JPH0622564Y2 - 自動車用空気調和装置の制御ドア駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、自動車用空気調和装置の制御ドア駆動装置の
改良に関する。

（従来の技術） 一般に、空調ユニット本体に設けられた吹出口は、制御
ドアの開閉状態によって、ヒートモード、デフロスタモ
ード、ベントモード等に切替制御され、各ドアは、制御
ドア駆動装置によって駆動制御される。

この制御ドア駆動装置は、例えば、第５図に示すよう
に、空調ユニット本体１の一側にアクチュエータ本体２
と、各制御ドア（不図示）とピン３を介して連動連結さ
れた回転可能な作動リンク４とがそれぞれ設けられ、こ
のアクチュエータ本体２のアクチュエータレバー５と前
記作動リンク４とは、ロッド６を介し連動連結され、こ
のロッド６の両端はロッドホルダ７によって結合された
構造となっている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、このような従来の自動車用空気調和装置の制御
ドア駆動装置にあっては、アクチュエータ本体と作動リ
ンクとの間に、当該アクチュエータの出力を伝達するロ
ッド、及びこのロッドの連結を行なうロッドホルダ等の
中間伝達部材が必要となるため、ガタが発生し易く、ア
クチュエータの伝達効率は満足し得るものではなかっ
た。

また、このようなガタ付きが発生すると、制御ドアの正
確な開度が得られず、安定した風量の確保が難しくなる
と共に、この欠点を組付作業によって吸収せざるを得な
いため、作業性の面でも好ましいものではなかった。

本考案は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもの
であり、アクチュエータの伝達効率を向上させると共
に、制御ドア駆動装置の組付け作業性を向上させること
を目的とする。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案にあっては、複数の吹出口と、当該吹出口を開閉
する複数の制御ドアとを備えた空調ユニット本体の一側
に、前記制御ドアを開閉する作動リンクを挟んで、アク
チュエータレバーを有するアクチュエータ本体を前記空
調ユニット本体に固着して成る自動車用空気調和装置の
制御ドア駆動装置において、前記アクチュエータモータ
の出力軸の軸線上に対応する位置に、前記空調ユニット
本体若しくは前記作動リンク、または前記アクチュエー
タレバーの何れか一方に凸部を形成し、他方に前記凸部
に嵌合する凹部を形成すると共に、前記空調ユニット本
体または前記作動リンク、及び前記アクチュエータレバ
ーのうちのいずれか２つを、凸部及び凹部において互い
に回動自在に嵌挿すると共に、残る１つを嵌挿する場合
は、互いに嵌挿される前記２つのうちのいずれか一方に
のみ回動自在に嵌挿して、前記空調ユニット本体と前記
作動リンクと前記アクチュエータレバーとを、または前
記作動リンクと前記アクチュエータレバーとを回動自在
に連結し、前記アクチュエータレバーと前記作動リンク
のいずれか一方に、前記出力軸から半径方向に離して係
合凸部を形成すると共に、他方に係合凹部を形成し、か
つ前記アクチュエータレバーと前記作動リンクとが連動
して回転するように、当該係合凸部と係合凹部とを相互
に係合したことを特徴とする自動車用空気調和装置の制
御ドア駆動装置により、上記目的を達成するものであ
る。

（作用） 本考案にあっては、アクチュエータモータの作動軸の軸
線上に対応する位置に、空調ユニット本体若しくは作動
リンク、またはアクチュエータレバーの何れか一方に凸
部を形成し、他方に前記凸部に嵌合する凹部を形成する
と共に、前記凸部及び前記凹部を互いに嵌挿し、また残
る１つの部材を嵌挿する場合は、互いに嵌挿される前記
２つのうちのいずれか一方にのみ回動自在に嵌挿して、
前記空調ユニット本体と前記作動リンクと前記アクチュ
エータレバーとを、または前記作動リンクと前記アクチ
ュエータレバーとを回動自在に連結するように構成した
ため、空調ユニット本体に作動リンクとアクチュエータ
レバーとを、または作動リンクにアクチュエータレバー
を、ワンタッチで組み付けることができると共に、アク
チュエータモータの出力軸の中心と作動リンクの回転中
心とのズレをなくすことができる。また残る１つの部材
は回転中心軸線上においていずれか一方にのみ直接嵌合
するので、嵌合されない部材に対する加工精度が問題に
ならず、組み付けが容易になる。

そして、アクチュエータレバーと作動リンクとを相互に
係合すると共に連動して回転させる係合凸部と係合凹部
を、出力軸から半径方向に離して、アクチュエータレバ
ーと作動リンクに形成したため、係合凸部と係合凹部の
位相ずれを一致させて係合する作業がきわめて容易であ
る。

（実施例） 以下、図示する本考案の実施例に基づいて説明する。

第１図は、本考案の一実施例に係る自動車用空気調和装
置の要部斜視図、第２図は、本考案の一実施例に係る自
動車用空気調和装置の制御ドア駆動装置を示す分解斜視
図、第３図は、第２図の出力軸部分の要部断面図であ
り、第５図に示す従来の自動車用空気調和装置の制御ド
ア駆動装置と共通する部分には同一の符号を付してあ
る。

第１図に示す本考案の制御ドア駆動装置にあっては、デ
フロスタドア８のドア軸８ａは、空調ユニット本体１の
一側に設けられたリンク９と、ベントドア１０のドア軸
１０ａはリンク１１と、フットドア１２のドア軸１２ａ
はリンク１３とそれぞれ結合している。そして、これら
の各リンク９，１１，１３は、作動リンク４の各ガイド
溝１４，１５，１６内に係合ピン１７を介して、それぞ
れ係止している。

このガイド溝１４，１５，１６は、アクチュエータ本体
２内に設けられたアクチュエータモータＭの駆動力によ
って、前記作動リンク４の回転時に、デフロスタドア
８、ベントドア１０、及びフットドア１２を連関して制
御することで、ベントモード、バイレベルモード、ヒー
トモード、及びデフロスタモードにそれぞれ設定すると
いうガイド機能を有している。

次に、第２〜３図において、空調ユニット本体１の一側
の前記作動リンク４の基部近傍位置に、２つの外径を有
する凸部１８を形成し、一方作動リンク４の回転中心軸
線上には、前記凸部１８の第１凸部18aと回動自在に嵌
合する嵌挿孔１９を穿孔している。

また、前記作動リンク４には、前記嵌挿孔１９から離れ
た位置にピン状の係合凸部２０，２０を一対設けてい
る。

一方、アクチュエータモータＭを有するアクチュエータ
本体２には、出力軸２１に固着されたレバー状のアクチ
ュエータレバー２２を設けると共に、このアクチュエー
タレバー２２に形成した係合孔２３，２３は前記係合凸
部２０，２０と係合するようになっている。このように
出力軸２１から離れた位置で係合孔２３，２３と係合凸
部２０，２０とを係合させると、回転軸線上の嵌挿部の
構造が簡単になる。

また、前記アクチュエータレバー２２には、前記空調ユ
ニット本体に設けた凸部１８の第２凸部18bが嵌合する
嵌合孔２４を穿設し、本実施例においては、この嵌合孔
２４はアクチュエータ本体２の出力軸２１まで貫通する
ようにしている。このようにすると、作動リンク４とア
クチュエータレバー２２は、回転中心軸線上において直
接嵌合しないので、部材相互の加工精度が問題になら
ず、組み付けが容易になる。

このように、前記アクチュエータ本体２は、前記作動リ
ンク４の基部側一部分を挟んで、前記空調ユニット本体
１の一側に固着している。これは、前記空調ユニット本
体１の一側から突出した取付ボス２５に、アクチュエー
タ本体２に設けられたフランジ部２６を挟み、取付ビス
２７を螺合することによって固着するようになってい
る。

このような自動車用空気調和装置の制御ドア駆動装置に
あっては、前記アクチュエータモータＭが作動すると図
示しない減速機構などのギヤを介して前記出力軸２１が
回転し、この出力軸２１に固着した前記アクチュエータ
レバー２２も回動を始める。この回動に伴なって、前記
出力軸２１を回転中心にして、前記作動リンク４が回動
し、これにより、各ドアの開閉を制御することになる。
この時、アクチュエータモータＭの出力軸２１の回転軸
と、作動リンク４の回転中心軸が、前記凸部１８、嵌挿
孔１９及び嵌合孔２４によって固定されているため、ア
クチュエータモータＭの回転動を効率良く作動リンクの
回転動に伝達することができる。

また、この自動車用空気調和装置の制御ドア駆動装置を
組付る場合は、まず作動リンク４を凸部１８の第１凸部
18aに嵌挿しながら、この作動リンク４のガイド溝１
４，１５，１６にリンク９，１１，１３の先端のピン１
７をそれぞれ係合させる。次に、アクチュエータ本体２
のアクチュエータレバー２２の嵌合孔２４に、前記凸部
１８の第２凸部18bを挿入しながら、アクチュエータレ
バー２２の係合孔２３，２３と作動リンク４の係合凸部
２０，２０とを嵌挿する。この際、アクチュエータレバ
ー２２の係合孔２３，２３と作動リンク４の係合凸部２
０，２０の相対位置がずれていても、アクチュエータレ
バー２２により出力軸２１を容易に回転させることがで
きるので、係合孔２３，２３と係合凸部２０，２０との
嵌挿が極めて容易である。この後、空調ユニット本体１
の取付ボス２５とアクチュエータ本体２のフランジ部２
６の孔位置を合せ、取付ビス２７によってアクチュエー
タ本体２を固着する。これによって、アクチュエータモ
ータＭの出力軸の回転軸と作動リンク４の回転中心軸と
を、ワンタッチで合せることができ、組付作業性が格段
に向上する。

第４図は本考案の他の実施例に係る制御ドア駆動装置の
出力軸部分の縦断面図であり、前記第１実施例及び第５
図に示す従来の制御ドア駆動装置と共通する部分には同
一の符号を付してある。

本実施例にあっては、図示するように、作動リンク４に
は、当該作動リンク４の回転中心軸線上に突出する第２
凸部18bを設けると共に、当該第２凸部から離間する位
置にピン状の係合凸部２０，２０を一対設けている。

一方、アクチュエータモータＭを有するアクチュエータ
本体２には、出力軸２１に固着されたレバー状のアクチ
ュエータレバー２２を設けると共に、このアクチュエー
タレバー２２に形成した係合孔２３，２３は、前記係合
凸部２０，２０と係合するようになっている。このよう
に出力軸２１から離れた位置で係合孔２３，２３と係合
凸部２０，２０とを係合させると、回転軸線上の嵌挿部
の構造が簡単になる。

また前記アクチュエータレバー２２には、前記作動リン
ク４に設けた第２凸部18bが嵌合する嵌合孔２４を穿設
し、この嵌合孔２４は前記アクチュエータ本体２の出力
軸２１まで貫通するようになっている。このようにする
と、作動リンク４とアクチュエータレバー２２は、回転
中心軸線上において直接嵌合しないので、部材相互の加
工精度が問題にならず、組み付けが容易になる。

更に、前記空調ユニット本体１の一側から突出した取付
ボス２５に、前記アクチュエータ本体２に設けられたフ
ランジ部２６を挟み、取付ビス２７を螺合することによ
って、アクチュエータ本体２を固着している。

このように構成した場合においても、前述した第１実施
例と同様に、アクチュエータモータＭの出力軸２１の回
転軸と、作動リンク４の回転中心軸が、前記第２凸部18
bと嵌合孔２４とによって固定されているため、アクチ
ュエータモータＭの回転動を効率良く作動リンク４の回
転動に伝達することができる。更に、このような制御ド
ア駆動装置を組付ける場合においても、アクチュエータ
本体２と作動リンク４とを凹凸嵌合により連結するだけ
で適正な組付精度が得られ、組付作業性が格段に向上す
る。

また、前述した実施例においては、空調ユニット本体１
または作動リンク４に凸部を形成し、アクチュエータレ
バー２２に嵌合孔（凹部）を形成したが、これは、空調
ユニット本体または作動リンクに凹部を、アクチュエー
タレバーに凸部をそれぞれ形成しても良く、このような
構成に基づく作用効果は前述した２つの実施例と同じで
あることは詳述するまでもない。

［考案の効果］ 以上のように、本考案にあっては、アクチュエータモー
タの作動軸の軸線上に対応する位置に、空調ユニット本
体若しくは作動リンク、またはアクチュエータレバーの
何れか一方に凸部を形成し、他方に前記凸部に嵌合する
凹部を形成して、ユニット本体若しくは作動リンク、及
びアクチュエータレバーのうちのいずれか２つを、凸部
及び凹部において互いに回動自在に嵌挿すると共に、残
る１つを嵌挿する場合は、互いに嵌挿される前記２つの
うちのいずれか一方にのみ回動自在に嵌挿して、前記空
調ユニット本体と前記作動リンクと前記アクチュエータ
レバーとを、または前記作動リンクと前記アクチュエー
タレバーとを回動自在に連結するように構成することに
より、ワンタッチで作動リンクとアクチュエータレバー
とを組み付けることができ、組み立て作業の生産性を向
上することができると共に、アクチュエータモータの出
力軸の中心と作動リンクの回転中心とのズレがなくな
り、アクチュエータモータの伝達効率が向上するという
実用上多大な効果を得る。また、残る１つの部材を、回
転中心軸線上においていずれか一方にのみ直接嵌合させ
るため、嵌合されない部材に対する加工精度が問題にな
らず、組み付けが容易になる。

そして、アクチュエータレバーと作動リンクとを相互に
連動して回転させる係合凸部と係合凹部を、出力軸から
半径方向に離して形成したため、係合凸部と係合凹部の
位相ずれを容易に一致させることができ、組み付け作業
がきわめて容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例に係る自動車用空気調和装
置の要部斜視図、第２図は、本考案の一実施例に係る自
動車用空気調和装置の制御ドア駆動装置を示す分解斜視
図、第３図は、第２図の出力軸部分の要部断面図、第４
図は、本考案の他の実施例に係る制御ドア駆動装置の出
力軸部分の要部断面図、第５図は従来の自動車用空気調
和装置の制御ドア駆動装置を示す要部斜視図である。 １……空調ユニット本体 ２……アクチュエータ本体 ４……作動リンク ５，２２……アクチュエータレバー Ｍ……アクチュエータモータ １８……凸部、１９……嵌挿孔、 ２１……出力軸、２２……アクチュエータレバー、 ２４……嵌合孔（凹部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の吹出口と、当該吹出口を開閉する複
   数の制御ドアとを備えた空調ユニット本体(1)の一側
   に、前記制御ドアを開閉する作動リンク(4)を挟んで、
   アクチュエータレバー(5,22)を有するアクチュエータ本
   体(2)を前記空調ユニット本体(1)に固着して成る自動車
   用空気調和装置の制御ドア駆動装置において、アクチュ
   エータモータ(M)の出力軸(21)の軸線上に対応する位置
   に、前記空調ユニット本体(1)若しくは前記作動リンク
   (4)、または前記アクチュエータレバー(22)の何れか一
   方に凸部(18)を形成し、他方に前記凸部(18)に嵌合する
   凹部(24)を形成すると共に、前記空調ユニット本体(1)
   または前記作動リンク(4)、及び前記アクチュエータレ
   バー(22)のうちのいずれか２つを、凸部(18)及び凹部(2
   4)において互いに回動自在に嵌挿すると共に、残る１つ
   を嵌挿する場合は、互いに嵌挿される前記２つのうちの
   いずれか一方にのみ回動自在に嵌挿して、前記空調ユニ
   ット本体(1)と前記作動リンク(4)と前記アクチュエータ
   レバー(22)とを、または前記作動リンク(4)と前記アク
   チュエータレバー(22)とを回動自在に連結し、前記アク
   チュエータレバー(22)と前記作動リンク(4)のいずれか
   一方に、前記出力軸(21)から半径方向に離して係合凸部
   (20)を形成すると共に、他方に係合凹部(23)を形成し、
   かつ前記アクチュエータレバー(22)と前記作動リンク
   (4)とが連動して回転するように、当該係合凸部(20)と
   係合凹部(23)とを相互に係合したことを特徴とする自動
   車用空気調和装置の制御ドア駆動装置。