JP2003126763A - 塗布方法 - Google Patents

塗布方法

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JP2003126763A
JP2003126763A JP2001330961A JP2001330961A JP2003126763A JP 2003126763 A JP2003126763 A JP 2003126763A JP 2001330961 A JP2001330961 A JP 2001330961A JP 2001330961 A JP2001330961 A JP 2001330961A JP 2003126763 A JP2003126763 A JP 2003126763A
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coating
web
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tension
doctor blade
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JP2001330961A
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English (en)
Inventor
Mikio Tomaru
美喜男 都丸
Toshihiro Bandai
俊博 萬代
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】掻き落としタイプの塗布において、可撓性支持
体に極薄で均一な塗布を行うことのできる塗布方法を提
供する。 【解決手段】本発明を用いた塗布装置10は、塗布液を
過剰に塗布するプレコート装置14と、塗布液の過剰分
を掻き落とすドクターブレード16とを備えている。ド
クターブレード16は、上下方向に位置を調節すること
ができ、これによって、ドクターブレード16の位置に
おけるウエブ12のラップ角αと、ウエブ12の走行方
向に沿った張力を調整することができる。湿潤状態で2
μm厚み以下の塗布を行う場合、ラップ角αは5〜30
°に調整し、張力は10〜30kgf/m 幅に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は塗布方法に係り、特
に写真感光材料や磁気記録媒体の製造に使用されるドク
ターブレード掻き落としタイプの塗布方法に関する。 【0002】 【従来の技術】写真感光材料や磁気記録媒体は、連続走
行する帯状で可撓性を有する支持体(以下「ウエブ」と
いう)上に磁性液等の所定の塗布液を塗布して塗布膜を
形成する塗布工程を経て製造される。特に、磁気記録テ
ープ等の磁気記録媒体は、放送用やコンピュータ用とし
て急速に容量、記録密度が向上しており、膜厚が薄く、
且つ表面が平滑な磁性層を得ることのできる塗布技術が
求められている。 【0003】塗布液をウエブ面に塗布する方法として
は、例えば、ロールコータ法、グラビアコート法、ロー
ルコートプラスドクター法、エクストルージョン型塗布
法、スライドコート型塗布法等がある。 【0004】エクストルージョン型の塗布装置のうち、
特公平5−8065号公報のように、塗布ヘッド先端部
をウエブに押し付けるタイプの塗布装置では、ウエブテ
ンションを利用して塗布ヘッド先端部での液圧を高くす
ることによりウエブに同伴されるエアーを排除し、薄く
均一な塗布層を得ることができるため、磁気記録媒体の
製造の分野では多用されている。 【0005】しかし、このタイプのエクストルージョン
型の塗布装置で塗布を行う場合でも、可能な塗布層の厚
みには限界があり、膜厚が薄い磁性層を得るという要求
に十分には答えられないという問題がある。さらに、塗
布ヘッド先端部でのウエブ削れにより塗布層にスジが発
生し易いという欠点がある。 【0006】このことから、一層薄く塗布スジのない塗
布層を得ることが可能な塗布装置として、特許第261
4119号に示されているドクターブレード掻き落とし
型の塗布装置がある。この塗布装置は、ロールコータ型
の塗布機でウエブに過剰の塗布液を塗布した後、塗布機
の下流側に配置されたドクターブレードで塗布液の過剰
分を掻き落とすことにより薄い塗布層を得るものであ
る。この場合、特許第2614119号では、ウエブに
過剰な塗布液を塗布するための塗布装置としては、ロー
ルコータ型を使用しているがこれに限る必要はなく、支
持体加圧エクストルージョン型、バックアップ付きエク
ストルージョン型、グラビアスライドコータ型等を用い
ることができる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ドクターブレード掻き落とし型の塗布装置は、近年の磁
気記録媒体のように湿潤状態で2μm以下という従来に
ない極薄な磁性層を形成した際に、塗布厚み分布が発生
することがあった。この塗布厚み分布は、従来の磁気記
録媒体の磁性層に要求される塗布層厚みの場合には見ら
れなかったものであり、塗布層の厚みを極めて薄くした
ことによって顕在化したものである。掻き落とし型の塗
布装置によって極薄で均一の塗布を行うには、この塗布
ムラの原因を追求し、その要因を排除することが必要で
ある。 【0008】本発明はこのような事情に鑑みて成された
もので、掻き落としタイプの塗布において、可撓性支持
体に極薄で均一の塗布を行うことのできる塗布方法を提
供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、帯状の支持体を連続走行させながら、プレ
コート装置で前記支持体に所望の塗布液量よりも過剰な
塗布液を塗布した後、前記支持体の塗布側面に掻き落と
し部材を相対的に押し付けて、前記塗布液の過剰分を掻
き落とす塗布方法において、前記掻き落とし部材の位置
での前記支持体のラップ角と、前記掻き落とし部材の位
置での前記支持体の走行方向に沿った張力を調整し、前
記掻き落とし部材の位置での支持体の片伸び状態を防止
するようにしたことを特徴としている。 【0010】本願発明の発明者は、極薄の塗布層に発生
する塗布厚み分布の原因として、掻き落とし部材の位置
における支持体の片伸び状態(すなわち、支持体の幅方
向の両縁部のうち、一方の縁部が他方の縁部に比べてテ
ンションが低くなり、伸びた状態になること)に着目し
た。従来は、塗布液の過剰分を掻き落とす際の支持体に
若干の片伸び状態が発生していても、塗布液の過剰分を
掻き落とした後の塗布層の厚みが厚いので、塗布面状に
大きな影響はなかった。しかし、塗布層を薄くするにつ
れて片伸び状態の影響が大きくなり、特に湿潤状態で2
μm厚み以下の塗布層を形成する場合には、僅かな片伸
び状態であっても、塗布厚み分布が発生するとの知見を
得た。本発明はこのような知見に基づいて成されたもの
で、掻き落とし部材の位置における支持体のラップ角や
張力を適正な範囲に調整することによって、支持体の片
伸び状態を防止し、極薄で均一な塗布を行うものであ
る。 【0011】支持体の片伸び状態を防止する適正な支持
体のラップ角としては、5〜30°が好ましい。また、
支持体の片伸び状態を防止する適正な支持体の張力とし
ては、1m幅換算あたり、10〜30kgf が好ましい。
このような範囲に、支持体のラップ角や張力を調整する
ことによって、支持体の片伸び状態を防止でき、極薄で
均一な塗布を行うことができる。なお、支持体のラップ
角や張力の調整方法としては、掻き落とし部材の位置を
調整する方法、或いは、掻き落とし部材の前後に配置さ
れて支持体が巻き掛けられるサポートローラの位置を調
整する方法が好ましい。 【0012】 【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る塗布方法の好ましい実施の形態について詳説する。 【0013】図1は、本発明を適用した掻き落とし型の
塗布装置10の全体構成を示した概念図であり、図2は
ドクターブレードの先端部分の拡大図である。 【0014】図1に示すように、塗布装置10は主とし
て、連続走行するウエブ12に所望の塗布量よりも過剰
の塗布液を塗布するプレコート装置14と、塗布液の過
剰分を掻き落とすドクターブレード16と、で構成され
ている。なお、プレコート装置14として、バックアッ
プ付きエクストルージョン型の塗布ヘッドの例で説明す
るが、これに限定されるものではなく、支持体加圧のエ
クストルージョン型、ロールコータ型、グラビアコータ
型、ロールコートプラスドクター型、スライドコート型
等を使用することができる。 【0015】プレコート装置14は主として、エクスト
ルージョン型の塗布ヘッド22と、この塗布ヘッド22
の先端のリップ面24に近接して対向配置されたバック
アップローラ26とで構成される。塗布ヘッド22の内
部には、ウエブ12の幅方向に沿って筒状のポケット部
28が形成されるとともに、このポケット部28からリ
ップ面24に至るスリット30が形成される。スリット
30は、ポケット部28とリップ面24とを繋ぐ狭隘な
流路であり、ウエブ12の幅方向に延長される。そし
て、塗布ヘッド22のポケット部28に供給される塗布
液は、ポケット部28でウエブ12の幅方向に拡流され
た後、スリット30を通ってスリット吐出口から吐出さ
れる。吐出された塗布液は、バックアップローラ26に
支持されて連続走行するウエブ12と、リップ面24と
の間でビードを形成しながら、ウエブ12に塗布され
る。なお、ポケット部28に塗布液を送液する方法とし
ては、ポケット部28の他端側を閉塞して一方側から供
給する方法、ポケット部28の一方側から供給して他端
側から引き抜く方法、ポケット部28の中央部から供給
して両側に分流させる方法の何れを使用してもよい。 【0016】ドクターブレード16はウエブ12の走行
方向に対して略直交するように配置されており、このド
クターブレード16の上流側にバックアップローラ2
6、下流側にサポートローラ18が設けられている。バ
ックアップローラ26とサポートローラ18は、ドクタ
ーブレード16の先端よりも低い位置に配置される。こ
れにより、バックアップローラ26とサポートローラ1
8に巻き掛けられて連続走行するウエブ12は、ドクタ
ーブレード16の先端面32に押し付けられ、ウエブ1
2上の塗布液の過剰分がドクターブレード16により掻
き落とされる。 【0017】図2に示すように、ドクターブレード16
の先端面32は、1〜30mmの曲率Rで湾曲して形成
され、この先端面32にウエブ12を入射角度(θin
0.5〜2°の範囲でラップした状態で進入させ、離れ
角度(θout )を適宜設定する。これにより、ドクター
ブレード16の先端面32とウエブ12との間隔を2μ
m以下に抑えることが可能となるので、ドクターブレー
ド16で掻き落とされた後の塗布層厚みを2μm以下の
極薄にすることができる。また、ドクターブレード16
は、例えば超合金またはファインセラミックス、アルミ
ナA−150、ジルコニア等の硬質体か、少なくとも表
面部分をこれらの材料で被覆した部材より構成されてお
り、その表面はRmax で0.5μm以下、好ましくは
0.2μm以下のあらさで表面加工されている。 【0018】ところで、ドクターブレード16とサポー
トローラ18のうちの少なくとも一方は、位置を調整で
きるようになっている。例えば、図3に示すドクターブ
レード16は、上下方向に移動して位置を調整できるよ
うに構成されている。すなわち、ドクターブレード16
の側面には、ナット部材34が取り付けられ、このナッ
ト部材34に、鉛直に配設された送りネジ36が螺合さ
れている。送りネジ36の基端部には、正逆回転可能な
減速機内蔵のモータ38が連結されており、このモータ
38を駆動することによって、送りネジ36が回転す
る。また、ナット部材34は、支柱40にガイドされて
上下方向にスライド移動できるようになっている。な
お、符号42は、ドクターブレード16を上下方向にガ
イドするガイド部材である。 【0019】上記の如く支持されたドクターブレード1
6は、モータ38を駆動することによって、上下方向に
スライド移動し、位置を調整することができる。これに
よって、図1のドクターブレード16とサポートローラ
18の相対位置が変化し、ドクターブレード16の位置
におけるウエブ12のラップ角α、或いは、ドクターブ
レード16の位置におけるウエブ12の走行方向の張力
が調整される。ウエブ12のラップ角αは、5〜30°
の範囲に調整することが好ましく、また、ウエブ12の
張力は、10〜30kgf/m 幅の範囲に調整することが好
ましい。ここで、ラップ角αは、ドクターブレード16
に対するウエブ12の入射方向(図3の矢印A方向)と
ウエブ12の離れ方向(図3の矢印B方向)が成す角度
である。 【0020】なお、ドクターブレード16の移動機構
は、上述した例に限定されるものではなく、ドクターブ
レード16の先端面32の位置を調整できるのであれば
よい。また、ドクターブレード16の移動方向も上下方
向に限定されるものではなく、例えば図1の左右方向に
移動してもよい。 【0021】また、ウエブ12のラップ角αや張力の調
整方法は、ドクターブレード16の移動によるものに限
定されず、サポートローラ18を上下左右に移動するこ
とによってその位置を調整してもよい。 【0022】図4は、サポートローラ18の位置調整機
構の一例を示している。同図に示す位置調整機構では、
サポートローラ18の両端に回転軸が52、52が取り
付けられている。この回転軸52、52はそれぞれ軸受
54、54に支持され、軸受54、54はそれぞれ、ユ
ニバーサルジョイント56、56を介してナット部材5
8、58に支持されている。ナット部材58、58はそ
れぞれ、図示しないガイド部材によってY軸方向にスラ
イド自在に支持されている。また、ナット部材58、5
8は、Y軸方向に配置されたY軸送りネジ60に螺合さ
れている。Y軸送りネジ60の基端には、正逆回転可能
な減速機内蔵のモータ62が連結されており、このモー
タ62を駆動することによってY軸送りネジ60が回転
する。 【0023】モータ62、62は移動体64の両端部に
固定されている。移動体64は、吊設部材66の下面に
X軸方向に配設されたレール68にリニアベアリング7
0を介してスライド自在に吊設される。また、移動体6
4は、X軸方向に配設されたX軸送りねじ72に螺合さ
れている。このX軸送りねじ72の基端には、図示しな
いモータが連結されており、このモータを駆動すること
によってX軸送りねじ72が回転し、移動体64がX軸
方向に移動する。 【0024】上記の如く構成された位置調整機構は、X
軸送りネジ72の基端のモータ(不図示)を駆動するこ
とによって、サポートローラ18をX軸方向(すなわ
ち、ドクターブレード16に対して前後方向)に移動さ
せることができる。また、モータ62、62を同期させ
て駆動することによってサポートローラ18をY軸方向
(すなわち、上下方向)に移動させることができる。こ
れによって、ウエブ12のラップ角αや張力を調整する
ことができる。 【0025】また、上記の位置調整機構は、一対のモー
タ62、62を異なる回転数で駆動させることによっ
て、サポートローラ18を傾斜させることもできる。 【0026】なお、サポートローラ18の位置調整機構
は、上記した機構に限定されるものではなく、サポート
ローラ18の位置を調整して、ウエブ12のラップ角α
や張力を調整できるのであればよい。 【0027】次に上記の如く構成された塗布装置10の
作用について説明する。 【0028】ドクターブレード16の位置におけるウエ
ブ12の片伸び状態は、ウエブ12のラップ角αやウエ
ブ12の走行方向の張力を大きくすることによって抑制
することができる。すなわち、ラップ角αや張力を大き
くすれば、ウエブ12が走行方向に引っ張られて張設さ
れるため、ウエブ12は片伸び状態を発生しなくなる。
したがって、ラップ角αや張力を大きくすることによっ
て、ウエブ12の片伸び状態によって生じる塗布厚み分
布を防止することができ、均一な塗布層を得ることがで
きる。しかし、ウエブ12のラップ角αや張力が大き過
ぎると、ウエブ12に走行方向の皺が発生するため、返
って塗布厚み分布が生じやすくなる。この時の臨界値
は、2μmの極薄の塗布層を形成する場合、ラップ角度
αなら30°であり、張力なら30kgf/m 幅である。逆
に、ウエブ12のラップ角αや張力が小さ過ぎると、ウ
エブ12の片伸び状態を防止できず、この片伸び状態に
よる塗布厚み分布が発生する。この時の臨界値は、2μ
m以下の塗布層を形成する場合、ラップ角度αなら5°
であり、張力なら10kgf/m 幅である。 【0029】そこで、本実施の形態は、ドクターブレー
ド16の位置を調整することによって、ウエブ12のラ
ップ角αや張力を適正な範囲に調整した。すなわち、ラ
ップ角αを5〜30°に、張力を10〜30kgf/m 幅に
調整した。このような範囲にウエブ12のラップαや張
力を調整することによって、ドクターブレード16の位
置におけるウエブ12の片伸び状態を防止することがで
きる。したがって、2μm厚み以下の塗布層を形成する
場合であっても、塗布厚み分布が発生せず、均一な塗布
層を得ることができる。 【0030】なお、上述した実施の形態において、プレ
コート装置14全体を移動させてウエブ12のラップ角
αや張力を調整するようにしてもよい。また、図5に示
すように、ドクターブレード16の上流側にサポートロ
ーラ44が配設されていた場合には、このサポートロー
ラ44の位置を上下左右に調整して、ウエブ12のラッ
プ角αやウエブ12の走行方向の張力を調整するように
してもよい。サポートローラ44の位置調整機構は、図
4に示したものと同様に構成するとよい。 【0031】さらに、図6に示すように、一対のサポー
トローラ18、48にウエブ12が巻き掛けられ、この
一対のサポートローラ18、48の間に塗布ヘッド46
とドクターブレード16が配設されていた場合には、塗
布ヘッド46の位置を調整することによって、ウエブ1
2のラップ角αや張力を調整してもよい。 【0032】なお、上述した実施の形態は、過剰の塗布
液を掻き落として計量する掻き落とし部材(アプリケー
タ)としてドクターブレード16を用いたが、これに限
定するものではなく、ロッド型の掻き落とし部材(例え
ば、表面がフラットなフラット型のロッド、ワイヤーが
密に巻回されたワイヤー型のロッド、外周面に周方向の
溝が刻設された溝刻設型のロッド)などを用いてもよ
い。 【0033】 【実施例】プレコート装置としてダイコーター(図1参
照)を用い、塗料Aを厚さ10μm、幅1000mmの
PENベース上に塗布速度200m/min、ウェット
厚み30μmで塗布した。そして、図7(A)に示すド
クターブレードで塗料Aの過剰分を掻き取り、最終塗厚
をウェットで1μmとした。図7(A)に示すドクター
ブレードは、先端面の曲率半径が1mm、刃厚が0.3
mmに形成され、左側の側面がウエブ12の走行方向の
上流側に向けて配置される。上記の条件で、ウエブのラ
ップ角とテンションを変えた際に得られた結果を表1に
示す。 【0034】また、厚さ100μm、幅600mmのP
ENフィルム上に塗料Bが乾膜2μmで塗布されている
ベース上に、プレコート装置として支持体加圧型のダイ
コーター(図6参照)を用いて、塗料Aを塗布速度40
0m/min、ウェット厚み20μmで塗布した。そし
て、図7(B)に示すドクターブレードで塗料Aの余剰
分を掻き取り、最終膜厚をウェットで1μmとした。図
7(B)に示すドクターブレードは、先端面が曲率半径
0.5mmの曲面と曲率半径10mmの曲面とからな
り、刃厚が2mmに形成され、左側の側面がウエブ12
の走行方向の上流側に向けて配置される。上記の条件
で、ウエブのラップ角とテンションを変えた際に得られ
た結果を表2に示す。 【0035】なお、塗料A、Bについては後述する。ま
た、表1、表2におけるテンションの値は、1m幅換算
の値である。 【0036】 【表1】 【0037】 【表2】 表1から分かるように、ラップ角が4°の比較例1で
は、部分的な濃淡ムラが発生し、ラップ角が35°の比
較例2では、ウエブの長手方向に周期的な厚み変動が発
生した。これに対し、ラップ角を5〜30°の範囲にし
た実施例1〜3では、良好な塗布面状が得られた。 【0038】また、ラップ角が15°であっても、テン
ションを8kgf とした比較例3ではウエブの長手方向に
周期的な厚み変動が発生し、テンションを40kgf とし
た比較例4は、等ピッチのムラが発生した。これに対
し、テンションを10〜30kgf とした実施例4、5で
は、良好な塗布面状が得られた。 【0039】一方、表2から分かるように、予め塗料B
が塗布されたベース上に塗料Aを塗布した場合にも同様
の結果が得られた。すなわち、ラップ角が5°よりも小
さい比較例5では、部分的な濃淡ムラが発生し、ラップ
角が30°よりも大きい比較例6では、ウエブの長手方
向に周期的な厚み変動が発生した。また、テンションが
10kgf より小さい比較例7では、ウエブの長手方向に
周期的な厚み変動が発生し、テンションが30kgf より
も大きい比較例8では、等ピッチでムラが発生した。そ
して、ラップ角が5〜30°で、且つテンションが10
〜30kgf である実施例6〜10において、良好な塗布
面状が得られた。 【0040】以上の結果から、ラップ角を5〜30°と
し、且つ、テンション10〜30kgf とすれば、良好な
塗布面状が得られることが分かる。 【0041】以下、上記実施例で使用した塗料A、Bに
ついて説明する。塗料A、Bはそれぞれ、下記に示す原
料の各成分をニーダで混練した後、サンドミルを用いて
四時間分散させた。そして、得られた分散液にポリイソ
シアネート10部を加え、さらにシクロヘキサノンを4
0部加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用い
て濾過し、塗布液を調整した。 【0042】塗料Aの原料の各成分は、強磁性金属微粉
末を100部、塩化ビニル共重合体としてMR110
(日本ゼオン社製)を12部、ポリウレタン樹脂として
UR8200(東洋紡社製)を3部、αアルミナとして
HIT55(住友化学社製)を10部、カーボンブラッ
クとして♯55(旭カーボン社製)を5部、フェニルホ
スホン酸を3部、ブチルステアレートを10部、ブトキ
シエチルステアレートを5部、イソヘキサデシルステア
レートを3部、ステアリン酸を2部、メチルエチルケト
ンを180部、シクロヘキサノンを180部とした。 【0043】塗料Bの原料の各成分は、非磁性粉末とし
てTiO2 結晶系ルチル(平均一次粒子径0.035μ
m、BET法による比表面積40m2 /g、pH7、T
iO 2 含有量90%以上、DBP吸油量27〜38g/
100g、表面処理剤Al23 を8重量%)を80
部、カーボンブラックとしてコンダクテックスSC−U
(コロンビアンカーボン社製)を20部、塩化ビニル共
重合体としてMR110(日本ゼオン社製)を12部、
ポリウレタン樹脂としてUR8200(東洋紡社製)を
5部、フェニルホスホン酸を4部、ブチルステアレート
を1部、ステアリン酸を3部、メチルエチルケトン/シ
クロヘキサノン(8/2混合溶剤)を250部とした。 【0044】 【発明の効果】以上説明したように本発明に係る塗布方
法によれば、掻き落とし部材の位置における支持体のラ
ップ角と張力を適正な範囲に調整したので、支持体の片
伸び状態を防止することができ、極薄で均一な塗布層を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明を用いた塗布装置の全体構成を示す概念
図 【図2】ドクターブレードの先端を示す側面図 【図3】ドクターブレードの位置調整手段を示す側面図 【図4】サポートローラの位置調整機構を示す正面図 【図5】ドクターブレードの上流側にサポートローラを
設けた塗布装置を示す概念図 【図6】ドクターブレードの上流側に塗布ヘッドを設け
た塗布装置を示す概念図 【図7】実施例で使用したドクターブレード形状を示す
側面図 【符号の説明】 10…塗布装置、12…ウエブ、14…プレコート装
置、16…ドクターブレード、18…サポートローラ、
22…塗布ヘッド、24…リップ面、26…バックアッ
プローラ、28…ポケット部、30…スリット、32…
ドクターブレードの先端面、34…ナット部材、36…
送りネジ、38…モータ、40…支柱、42…ガイド部
材、44…サポートローラ、46…塗布ヘッド、48…
サポートローラ、52…回転軸、54…軸受、56…ユ
ニバーサルジョイント、58…ナット部材、60…Y軸
送りネジ、62…モータ、64…移動体、66…吊設部
材、68…レール、70…リニアベアリング、72…X
軸送りネジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AC02 AC53 AC80 AC84 AC93 AC95 DA04 DB31 DC27 DC28 EA05 EB01 EB15 EB38 EB56 4F042 AA22 AB00 BA06 BA10 CC02 CC09 DD04 DD07 DF20

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】帯状の支持体を連続走行させながら、プレ
    コート装置で前記支持体に所望の塗布液量よりも過剰な
    塗布液を塗布した後、前記支持体の塗布側面に掻き落と
    し部材を相対的に押し付けて、前記塗布液の過剰分を掻
    き落とす塗布方法において、前記掻き落とし部材の位置
    での前記支持体のラップ角と、前記掻き落とし部材の位
    置での前記支持体の走行方向に沿った張力を調整し、前
    記掻き落とし部材の位置での支持体の片伸び状態を防止
    するようにしたことを特徴とする塗布方法。
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JP2018118128A (ja) * 2018-04-18 2018-08-02 テルモ株式会社 バルーンコーティング方法およびバルーンコーティング装置
CN116351657A (zh) * 2023-06-01 2023-06-30 江苏兴广包装科技有限公司 一种镭射转移膜涂布装置

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