JPH06221703A - 蓄冷器式冷凍機 - Google Patents

蓄冷器式冷凍機

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JPH06221703A
JPH06221703A JP1105093A JP1105093A JPH06221703A JP H06221703 A JPH06221703 A JP H06221703A JP 1105093 A JP1105093 A JP 1105093A JP 1105093 A JP1105093 A JP 1105093A JP H06221703 A JPH06221703 A JP H06221703A
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regenerator
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Hiroshi Asami
宏 浅見
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヘリウム等のガス冷媒を用い、蓄冷材を収容
した蓄冷器を有する蓄冷器式冷凍機に関し、良好で安定
した冷凍機能を有する蓄冷器式冷凍機を提供することを
目的とする。 【構成】 熱伝導率が低く、気密性の高い材料で形成さ
れたシリンダ(1)と、前記シリンダ内に配置され、剛
性が高く、前記シリンダの材料と線膨張率がほぼ等しい
材料で形成され、内部に気体流路を有するディスプレー
サ本体(2)と、前記気体流路内に充填された蓄冷材
(6)と、前記ディスプレーサ本体を被覆し、その上に
固着された耐摩耗性樹脂部材(3)とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷凍機に関し、特にヘリ
ウム等のガス冷媒を用い、蓄冷材を収容した蓄冷器を有
する蓄冷器式冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘリウム等のガス冷媒を用い、蓄冷材を
収容した蓄冷器を有する蓄冷器式冷凍機としては、ギフ
ォードマクマホン(GM)サイクル冷凍機、(逆)スタ
ーリングサイクル冷凍機等が知られている。以下、制限
的な意味なく、ギフォードマクマホン(GM)冷凍機を
例にとって説明する。
【0003】GM冷凍機は、ヘリウムガス圧縮機からの
ガス流路を弁を用いて制御し、膨張空間でヘリウムガス
を膨張させることによって寒冷を得る。極低温を得るに
は、通常、複数段階の構成を用いる。ジュールトムソン
(JT)弁機構と組み合わせれば、液体ヘリウム温度を
得ることもできる。
【0004】半導体装置製造用のスパッタリング装置等
で清浄な真空を得たい場合、クライオポンプが用いられ
る。近年、クライオポンプ用冷凍機としてGM式冷凍機
が用いられている。勿論、GM式冷凍機はクライオポン
プに限らず、種々の目的に使用することができる。
【0005】図4に、GM式冷凍機の構成例を概略的に
示す。2段構成で数K〜20K程度の極低温を得るのに
適した構成である。ヘリウム圧縮機51は、ヘリウムガ
スを20数Kg/cm2 に圧縮し、高圧ヘリウムガスを
供給する。高圧ヘリウムガスは、吸気弁V1、ガス配管
57を介して第1段目シリンダ52内に供給される。第
1段目シリンダ52には、第2段目シリンダ53が結合
されている。
【0006】第1段目シリンダ52、第2段目シリンダ
53内には、結合された第1段目ディスプレーサ54、
第2段目ディスプレーサ55がそれぞれ収容されてい
る。第1段目シリンダ52からは、軸部材Sが上方に延
在し、駆動用モータMに結合したクランク機構56と結
合している。
【0007】第1段目ディスプレーサ54、第2段目デ
ィスプレーサ55は、それぞれ蓄冷材58、59を収容
する中空空間を有し、外部と中空空間を接続するガス流
路68、69を有している。
【0008】また、第1段目ディスプレーサ54、第2
段目ディスプレーサ55と、第1段目シリンダ52、第
2段目シリンダ53との間には、膨張空間62、67が
画定されている。
【0009】通常、第1段目シリンダ52、第2段目シ
リンダ53は、十分な強度、低い熱伝導率、十分なヘリ
ウムガス遮蔽能を有するステンレス綱(たとえばSUS
304)等によって形成される。
【0010】また、第1段目ディスプレーサ54、第2
段目ディスプレーサ55は、比重が軽く、十分な耐摩耗
性、比較的高い強度を有する布入りフェノール(ベーク
ライト)等によって形成される。
【0011】ヘリウム圧縮機51から吸気弁V1を介し
て供給される高圧ヘリウムガスは、ガス流路57を介し
て第1段目シリンダ52内に供給され、ガス流路68
a、金網等で構成された第1段目用蓄冷材58、ガス流
路68bを通って、第1段目膨張空間62に供給され
る。
【0012】第1段目膨張空間62の圧縮ヘリウムガス
は、さらにガス流路69a、鉛球等で構成された第2段
目用蓄冷材59、ガス流路69bを通って第2段目の膨
張空間67に供給される。
【0013】吸気弁V1が閉じ、排気弁V2が開いた時
には、第2段目シリンダ53、第1段目シリンダ52内
の高圧ヘリウムガスは、吸気の場合とは逆の経路をたど
ってガス配管57、排気弁V2を介してヘリウム圧縮機
51に回収される。
【0014】GM式冷凍機の作動時においては、駆動用
モータMの回転によって第1段目ディスプレーサ54、
第2段目ディスプレーサ55が上下に駆動される。第1
段目ディスプレーサ54、第2段目ディスプレーサ55
が下方に駆動される時、吸気弁V1が開き、高圧ヘリウ
ムガスが第1段目シリンダ52、第2段目シリンダ53
内に供給される。
【0015】駆動用モータMによって第1段目ディスプ
レーサ54、第2段目ディスプレーサ55が上方に駆動
される時、吸気弁V1が閉じ、排気弁V2が開いて、ヘ
リウムガスはヘリウム圧縮機51に回収され、第1段目
シリンダ52、第2段目シリンダ53内の膨張空間は低
圧になる。
【0016】この時、膨張空間62、67においては、
ヘリウムガスの膨張によって寒冷が発生する。冷却され
たヘリウムガスは、蓄冷材59、58を通って蓄冷材を
冷却する。
【0017】次の吸気工程で供給される高圧ヘリウムガ
スは、蓄冷材58、59を通って供給されることにより
冷却される。冷却されたヘリウムガスが膨張することに
より、さらに冷却が進む。定常状態においては、第1段
目シリンダ52の膨張空間62が、たとえば液体窒素温
度〜100K程度の温度に保たれ、第2段目シリンダ5
3の膨張空間67の温度は数K〜20K程度の温度に保
たれる。
【0018】第1段目シリンダの下方を囲んで、第1段
目用のヒートステーション61が熱的に結合されてお
り、第2段目シリンダ53の下部分を囲んで、第2段目
用のヒートステーション66が熱的に結合している。
【0019】第1段目ヒートステーション61は、たと
えばクライオパネル等に結合され、ガス分子を吸着させ
る。また、第2段目のヒートステーション66は、たと
えば活性炭等の吸着材を収容する吸着塔に結合され、残
留ガス分子の吸着を行なう。このような構成を有するク
ライオポンプは、スパッタリング装置等において清浄な
真空を形成するために用いられる。
【0020】このような構成において、シリンダ上部か
ら供給されるガスは、ディスプレーサ内部を通ってシリ
ンダ下部に通過されるように設計されている。ディスプ
レーサとシリンダの間の隙間を、ヘリウムガスが通過す
ることを防止するため、シリンダとディスプレーサの間
には気密機構が形成される。
【0021】図4において、第1段目ディスプレーサ5
4と第1段目シリンダ52の間に示したシールリング7
1は、第1段目シリンダ内において、この気密機構を形
成している。
【0022】図示していないが、第2段目ディスプレー
サ55と第2段目シリンダ53の間にも同様のシールリ
ングが配置される。図7(A)、(B)に、第2段目に
配置するディスプレーサの構成例を示す。図7(A)に
示すように、布入りフェノール樹脂で形成されたディス
プレーサ本体75は、円筒状形状を有し、その外周にシ
ールリングを収容するための円周方向の溝76が形成さ
れている。また、ディスプレーサ本体75の下の部分に
は、ガス流路を形成するための開口77も形成されてい
る。
【0023】ディスプレーサ本体75下端には、布入り
フェノール樹脂等で形成された蓋部材78が挿入され、
ディスプレーサ本体75と接着されている。蓋部材78
は盲蓋であり、ディスプレーサ本体75の下端の開口を
気密に閉じる。
【0024】蓋部材78の上面は、ガス流路77よりわ
ずか下に配置されており、蓋部材78の上に金網79が
配置される。この金網79の高さは、ガス流路77の位
置と整合している。
【0025】金網79の上にはフェルト栓81が配置さ
れ、フェルト栓81の上に鉛球等の蓄冷材59が充填さ
れる。蓄冷材59の上方には、フェルト栓82が配置さ
れ、その上にパンチングメタル83が配置されている。
【0026】パンチングメタル83の上方からは、布入
りフェノール樹脂等で形成された他の蓋部材84が挿入
され、ディスプレーサ本体75に接着されている。な
お、蓋部材78、84は布入りフェノール樹脂以外の材
料で構成することもできるが、ディスプレーサの運動性
のためには比重の小さい材料が好ましい。
【0027】図7(B)は、ディスプレーサ本体75と
シリンダ53の間に配置されるシールリングの構成を示
す。ディスプレーサ本体75の溝76内に、内側にエキ
スパンダリング86、外側にピストンリング87が収容
される。
【0028】エキスパンダリング86は、ピストンリン
グ87を外方向に押圧し、ピストンリング87とシリン
ダ53の間の気密を保持するようにする。なお、ピスト
ンリング87、エキスパンダリング86共に熱変形を許
容するように、切欠が設けられている。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したような蓄
冷器式冷凍機において、最低到達温度が設計値に達しな
かったり、変動したりすることがある。
【0030】このように、所定の冷凍性能が得られない
場合、冷凍機を分解し、低温部に配置されるディスプレ
ーサとシリンダ間のシールリング(たとえば、図4の構
成において、第2段目ディスプレーサ55と第2段目シ
リンダ53の間に配置される図7(B)に示すエキスパ
ンダリング86とピストンリング87との組み合わせに
よるシールリング)を交換すると、所定の冷凍性能が得
られる場合がある。このような経験から判断すると、冷
凍性能の低下は、低温部の気密機構に大きな影響を受け
ることが推察される。
【0031】本発明の目的は、良好で安定した冷凍機能
を有する蓄冷器式冷凍機を提供することである。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明の蓄冷器式冷凍機
は、熱伝導率が低く、気密性の高い材料で形成されたシ
リンダと、前記シリンダ内に配置され、剛性が高く、前
記シリンダの材料と線膨張率がほぼ等しい材料で形成さ
れ、内部に気体流路を有するディスプレーサ本体と、前
記気体流路内に充填された蓄冷材と、前記ディスプレー
サ本体を被覆し、その上に固着された耐摩耗性樹脂部材
とを有する。
【0033】耐摩耗性樹脂部材は、表面に凹凸形状のラ
ビリンスシール機構を有することが好ましい。
【0034】
【作用】シリンダとディスプレーサ本体とが線膨張率の
ほぼ等しい材料で形成されるため、常温から低温に冷却
しても、両者間のクリアランスの変化が小さくなる。デ
ィスプレーサ本体は、耐摩耗性樹脂部材によって被覆さ
れているため、シリンダ内でのディスプレーサの滑動性
は十分得られる。
【0035】また、耐摩耗性樹脂部材は、ディスプレー
サ本体に固着されているため、冷却による耐摩耗性樹脂
部材の収縮はディスプレーサ本体によって制限される。
このため、耐摩耗性樹脂部材とシリンダ間のクリアラン
スの変化は小さい。
【0036】耐摩耗性樹脂部材表面にラビリンスシール
機構を設けると、耐摩耗性樹脂部材とシリンダ間の気密
性が向上する。
【0037】
【実施例】図1に、本発明の実施例による蓄冷器式冷凍
機の基本構成を示す。シリンダ1は、ステンレス等の熱
伝導率が低く、気密性の高い剛性材料で形成されてい
る。シリンダ1内には、ディスプレーサ本体2とその表
面に固着された耐摩耗性樹脂部材3で形成されたディス
プレーサが配置されている。
【0038】ディスプレーサ本体2は、剛性が高く、シ
リンダ1と線膨張率がほぼ等しい材料で形成される。た
とえば、シリンダ1とディスプレーサ本体2とをステン
レス(たとえばSUS304)で形成する。
【0039】ディスプレーサ本体2は、中空構造であ
り、その内部に気体流路5を形成している。この気体流
路5に作動温度において高い熱容量を有する蓄冷材6が
収容される。ディスプレーサとシリンダ1の下端の間に
は、膨張空間8が画定される。
【0040】上方から供給される冷媒ガスは、ディスプ
レーサ本体2内の気体流路5を通って膨張空間8に供給
される。この気体が膨張して再び上方に回収される時
は、膨張によって冷却された冷媒ガスは気体流路5を通
って回収され、その際に蓄冷材6を冷却する。
【0041】耐摩耗性樹脂部材3は、布入りフェノール
等で構成され、シリンダ1、ディスプレーサ本体2の線
膨張係数とは大きく異なる線膨張係数を有する。しかし
ながら、常温から低温に冷却される際、耐摩耗性樹脂部
材3の収縮は、その内側に配置されたディスプレーサ本
体2によって制限される。
【0042】ディスプレーサ本体2の剛性が高いため、
耐摩耗性樹脂部材3の収縮は著しく制限される。耐摩耗
性樹脂部材3の厚さ自身は極めて小さなものでよいた
め、耐摩耗性樹脂部材3の厚さの変化は微小である。シ
リンダ1とディスプレーサ本体2とはほぼ等しくて線膨
張係数を有するため、常温から低温に冷却してもその相
対的位置関係はあまり変化しない。
【0043】したがって、耐摩耗性樹脂部材3とシリン
ダ1との間のクリアランスを十分小さなものとすること
ができ、ディスプレーサ外周部を通る冷媒ガスの漏れを
十分小さなものとすることができる。
【0044】耐摩耗性樹脂部材3の外周表面に、ラビリ
ンスシール機構を設ければ、耐摩耗性樹脂部材3外周と
シリンダ1内周の間の間隙を通る冷媒ガスの漏れをさら
に小さくすることができる。
【0045】従来技術で説明した蓄冷器式冷凍機のディ
スプレーサは、布入りフェノール等で形成されていたた
め、ステンレス等で形成されたシリンダと線膨張係数の
差が大きかった。
【0046】常温から低温に冷却すると、熱収縮の差が
大きく、ディスプレーサとシリンダ間のクリアランスを
小さくすることはできなかった。このため、シールリン
グを用いていたが、シールリングの材質としては弾性が
必要であり、シリンダと同一材料を用いることはできな
い。
【0047】シールリング材質は一般にシリンダ材質よ
りも線膨張係数が大きく、冷凍機の温度低下に伴ってシ
リンダとは異なる熱収縮を示す。この熱変形の相違によ
り、ディスプレーサとシリンダ間の間隙が大きくなっ
て、冷媒ガスの漏れ量が増大するものと考えられる。
【0048】また、ディスプレーサが上下に駆動される
際、シールリングが溝の中で回転運動可能であり、ピス
トンリングとエキスパンダのずれ等が生じると、シール
性能が不安定となる。このような原因により、最低到達
温度が高くなったり、変動したりしたものと考えられ
る。
【0049】本実施例においては、低温部にシールリン
グを用いる必要がなくなるため、上述のような冷却によ
る気密性能の劣化が生じにくい。以下、図2、図3を参
照して、ステンレスで構成したシリンダ内に配置するデ
ィスプレーサの2つの構成例を示す。
【0050】図2に示すディスプレーサにおいては、ス
テンレスで形成された円筒状のディスプレーサ本体2の
表面上に、布入りフェノールで形成された耐摩耗性樹脂
部材3が接着されている。ディスプレーサ本体2は、シ
リンダと同じ材質(たとえばSUS304ステンレス)
で形成される。
【0051】たとえば、シリンダの内径が25mmの場
合、耐摩耗性樹脂部材3の外径は25mm、内径は24
mm、ディスプレーサ本体2の内径は22mmとし、シ
リンダ内面と耐摩耗性樹脂部材3外周面との間の公差は
合わせて30〜50μmとする。
【0052】ディスプレーサ本体2は、円形パイプ状の
形状を有するため、その上下端は開放している。ディス
プレーサ本体2の下端には、布入りフェノール等で形成
された蓋部材11が挿入接着され、その上に金網13が
配置され、その上にフェルト栓14が配置されている。
【0053】フェルト栓14の上には、たとえば鉛球で
形成された蓄冷材15が充填される。蓄冷材15の上に
は、布入りフェノールで形成された他の蓋部材19が挿
入接着され、蓄冷材15を上下から保持する。
【0054】なお、上方の蓋部材19の下端には、フェ
ルト栓16とパンチングメタル17がはめ込み配置され
ている。なお、蓋部材11、19の中央部には、垂直方
向にガス流路を構成する貫通孔が形成されている。
【0055】また、上方に配置される蓋部材19には、
第1段目ディスプレーサと結合するための結合機構が形
成される。なお、ディスプレーサ本体2内に配置される
蓋部材11、19、シール部材13、14、16、1
7、蓄冷材15は、他の材料で形成してもよい。たとえ
ば、蓄冷材として磁性体を用いて冷凍機能を高めること
もできる。
【0056】ディスプレーサの軸方向の長さは、たとえ
ば150〜160mm程度である。また、蓋部材11、
19に設ける貫通孔は、最も細い部分でたとえば直径
4.5mm程度である。
【0057】図3は、ディスプレーサの他の構成例を示
す。ディスプレーサ本体2の外周上に耐摩耗性樹脂部材
3aが接着されている点は、図2のディスプレーサと同
様である。
【0058】本構成においては、耐摩耗性樹脂部材3a
の表面に、円周方向に多数の溝が形成され、ラビリンス
シール機構4を構成している。この溝は、たとえば幅約
3mm程度、深さ約1mm程度である。ディスプレーサ
の耐久性、滑動性を確保するため、耐摩耗性樹脂部材3
aの上端部分および下端部分にはラビリンスシール機構
4を設けない。
【0059】蓋部材11、19は、図2の構成例同様、
布入りフェノール等で形成されるが、図2の場合と比
べ、その軸方向距離が短くされている。また、上方に配
置されるフェルト栓16およびパンチングメタル17
は、蓋部材19の内部ではなく、蓄冷材15と蓋部材1
9の間に配置されている。
【0060】図2、図3に示すようなディスプレーサの
構成によれば、シールリングを収容する必要がないた
め、ディスプレーサ本体2と耐摩耗性樹脂部材3の合計
厚さを小さくすることができる。
【0061】このことは、ディスプレーサ内の蓄冷材収
容空間を増大できることを意味する。蓄冷材の増量は、
冷凍能力の増大につながる。また、シールリングを不要
にするため、部品点数が低減し、組み立て工程が簡単化
する。
【0062】図2、図3に示すようなディスプレーサ
は、図4に示すようなGM式冷凍機の第2段目シリンダ
53内に配置される。なお、図4に示すGM式冷凍機に
ついてはすでに説明したので、ここでは説明を省略す
る。
【0063】なお、2段型蓄冷器式冷凍機の第2段に、
図2、図3のディスプレーサを配置する場合を説明した
が、同様のディスプレーサを他の構成の蓄冷器式冷凍機
に適用することも可能である。
【0064】なお、図4の構成のGM式冷凍機におい
て、第2段目ディスプレーサ55として、図3の構成例
を用いた場合と、従来技術による図7の構成例を用いた
場合についてそれぞれ冷却特性を測定した。なお、ディ
スプレーサのストロークは30mmとし、蓄冷材として
は径0.4〜0.5mmの鉛粒を用い、ディスプレーサ
の回転数は72rpmとした。
【0065】図5(A)、(B)は、冷却試験における
測定結果を示す。図5(A)、(B)において、それぞ
れ曲線aは第1段目膨張空間の温度の時間変化を示し、
曲線bは第2段目膨張空間の温度の時間変化を示す。
【0066】図5(A)においては、第1段目膨張空間
の温度は約38.2Kに達し、第2段目膨張空間の温度
は7.4〜8.2Kに到達している。これに対して、図
5(B)に示す従来技術の場合においては、第1段目膨
張空間の温度は38.5Kと図5(A)の場合とほぼ同
等であるが、第2段目膨張空間の到達温度は8.9〜1
0.1Kであった。このように、図5(A)に示す図3
の構成例においては、図7の構成例の場合よりも到達最
低温度が低くなり、かつ温度変動幅も減少した。
【0067】さらに、本発明の基礎となった考察が正し
いか否かを判断するために、低温においてシリンダとデ
ィスプレーサ間の漏れ試練を行なった。図6(A)に、
漏れ試験の測定装置を概略的に示す。
【0068】図4に示す構成のGM式冷凍機の第1段目
膨張空間および第2段目膨張空間に開口を形成し、第2
段目膨張空間からヘリウムガスを供給し、第1段目膨張
空間にどの程度のヘリウムガスがリークするかを調べ
た。なお、第2段目シリンダはデュアー中に収容した液
体窒素中に浸漬し、吸気弁、排気弁はない状態でディス
プレーサのみを駆動した。
【0069】第1段目膨張空間、第2段目膨張空間に接
続したガス配管にそれぞれ圧力計Pを接続し、第1段目
膨張空間に接続したガス配管は、さらに漏れ量測定用の
流量計を介して大気中に開放した。
【0070】図6(B)に測定結果を示す。横軸に圧力
差をKgf/cm2 で示し、縦軸に漏れ量をl/分で示
す。曲線cが従来技術による図7の構成例によるディス
プレーサを用いた場合の特性であり、曲線dが図3の構
成例によるディスプレーサを用いた場合の特性である。
【0071】測定した全圧力差範囲において、図3のデ
ィスプレーサを用いた場合が、図7のディスプレーサを
用いた場合に比べ、漏れ量が著しく低減していることが
判る。
【0072】たとえば、圧力差約1.2Kgf/cm2
において、図3の構成例を用いた場合の漏れ量は、図7
の構成例を用いた場合の漏れ量の約1/3であり、圧力
差が小さくなると、その比はさらに拡大している。この
ように、本発明の実施例による構成例により、ディスプ
レーサとシリンダ間の低温における漏れ量が改善されて
いることが判る。
【0073】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
GM式冷凍機に限らず、スターリング冷凍機やその他の
蓄冷器を用いた冷凍機に本発明を適用することが可能で
ある。
【0074】また、2段式ディスプレーサの構成におい
て、第2段ディスプレーサとして上述のシールリングを
用いないディスプレーサを用いる場合を説明したが、そ
の他の構成においても、低温においてディスプレーサを
用いる蓄冷器式冷凍機に本発明を適用することができ
る。その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能な
ことは当業者に自明であろう。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
蓄冷器式冷凍機において、その冷凍性能を向上すること
ができる。
【0076】また、可動部分が少なく、部品点数の少な
い蓄冷器式冷凍機を構成することができるため、蓄冷器
式冷凍機の組み立て、保守が簡単化される。さらに、蓄
冷材収容空間を増大することができるため、冷凍能力を
向上されることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による蓄冷器式冷凍機の基本構
成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例による蓄冷器式冷凍機のディス
プレーサの構成例を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例による蓄冷器式冷凍機のディス
プレーサの構成例を示す断面図である。
【図4】ギフォードマクマホン式冷凍機の構成を概略的
に示す断面図である。
【図5】本発明の実施例による蓄冷器式冷凍機の冷却特
性を従来技術による蓄冷器式冷凍機の冷却特性と比較し
て示すグラフである。
【図6】漏れ特性を説明するための図である。図6
(A)は漏れ特性の測定装置を示す概略断面図、図6
(B)は測定結果を示すグラフである。
【図7】従来技術によるディスプレーサを説明するため
の断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 ディスプレーサ本体 3 耐摩耗性樹脂部材 4 ラビリンスシール機構 5 気体流路 6 蓄冷材 8 膨張空間 11、19 蓋部材 13 金網 14、16 フェルト栓 15 蓄冷材 17 パンチングメタル 51 ヘリウム圧縮機 52 第1段目シリンダ 53 第2段目シリンダ 54 第1段目ディスプレーサ 55 第2段目ディスプレーサ 56 クランク機構 57 ガス流路 58、59 蓄冷材 61、66 ヒートステーション 62、67 膨張空間 68、69 ガス流路 71 シールリング V 弁 M 駆動用モータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導率が低く、気密性の高い材料で形
    成されたシリンダ(1)と、 前記シリンダ内に配置され、剛性が高く、前記シリンダ
    の材料と線膨張率がほぼ等しい材料で形成され、内部に
    気体流路を有するディスプレーサ本体(2)と、 前記気体流路内に充填された蓄冷材(6)と、 前記ディスプレーサ本体を被覆し、その上に固着された
    耐摩耗性樹脂部材(3)とを有する蓄冷器式冷凍機。
  2. 【請求項2】 前記耐摩耗性樹脂部材が表面に凹凸形状
    のラビリンスシール機構を有する請求項1記載の蓄冷器
    式冷凍機。
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