JP3041492B2 - 塗布液の塗布方法および塗布装置 - Google Patents

塗布液の塗布方法および塗布装置

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JP3041492B2 JP3237349A JP23734991A JP3041492B2 JP 3041492 B2 JP3041492 B2 JP 3041492B2 JP 3237349 A JP3237349 A JP 3237349A JP 23734991 A JP23734991 A JP 23734991A JP 3041492 B2 JP3041492 B2 JP 3041492B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エクストル−ジョン
型塗布ヘッドを用いて二種以上の塗布液を同時に塗布す
る方法とその装置に関し、さらに詳しくは、エクストル
−ジョン型塗布ヘッドを用いて、二種以上の塗布液を広
範囲の塗布条件下で、塗布厚さむらや塗布スジを生じさ
せることなく、同時にかつ均一に塗布する方法とその装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、各種水溶液や樹脂液、あるいは
水や有機溶剤などの分散媒中に各種粉末を混合分散させ
てなる各種分散液を、連続して移動するベ−スフィルム
上に塗布する方法としては、グラビア方式、リバ−スロ
−ル方式、キスコ−ト方式などの間接的な塗布方式が広
く実用化され、これらの間接的な塗布方式では塗布液が
空気中に瀑露されることから、磁性粉末を結合剤樹脂等
とともに混合分散させて調製した磁性塗布液のように、
空気中への瀑露によって性状変化が生じやすい塗布液の
場合は、エクストル−ジョン方式などの直接的な塗布方
式が採用されている。(特開昭57−84771号、特
開昭58−104666号、特開昭60−238179
号)しかしながら、塗膜を多層構造にするときは、これ
ら従来からの塗布方式により一層ずつ塗布、乾燥を繰り
返していては生産性が悪い。特に、近年、磁気記録媒体
の高密度化、薄層化に伴い、磁性層を多層化することが
注目され、なかでもオ−ディオテ−プやビデオテ−プな
どのアナログ記録媒体においては、記録する周波数によ
って記録深さが異なるため、記録深さを考慮した磁性層
の多層設計を行うことにより電磁変換特性を改善するこ
とができるが、このような磁気記録媒体における多層の
磁性層を、従来の塗布方式により一層ずつ塗布、乾燥を
繰り返していては生産性が悪化する。このため、一度の
塗布、乾燥工程内で多層塗膜を形成する方法が望まれ、
第一層がウエット状態のまま次の層を塗布するウエット
オンウエット塗布方式が実用化されており、第一層は間
接塗布方式とし他層は直接塗布方式とする方法や直接塗
布方式を複数備える方法(特開昭61−139929
号、特開昭63−164023号など)、さらには直接
塗布方式であるエクストル−ジョン方式の塗布ヘッドに
複数のスリットを備えて同時に多層塗膜を形成する方法
(特開昭62−212933号、特開昭63−8808
0号など)などが試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、塗布ヘッド
に複数のスリットを備えたエクストル−ジョン方式で
は、塗布液性状の変化が抑制できることや塗布工程の高
速化への対応が容易であるなど従来からの長所が活かせ
るが、塗布ヘッドの塗布液流出スリット口をベ−スフィ
ルムに押し付けた状態で塗布しているため、塗布ヘッド
の下流側スリット口が摩耗して形状が変化し、塗布厚が
変化したりして塗膜の品質が低下する。また、塗布ヘッ
ドのスリット口周辺の形状を決定してしまうと、塗布可
能な塗布量や取り扱える塗布液の粘度範囲が狭くなり、
塗布工程の高速化に伴って塗布スジが発生しやすいなど
塗膜品質の維持管理が難しい。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、かかる現状
に鑑み種々検討を行った結果なされてもので、異なる二
種以上の塗布液をエクストル−ジョン型塗布ヘッドを用
いてベ−スフィルム上に塗布するに際し、エクストル−
ジョン型塗布ヘッドの最上層塗布液流出スリット下流側
スリット口から外方に可撓体を延設して、連続的に移動
するベ−スフィルムの表面に可撓体を屈曲させながら接
触させることによって、塗布液流出スリットから吐出さ
れてベ−スフィルム上に塗布される二種以上の塗布液
を、可撓体で平滑化しながら塗布し、広範囲の塗布条件
下において塗布厚さむらや塗布スジを発生させることな
く、同時に均一な塗布が行えるようにしたものである。
【0005】以下、この発明において使用する塗布液の
塗布装置の図面を参照しながら説明する。図1は、この
発明において使用するエクストル−ジョン型塗布ヘッド
の先端部を示したもので、このエクストル−ジョン型塗
布ヘッド1は、塗布ヘッド上流端2と塗布ヘッド下流端
3との間に、中間体4を介して下層塗布液流出スリット
5および上層塗布液流出スリット6が設けられ、塗布ヘ
ッド先端部7において下層塗布液流出スリット5と上層
塗布液流出スリット6とが合体されている。
【0006】8は上層塗布液流出スリット6の塗布ヘッ
ド下流端3側に取りつけられた可撓体であり、上層塗布
液流出スリット6の下流側スリット口61から外方に延
設されている。
【0007】図2は、このエクストル−ジョン型塗布ヘ
ッド1の下層塗布液流出スリット5と上層塗布液流出ス
リット6より、下層塗布液10および上層塗布液11を
吐出してベ−スフィルム9上に塗布する工程を示したも
ので、上層塗布液流出スリット6の下流側スリット口6
1から外方に延設された可撓体8の延設部81を、塗布
ヘッド下流端3側に屈曲させて、連続的に走行するベ−
スフィルム9上に接触させるようにしている。
【0008】しかして、下層塗布液流出スリット5から
吐出される下層塗布液10と、上層塗布液流出スリット
6から吐出される上層塗布液11は、塗布ヘッド先端部
7で合体し、吐出されると同時に、可撓体8の延設部8
1で同時に平滑化される。
【0009】従って、下層塗布液10および上層塗布液
11は、厚みむらや塗布スジを生じさせることなく、連
続的に走行するベ−スフィルム9上に同時にかつ均一に
塗布され、下層塗布液10および上層塗布液11の粘度
や塗布速度、塗布量などの塗布条件が変わっても、自由
に屈曲する可撓体8の延設部81による平滑化処理がな
されるため、広範囲の塗布条件下において良好な塗布が
行われる。また、上層塗布液流出スリット6の下流側ス
リット口61がドクタ−エッジとなることもないため、
繰り返し使用しても下流側スリット口61が摩耗して形
状が変化することもなく、磁性塗布液などの研磨粒子を
含有する下層塗布液10および上層塗布液11であって
も、繰り返し同じ条件で塗布することができ、塗膜の品
質が低下されることもない。
【0010】ここで、下層塗布液流出スリット5と上層
塗布液流出スリット6は、塗布ヘッド先端部7で合体さ
せ、合体点を塗布ヘッド上流端2の先端を基準として−
5〜2mmの範囲内にするのが望ましく、この合体点が
−5mmを超えるエクストル−ジョン型塗布ヘッド1内
部での合体は、下層塗布液10および上層塗布液11間
の乱れを生じやすく、磁気記録媒体の多層構造には適さ
ない。
【0011】また、塗布ヘッド下流端3の先端の可撓体
8と接触する部位は、可撓体8の屈曲に無理がないよう
に、その断面が1〜10mmの曲率半径をもつ曲面とな
るように構成して、上層塗布液流出スリット6の下流側
スリット口61とするのが好ましく、この曲率半径が1
mmよりも小さい場合は、上層塗布液流出スリット6の
下流側スリット口61がドクタ−エッジ的になり異物を
かみやすい。また10mmを超える場合は合体したスリ
ット先端部が拡大され、塗布幅方向の塗布厚さの均一性
を損なうおそれがある。
【0012】さらに、塗布ヘッド先端部7における上層
塗布液流出スリット6の下流側スリット口61から外方
に延設される可撓体8は、幅500mmにおける曲げ剛
性E・I(Eは縦弾性係数、Iは断面係数)が0.01kg
・mm2 より低いと、塗布中に可撓体8自体にしわが入
り易く、塗布幅方向の長周期の厚みむらをまねくため、
0.01kg・mm2 以上であることが好ましい。しかしな
がら、15kg・mm2 より高い場合には、必要以上の
ドクタ−効果が発揮されて塗布液をかきとってしまい、
下層塗布液10および上層塗布液11の平滑化が良好に
行えない。また、可撓体8の曲げ剛性が高いがゆえに、
ベ−スフィルム9上に塗設された下層塗布液10および
上層塗布液11の平滑化のため塗布ヘッド1のベ−スフ
ィルム9への押付力を大きくとる必要があり、薄手のベ
−スフィルム9に塗布する際にはベ−スフィルム9の表
面に傷をつける恐れがある。このため、幅500mmに
おける曲げ剛性E・Iは0.01〜15kg・mm2 の範囲
内であることが好ましい。
【0013】また、可撓体8の下流側スリット口61か
ら外方に延設される延設部81の長さは、3mmより短
いと所期の効果が得られず、30mmより長くするとベ
−スフィルム9上に塗設された下層塗布液10および上
層塗布液11の塗布面を粗雑にするため、塗布ヘッド1
の塗布液流出スリット6の下流側スリット口61から3
mm〜30mmの長さにするのが好ましい。
【0014】このような可撓体8としては、フィルム状
のものが好ましく使用され、たとえば、ポリエチレンテ
レフタレ−ト、ポリエチレン− 2,6−ナフタレ−ト、ポ
リエチレン、ポリオレフィン、セルロ−ス誘導体、ポリ
カ−ボネ−ト、ポリイミド、ポリアミドイミド等のプラ
スチックフィルムや、さらにアルミニウムや他の合金等
の箔などが好適なものとして使用される。
【0015】このような可撓体8が塗布ヘッド下流端3
側に取りつけられ、上層塗布液流出スリット6の下流側
スリット口61から外方に延設されると、所定の塗布厚
さとなるように塗布ヘッド先端部7で合体する下層塗布
液10と上層塗布液11の塗布液量や固形分濃度、粘度
および塗布液圧、可撓体8の曲げ剛性および塗布ヘッド
1のベ−スフィルム9に対する押付力、走行するベ−ス
フィルム9の剛性および張力とのバランスなどが良好に
調節され、下層塗布液10と上層塗布液11の平滑化が
良好に行われて、広範囲な塗布条件において、厚みむら
や塗布スジが生じることもなく、均一な塗布が行われ
る。
【0016】
【実施例】次に、この発明の実施例について説明する。 実施例1 Co被着γ−Fe2 3 (BET比表面積40m2 /g、 500重量部 保磁力680エルステッド) エスレックA(積水化学工業社製;塩化ビニル−酢酸ビ 62 〃 ニル−ビニルアルコ−ル共重合体) N−2301(日本ポリウレタン工業社製;ポリウレタ 40 〃 ン樹脂) コロネ−トL(日本ポリウレタン工業社製;三官能性イ 25 〃 ソシアネ−ト架橋剤) ミリスチン酸 5 〃 ステアリン酸n−ブチル 6 〃 シクロヘキサノン 470 〃 トルエン 470 〃 この組成物を、ボ−ルミルで72時間混合分散して、温
度25℃、ずり速度104 -1での粘度が0.60Pの下層
用磁性塗料を調製した。
【0017】一方、 Co被着γ−Fe2 3 (BET比表面積50m2 /g、 500重量部 保磁力800エルステッド) エスレックA(積水化学工業社製;塩化ビニル−酢酸ビ 65 〃 ニル−ビニルアルコ−ル共重合体) N−2301(日本ポリウレタン工業社製;ポリウレタ 38 〃 ン樹脂) コロネ−トL(日本ポリウレタン工業社製;三官能性イ 25 〃 ソシアネ−ト架橋剤) HS−500(旭カ−ボン社製;カ−ボンブラック) 3 〃 AKP−28(住友化学社製;アルミナ) 40 〃 ミリスチン酸 5 〃 ステアリン酸n−ブチル 6 〃 シクロヘキサノン 360 〃 トルエン 360 〃 メチルエチルケトン 480 〃 の組成物を、ボ−ルミルで72時間混合分散して、温度
25℃、ずり速度104-1での粘度が0.40Pの上層用
磁性塗料を調製した。
【0018】次いで、これらの下層用磁性塗料および上
層用磁性塗料を、図2に示すように厚さ36μm、幅5
20mm、延設部81の長さが20mmで、幅500m
mの時の曲げ剛性が 1.2kg・mm2 のポリエチレンテ
レフタレ−トフィルム製可撓体8を、塗布ヘッド下流端
3側の上層塗布液流出スリット6に配したSUS304
製エクストル−ジョン型塗布ヘッド1に供給した。な
お、エクストル−ジョン型塗布ヘッド1において塗布ヘ
ッド下流端3の可撓体8と接触する部位の曲面、下流側
スリット口61の曲率半径は2mmとした。次ぎに、走
行する厚さ14μm、幅508mmのポリエステルベ−
スフィルム9上に、塗布速度150m/min 、塗布幅4
80mm、下層塗布量13cc/m2上層塗布量 3.2cc/
2 で塗布し、乾燥して、乾燥後の厚さが 2.8μmの下
層の磁性層および乾燥後の厚さが 0.6μmの上層の磁性
層を形成した。
【0019】実施例2 実施例1における下層用磁性塗料の組成において、シク
ロヘキサノンの使用量を470重量部から560重量部
に変更し、トルエンの使用量を470重量部から560
重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして温度2
5℃、ずり速度104 -1での粘度が0.45Pの下層用磁
性塗料を調製した。そして、この下層用磁性塗料の塗布
量を16cc/m2とした以外は、実施例1と同様にして
下層の磁性層を形成し、同時に上層の磁性層を形成し
た。
【0020】実施例3 実施例1における上層用磁性塗料の組成において、シク
ロヘキサノンの使用量を360重量部から430重量部
に変更し、トルエンの使用量を360重量部から430
重量部に変更し、メチルエチルケトンの使用量を480
重量部から570重量部に変更した以外は、実施例1と
同様にして温度25℃、ずり速度104-1での粘度が
0.14Pの上層用磁性塗料を調製した。そして、この上層
用磁性塗料の塗布量を 3.4cc/m2 とした以外は、実施
例1と同様にして上層の磁性層を形成し、同時に下層の
磁性層を形成した。
【0021】実施例4 実施例3における下層用磁性塗料の組成において、シク
ロヘキサノンの使用量を470重量部から560重量部
に変更し、トルエンの使用量を470重量部から560
重量部に変更した以外は、実施例3と同様にして温度2
5℃、ずり速度104 -1での粘度が0.45Pの下層用磁
性塗料を調製した。そして、この下層用磁性塗料の塗布
量を16cc/m2とした以外は、実施例3と同様にして
下層の磁性層を形成し、同時に上層の磁性層を形成し
た。
【0022】実施例5 実施例3における下層用磁性塗料の組成において、シク
ロヘキサノンの使用量を470重量部から670重量部
に変更し、トルエンの使用量を470重量部から670
重量部に変更した以外は、実施例3と同様にして、温度
25℃、ずり速度104 -1での粘度が0.28Pの下層用
磁性塗料を調製した。そして、この下層用磁性塗料の塗
布量を18cc/m2 とした以外は、実施例3と同様にし
て下層の磁性層を形成し、同時に上層の磁性層を形成し
た。
【0023】実施例6 実施例1における上層用磁性塗料の組成において、シク
ロヘキサノンの使用量を360重量部から520重量部
に変更し、トルエンの使用量を360重量部から520
重量部に変更し、メチルエチルケトンの使用量を480
重量部から690重量部に変更した以外は、実施例1と
同様にして温度25℃、ずり速度104-1での粘度が
0.08Pの上層用磁性塗料を調製した。そして、この上層
用磁性塗料の塗布量を 3.9cc/m2 とした以外は、実施
例1と同様にして上層の磁性層を形成し、同時に下層の
磁性層を形成した。
【0024】実施例7 実施例6における下層用磁性塗料の組成において、シク
ロヘキサノンの使用量を470重量部から560重量部
に変更し、トルエンの使用量を470重量部から560
重量部に変更した以外は、実施例6と同様にして温度2
5℃、ずり速度104 -1での粘度が0.45Pの下層用磁
性塗料を調製した。そして、この下層用磁性塗料の塗布
量を16cc/m2とした以外は、実施例6と同様にして
下層の磁性層を形成し、同時に上層の磁性層を形成し
た。
【0025】実施例8 実施例6における下層用磁性塗料の組成において、シク
ロヘキサノンの使用量を470重量部から670重量部
に変更し、トルエンの使用量を470重量部から670
重量部に変更した以外は、実施例6と同様にして温度2
5℃、ずり速度104 -1での粘度が0.28Pの下層用磁
性塗料を調製した。そして、この下層用磁性塗料の塗布
量を18cc/m2とした以外は、実施例6と同様にして
下層の磁性層を形成し、同時に上層の磁性層を形成し
た。
【0026】実施例9 実施例1において、実施例1で使用した可撓体8に代え
て、厚さ36μm、幅520mm、延設部の長さ20m
mで、幅500mmのときの曲げ剛性が 3.3kg・mm
2 のポリエチレンテレフタレ−トからなる可撓体8を使
用し、この可撓体8を塗布ヘッド下流端3側の上層塗布
液流出スリット6に配し、塗布ヘッド下流端3の可撓体
8と接触する部位の曲面、下流側スリット口61の曲率
半径を5mmとした以外は、実施例1と同様にして下層
用磁性塗料および上層用磁性塗料の塗布を行い、下層の
磁性層および上層の磁性層を形成した。
【0027】実施例10 実施例9における下層用磁性塗料の組成において、シク
ロヘキサノンの使用量を470重量部から560重量部
に変更し、トルエンの使用量を470重量部から560
重量部に変更した以外は、実施例9と同様にして温度2
5℃、ずり速度104 -1での粘度が0.45Pの下層用磁
性塗料を調製した。そして、この下層用磁性塗料の塗布
量を16cc/m2とした以外は、実施例9と同様にして
下層の磁性層を形成し、同時に上層の磁性層を形成し
た。
【0028】実施例11 実施例9における上層用磁性塗料の組成において、シク
ロヘキサノンの使用量を360重量部から430重量部
に変更し、トルエンの使用量を360重量部から430
重量部に変更し、メチルエチルケトンの使用量を480
重量部から570重量部に変更した以外は、実施例9と
同様にして温度25℃、ずり速度104-1での粘度が
0.14Pの上層用磁性塗料を調製した。そして、この上層
用磁性塗料の塗布量を 3.4cc/m2 とした以外は、実施
例9と同様にして上層の磁性層を形成し、同時に下層の
磁性層を形成した。
【0029】実施例12 実施例11における下層用磁性塗料の組成において、シ
クロヘキサノンの使用量を470重量部から560重量
部に変更し、トルエンの使用量を470重量部から56
0重量部に変更した以外は、実施例11と同様にして温
度25℃、ずり速度104 -1での粘度が0.45Pの下層
用磁性塗料を調製した。そして、この下層用磁性塗料の
塗布量を16cc/m2 とした以外は、実施例11と同様
にして下層の磁性層を形成し、同時に上層の磁性層を形
成した。
【0030】実施例13 実施例11における下層用磁性塗料の組成において、シ
クロヘキサノンの使用量を470重量部から670重量
部に変更し、トルエンの使用量を470重量部から67
0重量部に変更した以外は、実施例11と同様にして温
度25℃、ずり速度104 -1での粘度が0.28Pの下層
用磁性塗料を調製した。そして、この下層用磁性塗料の
塗布量を18cc/m2 とした以外は、実施例11と同様
にして下層の磁性層を形成し、同時に上層の磁性層を形
成した。
【0031】実施例14 実施例9における上層用磁性塗料の組成において、シク
ロヘキサノンの使用量を360重量部から520重量部
に変更し、トルエンの使用量を360重量部から520
重量部に変更し、メチルエチルケトンの使用量を480
重量部から690重量部に変更した以外は、実施例9と
同様にして温度25℃、ずり速度104-1での粘度が
0.08Pの上層用磁性塗料を調製した。そして、この上層
用磁性塗料の塗布量を 3.9cc/m2 とした以外は、実施
例9と同様にして上層の磁性層を形成し、同時に下層の
磁性層を形成した。
【0032】実施例15 実施例14における下層用磁性塗料の組成において、シ
クロヘキサノンの使用量を470重量部から560重量
部に変更し、トルエンの使用量を470重量部から56
0重量部に変更した以外は、実施例14と同様にして温
度25℃、ずり速度104 -1での粘度が0.45Pの下層
用磁性塗料を調製した。そして、この下層用磁性塗料の
塗布量を16cc/m2 とした以外は、実施例14と同様
にして下層の磁性層を形成し、同時に上層の磁性層を形
成した。
【0033】実施例16 実施例14における下層用磁性塗料の組成において、シ
クロヘキサノンの使用量を470重量部から670重量
部に変更し、トルエンの使用量を470重量部から67
0重量部に変更した以外は、実施例14と同様にして温
度25℃、ずり速度104 -1での粘度が0.28Pの下層
用磁性塗料を調製した。そして、この下層用磁性塗料の
塗布量を18cc/m2 とした以外は、実施例14と同様
にして下層の磁性層を形成し、同時に上層の磁性層を形
成した。
【0034】比較例1 実施例1において、実施例1で使用したエクストル−ジ
ョン型塗布ヘッドに代えて、可撓体を取りつけず、塗布
ヘッド下流端の曲面の表面粗さを1s仕上げとしたエク
ストル−ジョン型塗布ヘッドを使用した以外は、実施例
1と同様にして磁性塗料の塗布を行い、上下の磁性層を
形成した。
【0035】比較例2 実施例2において、実施例2で使用したエクストル−ジ
ョン型塗布ヘッドに代えて、可撓体を取りつけず、塗布
ヘッド下流端の曲面の表面粗さを1s仕上げとしたエク
ストル−ジョン型塗布ヘッドを使用した以外は、実施例
2と同様にして磁性塗料の塗布を行い、上下の磁性層を
形成した。
【0036】比較例3 実施例3において、実施例3で使用したエクストル−ジ
ョン型塗布ヘッドに代えて、可撓体を取りつけず、塗布
ヘッド下流端の曲面の表面粗さを1s仕上げとしたエク
ストル−ジョン型塗布ヘッドを使用した以外は、実施例
3と同様にして磁性塗料の塗布を行い、上下の磁性層を
形成した。
【0037】比較例4 実施例4において、実施例4で使用したエクストル−ジ
ョン型塗布ヘッドに代えて、可撓体を取りつけず、塗布
ヘッド下流端の曲面の表面粗さを1s仕上げとしたエク
ストル−ジョン型塗布ヘッドを使用した以外は、実施例
4と同様にして磁性塗料の塗布を行い、上下の磁性層を
形成した。
【0038】比較例5 実施例5において、実施例5で使用したエクストル−ジ
ョン型塗布ヘッドに代えて、可撓体を取りつけず、塗布
ヘッド下流端の曲面の表面粗さを1s仕上げとしたエク
ストル−ジョン型塗布ヘッドを使用した以外は、実施例
5と同様にして磁性塗料の塗布を行い、上下の磁性層を
形成した。
【0039】比較例6 実施例6において、実施例6で使用したエクストル−ジ
ョン型塗布ヘッドに代えて、可撓体を取りつけず、塗布
ヘッド下流端の曲面の表面粗さを1s仕上げとしたエク
ストル−ジョン型塗布ヘッドを使用した以外は、実施例
6と同様にして磁性塗料の塗布を行い、上下の磁性層を
形成した。
【0040】比較例7 実施例7において、実施例7で使用したエクストル−ジ
ョン型塗布ヘッドに代えて、可撓体を取りつけず、塗布
ヘッド下流端の曲面の表面粗さを1s仕上げとしたエク
ストル−ジョン型塗布ヘッドを使用した以外は、実施例
7と同様にして磁性塗料の塗布を行い、上下の磁性層を
形成した。
【0041】比較例8 実施例8において、実施例8で使用したエクストル−ジ
ョン型塗布ヘッドに代えて、可撓体を取りつけず、塗布
ヘッド下流端の曲面の表面粗さを1s仕上げとしたエク
ストル−ジョン型塗布ヘッドを使用した以外は、実施例
8と同様にして磁性塗料の塗布を行い、上下の磁性層を
形成した。
【0042】各実施例および比較例において、得られた
磁性層の多層構造の均一性、磁性層の塗布面性状および
磁性層の塗布幅方向の塗布厚さむらを下記の方法で調べ
た。
【0043】<多層構造の均一性>透過型電子顕微鏡に
よる断面観察により判定し、層間の乱れが 0.1μm以下
で上下層の均一性が良好な場合を(○)、層間の乱れが
0.1μmを超え 0.5μm以下である場合を(△)、多層
構造が形成されていない場合を(×)として評価した。
【0044】<磁性層の塗布面性状>磁性層表面の性状
を目視で観察し、塗布スジが認められない場合を
(○)、塗布スジが若干認められる場合を(△)、塗布
スジが多く認められる場合(×)として評価した。
【0045】<塗布厚さむら>磁性層の塗布幅方向の塗
布厚さむらを、蛍光X線微小部膜厚計(セイコ−電子工
業社製;SFT−156、コリメ−タスポット径1m
m)を用いて測定し、平均膜厚からの偏差を百分率で表
した。下記表1および表2はその結果である。
【0046】
【0047】
【0048】
【発明の効果】上記表1および表2から明らかなよう
に、この発明の塗布装置および塗布方法で得られた二層
構造の磁性層(実施例1〜16)は、いずれも従来の塗
布方法で得られた二層構造の磁性層(比較例1〜8)に
比し、多層構造の均一性がよく、磁性層の塗布面性状が
良くて、塗布厚さむらが小さく、このことからこの発明
の塗布装置および塗布方法によれば、粘性の異なった塗
料を使用して塗布条件を広範囲に変更しても、塗布厚み
むらや塗布スジを生じさせることなく、同時にかつ均一
に多層構造塗膜を形成できて、高品位な塗膜が得られ、
生産性の向上に大きく寄与できることがわかる。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の塗布装置の一例を示すエクストル−
ジョン型塗布ヘッド先端の概略図である。
【図2】この発明の塗布装置の塗布ヘッドの塗布工程を
示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 エクストル−ジョン型塗布ヘッド 2 塗布ヘッド上流端 3 塗布ヘッド下流端 4 中間体 5 下層塗布液流出スリット 6 上層塗布液流出スリット 61 下流側スリット口 7 塗布ヘッド先端部 8 可撓体 81 延設部 9 ベ−スフィルム(ポリエステルフィルム) 10 下層塗布液(磁性塗料) 11 上層塗布液(磁性塗料)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美甘 尚伸 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立 マクセル株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−111168(JP,A) 特開 平2−131167(JP,A) 特開 昭61−293573(JP,A) 特開 昭47−3132(JP,A) 国際公開91/17838(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05C 5/02 B05D 1/26 B05D 1/36 G11B 5/842

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる二種以上の塗布液をエクストル−
    ジョン型塗布ヘッドを用いて連続的に移動するベ−スフ
    ィルム上に同時に塗布するに際し、エクストル−ジョン
    型塗布ヘッドの最上層塗布液流出スリット下流側スリッ
    ト口から外方に可撓体を延設して、連続的に移動するベ
    −スフィルムの表面に可撓体を屈曲させながら接触さ
    せ、塗布液流出スリットから吐出されてベ−スフィルム
    上に塗布される二種以上の塗布液を可撓体で平滑化しな
    がら塗布することを特徴とする塗布液の塗布方法
  2. 【請求項2】 異なる二種以上の塗布液をエクストル−
    ジョン型塗布ヘッドの先端で合体させて連続的に移動す
    るベ−スフィルム上に同時に塗布する請求項1記載の塗
    布液の塗布方法
  3. 【請求項3】 エクストル−ジョン型塗布ヘッドの最上
    層塗布液流出スリット下流端の可撓体と接触する部位
    を、その断面が1〜10mmの曲率半径をもつ曲面とし
    た請求項1記載の塗布液の塗布方法
  4. 【請求項4】 可撓体が幅500mmのときに0.01〜1
    5kg・mm2 の曲げ剛性を有する可撓体である請求項
    1記載の塗布液の塗布方法
  5. 【請求項5】 可撓体がエクストル−ジョン型塗布ヘッ
    ドの最上層塗布液流出スリット下流側スリット口から3
    〜30mm外方に延設された可撓体である請求項1記載
    の塗布液の塗布方法
  6. 【請求項6】 異なる二種以上の塗布液をエクストル−
    ジョン型塗布ヘッドを用いて連続的に移動するベ−スフ
    ィルム上に同時に塗布する塗布装置において、エクスト
    ル−ジョン型塗布ヘッドの最上層塗布液流出スリット下
    流側スリット口から外方に可撓体を延設して成り、この
    可撓体を連続的に移動するベ−スフィルムの表面に屈曲
    させながら接触させ、塗布液流出スリットから吐出され
    てベ−スフィルム上に塗布される二種以上の塗布液を、
    可撓体で平滑化しながら塗布する塗布液の塗布装置
  7. 【請求項7】 異なる二種以上の塗布液を流出する複数
    の塗布液流出スリットをエクストル−ジョン型塗布ヘッ
    ドの先端で合体させた請求項6記載の塗布液の塗布装置
  8. 【請求項8】 エクストル−ジョン型塗布ヘッドの最上
    層塗布液流出スリット下流端の可撓体と接触する部位
    を、その断面が1〜10mmの曲率半径を持つ曲面とし
    た請求項6記載の塗布液の塗布装置
  9. 【請求項9】 可撓体が幅500mmのときに0.01〜1
    5kg・mm2 の曲げ剛性を有する可撓体である請求項
    6記載の塗布液の塗布装置
  10. 【請求項10】 可撓体がエクストル−ジョン型塗布ヘ
    ッドの最上層塗布液流出スリット下流側スリット口から
    3〜30mm外方に延設された可撓体である請求項6記
    載の塗布液の塗布装置
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