JPH06159828A - 蓄冷型冷凍機 - Google Patents

蓄冷型冷凍機

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JPH06159828A
JPH06159828A JP31244192A JP31244192A JPH06159828A JP H06159828 A JPH06159828 A JP H06159828A JP 31244192 A JP31244192 A JP 31244192A JP 31244192 A JP31244192 A JP 31244192A JP H06159828 A JPH06159828 A JP H06159828A
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Kazuki Moritsu
一樹 森津
Takahiro Matsumoto
隆博 松本
Shuichi Nakagawa
修一 中川
Shuji Ando
収二 安藤
Mitsuhiro Kishida
光弘 岸田
Hideto Yoshimura
秀人 吉村
Masashi Nagao
政志 長尾
Takashi Inaguchi
隆 稲口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、蓄冷効率の向上を図り、冷却性
能の向上を図ることができる安価な蓄冷型冷凍機を得る
ことを目的とする。 【構成】 第2段蓄冷器5bを内蔵する第2段ディスプ
レーサ2bは、ステンレスで作製され、その外周面には
ポリイミド樹脂からなる低摩擦材コーティング層50が
形成されている。第2段シリンダ1bは、ステンレスで
作製されている。そこで、第2段ディスプレーサ2bが
第2段シリンダ1b内を往復移動する際に、第2段シリ
ンダ1bの内壁面とこすれても、低摩擦材コーティング
層50により摩擦による発熱量が抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば磁気共鳴画像
診断装置に適用される超電導マグネットに用いられる蓄
冷型冷凍機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図25は従来の蓄冷型冷凍機の一例を示
す模式断面図であり、図において1は例えばステンレス
を円筒状に切削加工された口径の異なる第1段、第2段
および第3段シリンダ1a,1b,1cを連結して3段
に構成されたシリンダ、2はシリンダ1内に摺動可能に
配設されたディスプレーサであり、このディスプレーサ
2は、例えばフェノール積層管からなる第1段、第2段
および第3段ディスプレーサ2a,2b,2cを、図2
6に示すように、自在継手3および固定ピン4により互
いに回動可能に連結して構成されている。
【0003】5は第1段、第2段および第3段ディスプ
レーサ2a,2b,2c内にそれぞれ蓄冷材が充填され
た第1段、第2段および第3段蓄冷器5a,5b,5c
からなる蓄冷器であり、ここでは、第1段蓄冷器5aに
は銅金網を、第2段蓄冷器5bには鉛玉を、そして第3
段蓄冷器5cにはGdRhをそれぞれ蓄冷材として充填
している。
【0004】6、7および8は第1段、第2段および第
3段シリンダ1a,1b,1cと第1段、第2段および
第3段ディスプレーサ2a,2b,2cとの間にそれぞ
れ配設された第1段、第2段および第3段シールであ
る。ここで、第1段シール6は、例えば図27に示すよ
うに、第1段ディスプレーサ2aの高温側の外周面に周
方向の環状の溝61を形成し、テフロンシール62とO
リング63とをその環状の溝61内に配設し、Oリング
63の弾性力により気密シールする、いわゆるキャップ
シール構造がとられている。また、図示していないが、
ディスプレーサ2を往復移動する駆動手段のスコッチヨ
ーク軸もまた、上記キャップシール構造がとられてい
る。さらに、第2段および第3段シール7、8は、図2
8の(a),(b)に示すように、第2段および第3段
ディスプレーサ2b,2cの高温側の外周面に周方向の
環状の溝71を形成し、合口74の係合により口径が変
わるピストンリング72とバックアップリング73とを
その環状の溝71内に配設し、バックアップリング73
の弾性力により気密シールする構造がとられている。
【0005】9、10および11は第1段、第2段およ
び第3段シリンダ1a,1b,1cの低温側の端部外周
面のそれぞれに配設された第1段、第2段および第3段
ヒートステージであり、これらのヒートステージには高
熱伝導性材料、例えば銅が用いられている。12は第1
段膨張室、13は第2段膨張室、14は第3段膨張室、
15はヘリウムガス、16はヘリウム圧縮機、17はヘ
リウム圧縮機16で圧縮されたヘリウムガス15を導入
する吸気バルブ、18はヘリウムガス15を排出する排
気バルブ、19は駆動モータ、20は駆動モータ19の
回転を直線運動に変換し、この動きに同期させて吸気バ
ルブ17および排気バルブ18を動作する駆動機構であ
る。
【0006】このように構成された蓄冷型冷凍機はつぎ
のように動作する。まず、第1段、第2段および第3段
ディスプレーサ2a,2b,2cが最下端にあり、吸気
バルブ17が開き、かつ、排気バルブ18が閉じている
状態で、第1段、第2段および第3段膨張室12、1
3、14内には、ヘリウムガス圧縮手段であるヘリウム
圧縮機16で圧縮された高圧のヘリウムガス15が導入
され、高圧状態となっている。
【0007】つぎに、第1段、第2段および第3段ディ
スプレーサ2a,2b,2cが上方に動き、それに伴い
高圧のヘリウムガス15が第1段、第2段および第3段
蓄冷器5a,5b,5cを通じて、第1段、第2段およ
び第3段膨張室12、13、14に導入される。この
間、吸気および排気バルブ17、18は動かない。高圧
のヘリウムガス15は、第1段蓄冷器5a、第2段蓄冷
器5bおよび第3段蓄冷器5cを通過する際に、それぞ
れの蓄冷材により所定温度に冷却される。さらに、第1
段、第2段および第3段ディスプレーサ1a,1b,1
cが最上端になった時に、吸気バルブ17が閉じ、排気
バルブ18が開き、高圧のヘリウムガス15が低圧部に
膨張して冷凍が発生する。この時、ヘリウムガス15
は、低温低圧ガスとなる。
【0008】ついで、第1段、第2段および第3段ディ
スプレーサ2a,2b,2cが下方に移動することによ
り、低温低圧のヘリウムガス15が、第1段、第2段お
よび第3段蓄冷器5a,5b,5cを通過して排気バル
ブ18から排気される。この時、低温低圧のヘリウムガ
ス15は、第1段、第2段および第3段蓄冷器5a,5
b,5cの蓄冷材を冷却した後、ヘリウム圧縮機16に
戻る。
【0009】その後、第1段、第2段および第3段膨張
室12、13、14の容積が最小となった状態で、排気
バルブ18が閉じ、吸気バルブ17が開き、ヘリウム圧
縮機16で圧縮された高圧のヘリウムガス15が導入さ
れ、第1段、第2段および第3段膨張室12、13、1
4の圧力が低圧から高圧になる。
【0010】ここで、高圧、例えば20バールのヘリウ
ムガス15は、第1段蓄冷器5aで60K(ケルビン)
に冷却され、第2段蓄冷器5bで15Kに冷却され、さ
らに第3段蓄冷器5cで冷却されて第3膨張室14に導
かれる。例えば、第3段蓄冷器5cの蓄冷材を鉛とする
と、比熱がヘリウムガス15より小さいのでヘリウムガ
ス15は十分冷却されずに第3段膨張室5cに導かれ、
膨張室の温度が上昇して損失が生じてしまい、6.5K
程度の到達温度しか得られないが、第3段蓄冷器5cの
蓄冷材としてGdRhを用いているので、比熱が鉛より
大きく損失が小さくなり、5.5Kの到達温度が得られ
ている。
【0011】このように、第1段、第2段および第3段
膨張室12、13、14のヘリウムガス15の温度は、
第1段、第2段および第3段シリンダ1a,1b,1c
を介して第1段、第2段および第3段ヒートステージ
9、10、11に伝達され、例えば超電導マグネットの
冷却に適用される。
【0012】つぎに、上記従来の蓄冷型冷凍機の適用例
について説明する。図29は従来の超電導マグネットの
一例を示す一部破断斜視図であり、図において21は円
筒形の超電導コイルであり、この超電導コイル21はヘ
リウム槽22内に満たされた液体ヘリウム23に浸漬さ
れ、極低温に保持されている。24はヘリウム槽22を
包囲するように配設された真空槽であり、この真空槽2
4とヘリウム槽22との間を真空排気して断熱してい
る。25は第2熱シールド、26は第1熱シールドであ
り、これらの第1および第2熱シールド26、25は、
ヘリウム槽22と真空槽24との間にヘリウム槽22を
包囲するように同軸円筒状に配設され、ヘリウム槽22
への熱侵入を減少させている。
【0013】27は超電導マグネット21の軸方向と略
平行に真空槽24の端面に取り付けられた、上記図25
に示した従来の蓄冷型冷凍機、28は鉄製の磁気シール
ドフランジ29とともに真空槽24を包囲して配設され
た鉄製の磁気シールド、30はボア、31はポート部3
2に設けられた放圧弁、33は超電導マグネットの据付
足、34はヘリウム槽22内の圧力を制御する圧力コン
トローラである。
【0014】つぎに、上記蓄冷型冷凍機27の取り付け
構造について図30に基づいて説明する。一端がヘリウ
ム槽22内で蒸発するヘリウムガスの雰囲気に臨むよう
にヘリウム槽22の上部にステンレス製のL字管35が
設けられている。また、真空槽24の端面には、ステン
レス製の冷凍機取付シリンダ36が超電導コイル21の
軸方向と略平行に取り付けられている。L字管35と冷
凍機取付シリンダ36とはベロー37で接続されてい
る。この冷凍機取付シリンダ36には、銅製の第1段お
よび第2段ヒートステージ38、39が設けられ、それ
ぞれが第1および第2熱シールド26、25に熱接続さ
れている。また、第1段および第2段ヒートステージ3
8、39と第1および第2熱シールド26、25との熱
接続部を覆うように銅製の第1および第2輻射カバー4
0、41が配設され、さらにステンレス製の封口板42
が真空槽24に取り付けられ、外部からの熱侵入を低減
している。
【0015】蓄冷型冷凍機27は、第3段ヒートステー
ジ11がL字管35内に引き出されるヘリウムガス雰囲
気中に露出するように冷凍機取付シリンダ36内に挿入
され取り付けられている。この時、第1段および第2段
ヒートステージ9、10に取り付けられた冷凍機側熱伝
導体43と、冷凍機取付シリンダ36の第1段および第
2段ヒートステージ38、39の取付位置の内壁面に配
設された冷凍機取付シリンダ側熱伝導体44とがそれぞ
れ熱接続されている。
【0016】このように構成された超電導マグネットで
は、蓄冷型冷凍機27が超電導コイル21の軸方向と略
平行に取り付けられているので、第1熱シールド26と
第2熱シールド25との間隙および第1熱シールド26
と真空槽24との間隙を大きくとることなく、蓄冷型冷
凍機27の冷却性能を達成するために必要なディスプレ
ーサ2の往復移動の長さを超電導コイル21の軸方向で
確保でき、装置の高さが低くできるとともに小型化が図
られる。
【0017】また、蓄冷型冷凍機27の運転により所定
温度に冷却された第1段、第2段ヒートステージ9、1
0を介して冷凍機側熱伝導体43、冷凍機取付シリンダ
側熱伝導体44、第1段および第2段ヒートステージ3
8、39を経て第1および第2熱シールド26、25が
冷却され、外部からの熱侵入が低減され、さらに第3段
ヒートステージ11によりヘリウム槽22からL字管3
5内に引き出されたヘリウムガスが再液化されてヘリウ
ム槽22内に戻され、安定に動作するとともに高価なヘ
リウムの消費量を低減することができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来の蓄冷型冷凍機は
以上のように、第1段、第2段および第3段シール6、
7、8がテフロンシール62とOリング63とからなる
キャップシール構造およびピストンリング72とバック
アップリング73とからなるシール構造で構成されてい
るので、特に蓄冷型冷凍機27を水平に取り付けた場合
には、ディスプレーサ2の往復移動の際に自重によりデ
ィスプレーサ2の外周面とシリンダ1の内周面とがこす
れて発熱し、冷却性能を低下するという課題があった。
【0019】また、テフロンシール62およびピストン
リング72がOリング63およびバックアップリング7
3の弾性力によりシリンダ1の内周面に押し付けられて
気密性を確保しているので、ディスプレーサ2の往復移
動の際にテフロンシール62およびピストンリング72
がシリンダ1とこすれて摩耗し、気密性を損なうという
課題もあった。
【0020】また、第1段、第2段および第3段ディス
プレーサ2a,2b,2cが互いに自在継手3および固
定ピン4を介して回動可能に連結されているので、軸方
向のあそびがなく、冷却の初期段階では、シリンダ1が
デイスプレーサ2に比べて早く冷却されて、より多く熱
収縮してしまい、軸方向におけるシリンダ1とディスプ
レーサ2との衝突が起こり、最悪の場合には破損してし
まうという課題もあった。
【0021】また、第3段蓄冷器5cが希土類金属の合
金であるGdRhからなる蓄冷材を均一に充填して構成
されているので、蓄冷材の熱伝導率が悪く、蓄冷効率が
向上できないという課題もあった。
【0022】また、ヘリウムガス15が直接ディスプレ
ーサ2のガス流入端から蓄冷器5に流入しているので、
ヘリウム圧縮機16を介して送り込まれるヘリウムガス
15に含まれる水蒸気や油蒸気が蓄冷器5内に蓄積さ
れ、蓄冷効率を低下させるという課題もあった。
【0023】また、蓄冷材が蓄冷器5内に均一に充填さ
れているので、ヘリウムガス15の流速が遅くなり、熱
伝達効率が低下し、蓄冷効率を低下させるという課題も
あった。
【0024】また、蓄冷器5内に1種類の蓄冷材が充填
されているので、蓄冷器5の高温側から低温側までの温
度範囲に対して特定の温度おける比熱ピークしか存在せ
ず、蓄冷効率が向上できないという課題もあった。
【0025】また、第3段蓄冷器5cは希土類金属の合
金であるGdRhからなる蓄冷材を充填して構成され、
かつ、第3段シリンダ1cは、ステンレスで構成されて
いるので、蓄冷材が磁性体であり、例えば超電導マグネ
ット等に適用した場合には、蓄冷材の往復移動にともな
い外部磁界が乱れて、外部磁界の均一性が損なわれ、さ
らには外部磁界により蓄冷材に電磁力が発生し、ディス
プレーサ2がシリンダ1にこすられて発熱し、冷却性能
が低下するという課題もあった。
【0026】また、ステンレスの切削加工により作製し
た第1段、第2段および第3段シリンダ1a,1b,1
cを用いているので、加工コストが高く、冷凍機が高価
となるという課題もあった。
【0027】また、シリンダ1の外周面にヒートステー
ジを取り付けているので、超電導マグネットに超電導コ
イル21の軸方向と略水平に取り付けた場合に、冷凍機
取付シリンダ36の内周面とシリンダ1の外周面との間
隙が大きくなり、L字管35を介して該間隙に充満する
ヘリウムガスがシリンダ1の軸方向の温度差に起因して
熱対流を発生し、冷却効率を低下するという課題もあっ
た。
【0028】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、蓄冷効率の向上を図り、冷却性
能の向上を図ることができるとともに安価な蓄冷型冷凍
機を得ることを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る蓄冷型冷凍機は、シリンダの内周面およびディスプレ
ーサの外周面の少なくとも一方に低摩擦材をコーティン
グしたものである。
【0030】また、この発明の請求項2に係る蓄冷型冷
凍機は、ディスプレーサの外周面に周方向に環状の溝を
設けたものである。
【0031】また、この発明の請求項3に係る蓄冷型冷
凍機は、低摩擦材からなるガイドベアリングをシリンダ
に内接するようにディスプレーサの外周に配設したもの
である。
【0032】また、この発明の請求項4に係る蓄冷型冷
凍機は、シリンダの内周面と前記ディスプレーサの外周
面との一側に周方向の環状の溝を形成するとともに、シ
リンダの内周面とディスプレーサの外周面との他側と微
小間隙を有するリング状のシール体を環状の溝内に遊嵌
して、シール部を構成したものである。
【0033】また、この発明の請求項5に係る蓄冷型冷
凍機は、駆動手段のスコッチヨーク軸の外周面とスコッ
チヨーク軸の受部の内周面との一側に周方向の環状の溝
を形成するとともに、スコッチヨーク軸の外周面と受部
の内周面との他側と微小間隙を有するリング状のシール
体を環状の溝内に遊嵌して、スコッチヨーク軸のシール
部を構成したものである。
【0034】また、この発明の請求項6に係る蓄冷型冷
凍機は、複数のディスプレーサを、ディスプレーサの軸
方向にあそびを有する継手部によりディスプレーサの軸
方向に連結したものである。
【0035】また、この発明の請求項7に係る蓄冷型冷
凍機は、複数のディスプレーサを、ディスプレーサの軸
方向の応力を吸収する弾性部材が設けられた継手部によ
りディスプレーサの軸方向に連結したものである。
【0036】また、この発明の請求項8に係る蓄冷型冷
凍機は、複数のディスプレーサを永久磁石からなる継手
部によりディスプレーサの軸方向に連結したものであ
る。
【0037】また、この発明の請求項9に係る蓄冷型冷
凍機は、少なくとも複数のディスプレーサの1つに内蔵
される蓄冷器を、超電導材料もしくは希土類金属の合金
または化合物と超電導材料とが一体化された蓄冷材を充
填して構成したものである。
【0038】また、この発明の請求項10に係る蓄冷型
冷凍機は、ディスプレーサのガス流入端と蓄冷器との間
に吸着材を配設したものである。
【0039】また、この発明の請求項11に係る蓄冷型
冷凍機は、ガスの流れを規制する板状の螺旋状部材を蓄
冷器内に配設したものである。
【0040】また、この発明の請求項12に係る蓄冷型
冷凍機は、少なくとも複数のディスプレーサの1つに内
蔵される蓄冷器を、蓄冷器の軸心に対して角度をもって
仕切板を配設し、その仕切板により形成された仕切り空
間ごとに種類の異なる蓄冷材を充填して構成したもので
ある。
【0041】また、この発明の請求項13に係る蓄冷型
冷凍機は、少なくとも複数のディスプレーサの1つに内
蔵される蓄冷器を、少なくとも希土類金属の合金または
化合物を有する蓄冷材を充填して構成するとともに、少
なくとも希土類金属の合金または化合物を有する蓄冷材
が充填されてなる蓄冷器を内蔵するディスプレーサを包
囲するシリンダの部位に超電導体を配設したものであ
る。
【0042】また、この発明の請求項14に係る蓄冷型
冷凍機は、シリンダに引き抜き管を用いたものである。
【0043】また、この発明の請求項15に係る蓄冷型
冷凍機は、複数段のシリンダのそれぞれに引き抜き管を
用いるとともに、ヒートステージを円筒部と切頭中空円
錐部とから形成し、一方のシリンダ内に円筒部を挿入接
合し、切頭円錐部内に他方のシリンダを挿入接合してヒ
ートステージにより複数段のシリンダ間を気密的に連結
したものである。
【0044】また、この発明の請求項16に係る蓄冷型
冷凍機は、膨張室内に露呈するヒートステージの円筒部
の端面にフィンを配設したものである。
【0045】
【作用】この発明の請求項1に係る蓄冷型冷凍機におい
ては、シリンダの内周面およびディスプレーサの外周面
の少なくとも一方に低摩擦材をコーティングしているの
で、蓄冷型冷凍機を装置に水平に取り付けて使用した場
合、ディスプレーサの外周面がシリンダの内周面に低摩
擦材を介して当接しながら往復移動することになり、こ
の往復移動にともなう発熱量が低減される。
【0046】また、この発明の請求項2に係る蓄冷型冷
凍機においては、ディスプレーサの外周面に周方向に環
状の溝を設けているので、シール部の漏れに起因して高
温側膨張室からディスプレーサの外周を通って低温側膨
張室に向かって流れるヘリウムガスの流速が、環状の溝
部で遅くなり、環状の溝部外で速くなり、その結果圧力
損失が大きく、いわるゆラビリンス効果により漏れガス
量が低減される。また、ディスプレーサの外周部のヘリ
ウムガスに含まれる不純ガスは、環状の溝内に溜まり凍
結することになり、この凍結不純ガスによるディスプレ
ーサの往復移動の阻害が防止される。
【0047】また、この発明の請求項3に係る蓄冷型冷
凍機においては、低摩擦材からなるガイドベアリングを
シリンダに内接するようにディスプレーサの外周に配設
しているので、ディスプレーサはその外周面をシリンダ
の内周面にこすれることなく往復移動でき、ディスプレ
サの外周面とシリンダの内周面とのこすれによる発熱が
防止される。
【0048】また、この発明の請求項4に係る蓄冷型冷
凍機においては、シリンダの内周面と前記ディスプレー
サの外周面との一側に周方向の環状の溝を形成するとと
もに、シリンダの内周面とディスプレーサの外周面との
他側と微小間隙を有するリング状のシール体を環状の溝
内に遊嵌して、シール部を構成しているので、リング状
のシール体は一端側が遊んでおり機械的な応力が作用せ
ず、ディスプレーサの往復移動にともなうシリンダの内
周面とディスプレーサの外周面との他側との摩耗が抑え
られる。また、ディスプレーサの往復移動にともないシ
ール体が往復移動してシール体の側面と環状の溝の内壁
面とが当接し、このシール体の側面と環状の溝の内壁面
との当接部およびシリンダの内周面とディスプレーサの
外周面との他側とシール体との微小間隙部により気密性
が確保される。
【0049】また、この発明の請求項5に係る蓄冷型冷
凍機においては、駆動手段のスコッチヨーク軸の外周面
とスコッチヨーク軸の受部の内周面との一側に周方向の
環状の溝を形成するとともに、スコッチヨーク軸の外周
面と受部の内周面との他側と微小間隙を有するリング状
のシール体を環状の溝内に遊嵌して、スコッチヨーク軸
のシール部を構成しているので、上記請求項4に係る発
明と同様に、シール体の摩耗が抑えられ、かつ、気密性
が確保される。
【0050】また、この発明の請求項6に係る蓄冷型冷
凍機においては、複数のディスプレーサを、ディスプレ
ーサの軸方向にあそびを有する継手部によりディスプレ
ーサの軸方向に連結しているので、冷却の初期段階で、
シリンダがディスプレーサに比べて早く冷却されてより
多く熱収縮しても、継手部の軸方向のあそびがシリンダ
の熱収縮を吸収する。
【0051】また、この発明の請求項7に係る蓄冷型冷
凍機においては、複数のディスプレーサを、ディスプレ
ーサの軸方向の応力を吸収する弾性部材が設けられた継
手部によりディスプレーサの軸方向に連結しているの
で、冷却の初期段階で、シリンダがディスプレーサに比
べて早く冷却されてより多く熱収縮しても、継手部の弾
性部材がシリンダの熱収縮を吸収する。
【0052】また、この発明の請求項8に係る蓄冷型冷
凍機においては、複数のディスプレーサを永久磁石から
なる継手部によりディスプレーサの軸方向に連結してい
るので、シリンダとディスプレーサとの軸合わせが容易
となり、複雑な継手構造をとる必要がなく、シリンダア
ッセンブリの製作精度を粗くできる。
【0053】また、この発明の請求項9に係る蓄冷型冷
凍機においては、少なくとも複数のディスプレーサの1
つに内蔵される蓄冷器を、超電導材料もしくは希土類金
属の合金または化合物と超電導材料とが一体化された蓄
冷材を充填して構成しているので、超電導材料は超電導
転移により比熱が増加し、蓄冷効果が得られる。また、
希土類金属の合金または化合物の比熱に加え、超電導材
料は臨界温度域で比熱が大きくなり、比熱のピークが複
数個でき、平均的に比熱を大きくでき、蓄冷効率が向上
される。
【0054】また、この発明の請求項10に係る蓄冷型
冷凍機においては、ディスプレーサのガス流入端と蓄冷
器との間に吸着材を配設しているので、ディスプレーサ
のガス流入端から送り込まれるガス中に含まれる水蒸気
や油蒸気が吸着材内に取り込まれ、蓄冷器内の水蒸気や
油蒸気の堆積が抑えられる。
【0055】また、この発明の請求項11に係る蓄冷型
冷凍機においては、ガスの流れを規制する板状の螺旋状
部材を蓄冷器内に配設しているので、ガスは蓄冷器内で
螺旋状部材に沿って流れ、ガスの流速が速くなり、熱伝
導率が高められる。
【0056】また、この発明の請求項12に係る蓄冷型
冷凍機においては、少なくとも複数のディスプレーサの
1つに内蔵される蓄冷器を、蓄冷器の軸心に対して角度
をもって仕切板を配設し、その仕切板により形成された
仕切り空間ごとに種類の異なる蓄冷材を充填して構成し
ているので、蓄冷器の軸方向に対して直交する平面内に
複数の異なる蓄冷材が存在し、各蓄冷材が所定温度領域
のそれぞれ異なる温度で比熱のピークを有することにな
り、所定温度領域における比熱の平均化が図られる。
【0057】また、この発明の請求項13に係る蓄冷型
冷凍機においては、少なくとも複数のディスプレーサの
1つに内蔵される蓄冷器を、少なくとも希土類金属の合
金または化合物を有する蓄冷材を充填して構成するとと
もに、少なくとも希土類金属の合金または化合物を有す
る蓄冷材が充填されてなる蓄冷器を内蔵するディスプレ
ーサを包囲するシリンダの部位に超電導体を配設してい
るので、超電導体が磁気シールドとして作用し、外部磁
界により蓄冷材に電磁力が発生するのが防止されるとと
もに、蓄冷材の往復移動により外部磁界が乱されるのが
防止される。
【0058】また、この発明の請求項14に係る蓄冷型
冷凍機においては、シリンダに引き抜き管を用いている
ので、切削加工を必要とせず、肉薄の精密円筒を容易に
作製でき、加工コストが低減される。
【0059】また、この発明の請求項15に係る蓄冷型
冷凍機においては、複数段のシリンダのそれぞれに引き
抜き管を用いるとともに、ヒートステージを円筒部と切
頭中空円錐部とから形成し、一方のシリンダ内に円筒部
を挿入接合し、切頭円錐部内に他方のシリンダを挿入接
合してヒートステージにより複数段のシリンダ間を気密
的に連結しているので、シリンダの外周面からのヒート
ステージの突出がなく、例えば冷凍機取付シリンダ内に
挿入し取り付ける場合には、冷凍機取付シリンダと蓄冷
型冷凍機のシリンダとの間隙を少なくでき、その間隙に
充満するヘリウムガスの熱対流の発生が抑えられる。
【0060】また、この発明の請求項16に係る蓄冷型
冷凍機においては、膨張室内に露呈するヒートステージ
の円筒部の端面にフィンを配設しているので、ヒートス
テージの伝熱面積が増加し、膨張室内の冷却されたヘリ
ウムガスからヒートステージに効率よく伝熱される。
【0061】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 実施例1.この実施例1は、この発明の請求項1に係る
一実施例である。図1はこの発明の実施例1を示す蓄冷
型冷凍機の要部断面図であり、図において図25および
図26に示した従来の蓄冷型冷凍機と同一または相当部
分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0062】この実施例1では、第2段ディスプレーサ
2b(ディスプレーサ2)を低熱伝導材であるステンレ
スで作製し、その第2段ディスプレーサ2bの外周面に
は低摩擦材であるポリイミド樹脂をコーティングして低
摩擦材コーティング層50を形成している。また、第2
段蓄冷器5bは、第2段ディスプレーサ2b内に金網5
1を挿入し、ついでフィルタ52を挿入し、その後蓄冷
材としての鉛玉を充填し、さらにフィルタ52および金
網51を挿入し、最後に蓋53をし固定ピン4で蓋53
を固定して構成している。ここで、金網51およびフィ
ルタ52は、ヘリウムガス15を通過させ、鉛玉および
鉛玉の粉の通過を阻止している。さらに、ヒートステー
ジ(図中、第1段および第2段ヒートステージ9、1
0)は、その内壁面にロー溜まり用の溝54を設けて、
ディスプレーサ2の外周面にロー付けしている。
【0063】このように構成された実施例1による蓄冷
型冷凍機では、超電導マグネット等に水平に取り付けた
場合、ディスプレーサ2の外周面が低摩擦材コーティン
グ層50を介してシリンダ1(図中、第2段シリンダ1
b)の内周面に接しながら往復移動することになり、摩
擦による発熱量が低減される。
【0064】この実施例1によれば、ディスプレーサ2
の外周面に低摩擦材コーティング層50を形成している
ので、ディスプレーサ2とシリンダ1との摩擦による発
熱量が低減でき、発熱による焼付を防止し、メンテナン
ス期間を長くすることができるとともに、安定した冷却
性能を得ることができる。
【0065】また、ディスプレーサ2をステンレスで作
製しているので、ディスプレーサ2の熱伝導率が低く、
ディスプレーサ2とシリンダ1との摩擦による発熱が蓄
冷器5に伝達されにくく、より安定した冷却性能を得る
ことができる。
【0066】さらに、ヒートステージの内壁面にロー溜
まり用の溝54を設けているので、シリンダ1の外周面
にロー付けする際にローのまわりが良くなり、接合強度
を高めることができる。
【0067】実施例2.この実施例2は、この発明の請
求項1に係る他の実施例である。上記実施例1では、デ
ィスプレーサ2の外周面に低摩擦材コーティング層50
を形成するものとしているが、この実施例2では、図2
に示すように、シリンダ1の内周面に低摩擦材コーティ
ング層50を形成するものとし、同様の効果を奏する。
【0068】なお、上記実施例1、2では、低摩擦材コ
ーティング層50をポリイミド樹脂で形成するものとし
ているが、低摩擦材コーティング層50は、低摩擦材で
あればよく、例えばテフロンを用いることができる。
【0069】実施例3.この実施例3は、この発明の請
求項2に係る一実施例である。図3はこの発明の実施例
3を示す蓄冷型冷凍機の要部断面図である。この実施例
3では、第2段ディスプレーサ5b(ディスプレサ2)
の外周面に低摩擦材コーティング層50を形成し、さら
に低摩擦材コーティング層50にディスプレーサ2の周
方向に環状の溝55をディスプレーサ2の軸方向に沿っ
て複数形成している。
【0070】つぎに、この実施例3の動作について説明
する。第2段シール7の気密性が低下すると、第2段シ
ール7の両側の圧力差に応じ、例えば第1段膨張室12
から第2段シール7を介してディスプレーサ2とシリン
ダ1との間隙を通って第2段膨張室13にヘリウムガス
15が流れ込む。このヘリウムガス15は、軸方向に沿
ってディスプレーサ2の外周面を流れる際に溝55で拡
大されて流速が小さくなり、溝55間で縮小されて流速
が速くなり、拡大・縮小が繰り返されて、圧力損失が大
きくなり、ラビリンス効果により、流れなくなる。
【0071】ここで、例えば銅金網および鉛玉をそれぞ
れ蓄冷材として第1段および第2段蓄冷器5a、5bを
構成し、第1段および第2段ヒートステージ9、10の
到達温度を60Kおよび15Kとした場合、第2段ディ
スプレーサ2bは軸方向に沿って約60Kから約15K
の温度勾配を生じている。一方、ヘリウムガス15に
は、H2O、CH4、N2、O2、H2等のガスが含まれて
おり、これらのH2O、CH4、N2、O2、H2等のガス
は、それぞれ異なる凍結温度を有している。また、第2
段ディスプレーサ2bと第2段シリンダ1bとの間隙に
はヘリウムガス15が充満している。そこで、上記ガス
の凍結温度と壁面温度とが一致する第2段ディスプレー
サ5bの外周面上に周方向に上記ガスの凍結が生じ、凍
結ガスはディスプレーサ2の摺動を阻害することにな
る。しかしながら、上記ガスは、第2段ディスプレーサ
5bの外周面に軸方向に沿って複数形成された環状の溝
55内に溜まり凍結するので、ディスプレーサ2の摺動
の阻害が防止される。
【0072】このように、実施例3によれば、ディスプ
レーサ2の外周面に環状の溝55を軸方向に沿って複数
設けているので、第2段シール7の気密性が低下して
も、ラビリンスシール効果により、第1段膨張室12か
ら第2段膨張室13へのヘリウムガス15の流れを阻止
することができる。
【0073】また、ヘリウムガス15に含まれる他のガ
スは環状の溝55内に溜まり凍結するので、それらのガ
スの凍結によるディスプレーサ2の摺動の阻害が防止で
き、損傷等を防止することができ、メンテナンス期間を
長くすることができる。
【0074】実施例4.この実施例4は、この発明の請
求項2に係る他の実施例である。上記実施例3では、デ
ィスプレーサ2の外周面に低摩擦材コーティング層50
を形成し、低摩擦材コーティング層50に環状の溝55
を軸方向に沿って複数形成するものとしているが、この
実施例4では、シリンダ1の内周面に低摩擦材コーティ
ング層50を形成し、低摩擦材コーティング層50に環
状の溝55を軸方向に沿って複数形成するものとし、同
様の効果を奏する。
【0075】実施例5.この実施例5は、この発明の請
求項2に係る他の実施例である。上記実施例3では、デ
ィスプレーサ2の外周面に低摩擦材コーティング層50
を形成し、低摩擦材コーティング層50に環状の溝55
を軸方向に沿って複数形成するものとしているが、この
実施例5では、シリンダ1の内周面に低摩擦材コーティ
ング層50を形成し、低摩擦材コーティング層50に溝
を螺旋状に軸方向に沿って形成するものとし、同様の効
果を奏する。
【0076】実施例6.この実施例6は、この発明の請
求項2に係る他の実施例である。上記実施例3では、デ
ィスプレーサ2の外周面に低摩擦材コーティング層50
を形成し、低摩擦材コーティング層50に環状の溝55
を軸方向に沿って複数形成するものとしているが、この
実施例6では、ディスプレーサ2の外周面に直接環状の
溝を軸方向に沿って複数形成するものとし、同様の効果
を奏する。
【0077】実施例7.この実施例7は、この発明の請
求項3に係る一実施例である。図4はこの発明の実施例
7を示す蓄冷型冷凍機の要部断面図である。この実施例
7では、第2段ディスプレーサ2b(ディスプレーサ
2)の外周面の2ケ所に、低摩擦材、例えばポリイミド
樹脂、テフロン樹脂からなるリング状のガイドベアリン
グ56を固定している。
【0078】この実施例7によれば、ディスプレーサ2
の摺動の際に、ガイドベアリング56の外周面がシリン
ダ1の内周面とこすれながら摺動する。その結果、ディ
スプレーサ2の外周面とシリンダ1の内周面とのこすれ
がなく、ガイドベアリング56とシリンダ1との摩擦に
よる発熱が抑えられるとともに、ディスプレーサ2の摺
動をスムーズにすることができ、安定した冷却性能を得
ることができる。
【0079】実施例8.この実施例8は、この発明の請
求項3に係る他の実施例である。上記実施例7では、ガ
イドベアリング56をディスプレーサ2の外周面に設け
るものとしているが、この実施例8では、ガイドベアリ
ング56をシリンダ1の内周面に設けるものとし、同様
の効果を奏する。
【0080】実施例9.この実施例9は、この発明の請
求項4に係る一実施例である。図5はこの発明の実施例
9を示す蓄冷型冷凍機の要部断面図であり、図において
57は第2段ディスプレーサ2b(ディスプレーサ2)
の高温側に周方向に形成された環状の溝、58はステン
レス製のリング体、59はリング体58の外周面に例え
ばポリイミド樹脂をコーティングしてなる低摩擦材コー
ティング層、60はリング体58と低摩擦材コーティン
グ層59とから構成されたリング状のシール体であり、
このシール体60は、第2段シリンダ1b(シリンダ
1)の内周面に対して約1μmのクリアランスを確保で
きるようにその外径が作製され、環状の溝57内に遊嵌
されている。
【0081】つぎに、この実施例9の動作について説明
する。環状の溝57内に遊嵌されているシール体60
は、第2段シリンダ1bの内周面と約1μmのクリアラ
ンスをもって往復移動して、第2段シリンダ1bの内周
面と間のヘリウムガス15の漏れを阻止している。ま
た、シール体60は、両側の差圧により環状の溝57内
を軸方向に移動し、環状の溝57の内壁側面に当接し、
環状の溝57を介してのヘリウムガス15の漏れを阻止
している。さらに、蓄冷型冷凍機を水平に取り付けた場
合等、第2段ディスプレーサ2bの軸ずれが生じても、
シール体60は、シール体60と環状の溝57との遊嵌
構造により環状の溝57の底部壁面と第2段シリンダ1
bの内周壁面との間に圧縮されることがない。
【0082】このように、この実施例9によれば、第2
段シリンダ1bの内周面との間に約1μmのクリアラン
スをもつリング状のシール体60を第2段ディスプレー
サ2bの外周面に周方向に形成された環状の溝57内に
遊嵌しているので、ヘリウムガス15の漏れを阻止する
シール部を構成できるとともに、シール体60への機械
的な応力が作用せず、第2段ディスプレーサ2bの往復
移動にともなう摩耗が抑えられ、高性能で長寿命のシー
ルが得られる。
【0083】また、シール体60のリング体58を第2
段シリンダ1bと同じステンレスで作製しているので、
極低温においてもシール体60と第2段シリンダ1bと
のクリアランスを確保でき、優れたシール効果が得られ
る。
【0084】なお、上記実施例9では、シール体60と
第2段シリンダ1bとのクリアランスを1μmとするも
のとしているが、このクリアランスは3μm以下であれ
ばシール効果が得られている。
【0085】実施例10.この実施例10は、この発明
の請求項4に係る他の実施例である。上記実施例9で
は、ステンレス製のリング体58に低摩擦材コーティン
グ層59を形成してシール体60を構成するものとして
いるが、この実施例10では、図6に示すように、シー
ル体60を低摩擦材であるテフロンのリング体で形成す
るものとし、同様の効果を奏する。
【0086】実施例11.この実施例11は、この発明
の請求項4に係る他の実施例である。上記実施例9で
は、第2段ディスプレーサ2bの外周面に環状の溝57
を形成し、第2段シリンダ1bの内周面と約1μmのク
リアランスをもってシール体60を環状の溝57内に遊
嵌するものとしているが、この実施例11では、図7に
示すように、第2段シリンダ1bの内周面に環状の溝5
7を形成し、第2段ディスプレーサ2bの外周面と約1
μmのクリアランスをもってシール体60を環状の溝5
7内に遊嵌するものとし、同様の効果を奏する。
【0087】実施例12.この実施例12は、この発明
の請求項5に係る一実施例である。図8はこの発明の実
施例12を示す蓄冷型冷凍機の要部断面図であり、図に
おいて61は駆動機構20を構成し、ディスプレーサ2
を往復移動させるスコッチヨーク軸、62はスコッチヨ
ーク軸61の受部である。
【0088】この実施例12では、受部62の内周面に
周方向に環状の溝57を形成し、スコッチヨーク軸61
の外周面との間に1μmのクリアランスをもってリング
状のシール体60を環状の溝57内に遊嵌するものと
し、上記実施例9と同様の効果を奏する。
【0089】実施例13.この実施例13は、この発明
の請求項5に係る他の実施例である。上記実施例12で
は、受部62の内周面に周方向に環状の溝57を形成
し、スコッチヨーク軸61の外周面との間に1μmのク
リアランスをもってリング状のシール体60を環状の溝
57内に遊嵌するものとしているが、この実施例13で
は、図9に示すように、スコッチヨーク軸61の外周面
に周方向に環状の溝57を形成し、受部62の内周面と
の間に1μmのクリアランスをもってリング状のシール
体60を環状の溝57内に遊嵌するものとし、同様の効
果を奏する。
【0090】実施例14.この実施例14は、この発明
の請求項6に係る一実施例である。図10はこの発明の
実施例14を示す蓄冷型冷凍機の要部断面図であり、図
において63は断面T字状の継手金具であり、この継手
金具63は第2段ディスプレーサ2bの端部に螺着され
ている。64は第1段ディスプレーサ2aの端部に固定
ボルト65により固定されたリング状の固定板、66は
第1段ディスプレーサ2aの端部に形成された凹部であ
り、継手金具63、固定板64および凹部66により継
手部を構成している。
【0091】この実施例14では、第2段ディスプレー
サ2bの端部に螺着された継手金具63の一端を凹部6
6内に挿入し、ついで固定板64を固定ボルト65によ
り第1段ディスプレーサ2aの端部に固定して、第1段
および第2段ディスプレーサ2a、2bを連結してい
る。ここで、凹部66の深さが継手金具63の厚みより
大きく形成して、軸方向のあそびを有するように第1段
および第2段ディスプレーサ2a、2bを連結してい
る。
【0092】このように、この実施例14によれば、第
1段および第2段ディスプレーサ2a、2bが軸方向の
あそびをもって軸方向に連結されているので、初期冷却
過程においてシリンダ1がディスプレーサ2に比べて早
く冷却され、より大きく熱収縮しても、このシリンダ1
の熱収縮は継手部の軸方向のあそびで吸収されて、シリ
ンダ1とディスプレーサ2との衝突が防止され、機器の
破損を生じることがない。
【0093】実施例15.この実施例15は、この発明
の請求項7に係る一実施例である。図11はこの発明の
実施例15を示す蓄冷型冷凍機の要部断面図であり、図
において67は弾性部材としてのバネである。
【0094】この実施例15では、第2段ディスプレー
サ2bの端部に螺着された継手金具63の一端をバネ6
7を押しながら凹部66内に挿入し、ついで固定板64
を固定ボルト65により第1段ディスプレーサ2aの端
部に固定して、第1段および第2段ディスプレーサ2
a、2bを連結している。ここで、凹部66の底面と継
手金具63との間にバネ67が縮設された状態で第1段
および第2段ディスプレーサ2a、2bを連結してい
る。
【0095】このように、この実施例15によれば、第
1段および第2段ディスプレーサ2a、2bがバネ67
を縮設した状態で軸方向に連結されているので、初期冷
却過程においてシリンダ1がディスプレーサ2に比べて
早く冷却され、より大きく熱収縮しても、このシリンダ
1の熱収縮は継手部のバネ67の弾性により吸収され
て、シリンダ1とディスプレーサ2との衝突が防止さ
れ、機器の破損を生じることがない。また、第1段およ
び第2段ディスプレーサ2a、2bが軸方向のあそびが
ない状態で連結されているので、ディスプレーサ2の往
復移動がスムーズとなる。
【0096】実施例16.この実施例16は、この発明
の請求項8に係る一実施例である。図12はこの発明の
実施例16を示す蓄冷型冷凍機の要部断面図であり、図
において68は第2段ディスプレーサ2bの端部に固着
された先端形状が球状の第1の永久磁石、69は第1段
ディスプレーサ2aの端部に固着された平板状の第2の
永久磁石であり、第1および第2の永久磁石68、69
により継手部を構成している。
【0097】この実施例16では、第1および第2の永
久磁石68、69の引力により第1段および第2段ディ
スプレーサ2a、2bが連結され、さらに第1の永久磁
石68の先端形状が球状をなしているので、第1および
第2の永久磁石68、69はほぼ点接触となり、第2段
ディスプレーサ2bが該接触点を中心に第1段ディスプ
レーサ2aに対して揺動可能に連結されている。
【0098】このように、実施例16によれば、シリン
ダ1とディスプレーサ2との軸合わせが容易となり、シ
リンダアッセンブリの精度を高精度にする必要がなく、
低コスト化を図ることができる。
【0099】実施例17.この実施例17は、この発明
の請求項9に係る一実施例である。図13はこの発明の
実施例17を示す蓄冷型冷凍機に用いられる蓄冷材の断
面図である。
【0100】この実施例17では、希土類金属の合金で
あるEr3Niからなる粒体70表面に超電導材料であ
るInのコーティング層71を被覆して蓄冷材72を構
成し、この蓄冷材72を第3段ディスプレーサ2c内に
充填して、第3段蓄冷器5cを構成している。
【0101】ここで、温度に対する蓄冷材72の比熱を
測定したところ、図14に示すように、温度T1(約
7.6K)におけるEr3Niの比熱ピークに加えて、
温度T2(約5K:Inの超電導転移点に相当)におけ
るInの比熱ピークが得られた。
【0102】このように、実施例17によれば、Er3
Niからなる粒体70の表面に超電導材料であるInの
コーティング層71を被覆して蓄冷材71を構成してい
るので、蓄冷材をEr3Ni単独で構成した場合に比べ
て低温側で大きな比熱が得られ、低温側での蓄冷効率を
向上することができる。
【0103】なお、上記実施例17では、Er3Niか
らなる粒体70表面にInのコーティング層71を被覆
して蓄冷材72を構成するものとしているが、図15の
(a)に示すようにEr3NiとInとを一体化して蓄
冷材72を構成しても、あるいは図15の(b)に示す
ようにEr3NiとInとを溶融一体化して蓄冷材72
を構成して、同様の効果を奏する。
【0104】また、上記実施例17では、Er3Niと
Inとを一体化して蓄冷材72を構成するものとしてい
るが、希土類金属の合金(化合物)と超電導材料との組
み合わせはこれに限定されるものでなく、例えばHo
1.5Er1.5RuとPb、Ho1. 5Er1.5RuとNbが用
いられる。さらに、In,Nb,Pb,Ta等の超電導
材料の超電導転移により比熱が大きくなる用意機を使用
して、超電導材料を単独で蓄冷材として用いることもで
きる。
【0105】実施例18.この実施例18は、この発明
の請求項10に係る一実施例である。図16はこの発明
の実施例18に示す蓄冷型冷凍機の要部断面図であり、
図において73は第2段ディスプレーサ2bのガス流入
端と第2段蓄冷器5bとの間に配設された吸着材であ
り、この吸着材料73は例えばモレキュラーシーブス、
シリカゲル、活性炭で構成されている。
【0106】ヘリウムガス15には、水蒸気や油蒸気が
含まれており、これらの水蒸気や油蒸気は蓄冷器5内に
堆積して、蓄冷効率を低下させるとともに、微細な固体
となってシール部を劣化させる原因となる。
【0107】このように、実施例18によれば、第2段
ディスプレーサ2bのガス流入端と第2段蓄冷器5bと
の間に吸着材73が配設されているので、ヘリウムガス
15に含まれる水蒸気や油蒸気を吸着材73で吸着して
蓄冷器5内への侵入を阻止し、蓄冷効率の低下およびシ
ール部の劣化を抑えることができる。
【0108】実施例19.この実施例19は、この発明
の請求項11に係る一実施例である。図17はこの発明
の実施例19を示す蓄冷型冷凍機の断面図であり、図に
おいて74は蓄冷器5内に配設された板状の螺旋状部材
である。
【0109】この実施例19によれば、蓄冷器5内を流
れるヘリウムガス15は、螺旋状部材74の形状に沿っ
て蓄冷器5内を流れ、螺旋状部材74により圧損が大き
くなり、その流速が速くなる。したがって、熱伝達率が
大きくなり、蓄冷効率を向上することができる。
【0110】ここで、螺旋状部材74は、熱伝導率の小
さな例えばステンレス、プラスチックを用いるとよい。
【0111】実施例20.この実施例20は、この発明
の請求項12に係る一実施例である。図18はこの発明
の実施例20を示す蓄冷型冷凍機の要部断面図であり、
図において75は例えばフェルトからなる平板状の仕切
板である。第2段蓄冷器5bは、その軸心に対して角度
をもって複数の仕切板75を配設し、これらの仕切板7
5によって形成された各仕切り空間にそれぞれ異なる蓄
冷材76a〜76dを充填して、軸心に対して垂直な断
面で異なる蓄冷材が混在しているように構成されてい
る。
【0112】つぎに、この実施例20の動作について説
明する。第2段ディスプレーサ2bの1サイクルの往復
移動において、第2段蓄冷器5bは、高圧高温のヘリウ
ムガス15が高温側から流れ込む場合と、低圧低温のヘ
リウムガス15が低温側から流れ込む場合とがある。高
圧高温のヘリウムガス15が高温側から流れ込んだ時の
図中A断面部の温度がTa、低圧低温のヘリウムガス1
5が低温側から流れ込んだ時の図中A断面部の温度がT
bとすると、A断面部は1サイクルでTaとTbとの範
囲で温度振幅することになる。
【0113】ここで、A断面部を蓄冷材76aのみで構
成すると、高圧高温のヘリウムガス15が流れ込んだ時
は蓄冷効率が最適となるが、低圧低温のヘリウムガス1
5が流れ込んだ時には蓄冷効率が著しく低下することに
なる。一方、A断面部を蓄冷材76bのみで構成する
と、低圧低温のヘリウムガス15が流れ込んだ時は蓄冷
効率が最適となるが、高圧高温のヘリウムガス15が流
れ込んだ時には蓄冷効率が著しく低下することになる。
【0114】この実施例20では、A断面部は蓄冷材7
6aと蓄冷材76bとが混在している構成となってい
る。そこで、蓄冷材76aとして温度Taで比熱のピー
クが得られる材料を選択し、蓄冷材76bとして温度T
bで比熱のピークが得られる材料を選択することによ
り、A断面部の比熱は、見掛け上平均化され、Taから
Tbまで温度振幅しても極端に悪くなるところがなくな
る。したがって、1サイクルで温度振幅しても、蓄冷効
率を向上できる。この実施例20では、蓄冷材76a〜
76dとして、GdRh(Ta:19.2K),Gd
0.8Er0.2Rh(Tb:12.6K),Gd0.5Er0.5
Rh(Tc:4.7K),ErRh(Td:3.2K)
を選択し、図19に点線で示すように、見掛け上平均化
された比熱が得られ、温度振幅しても、蓄冷効率が向上
できた。
【0115】このように、実施例20によれば、第2段
蓄冷器5bの軸心に対して角度をもって複数の仕切板7
5を配設し、これらの仕切板75によって形成された各
仕切り空間にそれぞれ異なる蓄冷材76a〜76dを充
填しているので、軸心に対して垂直な断面で異なる蓄冷
材が混在し、第2段蓄冷器5bの高温側から低温側にわ
たって蓄冷材の比熱が見掛け上平均化され、1サイクル
における温度振幅に対して蓄冷効率を向上でき、冷却性
能を向上することができる。
【0116】実施例21.この実施例21は、この発明
の請求項12に係る他の実施例である。上記実施例20
では、平板状の仕切板75を第2段蓄冷器5bの軸心に
対して角度をもって複数配設し、仕切板75によって形
成された仕切り空間ごとに異なる蓄冷材76a〜76d
を充填するものとしているが、この実施例21では、図
20に示すように、円錐状に形成された仕切板75を第
2段蓄冷器5bの軸心に対して対称となるように配設
し、仕切板75によって形成された仕切り空間ごとに異
なる蓄冷材76e、76fを充填するものとし、同様の
効果を奏する。
【0117】実施例22.この実施例22は、この発明
の請求項13に係る一実施例である。図21はこの発明
の実施例22を示す蓄冷型冷凍機の断面図である。この
実施例22では、第1段および第2段シリンダ1a、1
bをステンレスで作製し、第3段シリンダ1bを超電導
体としてのNbで作製し、第2段および第3段シリンダ
1b,1c間はロー付けあるいは電子ビーム溶接で接合
している。また、第3段蓄冷器5cには、希土類金属の
合金または化合物を有する蓄冷材が充填されている。
【0118】ここで、蓄冷型冷凍機を超電導マグネット
等磁界中で使用した場合について説明する。第3段シリ
ンダ1cを非磁性体であるステンレスで構成された従来
の蓄冷型冷凍機では、第3段蓄冷器5cの往復移動によ
り磁性体(希土類金属)が往復移動することになり、外
部磁界が乱れて、外部磁界の均一性が損なわれる。ま
た、外部磁界により蓄冷材の希土類金属に軸心に対して
直交する方向の電磁力が作用し、第3段ディスプレーサ
2cが第3段シリンダ1cにこすれながら摺動すること
になり、摩擦熱が発生したり、第3段シール8が異常摩
耗し、冷却性能が低下する。
【0119】しかしながら、この実施例22では、第3
段シリンダ1cを超電導体であるNbで作製しているの
で、第3段シリンダ1cが外部磁界に対して磁気シール
ドとして作用し、外部磁界による第3段蓄冷器5cの蓄
冷材への影響がなく、上述の不具合が防止できる。
【0120】実施例23.この実施例23は、この発明
の請求項13の他の実施例である。上記実施例22で
は、第3段シリンダを超電導体であるNbで作製するも
のとしているが、この実施例23では、第3段シリンダ
1cをステンレスで作製し、その表面に超電導体である
Tiをコーティングするものとし、同様の効果を奏す
る。
【0121】実施例24.この実施例24は、この発明
の請求項14〜16に係る一実施例である。図22はこ
の発明の実施例24を示す蓄冷型冷凍機に用いられるシ
リンダの断面図であり、図において77a,77b,7
7cはそれぞれ薄肉の精密ステンレス引き抜き管で構成
された第1段、第2段および第3段シリンダ、78、7
9は図23に示されるように円筒部78a(79a)と
切頭中空円錐部78b(79b)と環状突起のフィン8
0とからなる銅製の第1段および第2段ヒートステー
ジ、81は銅製の円柱状の第3段ヒートステージであ
り、第1段、第2段および第3段シリンダと第1段、第
2段および第3段ヒートステージ78、79、81とで
シリンダ77を構成している。
【0122】このように構成されたシリンダ77を組み
立てるには、まず、第1段シリンダ77a内に第1段ヒ
ートステージ78の円筒部78aを挿入しロー付けし
て、第1段シリンダ77aと第1段ヒートステージ78
とを接合する。ついで、第1段ヒートステージ78の切
頭中空円錐部78b内に第2段シリンダ77bを挿入し
ロー付けして、第1段ヒートステージ78と第2段シリ
ンダ77bとを接合する。同様に、第2段シリンダ77
bと第2段ヒートステージ79とを接合し、さらに第2
段ヒートステージ79と第3段シリンダ77cとを接合
する。最後に、第3段シリンダ77c内に第3段ヒート
ステージ81を挿入しロー付けして、第3段シリンダ7
7cと第3段ヒートステージ81とを接合して、3段式
のシリンダ77を組み立てている。
【0123】このようにして組み立てられたシリンダ7
7は、図22に示すように、第1段、第2段および第3
段シリンダ77a,77b,77cの外周面から第1
段、第2段および第3段ヒートステージ78、79、8
1が突出しないように構成されている。また、第1段、
第2段および第3段ヒートステージ78、79、81の
シリンダ内に露出する端面にフィン80が形成されてお
り、伝熱面積を拡大している。
【0124】この実施例24によれば、第1段、第2段
および第3段シリンダ77a,77b,77cに肉薄の
精密ステンレス引き抜き管を用いているので、シリンダ
の加工コストが安くなり、蓄冷型冷凍機の低価格化を図
ることができる。
【0125】また、円筒部78aと切頭中空円錐部78
bとを有するヒートステージにより、各シリンダ間を接
続しているので、ヒートステージがシリンダの外周面か
ら突出しない構成となり、例えば図30に示すように、
冷凍機取付シリンダ36内に蓄冷型冷凍機を取り付けた
際に、冷凍機取付シリンダ36の内壁面とシリンダ77
の外壁面との間隙を少なくすることができ、該空間にお
けるヘリウムガスの熱対流が抑えられ、冷却効率を向上
することができる。
【0126】また、ヒートステージのシリンダ内に露出
する端面にフィン80が形成されているので、膨張室を
通過するヘリウムガス15とヒートステージとの接触面
積が増加し、伝熱面積が拡大され、ヘリウムガス15の
熱がヒートステージに効率よく伝達される。
【0127】実施例25.この実施例25は、この発明
の請求項16に係る他の実施例である。上記実施例24
では、ヒートステージの端面に環状突起からなるフィン
80を設けるものとしているが、この実施例25では、
図24に示すように、ヒートステージの端面に円柱状の
突起からなるフィン80を複数設けるものとし、同様の
効果を奏する。
【0128】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0129】この発明の請求項1に係る蓄冷型冷凍機
は、シリンダの内周面およびディスプレーサの外周面の
少なくとも一方に低摩擦材をコーティングしているの
で、シリンダとディスプレーサとのこすれによる発熱量
が低減され、蓄冷効率を向上し、冷却性能を高めること
ができる。
【0130】また、この発明の請求項2に係る蓄冷型冷
凍機は、ディスプレーサの外周面に周方向に環状の溝を
設けているので、シール部の漏れに起因してディスプレ
ーサ外周を通るガスの流れをラビリンス効果により阻止
し、蓄冷効率を向上できる。また、ガス中に含まれる不
純ガスを溝内にトラップして、凍結不純ガスによるディ
スプレーサの摺動の阻害を抑制できる。
【0131】また、この発明の請求項3に係る蓄冷型冷
凍機は、低摩擦材からなるガイドベアリングをシリンダ
に内接するようにディスプレーサの外周に配設している
ので、シリンダとディスプレーサとのこすれを防止し、
ディスプレーサのスムーズな摺動が行われる。
【0132】また、この発明の請求項4に係る蓄冷型冷
凍機は、シリンダの内周面と前記ディスプレーサの外周
面との一側に周方向の環状の溝を形成するとともに、シ
リンダの内周面とディスプレーサの外周面との他側と微
小間隙を有するリング状のシール体を環状の溝内に遊嵌
して、シール部を構成しているので、機械的な応力によ
る摩耗がなく、長期的に安定した気密性を確保できる。
【0133】また、この発明の請求項5に係る蓄冷型冷
凍機は、駆動手段のスコッチヨーク軸の外周面とスコッ
チヨーク軸の受部の内周面との一側に周方向の環状の溝
を形成するとともに、スコッチヨーク軸の外周面と受部
の内周面との他側と微小間隙を有するリング状のシール
体を環状の溝内に遊嵌して、スコッチヨーク軸のシール
部を構成しているので、上記請求項4の発明と同様の効
果を奏する。
【0134】また、この発明の請求項6に係る蓄冷型冷
凍機は、複数のディスプレーサを、ディスプレーサの軸
方向にあそびを有する継手部によりディスプレーサの軸
方向に連結しているので、冷却の初期段階で発生するシ
リンダの軸方向の熱収縮が継手部で吸収され、シリンダ
の熱収縮にともなうシリンダとディスプレーサとの衝突
が阻止され、機器の破損が防止できる。
【0135】また、この発明の請求項7に係る蓄冷型冷
凍機は、複数のディスプレーサを、ディスプレーサの軸
方向の応力を吸収する弾性部材が設けられた継手部によ
りディスプレーサの軸方向に連結しているので、上記請
求項6の発明と同様の効果が得られるとともに、軸方向
のあそびがなく、ディスプレーサのスムーズな摺動が可
能となる。
【0136】また、この発明の請求項8に係る蓄冷型冷
凍機は、複数のディスプレーサを永久磁石からなる継手
部によりディスプレーサの軸方向に連結しているので、
シリンダとディスプレーサとの軸合わせが容易となり、
シリンダアッセンブリの作製精度を緩くすることができ
る。
【0137】また、この発明の請求項9に係る蓄冷型冷
凍機は、少なくとも複数のディスプレーサの1つに内蔵
される蓄冷器を、超電導材料もしくは希土類金属の合金
または化合物と超電導材料とが一体化された蓄冷材を充
填して構成しているので、超電導材料の比熱が超電導転
移により大きくなり、低温域での蓄冷効率が高められ
る。また、希土類金属の合金または化合物の比熱ピーク
に加えて、超電導材料に比熱が臨界温度域で大きくな
り、蓄冷材としての比熱ピークが複数でき、比熱が平均
的に大きくなり、冷却性能を向上できる。
【0138】また、この発明の請求項10に係る蓄冷型
冷凍機は、ディスプレーサのガス流入端と蓄冷器との間
に吸着材を配設しているので、ガス中に含まれる水蒸気
や油蒸気、あるいはそれらの固化物を取り除き、蓄冷効
率の低下が抑えられるとともに、シール部の劣化が抑え
られる。
【0139】また、この発明の請求項11に係る蓄冷型
冷凍機は、ガスの流れを規制する板状の螺旋状部材を蓄
冷器内に配設しているので、蓄冷器内でのガスの流れが
速くなり、熱伝導率が高められ、蓄冷効率を向上するこ
とができる。
【0140】また、この発明の請求項12に係る蓄冷型
冷凍機は、少なくとも複数のディスプレーサの1つに内
蔵される蓄冷器を、蓄冷器の軸心に対して角度をもって
仕切板を配設し、その仕切板により形成された仕切り空
間ごとに種類の異なる蓄冷材を充填して構成しているの
で、蓄冷器の軸方向に対して直交する平面内に複数の異
なる蓄冷材が混在し、比熱の平均化が図られ、温度振幅
しても蓄冷型冷凍機効率を向上することができる。
【0141】また、この発明の請求項13に係る蓄冷型
冷凍機は、少なくとも複数のディスプレーサの1つに内
蔵される蓄冷器を、少なくとも希土類金属の合金または
化合物を有する蓄冷材を充填して構成するとともに、少
なくとも希土類金属の合金または化合物を有する蓄冷材
が充填されてなる蓄冷器を内蔵するディスプレーサを包
囲するシリンダの部位に超電導体を配設しているので、
超伝導体が外部磁界を磁気シールドして、外部磁界によ
る希土類金属への電磁力の作用が抑えられ、ディスプレ
ーサのスムーズな摺動が可能となり、希土類金属による
外部磁界の乱れを防止できる。
【0142】また、この発明の請求項14に係る蓄冷型
冷凍機は、シリンダに引き抜き管を用いているので、シ
リンダの加工コストが安価となり、機器の低価格化が図
られる。
【0143】また、この発明の請求項15に係る蓄冷型
冷凍機は、複数段のシリンダのそれぞれに引き抜き管を
用いるとともに、ヒートステージを円筒部と切頭中空円
錐部とから形成し、一方のシリンダ内に円筒部を挿入接
合し、切頭円錐部内に他方のシリンダを挿入接合してヒ
ートステージにより複数段のシリンダ間を気密的に連結
しているので、シリンダの外周面からヒートステージが
突出せず、例えば水平取付された場合には、冷凍機取付
シリンダとの間の間隙が少なくなり、該間隙に充満する
ヘリウムガスの熱対流が抑えられ、冷却性能を向上でき
る。
【0144】また、この発明の請求項16に係る蓄冷型
冷凍機は、膨張室内に露呈するヒートステージの円筒部
の端面にフィンを配設しているので、伝熱面積が拡大さ
れ、膨張室内のガスの熱がヒートステージに効率よく伝
達される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す蓄冷型冷凍機の要部
断面図である。
【図2】この発明の実施例2を示す蓄冷型冷凍機の要部
断面図である。
【図3】この発明の実施例3を示す蓄冷型冷凍機の要部
断面図である。
【図4】この発明の実施例7を示す蓄冷型冷凍機の要部
断面図である。
【図5】この発明の実施例9を示す蓄冷型冷凍機の要部
断面図である。
【図6】この発明の実施例10を示す蓄冷型冷凍機に用
いられるシール体の斜視図である。
【図7】この発明の実施例11を示す蓄冷型冷凍機の要
部断面図である。
【図8】この発明の実施例12を示す蓄冷型冷凍機の要
部断面図である。
【図9】この発明の実施例13を示す蓄冷型冷凍機の要
部断面図である。
【図10】この発明の実施例14を示す蓄冷型冷凍機の
要部断面図である。
【図11】この発明の実施例15を示す蓄冷型冷凍機の
要部断面図である。
【図12】この発明の実施例16を示す蓄冷型冷凍機の
要部断面図である。
【図13】この発明の実施例17を示す蓄冷型冷凍機に
用いられる蓄冷材の断面図である。
【図14】この発明の実施例17を示す蓄冷型冷凍機に
用いられる蓄冷材の温度と比熱との関係を表すグラフで
ある。
【図15】(a),(b)はそれぞれこの発明の実施例
17を示す蓄冷型冷凍機に用いられる蓄冷材の実施対応
の断面図である。
【図16】この発明の実施例18を示す蓄冷型冷凍機の
要部断面図である。
【図17】この発明の実施例19を示す蓄冷型冷凍機の
断面図である。
【図18】この発明の実施例20を示す蓄冷型冷凍機の
要部断面図である。
【図19】この発明の実施例20を示す蓄冷型冷凍機に
用いられる蓄冷材の温度と比熱との関係を表すグラフで
ある。
【図20】この発明の実施例21を示す蓄冷型冷凍機の
要部断面図である。
【図21】この発明の実施例22を示す蓄冷型冷凍機の
断面図である。
【図22】この発明の実施例24を示す蓄冷型冷凍機に
用いられるシリンダの断面図である。
【図23】この発明の実施例24を示す蓄冷型冷凍機に
用いられるヒートステージの斜視図である。
【図24】この発明の実施例25を示す蓄冷型冷凍機に
用いられるヒートステージの斜視図である。
【図25】従来の蓄冷型冷凍機の一例を示す断面図であ
る。
【図26】従来の蓄冷型冷凍機の要部断面図である。
【図27】従来の蓄冷型冷凍機におけるシール構造を示
す断面図である。
【図28】(a)、(b)はそれぞれ従来の蓄冷型冷凍
機におけるシール構造を示す断面図および斜視図であ
る。
【図29】従来の蓄冷型冷凍機を搭載した超電導マグネ
ットを示す破断斜視図である。
【図30】従来の超電導マグネットにおける蓄冷型冷凍
機の取付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 1a 第1段シリンダ 1b 第2段シリンダ 1c 第3段シリンダ 2 ディスプレーサ 2a 第1段ディスプレーサ 2b 第2段ディスプレーサ 2c 第3段ディスプレーサ 5 蓄冷器 5a 第1段蓄冷器 5b 第2段蓄冷器 5c 第3段蓄冷器 6 第1段シール 7 第2段シール 8 第3段シール 9 第1段ヒートステージ 10 第2段ヒートステージ 11 第3段ヒートステージ 12 第1段膨張室 13 第2段膨張室 50 低摩擦材コーィング層 55 溝 56 ガイドベアリング 57 環状の溝 60 シール体 61 スコッチヨーク軸 62 受部 63 継手金具(継手部) 64 固定板(継手部) 65 凹部(継手部) 67 バネ(弾性部材) 68 第1の永久磁石(継手部) 69 第2の永久磁石(継手部) 72 蓄冷材 73 吸着材 74 螺旋状部材 75 仕切板 76a〜76f 蓄冷材 77a 第1段シリンダ 77b 第2段シリンダ 77c 第3段シリンダ 78 第1段ヒートステージ 78a 円筒部 78b 切頭中空円錐部 79 第2段ヒートステージ 79a 円筒部 79b 切頭中空円錐部 80 フィン 81 第3段ヒートステージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 収二 赤穂市天和651番地 三菱電機株式会社赤 穂製作所内 (72)発明者 岸田 光弘 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 吉村 秀人 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 長尾 政志 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 稲口 隆 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒートステージが取り付けられたシリン
    ダと、蓄冷器を内蔵し、所定間隙をもって前記シリンダ
    内に収納されかつ前記シリンダ内を往復移動するディス
    プレーサと、前記シリンダと前記ディスプレーサとの間
    に配設されたシール部と、前記ディスプレーサを前記シ
    リンダ内で往復移動させる駆動手段とを備え、前記ディ
    スプレーサにより区切られた膨張室内に送り込まれるガ
    スを、前記ディスプレーサの往復移動により断熱膨張さ
    せ、前記ヒートステージを所定温度に冷却する蓄冷型冷
    凍機において、前記シリンダの内周面および前記ディス
    プレーサの外周面の少なくとも一方に低摩擦材をコーテ
    ィングしたことを特徴とする蓄冷型冷凍機。
  2. 【請求項2】 ヒートステージが取り付けられたシリン
    ダと、蓄冷器を内蔵しかつ前記シリンダ内を往復移動す
    るディスプレーサと、前記シリンダと前記ディスプレー
    サとの間に配設されたシール部と、前記ディスプレーサ
    を前記シリンダ内で往復移動させる駆動手段とを備え、
    前記ディスプレーサにより区切られた膨張室内に送り込
    まれるガスを、前記ディスプレーサの往復移動により断
    熱膨張させ、前記ヒートステージを所定温度に冷却する
    蓄冷型冷凍機において、前記ディスプレーサの外周面に
    周方向に環状の溝を設けたことを特徴とする蓄冷型冷凍
    機。
  3. 【請求項3】 ヒートステージが取り付けられたシリン
    ダと、蓄冷器を内蔵しかつ前記シリンダ内を往復移動す
    るディスプレーサと、前記シリンダと前記ディスプレー
    サとの間に配設されたシール部と、前記ディスプレーサ
    を前記シリンダ内で往復移動させる駆動手段とを備え、
    前記ディスプレーサにより区切られた膨張室内に送り込
    まれるガスを、前記ディスプレーサの往復移動により断
    熱膨張させ、前記ヒートステージを所定温度に冷却する
    蓄冷型冷凍機において、低摩擦材からなるガイドベアリ
    ングを前記シリンダに内接するように前記ディスプレー
    サの外周に配設したことを特徴とする蓄冷型冷凍機。
  4. 【請求項4】 ヒートステージが取り付けられたシリン
    ダと、蓄冷器を内蔵しかつ前記シリンダ内を往復移動す
    るディスプレーサと、前記シリンダと前記ディスプレー
    サとの間に配設されたシール部と、前記ディスプレーサ
    を前記シリンダ内で往復移動させる駆動手段とを備え、
    前記ディスプレーサにより区切られた膨張室内に送り込
    まれるガスを、前記ディスプレーサの往復移動により断
    熱膨張させ、前記ヒートステージを所定温度に冷却する
    蓄冷型冷凍機において、前記シリンダの内周面と前記デ
    ィスプレーサの外周面との一側に周方向の環状の溝を形
    成するとともに、前記シリンダの内周面と前記ディスプ
    レーサの外周面との他側と微小間隙を有するリング状の
    シール体を前記環状の溝内に遊嵌して、前記シール部を
    構成したことを特徴とする蓄冷型冷凍機。
  5. 【請求項5】 ヒートステージが取り付けられたシリン
    ダと、蓄冷器を内蔵しかつ前記シリンダ内を往復移動す
    るディスプレーサと、前記シリンダと前記ディスプレー
    サとの間に配設されたシール部と、前記ディスプレーサ
    を前記シリンダ内で往復移動させる駆動手段とを備え、
    前記ディスプレーサにより区切られた膨張室内に送り込
    まれるガスを、前記ディスプレーサの往復移動により断
    熱膨張させ、前記ヒートステージを所定温度に冷却する
    蓄冷型冷凍機において、前記駆動手段のスコッチヨーク
    軸の外周面と前記スコッチヨーク軸の受部の内周面との
    一側に周方向の環状の溝を形成するとともに、前記スコ
    ッチヨーク軸の外周面と前記受部の内周面との他側と微
    小間隙を有するリング状のシール体を前記環状の溝内に
    遊嵌して、前記スコッチヨーク軸のシール部を構成した
    ことを特徴とする蓄冷型冷凍機。
  6. 【請求項6】 それぞれヒートステージが取り付けられ
    た複数段のシリンダと、それぞれ蓄冷器を内蔵しかつ前
    記シリンダ内を往復移動する複数のディスプレーサと、
    前記シリンダと前記ディスプレーサとの間に配設された
    シール部と、前記ディスプレーサを前記シリンダ内で往
    復移動させる駆動手段とを備え、前記ディスプレーサに
    より区切られた膨張室内に送り込まれるガスを、前記デ
    ィスプレーサの往復移動により断熱膨張させ、前記ヒー
    トステージを所定温度に冷却する蓄冷型冷凍機におい
    て、前記複数のディスプレーサは、前記ディスプレーサ
    の軸方向にあそびを有する継手部により前記ディスプレ
    ーサの軸方向に連結されていることを特徴とする蓄冷型
    冷凍機。
  7. 【請求項7】 それぞれヒートステージが取り付けられ
    た複数段のシリンダと、それぞれ蓄冷器を内蔵しかつ前
    記シリンダ内を往復移動する複数のディスプレーサと、
    前記シリンダと前記ディスプレーサとの間に配設された
    シール部と、前記ディスプレーサを前記シリンダ内で往
    復移動させる駆動手段とを備え、前記ディスプレーサに
    より区切られた膨張室内に送り込まれるガスを、前記デ
    ィスプレーサの往復移動により断熱膨張させ、前記ヒー
    トステージを所定温度に冷却する蓄冷型冷凍機におい
    て、前記複数のディスプレーサは、前記ディスプレーサ
    の軸方向の応力を吸収する弾性部材が設けられた継手部
    により前記ディスプレーサの軸方向に連結されているこ
    とを特徴とする蓄冷型冷凍機。
  8. 【請求項8】 それぞれヒートステージが取り付けられ
    た複数段のシリンダと、それぞれ蓄冷器を内蔵しかつ前
    記シリンダ内を往復移動する複数のディスプレーサと、
    前記シリンダと前記ディスプレーサとの間に配設された
    シール部と、前記ディスプレーサを前記シリンダ内で往
    復移動させる駆動手段とを備え、前記ディスプレーサに
    より区切られた膨張室内に送り込まれるガスを、前記デ
    ィスプレーサの往復移動により断熱膨張させ、前記ヒー
    トステージを所定温度に冷却する蓄冷型冷凍機におい
    て、前記複数のディスプレーサは、永久磁石からなる継
    手部により前記ディスプレーサの軸方向に連結されてい
    ることを特徴とする蓄冷型冷凍機。
  9. 【請求項9】 それぞれヒートステージが取り付けられ
    た複数段のシリンダと、それぞれ蓄冷器を内蔵しかつ前
    記シリンダ内を往復移動する複数のディスプレーサと、
    前記シリンダと前記ディスプレーサとの間に配設された
    シール部と、前記ディスプレーサを前記シリンダ内で往
    復移動させる駆動手段とを備え、前記ディスプレーサに
    より区切られた膨張室内に送り込まれるガスを、前記デ
    ィスプレーサの往復移動により断熱膨張させ、前記ヒー
    トステージを所定温度に冷却する蓄冷型冷凍機におい
    て、少なくとも前記複数のディスプレーサの1つに内蔵
    される前記蓄冷器は、超電導材料もしくは希土類金属の
    合金または化合物と超電導材料とが一体化された蓄冷材
    が充填されていることを特徴とする蓄冷型冷凍機。
  10. 【請求項10】 ヒートステージが取り付けられたシリ
    ンダと、蓄冷器を内蔵しかつ前記シリンダ内を往復移動
    するディスプレーサと、前記シリンダと前記ディスプレ
    ーサとの間に配設されたシール部と、前記ディスプレー
    サを前記シリンダ内で往復移動させる駆動手段とを備
    え、前記ディスプレーサにより区切られた膨張室内に送
    り込まれるガスを、前記ディスプレーサの往復移動によ
    り断熱膨張させ、前記ヒートステージを所定温度に冷却
    する蓄冷型冷凍機において、前記ディスプレーサのガス
    流入端と前記蓄冷器との間に吸着材を配設したことを特
    徴とする蓄冷型冷凍機。
  11. 【請求項11】 ヒートステージが取り付けられたシリ
    ンダと、蓄冷器を内蔵しかつ前記シリンダ内を往復移動
    するディスプレーサと、前記シリンダと前記ディスプレ
    ーサとの間に配設されたシール部と、前記ディスプレー
    サを前記シリンダ内で往復移動させる駆動手段とを備
    え、前記ディスプレーサにより区切られた膨張室内に送
    り込まれるガスを、前記ディスプレーサの往復移動によ
    り断熱膨張させ、前記ヒートステージを所定温度に冷却
    する蓄冷型冷凍機において、前記ガスの流れを規制する
    板状の螺旋状部材を前記蓄冷器内に配設したことを特徴
    とする蓄冷型冷凍機。
  12. 【請求項12】 それぞれヒートステージが取り付けら
    れた複数段のシリンダと、それぞれ蓄冷器を内蔵し、前
    記シリンダの軸方向に連設されかつ前記シリンダ内を往
    復移動する複数のディスプレーサと、前記シリンダと前
    記ディスプレーサとの間に配設されたシール部と、前記
    ディスプレーサを前記シリンダ内で往復移動させる駆動
    手段とを備え、前記ディスプレーサにより区切られた膨
    張室内に送り込まれるガスを、前記ディスプレーサの往
    復移動により断熱膨張させ、前記ヒートステージを所定
    温度に冷却する蓄冷型冷凍機において、少なくとも前記
    複数のディスプレーサの1つに内蔵される前記蓄冷器
    は、前記蓄冷器の軸心に対して角度をもって仕切板が配
    設され、前記仕切板により形成された仕切り空間ごとに
    種類の異なる蓄冷材が充填されていることを特徴とする
    蓄冷型冷凍機。
  13. 【請求項13】 それぞれヒートステージが取り付けら
    れた複数段のシリンダと、それぞれ蓄冷器を内蔵し、前
    記シリンダの軸方向に連設されかつ前記シリンダ内を往
    復移動する複数のディスプレーサと、前記シリンダと前
    記ディスプレーサとの間に配設されたシール部と、前記
    ディスプレーサを前記シリンダ内で往復移動させる駆動
    手段とを備え、前記ディスプレーサにより区切られた膨
    張室内に送り込まれるガスを、前記ディスプレーサの往
    復移動により断熱膨張させ、前記ヒートステージを所定
    温度に冷却する蓄冷型冷凍機において、少なくとも前記
    複数のディスプレーサの1つに内蔵される前記蓄冷器
    は、少なくとも希土類金属の合金または化合物を有する
    蓄冷材が充填されているとともに、少なくとも希土類金
    属の合金または化合物を有する前記蓄冷材が充填されて
    なる前記蓄冷器を内蔵する前記ディスプレーサを包囲す
    る前記シリンダの部位に超電導体を配設したことを特徴
    とする蓄冷型冷凍機。
  14. 【請求項14】 ヒートステージが取り付けられたシリ
    ンダと、蓄冷器を内蔵しかつ前記シリンダ内を往復移動
    するディスプレーサと、前記シリンダと前記ディスプレ
    ーサとの間に配設されたシール部と、前記ディスプレー
    サを前記シリンダ内で往復移動させる駆動手段とを備
    え、前記ディスプレーサにより区切られた膨張室内に送
    り込まれるガスを、前記ディスプレーサの往復移動によ
    り断熱膨張させ、前記ヒートステージを所定温度に冷却
    する蓄冷型冷凍機において、前記シリンダに引き抜き管
    を用いたことを特徴とする蓄冷型冷凍機。
  15. 【請求項15】 それぞれヒートステージが取り付けら
    れた複数段のシリンダと、それぞれ蓄冷器を内蔵し、前
    記シリンダの軸方向に連設されかつ前記シリンダ内を往
    復移動する複数のディスプレーサと、前記シリンダと前
    記ディスプレーサとの間に配設されたシール部と、前記
    ディスプレーサを前記シリンダ内で往復移動させる駆動
    手段とを備え、前記ディスプレーサにより区切られた膨
    張室内に送り込まれるガスを、前記ディスプレーサの往
    復移動により断熱膨張させ、前記ヒートステージを所定
    温度に冷却する蓄冷型冷凍機において、前記複数段のシ
    リンダのそれぞれに引き抜き管を用いるとともに、前記
    ヒートステージを円筒部と切頭中空円錐部とから形成
    し、一方の前記シリンダ内に前記円筒部を挿入接合し、
    前記切頭円錐部内に他方の前記シリンダを挿入接合して
    前記ヒートステージにより前記複数段のシリンダ間を気
    密的に連結したことを特徴とする蓄冷型冷凍機。
  16. 【請求項16】 膨張室内に露呈するヒートステージの
    円筒部の端面にフィンを配設したことを特徴とする請求
    項15記載の蓄冷型冷凍機。
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