JP2003126754A - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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JP2003126754A
JP2003126754A JP2001331020A JP2001331020A JP2003126754A JP 2003126754 A JP2003126754 A JP 2003126754A JP 2001331020 A JP2001331020 A JP 2001331020A JP 2001331020 A JP2001331020 A JP 2001331020A JP 2003126754 A JP2003126754 A JP 2003126754A
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doctor blade
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less
blade
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English (en)
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Mikio Tomaru
美喜男 都丸
Toshihiro Bandai
俊博 萬代
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】掻き落としタイプの塗布において、塗布ムラ分
布のない極薄で均一な塗布を行うドクターブレードを備
えた塗布装置を提供する。 【解決手段】本発明に係る塗布装置10は、連続走行す
るウエブ12に所望の塗布量よりも過剰の塗布液を塗布
するプレコート装置14と、塗布液の過剰分を掻き落と
すドクターブレード16と、を備えており、ドクターブ
レード16の作業面32で塗布液の過剰分を掻き落とす
ことによって、例えば2μmの極薄の塗布層が形成され
る。ドクターブレード16は、塗布厚み分布が発生しな
いように高精度で仕上げられており、例えば、作業面3
2の真直度が5μm/幅以下、小うねりが0.2μm以
下になるように仕上げられている。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は塗布装置に係り、特
に写真感光材料や磁気記録媒体の製造に使用されるドク
ターブレード掻き落としタイプの塗布装置に関する。 【0002】 【従来の技術】写真感光材料や磁気記録媒体は、連続走
行する帯状で可撓性を有する支持体(以下「ウエブ」と
いう)上に磁性液等の所定の塗布液を塗布して塗布膜を
形成する塗布工程を経て製造される。特に、磁気記録テ
ープ等の磁気記録媒体は、放送用やコンピュータ用とし
て急速に容量、記録密度が向上しており、膜厚が薄く、
且つ表面が平滑な磁性層を得ることのできる塗布技術が
求められている。 【0003】塗布液をウエブ面に塗布する方法として
は、例えば、ロールコータ法、グラビアコート法、ロー
ルコートプラスドクター法、エクストルージョン型塗布
法、スライドコート型塗布法等がある。 【0004】エクストルージョン型の塗布装置のうち、
特公平5−8065号公報のように、塗布ヘッド先端部
をウエブに押し付けるタイプの塗布装置では、ウエブテ
ンションを利用して塗布ヘッド先端部での液圧を高くす
ることによりウエブに同伴されるエアーを排除し、薄く
均一な塗布層を得ることができるため、磁気記録媒体の
製造の分野では多用されている。 【0005】しかし、このタイプのエクストルージョン
型の塗布装置で塗布を行う場合でも、可能な塗布層の厚
みには限界があり、膜厚が薄い磁性層を得るという要求
に十分には答えられないという問題がある。さらに、塗
布ヘッド先端部でのウエブ削れにより塗布層にスジが発
生し易いという欠点がある。 【0006】このことから、一層薄く塗布スジのない塗
布層を得ることが可能な塗布装置として、特許第261
4119号に示されているドクターブレード掻き落とし
型の塗布装置がある。この塗布装置は、ロールコータ型
の塗布機でウエブに過剰の塗布液を塗布した後、塗布機
の下流側に配置されたドクターブレードで塗布液の過剰
分を掻き落とすことにより薄い塗布層を得るものであ
る。この場合、特許第2614119号では、ウエブに
過剰な塗布液を塗布するための塗布装置としては、ロー
ルコータ型を使用しているがこれに限る必要はなく、支
持体加圧エクストルージョン型、バックアップ付きエク
ストルージョン型、グラビアスライドコータ型等を用い
ることができる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ドクターブレード掻き落とし型の塗布装置は、近年の磁
気記録媒体のように湿潤状態で2μm以下という従来に
ない極薄な磁性層を形成した際に、塗布厚み分布が生じ
ることがあった。この塗布厚み分布は、従来の磁気記録
媒体の磁性層に要求される塗布層厚みの場合には見られ
なかったものであり、塗布層の厚みを極めて薄くしたこ
とによって顕在化したものである。掻き落とし型の塗布
装置によって極薄で均一な塗布を行うには、極薄の塗布
層に特有の塗布厚み分布の原因を追求し、その要因を排
除することが必要である。 【0008】本発明はこのような事情に鑑みて成された
もので、掻き落としタイプの塗布において、塗布厚み分
布のない極薄で均一な塗布を行うドクターブレードを備
えた塗布装置を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、帯状の支持体を連続走行させながら、プレ
コート装置で前記支持体に所望の塗布液量よりも過剰な
塗布液を塗布した後、前記支持体の塗布側面にドクター
ブレードを相対的に押し付けて、前記塗布液の過剰分を
掻き落とす塗布装置において、前記ドクターブレード
は、該ドクターブレードで掻き落とした後の塗布厚みを
薄くするに従って、加工精度が高精度に仕上げられてい
ることを特徴としている。 【0010】本願発明の発明者は、極薄の塗布層に特有
の塗布厚み分布の原因として、ドクターブレードの加工
精度に着目した。従来、ドクターブレードの加工精度
は、コストとの兼ね合いから経験的に決定していた。こ
れは、ドクターブレードの加工精度を際限なく高めるこ
とがコスト上、不可能であるため、及び、従来の塗布層
厚みの場合には加工精度を大まかに決定しても塗布厚み
分布が発生しなかったためである。したがって、従来、
ドクターブレードの加工精度を、塗布層の厚みに関連し
て厳密に規定したものがなく、また、湿潤状態で2μm
以下の極薄の塗布層に関しては、好適な塗布面状が得ら
れる加工精度の経験的な値もなかった。 【0011】そこで、本願発明の発明者は、湿潤状態で
2μm厚み以下の塗布層を形成した際に顕在化した特有
の塗布厚み分布とドクターブレードの加工精度との関係
について調べた。その結果、極薄の塗布層に特有の塗布
厚み分布が、ドクターブレードの形状を表す幾つかの数
値に関連して発生することを見いだした。例えば、ドク
ターブレードに僅かなエッジ欠けがあった場合、従来の
塗布厚みでは問題なかったが、極薄の塗布層の場合には
塗布スジが発生した。同様に、ドクターブレードの作業
面の真直度、小うねり、エッジだれなどにおいても、極
薄の塗布層に特有の塗布厚み分布との関係を見いだし
た。その結果、極薄の塗布層に特有の塗布厚み分布を抑
制するのに好適なドクターブレードの形状を得ることが
できた。ドクターブレードの好適な形状は、以下の〜
の条件を満たすようにするとよい。すなわち、作業
面の真直度が5μm/幅以下、作業面の小うねりが
0.2μm以下、エッジだれが5μm以下、エッジ
部欠けの最大値が10μm以下、作業面が円弧状であ
った場合はその円弧部の芯ズレ量偏差が円弧径の5%以
下、刃厚分布が5%以内である。〜の条件はそれ
ぞれ、極薄の塗布層に特有の塗布厚み分布を抑制する効
果があり、〜の条件を少なくとも一つ満たすように
ドクターブレードを形成することによって、極薄の塗布
層に発生する特有の塗布厚み分布を抑制することができ
る。これにより、極薄の塗布層であっても均一に塗布を
行うことができる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る塗布装置の好ましい実施の形態について詳説する。 【0013】図1は、本発明を適用した掻き落とし型の
塗布装置10の全体構成を示した概念図であり、図2は
ドクターブレード16の先端部分の拡大図である。 【0014】図1に示すように、塗布装置10は主とし
て、連続走行するウエブ12に所望の塗布量よりも過剰
の塗布液を塗布するプレコート装置14と、塗布液の過
剰分を掻き落とすドクターブレード16と、で構成され
ている。なお、プレコート装置14として、バックアッ
プ付きエクストルージョン型の塗布ヘッドの例で説明す
るが、これに限定されるものではなく、支持体加圧のエ
クストルージョン型、ロールコータ型、グラビアコータ
型、ロールコートプラスドクター型、スライドコート型
等を使用することができる。 【0015】プレコート装置14は主として、エクスト
ルージョン型の塗布ヘッド22と、この塗布ヘッド22
の先端のリップ面24に近接して対向配置されたバック
アップローラ26とで構成される。塗布ヘッド22の内
部には、ウエブ12の幅方向に沿って筒状のポケット部
28が形成されるとともに、このポケット部28からリ
ップ面24に至るスリット30が形成される。スリット
30は、ポケット部28とリップ面24とを繋ぐ狭隘な
流路であり、ウエブ12の幅方向に延長される。そし
て、塗布ヘッド22のポケット部28に供給される塗布
液は、ポケット部28でウエブ12の幅方向の拡流され
た後、スリット30を上昇してスリット吐出口から吐出
される。吐出された塗布液は、バックアップローラ26
に支持されて連続走行するウエブ12と、リップ面24
との間でビードを形成しながら、ウエブ12に塗布され
る。なお、ポケット部28に塗布液を送液する方法とし
ては、ポケット部28の他端側を閉塞して一方側から供
給する方法、ポケット部28の一方側から供給して他端
側から引き抜く方法、ポケット部28の中央部から供給
して両側に分流させる方法の何れを使用してもよい。 【0016】ドクターブレード16はウエブ12の走行
方向に対して略直交するように配置されており、このド
クターブレード16の上流側にバックアップローラ2
6、下流側にサポートローラ18が設けられている。バ
ックアップローラ26とサポートローラ18は、ドクタ
ーブレード16の先端よりも低い位置に配置される。こ
れにより、連続走行するウエブ12は、ドクターブレー
ド16の先端の作業面32に押し付けられ、ウエブ12
に塗布された塗布液の過剰分がドクターブレード16に
より掻き落とされる。 【0017】ウエブ12に対向するドクターブレード1
6の作業面32は、図2に示すように、1〜30mmの
曲率Rで湾曲しており、この作業面32にウエブ12を
入射角度(θin)0.5〜2°の範囲でラップした状態
で進入させ、離れ角度(θou t )を適宜設定する。これ
により、ドクターブレード16の作業面32とウエブ1
2との間隔を数μmに抑えることが可能となるので、ド
クターブレード16で掻き落とされた後の塗布層厚みを
2μm以下の極薄にすることができる。 【0018】なお、ドクターブレード16は、例えば超
合金またはファインセラミックス、アルミナA−15
0、ジルコニア等の硬質体か、これらの材料で表面部分
を被覆した部材などより構成されており、その表面はR
max で0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下のあ
らさで表面加工されている。 【0019】また、ドクターブレード16は、高精度研
磨機などによって高精度で仕上げられており、以下の
〜の条件を満たすような形状に形成されている。すな
わち、ドクターブレード16の幅方向(図2の奥行き
方向)において作業面32の真直度が5μm/幅以下で
あること、ドクターブレード16の作業面32の小う
ねりが0.2μm以下であること、ドクターブレード
16のエッジ部32Aのだれが5μm以下であること、
ドクターブレード16のエッジ部32Aの欠けの最大
値が10μm以下であること、円弧状の作業面32の
芯ズレ量偏差が円弧径の5%以下であること、刃厚t
の分布が5%以内であること、以上〜の条件を少な
くとも一つ満たすようにドクターブレード16が高精度
で仕上げられている。ドクターブレード16が〜の
条件を満たす精度で仕上げられていると、極薄の塗布層
に特有の塗布厚み分布が発生せず、湿潤状態で2μm以
下の極薄で均一な塗布を行うことができる。 【0020】例えば、ドクターブレード16がの条件
を満たすと、作業面32が幅方向に高い真直度を有する
ようになり、作業面32とウエブ12との間隔がウエブ
12の幅方向に均一になるので、ウエブ12の幅方向の
塗布厚み分布の発生を抑制でき、極薄で均一な塗布層を
形成することができる。 【0021】また、ドクターブレード16がの条件を
満たすときには、作業面32の小うねりが小さくなる。
ここでいう小うねりとは、ウエブ12の幅方向に沿って
触針を接触させてトレースし、この触針によりピックア
ップされた断面曲線から、波長の短い表面粗さの成分と
波長の長い真直度成分とを除去したものである。したが
って、小うねりを小さくすると、作業面32が幅方向に
滑らかになるので、極薄の塗布層を形成した場合でも塗
布層に塗布厚み分布が見られなくなる。 【0022】ドクターブレード16がの条件を満たす
ときは、エッジ部32Aのだれが小さくなる。ここでい
う「だれ」とは、図3(A)、図3(B)に示すよう
に、実際のエッジ形状が、設計上のエッジ形状よりも丸
まってしまうことである。図3(A)は、二つの平面に
挟まれたエッジ部であり、図3(B)は、平面と円弧面
に挟まれたエッジ部である。どちらの場合にも、平面や
円弧面を砥石で加工した際に「だれ」が発生する。ま
た、「だれの大きさ」とは、設計上の頂点と実際のエッ
ジ部との距離Hである。このだれの大きさが5μm以下
と小さくなると、湿潤状態で2μm以下の極薄の塗布層
を形成した際に、ウエブ12の長手方向に塗布厚み分布
が生じることを防止することができる。 【0023】ドクターブレード16がの条件を満たす
とき、エッジ部32Aには、極薄の塗布層に塗布スジを
形成するような大きい欠けがない。ここでいう「欠け」
とは、図4に示すように、エッジ部32Aにおいて設計
上にない凹みのことであり、「欠けの大きさ」とは、幅
方向の長さLである。この「欠けの大きさ」が10μm
以下になると、湿潤状態で2μm以下の塗布層を形成し
た場合であっても、塗布スジが無くなり、均一な塗布を
行うことができる。 【0024】ドクターブレード16がの条件を満た
し、芯ズレ量偏差が円弧径の5%以下になると、作業面
32が高い精度で円弧状に形成されるので、塗布液の流
れがスムーズになり、極薄の塗布層を均一に形成するこ
とができる。ここでいう「芯ズレ量偏差」とは、例えば
図5において、側面が基準面である場合、その基準面と
円弧の中心Oとの距離Xが芯ズレ量であり、その芯ズレ
量のバラツキ(ブレードの幅方向での芯ズレ量の変動
量)を芯ズレ量で割ったものが芯ズレ量偏差である。な
お、上述した実施の形態は、作業面32を一つの大きな
円弧状に形成したが、作業面32の形状はこれに限定す
るものではなく、二つ以上の径の異なる円弧部を組み合
わせた形状(図7(B)参照)や円弧部と平面部とを組
み合わせた形状であてもよい。その場合、の条件は、
作業面32に含まれる円弧部の芯ズレ量偏差が円弧径の
5%以下を満たすようにすればよい。 【0025】ドクターブレード16がの条件を満たす
と、刃厚t(図2参照)の分布が均一に形成され、ウエ
ブ12の走行方向の厚みムラが発生することを抑制でき
る。ここでいう刃厚分布とは、刃厚のバラツキ(ブレー
ドの幅方向での刃厚の変動量)を刃厚で割ったものであ
る。 【0026】なお、ドクターブレード16は、〜の
条件を複数、或いは全て満たすように形成してもよく、
満たす条件の数が増えるほど、均一な塗布層を形成する
ことができ、塗布層の薄型化に対応することができる。 【0027】また、ドクターブレード16の加工方法と
しては、例えば、超硬部材をカップ型砥石、或いは総型
砥石で研磨してブレード刃先を形成する方法が好まし
い。カップ型砥石を用いた場合には、そのカップ型砥石
の軸芯を作業面の長手方向に傾けると、上述したような
高い精度で加工することができる。 【0028】このように本実施の形態の塗布装置10に
よれば、ドクターブレード16の形状(加工精度)を、
塗布層の薄型化に応じて明確に規定したので、例えば2
μm以下の極薄の塗布層を形成した際にも塗布厚み分布
が発生せず、均一な塗布層を得ることができる。 【0029】なお、上述した実施の形態は、2μm以下
の極薄の塗布層を形成するのに好適なドクターブレード
16の形状を示したが、より極薄の塗布層を形成する場
合にはドクターブレード16の上述した加工精度をより
高精度にすればよい。 【0030】また、本発明は、図6に示す塗布装置にも
適用することができる。図3に示す塗布装置は、サポー
トローラ33、33の間に塗布ヘッド34を設け、この
塗布ヘッド34で、過剰な塗布液の塗布と、塗布液の過
剰分の掻き落としを行っている。すなわち、塗布ヘッド
34の内部には、円筒状の塗布用ポケット部36と回収
用ポケット部38が塗布ヘッド34の幅方向に形成され
ている。塗布用ポケット部36には、供給ライン40に
接続され、この供給ライン40を介して塗布液が塗布用
ポケット部36に供給される。また、回収用ポケット部
38には、回収ライン42が接続され、この回収ライン
42を介して回収用ポケット部38の塗布液が回収され
る。また、塗布ヘッド34の内部には、塗布用ポケット
部36に連通される塗布用スリット44と、回収用ポケ
ット部38に連通される回収用スリット46が形成され
ている。回収用スリット46は、塗布用スリット44よ
りも、ウエブ12の走行方向に対して下流側に開口され
ている。これにより、塗布用ポケット部36に供給され
た塗布液は、塗布用スリット44から押し出されてウエ
ブ12上に塗布され、その塗布液の過剰分が回収用スリ
ット46を介して回収用ポケット部38に回収される。
なお、回収用ポケット部38から回収ライン42を介し
て回収した塗布液を、供給ライン40から塗布用ポケッ
ト部36に供給するようにしてもよい。 【0031】上記の如く構成された塗布装置の塗布ヘッ
ド34は、回収用スリット46の下流側のブロック34
Aが、図1のドクターブレード16と同様に、塗布液の
過剰分を掻き落とす働きをしている。したがって、図3
のブロック34の作業面の形状を、図1のドクターブレ
ード16と同様に、上述した〜の条件を満たすよう
に形成すれば、極薄の塗布を行った際にも塗布厚み分布
が発生せず、均一な塗布を行うことができる。 【0032】 【実施例】表1は、作業面の真直度、刃厚分布、芯ズレ
量偏差の違いによって得られる効果を示している。この
表1に示す実験では、プレコート装置としてダイコータ
ーを用い、塗料Aを厚さ10μm、幅1000mmのP
ETベース上に塗布速度100m/min、ウェット厚
み20μmの塗布を行った。そして、図7(A)に示し
たドクターブレードで塗料Aの過剰分を掻き取り、最終
膜厚をウェットで2μmとした。図7(A)に示すドク
ターブレードは、作業面の曲率半径が3mm、刃厚が
0.1mmで形成され、左側の側面がウエブの走行方向
の上流側に向けて設置される。このドクターブレードの
真直度、刃厚分布、芯ズレを変えて実験を行い、得られ
た塗布面状の塗布厚み分布を比較した。表1において、
判定の◎は非常に良好、○は良好、×は問題ありとし
た。なお、塗料Aについては実施例の最後に説明する。 【0033】 【表1】 表1に示すように、比較例1〜3は、真直度が5μmよ
り大きく、且つ、刃厚分布が5%より大きく、芯ズレも
5%より大きい。その際、塗布厚み分布は24〜34%
とかなり大きくなった。 【0034】これに対して、真直度を5μm以下にした
実施例1、2では、塗布厚み分布が12%以下となり、
大幅に減少した。また、刃厚分布を5%以下にした実施
例3、4では、塗布厚み分布が13%以下となり、大幅
に減少した。さらに、芯ズレを5%以内とした実施例
5、6では、塗布厚み分布が11%以下になり、大幅に
減少した。これらの結果から分かるように、作業面の真
直度を5μm以下、又は刃厚分布を5%以下、或いは芯
ズレを5%以下とすることによって、塗布厚み分布を大
きく減少させることができ、良好な塗布面状を得ること
ができる。 【0035】さらに、実施例7から分かるように、三つ
の条件(真直度が5μm以下、刃厚分布が5%以下、芯
ズレが5%以下)を全て満たすようにすると、塗布厚み
分布は4%以下となり、極めて良好な塗布面状を得るこ
とができる。 【0036】表2は、作業面の小うねりの大きさの違い
によって得られる効果を示している。表2の実験では、
プレコート装置として支持体加圧型のダイコーターを用
いて塗料Aを厚さ6μmで幅1000mmのPENベー
ス上に塗布速度200m/minでウェット厚み15μ
mの塗布を行った。そして、図7(A)に示したドクタ
ーブレードで塗料Aの過剰分を掻き取り、最終膜厚をウ
ェットで1μmとした。小うねりの大きさの異なるドク
ターブレードを用いた際に得られた最終塗膜の状況(ス
ジムラの発生状況)を比較した。 【0037】 【表2】 表2に示すように、うねりが0.6μmのドクターブレ
ードを用いた比較例4では、塗布面状に強いスジムラが
発生した。このスジムラは、うねりを小さくするにつれ
て減少したが、うねりが0.4μmである比較例5で
は、まだ、塗布面状にスジムラが見られた。これに対し
て、うねりを0.2μmとした実施例8では、スジムラ
が見られなくなり、さらに、うねりを0.1μmとした
実施例9では、極めて良好な塗布面状が得られた。以上
のことから、スジムラのない塗布面状を得るには、作業
面のうねりを0.2μm以下、好ましくは0.1μm以
下とするとよい。 【0038】表3は、作業面のエッジだれの違いよって
得られる効果を示している。表3の実験では、プレコー
ト装置として支持体加圧型のダイコーターを用い、塗料
Aを厚さ4μm、幅600mmのアラミドベース上に塗
布速度400m/minでウェット厚み15μmの塗布
を行った。そして、図7(B)に示すドクターブレード
で塗料Aの過剰分を掻き取り、最終膜厚をウェットで
0.5μmとした。図7(B)に示すドクターブレード
は、作業面が曲率半径1mmの曲面と曲率半径が20m
mの曲面とから成り、刃厚が5mmで形成され、左側の
側面がウエブの走行方向の上流側に向けて配置される。
このドクターブレードのエッジだれ状況を変えながら実
験を行い、得られた最終塗膜の状況(リブスジ発生状
況)を比較した。 【0039】 【表3】 表3から分かるように、エッジだれが8μmのドクター
ブレードを用いた比較例6では、塗布面状にリブスジが
強く見られた。このリブスジは、エッジだれを小さくす
ることによって減少したが、エッジだれが6μmである
比較例7では、また、リブスジが見られた。これに対し
て、エッジだれを5μmとした実施例10では、塗布面
状にリブスジが見られなくなり、さらに、エッジだれを
3μmとした実施例11では、極めて良好な塗布面状が
得られた。以上のことから、リブスジのない塗布面状を
得るには、作業面のエッジだれを5μm、好ましくは3
μmとするとよい。 【0040】表4は、作業面のエッジ欠けの違いによっ
て得られる効果を示している。表4の実験では、厚さ5
μmで表面に塗料Bが乾膜で2μm塗布されている幅1
000mmのPENベース上に、プレコート装置として
支持体加圧型のダイコーターを用いて塗料Cをウェット
厚み10μmで塗布した。そして、図7(B)に示した
ドクターブレードで塗料Cの過剰分を掻き取り、最終膜
厚をウェットで0.5μmとした。エッジ欠けの異なる
ドクターブレードを用いた際に、最終塗膜でエッジ欠け
の位置に対応する部分の状況(スジ発生状況)を比較し
た。 【0041】 【表4】 表4から分かるように、エッジ欠けが10μmより大き
い比較例8、9では、最終塗膜の塗布面状にスジが見ら
れた。これに対し、エッジ欠けを10μmとした実施例
12では、スジのない良好な塗布面状が得られた。塗布
面状は、エッジ欠けを小さくするほど良くなり、エッジ
欠けを5μmと小さくした比較例13では、極めて良好
な塗布面状が得られた。以上のことから分かるように、
スジのない塗布面状を得るには、作業面のエッジ欠けを
10μm以下、好ましくは5μm以下とするとよい。 【0042】次に実施例で使用した塗料A、Bについて
説明する。 【0043】塗料A、Bはそれぞれ、下記に示す原料の
各成分をニーダで混練した後、サンドミルを用いて四時
間分散させた。そして、得られた分散液にポリイソシア
ネート10部を加え、さらにシクロヘキサノンを40部
加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾
過し、塗布液を調整した。 【0044】塗料Aの原料の各成分は、強磁性金属微粉
末を100部、塩化ビニル共重合体としてMR110
(日本ゼオン社製)を12部、ポリウレタン樹脂として
UR8200(東洋紡社製)を3部、αアルミナとして
HIT55(住友化学社製)を10部、カーボンブラッ
クとして♯55(旭カーボン社製)を5部、フェニルホ
スホン酸を3部、ブチルステアレートを10部、ブトキ
シエチルステアレートを5部、イソヘキサデシルステア
レートを3部、ステアリン酸を2部、メチルエチルケト
ンを180部、シクロヘキサノンを180部とした。 【0045】塗料Bの原料の成分は、非磁性粉末として
TiO2 結晶系ルチル(平均一次粒子径0.035μ
m、BET法による比表面積40m2 /g、pH7、T
iO2含有量90%以上、DBP吸油量27〜38g/
100g、表面処理剤Al2 3 を8重量%)を80
部、カーボンブラックとしてコンダクテックスSC−U
(コロンビアンカーボン社製)を20部、塩化ビニル共
重合体としてMR110(日本ゼオン社製)を12部、
ポリウレタン樹脂としてUR8200(東洋紡社製)を
5部、フェニルホスホン酸を4部、ブチルステアレート
を1部、ステアリン酸を3部、メチルエチルケトン/シ
クロヘキサノン(8/2混合溶剤)を250部とした。 【0046】塗料Cの原料の成分は、バリウムフェライ
ト磁性粉を100部、塩化ビニル共重合体としてMR5
55(日本ゼオン社製)を5部、ポリウレタン樹脂とし
てUR8200(東洋紡社製)を3部、αアルミナとし
てHIT55(住友化学社製)(粒子サイズ0.2μ
m)を10部、カーボンブラックとして♯55(旭カー
ボン社製)(平均一次粒子径0.075μm、比表面積
35m2 /g、DBP吸油量81ml/100g、PH
7.7、揮発分1.0%)を1部、フェニルホスホン酸
を2部、ブチルステアレートを10部、ブトキシエチル
ステアレートを5部、イソヘキサデシルステアレートを
3部、ステアリン酸を2部、メチルエチルケトンを12
5部、シクロヘキサノンを125部とした。 【0047】 【発明の効果】以上説明したように本発明に係る塗布装
置によれば、ドクターブレードで掻き落とした後の塗布
厚みを薄くするに従って、ドクターブレードを高い加工
精度で仕上げたので、極薄の塗布層に特有の塗布厚み分
布を抑制することができ、極薄で均一な塗布を行うこと
ができる。したがって、例えば2μm以下の磁性層を均
一な厚みで形成することができ、高品質の磁気記録媒体
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る塗布装置の全体構成を示す概念図 【図2】ドクターブレードの先端を示す側面図 【図3】エッジ部のだれを説明するドクターブレードの
側面図 【図4】エッジ部の欠けを説明するドクターブレードの
正面図 【図5】芯ズレ量偏差を説明するドクターブレードの側
面図 【図6】図1と異なる構成の塗布装置を示す概念図 【図7】実施例で使用したドクターブレードの側面図 【符号の説明】 10…塗布装置、12…ウエブ、14…プレコート装
置、16…ドクターブレード、18…サポートローラ、
22…塗布ヘッド、24…リップ面、26…バックアッ
プローラ、28…ポケット部、30…スリット、32…
ドクターブレードの作業面、34…塗布ヘッド、36…
塗布用ポケット部、38…回収用ポケット部、40…供
給ライン、42…回収ライン、44…塗布用スリット、
46…回収用スリット
フロントページの続き Fターム(参考) 4F041 AA12 AB01 BA56 BA59 CA02 CA22 CA28 4F042 AA22 AB00 BA25 CC02 CC09 CC30 DD07

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】帯状の支持体を連続走行させながら、プレ
    コート装置で前記支持体に所望の塗布液量よりも過剰な
    塗布液を塗布した後、前記支持体の塗布側面にドクター
    ブレードを相対的に押し付けて、前記塗布液の過剰分を
    掻き落とす塗布装置において、 前記ドクターブレードは、該ドクターブレードで掻き落
    とした後の塗布厚みを薄くするに従って、加工精度が高
    精度に仕上げられていることを特徴とする塗布装置。
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