録媒体の製造工程において、磁性塗料の2層塗り、あ
るいは磁性塗料と非磁性塗料の2層塗りに使用されるも
ので、ダイ(エクストルーダ)2に供給された塗料を、
一対のガイドロール3a,3b及びバックアップロール
4に案内されて走行される支持体5上に塗布するもので
ある。そしてこの塗布装置は、支持体5が一対のガイド
ロール3a,3bにより、巻き出し側から巻き取り側に
亘って、図1中Aで示す方向に順次走行される中途部
に、ダイ2が配設されるとともに、支持体5を挟んでダ
イ2と反対側に、バックアップロール4が配設されてな
る。
【0022】ダイ2は、所定の幅を持った略直方体の金
属ブロック等からなり、図1中矢印Aで示す方向に向か
って走行する支持体5の側方に配設される。そしてこの
ダイ2は、図2に示すように、その先端部、即ち、支持
体5が摺動する側に第1のリップ部6と、この第1のリ
ップ部6から、所定の間隔をもって配設される第2のリ
ップ部7とを有している。
【0023】第1のリップ部6は、支持体走行方向の上
流側に配置される第1のフロントブレード6aと、支持
体走行方向の下流側に配設される第1のスムージングブ
レード6bとにより構成される。また、第1のフロント
ブレード6a及び第1のスムージングブレード6b間に
は、下層塗料が押し出される第1のスリット6cが形成
されている。
【0024】また、第2のリップ部7は、支持体走行方
向の上流側に配置される第2のフロントブレード7a
と、支持体走行方向の下流側に配設される第2のスムー
ジングブレード7bとにより構成される。また、第2の
フロントブレード7a及び第2のスムージングブレード
7b間には、上層塗料が押し出される第2のスリット7
cが形成されている。
【0025】各リップ部6,7のフロントブレード6
a,7aは、円滑な塗料の流れを得るために、曲面形状
に成形する。また、各スムージングブレード6b,7b
は、それぞれ支持体5の走行性等を考慮して、曲面形状
に成形するとともに、支持体5を塗料によって浮上させ
るために、それぞれの上流側端部に支持体5に対して適
切な角度を有する平面部8,9を設けるようにすること
が望ましい。そして、フロントブレード6a,7aとス
ムージングブレード6b,7b間に形成される各スリッ
ト6c,7cは、通常0.01〜2.0mm程度の非常
に狭い隙間とされ、磁性材料を含む塗料が押し出される
隙間となる。
【0026】ダイ2における各スリット6c,7cの背
面側には、それぞれ、このスリット6c,7cと通ずる
ポケット(塗液溜り)10,11が円柱状の空間として
形成されている。そして、このポケット10,11に
は、塗液供給口10a,11aが設けられており、これ
ら塗液供給口10a,11aには、図示しないが、塗料
を導入するための塗液供給管が接続されている。また、
この塗液供給管の中途部には、図示しないポンプが取り
付けられており、このポンプにより塗料が上記塗液供給
管からポケット10,11内に所定の圧力で圧送される
ようになされている。したがって、ポケット10,11
は、圧送される塗料を受ける空間となり、アキュームレ
ータの機能を持つことになる。そして、このポケット1
0,11内に圧送された塗料は、上記スリット6c,7
c内に供給され、さらにスリット6c,7cの先端部よ
り走行する支持体5の表面に押し出されることとなる。
【0027】上記第1のリップ部6と第2のリップ部7
との間の領域には、間隙部12が、ダイ2を切り欠く如
く設けられ、これにより、第1のリップ部6と第2のリ
ップ部7とはそれぞれ独立したリップ部として構成され
ている。
【0028】上記ガイドロール3a,3bは、支持体5
の巻き出し側に配設されるガイドロール3aと、支持体
5の巻き取り側に配設されるガイドロール3bとにより
構成される。これら一対のガイドロール3a,3bは、
支持体5の走行を案内する。
【0029】また、上記バックアップロール4は、上記
第1のリップ部6と第2のリップ部7間に形成される間
隙部12に対応した位置にて、支持体5を挟んでダイ2
と反対側に配設されている。そして、このバックアップ
ロール4は、押し込み調整機構13に取り付けられてお
り、これによって支持体5の走行方向と直交する方向
に、即ち、図2中矢印Bで示す、間隙部12に対して支
持体5を押し込む方向に移動され、支持体5に適当なテ
ンションを付与するようになっている。支持体5は、バ
ックアップロール4により、テンションが与えられるこ
とによってリップ部6,7との接触圧がコントロールさ
れ、走行が安定する。なお、この支持体5に与えるテン
ションは、支持体5の厚さ、リップ部6,7の形状、間
隙部12の大きさ、塗布厚等に応じて適宜調整するのが
望ましい。
【0030】以上のように構成される塗布装置1に、支
持体5をセッティングするとともに、塗料を供給する。
【0031】例えば、2層の磁性塗膜が形成された磁気
記録媒体を製造する場合には、上層塗料、下層塗料とし
て磁性塗料を供給する。また、非磁性塗膜上に磁性塗膜
が形成された磁気記録媒体を製造する場合には、上層塗
料として磁性塗料を供給し、下層塗料として非磁性塗料
を供給する。
【0032】この磁性塗料、非磁性塗料としては、この
種の磁気記録媒体で通常用いられているものが何れも使
用可能である。
【0033】例えば、磁性塗料では、磁性粉としてγ−
Fe2 3 等の酸化物磁性粉末や、Fe,Co等の金属
系磁性粉末、結合剤としてはポリ塩化ビニル系共重合
体,ポリウレタン系樹脂等、溶媒としてはメチルエチル
ケトン,トルエン,シクロヘキサノン等が挙げられる。
また、上記磁性塗料には、潤滑剤,研磨剤,分散剤等が
添加されてもよい。
【0034】非磁性塗料では、α―Fe2 3 等の非磁
性酸化鉄,酸化チタン,アルミナ等の非磁性粉末が用い
られる。非磁性塗料の結合剤,溶媒としては、磁性塗料
に使用されるものが何れも使用可能である。
【0035】支持体5は、可撓性を有する非磁性体であ
る。そて、この支持体5としては、通常の磁気記録媒体
において支持体として使用されているものがいずれも使
用可能である。
【0036】例えば、上記支持体5としては、ポリエチ
レンテレフタレート等のポリエステル類、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロース
トリアセテート、セルロースダイアセテート、セルロー
スブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネー
ト類、ポリイミド類、ポリアミドイミド等の高分子支持
体が挙げられる。
【0037】また、この支持体5には、磁性層,非磁性
層の他に、必要に応じて、バックコート層やトップコー
ト層等が形成されるようにしても良い。この場合、バッ
クコート層,トップコート層等の成膜条件は、通常この
種の磁気記録媒体の製造方法に適用される方法であれば
良く、特に限定されない。
【0038】上記支持体5は、ガイドロール3a,3b
に案内されてダイ2の先端に設けられた上記リップ部
6,7上を摺動する。そして、この支持体5上には、先
ず、第1のリップ部6により下層塗膜が塗布される。即
ち、第1のリップ部6を構成するスリット6cが所定の
圧力をもって塗料を支持体5上に連続的に押し出す。そ
して、支持体5上の塗料が第1のフロントブレード6a
によりその塗布量が調整され、第1のスムージングブレ
ード6bにより塗布面が平坦化される。これにより支持
体5上に、表面性が良好な下層塗膜が形成される。
【0039】第1のリップ部6により下層塗膜が塗布さ
れた支持体5は、その直後に、送り動作に案内されてリ
ップ部6,7間の間隙部12を経由して第2のリップ部
7に至る。そして、この第2のリップ部7により、平坦
化された下層塗膜上に上層塗膜が塗布される。即ち、第
2のリップ部を構成するスリット7cが所定の圧力をも
って塗料を支持体5上に塗布された下層塗膜上に連続的
に押し出す。下層塗膜上の塗料は第2のフロントブレー
ド7aによりその塗布量が調整され、第2のスムージン
グブレード7bにより塗布面が平坦化される。以上のよ
うにして支持体5上に下層塗膜を介して上層塗膜が形成
される。
【0040】支持体5は上記間隙部12にて送り動作さ
れる際、支持体5を挟んでダイ1と反対側に配されたバ
ックアップロール4により、間隙部12側へ押し込まれ
る。これによって支持体5にはテンションが生じ、間隙
部12における走行が安定するとともに、各リップ部
6,7への接触も適切に図られ、塗膜ムラの生成を抑制
することができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について、実
験結果に基づいて説明する。
【0042】本発明に係る塗布装置(図1に示す塗布装
置)と従来の塗布装置とを用い、以下に示す条件下で、
それぞれ実際に2層構造の磁気記録媒体を製造した。磁
気記録媒体は、フィルムの厚み、上層塗布厚み、フィル
ムの張力を変更した数種類の磁気記録媒体を製造するこ
ととし、製造された磁気記録媒体について、それぞれ塗
布面の表面性の良否を評価した。結果を表1に示す。な
お、評価は、膜厚ムラが全くない良好な表面性である場
合を○、多少の膜厚ムラの発生は認められるものの磁気
記録媒体として使用可能な場合を△、膜厚ムラの発生が
著しく、磁気記録媒体として使用不可能な場合を×でそ
れぞれ示す。
【0043】 〈テスト条件〉 塗布形態:2層塗付 塗布スピード:150〜200m/分 フィルム種:PET 130mm幅 塗料:上層;メタル塗料 固形分25% 粘度2500cps 下層;非磁性塗料 固形分30% 粘度2100cps
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果に示すように、本発明の塗布装
置は、従来の塗布装置に比し、表面性の優れた磁気記録
媒体が製造できることが確認された。特に、厚さの薄い
フィルム、上層塗布厚みの薄いフィルム等は、従来の塗
布装置では製造が困難であったが、本発明の塗布装置に
よれば、フィルム厚み、上層塗布厚み、フィルム張力等
に影響されずに、塗料を支持体上に均一に塗布すること
ができ、表面性の優れた磁気記録媒体を製造することが
できる。
【0046】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る塗布方法によれば、塗料が供給されるリップ部
間の間隙部において、支持体がバックアップロールに支
持されながら安定的に走行し、この安定走行する支持体
上に塗料を塗布するようにしていることから、塗布した
塗料の膜厚ムラを抑えることができる。
【0047】また、本発明に係る塗布装置においては、
複数のリップ部間の間隙部に配設されたバックアップロ
ールが支持体をリップ部に押し付けるように支持するこ
とから、支持体のリップ部への接触状態が良好に保たれ
るとともに、間隙部における支持体の走行の安定化が図
れる。したがって、この塗布装置は、フィルムの厚さ
や、塗膜の厚さ等に影響を受けることなく、塗料を支持
体上に均一に塗布し、良好な表面性を有する磁気記録媒
体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗布装置の一構成例を示す模式図
である。
【図2】同塗布装置の要部を拡大して示す模式図であ
る。
【図3】従来の塗布装置の一構成例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 塗布装置、2 ダイ、4 バックアップロール、5
支持体、6 第1のリップ部、7 第2のリップ部、
12 間隙部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端面に複数のリップ部が間隙部により
    所定の間隔を隔てて設けられたダイを用い、連続的に走
    行する可撓性支持体上に、上記ダイの複数のリップ部よ
    り塗料を押し出しながら塗布するに際し、 可撓性支持体を挟んで上記間隙部と対向する位置にバッ
    クアップロールを設け、このバックアップロールによっ
    て可撓性支持体を間隙部に押し込むことを特徴とする塗
    布方法。
  2. 【請求項2】 先端面に複数のリップ部が間隙部により
    所定の間隔を隔てて設けられ、連続的に走行する可撓性
    支持体上に、上記複数のリップ部より塗料を押し出しな
    がら塗布するダイを備えるとともに、可撓性支持体を挟
    んで上記間隙部と対向する位置にバックアップロールが
    設けられていることを特徴とする塗布装置。
  3. 【請求項3】 上記バックアップロールは、押し込み調
    整機構によって間隙部側に押し込まれることを特徴とす
    る請求項2記載の塗布装置。
JP28420796A 1996-10-25 1996-10-25 塗布方法及び塗布装置 Withdrawn JPH10128210A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG97233A1 (en) * 2001-07-16 2003-07-18 Murata Manufacturing Co Die coater type coating device and coating method, and sheet member manufacturing device

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SG97233A1 (en) * 2001-07-16 2003-07-18 Murata Manufacturing Co Die coater type coating device and coating method, and sheet member manufacturing device

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