JPH0622530U

JPH0622530U - 防音形水冷式エンジン発電機の排風処理構造

Info

Publication number: JPH0622530U
Application number: JP2476192U
Authority: JP
Inventors: 田隆敏池; 中利明田; 藤三平佐
Original assignee: デンヨー株式会社
Priority date: 1992-04-17
Filing date: 1992-04-17
Publication date: 1994-03-25

Abstract

(57)【要約】【目的】排風処理室内に水冷式エンジンの冷却用ファン
からの排風をラジエータに導くようにフード状のシェラ
ウドで包囲したシェラウド室を独立して形成することに
より、防音性能及び冷却性能の向上を図る。【構成】防音ボンネット１内に水冷式エンジン２と発電
機３とを収納し、前記水冷式エンジンが具備するファン
７に近接して仕切壁８を設け、該仕切壁によりエンジン
・発電機室１１と排風処理室１２とに画成し、仕切壁に
ファン７と略同径の孔を明け、該孔の外周にフード状の
シェラウド１４で包囲したシェラウド室１７を排風処理
室内に独立して設け、該シェラウド室の下部にラジエー
タ１３を傾斜して配設し、排風処理室の底板を山形状の
ガイド１５に形成し、該山形状のガイドによりラジエー
タより排出された排風を左右に２分させて上方に立ち上
げる排風ダクト室１８を形成した防音形水冷式エンジン
発電機の冷却構造とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、防音形水冷式エンジン発電機に係り、詳しくは防音性能と冷却効率の向上を図る防音形水冷式エンジン発電機の排風処理構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の防音形水冷式エンジン発電機の冷却構造は、図４及び図５に示すように、一軸線状に直結された水冷式エンジン４１と発電機４２とが防音ボンネット４３内に収納されている。該防音ボンネット４３の発電機４２に近い部分の側壁には吸気口４４，４４，４４が明けられ、水冷式エンジン４１の発電機４２と反対側には水冷式エンジン４１にて回転駆動されるエンジンファン４５が軸支されている。該エンジンファン４５に対向させてラジエータ４６が配設され、更にエンジンファン４５の周囲はシェラウド４７で囲繞されている。

【０００３】そして、エンジンファン４５により該吸気口４４，４４，４４から外気つまり冷却空気が防音ボンネット４３内に吸入され、まず発電機４２を冷却し、次いで水冷式エンジン４１を冷却し、その他バッテリや制御装置を冷却し、その後、ラジエータ４６を経て排風ダクト４８内に導入され、更に該排風ダクト４８の上部に配設されたマフラー４９を冷却して、排風口５０を経て外部に放出されるようになっている。排風ダクト４８は防音ボンネット４３内を水冷式エンジン４１、発電機４２、及び制御装置が収納される部屋とは別に仕切って形成したものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述のようなエンジンファンに対向させてラジエータが配設されている方式では、エンジンファンがラジエータに対して近接して配設されているので、エンジンファンによる冷却風がラジエータのコアを通過する際の風切り騒音が大きく、この騒音が排風ダクトを経て排風口から外部に放散してしまい、不快音として周囲に与える影響が大きかった。特にマンション等の集合住宅における夜間作業に支障があった。

【０００５】また、市場の要求から、防音ボンネットの小型化が求められており、機械の長手方向寸法を極力小さくしたいのであるが、従来方式のままでラジエータの前面寸法を短くすると、逆に排風抵抗が大きくなり冷却性能を満足しない欠点があった。更に、排風ダクトの上部にマフラーが裸の状態で配設されているので、マフラーの熱が直接ラジエータにあたり、ラジエータの冷却効率を低下させていた。

【０００６】そこで、本考案は、防音形水冷式エンジン発電機の排風処理室内にシェラウド室を独立して設け、もって防音性能及び冷却性能を向上させた防音形水冷式エンジン発電機の排風処理構造を提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述事情に鑑みなされたものであって、防音ボンネット内に水冷式エンジンと、該水冷式エンジンにて駆動される発電機とを収納し、前記水冷式エンジンの前方に排風処理室を設けた防音形水冷式エンジン発電機において、前記水冷式エンジンが具備する冷却用ファンに近接して仕切壁を設け、該仕切壁によりエンジン・発電機室と前記排風処理室とに画成し、前記仕切壁に前記冷却用ファンと略同径の孔を明け、該孔の外周にフード状のシェラウドで包囲したシェラウド室を前記排風処理室内に独立して設け、該シェラウド室の下部にラジエータを傾斜して配設し、前記排風処理室の底板を山形状のガイドに形成し、該山形状のガイドにより前記ラジエータより排出された排風を左右に２分させて上方に立ち上げる排風ダクト室を形成し、該排風ダクト室内にマフラーを配設し、排風ダクト室の上部より排風を外部に放出してなる、ことを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】

上述構成に基づき、冷却用ファンの回転に伴い、外気がエンジン・発電機室へ流入して発電機及び水冷式エンジンを冷却し、排風処理室内に独立して設けたシェラウド室に圧送され、シェラウドに導かれて適当な距離を経てラジエータに達し、ラジエータを冷却しながら通過し、排風ダクト室に流入して山形状のガイドに達し、左右に２分されて上方に立ち上がり、排風ダクト室内のマフラーを冷却して、排風ダクト室の上部より外部に放出される。また、エンジン・発電機室内の騒音は、排風処理室内に独立して設けたシェラウド室により一旦遮断されるので、外部に漏れる騒音は減少する。

【０００９】

【実施例】

以下、図面に沿って、本考案による一実施例について説明する。防音ボンネット１は、図１及び図２に示すように、一軸線状に直結された水冷式エンジン２と発電機３とを収納している。該防音ボンネット１の下部にはベース４が設けられ、該ベース４には前記水冷式エンジン２と発電機３とが載置されている。発電機３の上方には燃料タンク５が配設され、防音ボンネット１の発電機３の両側の壁面下部には吸気口６，６，６，６，６，６が明けられている。前記水冷式エンジン２の発電機３とは反対側にはファン７が設けられ、該ファン７近傍には仕切壁８が立設され、該仕切壁８のファン７と略同径の穴９にファン７が配置されると共に、仕切壁８の穴（以下、導入口と称す）９の内周には水冷式エンジン２側に向けて突出して形成された導入ガイド１０が固定されている。そして、該仕切壁８により水冷式エンジン２、発電機３、燃料タンク５、エンジン始動用バッテリ、制御装置等を収納するエンジン・発電機室１１が形成されると共に、仕切壁８の前方には排風処理室１２が形成される。

【００１０】次に、排風処理室１２について、図１及び図２に基づいて詳細に説明する。前記ファン７の排風側にはラジエータ１３が排風処理室１２の下部に前方斜め上方に向かって傾斜して配設されている。前記仕切壁８の前記導入口９周囲には、ファン７からの排風を該ラジエータ１３に導くようにフード状のシェラウド１４が設けられ、ラジエータ１３の下方には山形状のガイド１５がベース４に固設されている。ラジエータ１３の前方の防音ボンネット１の側壁１ａにはラジエータ点検・清掃用の開口が明けられており、該開口を塞ぐように点検板１６がボルトにより取り付けられている。そして、シェラウド１４及びラジエータ１３によりシェラウド室１７が形成されると共に、山形状のガイド１５の上方には排風ダクト室１８が形成され、従って排風処理室１２はシェラウド室１７と排風ダクト室１８とから形成されている。

【００１１】更に、排風ダクト室１８の上部にはマフラー２０が幅方向に延設されている。該マフラー２０には排気管２１の一端が接続され、該排気管２１の他端は前記仕切壁８を貫通して水冷式エンジン２の排気口に接続されている。防音ボンネット１の天板の該マフラー２０上方部位にはパンチング孔２２を有する排風口２３が配設されている。前記マフラー２０の上部一端にはマフラー排気管２５が上方へ立設されており、該マフラー排気管２５は前記排風口２３を貫通して、該マフラー排気管２５の上端が排風口２３の上に突出されている。

【００１２】本実施例は、以上のような構成よりなるので、図２に示すように、ファン７の回転により、吸気口６，６，６，６，６，６から吸入された外気は、エンジン・発電機室１１へ吸入されて発電機３、水冷式エンジン２、燃料タンク５、エンジン始動用バッテリ、制御装置等を冷却し、導入口９を通過して、シェラウド室１７に排出される。この際、導入ガイド１０によりファン７と導入口９とのクリアランス（空隙）をできるだけ狭くしたので、エンジン・発電機室１１内の熱風を効果的にシェラウド室１７に圧送することができる。

【００１３】そして、ファン７の回転により、シェラウド室１７に圧送された熱風は、シェラウド１４に案内されて適当な距離を経てラジエータ１３に達し、ラジエータ１３を冷却しながら通過し、山形状のガイド１５の表面に達し左右に分かれ、Ｕターン状に上方向へ向きを変えて排風ダクト室１８に排出され、マフラー２０を冷却して、排風口２３のパンチング孔２２から外部に放出される。

【００１４】この際、シェラウド室１７に圧送された熱風は、シェラウド１４に案内されて適当な距離を経てラジエータ１３に達するので、ラジエータ１３の風切り音を激減することができる。また、水冷式エンジン２及び発電機３から発生した騒音は、排風処理室１２内に独立して設けたシェラウド１４で包囲されているので、騒音が一旦遮断され、外部に漏れる騒音は減少する。また、マフラー２０とラジエータ１３の間にはシェラウド１４が遮蔽物として介在しているので、マフラー２０の熱が直接ラジエータ１３に輻射しないのでラジエータ冷却効率を低下させることはない。更にマフラー２０の表面も冷却するので、周囲の防音材が加熱することもない。また、点検板１６を取り外して、ラジエータ点検・清掃用の開口を外部に露出させることにより、ラジエータ１３を容易に点検・清掃することができる。

【００１５】上記構成の防音形水冷式エンジンのヒートバランス及び騒音を計測したところ、内部の温度上昇に約５°Ｃの余裕が可能となった。また、騒音の面でも、ラジエータのコア面から風切り音が発生する従来のものと比較すると、表１に示す如く３ｄｂ（Ａ）の低減データが得られた。この場合、図１に示す防音ボンネットの前後面及び両側面より約７ｍ離れた位置ａ，ｂ，ｃ，ｄで規定通り計測したものである。

【００１６】

【表１】

【００１７】また、図３に沿って第２実施例を示すと、前記点検板１６の前記山形状のガイド１５の前方部位を開口し、吸気口３０が形成されている。前記山形状のガイド１５の後方下部には箱形のダクト３１が連通され、該箱形のダクト３１は後方に延設されて前記仕切壁８を貫通し、更に前記水冷式エンジン２の下部に設けられたオイルパン３２近傍に延設され、該箱形のダクト３１の後端とオイルパン３２の間に導入口３３が設けられている。

【００１８】ファン７の回転により、吸気口３０から吸入された外気は、山形状のガイド１５、箱形のダクト３１及びオイルパン３２を冷却し、導入口３３及び導入口９を通過して、シェラウド室１７に圧送され、ラジエータ１３を冷却しながら通過し、山形状のガイド１５の表面に達し左右に分かれ、Ｕターン状に上方向へ向きを変えて排風ダクト室１８に排出され、排風ダクト室１８の上部から外部に放出される。

【００１９】また、この種の防音装置では、エンジンのオイルパン３２をいかに効果的に冷却するかが課題であるが、冷却効果を高めるためにオイルパン３２の付近に冷却空気の流れを形成したので、効果的に防音ボンネット１内部のヒートバランス（温度平衡）を図ることができる。その他の構成及び作用については上記第１実施例と同様である。

【００２０】なお、上述実施例では、マフラーを排風処理室の上部に水平に配置したが、排風ダクト室内に垂直に配置してもよい。更に、上述実施例では、排風口のパンチング孔を排風処理室の上面に設けたが、これに限らず排風処理室の両側壁に設けてもよいことは勿論である。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、冷却用ファンとラジエータが離れて配置されているので、冷却用ファンとラジエータが近接して配置された方式に比して、ラジエータの風切り騒音を減少させることができる。また、エンジン・発電機室は仕切壁とシェラウド室により密閉された構造になっており、エンジン・発電機室の騒音はシェラウドで一旦遮断されるので、外部に漏れる騒音を減少させることができる。

【００２２】また、ラジエータを斜めに配設することにより、冷却効率を低下させることなく、防音ボンネットの長手方向の寸法を短くすることができ、防音ボンネットの小型化が図れる。また、マフラーとラジエータの間に遮蔽物としてシェラウドが介在するので、マフラーの熱が直接ラジエータにあたりラジエータの冷却効率を低下させることはなく、ラジエータの冷却効率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による防音形水冷式エンジン発電機の排
風処理構造を示す斜視図である。

【図２】本考案による防音形水冷式エンジン発電機の排
風処理構造を示し、（ａ）は要部正面図、（ｂ）は要部
側面図である。

【図３】オイルパン冷却用吸気口を設けた他の実施例を
示し、（ａ）は要部正面図、（ｂ）は要部側面図であ
る。

【図４】従来の防音形水冷式エンジン発電機の排風処理
構造を示す平面図である。

【図５】従来の防音形水冷式エンジン発電機の排風処理
構造を示す側面図である。

【符号の説明】

１防音ボンネット１ａ側壁２水冷式エンジン３発電機４ベース５燃料タンク６吸気口７ファン８仕切壁９導入口１０導入ガイド１１エンジン・発電機室１２排風処理室１３ラジエータ１４シェラウド１５山形状のガイド１６点検板１７シェラウド室１８排風ダクト室２０マフラー２１排気管２２パンチング孔２３排風口２５マフラー排気管３０吸気口３１箱形のダクト３２オイルパン３３導入口

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】防音ボンネット内に水冷式エンジンと、
該水冷式エンジンにて駆動される発電機とを収納し、前
記水冷式エンジンの前方に排風処理室を設けた防音形水
冷式エンジン発電機において、前記水冷式エンジンが具備する冷却用ファンに近接して
仕切壁を設け、該仕切壁によりエンジン・発電機室と前
記排風処理室とに画成し、前記仕切壁に前記冷却用ファ
ンと略同径の孔を明け、該孔の外周にフード状のシェラ
ウドで包囲したシェラウド室を前記排風処理室内に独立
して設け、該シェラウド室の下部にラジエータを傾斜し
て配設し、前記排風処理室の底板を山形状のガイドに形
成し、該山形状のガイドにより前記ラジエータより排出
された排風を左右に２分させて上方に立ち上げる排風ダ
クト室を形成し、該排風ダクト室内にマフラーを配設
し、排風ダクト室の上部より排風を外部に放出してな
る、ことを特徴とする防音形水冷式エンジン発電機の排風処
理構造。