JP3856684B2 - スターリング機関 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スターリング機関に関し、具体的には、作動ガスを封入したシリンダ内を往復運動可能に設けられたパワーピストンおよびディスプレーサーを有するフリーピストン型スターリング機関に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に冷凍サイクルには、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが採用されている。こうした蒸気圧縮式の冷凍サイクルには、作動媒体としての冷媒にフロンが用いられ、フロンの凝縮、蒸発を利用して所要の冷却性能を得るようにしている。
【0003】
ところが、冷媒として使用されるフロンは、大気中に放出されると成層圏に達してオゾン層を破壊するとの指摘がある。このため、近年、特定フロンを対象としたフロンの使用ならびに生産が規制されてきている。そこで、フロンを用いた冷凍サイクルに代わるものとして、逆スターリング冷凍サイクルが注目を集めている。
【0004】
逆スターリング冷凍サイクルは、作動媒体としてヘリウムガス、水素ガス、窒素ガスなどといった地球環境に悪影響を与えないガスを採用し、逆スターリングサイクルによって低温を得るようにしたものである。
【0005】
このスターリング冷凍機は、極低温レベルの寒冷を発生させる小型冷凍機の一種として知られている。この冷凍機は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐出された冷媒ガスを膨張させる膨張機とを組合せたものである。上記圧縮機には、ガス圧がたとえばサイン(sin)カーブなどの特性をもって所定周期で経時変化するように冷媒ガスを圧縮するものが使用される。
【0006】
一方、膨張機は、先端が閉塞されたシリンダと、該シリンダ内に往復動自在に嵌挿され、シリンダ内を先端側の膨張室および基端側の作動室に区画形成するフリーディスプレーサーと、該フリーディスプレーサーを往復運動可能に弾性支持するスプリングとを備えてなるものである。該作動室は上記圧縮室に接続されており、圧縮機からの冷媒ガス圧によりディスプレーサーを往復運動させて冷媒ガスを膨張させる。これにより、シリンダ先端のコールドヘッドに寒冷を発生させるようになされている。
【0007】
なお、この方式のスターリング冷凍機は一般にフリーピストン型スターリング冷凍機と呼ばれている。
【0008】
図8は、従来のフリーピストン型スターリング冷凍機の構成を示す概略断面図である。図8を参照して、従来のスターリング機関は、ディスプレーサー1と、ピストン2と、再生器3と、共振用バネ4、5と、リニアモータ6と、シリンダ9と、放熱部10とを主に有している。
【0009】
ディスプレーサー1およびピストン2の各々は、円筒形状のシリンダ9内にて往復運動可能なように配置されており、共振用バネ4、5の各々によって支持されている。これにより、シリンダ9の内部空間に膨張空間7と圧縮空間8とが形成される。膨張空間7と圧縮空間8との間に再生器3を設けて閉回路が構成され、この閉回路の作動空間にヘリウムなどの作動ガスが充填されている。また、圧縮空間8で生じた熱を外部に放出するために放熱部10が設けられている。
【0010】
ピストン2は、リニアモータ6などの外部動力によってシリンダ9の軸方向に振動する。このリニアモータ6はモータ移動部15およびモータ磁気回路部16を有しており、モータ移動部15はピストン2に取り付けられた可動部材であり、モータ磁気回路部16は固定部材である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスターリング冷凍機においては、圧縮動作を行なうピストン2およびディスプレーサー1の摩耗を防ぐために、気体軸受が用いられている。つまり、ピストン2やディスプレーサー1の摺動面に複数のピンホール11が設けられ、圧縮空間8とそのピンホール11とを結ぶ通路が設けられている。これにより、ピストン2が圧縮動作を行なうときに発生する圧縮空間8とシリンダ内周面−ピストン外周面との間の圧力差を利用して、圧縮空間8の高圧ガスの一部がピストン2の内部を通り、摺動面のピンホール11から吐出されることで気体軸受が構成されている。
【0012】
このため、連続運転を行なうとシリンダ9の外部空間(以下、シリンダ外部空間と称する)12のガス圧が徐々に高くなり、圧縮空間8とシリンダ外部空間12との圧力バランスが崩れてくる。またピストン2とシリンダ9との間の隙間からシリンダ9内のガスがシリンダ9外に移動する。このため、通常は、シリンダ外部空間12のガスが圧縮空間8に戻りやすくするために戻り流路13、14の各々がシリンダ9およびピストン2の各々に設けられている。
【0013】
ところが、ピストン2の振幅が小さいとき(低振幅時)には、気体軸受のピンホール11から吐出されるガスは少ないから、戻り流路13、14は小さくてもよいが、ピストン2の振幅が大きいとき(高振幅時)には、ピンホール11から吐出されるガスも多くなるため、戻り流路13、14から戻るガスが足りなくなり、シリンダ外部空間12のガス圧が設計値よりも高くなる。シリンダ外部空間12のガス圧が高くなりすぎると、ピストン2の振幅中心が圧縮空間8側へ移動してピストン2の圧縮空間が小さくなるため、エンジン性能が低下する、ピストン2を保持するスプリングが劣化するなどの問題が発生する。
【0014】
また、戻り流路13、14を大きくすれば圧縮空間8で十分な圧縮ができない、エネルギロスが大きくなるなどの問題が発生する。
【0015】
本発明は、係る点に鑑みてなされたものであり、その目的はシリンダ外部から圧縮空間へ戻るガス量をエンジンの動作状態に応じて可変することにより、エネルギロスを低減し、ピストンバネを劣化させることなく低振幅から高振幅まで高い冷凍能力を発現するスターリング機関を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のスターリング機関は、作動ガスを封入したシリンダ内を往復運動可能に設けられたパワーピストンおよびディスプレーサーを有するフリーピストン型スターリング機関において、パワーピストンおよびディスプレーサーの間の空間とシリンダ外部の空間とを連通するための流通通路と、その流通通路とは別途に設けられた振動中心変動防止手段と、パワーピストンに取付けられたモータ移動部と、モータ移動部と対向し、かつパワーピストンをシリンダ内で往復運動させるためのモータ磁気回路部とを備えている。流通通路は、パワーピストンに形成された第1のガス流路と、シリンダに形成された第2のガス流路とを有し、モータ移動部の往復運動方向の中心位置がモータ磁気回路部の往復運動方向の中心位置にあるときに、第1のガス流路の開口部と第2のガス流路の開口部とが対向する通路である。振動中心変動防止手段は、パワーピストンの振幅が大きいときに第1のガス流路の開口部と対向するように、かつシリンダ外部に通じるようにシリンダに形成された第3のガス流路である。
【0017】
本発明のスターリング機関によれば、振動中心変動防止手段が設けられているため、パワーピストンの振動の中心がその動作時に変動することを防止することができる。このため、エネルギロスを低減できるとともにピストンバネを劣化させることなく低振幅から高振幅まで高い能力を有するスターリング機関を得ることができる。
また、モータ移動部の往復運動方向の中心位置がモータ磁気回路部の往復運動方向の中心位置にあるときに、第1のガス流路の開口部と第2のガス流路の開口部とが対向する。これにより、モータ移動部がモータ磁気回路部の中心位置にきたときにガス圧調整を行なうことができるため、モータが中立位置のときに圧縮空間とシリンダ外部空間の圧力が同じになるように調整される。このため、ピストンの振幅中心が圧縮空間側へ移動したりその反対側へ移動したりすることを防ぐため、モータの脱調もなく、振幅を最大にすることができて、冷凍機の冷凍能力を最大限に引出すことが可能となる。
また、パワーピストンの振幅が大きいときに第1のガス流路の開口部と対向するように、かつシリンダ外部に通じるようにシリンダに第3のガス流路が形成されている。これにより、パワーピストンの振動が大きくなるときに圧縮空間とシリンダ外部空間とのガス圧が調整できるため、簡単に低振幅から高振幅まで高い冷凍能力を維持することができる。
【0026】
上記のスターリング機関において好ましくは、振動中心変動防止手段は、第1のガス流路の開口部と第2のガス流路の開口部とが対向するパワーピストンの位置からパワーピストンの回転方向に沿ってシリンダに設けられた複数個のガス流路である。この複数のガス流路の各々は第1のガス流路と異なる流路径を有しており、パワーピストンの振幅が大きいときにパワーピストンを回転させてガス圧に応じた流路径のガス流路からガスが通される。
【0027】
このように、複数のガス流路の各々が異なる流路径を有しているため、パワーピストンの振幅の大きさに応じてシリンダ流路を選択することで動作状況に応じた必要なガス流路を確保することができる。またシリンダ流路をさらに増やせば、さらに細かい調整が可能である。このように無駄なガス流量を抑えることができるため、エネルギロスを抑えることができ、また低振幅時と高振幅時の圧力を簡単に調整することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
【0033】
(実施の形態1)
図8を参照して、本実施の形態のスターリング冷凍機の構成は、従来例の構成と比較して、振動中心変動防止手段(図示せず)を設けた点において異なる。
【0034】
次に、本実施の形態のフリーピストン型スターリング冷凍機の動作原理について説明する。
【0035】
まずピストン2がリニアモータ6により駆動され、共振用バネ5により正弦運動する。ピストン2の動きにより圧縮空間8内の作動ガスは正弦状の圧力変化を示す。圧縮された作動ガスは放熱部10で圧縮熱を放出し、ディスプレーサー1内にある再生器3で予冷され膨張空間7に入る。膨張空間7の作動ガスはディスプレーサー1の動きにより膨張し温度は低下する。膨張空間7内の作動ガスの圧力は、圧縮空間8内の圧力とある位相差を持って正弦変化する。すなわちディスプレーサー1はピストン2に対しある位相差を持って摺動することになる。
【0036】
膨張空間7での冷凍能力はディスプレーサー1の摺動に大きく影響を受けるが、振幅はピストン2とディスプレーサー1との位相差、すなわち膨張空間7と圧縮空間8との時間変化する圧力差によって生じるディスプレーサー1とピストン2との動きの差に影響を受ける。位相差は運転条件が同一であればディスプレーサー1の質量、共振用バネ4のバネ定数および動作周波数により決まるものである。
【0037】
本実施の形態では共振用バネ4、5として板バネを用いているが、フリーピストン型の構造であれば共振用バネ4、5は板バネに限定されるものではなく、弾性力を付与できるものであればよい。
【0038】
フリーピストン型スターリング冷凍機はその構造上、ピストン2およびディスプレーサー1が同一軸上に位置し、またディスプレーサー1はピストン2の振幅およびガス圧力により決定された振幅および位相差にて動作する。
【0039】
冷凍機の運転中は、ピンホール11から吐出されるガスと、ピストン2およびシリンダ9間の隙間から移動するガスとによってシリンダ外部空間12のガス圧は徐々に高くなる。ピストン2内の流路14とシリンダの流路13とが一致したときに、シリンダ外部空間12と圧縮空間8とが流路13、14により繋がれ、シリンダ外部空間12から圧縮空間8へのガスの流れが発生するようになっている。
【0040】
ピストン内流路14とシリンダ流路13とが一致したときに、シリンダ外部空間12のガス圧が圧縮空間8のガス圧より高ければ、ガスは圧縮空間8に流れてシリンダ外部空間12と圧縮空間8とのガス圧が調整される。
【0041】
ピンホール11から吐出するガスやピストン2およびシリンダ9間を通ってシリンダ外部空間12へ移動するガスの量は、ピストン2の振幅によって変化し、高振幅ではその移動量が大きい。そのため、ピストン2の振幅によって、シリンダ外部空間12から圧縮空間8へ流れるガス量が振動中心変動防止手段により調整される。これにより、低振幅から高振幅までピストン振動の中心が圧縮空間側へ移動する、または反対側へ移動することを防止するきとができ、安定した運転を行なうことができる。
【0042】
また、ガス流路での必要以上のガスの流れを防ぎ、振幅に応じたガス流量を確保することができるため、エネルギロスを抑えることができる。また想定した以上にピストン2が移動することがなくなるため、ピストンバネの劣化も防ぐことができる。
【0043】
(実施の形態2)
図1は、本発明の実施の形態2におけるスターリング冷凍機の構成を示す概略断面図である。図1を参照して、本実施の形態では、振動中心変動防止手段としてニードルバルブ20が設けられている。ニードルバルブ20は、シリンダ流路13に設けられており、ピストンの振幅やシリンダ外部のガス圧などに応じてガス量を細かく調整できるようになっている。また、ニードルバルブ20は、シリンダ9に取付けることも可能である。
【0044】
このニードルバルブ20は、ニードル201と調整器202とにより構成されている。ニードル201は、調整器202によりシリンダ流路13を開閉可能である。
【0045】
なお、これ以外の構成については図8の構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0046】
本実施の形態では、ニードルバルブ20を使用しているため、たとえばピストン2の振幅を入力電圧あるいは入力電流から検出し、その検出出力に応じてニードルバルブ20を動作させることにより、ガス量の微調整を無段階で行なうことが可能である。また、シリンダ流路13にニードルバルブ20を取付けることにより、シリンダ流路13の開閉制御が容易となる。また、ガス量の微調整はシリンダ外部空間12のガス圧を検出することにより行なわれてもよい。
【0047】
(実施の形態3)
図1を参照して、本実施の形態においては、ピストン2の往復運動方向(図中上下方向)におけるモータ移動部15の中心位置が、ピストン2の往復運動方向におけるモータ磁気回路部16の中心位置(一点鎖線)にあるときに、シリンダ流路13の開口部とピストン内流路14の開口部とが互いに対向するように形成されている。
【0048】
なお、これ以外の構成については実施の形態2の構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0049】
本実施の形態では、上記構成を有することにより、常に、モータ移動部15がモータ磁気回路部16の中心にきたときにガス圧調整を行なうことができる。このため、リニアモータ6が中立状態のときに圧縮空間8とシリンダ外部空間12との圧力が同じになるように調整することができる。これにより、ピストン2の振幅中心が圧縮空間8側へ移動したりその反対側へ移動したりすることを防ぐことができるため、モータ移動部15がモータ磁気回路部16により生じた磁界から逸脱する、いわゆる脱調を防止できる。したがって、ピストン2の振幅を最大にすることができて冷凍機の冷凍能力を最大限に引出すことが可能となる。
【0050】
(実施の形態4)
図2は、本発明の実施の形態4におけるスターリング冷凍機の構成を概略的に示す断面図である。図2を参照して、本実施の形態の構成は、図1に示す構成と比較して、振動中心変動防止手段としてニードルバルブの代わりにシリンダ流路30をシリンダ9に設けた点において異なる。
【0051】
ピストン内流路14の開口部と第1のシリンダ流路13の開口部とは、モータ移動部15がモータ磁気回路部16の中心にあるときに対向するように配置されている。また、シリンダ流路30の開口部は、ピストン2の振幅が大きいとき(高振幅時)にのみピストン内流路14の開口部と対向するような位置に配置されている。
【0052】
なお、これ以外の構成については、図1の構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0053】
本実施の形態では、ピストン2の振幅が小さいときには、ピストン内流路14の開口部は、シリンダ流路13の開口部と対向するため、小量のガス圧調整を行なうことができる。
【0054】
またピストン2の振幅が大きくなると、ピストン内流路14の高さ位置はシリンダ流路30の高さ位置まで到達し、ピストン内流路14の開口部はシリンダ流路30の開口部と対向するため、高振幅時にもガス圧を調整することができる。また、高振幅時においては、ピストン内流路14の開口部は振幅中にシリンダ流路13の開口部とも対向するため、ここでもガス圧が調整される。このように高振幅時には2箇所でガス圧調整を行なうことができるため、高振幅時のガス圧調整量不足が解消され、簡単に低振幅から高振幅まで高い冷凍能力を維持することができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、一例としてシリンダ9に2箇所の流路を設けた場合について説明したが、シリンダ9には2箇所以上の流路が設けられてもよい。
【0056】
(実施の形態5)
図3は、本発明の実施の形態5におけるスターリング冷凍機の構成を概略的に示す断面図である。また図4は、本発明の実施の形態5におけるスターリング冷凍機のシリンダの構成を示す平面図(a)、側面図(b)である。なお、図4(a)は、図4(b)の一点鎖線で切断した場合の断面に対応する。
【0057】
図3および図4を参照して、本実施の形態の構成においては、振動中心変動防止手段としてニードルバルブの代わりに、ピストン2を回転可能に支持するためのベアリング41と、ピストン2に回転駆動力を与えるためのモータ42と、シリンダ9に形成されたシリンダ流路40とを設けた点とにおいて図1の構成と異なる。
【0058】
シリンダ流路40は、ピストン内流路14の開口部とシリンダ流路13の開口部とが対向するピストン2の位置からピストン2をたとえば45°回転させ、かつ軸方向に移動させたときに、ピストン内流路14の開口部とシリンダ流路40の開口部とが対向するような位置に配置されている。なお、モータ移動部15がモータ磁気回路部16の中心にあるときにピストン内流路14とシリンダ流路13とが一致する。
【0059】
なお、これ以外の構成については図1の構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付しその説明は省略する。
【0060】
本実施の形態では、ピストン2の振幅方向を軸として回転制御可能なようにベアリング41とモータ42とが組込まれている。通常時は、ピストン2の振幅を行なうと、モータ移動部15がモータ磁気回路部16の中心にきたときにピストン内流路14とシリンダ流路13とが一致するため、このときガス圧の調整が行なわれる。
【0061】
ピストン2の振幅が大きくなるにつれて、ピストン2の振幅の中心が圧縮空間側またはその反対へ移動した場合、圧縮空間とシリンダ外部空間との圧力調整が必要となる。このとき、ピストンを45°回転させてもう一方のシリンダ流路40とピストン内流路14とを一致させてガス圧が調整される。
【0062】
たとえば、ピストン2の振幅の中心が圧縮空間8側へ移動した場合、ピストン2が圧縮空間8と反対側に移動して圧縮空間8の体積が大きくなり(つまりピストンの非圧縮状態となり)圧力が低い状態になったときに、ピストン内流路14と対向するようにシリンダ流路40を設けておく。これにより、シリンダ外部空間12と圧縮空間8との圧力差が大きくなり、圧縮空間8に流れるガス量が増えるため、圧縮空間8側へ移動していたピストン2の振幅中心が通常の位置まで戻される。
【0063】
なお、シリンダ流路40は、ピストン2の振幅に応じて多数設けられてもよい。
【0064】
本実施の形態では、上記のようにピストン2の低振幅時と高振幅時とでガス圧調整を行なう流路を変更するため、低振幅時から高振幅時まで安定した運転を行なうことが可能となる。
【0065】
(実施の形態6)
図5は、本発明の実施の形態6におけるスターリング冷凍機のシリンダの構成を示す平面図(a)、側面図(b)である。なお、図5(a)は、図5(b)の一点鎖線で切断した場合の断面に対応する。
【0066】
図5を参照して、本実施の形態の構成は、図3および図4に示す構成と比較して、シリンダ流路の配置位置および個数が異なる。本実施の形態におけるシリンダ流路50、51の各々は、シリンダ流路13の位置の円周方向に沿って配置されており、かつ互いに異なる径を有している。また、これらのシリンダ流路50、51の各々は、シリンダ流路13とも異なる径を有している。シリンダ流路50、51は、シリンダ9の円筒部に対称的に2つずつ設けられている。
【0067】
なお、これ以外の構成については、図3および図4に示す構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付しその説明は省略する。
【0068】
本実施の形態では、ピストン2の振幅が小さいときには、小さいシリンダ流路51とピストン内流路14とを対向させて、ガス圧が調整される。ピストン2の振幅が大きくなると、それに応じてシリンダ流路13のところまでピストン2を回転させて、ガス流量を増やしてガス圧の調整が行なわれる。さらにピストン2の振幅が大きくなると、それに応じてシリンダ流路50のところまでピストン2を回転させて、ガス流量をさらに増やしてガス圧の調整が行なわれる。
【0069】
このようにピストン2の振幅の大きさに応じて、ピストン2を回転させることによりシリンダ流路13、50、51を選択し、選択したシリンダ流路13、50、51とピストン内流路14とを対向させるため、必要なガス流量を確保することができる。シリンダ流路をさらに増やせば、さらに細かいガス圧の調整が可能である。このように無駄なガス流量を抑えることができるため、エネルギロスを抑えることができ、また低振幅時と高振幅時とのガス圧力を簡単に調整することができる。
【0070】
(実施の形態7)
図6は、本発明の実施の形態7におけるスターリング冷凍機の構成を概略的に示す断面図である。図6を参照して、本実施の形態の構成は、図1に示す構成と比較して、ニードルバルブ20の代わりに振動中心変動防止手段としてガス流路60と、そのガス流路60を開閉可能なバルブ61とが設けられている点において異なる。ガス流路60は、ピストン2の圧縮空間8に面する端面から、その逆側の端面にまで貫通するように設けられている。バルブ61は、たとえばピストン2の圧縮空間8に面する側の端面に配置されている。
【0071】
なお、これ以外の構成については、図1に示す構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0072】
本実施の形態においては、ガス流路60とバルブ61とが設けられているため、ピストン2の振幅で圧縮空間8側とシリンダ外部空間12とのガス圧のバランスが調整できないときにはバルブ61を開いてガス圧力の調整を行なうことができる。このため、ピストン2の低振幅時と高振幅時とのガス圧力を簡単に調整することができる。
【0073】
なお、本実施の形態においても、モータ移動部15がモータ磁気回路部16の中心にあるときにピストン内流路14とシリンダ流路13とが一致することが好ましい。
【0074】
(実施の形態8)
図7は、本発明の実施の形態8におけるスターリング冷凍機の構成を概略的に示す断面図である。図7を参照して、本実施の形態の構成は、図1に示す構成と比較して、ガス流路の形成位置が異なる。つまり、図1の構成においては、ピストン2にピストン内流路14が設けられていたが、本実施の形態ではこのピストン流路は設けられておらず、シリンダ流路13が圧縮空間8とシリンダ外部空間12とを繋ぐように設けられている。
【0075】
なお、これ以外の構成については、図1の構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0076】
本実施の形態では、シリンダ流路13により圧縮空間8とシリンダ外部空間12とを繋ぎ、そのシリンダ流路13をニードルバルブ20により開閉可能としたことにより、圧縮空間8とシリンダ外部空間12とのガス圧に応じて両空間のガス圧力を調整することができる。
【0077】
なお、実施の形態1においてはニードルバルブ20について説明したが、ニードルバルブ20に限定されず、ピストン内流路14を開閉可能なバルブであれば本発明に適用することができる。
【0078】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のスターリング機関によれば、流通通路とは別途に振動中心変動防止手段を設けたことにより、パワーピストンの振動中心がその動作中に変動することを防止することができる。これにより、エネルギロスを抑えることができ、また想定した以上にピストンが移動することがなくなるためピストンバネの劣化を防ぐこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態2におけるスターリング冷凍機の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態4におけるスターリング冷凍機の構成を概略的に示す断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態5におけるスターリング冷凍機の構成を概略的に示す断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態5におけるスターリング冷凍機のシリンダの構成を示す平面図(a)、側面図(b)である。
【図5】 本発明の実施の形態6におけるスターリング冷凍機のシリンダの構成を示す平面図(a)、側面図(b)である。
【図6】 本発明の実施の形態7におけるスターリング冷凍機の構成を概略的に示す断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態8におけるスターリング冷凍機の構成を概略的に示す断面図である。
【図8】 従来のスターリング冷凍機の構成を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 ディスプレーサー、2 ピストン、3 再生器、4,5 共振用バネ、6リニアモータ、7 膨張空間、8 圧縮空間、9 シリンダ、10 放熱部、11 ピンホール、12 シリンダ外部、13 シリンダ流路、14 ピストン内流路、15 モータ移動部、16 モータ磁気回路部、20 ニードルバルブ、201 ニードル、202 調整器、41 ベアリング、42 モータ、60ガス流路、61 バルブ。
Claims (1)
- 作動ガスを封入したシリンダ内を往復運動可能に設けられたパワーピストンおよびディスプレーサーを有するフリーピストン型スターリング機関において、
前記パワーピストンおよび前記ディスプレーサーの間の空間と前記シリンダ外部の空間とを連通するための流通通路と、
前記流通通路とは別途に設けられた振動中心変動防止手段と、
前記パワーピストンに取付けられたモータ移動部と、
前記モータ移動部と対向し、かつ前記パワーピストンを前記シリンダ内で往復運動させるためのモータ磁気回路部とを備え、
前記流通通路は、前記パワーピストンに形成された第1のガス流路と、前記シリンダに形成された第2のガス流路とを有し、前記モータ移動部の前記往復運動方向の中心位置が前記モータ磁気回路部の前記往復運動方向の中心位置にあるときに、前記第1のガス流路の開口部と前記第2のガス流路の開口部とが対向する通路であり、
前記振動中心変動防止手段は、前記パワーピストンの振幅が大きいときに前記第1のガス流路の開口部と対向するように、かつ前記シリンダ外部に通じるように前記シリンダに形成された第3のガス流路である、スターリング機関。
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